カッパの雨ごい カッパ の あまごい Regen Bettler in einem Kappa rain beggar in a kappa mendigo de lluvia en kappa regen bedelaar in een kappa дождевой нищий в каппе regnig tiggare i en kappa 河童雨雨 乞丐雨

カッパ の 雨ごい ||あまごい

むかし むかし 、 ある ところ に 、 森 に 囲ま れた 小さな 村 が あり ました 。 |||||しげる||かこま||ちいさな|むら||| その 森 に 古い 沼 が あって 、 一 匹 の カッパ が 住んで い ました 。 |しげる||ふるい|ぬま|||ひと|ひき||||すんで|| この カッパ は ひどい イタズラガッパ で 、 畑 を 荒らしたり 、 沼 へ 人 を 引きずり 込んだり と 、 いつも 悪 さ を する のです 。 ||||||はたけ||あらしたり|ぬま||じん||ひきずり|こんだり|||あく|||| ある 日 の 事 、 この 村 に やって 来た 旅 の 坊さん が 、 イタズラガッパ の 話し を 聞き ました 。 |ひ||こと||むら|||きた|たび||ぼうさん||||はなし||きき| すると 坊さん は さっそく 沼 へ 行って 、 カッパ を 呼び 出して 言い ました 。 |ぼうさん|||ぬま||おこなって|||よび|だして|いい| 「 お前 は 、 いつも 悪い 事 ばかり して いる ようじゃ が 、 いったい 何 が 気に入ら ん で 、 そんな 事 を する ん じゃあ ？ おまえ|||わるい|こと|||||||なん||き に はいら||||こと|||| 」 　 すると カッパ は 、 こんな 事 を 話し 始め ました 。 ||||こと||はなし|はじめ| 「 おら は 、 カッパ の 身の上 が つらい ん よ 。 ||||みのうえ|||| こんな 姿 で は 、 人間 の 仲間 に は 入れて もらえ ない 。 |すがた|||にんげん||なかま|||いれて|| かといって 、 魚 や カメ の 仲間 でも ねえ 。 |ぎょ||かめ||なかま|| ここ に は 仲間 も いね えし 、 おもしろく ねえ 。 |||なかま||||| だ から おら は 腹 が 立って 、 無茶苦茶に 暴れ 回る んだ 」 　 話して いる うち に 、 カッパ は 涙 を こぼし ました 。 ||||はら||たって|むちゃくちゃに|あばれ|まわる||はなして||||||なみだ||| 「 お 坊 さま 。 |ぼう| おら は 、 人間 に 生まれ変わり て え 。 ||にんげん||うまれかわり|| 人間 に 生まれ変わる に は 、 どう したら いい んだ ？ にんげん||うまれかわる|||||| 」 「 それ は 、 お前 が 生きて いる 間 に 、 何 か 人間 の 為 に なる 事 を すれば いい 」 「 そう か 、 わかった 」 　 カッパ は 坊さん に 礼 を 言う と 、 帰って 行き ました 。 ||おまえ||いきて||あいだ||なん||にんげん||ため|||こと|||||||||ぼうさん||れい||いう||かえって|いき|

さて 、 その 年 の 夏 の 事 です 。 ||とし||なつ||こと| 村 で は 日照り が 続いて 作物 が 枯れ 、 ついに 井戸 の 水 も 干上がって しまい ました 。 むら|||ひでり||つづいて|さくもつ||かれ||いど||すい||ひあがって|| 「 このまま で は 、 みんな 死んで しまう ぞ 。 ||||しんで|| 雨ごい だ 。 あまごい| 雨ごい を する んだ 」 　 村人 たち は 広場 に 集まって 、 朝 から 晩 まで 空 に 向かって 雨ごい を し ました 。 あまごい||||むらびと|||ひろば||あつまって|あさ||ばん||から||むかって|あまごい||| 「 雨 よ 、 降れ 、 雨 を 降れ 、 どうか 雨 よ 、 降って くれ ！ あめ||ふれ|あめ||ふれ||あめ||ふって| 」 　 でも 、 雨 は 一 滴 も 降り ませ ん 。 |あめ||ひと|しずく||ふり|| そんな 雨ごい が 何 日 も 続いた 頃 、 あの 沼 の カッパ が 村 へ やって 来 ました 。 |あまごい||なん|ひ||つづいた|ころ||ぬま||||むら|||らい| 「 イタズラガッパ じゃ 、 やっつけろ ！ 」 　 カッパ を 取り囲んだ 村人 たち は 、 日頃 の うらみ と 雨 が 降ら ない 腹いせ に 、 カッパ を 殴ったり 蹴ったり し ました 。 ||とりかこんだ|むらびと|||ひごろ||||あめ||ふら||はらいせ||||なぐったり|けったり|| いつも なら すぐ に 逃げ 出す カッパ です が 、 今日 は 殴ら れて も 蹴ら れて も 大人しく 我慢 して い ました 。 ||||にげ|だす||||きょう||なぐら|||けら|||おとな しく|がまん||| そして 、 今にも 死に そうな 様子 で やっと 顔 を 上げる と 、 カッパ は 村人 たち に 雨ごい を さ せて くれ と 頼んだ のです 。 |いまにも|しに|そう な|ようす|||かお||あげる||||むらびと|||あまごい||||||たのんだ| 「 雨ごい だ と ？ あまごい|| イタズラ 者 の お前 が か ？ いたずら|もの||おまえ|| 」 「 そんな の 、 うそ に 決まって いる ！ ||||きまって| また 何 か 、 イタズラ を たくらんで いる に 違いない ！ |なん||いたずら|||||ちがいない 」 「 しかし 、 カッパ も 雨 が 降ら ず に 困って いる はず 」 「 そうだ 。 |||あめ||ふら|||こまって|||そう だ カッパ は 水 の 妖怪 だ から 、 カッパ が 雨ごい を すれば 本当に 雨 が 降る かも 」 　 村人 たち は カッパ に 雨ごい を 認める と 、 カッパ を 縄 で しばった まま 広場 の やぐら の 上 に 連れて 行き ました 。 ||すい||ようかい|||||あまごい|||ほんとうに|あめ||ふる||むらびと|||||あまごい||みとめる||||なわ||||ひろば||||うえ||つれて|いき| カッパ は しばら れた まま 、 やっと の 事 で 体 を 起こす と 、 天 を 仰いで 祈り 始め ました 。 |||||||こと||からだ||おこす||てん||あおいで|いのり|はじめ| 「 天 の 神さま 。 てん||かみさま おら 、 今 まで に 悪い 事 ばかり して きた 。 |いま|||わるい|こと||| 村 の 衆 に 、 いつも 迷惑 を かけて きた 。 むら||しゅう|||めいわく||| だ から その つぐない に 、 村 に 雨 を 降ら せて は くださら ん か 。 |||||むら||あめ||ふら||||| おら の 命 と 引き替え に 、 村 に 雨 を 降ら せて は くださら ん か 。 ||いのち||ひきかえ||むら||あめ||ふら||||| 天 の 神さま 、 どうか お 願い です 」 　 カッパ の 雨ごい は 、 何 日 も 何 日 も 続き ました 。 てん||かみさま|||ねがい||||あまごい||なん|ひ||なん|ひ||つづき| その 間 、 カッパ は 水 も 飲ま なければ 、 食べ物 も 食べ ませ ん 。 |あいだ|||すい||のま||たべもの||たべ|| すっかり 弱った カッパ は 、 とても 苦し そうに 雨ごい を 続け ました 。 |よわった||||にがし|そう に|あまごい||つづけ| 「 神さま ・・・、 お 願い です 。 かみさま||ねがい| どうか ・・・、 村 に ・・・、 雨 を 、 降ら せて ・・・」 　 カッパ の 祈り が あまりに も 熱心な ので 、 いつの間にか 村人 たち も 一緒に なって 雨ごい の 祈り を 始め ました 。 |むら||あめ||ふら||||いのり||||ねっしんな||いつのまにか|むらびと|||いっしょに||あまごい||いのり||はじめ| 「 神さま 、 お 願い です 。 かみさま||ねがい| どうか 、 村 に 雨 を 降ら せて 下さい 」 「 神さま 、 お 願い です 。 |むら||あめ||ふら||ください|かみさま||ねがい| どうか 、 村 に 雨 を 降ら せて 下さい 」 「 神さま 、 お 願い です 。 |むら||あめ||ふら||ください|かみさま||ねがい| どうか 、・・・」 　 すると 不思議な 事 に 、 急に 雨雲 が たち 込めて 、 大粒の 雨 が ポツリポツリ 降って きた のです 。 ||ふしぎな|こと||きゅうに|あまぐも|||こめて|おおつぶの|あめ||ぽつりぽつり|ふって|| そして 雨 は みるみる 激しく なって 、 やがて ザーザー と 滝 の 様 に 降り 出した のです 。 |あめ|||はげしく|||||たき||さま||ふり|だした| 「 カッパ の 雨ごい が 、 天 に 届いた ぞ ！ ||あまごい||てん||とどいた| 」 「 カッパ の 雨ごい の おかげ で 、 村 は 救わ れた ぞ ！ ||あまごい||||むら||すくわ|| 」 　 それ を 聞いた カッパ は 、 天 を 仰ぐ と 、 「・・・ 神さま 、 ありがとう 」 と 、 激しい 雨 に 打た れ ながら 、 満足 そうな 顔 で 死んで しまい ました 。 ||きいた|||てん||あおぐ||かみさま|||はげしい|あめ||うた|||まんぞく|そう な|かお||しんで||

それ から しばらく して 、 あの 旅 の 坊さん が また この 村 を 訪れて 、 この 事 を 知り ました 。 |||||たび||ぼうさん||||むら||おとずれて||こと||しり| すると 坊さん は 、 人間 に なり たがって いた カッパ の 話 を 村人 に して やり ました 。 |ぼうさん||にんげん|||||||はなし||むらびと|||| 「 カッパ は 、 命がけ で 罪ほろぼし を した んじゃ 。 ||いのちがけ||つみほろぼし||| いつか 人間 に 生まれ変わって 、 この 村 に くる かも しれ ん なあ 」 　 それ を 聞いた 村人 たち は 沼 の 近く に 小さな カッパ の 墓 を 立てて 、 いつまでも カッパ の 雨ごい の 話 を 語り伝えた そうです 。 |にんげん||うまれかわって||むら|||||||||きいた|むらびと|||ぬま||ちかく||ちいさな|||はか||たてて||||あまごい||はなし||かたりつたえた|そう です

おしまい