×

Vi använder kakor för att göra LingQ bättre. Genom att besöka sajten, godkänner du vår cookie policy.


image

世界の昔話, スーホーの白いウマ

スーホーの白いウマ

スーホー の 白い ウマ

むかし むかし 、 モンゴル の 草原 に 、 スーホー と いう 歌 の 上手な 若者 が 住んで い ました 。 スーホー は お 母さん と 、 二 人 で ヒツジ を 飼って 暮らして い ました 。

ある 日 スーホー は 、 ヒツジ に 草 を 食べ させ に 行った きり 、 日 が 暮れて も 帰って 来 ませ ん 。 お 母さん が 心配 して いる と 、 スーホー は 生まれ たて の 白い 子 ウマ を 抱いて 帰って 来 ました 。 「 まあ 、 きれいな 子 ウマ だ ね 。 どうし たんだい ? 」 お 母さん が 聞く と 、 スーホー は うれし そうに 言い ました 。 「 帰る 途中 で 見つけた んです 。 持ち主 も やって 来 ない し 、 母 ウマ も い ない んです 。 夜 に なって オオカミ に でも 食わ れたら かわいそうだ から 、 連れて 帰って 来 ました 。 家 で 飼って やり ましょう 」 スーホー は 白い 子 ウマ を とても 可愛がって 、 大事に 大事に 育て ました 。 子 ウマ は どんどん 大きく なり 、 やがて 雪 の 様 に まっ 白 な 立派な ウマ に なり ました 。 スーホー と 白い ウマ は 、 仲 の 良い 兄弟 の 様 に いつも 一緒です 。

ある 日 の 事 、 村 に すばらしい 知らせ が 伝わり ました 。 王さま が 若者 たち を 集めて 、 競馬 ( けいば ) 大会 を 開く と いう のです 。 その うえ 優勝 した 者 は 、 王女 の お 婿 さん に むかえ られる と いう のでした 。 それ を 聞いた 村 の 人 たち は 、 言い ました 。 「 スーホー 、 行って おい で よ 。 お前 なら 、 きっと 優勝 できる よ 」

そして いよいよ 、 競馬 大会 の 日 が やって 来 ました 。 国 中 から 、 じまん の ウマ を 連れた 若者 が 集まり ました 。 けれど 白い ウマ に 乗った スーホー に かなう もの は 一 人 も おら ず 、 スーホー が 優勝 した のです 。 「 あの 若者 と 白い ウマ を 、 ここ へ 呼び なさい 」 と 、 王さま は 言い ました 。 スーホー は 、 大喜びです 。 ところが 王さま は スーホー が 貧乏 ( びんぼう ) な ヒツジ 飼い だ と わかる と 、 王女 の お 婿 さん に する の が 嫌に なって しまい ました 。 王さま は 、 冷たく 言い ました 。 「 その 白い ウマ を 、 置いて いけ 。 そのかわり に 、 黄金 三 枚 を お前 に やる 事 に する 」 これ を 聞いた スーホー は 、 びっくり です 。 ( この 白い ウマ は 家族 の 様 な もの だ 。 それ を お 金 で 買おう なんて 、 なんて ひどい 事 を ) スーホー は 、 王さま の 命令 を 断り ました 。 すると 王さま は 、 顔 を まっ 赤 に して 怒り 出し 、 「 王 の 言う 事 を 聞か ぬ ぶれい 者 め 。 この 者 を ムチ で 叩く が よい 」 家来 たち は スーホー を 、 ムチ で ピシピシ 打ち ました 。 キズ だらけ に なった スーホー は 見物 席 の 外 へ 放り 出さ れ 、 王さま は 家来 に 白い ウマ を 引か せて 帰って いき ました 。 スーホー は 友だち に 助け られて 、 やっと 家 に 帰り ました 。 ムチ の ため に すっかり ボロボロ に なった スーホー は 、 何 日 も 寝たきり でした 。 でも お 母さん の 必死の かんびょう で 、 だんだん 元気に なり ました 。

ある 晩 の 事 です 。 トントン と 、 門 の 戸 を 叩く 音 が し ました 。 「 誰 だい ? 」 「・・・・・・」 返事 は 、 あり ませ ん 。 「 何の 音 だろう ? 」 外 に 出た スーホー は 、 びっくり 。 白い ウマ が 、 門 の そば に 立って いた から です 。 「 お 、 お前 、 帰って 来た の かい 」 スーホー は かけ寄って 、 思わず 白い ウマ を 抱きしめ ました 。 ところが 白い ウマ の 体 に は 、 何 本もの 鋭い 矢 が 突き刺さって いる で は あり ませ ん か 。 「 なんて 、 ひどい こと を ! 」 スーホー は 夢中で 矢 を 引き抜き 、 お 母さん と 一緒に キズ の 手当 を して やり ました 。 けれど 白い ウマ は 次の 日 、 死んで しまい ました 。

やがて スーホー は 、 白い ウマ が 戻って 来た わけ を 知る 事 が 出来 ました 。 王さま は 白い ウマ を 手 に 入れた の が うれしくて 、 人々 を 呼んで 酒もり を 始め ました 。 ところが 大勢 の 人々 の 前 で 白い ウマ に 乗ろう と した とたん 、 白い ウマ は 王さま を 振り落として しまった のです 。 怒った 王さま は 、 家来 たち に 向かって 叫び ました 。 「 あの 暴れ ウマ を 捕まえろ 。 捕まら なければ 、 殺して しまえ 」 家来 たち は 逃げて 行く 白い ウマ に 向かって 、 雨 の 様 に 矢 を あびせ ました 。 それ でも 白い ウマ は 、 走った のです 。 体 に 矢 が 刺さり ながら も 、 なつかしい スーホー の 家 に 向かって 死にものぐるい で 走った のです 。 白い ウマ は 、 自分 を 可愛がり 育てて くれた スーホー の そば で 死に たかった のでした 。 白い ウマ が 死んで から 、 スーホー は 悲しくて 、 くやしくて 、 夜 も なかなか 眠れ ない 日 が 続き ました 。 そして ある 日 、 スーホー は 弓矢 を 取り出す と 、 その 弓矢 の 手入れ を 始め ました 。 白い ウマ の かたき を うつ ため 、 この 弓矢 で 王さま を 殺そう と 思った のです 。 ( 白い ウマ よ 、 待って いろ よ 。 明日 の 朝 、 あの 王さま を 殺して お前 の かたき を うって やる から な )

その 日 の 晩 、 スーホー の 夢 の 中 に 白い ウマ が 現れて 言い ました 。 「 スーホー さん 、 わたし の かたき を うつ 事 を 決心 して くれて ありがとう 。 本当に 、 うれしい です 。 でも 、 もう わたし は 死んで しまって い ます 。 王さま を 殺して も 、 わたし が 生き返る 事 は あり ませ ん 。 それどころか 、 あなた も 殺さ れて しまう でしょう 。 どう か 、 かたきうち は やめて ください 。 それ より 、 一 つ お 願い が ある のです 。 どうか わたし の 体 で 、 琴 ( こと ) を こしらえて ください 。 わたし は 琴 に なって 、 いつまでも あなた の そば に い ます 」

次の 日 、 スーホー は 白い ウマ の 骨 と 尻尾 を 使って 琴 を 作り ました 。 さお の 先 は 、 白い ウマ の 頭 の 形 を きざみ ました 。 やがて スーホー は 草原 で ヒツジ の ばん を し ながら 、 いつも この 琴 を ひく ように なり ました 。 美しい 琴 の 音 と 胸 に しみる その しらべ は 、 ほか の ヒツジ 飼い たち に とって も この上 ない なぐさめ と なり ました 。 スーホー の 琴 が 聞こえて くる と 、 みんな は 一 日 の 疲れ を 忘れて じっと 静かに その 音色 に 耳 を かたむける のでした 。

おしまい


スーホーの白いウマ スーホー の しろい ウマ The White Horses of Soho

スーホー の 白い ウマ ||しろい| Suho's white horse

むかし むかし 、 モンゴル の 草原 に 、 スーホー と いう 歌 の 上手な 若者 が 住んで い ました 。 ||もんごる||そうげん|||||うた||じょうずな|わかもの||すんで|| Once upon a time, a young man named Suho, who was good at singing, lived in the grasslands of Mongolia. スーホー は お 母さん と 、 二 人 で ヒツジ を 飼って 暮らして い ました 。 |||かあさん||ふた|じん||ひつじ||かって|くらして|| Suho lived with her mother and herself with a sheep.

ある 日 スーホー は 、 ヒツジ に 草 を 食べ させ に 行った きり 、 日 が 暮れて も 帰って 来 ませ ん 。 |ひ|||ひつじ||くさ||たべ|さ せ||おこなった||ひ||くれて||かえって|らい|| One day, Suho went to feed the sheep with grass, and even after dark, he wouldn't come back. お 母さん が 心配 して いる と 、 スーホー は 生まれ たて の 白い 子 ウマ を 抱いて 帰って 来 ました 。 |かあさん||しんぱい||||||うまれ|||しろい|こ|||いだいて|かえって|らい| When her mother was worried, Suho came home with her newborn white horse. 「 まあ 、 きれいな 子 ウマ だ ね 。 ||こ||| "Well, it's a pretty horse. どうし たんだい ? どう し| what's up ? 」   お 母さん が 聞く と 、 スーホー は うれし そうに 言い ました 。 |かあさん||きく|||||そう に|いい| When she heard her, Suho said happily. 「 帰る 途中 で 見つけた んです 。 かえる|とちゅう||みつけた| "I found it on my way home. 持ち主 も やって 来 ない し 、 母 ウマ も い ない んです 。 もちぬし|||らい|||はは||||| The owner doesn't come, and I don't have a mother horse. 夜 に なって オオカミ に でも 食わ れたら かわいそうだ から 、 連れて 帰って 来 ました 。 よ|||おおかみ|||くわ||||つれて|かえって|らい| I'm sorry if the wolf eats it at night, so I brought it home. 家 で 飼って やり ましょう 」   スーホー は 白い 子 ウマ を とても 可愛がって 、 大事に 大事に 育て ました 。 いえ||かって|||||しろい|こ||||かわいがって|だいじに|だいじに|そだて| Let's keep it at home. ”Suho loved the white horse so much that he took good care of it. 子 ウマ は どんどん 大きく なり 、 やがて 雪 の 様 に まっ 白 な 立派な ウマ に なり ました 。 こ||||おおきく|||ゆき||さま|||しろ||りっぱな|||| The baby horses grew bigger and bigger, and eventually became snow-white and splendid horses. スーホー と 白い ウマ は 、 仲 の 良い 兄弟 の 様 に いつも 一緒です 。 ||しろい|||なか||よい|きょうだい||さま|||いっしょです Suho and the White Horse are always together, like good brothers.

ある 日 の 事 、 村 に すばらしい 知らせ が 伝わり ました 。 |ひ||こと|むら|||しらせ||つたわり| One day, great news came to the village. 王さま が 若者 たち を 集めて 、 競馬 ( けいば ) 大会 を 開く と いう のです 。 おうさま||わかもの|||あつめて|けいば||たいかい||あく||| It is said that the King gathers young people and holds a horse racing tournament. その うえ 優勝 した 者 は 、 王女 の お 婿 さん に むかえ られる と いう のでした 。 ||ゆうしょう||もの||おうじょ|||むこ||||||| Moreover, the winner was said to be sent to the princess's grandmother. それ を 聞いた 村 の 人 たち は 、 言い ました 。 ||きいた|むら||じん|||いい| 「 スーホー 、 行って おい で よ 。 |おこなって||| "Suho, come on. お前 なら 、 きっと 優勝 できる よ 」 おまえ|||ゆうしょう||

そして いよいよ 、 競馬 大会 の 日 が やって 来 ました 。 ||けいば|たいかい||ひ|||らい| 国 中 から 、 じまん の ウマ を 連れた 若者 が 集まり ました 。 くに|なか||||||つれた|わかもの||あつまり| Young people with their own horses gathered from all over the country. けれど 白い ウマ に 乗った スーホー に かなう もの は 一 人 も おら ず 、 スーホー が 優勝 した のです 。 |しろい|||のった||||||ひと|じん||||||ゆうしょう|| However, there was no one who could match Suho on a white horse, and Suho won the championship. 「 あの 若者 と 白い ウマ を 、 ここ へ 呼び なさい 」 と 、 王さま は 言い ました 。 |わかもの||しろい|||||よび|||おうさま||いい| "Call that young man and the white horse here," said the King. スーホー は 、 大喜びです 。 ||おおよろこびです Suho is overjoyed. ところが 王さま は スーホー が 貧乏 ( びんぼう ) な ヒツジ 飼い だ と わかる と 、 王女 の お 婿 さん に する の が 嫌に なって しまい ました 。 |おうさま||||びんぼう|||ひつじ|かい|||||おうじょ|||むこ||||||いやに||| However, when the King found out that Suho was a poor shepherd, he disliked the princess's grandmother. 王さま は 、 冷たく 言い ました 。 おうさま||つめたく|いい| The King said coldly. 「 その 白い ウマ を 、 置いて いけ 。 |しろい|||おいて| "Put the white horse down. そのかわり に 、 黄金 三 枚 を お前 に やる 事 に する 」   これ を 聞いた スーホー は 、 びっくり です 。 ||おうごん|みっ|まい||おまえ|||こと|||||きいた|||| Instead, I'll give you three golden pieces. "Suho was surprised to hear this. ( この 白い ウマ は 家族 の 様 な もの だ 。 |しろい|||かぞく||さま||| (This white horse is like a family. それ を お 金 で 買おう なんて 、 なんて ひどい 事 を )   スーホー は 、 王さま の 命令 を 断り ました 。 |||きむ||かおう||||こと||||おうさま||めいれい||ことわり| What a terrible thing to buy it for money) Suho refused the King's order. すると 王さま は 、 顔 を まっ 赤 に して 怒り 出し 、 「 王 の 言う 事 を 聞か ぬ ぶれい 者 め 。 |おうさま||かお|||あか|||いかり|だし|おう||いう|こと||きか|||もの| Then the king turned his face red and began to get angry, saying, "Be a blunt person who does not listen to what the king says. この 者 を ムチ で 叩く が よい 」   家来 たち は スーホー を 、 ムチ で ピシピシ 打ち ました 。 |もの||むち||たたく|||けらい|||||むち|||うち| You should beat this person with a whip. ”The servants struck Suho with a whip. キズ だらけ に なった スーホー は 見物 席 の 外 へ 放り 出さ れ 、 王さま は 家来 に 白い ウマ を 引か せて 帰って いき ました 。 きず||||||けんぶつ|せき||がい||はな り|ださ||おうさま||けらい||しろい|||ひか||かえって|| Suho, who was full of scratches, was thrown out of the spectator's seat, and the King returned with a white horse to his servant. スーホー は 友だち に 助け られて 、 やっと 家 に 帰り ました 。 ||ともだち||たすけ|||いえ||かえり| ムチ の ため に すっかり ボロボロ に なった スーホー は 、 何 日 も 寝たきり でした 。 むち|||||ぼろぼろ|||||なん|ひ||ねたきり| Suho, who was completely tattered because of the whip, was bedridden for days. でも お 母さん の 必死の かんびょう で 、 だんだん 元気に なり ました 。 ||かあさん||ひっしの||||げんきに|| However, my mother's desperate efforts made me feel better and better.

ある 晩 の 事 です 。 |ばん||こと| It was one night. トントン と 、 門 の 戸 を 叩く 音 が し ました 。 とんとん||もん||と||たたく|おと||| 「 誰 だい ? だれ| "Who is it? 」 「・・・・・・」   返事 は 、 あり ませ ん 。 へんじ|||| 「 何の 音 だろう ? なんの|おと| "What kind of sound is it? 」   外 に 出た スーホー は 、 びっくり 。 がい||でた||| 白い ウマ が 、 門 の そば に 立って いた から です 。 しろい|||もん||||たって||| 「 お 、 お前 、 帰って 来た の かい 」   スーホー は かけ寄って 、 思わず 白い ウマ を 抱きしめ ました 。 |おまえ|かえって|きた|||||かけよって|おもわず|しろい|||だきしめ| "Did you come back?" Suho approached and hugged the white horse involuntarily. ところが 白い ウマ の 体 に は 、 何 本もの 鋭い 矢 が 突き刺さって いる で は あり ませ ん か 。 |しろい|||からだ|||なん|ほんもの|するどい|や||つきささって||||||| However, isn't there a number of sharp arrows stuck in the body of a white horse? 「 なんて 、 ひどい こと を ! 」   スーホー は 夢中で 矢 を 引き抜き 、 お 母さん と 一緒に キズ の 手当 を して やり ました 。 ||むちゅうで|や||ひきぬき||かあさん||いっしょに|きず||てあて|||| けれど 白い ウマ は 次の 日 、 死んで しまい ました 。 |しろい|||つぎの|ひ|しんで||

やがて スーホー は 、 白い ウマ が 戻って 来た わけ を 知る 事 が 出来 ました 。 |||しろい|||もどって|きた|||しる|こと||でき| Eventually, Suho was able to find out why the white horse was back. 王さま は 白い ウマ を 手 に 入れた の が うれしくて 、 人々 を 呼んで 酒もり を 始め ました 。 おうさま||しろい|||て||いれた||||ひとびと||よんで|さかもり||はじめ| The King was happy to have a white horse and called on people to start drinking. ところが 大勢 の 人々 の 前 で 白い ウマ に 乗ろう と した とたん 、 白い ウマ は 王さま を 振り落として しまった のです 。 |おおぜい||ひとびと||ぜん||しろい|||のろう||||しろい|||おうさま||ふりおとして|| 怒った 王さま は 、 家来 たち に 向かって 叫び ました 。 いかった|おうさま||けらい|||むかって|さけび| 「 あの 暴れ ウマ を 捕まえろ 。 |あばれ|||つかまえろ "Catch that rampage horse. 捕まら なければ 、 殺して しまえ 」   家来 たち は 逃げて 行く 白い ウマ に 向かって 、 雨 の 様 に 矢 を あびせ ました 。 つかまら||ころして||けらい|||にげて|いく|しろい|||むかって|あめ||さま||や||| If you don't catch it, kill it. ”The servants struck an arrow like rain at the white horse that was running away. それ でも 白い ウマ は 、 走った のです 。 ||しろい|||はしった| Still, the white horse ran. 体 に 矢 が 刺さり ながら も 、 なつかしい スーホー の 家 に 向かって 死にものぐるい で 走った のです 。 からだ||や||ささり||||||いえ||むかって|しにものぐるい||はしった| 白い ウマ は 、 自分 を 可愛がり 育てて くれた スーホー の そば で 死に たかった のでした 。 しろい|||じぶん||かわいがり|そだてて||||||しに|| 白い ウマ が 死んで から 、 スーホー は 悲しくて 、 くやしくて 、 夜 も なかなか 眠れ ない 日 が 続き ました 。 しろい|||しんで||||かなしくて||よ|||ねむれ||ひ||つづき| そして ある 日 、 スーホー は 弓矢 を 取り出す と 、 その 弓矢 の 手入れ を 始め ました 。 ||ひ|||ゆみや||とりだす|||ゆみや||ていれ||はじめ| 白い ウマ の かたき を うつ ため 、 この 弓矢 で 王さま を 殺そう と 思った のです 。 しろい||||||||ゆみや||おうさま||ころそう||おもった| I wanted to kill the King with this bow and arrow in order to depress the white horse. ( 白い ウマ よ 、 待って いろ よ 。 しろい|||まって|| (White horse, wait. 明日 の 朝 、 あの 王さま を 殺して お前 の かたき を うって やる から な ) あした||あさ||おうさま||ころして|おまえ||||||| Tomorrow morning, I'll kill that king and take your sword.)

その 日 の 晩 、 スーホー の 夢 の 中 に 白い ウマ が 現れて 言い ました 。 |ひ||ばん|||ゆめ||なか||しろい|||あらわれて|いい| 「 スーホー さん 、 わたし の かたき を うつ 事 を 決心 して くれて ありがとう 。 |||||||こと||けっしん||| "Thank you, Mr. Suho, for making the decision to depress me. 本当に 、 うれしい です 。 ほんとうに|| でも 、 もう わたし は 死んで しまって い ます 。 ||||しんで||| 王さま を 殺して も 、 わたし が 生き返る 事 は あり ませ ん 。 おうさま||ころして||||いきかえる|こと|||| それどころか 、 あなた も 殺さ れて しまう でしょう 。 |||ころさ||| どう か 、 かたきうち は やめて ください 。 Please, please stop using it. それ より 、 一 つ お 願い が ある のです 。 ||ひと|||ねがい||| Instead, I have one wish. どうか わたし の 体 で 、 琴 ( こと ) を こしらえて ください 。 |||からだ||こと|||| Please make a koto with my body. わたし は 琴 に なって 、 いつまでも あなた の そば に い ます 」 ||こと|||||||||

次の 日 、 スーホー は 白い ウマ の 骨 と 尻尾 を 使って 琴 を 作り ました 。 つぎの|ひ|||しろい|||こつ||しっぽ||つかって|こと||つくり| さお の 先 は 、 白い ウマ の 頭 の 形 を きざみ ました 。 ||さき||しろい|||あたま||かた||| At the tip of the sword, I chopped the shape of the head of a white horse. やがて スーホー は 草原 で ヒツジ の ばん を し ながら 、 いつも この 琴 を ひく ように なり ました 。 |||そうげん||ひつじ||||||||こと||||| Eventually, Suho began to play this koto all the time, playing sheep in the meadow. 美しい 琴 の 音 と 胸 に しみる その しらべ は 、 ほか の ヒツジ 飼い たち に とって も この上 ない なぐさめ と なり ました 。 うつくしい|こと||おと||むね||||||||ひつじ|かい|||||このうえ||||| The beautiful sound of the koto and its scrutiny on the chest have become the best companion for other shepherds. スーホー の 琴 が 聞こえて くる と 、 みんな は 一 日 の 疲れ を 忘れて じっと 静かに その 音色 に 耳 を かたむける のでした 。 ||こと||きこえて|||||ひと|ひ||つかれ||わすれて||しずかに||ねいろ||みみ||| When I heard Suho's koto, everyone forgot about the tiredness of the day and listened quietly to the tone.

おしまい The end