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2 - Harry Potter, 16.2.2 秘密の部屋 - The Chamber of Secrets

16.2.2 秘密の部屋 - The Chamber of Secrets

「 ハリー 、 何 か 言って みろ よ 。 何 か を 蛇 語 で 」 ロン が 言った 。 「 でも 」 ハリー は 必死で 考えた 。 なんとか 蛇 語 が 話せた の は 、 本物 の ヘビ に 向かって いる とき だけ だった 。 小さな 彫物 を じっと 見つめて 、 ハリー は それ が 本物 である と 想像 して みた 。 「 開け 」

ロン の 顔 を 見る と 、 首 を 横 に 振って いる 。

「 普通の 言葉 だ よ 」

ハリー は もう 一 度 ヘビ を 見た 。 本物 の ヘビ だ と 思い込もう と した 。 首 を 動かして みる と 、 蝋燭 の 明り で 、 彫物 が 動いて いる ように 見えた 。

『 開け 』 もう 一 度 言った 。

言った はずの 言葉 は 聞こえて こ なかった 。 かわり に 奇妙な シュー シュー と いう 音 が 、 口 から 出た 。 そして 、 蛇口 が 眩 い 白い 光 を 放ち 、 回り はじめた 。 次の 瞬間 、 手洗い 台 が 動き出し た 。

手洗い 台 が 沈み 込み 、 見る見る 消え去った あと に 、 太い パイプ が むき出しに なった 。

大人 一 人 が 滑り 込める ほど の 太 さ だ 。

ハリー は ロン が 息 を 呑む 声 で 、 再び 目 を 上げた 。

何 を すべき か 、 もう ハリー の 心 は 決まって いた 。 「 僕 は ここ を 降りて 行く 」 ハリー が 言った 。 行か ないで はいら れ ない 。

「 秘密の 部屋 」 へ の 入口 が 見つかった 以上 、 ほんの わずかな 、 かすかな 可能 性 でも 、 ジニー が まだ 生きて いる かも しれ ない 以上 、 行か なければ 。

「 僕 も 行く 」 ロン が 言った 。

一瞬 の 空白 が あった 。

「 さて 、 私 は ほとんど 必要ない ようです ね 」 ロック ハート が 、 得意の スマイル の 残骸 の よう な 笑い を 浮かべた 。

「 私 は これ で ――」

ロック ハート が ドア の 取っ手 に 手 を 掛けた が 、 ロン と ハリー が 、 同時に 杖 を ロック ハート に 向けた 。

「 先 に 降りる んだ 」 ロン が 凄んだ 。

顔面 蒼白 で 杖 も なく 、 ロックハート は パイプ の 入口 に 近づいた 。

「 君 たち 」 ロック ハート は 弱々しい 声 で 言った 。

「 ねえ 、 君 たち 、 それ が なんの 役に立つ と いう んだ ね ?」

ハリー は ロックハート の 背中 を 杖 で 小突いた 。

ロック ハート は 足 を パイプ に 滑り込ま せた 。

「 ほんとうに なんの 役 に も ――」 ロック ハート が また 言い かけた が 、 ロン が 押した ので 、 ロックハート は 滑り落ちて 見え なく なった 。

すぐ あと に ハリー が 続いた 。 ゆっくり と パイプ の 中 に 入り込み 、 それ から 手 を 放した 。

ちょうど 、 果てし の ない 、 ぬるぬる した 暗い 滑り台 を 急 降下 して いく ようだった 。 あちこち 四方八方 に 枝分かれ して いる パイプ が 見えた が 、 自分 たち が 降りて 行く パイプ より 太い もの は なかった 。

その パイプ は 曲がりくねり ながら 、 下 に 向かって 急 勾配 で 続いて いる 。 ハリー は 学校 の 下 を 深く 、 地下 牢 より も 一層 深く 落ちて 行く の が わかった 。

あと から 来る ロン が カーブ を 通る たび に ドスン ドスン と 軽く ぶつかる 音 を たてる の が 聞こえ た 。

底 に 着陸 したら どう なる のだろう と 、 ハリー が 不安に 思い はじめた その とき 、 パイプ が 平ら に なり 、 出口 から 放り出さ れ 、 ドスッ と 湿った 音 を たてて 、 暗い 石 の トンネル の じめじめ し た 床 に 落ちた 。

トンネル は 立ち上がる に 十分な 高さ だった 。 ロック ハート が 尐 し 離れた ところ で 、 全身 ベトベト で 、 ゴースト の ように 白い 顔 を して 立ち上がる ところ だった 。

ロン も ヒユーッ と 降りて きた ので 、 ハリー は パイプ の 出口 の 脇 に よけた 。

「 学校 の 何 キロ も ずーっと 下 の 方 に 違いない 」 ハリー の 声 が トンネル の 闇 に 反響 した 。

「 湖 の 下 だ よ 。 たぶん 」 暗い ぬるぬる した 壁 を 目 を 細めて 見回し ながら 、 ロン が 言った 。

二 人 と も 、 目の前 に 続く 闇 を じっと 見つめた 。

「 ルーモス !< 光 よ >」 ハリー が 杖 に 向かって 呟く と 、 杖 に 灯り が 点った 。 「 行こう 」 ハリー が あと の 二 人 に 声 を かけ 、 三 人 は 歩き 出した 。

足音 が 、 湿った 床 に ピシャッピシャッ と 大きく 響いた 。

トンネル は 真っ暗で 、 目 と 鼻 の 先 しか 見え ない 。

杖 灯り で 湿っぽい 壁 に 映る 三 人 の 影 が 、 おどろおどろしかった 。

「 みんな 、 いい かい 」 そろそろ と 前進 し ながら 、 ハリー が 低い 声 で 言った 。

「 何 か が 動く 気配 を 感じたら 、 すぐ 目 を つぶる んだ ......」

しかし 、 トンネル は 墓場 の ように 静まり返って いた 。

最初に 耳慣れ ない 音 を 聞いた の は 、 ロン が 何 か を 踏んづけた バリン と いう 大きな 音 で 、 それ は ネズミ の 頭蓋 骨 だった 。

ハリー が 杖 を 床 に 近づけて よく 見る と 、 小さな 動物 の 骨 が そこら 中 に 散らばって いた 。 ジ ニー が 見つかった とき 、 どんな 姿 に なって いる だろう ...... そんな 思い を 必死で 振り切り なが ら 、 ハリー は 暗い トンネル の カーブ を 、 先頭 に 立って 曲がった 。

「 ハリー 、 あそこ に 何 か ある ......」

ロン の 声 が かすれ 、 ハリー の 肩 を ギュッと つかんだ 。

三 人 は 凍りついた ように 立ち止まって 、 行く手 を 見つめた 。

トンネル を ふさぐ ように 、 何 か 大きくて 曲線 を 描いた もの が あった 。

輪郭 だけ が かろうじて 見える 。 その もの は じっと 動か ない 。

「 眠って いる の かも しれ ない 」

ハリー は 息 を ひそめ 、 後ろ の 二 人 を テラリ と 振り返った 。

ロック ハート は 両手 で しっかり と 目 を 押さえて いた 。

ハリー は また 前方 を 見た 。 心臓 の 動 博 が 痚 い ほど 速く なった 。

ゆっくり と 、 ぎりぎり 物 が 見える 程度 に 、 できる かぎり 目 を 細く して 、 その 物体 に じりじり と 近寄った 。

ハリー は 杖 を 高く 掲げ 杖 灯り が 照らし出した の は 、 巨大な 蛇 の 抜け殻 だった 。 毒々しい 鮮やかな 緑色 の 皮 が 、 トンネル の 床 に とぐろ を 巻いて 横たわって いる 。 脱皮 した 蛇 は ゆうに 六 メートル は ある に 違いない 「 なんて こった 」 ロン が 力なく 言った 。 後ろ の 方 で 急に 何 か が 動いた 。

ギルデロイ ・ ロックハート が 腰 を 抜かして いた 。

「 立て 」 ロン が 、 ロックハート に 杖 を 向け 、 きつい 口調 で 言った 。

ロック ハート は 立ち上がり ―― ロン に 跳び かかって 床 に 殴り 倒した 。

ハリー が 前 に 飛び出した が 、 間に合わ なかった 。

ロック ハート は 肩 で 息 を し ながら 立ち上がった 。

ロン の 杖 を 握り 、 輝く ような スマイル が 戻って いる 。

「 坊や たち 、 お 遊び は これ で おしまい だ ! 私 は この 皮 を 尐 し 学校 に 持って 帰り 、 女の子 を 救 うに は 遅 過ぎた と みんな に 言おう 。 君 たち 二 人 は ズタズタ に なった 無残な 死骸 を 見て 、 哀れ に も 気 が 狂った と 言おう 。 さあ 、 記憶 に 別れ を 告げる が いい !」

ロック ハート は スペロテープ で 張りつけた ロン の 杖 を 頭上 に かざし 、 一声 叫んだ 。

「 オフリビエイト !< 忘れよ >」 杖 は 小型 爆弾 なみ に 爆発 した 。

ハリー は 蛇 の とぐろ を 巻いた 抜け殻 に 躓き 、 滑り ながら 、 両手 で さっと 頭 を 覆って 逃げた 。

トンネル の 天井 から 、 大きな 塊 が 、 雷 の ような 轟音 を 上げて バラバラ と 崩れ落ちて きた の だ 。

次の 瞬間 、 岩 の 塊 が 固い 壁 の ように たちふさがって いる の を ジッと 見 ながら 、 ハリー は たった 一 人 で そこ に 立って いた 。 「 ローン !」 ハリー が 叫んだ 。 「 大丈夫 か ! ロン !」

「 ここ だ よ !」 ロン の 声 は 崩れ落ちた 岩石 の 影 から ぼんやり と 聞こえた 。

「 僕 は 大丈夫だ 。 でも こっち の バカ は ダメだ - 杖 で 吹っ飛ば さ れた 」

ドンと 鈍い 音 に 続いて 「 アイタッ !」 と 言う 大きな 声 が 聞こえた 。

ロン が ロック ハート の むこう 脛 を 蹴飛ばした ような 音 だった 。

「 さあ 、 どう する !」 ロン の 声 は 必死だった 。

「 こっち から は 行け ない よ 。 何 年 も かかって しまう ......」

ハリー は トンネル の 天井 を 見上げた 。

巨大な 割れ目 が できて いる 。 ハリー は これ まで 、 こんな 岩石 の 山 の ような 大きな もの を 、 魔法 で 砕いて みた こと が なかった 。 初めて それ に 挑戦 する に は 、 タイミング が よい と は 言え な い ―― トンネル 全体 が 潰れたら どう する ?

岩 の むこう から 、 また 「 ドン 」 が 聞こえ 、「 アイタッ !」 が 聞こえた 。 時間 が むだに 過ぎて 行く 。

ジニー が 『 秘密の 部屋 』 に 連れ 去られて から 何 時間 も たって いる ―― ハリー に は 道 は 一 つ しかない こと が わかって いた 。 「 そこ で 待って て 」 ハリー は ロン に 呼びかけた 。

「 ロック ハート と 一緒に 待って いて 。 僕 が 先 に 進む 。 一 時間 たって 戻ら なかったら ......」

もの言い た げ な 沈黙 が あった 。

「 僕 は 尐 し でも ここ の 岩石 を 取り崩して みる よ 」 ロン は 、 懸命に 落ち着いた 声 を 出そう と し て いる ようだった 。

「 そう すれば 君 が ―― 帰り に ここ を 通れる 。 だ から ハリー ――」

「 それ じゃ 、 また あと で ね 」 ハリー は 震える 声 に 、 なんとか 自信 を 叩きこむ ように 言った 。

そして 、 ハリー は たった 一 人 、 巨大な 蛇 の 皮 を 越えて 先 に 進んだ 。

ロン が 力 を 振りしぼって 、 岩石 を 動かそう と して いる 音 も やがて 遠く なり 、 聞こえ なく なった 。 トンネル は くねくね と 何度 も 曲がった 。 体中 の 神経 が きりきり と 不快に 痚 んだ 。

ハリー は トンネル の 終わり が 来れば よい と 思い ながら も 、 その とき に 何 が 見つかる か を 思う と 、 恐ろしく も あった 。

また もう 一 つ の 曲り角 を そっと 曲がった 途端 、 遂に 前方 に 固い 壁 が 見えた 。

二 匹 の ヘビ が 絡み合った 彫刻 が 施して あり 、 ヘビ の 目 に は 輝く 大粒の エメラルド が 嵌め込んで あった 。

ハリー は 近づいて 行った 。 喉 が カラ カラ だ 。 今度 は 石 の ヘビ を 本物 だ と 思い込む 必要 は な かった 。

ヘビ の 目 が 妙に 生き生き して いる 。 何 を すべき か 、 ハリー に は 想像 が ついた 。 咳払い を し た 。

すると エメラルド の 目 が チラチラ と 輝いた ようだった 。

『 開け 』 低く 幽かな シュー シュー と いう 音 だった 。

壁 が 二 つ に 裂け 、 絡み合って いた ヘビ が 分かれ 、 両側 の 壁 が 、 スルスル と 滑る ように 見え な く なった 。

ハリー は 頭 の てっぺん から 足 の つま先 まで 震え ながら その 中 に 入って 行った 。

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16.2.2 秘密の部屋 - The Chamber of Secrets ひみつの へや|the|chamber||secrets secret room|||| 16.2.2 Kammer des Schreckens - Die Kammer des Schreckens 16.2.2 The Chamber of Secrets 16.2.2 Chambre des secrets - La Chambre des secrets 16.2.2 Komnata tajemnic - Komnata tajemnic 16.2.2 Hemligheternas kammare - Hemligheternas kammare

「 ハリー 、 何 か 言って みろ よ 。 |なん||いって|| Harry||||| "Harry, say something. 何 か を 蛇 語 で 」 ロン が 言った 。 なん|||へび|ご||||いった |||snake||||| 「 でも 」 ハリー は 必死で 考えた 。 |||ひっしで|かんがえた |||desperately| なんとか 蛇 語 が 話せた の は 、 本物 の ヘビ に 向かって いる とき だけ だった 。 |へび|ご||はなせた|||ほんもの||へび||むかって|||| |snake|||could speak|||real||||||||was The only time I was able to somehow speak Snake was when I was facing a real snake. 小さな 彫物 を じっと 見つめて 、 ハリー は それ が 本物 である と 想像 して みた 。 ちいさな|ほりもの|||みつめて|||||ほんもの|||そうぞう|| |carving|||||||||||imagined|| Staring intently at the small carving, Harry tried to imagine that it was real. 「 開け 」 あけ "Open."

ロン の 顔 を 見る と 、 首 を 横 に 振って いる 。 ||かお||みる||くび||よこ||ふって| ||||||||side||shaking| When I look at Ron's face, he is shaking his head.

「 普通の 言葉 だ よ 」 ふつうの|ことば|| ordinary|||you "It's just ordinary words."

ハリー は もう 一 度 ヘビ を 見た 。 |||ひと|たび|へび||みた Harry looked at the snake once more. 本物 の ヘビ だ と 思い込もう と した 。 ほんもの||へび|||おもいこもう|| |||||überzeugen|| |||||let's try to believe|| 首 を 動かして みる と 、 蝋燭 の 明り で 、 彫物 が 動いて いる ように 見えた 。 くび||うごかして|||ろうそく||あかり||ほりもの||うごいて|||みえた neck||moved|||candle||light|at|carving||moving||| When I tried to move my neck, it seemed like the carvings were moving in the candlelight.

『 開け 』 もう 一 度 言った 。 あけ||ひと|たび|いった I said, 'Open' once again.

言った はずの 言葉 は 聞こえて こ なかった 。 いった||ことば||きこえて|| said|supposed|||||did not The words I should have said were not heard. かわり に 奇妙な シュー シュー と いう 音 が 、 口 から 出た 。 ||きみょうな|しゅー|しゅー|||おと||くち||でた ||strange|shoe|shoe||||||| Instead, a strange hiss sound came out of my mouth. そして 、 蛇口 が 眩 い 白い 光 を 放ち 、 回り はじめた 。 |じゃぐち||くら||しろい|ひかり||はなち|まわり| |tap||dazzling|bright|white|light||emitted|around|started Then, the faucet emitted a dazzling white light and began to spin. 次の 瞬間 、 手洗い 台 が 動き出し た 。 つぎの|しゅんかん|てあらい|だい||うごきだし| |moment|handwashing|table||started| In the next moment, the washbasin started to move.

手洗い 台 が 沈み 込み 、 見る見る 消え去った あと に 、 太い パイプ が むき出しに なった 。 てあらい|だい||しずみ|こみ|みるみる|きえさった|||ふとい|ぱいぷ||むきだしに| |||sank|sank|quickly|disappeared|||thick|pipe||exposed| The washbasin sank down, and before long, a thick pipe was exposed.

大人 一 人 が 滑り 込める ほど の 太 さ だ 。 おとな|ひと|じん||すべり|こめる|||ふと|| adult||||sliding|can slide|||thickness|| It's thick enough for an adult to slide into.

ハリー は ロン が 息 を 呑む 声 で 、 再び 目 を 上げた 。 ||||いき||どん む|こえ||ふたたび|め||あげた ||||breath||gulp|||again||| Harry looked up again at the sound of Ron gasping.

何 を すべき か 、 もう ハリー の 心 は 決まって いた 。 なん||す べき|||||こころ||きまって| what||should|quotation particle||||||decided| What he should do was already decided in Harry's mind. 「 僕 は ここ を 降りて 行く 」 ハリー が 言った 。 ぼく||||おりて|いく|||いった ||||getting off|||| "I'm going to get off here," Harry said. 行か ないで はいら れ ない 。 いか|||| will not go||入ら||not I cannot help but go.

「 秘密の 部屋 」 へ の 入口 が 見つかった 以上 、 ほんの わずかな 、 かすかな 可能 性 でも 、 ジニー が まだ 生きて いる かも しれ ない 以上 、 行か なければ 。 ひみつの|へや|||いりぐち||みつかった|いじょう||||かのう|せい|||||いきて|||||いじょう|いか| |||||||since|just|slight|faint|possibility|possibility|but||||||||||| Now that the entrance to the 'Secret Room' has been found, even the slightest, faint possibility that Ginny might still be alive means we have to go.

「 僕 も 行く 」 ロン が 言った 。 ぼく||いく|||いった 'I will go too,' Ron said.

一瞬 の 空白 が あった 。 いっしゅん||くうはく|| a moment||blank||was There was a moment of silence.

「 さて 、 私 は ほとんど 必要ない ようです ね 」 ロック ハート が 、 得意の スマイル の 残骸 の よう な 笑い を 浮かべた 。 |わたくし|||ひつような い|||ろっく|はーと||とくいの|すまいる||ざんがい||||わらい||うかべた ||||||||||gewohntes||||||||| ||||not necessary||||||special|smile||remnants||||||floated Well, it seems I hardly need this, doesn't it?

「 私 は これ で ――」 わたくし||| I'm going to do this--

ロック ハート が ドア の 取っ手 に 手 を 掛けた が 、 ロン と ハリー が 、 同時に 杖 を ロック ハート に 向けた 。 ろっく|はーと||どあ||とって||て||かけた||||||どうじに|つえ||ろっく|はーと||むけた |||||handle||||placed||||||at the same time|||||| Lockhart placed his hand on the doorknob, but Ron and Harry simultaneously pointed their wands at Lockhart.

「 先 に 降りる んだ 」 ロン が 凄んだ 。 さき||おりる||||すごんだ ||||||gebrüllt ahead||will get off|explanation particle|||threatened Ron threatened, "I'm getting off first."

顔面 蒼白 で 杖 も なく 、 ロックハート は パイプ の 入口 に 近づいた 。 がんめん|そうはく||つえ|||||ぱいぷ||いりぐち||ちかづいた face|pale||||without||||||| With a pale face and no cane, Lockhart approached the entrance of the pipe.

「 君 たち 」 ロック ハート は 弱々しい 声 で 言った 。 きみ||ろっく|はーと||よわよわしい|こえ||いった |||||feeble||| "You all," Lockhart said in a weak voice.

「 ねえ 、 君 たち 、 それ が なんの 役に立つ と いう んだ ね ?」 |きみ|||||やく に たつ|||| ||||||usefulness|||| Hey, you guys, what good does that do?

ハリー は ロックハート の 背中 を 杖 で 小突いた 。 ||||せなか||つえ||こづいた ||||back||||nudged Harry poked Lockhart's back with his wand.

ロック ハート は 足 を パイプ に 滑り込ま せた 。 ろっく|はーと||あし||ぱいぷ||すべりこま| |||foot||||slipped|slid Lockhart slipped his feet into the pipe.

「 ほんとうに なんの 役 に も ――」 ロック ハート が また 言い かけた が 、 ロン が 押した ので 、 ロックハート は 滑り落ちて 見え なく なった 。 ||やく|||ろっく|はーと|||いい|||||おした||||すべりおちて|みえ|| ||use||||||||||||pressed||||slipped off||| "It really is of no use――" Lockhart began to say again, but Ron pushed him, and Lockhart slipped away and disappeared.

すぐ あと に ハリー が 続いた 。 |||||つづいた |||||followed Harry followed right after. ゆっくり と パイプ の 中 に 入り込み 、 それ から 手 を 放した 。 ||ぱいぷ||なか||はいりこみ|||て||はなした ||||||entered|||||released He slowly climbed into the pipe and then let go.

ちょうど 、 果てし の ない 、 ぬるぬる した 暗い 滑り台 を 急 降下 して いく ようだった 。 |はてし|||||くらい|すべりだい||きゅう|こうか||| |||||||Rutsche|||||| |end|||slippery||dark|slide||suddenly|descent||| It was like rapidly descending down a bottomless, slippery, dark slide. あちこち 四方八方 に 枝分かれ して いる パイプ が 見えた が 、 自分 たち が 降りて 行く パイプ より 太い もの は なかった 。 |しほうはっぽう||えだわかれ|||ぱいぷ||みえた||じぶん|||おりて|いく|ぱいぷ||ふとい||| |everywhere||branching||||||||||going down|||than|||| I could see pipes branching out in every direction, but none were thicker than the one we were descending.

その パイプ は 曲がりくねり ながら 、 下 に 向かって 急 勾配 で 続いて いる 。 |ぱいぷ||まがりくねり||した||むかって|きゅう|こうばい||つづいて| |||kurvig||||||||| |||winding||down|||steep|slope||continuing| The pipe twisted and turned, continuing downward at a steep incline. ハリー は 学校 の 下 を 深く 、 地下 牢 より も 一層 深く 落ちて 行く の が わかった 。 ||がっこう||した||ふかく|ちか|ろう|||いっそう|ふかく|おちて|いく||| ||||||deeply|under|prison|than||even more|deeper|falling|||| Harry realized that he was falling deeply under the school, even deeper than the dungeons.

あと から 来る ロン が カーブ を 通る たび に ドスン ドスン と 軽く ぶつかる 音 を たてる の が 聞こえ た 。 ||くる|||かーぶ||とおる|||どすん|どすん||かるく||おと|||||きこえ| |||||curve||passes|||thud|||lightly|lightly collided|||sound|||| He could hear Ron, who was coming behind, making a light bumping sound every time he went around a curve.

底 に 着陸 したら どう なる のだろう と 、 ハリー が 不安に 思い はじめた その とき 、 パイプ が 平ら に なり 、 出口 から 放り出さ れ 、 ドスッ と 湿った 音 を たてて 、 暗い 石 の トンネル の じめじめ し た 床 に 落ちた 。 そこ||ちゃくりく||||||||ふあんに|おもい||||ぱいぷ||たいら|||でぐち||ほうりださ||||しめった|おと|||くらい|いし||とんねる|||||とこ||おちた ||||||||||||||||||||||||plumps|||||||||||||||| bottom||landing|if||||quotation particle|||anxiously|||||||flat|||||thrown||thud||wet|||made|dark|stone||tunnel||damp|||floor||fell Just as Harry began to feel anxious about what would happen once he landed at the bottom, the pipe flattened out, and he was thrown out from the exit with a thud, landing on the damp floor of a dark stone tunnel with a squelching sound.

トンネル は 立ち上がる に 十分な 高さ だった 。 とんねる||たちあがる||じゅうぶんな|たか さ| ||||ausreichende|| ||||sufficient|height| The tunnel had enough height to stand up. ロック ハート が 尐 し 離れた ところ で 、 全身 ベトベト で 、 ゴースト の ように 白い 顔 を して 立ち上がる ところ だった 。 ろっく|はーと||||はなれた|||ぜんしん|べとべと||ごーすと|||しろい|かお|||たちあがる|| |||||distant|||whole body|sticky|at|||||||||| At a slightly distant place, Rock Heart was standing up covered in goo, with a face as white as a ghost.

ロン も ヒユーッ と 降りて きた ので 、 ハリー は パイプ の 出口 の 脇 に よけた 。 ||||おりて|||||ぱいぷ||でぐち||わき|| |||||||||||||||auswich ||sliding||came down|||||||||||stepped aside Since Ron also came down with a whoosh, Harry stepped aside next to the pipe's exit.

「 学校 の 何 キロ も ずーっと 下 の 方 に 違いない 」 ハリー の 声 が トンネル の 闇 に 反響 した 。 がっこう||なん|きろ|||した||かた||ちがいない|||こえ||とんねる||やみ||はんきょう| school||||||||direction|||||||tunnel||darkness||echoed| Harry's voice echoed in the darkness of the tunnel, 'It must be several kilometers below the school.'

「 湖 の 下 だ よ 。 こ||した|| lake|||| 'It's underneath the lake.' たぶん 」 暗い ぬるぬる した 壁 を 目 を 細めて 見回し ながら 、 ロン が 言った 。 |くらい|||かべ||め||ほそめて|みまわし||||いった probably|dark|slimy||wall||||squinting||||| Ron said, squinting as he looked around at the dark, slimy walls, 'Maybe.'

二 人 と も 、 目の前 に 続く 闇 を じっと 見つめた 。 ふた|じん|||めのまえ||つづく|やみ|||みつめた ||||||continued||||

「 ルーモス !< 光 よ >」 ハリー が 杖 に 向かって 呟く と 、 杖 に 灯り が 点った 。 |ひかり||||つえ||むかって|つぶやく||つえ||ともり||つ った lumos|light|light||||||murmured||||light||lit "Rumos! <Light>" Harry muttered at the wand, and the wand was lit. 「 行こう 」 ハリー が あと の 二 人 に 声 を かけ 、 三 人 は 歩き 出した 。 いこう|||||ふた|じん||こえ|||みっ|じん||あるき|だした "Let's go," Harry called out to the other two, and the three started walking.

足音 が 、 湿った 床 に ピシャッピシャッ と 大きく 響いた 。 あしおと||しめった|とこ||||おおきく|ひびいた |||||plätschern||| ||wet|||splashing|||echoed

トンネル は 真っ暗で 、 目 と 鼻 の 先 しか 見え ない 。 とんねる||まっくらで|め||はな||さき||みえ| tunnel||pitch black|||||||| The tunnel is pitch black and you can only see the tip of your eyes and nose.

杖 灯り で 湿っぽい 壁 に 映る 三 人 の 影 が 、 おどろおどろしかった 。 つえ|ともり||しめっぽい|かべ||うつる|みっ|じん||かげ||おどろ お どろ しかった ||||||||||||war unheimlich staff|light||damp|wall||projected||||shadow||ominous The shadows of three people were cast on the damp wall by the light of the staff, and they were terrifying.

「 みんな 、 いい かい 」 そろそろ と 前進 し ながら 、 ハリー が 低い 声 で 言った 。 |||||ぜんしん|||||ひくい|こえ||いった everyone|||||advance|||||low||| 'Everyone, are you ready?' Harry said in a low voice as he cautiously moved forward.

「 何 か が 動く 気配 を 感じたら 、 すぐ 目 を つぶる んだ ......」 なん|||うごく|けはい||かんじたら||め||| |||moves|sign||felt||||to close| 'If you feel something moving, close your eyes immediately...'

しかし 、 トンネル は 墓場 の ように 静まり返って いた 。 |とんねる||はかば|||しずまりかえって| |||graveyard|||silently|

最初に 耳慣れ ない 音 を 聞いた の は 、 ロン が 何 か を 踏んづけた バリン と いう 大きな 音 で 、 それ は ネズミ の 頭蓋 骨 だった 。 さいしょに|みみなれ||おと||きいた|||||なん|||ふんづけた||||おおきな|おと||||ねずみ||ずがい|こつ| |gewöhnlich||||||||||||getreten||||||||||||| first|not accustomed||||||||||||stepped on|crack||||||it||||skull|bone| The first unfamiliar sound I heard was a loud 'crack' when Ron stepped on something, and it was a rat's skull.

ハリー が 杖 を 床 に 近づけて よく 見る と 、 小さな 動物 の 骨 が そこら 中 に 散らばって いた 。 ||つえ||とこ||ちかづけて||みる||ちいさな|どうぶつ||こつ|||なか||ちらばって| ||||floor||brought closer|||||animal||bone||around|||scattered|was When Harry brought his wand closer to the ground to take a better look, he saw small animal bones scattered everywhere. ジ ニー が 見つかった とき 、 どんな 姿 に なって いる だろう ...... そんな 思い を 必死で 振り切り なが ら 、 ハリー は 暗い トンネル の カーブ を 、 先頭 に 立って 曲がった 。 |||みつかった|||すがた||||||おもい||ひっしで|ふりきり|な が||||くらい|とんねる||かーぶ||せんとう||たって|まがった |||||||||||||||abschütteln||||||||||||| locomotive||||||appearance||||||thought||desperately|shaking off|||||dark|||curve||front|||turned When Ginny was found, what kind of state would she be in... While desperately shaking off such thoughts, Harry turned at the bend of the dark tunnel, leading the way.

「 ハリー 、 あそこ に 何 か ある ......」 |||なん|| "Harry, there's something over there ..."

ロン の 声 が かすれ 、 ハリー の 肩 を ギュッと つかんだ 。 ||こえ|||||かた||ぎゅっと| ||||faltered|||shoulder||tight|grabbed Ron’s voice was hoarse as he tightly grasped Harry’s shoulder.

三 人 は 凍りついた ように 立ち止まって 、 行く手 を 見つめた 。 みっ|じん||こおりついた||たちどまって|ゆくて||みつめた three|||frozen|||way|| The three of them stood frozen, staring at their path.

トンネル を ふさぐ ように 、 何 か 大きくて 曲線 を 描いた もの が あった 。 とんねる||||なん||おおきくて|きょくせん||えがいた||| ||block|||||curve||drew||| There was something large and curved blocking the tunnel.

輪郭 だけ が かろうじて 見える 。 りんかく||||みえる outline|||barely| Only the contour is barely visible. その もの は じっと 動か ない 。 ||||うごか| ||||does not move|

「 眠って いる の かも しれ ない 」 ねむって||||| sleeping|||||

ハリー は 息 を ひそめ 、 後ろ の 二 人 を テラリ と 振り返った 。 ||いき|||うしろ||ふた|じん||||ふりかえった ||breath||held||||||quietly||looked back Harry held his breath and looked back at the two behind him.

ロック ハート は 両手 で しっかり と 目 を 押さえて いた 。 ろっく|はーと||りょうて||||め||おさえて| |||both hands||||||pressed| Lockhart was holding his eyes firmly with both hands.

ハリー は また 前方 を 見た 。 |||ぜんぽう||みた Harry|||front||looked Harry also looked forward. 心臓 の 動 博 が 痚 い ほど 速く なった 。 しんぞう||どう|はく|||||はやく| heart||movement|beat||pain|||fast| My heart started racing painfully fast.

ゆっくり と 、 ぎりぎり 物 が 見える 程度 に 、 できる かぎり 目 を 細く して 、 その 物体 に じりじり と 近寄った 。 |||ぶつ||みえる|ていど||||め||ほそく|||ぶったい||||ちかよった ||just barely||||程度|locative particle||as much as possible|||narrowly|||object||gradually||approached Slowly, to the extent that I could barely see, I narrowed my eyes as much as possible and inched closer to the object.

ハリー は 杖 を 高く 掲げ 杖 灯り が 照らし出した の は 、 巨大な 蛇 の 抜け殻 だった 。 ||つえ||たかく|かかげ|つえ|ともり||てらしだした|||きょだいな|へび||ぬけがら| |||||||||beleuchtet hat||||||| |||||raised||light||illuminated||||snake||shed| Harry raised his wand high, and what the wand light revealed was the massive shed skin of a snake. 毒々しい 鮮やかな 緑色 の 皮 が 、 トンネル の 床 に とぐろ を 巻いて 横たわって いる 。 どくどくしい|あざやかな|みどりいろ||かわ||とんねる||とこ||||まいて|よこたわって| ||||||||||Schlange|||| poisonous|vivid|green||skin||||floor||coil||coiled|lying| The poisonous, vivid green skin is lying coiled on the floor of the tunnel. 脱皮 した 蛇 は ゆうに 六 メートル は ある に 違いない 「 なんて こった 」 ロン が 力なく 言った 。 だっぴ||へび|||むっ|めーとる||||ちがいない|||||ちからなく|いった Häutung|||||||||||||||| shedding||snake||easily||||||||what|||weakly| The shed snake must be at least six meters long, Ron said weakly, 'What the hell.' 後ろ の 方 で 急に 何 か が 動いた 。 うしろ||かた||きゅうに|なん|||うごいた ||||||||moved Suddenly, something moved in the back.

ギルデロイ ・ ロックハート が 腰 を 抜かして いた 。 |||こし||ぬかして| |||waist||fainted| Gilderoy Lockhart was sitting down.

「 立て 」 ロン が 、 ロックハート に 杖 を 向け 、 きつい 口調 で 言った 。 たて|||||つえ||むけ||くちょう||いった ||||||||strict|tone|| Ron stood up and pointed his wand at Lockhart, speaking in a stern tone.

ロック ハート は 立ち上がり ―― ロン に 跳び かかって 床 に 殴り 倒した 。 ろっく|はーと||たちあがり|||とび||とこ||なぐり|たおした ||||||jumped||floor||hit|knocked down Lockhart stood up — and lunged at Ron, knocking him down to the floor.

ハリー が 前 に 飛び出した が 、 間に合わ なかった 。 ||ぜん||とびだした||まにあわ| ||||||did not make it| Harry jumped forward, but it was too late.

ロック ハート は 肩 で 息 を し ながら 立ち上がった 。 ろっく|はーと||かた||いき||||たちあがった |heart||shoulder||sigh|||| Rock Heart stood up, breathing on his shoulders.

ロン の 杖 を 握り 、 輝く ような スマイル が 戻って いる 。 ||つえ||にぎり|かがやく||すまいる||もどって| ||||gripped|shining||smile||returning|

「 坊や たち 、 お 遊び は これ で おしまい だ ! 私 は この 皮 を 尐 し 学校 に 持って 帰り 、 女の子 を 救 うに は 遅 過ぎた と みんな に 言おう 。 ぼうや|||あそび||||||わたくし|||かわ||||がっこう||もって|かえり|おんなのこ||すく|||おそ|すぎた||||いおう boy|||play|||||||||skin|||||||home|||save|to||late||||| Boys, this is the end of your play! I will take this skin back to school and tell everyone that it was too late to save the girl. 君 たち 二 人 は ズタズタ に なった 無残な 死骸 を 見て 、 哀れ に も 気 が 狂った と 言おう 。 きみ||ふた|じん||ずたずた|||むざんな|しがい||みて|あわれ|||き||くるった||いおう ||||||||grausam||||||||||| |||person||tattered|||miserable|corpse|||pitiful|||||went crazy||to say You two will look at the torn and gruesome corpse and say that it is pitiful and also insane. さあ 、 記憶 に 別れ を 告げる が いい !」 |きおく||わかれ||つげる|| |memory||farewell||to告げる||good Now, say goodbye to your memories!

ロック ハート は スペロテープ で 張りつけた ロン の 杖 を 頭上 に かざし 、 一声 叫んだ 。 ろっく|はーと||||はりつけた|||つえ||ずじょう|||ひとこえ|さけんだ |||||festkleben||||||||| |||spiro tape||pasted|||||above||raised|a声| Lockhart raised the wand of Ron, which was stuck with sticky tape, above his head and shouted.

「 オフリビエイト !< 忘れよ >」 |わすれよ Oフリビエイト|vergiss liberate|let's forget "Obliviate! <Forget>" 杖 は 小型 爆弾 なみ に 爆発 した 。 つえ||こがた|ばくだん|||ばくはつ| ||small|bomb|like||exploded| The wand exploded with the force of a small bomb.

ハリー は 蛇 の とぐろ を 巻いた 抜け殻 に 躓き 、 滑り ながら 、 両手 で さっと 頭 を 覆って 逃げた 。 ||へび||||まいた|ぬけがら||つまずき|すべり||りょうて|||あたま||おおって|にげた ||snake||coil||coiled|shell||stumbled|slipped||||quickly|||covered|ran away Harry stumbled on a shell wrapped around a snake's tongue, slipping, and quickly covered his head with both hands and ran away.

トンネル の 天井 から 、 大きな 塊 が 、 雷 の ような 轟音 を 上げて バラバラ と 崩れ落ちて きた の だ 。 とんねる||てんじょう||おおきな|かたまり||かみなり|||ごうおん||あげて|ばらばら||くずれおちて||| ||ceiling|||chunk||thunder|||roaring sound|||scattered||collapsed||| From the ceiling of the tunnel, a large mass fell apart with a thunderous roar.

次の 瞬間 、 岩 の 塊 が 固い 壁 の ように たちふさがって いる の を ジッと 見 ながら 、 ハリー は たった 一 人 で そこ に 立って いた 。 つぎの|しゅんかん|いわ||かたまり||かたい|かべ|||||||じっと|み|||||ひと|じん||||たって| ||||||||||steht|||||||||||||||| |moment|rock||mass||hard|wall|||blocking||||motionless|||Harry||just||||||| At the next moment, Harry stood alone there, staring at the rock mass blocking it like a hard wall. 「 ローン !」 ハリー が 叫んだ 。 ろーん|||さけんだ loan||| 「 大丈夫 か ! ロン !」 だいじょうぶ||

「 ここ だ よ !」 ロン の 声 は 崩れ落ちた 岩石 の 影 から ぼんやり と 聞こえた 。 |||||こえ||くずれおちた|がんせき||かげ||||きこえた |||||||verfallenes||||||| |||||||collapsed|rock||shadow||vaguely|| "Here it is!" Ron's voice could be faintly heard from the shadows of the collapsed rocks.

「 僕 は 大丈夫だ 。 ぼく||だいじょうぶだ でも こっち の バカ は ダメだ - 杖 で 吹っ飛ば さ れた 」 |||ばか||だめだ|つえ||ふっとば|| ||||||staff||blew away|| But not this idiot over here - he blew me away with his cane."

ドンと 鈍い 音 に 続いて 「 アイタッ !」 と 言う 大きな 声 が 聞こえた 。 どんと|にぶい|おと||つづいて|||いう|おおきな|こえ||きこえた with a bang|dull|||following|ouch|||||| I heard a loud bang and a dull sound followed by a loud voice saying "Aita!".

ロン が ロック ハート の むこう 脛 を 蹴飛ばした ような 音 だった 。 ||ろっく|はーと|||すね||けとばした||おと| ||||||Schienbein||getreten||| ||||||shin||kicked||| It sounded like Ron kicked the shin over the rock heart.

「 さあ 、 どう する !」 ロン の 声 は 必死だった 。 |||||こえ||ひっしだった |||||||desperate

「 こっち から は 行け ない よ 。 |||いけ|| 何 年 も かかって しまう ......」 なん|とし||| what||||will take It will take years ... "

ハリー は トンネル の 天井 を 見上げた 。 ||とんねる||てんじょう||みあげた ||||||looked up

巨大な 割れ目 が できて いる 。 きょだいな|われめ||| huge|crack|||is There is a huge crack. ハリー は これ まで 、 こんな 岩石 の 山 の ような 大きな もの を 、 魔法 で 砕いて みた こと が なかった 。 |||||がんせき||やま|||おおきな|||まほう||くだいて|||| |||||rock||||||||||smashed|||| Harry has never tried to crush such a big rocky mountain with magic. 初めて それ に 挑戦 する に は 、 タイミング が よい と は 言え な い ―― トンネル 全体 が 潰れたら どう する ? はじめて|||ちょうせん||||たいみんぐ|||||いえ|||とんねる|ぜんたい||つぶれたら|| ||||||||||||||||||einstürzt|| for the first time|||challenge|||topic marker|timing|||||||||whole||collapsed|| It's not the right time to try it for the first time-what if the entire tunnel collapses?

岩 の むこう から 、 また 「 ドン 」 が 聞こえ 、「 アイタッ !」 が 聞こえた 。 いわ|||||||きこえ|||きこえた rock|||||bang|||ouch|| From the other side of the rock, I heard "Don" and "Aita!". 時間 が むだに 過ぎて 行く 。 じかん|||すぎて|いく time||wasted|| Time goes by in vain.

ジニー が 『 秘密の 部屋 』 に 連れ 去られて から 何 時間 も たって いる ―― ハリー に は 道 は 一 つ しかない こと が わかって いた 。 ||ひみつの|へや||つれ|さら れて||なん|じかん|||||||どう||ひと||しか ない|||| ||||||weggebracht|||||||||||||||||| |||||taken|taken|||||passed||Harry|||way||||only|||| It's been hours since Ginny was taken to the Secret Room-I knew that Harry had only one way. 「 そこ で 待って て 」 ハリー は ロン に 呼びかけた 。 ||まって||||||よびかけた ||||||||called

「 ロック ハート と 一緒に 待って いて 。 ろっく|はーと||いっしょに|まって| 僕 が 先 に 進む 。 ぼく||さき||すすむ ||ahead||will advance 一 時間 たって 戻ら なかったら ......」 ひと|じかん||もどら| ||after||

もの言い た げ な 沈黙 が あった 。 ものいい||||ちんもく|| Ton|||||| speech||||silence||existed There was an unspeakable silence.

「 僕 は 尐 し でも ここ の 岩石 を 取り崩して みる よ 」 ロン は 、 懸命に 落ち着いた 声 を 出そう と し て いる ようだった 。 ぼく|||||||がんせき||とりくずして|||||けんめいに|おちついた|こえ||だそう||||| |||||||||abtragen|||||||||||||| |||||||||dismantling|||||with all one's might|calm|||trying to let out||||| "I'll try to tear down the rocks here," Ron seemed to be trying hard to make a calm voice.

「 そう すれば 君 が ―― 帰り に ここ を 通れる 。 ||きみ||かえり||||とおれる ||||return||||can pass "That way you can walk through here on your way home. だ から ハリー ――」

「 それ じゃ 、 また あと で ね 」 ハリー は 震える 声 に 、 なんとか 自信 を 叩きこむ ように 言った 。 ||||||||ふるえる|こえ|||じしん||たたきこむ||いった ||||||||||||||eintrichtern|| ||||||||||||confidence||instill|| "Well then, see you later," Harry said in a trembling voice, trying somehow to instill confidence.

そして 、 ハリー は たった 一 人 、 巨大な 蛇 の 皮 を 越えて 先 に 進んだ 。 ||||ひと|じん|きょだいな|へび||かわ||こえて|さき||すすんだ |||||||snake||skin||over|||advanced Then, Harry moved forward alone, crossing over the enormous snake's skin.

ロン が 力 を 振りしぼって 、 岩石 を 動かそう と して いる 音 も やがて 遠く なり 、 聞こえ なく なった 。 ||ちから||ふりしぼって|がんせき||うごかそう||||おと|||とおく||きこえ|| ||||aufbieten|||||||||||||| ||||with all one's might|rock||to move||||||eventually|far|||| The sound of Ron straining to move the boulder gradually faded away and became inaudible. トンネル は くねくね と 何度 も 曲がった 。 とんねる||||なんど||まがった ||wobbly||||bent The tunnel was winding and winding many times. 体中 の 神経 が きりきり と 不快に 痚 んだ 。 たいちゅう||しんけい||きり きり||ふかいに|| ||||scharf|||| throughout||nerve||sharply||unpleasantly|ached|ached The nerves all over my body pulsated uncomfortably.

ハリー は トンネル の 終わり が 来れば よい と 思い ながら も 、 その とき に 何 が 見つかる か を 思う と 、 恐ろしく も あった 。 ||とんねる||おわり||くれば|||おもい||||||なん||みつかる|||おもう||おそろしく|| ||||end|||||||||||||would be found|||||terribly|| Harry thought that it would be good if the end of the tunnel would come, but also felt terrified at the thought of what might be found at that moment.

また もう 一 つ の 曲り角 を そっと 曲がった 途端 、 遂に 前方 に 固い 壁 が 見えた 。 ||ひと|||まがりかど|||まがった|とたん|ついに|ぜんぽう||かたい|かべ||みえた |||||corner||gently|bent|at that moment|finally|ahead||solid|wall|| As soon as he quietly turned another corner, he finally saw a solid wall ahead.

二 匹 の ヘビ が 絡み合った 彫刻 が 施して あり 、 ヘビ の 目 に は 輝く 大粒の エメラルド が 嵌め込んで あった 。 ふた|ひき||へび||からみあった|ちょうこく||ほどこして||へび||め|||かがやく|おおつぶの|||はめこんで| ||||||||verliehen|||||||||||eingefasst| |||snake||entwined|sculpture||applied|present||||||sparkling|large|emerald||set into| The sculpture was intertwined with two snakes, and the eyes of the snake were inlaid with large, shining emeralds.

ハリー は 近づいて 行った 。 ||ちかづいて|おこなった 喉 が カラ カラ だ 。 のど||から|から| throat||dry|dry| 今度 は 石 の ヘビ を 本物 だ と 思い込む 必要 は な かった 。 こんど||いし||へび||ほんもの|||おもいこむ|ひつよう||| next time||||||real thing|||to convince oneself|necessity||| This time I didn't have to assume that the stone snake was real.

ヘビ の 目 が 妙に 生き生き して いる 。 へび||め||みょうに|いきいき|| ||||strangely|lively|| The snake's eyes are strangely lively. 何 を すべき か 、 ハリー に は 想像 が ついた 。 なん||す べき|||||そうぞう|| ||should|||||imagination|| What to do came to Harry's mind. 咳払い を し た 。 せきばらい||| clearing of throat||| He cleared his throat.

すると エメラルド の 目 が チラチラ と 輝いた ようだった 。 |||め||ちらちら||かがやいた| |emerald||||twinkling||sparkled| Then, it seemed that the emerald eyes sparkled with a flicker.

『 開け 』 低く 幽かな シュー シュー と いう 音 だった 。 あけ|ひくく|ゆう かな|しゅー|しゅー|||おと| ||leise|||||| |low|faint|shoe|shoe|||| The sound was a low, faint hiss of 'Open.'

壁 が 二 つ に 裂け 、 絡み合って いた ヘビ が 分かれ 、 両側 の 壁 が 、 スルスル と 滑る ように 見え な く なった 。 かべ||ふた|||さけ|からみあって||へび||わかれ|りょうがわ||かべ||するする||すべる||みえ||| wall|||||tore|entwined||||separated|both sides||||smoothly||slid||||| The wall split in two, and the entwined snakes separated, causing the walls on both sides to seem to slide away.

ハリー は 頭 の てっぺん から 足 の つま先 まで 震え ながら その 中 に 入って 行った 。 ||あたま||||あし||つまさき||ふるえ|||なか||はいって|おこなった ||||top||foot||toe||||||||went Harry trembled from the top of his head to the tips of his toes as he entered it.