Ginga Eiyuu Densetsu (Legend of the Galactic Heroes ) Episode 96
ginga|eiyuu|densetsu|legend|||galactic|heroes|episode
Ginga Eiyuu Densetsu (Legend of the Galactic Heroes) Episode 96
宇宙 暦 800 年 新 帝国 暦 2 年 11 月
うちゅう|こよみ|とし|しん|ていこく|こよみ|とし|つき
Universal Calendar 800,
オスカー ・ フォン ・ ロイエンタール と
The battle between Oskar von Reuenthal and Wolfgang Mittermeyer
ウォルフガング ・ ミッターマイヤー の 戦い は
うぉるふがんぐ|||たたかい|
実際 に 砲火 を 交える 前 に 幕 を 開け た
じっさい||ほうか||まじえる|ぜん||まく||あけ|
began even before the first shot was fired.
ロイエンタール が 最初 に 立案 し た 作戦 は
||さいしょ||りつあん|||さくせん|
The initial plan Reuenthal proposed was to create multiple lines of defense
まず ミッターマイヤー 軍 の 進攻 に 対し て
||ぐん||しんこう||たいし|
ノイエ ・ ラント 各地 に 配し た 兵力 を もって
||かくち||はいし||へいりょく||
with troops stationed in various locations throughout Neue Land
幾重にも 防御 線 を 作り
いくえにも|ぼうぎょ|せん||つくり
in preparation for the invasion by Mittermeyer's force,
最大 限 の 損害 を 与え つつ その 前進 速度 を 鈍ら せる
さいだい|げん||そんがい||あたえ|||ぜんしん|そくど||なまら|
doing the maximum damage possible while slowing down their rate of advance.
次いで ミッターマイヤー 軍 を 深く 惑星 ハイネ セン まで 引きずり込み
ついで||ぐん||ふかく|わくせい||||ひきずりこみ
Then they would draw Mittermeyer's force in deep to Heinessen,
その 後方 を 遮断 する
|こうほう||しゃだん|
and block their return path.
さらに 敵 の 後退 に 際し て は
|てき||こうたい||さいし||
Finally, during the enemy's retreat, they would reassemble all of the troops
各所 に 配置 し た 兵力 を 再 結集 し
かくしょ||はいち|||へいりょく||さい|けっしゅう|
ハイネ セン より の 主力 と の 間 に 挟 撃 を 図る と いう もの で あった
||||しゅりょく|||あいだ||はさ|う||はかる|||||
to attempt a pincer attack between those troops and the main force closer to Heinessen.
ただし この 作戦 が 成功 する ため に は
||さくせん||せいこう||||
However, the success of this plan hinged on two requirements.
2 つ の 条件 が 必要 で あった
||じょうけん||ひつよう||
1 つ は イゼルローン 方面 から の 敵 の 侵入 が なく
|||ほうめん|||てき||しんにゅう||
One was that the enemy would not invade from Iserlohn,
二 正面 作戦 を 強い られ ない こと
ふた|しょうめん|さくせん||つよい|||
so that they would not have to engage in a two-front war.
いま 1 つ は ノイエ ・ ラント 各所 に 配し た 兵力 を
|||||かくしょ||はいし||へいりょく|
The other need was to find suitable commanders for the troops stationed throughout Neue Land.
運用 する 指揮 官 に 人材 を 得る こと で ある
うんよう||しき|かん||じんざい||える|||
第 1 の 条件 を 満たす ため に
だい||じょうけん||みたす||
In order to satisfy the first requirement,
ロイエンタール は イゼルローン 要塞 に
|||ようさい|
Reuenthal sent Murai as an envoy to Iserlohn Fortress.
ムライ を 使者 と し て 送った
||ししゃ||||おくった
また 第 2 の 条件 に は ベルゲン グリューン を 充て た
|だい||じょうけん||||||あて|
To handle the second requirement, he appointed Bergengrün.
ベルゲン グリューン は 黙々 と 準備 に あたった が
|||もくもく||じゅんび|||
Bergengrün dutifully went about the preparations, but never got past that stage.
結局 準備 だけ に 終わる
けっきょく|じゅんび|||おわる
ミッターマイヤー が 疾風 ウォルフ の 異 名 に 恥じ ず
||しっぷう|||い|な||はじ|
This was because, true to his moniker of the Sturm Wolf,
他 の 用 兵 家 で は 不可能 な 速度 で 進攻 し
た||よう|つわもの|いえ|||ふかのう||そくど||しんこう|
Mittermeyer invaded with a swiftness no other military strategist could manage,
ロイエンタール に この 作戦 を 構築 さ せる 時間 的 余裕 を
|||さくせん||こうちく|||じかん|てき|よゆう|
与え なかった ため で ある
あたえ||||
ミッターマイヤー 軍 は すでに ノイエ ・ ラント の
|ぐん|||||
The Mittermeyer forces have apparently already advanced halfway into Neue Land.
半ば に まで 達し て いる と の こと です
なかば|||たっし||||||
移動 も 展開 も なんという 速 さ だ
いどう||てんかい|||はや||
What speed in both pace and deployment!
だが 惜しい こと に 陣容 が 薄い
|おしい|||じんよう||うすい
What a pity that their formation is so thin, but it can't be helped.
無理 も ない
むり||
ミッターマイヤー の 快速 に
||かいそく|
No ordinary soldier could hope to keep up with Mittermeyer's swiftness.
凡人 が 付いて こ られる もの で は ない から な
ぼんじん||ついて||||||||
ミッターマイヤー の 神 速 の 用 兵 の 真価 を 知る こと
||かみ|はや||よう|つわもの||しんか||しる|
No one recognized just how potent Mittermeyer's swift strategies could be more than Reuenthal.
ロイエンタール 以上 の 者 は い ない
|いじょう||もの|||
彼 は ミッターマイヤー の 進撃 速度 を 予測 し て は い た が
かれ||||しんげき|そくど||よそく||||||
Despite anticipating the swiftness with which Mittermeyer would advance,
その 最悪 を 極め られ て しまった
|さいあく||きわめ|||
his actual speed met the worst of Reuenthal's predictions.
だが それ でも なお 各地 に 分散 さ せよ う と し た 兵力 を
||||かくち||ぶんさん|||||||へいりょく|
Even so,
間一髪 で 引き返さ せ 再編 し た 手腕 は
かんいっぱつ||ひきかえさ||さいへん|||しゅわん|
on their way to their various stations at the last minute
ロイエンタール ならでは の もの で あった ろ う
was testament to Reuenthal's singular expertise.
こう し て 11 月 24 日 ロイエンタール は
|||つき|ひ||
Thus on November 24th,
当面 の 戦場 と なった ランテマリオ 星 域 に おい て
とうめん||せんじょう||||ほし|いき|||
ミッタ ー マイヤ ー の それ を 凌 駕 する 兵力 を 展開 さ せる こと に 成功 し た
|||||||しの|が||へいりょく||てんかい|||||せいこう||
ファイエル ! ファイエル !
Feuer!
戦場 と なった ランテマリオ 星 域 は
せんじょう||||ほし|いき|
かつて 同盟 軍 の 名将 アレクサンドル ・ ビュコック 元帥 が
|どうめい|ぐん||めいしょう|||げんすい|
was where the famed Alliance officer Marshal Alexandre Bewcock
カイザー ・ ラインハルト の 侵攻 を 食い止める べく
|||しんこう||くいとめる|
had once intercepted and engaged Kaiser Reinhard's invasion.
要 撃 戦 を 繰り広げ た 場所 で ある
かなめ|う|いくさ||くりひろげ||ばしょ||
「 奇 しく も 」 と いう べき で は ない
き||||||||
This was not some curious coincidence,
万 人 が 認める 戦略 上 の 要 路 で あった から で ある
よろず|じん||みとめる|せんりゃく|うえ||かなめ|じ|||||
for the region was a route widely acknowledged for its strategic importance.
この 時 ロイエンタール は 自分 に 匹敵 する 偉大 な 用 兵 家 と
|じ|||じぶん||ひってき||いだい||よう|つわもの|いえ|
At the time,
戦場 で 相 ま みえる こと に 高揚 し て いる
せんじょう||そう|||||こうよう|||
ミッタ ー マイヤ ー に 対する 友愛 と 畏敬 は 一 分 子 も 損なわ れ て い ない が
|||||たいする|ゆうあい||いけい||ひと|ぶん|こ||そこなわ|||||
Not an ounce of his feeling of friendship or reverence for Mittermeyer had been lost,
に も かかわら ず 甘美 な 興奮 は 確か に 存在 する
||||かんび||こうふん||たしか||そんざい|
yet a sweet sense of exhilaration existed nonetheless.
用 兵 家 と いう 種類 の 人間 が
よう|つわもの|いえ|||しゅるい||にんげん|
This is sound evidence of what a damnable existence it is to be a military strategist.
いかに 救わ れ がたい 存在 で ある か よい 証左 で あ ろ う
|すくわ|||そんざい|||||しょうさ||||
ミッターマイヤー の よう な 人物 に おい て さえ それ は 存在 する
||||じんぶつ|||||||そんざい|
This emotion existed even in a man like Mittermeyer.
ロイエンタール ほど の 名将 と 対決 し うる の は
|||めいしょう||たいけつ||||
A voice within whispered that the opportunity to face such a prominent commander as Reuenthal
武人 と し て 本 懐 で は ない か と 内 なる 声 が ささやく の だ
たけと||||ほん|ふところ||||||うち||こえ||||
ただ 彼 に は 親友 と 殺し 合う と いう 苦渋 と は 別に
|かれ|||しんゆう||ころし|あう|||くじゅう|||べつに
Still, Mittermeyer had another issue to contend with
異なる 悩み が 存在 し て いる
ことなる|なやみ||そんざい|||
other than his distress at having to battle his closest friend to the death.
ロイエンタール の 旗 下 に いる 兵士 は
||き|した|||へいし|
The soldiers fighting under Reuenthal were all Kaiser Reinhard's subjects.
全て カイザー ・ ラインハルト の 臣民 で ある
すべて||||しんみん||
殺さ ず に 済む なら そう し たい
ころさ|||すむ||||
He hoped to avoid killing them if he could.
味方 で ある べき 兄弟 や 戦友 が 殺し 合う こと に なる の だ
みかた||||きょうだい||せんゆう||ころし|あう|||||
Otherwise it would mean brothers and comrades ordinarily on the same side killing one another.
ゆえに ミッターマイヤー は
Therefore, Mittermeyer avoided a drawn out strategy that would result in more casualties
あえて 犠牲 の 多く なる 持久 戦 を 避け 短期 決戦 を 仕掛け た
|ぎせい||おおく||じきゅう|いくさ||さけ|たんき|けっせん||しかけ|
「 第 2 次 ランテマリオ 会戦 」 あるいは
だい|つぎ||かいせん|
Later called the "Second Battle of Rantemario" or the "Twin Jewels' Struggle for Supremacy,"
「 双 璧 の 争 覇 戦 」 と 呼ば れる この 戦い に
そう|かべ||あらそ|は|いくさ||よば|||たたかい|
最初 から 参加 し た 兵力 は
さいしょ||さんか|||へいりょく|
ロイエンタール 軍 520 万 に 対し て
|ぐん|よろず||たいし|
ミッターマイヤー 軍 は 259 万 と 圧倒 的 に 不利 で あった
|ぐん||よろず||あっとう|てき||ふり||
に も かかわら ず ミッタ ー マイヤ ー が あえて 戦 端 を 開 い た の は
||||||||||いくさ|はし||ひらき||||
The reason Mittermeyer commenced hostilities despite this
ロイエンタール に 各 個 撃破 の 可能 性 を 見せ て
||かく|こ|げきは||かのう|せい||みせ|
was to make Reuenthal think he had a chance to obliterate the enemy one at a time,
持久 策 を 捨て させる ため で ある
じきゅう|さく||すて|さ せる|||
so that he would abandon attempts to draw out the battle.
ゆえに ロイエンタール は 攻め ミッターマイヤー は 守る
|||せめ|||まもる
Thus Reuenthal attacked and Mittermeyer defended.
それ が 両者 の 基本 的 な 姿勢 だった はず で ある が
||りょうしゃ||きほん|てき||しせい|||||
This was the basic posture both men adopted,
ミッターマイヤー は 直接 指揮 下 の 機動 戦力 を 最大 限 に 活用 し て
||ちょくせつ|しき|した||きどう|せんりょく||さいだい|げん||かつよう||
but Mittermeyer made full use of the mobile forces under his direct command,
ロイエンタール 軍 の 浸透 を 阻み 続け
|ぐん||しんとう||はばみ|つづけ
restraining Reuenthal's force from penetrating his lines,
容易 に 勝敗 は 決し そう も なかった
ようい||しょうはい||けっし|||
膠着 する か に 見え た 戦線 は 翌 25 日 8 時 30 分
こうちゃく||||みえ||せんせん||よく|ひ|じ|ぶん
Although the battle seemed to be at a deadlock, the next day on the 25th at 0830,
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター が 戦場 に 到着 し 最初 の 転機 を 迎える
|らん||||せんじょう||とうちゃく||さいしょ||てんき||むかえる
the Schwarz Lanzenreiter Fleet arrived, marking the first turning point in the battle.
突撃 だ ミッターマイヤー に 朝食 を とる 時間 を 作って やろ う
とつげき||||ちょうしょく|||じかん||つくって||
Charge in!
チッ シュワルツ ・ ラン ツェン レイター が 来 た か
||らん||||らい||
閣下
かっか
Your Excellency?
味方 の 時 は それ ほど の 脅威 と も 思わ なかった が
みかた||じ|||||きょうい|||おもわ||
When we were on the same side, I never thought them much of a threat,
こう し て 敵 に し て みる と その 圧倒 感 は 否定 でき ん な
|||てき|||||||あっとう|かん||ひてい|||
but now that we're facing them, I can't deny how oppressive they seem.
いかが いたし ます ?
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター と いって も
|らん|||||
They may be the Schwarz Lanzenreiter,
旧 ファーレン ハイト 艦隊 と 併合 さ れ て から まだ 日 も 浅い
きゅう|||かんたい||へいごう||||||ひ||あさい
but it hasn't been long since they were merged with the former Fahrenheit Fleet.
両者 の 連動 が 速やか で あ ろ う はず も ない
りょうしゃ||れんどう||すみやか|||||||
Cooperation between the two can't be all that smooth yet.
その 隙 を 突 い て 切り崩せ
|すき||つ|||きりくずせ
Take advantage of that to take them apart!
帝国 軍 同士 の 戦い で あり
ていこく|ぐん|どうし||たたかい||
Because this was a battle between Imperial forces,
同型 の 艦 が 混在 し て
どうけい||かん||こんざい||
vessels of the same type got so intermingled that it was difficult to tell friend from foe.
敵 味方 の 判別 に 混乱 を きたす ほど で あった
てき|みかた||はんべつ||こんらん|||||
第 2 次 ランテマリオ 会戦 の 特徴 の 1 つ が この 混乱 に あった
だい|つぎ||かいせん||とくちょう|||||こんらん||
This confusion was one of the features of the Second Battle of Rantemario.
醜態 を 見せる な !
しゅうたい||みせる|
Don't disgrace yourselves!
帝国 軍 同士 で 戦う の は
ていこく|ぐん|どうし||たたかう||
Didn't you all experience a battle among Imperial forces during the Lippstadt War?!
リップ シュ タット 戦 役 で 経験 済み で は ない か !
|||いくさ|やく||けいけん|すみ||||
今更 何 を うろたえる
いまさら|なん||
Why should it throw you off balance now?!
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター は ほか と 見ま ごう こと の ない
|らん||||||みま||||
The Schwarz Lanzenreiter Fleet boasted an unmistakable appearance of jet black.
漆黒 の 姿 を 誇示 し て いる
しっこく||すがた||こじ|||
これ は 併合 さ れ た 旧 ファーレン ハイト 艦隊 も
||へいごう||||きゅう|||かんたい|
Since the former Fahrenheit Fleet was also painted the same color upon their merger,
同 色 に 塗装 さ れ て いる ため
どう|いろ||とそう|||||
あたかも 吸収 合併 さ れ た 印象 を ぬぐ え ない
|きゅうしゅう|がっぺい||||いんしょう||||
過ぎ た こと と は いえ 回廊 の 戦い に おける
すぎ||||||かいろう||たたかい||
Although a thing of the past,
ファーレンハイト の 戦死 の 原因 の 1 つ に
||せんし||げんいん|||
ビッテンフェルト の 猪突 が ある と 信じ て いまだ に 釈然 と し ない 者 も 多く
||ちょとつ||||しんじ||||しゃくぜん||||もの||おおく
was due in part to Bittenfeld's recklessness,
その 艦隊 行動 に は 統一 性 を 欠 い た
|かんたい|こうどう|||とういつ|せい||けつ||
and this discontent marred the unity of fleet maneuvers.
また シュワルツ ・ ランツェンレイタ ー が 参戦 し た と いって も
|||||さんせん|||||
In addition, although the Schwarz Lanzenreiter Fleet had joined the battle,
依然 ミッタ ー マイヤ ー 軍 が 数 の 上 で 劣勢 に ある の は 間 違い が なく
いぜん|||||ぐん||すう||うえ||れっせい|||||あいだ|ちがい||
it did not change the fact that Mittermeyer's force was still at a numerical disadvantage,
全面 攻勢 に 出る に は 兵力 が 不足 し て い た
ぜんめん|こうせい||でる|||へいりょく||ふそく||||
and lacked the numbers for a full-scale offensive.
戦力 が 均衡 する の は 同日 19 時
せんりょく||きんこう||||どうじつ|じ
The numbers did not balance out until 1900 that same day when the Wahlen Fleet arrived.
ワー レン 艦隊 が 到着 し て から で ある
||かんたい||とうちゃく|||||
来 た か
らい||
They're here!
これ まで 数 の 上 で の 劣勢 を 機動 力 に よって 補い
||すう||うえ|||れっせい||きどう|ちから|||おぎない
Since Mittermeyer had thus far made up for his lack of numbers with tactical mobility.
互角 の 戦い を し て き た ミッターマイヤー と し て は
ごかく||たたかい||||||||||
When it came to an evenly-matched battle,
戦力 的 に 対等 に なった こと で 優勢 を 確信 し て も よかった
せんりょく|てき||たいとう|||||ゆうせい||かくしん||||
he should have been confident in his victory now that they had equal numbers.
だが ミッターマイヤー は ロイエンタール 軍 の 一部 が
||||ぐん||いちぶ|
But Mittermeyer then noticed that a section of Reuenthal's force
奇妙 な 動き を し て いる こと に 気付 い た
きみょう||うごき|||||||きづ||
was performing some peculiar maneuvers.
あの 部隊 は ? ロイエンタ ー ル 元帥 の 直属 部隊 でしょ う
|ぶたい|||||げんすい||ちょくぞく|ぶたい||
What is that unit?
そんな こと は 分かって いる 奇 兵 かな
|||わかって||き|つわもの|
I know that.
そう か しまった ! 閣下
|||かっか
I see, confound it!
先鋒 の バイエル ライン を 下がら せろ このまま で は …
せんぽう|||らいん||さがら||||
青二才 に 用 兵 の なんたる か を 教え て やる と しよ う
あおにさい||よう|つわもの|||||おしえ|||||
Now to teach these novices what true military strategy is.
ファイエル !
ロイエンタール 軍 は バイエル ライン の 艦隊 を
|ぐん|||らいん||かんたい|
Reuenthal's force had drawn Bayerlein's fleet into the center of their range of fire,
火 箭 の 中心 点 に 引きずり込み
ひ|せん||ちゅうしん|てん||ひきずりこみ
至近 距離 から ビーム と ミサイル を 浴びせ かけ た
しきん|きょり||||みさいる||あびせ||
反撃 し つつ 後退 !
はんげき|||こうたい
Simultaneously counterattack and retreat!
ダメ です 退路 を 断た れ まし た
だめ||たいろ||たた|||
It's no use! They've blocked our way out!
バイエル ライン が 反撃 と 後退 と 交互 に 行う 都度
|らいん||はんげき||こうたい||こうご||おこなう|つど
Every time Bayerlein alternated between counterattack and retreat,
ロイエンタール 軍 は 先手 を 打ち したたか に 損害 を 与え て いった
|ぐん||せんて||うち|||そんがい||あたえ||
Reuenthal's force preempted him, repeatedly inflicting severe damage.
戦艦 ザンデルリンク 戦艦 ヘルメス ベルガー 撃沈
せんかん||せんかん|||げきちん
Battleships Sanderling and Hellmesberger have been sunk!
グーデ 提督 ヨッフム 提督 戦死
|ていとく||ていとく|せんし
Admirals Uhde and Jochum, killed in action!
こらえろ ミッタ ー マイヤ ー 閣下 の 来援 が ある まで
|||||かっか||らいえん|||
Hang in there!
なんと して も 持ちこたえろ
|||もちこたえろ
戦艦 シェーンヘル 撃沈 ホッター 提督 戦死
せんかん||げきちん||ていとく|せんし
Battleship Schönherr has been sunk!
戦艦 ブロムシュテット 撃沈 副 司令 官 レマー 中将 戦死
せんかん||げきちん|ふく|しれい|かん||ちゅうじょう|せんし
Battleship Blomstedt has been sunk!
レマー が … 敵 艦 接近
||てき|かん|せっきん
Remer's dead?!
これ まで か
This is it, then.
味方 です 疾風 ウォルフ だ !
みかた||しっぷう||
They're on our side!
ミッターマイヤー が 出 て き た と あって は やむ を 得 ん な
||だ|||||||||とく||
If Mittermeyer himself has come out, we have no choice.
結局 バイエル ライン は ミッターマイヤー に 救い出さ れ た
けっきょく||らいん||||すくいださ||
して やら れ まし た 申し訳 あり ませ ん
|||||もうしわけ|||
I let them outwit me. My apologies.
現に して やら れ つつ ある ところ だ
げんに|||||||
We're being outwitted as we speak.
完了 形 で 言う の は 早 すぎる
かんりょう|かた||いう|||はや|
この あと に 逆 接 の 接続詞 を 続け たい もの だ な
|||ぎゃく|つ||せつぞくし||つづけ||||
I just hope there's a "however" that follows.
はい
Yes, sir!
ロイエンタール は 完璧 だ と し て も 部下 ども は そう で は ない
||かんぺき||||||ぶか||||||
Reuenthal may be flawless, but not his subordinates.
その あたり に 活路 が 開ける だ ろ う
|||かつろ||あける|||
That's where our hope for victory lies.
グリルパルツァー クナップ シュタイン
Confirm where the Grillparzer and Knappstein units are, respectively.
それぞれ の 部隊 の 所在 を 確認 しろ
||ぶたい||しょざい||かくにん|
むろん ミッターマイヤー は 両 名 が
|||りょう|な|
Of course, Mittermeyer had no way of knowing that the two of them intended betrayal.
背信 行為 を 働 こ う と し て いる こと など 知り よう が なかった
はいしん|こうい||はたら|||||||||しり|||
単に 股 肱 の 臣 で は ない 彼ら が
たんに|また|ひじ||しん||||かれら|
As they were not of Reuenthal's trusted followers,
ロイエンタール と 生死 を 共 に する と も 考え にくく
||せいし||とも|||||かんがえ|
Mittermeyer simply thought that they did not intend to share their fate with the rest of the rebellion,
敵陣 の 中 に あって 弱 点 と なり うる と 考え た の で ある
てきじん||なか|||じゃく|てん|||||かんがえ||||
and might be a source of weakness in the enemy.
ホルツ バウアー を
Get me Holzbauer!
クナップ シュタイン の 部隊 に 攻撃 を 集中 せよ
|||ぶたい||こうげき||しゅうちゅう|
Focus your attacks on the Knappstein unit.
構想 と し て は 尋常 で あった が
こうそう|||||じんじょう|||
It was an ordinary plan,
たたきつけ た 戦力 の 量 と 速度 は 尋常 で は なかった
||せんりょく||りょう||そくど||じんじょう|||
but the sheer magnitude and speed of the attack was far from ordinary.
ホルツ バウアー 中将 は
||ちゅうじょう|
Vice Admiral Holzbauer had long been an assistant to Cornelius Lutz.
コルネ リアス ・ ルッツ の 下 で 長く 補佐 役 を 務め た
||||した||ながく|ほさ|やく||つとめ|
今回 の 出征 に あたって
こんかい||しゅっせい||
With this expedition, he had voluntarily relocated to Mittermeyer's headquarters to join the battle.
自ら ミッターマイヤー の 司令 部 に 籍 を 移し て 参戦 し て いる
おのずから|||しれい|ぶ||せき||うつし||さんせん|||
ひるむ な 戦列 を 維持 し て ここ は こらえる ん だ
||せんれつ||いじ|||||||
Stand fast! Maintain the battle lines and hold out!
ダメ です 戦力 と 速度 に 圧倒 的 な 差 が あって
だめ||せんりょく||そくど||あっとう|てき||さ||
戦線 を 支え き れ ませ ん
せんせん||ささえ||||
ミッターマイヤー の 猛攻 を 支え き れ ず
||もうこう||ささえ|||
クナップ シュタイン 艦隊 は 戦列 を 乱し て 後退 し た
||かんたい||せんれつ||みだし||こうたい||
the Knappstein Fleet fell back with their lines a mess.
各 部隊 ごと に 100 隻 単位 の 小 集団 に 分かれ て 密集 隊形 を とり
かく|ぶたい|||せき|たんい||しょう|しゅうだん||わかれ||みっしゅう|たいけい||
Each unit, condense into small groups of a hundred vessels each to form a cluster formation,
連携 し つつ 敵 の 分断 を 図れ
れんけい|||てき||ぶんだん||はかれ
and work together to disperse the enemy!
間に合い ませ ん
まにあい||
We won't make it in time!
いつ だ グリルパルツァー の やつ いつ 裏切る の だ
||||||うらぎる||
When?! When does Grillparzer intend to betray him?!
直撃 来 ます !
ちょくげき|らい|
Incoming fire!
機関 部 被弾 バカ な …
きかん|ぶ|ひだん|ばか|
Engines have been hit!
第 2 波 来 ます !
だい|なみ|らい|
Second incoming!
こんな … こんな バカ な 話 が ある か !
||ばか||はなし|||
How?! How can this be happening?!
クナップ シュタイン 提督 が 戦死 さ れ た 模様
||ていとく||せんし||||もよう
It seems Admiral Knappstein has been killed in action.
そう か クナップ シュタイン に は 気の毒 な こと を し た な
||||||きのどく||||||
I see.
クナップ シュタイン 艦隊 を 撃破 し た 敵 が
||かんたい||げきは|||てき|
The enemy that destroyed the Knappstein Fleet is headed rapidly this way.
急速 に 迫って き ます
きゅうそく||せまって||
あるいは この 瞬間 こそ
||しゅんかん|
Perhaps this very moment was the opportune time for betrayal.
彼 が 裏切る 好機 で あった かも しれ ない
かれ||うらぎる|こうき|||||
だが 彼 は 決断 し 損ね た
|かれ||けつだん||そこね|
But Grillparzer failed to make a decision.
ミッターマイヤー の 苛烈 な 攻勢 が その 隙 を 与え なかった の だ
||かれつ||こうせい|||すき||あたえ|||
Mittermeyer's ferocious onslaught did not give him the chance.
抵抗 を やめ れ ば 裏切り に 転ずる 一瞬 の 間 に
ていこう|||||うらぎり||てんずる|いっしゅん||あいだ|
The instant he stopped resisting to change sides,
ズタズタ に 寸断 さ れ 絶 息 さ せ られる だけ で あ ろ う
ずたずた||すんだん|||た|いき||||||||
his fleet would have been torn to pieces and annihilated.
こう し て ミッターマイヤー が
While Mittermeyer was driving a wedge into a section of Reuenthal's force
ロイエンタール 軍 の 一部 に くさび を 打ち込み
|ぐん||いちぶ||||うちこみ
全軍 の 瓦 解 を 誘 お う と し て い た 時 一方 の ロイエンタール も
ぜんぐん||かわら|かい||さそ||||||||じ|いっぽう|||
in an attempt to trigger its entire collapse,
ミッターマイヤー 軍 の 陣形 に
|ぐん||じんけい|
不均衡 を 生じ させる こと に 成功 し て いる
ふきんこう||しょうじ|さ せる|||せいこう|||
故意 に 火力 分布 に 疎 と 密 の 混在 状態 を 作り
こい||かりょく|ぶんぷ||うと||みつ||こんざい|じょうたい||つくり
By interspersing areas of sparse fire and concentrated fire,
ミッタ ー マイヤ ー の 本 軍 と シュワルツ ・ ランツェンレイタ ー と の 間 に
|||||ほん|ぐん|||||||あいだ|
味方 の 火力 に よる 断層 を 作り上げ た の だ
みかた||かりょく|||だんそう||つくりあげ|||
分断 し た シュワルツ ・ ラン ツェン レイター に
ぶんだん||||らん|||
砲火 を 集中 さ せろ !
ほうか||しゅうちゅう||
シュワルツ ・ ランツェンレイタ ー は 守勢 に 弱い と いう 欠点 を さらけ出し
||||しゅせい||よわい|||けってん||さらけだし
Given that defense was its weak point,
半 恐慌 状態 から 壊滅 へ 急落 する か に 見え た
はん|きょうこう|じょうたい||かいめつ||きゅうらく||||みえ|
the Schwarz Lanzenreiter Fleet looked as if it would go from semi-panic to a rapid collapse.
引く な 引く な と 言って おる だ ろ う が
ひく||ひく|||いって|||||
Don't retreat.
引く やつ は 構わ ん
ひく|||かまわ|
Forget the ones who retreat!
引く やつ は 構わ ん から ケーニヒス ・ ティー ゲル の
ひく|||かまわ||||||
Forget the ones who retreat and blow them away with Königstiger's main battery!
主砲 で 吹き飛ばし て やれ
しゅほう||ふきとばし||
卑怯 者 と し て 生き延びる より はるか に 武人 の 本 懐 だ ろ う よ
ひきょう|もの||||いきのびる||||たけと||ほん|ふところ||||
Surely that befits a soldier's honor far more than surviving as a coward!
まさか その よう な 命令 を 実行 する わけ に も いか なかった が
||||めいれい||じっこう|||||||
Of course, they would never have executed such an order,
オイゲン の 機転 で 全軍 に その 声 が 流さ れ た ため
||きてん||ぜんぐん|||こえ||ながさ|||
but thanks to Eugen's quick thinking, these words were broadcast to the entire fleet,
がく然 と し た 各 艦 は とにかく も その 場 に 踏みとどまった
がくぜん||||かく|かん|||||じょう||ふみとどまった
and for the moment, every vessel stopped in their tracks in alarm.
ビッテンフェルト なら どんな 暴挙 で も やり かね ん と いう こと か
|||ぼうきょ|||||||||
They think Bittenfeld is capable of any atrocity.
悪 名 も 時として 使い道 が ある と みえる
あく|な||ときとして|つかいみち||||
It seems notoriety can be useful in some instances.
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター は 敗走 寸前 の 状態 から
|らん||||はいそう|すんぜん||じょうたい|
The Schwarz Lanzenreiter Fleet
再建 を 果たし た
さいけん||はたし|
そう なる と 旧 ファ ー レンハイト 艦隊 と の 反目 に 近い 感情 も
|||きゅう||||かんたい|||はんもく||ちかい|かんじょう|
This then turned the almost antagonistic relationship with the former Fahrenheit Fleet
プラス に 連鎖 反応 を 呼ぶ
ぷらす||れんさ|はんのう||よぶ
into a positive effect.
亡き ファーレンハイト 元帥 の 勇 名 を 辱める な
なき||げんすい||いさみ|な||はずかしめる|
Don't disgrace the intrepid Marshal Fahrenheit's name!
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター の イノシシ ども に
|らん||||いのしし||
There's no reason we have to let those reckless Schwarz Lanzenreiter fools run the show!
で かい 面 を さ せ て おく こと は ない ぞ
||おもて|||||||||
ファ ー レンハイト 旗 下 で 勇 名 を 知ら れ た ホフマイスタ ー 中将 が
|||き|した||いさみ|な||しら|||||ちゅうじょう|
僚友 たち の 先頭 を 切って 攻勢 に 転じ た
りょうゆう|||せんとう||きって|こうせい||てんじ|
led his comrades and went on the offensive.
戦術 と は 関係なく 生まれ た 士気 ほど
せんじゅつ|||かんけいなく|うまれ||しき|
Nothing ruins a military strategist's calculations more than a rise in morale unrelated to tactics.
用 兵 家 の 計算 を 狂わせる もの は ない
よう|つわもの|いえ||けいさん||くるわせる|||
協調 や 連携 と は 無関係 ながら
きょうちょう||れんけい|||むかんけい|
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター は 恐怖 を 乗り越え
|らん||||きょうふ||のりこえ
と いう より 恐怖 を 無視 する 熱狂 を もって
|||きょうふ||むし||ねっきょう||
or rather, faced the oncoming death and destruction
殺到 する 死 と 破壊 に 立ち向かい これ を 粉砕 し て しまった の で ある
さっとう||し||はかい||たちむかい|||ふんさい||||||
with a vehemence that brushed fear aside and obliterated it.
ロイエンタール は この 冷静 な 用 兵 家 らしく も なく
|||れいせい||よう|つわもの|いえ|||
Unusual for the level-headed strategist that he was,
唖然 と し て 戦況 を 見 やり
あぜん||||せんきょう||み|
Reuenthal sat gaping at the situation
結局 正面 に 立ちふさがる 愚 を 避け 後退 を 命じ た
けっきょく|しょうめん||たちふさがる|ぐ||さけ|こうたい||めいじ|
before deciding to avoid foolishly blocking the enemy head-on and ordering a retreat.
敵 軍 後退 し ます チッ
てき|ぐん|こうたい|||
The enemy is retreating!
隙 も 見せ ん と は 相変わらず かわい げ の ない
すき||みせ||||あいかわらず||||
Didn't even give us a chance. Just as charmless as ever, I see.
こちら も 陣形 を 再編 しろ
||じんけい||さいへん|
Have our forces regroup, as well!
翌 30 日 戦線 は 膠着 状態 に ある
よく|ひ|せんせん||こうちゃく|じょうたい||
The next day on the 30th, the battle was in a deadlock.
双方 の 総 指揮 官 が 互角 の 力量 を 有し
そうほう||そう|しき|かん||ごかく||りきりょう||ゆうし
The commanders-in-chief on both sides were equally skilled,
互い の 戦術 展開 を 的確 に 洞察 し て 迅速 に 対応 する ため
たがい||せんじゅつ|てんかい||てきかく||どうさつ|||じんそく||たいおう||
discerning each other's movements and responding swiftly,
いわゆる 千日手 の 様相 を 示し つつ あった
|せんにちて||ようそう||しめし||
消耗 戦 に なれ ば ロイエンタール に とって 不利 で ある
しょうもう|いくさ|||||||ふり||
Attrition warfare would put Reuenthal at a disadvantage.
まずい な
This isn't good.
申し訳 あり ませ ん
もうしわけ|||
My apologies!
いや 戦況 が だ
|せんきょう||
No, I mean this situation.
互いに 消耗 し 尽くせ ば
たがいに|しょうもう||つくせ|
If they wore each other down to nothing,
ロイエンタール 軍 は 宇宙 の 深淵 に 消滅 する だけ で ある が
|ぐん||うちゅう||しんえん||しょうめつ|||||
Reuenthal's force would merely disappear into the universal abyss,
ミッタ ー マイヤ ー 軍 は あと に 無傷 の ラインハルト の 本隊 が 控え て いる
||||ぐん||||むきず||||ほんたい||ひかえ||
but Mittermeyer's force still had Reinhard's unscathed main forces awaiting behind.
ヤン ・ ウェン リー が いかに 苦心 し た か
|||||くしん|||
I feel like I understand now how difficult things must have been for Yang Wen-li,
ようやく 分かった よう な 気 が する
|わかった|||き||
その 真 の 偉大 さ も な
|まこと||いだい|||
and what an incredible man he truly was.
無限 に 近い 回復 力 を 持つ 敵 と 戦う こと が
むげん||ちかい|かいふく|ちから||もつ|てき||たたかう||
Seeing how emotionally draining it was to fight an enemy with near-infinite resilience,
いかに 精神 力 を 必要 と する か
|せいしん|ちから||ひつよう|||
改めて 大軍 が 有利 な ゆえん を 痛感 する ロイエンタール で ある
あらためて|たいぐん||ゆうり||||つうかん||||
Reuenthal was given a brutal reminder
特に 今回 味方 の 士気 に 過剰 の 期待 を 抱 い て い ない 彼 は
とくに|こんかい|みかた||しき||かじょう||きたい||いだ|||||かれ|
Especially now, when Reuenthal could not expect much in terms of morale among his soldiers,
短期 に 状況 打開 の 道 を 探って い た
たんき||じょうきょう|だかい||どう||さぐって||
he looked for a way to quickly break through the situation.
むろん ミッターマイヤー も 消耗 戦 を 望む もの で は ない
|||しょうもう|いくさ||のぞむ||||
Of course, Mittermeyer did not wish to engage in attrition warfare, either.
だが ロイエンタール を 相手 に
|||あいて|
But he also knew better than anyone
短 慮 や 焦燥 が 禁物 で ある こと を 誰 より も 知って い た
みじか|おもんぱか||しょうそう||きんもつ|||||だれ|||しって||
that he could not afford to be rash or impatient up against Reuenthal.
自ら に 忍耐 を 課し 弱気 な 指揮 官 で あれ ば
おのずから||にんたい||かし|よわき||しき|かん|||
He forced himself to be patient, and withstood both physical and mental fatigue
失神 し そう な 心身 の 消耗 に 耐え て い た
しっしん||||しんしん||しょうもう||たえ|||
12 月 1 日 16 時
つき|ひ|じ
At 1600 on December 1st, the Schwarz Lanzenreiter Fleet,
常に 戦火 の 中 に い た シュワルツ ・ ラン ツェン レイター が
とわに|せんか||なか|||||らん|||
さすが に 一 時 後退 し 陣形 の 再編 を 図った ため
||ひと|じ|こうたい||じんけい||さいへん||はかった|
having been under constant fire, finally pulled back to regroup.
ロイエンタール 軍 の 戦力 が 前線 に おい て
|ぐん||せんりょく||ぜんせん|||
Reuenthal's force had a chance to temporarily get the better of the enemy on the front line.
一時的 に 敵 を 凌 駕 する 機会 が 生じ た
いちじてき||てき||しの|が||きかい||しょうじ|
ベルゲン グリューン に 連絡
|||れんらく
Contact Bergengrün.
前線 の 兵力 を 集約 し て 火力 を 集中 し 敵 の 前進 を 阻め
ぜんせん||へいりょく||しゅうやく|||かりょく||しゅうちゅう||てき||ぜんしん||はばめ
Tell him to consolidate our troops on the front line
その 間 に 直営 艦隊 を もって 敵 の 左 側面 を 突け
|あいだ||ちょくえい|かんたい|||てき||ひだり|そくめん||つけ
In the meantime, I'll personally direct my fleet to attack their left flank!
敵 は 前方 と 左 側面 から
てき||ぜんぽう||ひだり|そくめん|
The enemy is trying to partially surround us from the front and the left.
我ら を 半 包囲 体制 下 に 置 こ う と し て いる
われら||はん|ほうい|たいせい|した||お||||||
急進 し て これ を 許す な !
きゅうしん|||||ゆるす|
Advance rapidly to prevent them!
エネルギー 流 に 引火 し て 危険 です
えねるぎー|りゅう||いんか|||きけん|
The energy flows are igniting! This is dangerous!
だが ここ で 退く わけ に は いか ん
|||しりぞく|||||
But we can't afford to back down now!
直撃 来 ます !
ちょくげき|らい|
Incoming hit!
第 2 格納 庫 に 直撃 弾
だい|かくのう|こ||ちょくげき|たま
Direct hit on Hangar Bay 2!
また 来 ます 至近
|らい||しきん
Another incoming! From close range!
閣下 !
かっか
Your Excellency!
一 度 失った もの を もう 一 度 失って も
ひと|たび|うしなった||||ひと|たび|うしなって|
Losing something I already lost once before isn't much of an inconvenience.
別に 不自由 は せ ん よ
べつに|ふじゆう||||
さて これ で 悪運 を 切り離し た ぞ
|||あくうん||きりはなし||
There, that should have gotten rid of our rotten luck.
恐れる もの は 怯懦 のみ だ はっ
おそれる|||きょうだ|||
Now the only thing we have to fear is cowardice!
こう し て 3 時間 に わたる 死闘 の 末
|||じかん|||しとう||すえ
Thus, after a fierce battle spanning three hours, Reuenthal gave up pursuing the attack.
ロイエンタール は 攻勢 の 続行 を 断念 し た
||こうせい||ぞっこう||だんねん||
ミッターマイヤー が 防御 線 の 各所 に 小さな 突破 口 を 開き
||ぼうぎょ|せん||かくしょ||ちいさな|とっぱ|くち||あき
This was because Mittermeyer had breached small openings in the line of defense,
それ ら の 点 を 線 に つ ない で
|||てん||せん||||
一挙に 前進 を 果た そ う と し た から で ある
いっきょに|ぜんしん||はた||||||||
これ が 成功 すれ ば 戦局 は 決して い た だ ろ う
||せいこう|||せんきょく||けっして|||||
Succeeding in this would have decided the outcome of the battle.
まして その 危険 地帯 に い た の が
||きけん|ちたい|||||
Especially when the commander in the danger zone was Grillparzer.
グリルパルツァー と あって は なおさら で ある
さすが に ウォルフ ・ デア ・ シュトルム だ
これ が 好機 かも しれ ん
||こうき|||
This may be my chance.
このまま ミッターマイヤー 軍 の 攻撃 を 引き込 ん で
||ぐん||こうげき||ひきこ||
I could draw Mittermeyer's attacks in now to trigger our entire force's collapse.
全軍 の 崩壊 を 誘う と いう 手 も ある
ぜんぐん||ほうかい||さそう|||て||
だが またしても グリルパルツァ ー は 決断 を ためらった
|||||けつだん||
But Grillparzer stalled his decision yet again.
ミッタ ー マイヤ ー の 攻勢 に よる 圧力 が 想像 を 超える もの で あった ため
|||||こうせい|||あつりょく||そうぞう||こえる||||
The pressure of Mittermeyer's attack was far beyond what he had anticipated,
いわば 堤防 に 穴 を 開け た 者 が 自ら も 溺死 し て しまう
|ていぼう||あな||あけ||もの||おのずから||できし|||
and he was faced with the fear of potentially drowning
その 恐怖 に さらさ れ た から で ある
|きょうふ|||||||
グリルパルツァー は ひたすら 自分 を 守る ため に
|||じぶん||まもる||
Frantic to protect himself,
必死 で ミッターマイヤー の 攻勢 を 支え ね ば なら なく なった
ひっし||||こうせい||ささえ|||||
Grillparzer had no choice but to desperately fend off Mittermeyer's attacks.
閣下 このまま で は … 通信 だ
かっか||||つうしん|
Your Excellency, at this rate...
ミッタ ー マイヤ ー 元帥 の もと へ 通信 回線 を え えっ ?
||||げんすい||||つうしん|かいせん|||
Open a channel to Marshal Mittermeyer!
閣下 味方 です
かっか|みかた|
Your Excellency, we have backup!
ロイエンタール 元帥 の 直営 艦隊 が
|げんすい||ちょくえい|かんたい|
The fleet under Marshal Reuenthal's direct command!
ロイエンタール は 精密 な 火力 の 集中 に よって
||せいみつ||かりょく||しゅうちゅう||
Reuenthal's precisely focused fire
ミッターマイヤー 軍 が 開 い た 突破 口 の 1 つ を つぶし
|ぐん||ひらき|||とっぱ|くち||||
さらに 1 つ に 逆 攻勢 を かけ そこ から 横 へ 突出 し て
|||ぎゃく|こうせい|||||よこ||とっしゅつ||
then went on the counteroffensive against another, pushing out to the side
長い 縦 列 と なった ミッタ ー マイヤ ー 軍 の 一 隊 に 側面 攻撃 を かけ た
ながい|たて|れつ|||||||ぐん||ひと|たい||そくめん|こうげき|||
and attacking one in the long vertical line of Mittermeyer's fleets from its flank.
短 時間 だ が 双方 の 牙 が 折れ 砕ける ほど の 激闘 が 交え られ
みじか|じかん|||そうほう||きば||おれ|くだける|||げきとう||まじえ|
The encounter, though brief, was so severe that both sides fractured a few of their fangs,
ミッターマイヤー は 60 万 キロ に わたる 後退 を 余儀なく さ れ た
||よろず|きろ|||こうたい||よぎなく|||
and Mittermeyer was forced to retreat a full 600 thousand kilometers.
ユリアン ・ ミンツ の 決断 が 形 と なって 戦場 に もたらさ れ た の は
|||けつだん||かた|||せんじょう||||||
It was on December 3rd that Julian Mintz's decision had a physical effect on the battlefield.
12 月 3 日 の こと で ある
つき|ひ||||
イゼルローン 回廊 方面 より
|かいろう|ほうめん|
A large fleet is advancing towards Heinessen from the direction of the Iserlohn Corridor.
惑星 ハイネ セン へ 向け て 大 部隊 が 進攻 し て おり ます
わくせい||||むけ||だい|ぶたい||しんこう||||
帝国 軍 か それ は ? は あ
ていこく|ぐん|||||
Imperial forces?
指揮 官 は メック リンガー 上級 大将 と の こと です
しき|かん||||じょうきゅう|たいしょう||||
イゼルローン の 共和 主義 者 ども が 回廊 の 通過 に 許可 を 与え た の です
||きょうわ|しゅぎ|もの|||かいろう||つうか||きょか||あたえ|||
Those wretched republicans in Iserlohn gave them permission to pass through the corridor.
イゼルローン の 小僧 は どうやら
||こぞう||
So, that boy in Iserlohn has a proper eye for strategy.
まとも な 戦略 眼 を 持って いる らしい な
||せんりゃく|がん||もって|||
あるいは よほど いい 参謀 が つい て いる の か
|||さんぼう||||||
Or else his staff officers must be superb indeed.
メル カッツ 老人 あたり の 知恵 かも しれ ん な
||ろうじん|||ちえ||||
Perhaps it was Old Man Merkatz who advised him.
その 想像 は 外れ て い た
|そうぞう||はずれ|||
This was a mistaken supposition.
ユリアン が 自分 で 判断 し 決定 し た の だ
||じぶん||はんだん||けってい||||
Julian had deliberated on his own to make a decision.
だが その 決定 の 意味 する ところ を
||けってい||いみ|||
But Reuenthal had an accurate idea as to why he had made that decision.
ロイエンタール は 正確 に 把握 し て い た
||せいかく||はあく||||
帝国 軍 に 貸し を 作って 将来 の 交渉 に おける 政治 的 材料 と し
ていこく|ぐん||かし||つくって|しょうらい||こうしょう|||せいじ|てき|ざいりょう||
同時に 帝国 領 方面 に 軍事 的 空白 を 作ら せる こと で
どうじに|ていこく|りょう|ほうめん||ぐんじ|てき|くうはく||つくら|||
and simultaneously helped create a void in the military on the Imperial territory side
行動 の 自由 を 得る
こうどう||じゆう||える
to gain some freedom to move as they needed.
いずれ に せよ こう なって は 当面 の 戦闘 継続 は 無意味 で あった
||||||とうめん||せんとう|けいぞく||むいみ||
In any case, keeping up the fight any longer was meaningless.
メック リンガー に ハイネ セン を 奪わ れ て は 虚 空 に 孤立 し
||||||うばわ||||きょ|から||こりつ|
If Mecklinger took Heinessen,
近い 将来 に 二 正面 作戦 を 強い られる 結果 と な ろ う
ちかい|しょうらい||ふた|しょうめん|さくせん||つよい||けっか||||
ロイエンタール は 全軍 に 撤退 を 命じ た
||ぜんぐん||てったい||めいじ|
だが それ こそ 至難 の 業 と 言わ なけ れ ば なる まい
|||しなん||ぎょう||いわ|||||
However, that was undoubtedly the most difficult feat of all.
この 時 ミッターマイヤー は 左右 両翼 の
|じ|||さゆう|りょうよく|
At that point, Mittermeyer had full control over Wahlen and Bittenfeld on either flank
ワー レン と ビッテンフェルト を 完全 に 管制 下 に 置き
|||||かんぜん||かんせい|した||おき
ロイエンタール 軍 の 両翼 を 交互 に たた い て 出血 を 強い て い た
|ぐん||りょうよく||こうご|||||しゅっけつ||つよい|||
and was alternately beating Reuenthal's left and right flanks bloody.
これ に 対し て ロイエンタール は 直属 部隊 の 集中 砲火 と
||たいし||||ちょくぞく|ぶたい||しゅうちゅう|ほうか|
In response, using the fleet under his direct command,
擬 似 突出 に よって 敵 の 前進 を 停止 さ せ
ぎ|に|とっしゅつ|||てき||ぜんしん||ていし||
Reuenthal blocked the enemy from advancing with focused fire and feints,
その 間隙 に 乗じ て 1 隊 また 1 隊 と 戦場 から 離脱 さ せ
|かんげき||じょうじ||たい||たい||せんじょう||りだつ||
機 を 見 て 自ら も 急速 後退 を 果たし
き||み||おのずから||きゅうそく|こうたい||はたし
Finally, he took the chance to rapidly fall back himself,
犠牲 らしい 犠牲 も 出さ ず に 撤退 を 完成 さ せ て しまった
ぎせい||ぎせい||ださ|||てったい||かんせい||||
managing a complete retreat without suffering any notable sacrifices.
さすが に 当代 の 名将 だ
||とうだい||めいしょう|
He's certainly one of the greatest commanders of his time.
戦い つつ 後退 し し かも 全く 混乱 が ない
たたかい||こうたい||||まったく|こんらん||
He kept fighting while falling back, with no confusion whatsoever.
戦術 の 教科 書 に も これほど 見事 な 例 は 載って い ない だ ろ う
せんじゅつ||きょうか|しょ||||みごと||れい||のって|||||
Not even a textbook on tactics would have an example this superb.
ミッターマイヤー に とって は 口 に する 必要 も ない こと で あった
||||くち|||ひつよう|||||
Mittermeyer felt no need to even voice such a thing.
遠ざかる 親友 の 影 を 見つめ ながら
とおざかる|しんゆう||かげ||みつめ|
As he watched as his good friend faded into the distance,
彼 が 言葉 に し た の は 別 の こと で ある
かれ||ことば||||||べつ||||
he uttered something else entirely.
必ず 今年 中 に 決着 を つける
かならず|ことし|なか||けっちゃく||
We'll settle this within the year, no matter what.
全軍 最大 戦 速
ぜんぐん|さいだい|いくさ|はや
All forces, full speed ahead!
ロイエンタール が ハイネ セン に 帰着 する 前 に 捕 捉 する
|||||きちゃく||ぜん||ほ|そく|
We'll apprehend Reuenthal before he makes it back to Heinessen!
宇宙 暦 800 年 新 帝国 暦 2 年 12 月 4 日
うちゅう|こよみ|とし|しん|ていこく|こよみ|とし|つき|ひ
Universal Calendar 800,
ミッターマイヤー 元帥 率いる 反乱 征 討 軍 は
|げんすい|ひきいる|はんらん|すすむ|う|ぐん|
The punitive force against the rebels led by Marshal Mittermeyer
ロイエンタール 軍 を 追って 再び 進軍 を 開始 し た
|ぐん||おって|ふたたび|しんぐん||かいし||
began advancing once again in pursuit of Reuenthal's force.
流血 の 宴 は まだ 終わって い ない
りゅうけつ||えん|||おわって||
To Live by the Sword...
互いに 知 略 を 尽くし た 帝国 軍 の 双 璧 の 戦い は
たがいに|ち|りゃく||つくし||ていこく|ぐん||そう|かべ||たたかい|
The battle of ingenuity between the twin jewels of the Imperial military
意外 な 形 で その 幕切れ を 迎えよ う と し て い た
いがい||かた|||まくぎれ||むかえよ||||||
is about to conclude in the most unexpected way.
捲 土 重 来 を 期し て 惑星 ハイネセン に 戻る ロイエンタ ー ル
まく|つち|おも|らい||きし||わくせい|||もどる|||
In preparation to come back with a vengeance, Reuenthal returns to Heinessen.
だが 彼 自身 それ が もはや かなわ ぬ こと を
|かれ|じしん|||||||
But he knows better than anyone that it is too late to hope for such a thing.
誰 より も よく 知って い た
だれ||||しって||
次回 銀河 英雄 伝説 第 97 話
じかい|ぎんが|えいゆう|でんせつ|だい|はなし
Next time, on Legend of the Galactic Heroes,
「 剣 に 斃 れ 」
けん||へい|
銀河 の 歴史 が また 1 ページ
ぎんが||れきし|||ぺーじ
Another page turns in the history of the galaxy.