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Fairy Tales, 桃太郎

桃太郎

桃 太郎

むかし 、 むかし 、 ある ところ に 、 お じいさん と おばあ さん が あり ました 。 まいにち 、 お じいさん は 山 へ しば刈り に 、 おばあ さん は 川 へ 洗濯 に 行き ました 。 ある 日 の 事 、 おばあ さん が 川 で 、 洗濯 を して い ます と 、 川上 から 大きな 桃 が 一 つ 、 ♪ ドンブラコッコ 、 スッコッコ ♪ ドンブラコッコ 、 スッコッコ と 、 流れて 来 ました 。 「 おや おや 、 これ は みごとな 桃 だ こと 。 お じいさん へ の お みやげ に 、 家 へ 持って 帰り ましょう 」 おばあ さん は 、 そう 言い ながら 、 腰 を かがめて 桃 を 取ろう と し ました が 、 桃 は 遠くて 手 が とどき ませ ん 。 そこ で 、 おばあ さん は 、 ♪ あっち の 水 は 、 か あらい ぞ 。 ♪ こっち の 水 は 、 ああ まい ぞ 。 ♪ か あらい 水 は 、 よけて 来い 。 ♪ ああ まい 水 に 、 よって 来い 。 と 、 歌い ながら 、 調子 よく 手 を たたき ました 。 すると 桃 は 、 ♪ ドンブラコッコ 、 スッコッコ ♪ ドンブラコッコ 、 スッコッコ と 、 おばあ さん の 前 へ 流れて 来 ました 。 おばあ さん は 、 にこにこ し ながら 桃 を 拾い 上げる と 、 「 さあ 、 早く お じいさん と 二 人 で 分けて 、 食べ ましょう 」 と 、 桃 を 洗濯物 と 一緒に たらい の 中 に 入れて 、 家 に 持って 帰り ました 。

夕方 に なる と 、 やっと お じいさん は 山 から しば を 背負って 帰って 来 ました 。 「 おばあ さん 、 今 帰った よ 」 「 おや 、 お じいさん 、 待って い ました よ 。 さあ 、 良い 物 が ある から 、 早く お 上が ん なさい 」 「 ほう 、 良い 物 と は 、 一体 何 だ ね 」 お じいさん が わらじ を ぬいで 家 に 入る と 、 おばあ さん は 戸棚 の 中 から さっき の 桃 を 持って きて 言い ました 。

「 ほら 、 大きな 桃 でしょう 」 「 ほ ほう 、 これ は これ は みごとな 桃 だ 。 これ は どうした の だ ? 」 「 今日 、 川 で 拾って 来た のです よ 」 「 桃 を 川 で 拾う と は 、 それ は めずらしい 」 「 では 、 さっそく 食べる と し ましょう 。 お じいさん 、 悪い です けど 、 桃 を 切って ください な 」 「 よし 、 わかった 」 お じいさん が そう 言って 、 包丁 で 桃 を 切ろう と する と 、 突然 桃 が ブルブル と 震えて 、 パカン と 二 つ に 割れ ました 。 そして 桃 の 中 から 、 「 お ぎ ゃあ ー 、 お ぎ ゃあ ー 」 と 、 かわいらしい 赤ちゃん が 、 元 気 良く 飛び出した のです 。 「 なんと ! 」 「 おや 、 まあ 」 お じいさん も おばあ さん も びっくり し ました が 、 おばあ さん は その 赤ちゃん を 大事 そうに 抱き上げて 言い ました 。 「 わたし たち が 、 いつも 子ども が ほしい と 言って いた から 、 きっと 神さま が この 子 を 授けて 下さった に ちがい あり ませ ん よ 」 「 ああ 、 きっと そう だ 」 お じいさん と おばあ さん は 、 すぐ に お 湯 を 沸かす と 、 洗濯物 を 入れる たらい に お 湯 を 入れて 、 さっそく 赤ちゃん を うぶ湯 に つから せ ました 。 すると 赤ちゃん は 気持ちよ さ そうに 笑う と 、 「 う ーー ん 」 と 、 大きく のび を した のです 。 する と その 赤ちゃん の 力 が とても 強くて 、 おばあ さん は ころん と 転んで しまい ました 。 「 おや おや 、 何と 元気 の いい 子 だろう 」 お じいさん と おばあ さん は 顔 を 見合わせる と 、 おかし そうに 笑い ました 。 そして この 赤ちゃん は 、 桃 の 中 から 生まれた 子 な ので 、『 桃 太郎 』 と 名付け られ ました 。

お じいさん と おばあ さん は 、 桃 太郎 を それはそれは 大事に 育て ました 。 赤ちゃん の 頃 から 力 の 強い 桃 太郎 は 、 成長 する に つれて どんどん 強く なり 、 まだ 子ども ながら 近所 の 村 々 で 桃 太郎 に すもう で 勝てる 者 は 大人 でも い ない ほど でした 。 でも 、 桃 太郎 は とても やさしい 子ども で 、 お じいさん と おばあ さん に とても 親孝行 を し ました 。

桃 太郎 も 、 ついに 十五 才 に なり ました 。 自分 でも 日本 一 力 が 強い と 思った 桃 太郎 は 、 いつか その 力 を みんな の 役 に 立て たい と 思う ように なり ました 。 そこ へ 、 あちこち を 旅 して 回る 旅人 から 、 桃 太郎 は こんな 話し を 聞いた のです 。 「 何 年 も 何 年 も 船 を こいで 行く と 、 遠い 海 の 果て に 『 鬼 ヶ 島 』 と いう ところ が ある 。 そこ に は 悪い 鬼 ども が 、 くろがね の お 城 に 住んで いて 、 あちこち の 国 から 奪って きた 宝物 を 守って いる そうだ 」 この 話し を 聞いた 桃 太郎 は 、 その 鬼 ヶ 島 へ 行って み たく なり 、 お じいさん と おばあ さん の 前 へ 出て 言い ました 。 「 どうか 、 わたし を 旅 に 出さ せて 下さい 」 お じいさん と おばあ さん は 、 びっくり です 。 「 旅 って 、 どこ へ 行く つもりだ 」 「 はい 、 鬼 ヶ 島 へ 行って 、 悪い 鬼 を せいばつ に 行こう と 思い ます 」 「 ほう 、 それ は いさましい 事 だ 」 「 そんな 遠方 へ 行く ので は 、 さぞ お腹 が 空く でしょう から 、 お 弁当 を こしらえて あげ ましょう 」 お じいさん も おばあ さん も 桃 太郎 の 強 さ を 知って い ました から 、 桃 太郎 が 鬼 ヶ 島 へ 行く の を 喜び ました 。 お じいさん と おばあ さん は 、 庭 の まん 中 に 大きな 臼 を 持ち出す と 、 「 ぺっ たん 、 ぺっ たん 、 ぺっ たん こ 。 ぺっ たん 、 ぺっ たん 、 ぺっ たん こ 」 と 、 お 弁当 の キビ 団子 を つき ました 。 そして 桃 太郎 は お じいさん が 用意 した お 侍 の 着る ような 陣羽織 ( じんばおり ) を 着て 、 刀 を 腰 に さして もう と 、 出来 上がった ばかりの キビ 団子 の 袋 を ぶら下げ ました 。 そして 桃 の 絵 の 描いて ある 軍 扇 も 作って もらい ました 。

「 では 、 お 父さん 、 お 母さん 、 鬼 ヶ 島 へ 鬼 退治 に 行って まいり ます 」 「 ああ 、 立派に 鬼 を 退治 して くる が いい 」 「 体 に 気 を つけて 、 けが を し ない ように ね 」 「 な に 、 大丈夫です よ 。 わたし に は 日本 一 の キビ 団子 が あり ます から 。 では 、 ごきげんよう 」 桃 太郎 は 元気な 声 を のこして 出て いき 、 お じいさん と おばあ さん は 、 桃 太郎 の 姿 が 見え なく なる まで 見送って い ました 。

さて 、 鬼 ヶ 島 へ 出発 した 桃 太郎 が ず ん ず ん 進んで 大きな 山 に 来る と 、 草むら の 中 から 、 「 ワン 、 ワン 」 と 、 一 匹 の イヌ が かけて 来 ました 。 桃 太郎 が 振り返る と 、 犬 は 桃 太郎 に ていねいに おじぎ を して 言い ました 。 「 桃 太郎 さん 、 桃 太郎 さん 。 どちら へ おい で に なり ます か ? 」 「 鬼 ヶ 島 へ 、 鬼 退治 に 行く の さ 」 「 それでは 、 わたし も お供 さ せて ください 」 「 よし 、 わかった 。 それでは 日本 一 の キビ 団子 を やる から ついて 来い 」 こうして 犬 は キビ 団子 を 一 つ もらって 、 桃 太郎 の お供 に 加わり ました 。

山 を 下りて しばらく する と 、 桃 太郎 と 犬 は 森 の 中 に 入り ました 。 すると 木 の 上 から 、 「 キィー 、 キィー 」 と 、 一 匹 の サル が 下りて 来 ました 。 桃 太郎 が 振り向く と 、 サル は 桃 太郎 に ていねいに おじぎ を して 言い ました 。 「 桃 太郎 さん 、 桃 太郎 さん 。 どちら へ おい で に なり ます か ? 」 「 鬼 ヶ 島 へ 、 鬼 退治 に 行く の さ 」 「 それでは 、 わたし も お供 さ せて ください 」 「 よし 、 わかった 。 それでは 日本 一 の キビ 団子 を やる から ついて 来い 」 こうして サル も キビ 団子 を 一 つ もらって 、 桃 太郎 の お供 に 加わり ました 。

森 を 抜けて しばらく する と 、 桃 太郎 と 犬 と サル は 広い 野原 へ 出 ました 。 すると 空 の 上 から 、 「 ケン 、 ケン 」 と 、 一 羽 の キジ が 鳴き ながら 降りて 来 ました 。 桃 太郎 が 振り向く と 、 キジ は 桃 太郎 に ていねいに おじぎ を して 言い ました 。 「 桃 太郎 さん 、 桃 太郎 さん 。 どちら へ おい で に なり ます か ? 」 「 鬼 ヶ 島 へ 、 鬼 退治 に 行く の さ 」 「 それでは 、 わたし も お供 さ せて ください 」 「 よし 、 わかった 。 それでは 日本 一 の キビ 団子 を やる から ついて 来い 」 こうして キジ も キビ 団子 を 一 つ もらって 、 桃 太郎 の お供 に 加わり ました 。

桃 太郎 が 犬 と サル と キジ の 三 匹 の 家来 を 連れて 、 ず ん ず ん 進んで 行く と 、 やがて 広い 海 に 出 ました 。 近く に ちょうど 船 が あった ので 、 桃 太郎 と 、 三 匹 の 家来 は さっそく 船 に 乗り 込み ました 。 「 桃 太郎 さん 、 わたし が 船 を こぎ ましょう 」 犬 は そう 言う と 、 船 を こぎ 出し ました 。 「 桃 太郎 さん 、 わたし が かじ取り を し ましょう 」 サル は そう 言う と 、 かじ に 座り ました 。 「 桃 太郎 さん 、 わたし が 物見 ( ものみ ) を し ましょう 」 キジ は そう 言う と 、 船 の へさき に 立ち ました 。

しばらく は 良い お 天気 で 、 海 に は 波 一 つ あり ませ ん でした が 、 しばらく する と 風 が 出て きて 、 稲妻 が 走り ました 。 「 あの 稲妻 の 方角 に 、 鬼 ヶ 島 が ある に 違いない 。 犬 よ 、 サル よ 、 あっち に 向かって くれ 」 桃 太郎 が 言う と 、 犬 と サル は 稲妻 が 走った 方 へ 船 を 走ら せ ました 。 する と 、 へさき に 立って 物見 を して いた キジ が 言い ました 。 「 桃 太郎 さん 、 あそこ に 島 が 」

「 おおっ 、 確かに 島 だ 。 鬼 ヶ 島 に 違いない 」 やがて 島 に 近づく と 、 大岩 の 上 に 建って いる 鬼 の お 城 が 見え ました 。 その お 城 の 門 の 前 に は 、 見張り を して いる 鬼 の 兵隊 の 姿 も 見え ます 。 桃 太郎 一行 は 、 鬼 ヶ 島 に やって 来た のです 。

「 キジ よ 、 お前 は 空 を 飛んで 、 先 に 鬼 の 城 へ 行って くれ 」 桃 太郎 は そう 言う と 、 犬 と サル を したがえて 鬼 ヶ 島 に 上陸 し ました 。 見張り を して いた 鬼 の 兵隊 たち は 、 桃 太郎 の 姿 を 見る と 、 びっくり して 、 あわてて お 城 の 門 の 中 に 逃げ 込んで 、 鉄 の 門 を 固く 閉め ました 。 すると 犬 が 鉄 の 門 の 前 に 立って 、 門 を ドンドン と 叩き ながら 言い ました 。 「 日本 一 の 桃 太郎 さん が 、 お前 たち を せい ばい に おい で に なった のだ ぞ 。 ここ を 開けろ ! 」 それ を 聞いて 、 鬼 たち が 震え 上がり ます 。 「 桃 太郎 だって ! 」 「 桃 太郎 と 言えば 、 日本 一 の 強者 ( こわ もの → 強い 人 ) だ ぞ 。 絶対 に 中 へ 入れる な 」 鬼 たち は 一生懸命に 、 鉄 の 門 を 押さえ ました 。 この 鉄 の 門 は 、 さすが の 桃 太郎 でも 壊す こと が 出来 ませ ん 。 すると 先 に 飛んで いった キジ が 空 から 下りて きて 、 門 を 押さえて いる 鬼 たち の 目 を 突き 回り ました 。 「 わ あ 、 何 だ 、 この キジ は 」 鬼 たち が 頭 を 押さえて 逃げ 出す と 、 サル が するする と 高い 鉄 の 門 を よじ登って 行き 、 内側 から 門 を 開け ました 。 「 それ 、 行く ぞ ! 」 桃 太郎 は 声 を 上げる と 、 三 匹 の 家来 たち と 一緒に 鬼 の お 城 に 攻め 入り ました 。 お 城 の 中 から は 、 鬼 の 親分 が 大勢 の 家来 を 引き連れて 現れ ました 。 鬼 たち は 太い 鉄 の 棒 を 振り 回し ながら 桃 太郎 に 襲い かかり ます が 、 キジ が 空 から 鬼 の 目 を 突き 、 犬 が 鬼 の 向う ず ね に かみつき 、 サル が 鬼 の 体 に 飛び乗って 顔 を 引っかき 、 桃 太郎 が 自慢 の 力 で 鬼 を 投げ飛ばし ます 。 こうして 桃 太郎 一行 は 鬼 を 次々 と 倒して 、 最後に 残った 鬼 の 親分 を 桃 太郎 が 地面 に 押し倒し ました 。 「 どう だ 、 これ でも 降参 し ない か 」 すると 鬼 の 親分 は 、 大粒の 涙 を ポロポロ こぼし ながら 言い ました 。 「 桃 太郎 さん 、 降参 し ます から 、 命 だけ は お 助け 下さい 。 その代わり に 、 今 まで 集めた 宝物 を 残らず 差し上げ ます から 」 「 よし 、 ならば 助けて やろう 」

鬼 の 親分 は 約束 通り 、 お 城 から たくさんの 宝物 を 持って き ました 。 それ は 、 身 に つける と 姿 が 消える 『 隠れみの 』 に 『 隠れ が さ 』。 欲しい 物 を 出して くれる 『 うち で の 小づち 』 と 、 願い を かなえて くれる 『 如意 宝珠 ( にょい ほう じゅ → 願い を かなえて くれる 玉 )』。 その他 に も 『 珊瑚 ( さんご )』 や 『 たい まい (→ 海亀 の 甲羅 )』 や 『 瑠璃 ( るり → 青色 の 宝石 )』 など 、 高価な 宝物 を 山 の 様 に 車 に 積んで 差し出し ました 。 桃 太郎 は その 宝物 を 残らず 船 に 積む と 、 「 もう 二度と 、 悪い 事 を する で ない ぞ 」 と 、 鬼 たち に 言いつけて 、 日本 へ と 帰って 行き ました 。

さて 、 桃 太郎 の 村 で は 、 お じいさん と おばあ さん が 毎日 毎日 桃 太郎 の 帰り を 首 を 長く して 待って い ました 。 「 もう そろそろ 、 桃 太郎 が 帰って きて も いい ころ だ が 」 「 そう です ね 。 けが を して い なければ いい です けど 」 そこ へ 、 たくさんの 宝物 を 積んだ 車 を 引いて 、 桃 太郎 一行 が 帰って きた のです 。 お じいさん と おばあ さん は 大喜びです 。 桃 太郎 から 鬼 退治 の 話し を 聞いて 、 お じいさん と おばあ さん が 言い ました 。 「 えらい ぞ 、 えらい ぞ ! それ で こそ 日本 一 だ 」 「 まあ 、 まあ 、 けが が なく って 、 何より です 」

やがて 桃 太郎 は 鬼 ヶ 島 から 持ち帰った 宝物 を 一つ一つ 持ち主 の ところ へ 届けて やり 、 鬼 ヶ 島 で の 鬼 退治 の 話し を 世界 中 に 広めた と いう 事 です 。

おしまい


桃太郎 もも たろう day of the peach festival; tomorrow's day of the peach festival

桃 太郎 もも|たろう

むかし 、 むかし 、 ある ところ に 、 お じいさん と おばあ さん が あり ました 。 Once upon a time, there was a grandfather and a grandmother. 從前,在某個地方有一個老男人和一個老太婆。 まいにち 、 お じいさん は 山 へ しば刈り に 、 おばあ さん は 川 へ 洗濯 に 行き ました 。 ||||やま||しばかり|||||かわ||せんたく||いき| Every day, my grandfather went to the mountain to mow his shibachi and my grandmother went to the river to wash her clothes. 每天,爺爺去山上砍樹,奶奶去河邊洗衣服。 ある 日 の 事 、 おばあ さん が 川 で 、 洗濯 を して い ます と 、 川上 から 大きな 桃 が 一 つ 、 ♪ ドンブラコッコ 、 スッコッコ ♪ ドンブラコッコ 、 スッコッコ と 、 流れて 来 ました 。 |ひ||こと||||かわ||せんたく||||||かわかみ||おおきな|もも||ひと|||||||ながれて|らい| One day, while grandmother was washing clothes in the river, a large peach came floating down from the river. 一天,老太婆在河里洗衣服的时候,一只大桃子顺着河水飘了过来,♪ donbracocco,succocco ♪ donbracocco,succocco。 有一天,老太婆在河邊洗衣服,順水漂來了一個大桃子♪ donbracocco, succocco ♪ donbracocco, succocco。 「 おや おや 、 これ は みごとな 桃 だ こと 。 |||||もも|| お じいさん へ の お みやげ に 、 家 へ 持って 帰り ましょう 」   おばあ さん は 、 そう 言い ながら 、 腰 を かがめて 桃 を 取ろう と し ました が 、 桃 は 遠くて 手 が とどき ませ ん 。 |||||||いえ||もって|かえり||||||いい||こし|||もも||とろう|||||もも||とおくて|て|||| Давай возьмем несколько штук домой, на память дедушке", - сказала она, наклоняясь, чтобы поднять их, но они были слишком далеко. そこ で 、 おばあ さん は 、 ♪ あっち の 水 は 、 か あらい ぞ 。 |||||あっ ち||すい|||| Так вот, бабушка сказала: "Вон та вода, она нормальная". ♪ こっち の 水 は 、 ああ まい ぞ 。 ||すい|||| # Вода здесь не очень хорошая. ♪ か あらい 水 は 、 よけて 来い 。 ||すい|||こい ♪ ああ まい 水 に 、 よって 来い 。 ||すい|||こい と 、 歌い ながら 、 調子 よく 手 を たたき ました 。 |うたい||ちょうし||て||| I'm going to get it, - пела она, - I'm going to get it, I'm going to get it, I'm going to get it. すると 桃 は 、 ♪ ドンブラコッコ 、 スッコッコ ♪ ドンブラコッコ 、 スッコッコ と 、 おばあ さん の 前 へ 流れて 来 ました 。 |もも||||||||||ぜん||ながれて|らい| おばあ さん は 、 にこにこ し ながら 桃 を 拾い 上げる と 、 「 さあ 、 早く お じいさん と 二 人 で 分けて 、 食べ ましょう 」 と 、 桃 を 洗濯物 と 一緒に たらい の 中 に 入れて 、 家 に 持って 帰り ました 。 ||||||もも||ひろい|あげる|||はやく||||ふた|じん||わけて|たべ|||もも||せんたくもの||いっしょに|||なか||いれて|いえ||もって|かえり| Она с улыбкой подняла персики и со словами: "Давай, поделимся с дедушкой и съедим их", положила их в ванну с мочалкой и понесла домой.

夕方 に なる と 、 やっと お じいさん は 山 から しば を 背負って 帰って 来 ました 。 ゆうがた||||||||やま||||せおって|かえって|らい| 「 おばあ さん 、 今 帰った よ 」 「 おや 、 お じいさん 、 待って い ました よ 。 ||いま|かえった|||||まって||| Бабушка, я дома". "Ой, дедушка, я тебя ждала. さあ 、 良い 物 が ある から 、 早く お 上が ん なさい 」 「 ほう 、 良い 物 と は 、 一体 何 だ ね 」   お じいさん が わらじ を ぬいで 家 に 入る と 、 おばあ さん は 戸棚 の 中 から さっき の 桃 を 持って きて 言い ました 。 |よい|ぶつ||||はやく||うえ が||||よい|ぶつ|||いったい|なん|||||||||いえ||はいる|||||とだな||なか||||もも||もって||いい| Когда дедушка вошел в дом, бабушка принесла из шкафа персики и сказала: "А теперь у меня есть для тебя кое-что вкусненькое.

「 ほら 、 大きな 桃 でしょう 」 「 ほ ほう 、 これ は これ は みごとな 桃 だ 。 |おおきな|もも|||||||||もも| これ は どうした の だ ? В чем дело? 」 「 今日 、 川 で 拾って 来た のです よ 」 「 桃 を 川 で 拾う と は 、 それ は めずらしい 」 「 では 、 さっそく 食べる と し ましょう 。 きょう|かわ||ひろって|きた|||もも||かわ||ひろう||||||||たべる||| Я сегодня набрал их у реки". "Необычно набирать персики у реки. お じいさん 、 悪い です けど 、 桃 を 切って ください な 」 「 よし 、 わかった 」   お じいさん が そう 言って 、 包丁 で 桃 を 切ろう と する と 、 突然 桃 が ブルブル と 震えて 、 パカン と 二 つ に 割れ ました 。 ||わるい|||もも||きって|||||||||いって|ほうちょう||もも||きろう||||とつぜん|もも||ぶるぶる||ふるえて|||ふた|||われ| そして 桃 の 中 から 、 「 お ぎ ゃあ ー 、 お ぎ ゃあ ー 」 と 、 かわいらしい 赤ちゃん が 、 元 気 良く 飛び出した のです 。 |もも||なか|||||-||||-|||あかちゃん||もと|き|よく|とびだした| 「 なんと ! 」 「 おや 、 まあ 」   お じいさん も おばあ さん も びっくり し ました が 、 おばあ さん は その 赤ちゃん を 大事 そうに 抱き上げて 言い ました 。 ||||||||||||||||あかちゃん||だいじ|そう に|だきあげて|いい| Отец ребенка - великий человек и бабушка - оба были удивлены, но бабушка взяла ребенка на руки, как будто заботилась о нем, и сказала: "О, Боже мой! 「 わたし たち が 、 いつも 子ども が ほしい と 言って いた から 、 きっと 神さま が この 子 を 授けて 下さった に ちがい あり ませ ん よ 」 「 ああ 、 きっと そう だ 」   お じいさん と おばあ さん は 、 すぐ に お 湯 を 沸かす と 、 洗濯物 を 入れる たらい に お 湯 を 入れて 、 さっそく 赤ちゃん を うぶ湯 に つから せ ました 。 ||||こども||||いって||||かみさま|||こ||さずけて|くださった||||||||||||||||||||ゆ||わかす||せんたくもの||いれる||||ゆ||いれて||あかちゃん||うぶゆ||つ から|| Дедушка и бабушка тут же вскипятили воду, наполнили горячей водой ванночку для мытья посуды и запустили ребенка в воду для купания. すると 赤ちゃん は 気持ちよ さ そうに 笑う と 、 「 う ーー ん 」 と 、 大きく のび を した のです 。 |あかちゃん||きもちよ||そう に|わらう|||--|||おおきく|||| Ребенок приятно засмеялся и издал громкое "оооо". する と その 赤ちゃん の 力 が とても 強くて 、 おばあ さん は ころん と 転んで しまい ました 。 |||あかちゃん||ちから|||つよくて||||ころ ん||ころんで|| Ребенок был настолько сильным, что бабушка упала. 「 おや おや 、 何と 元気 の いい 子 だろう 」   お じいさん と おばあ さん は 顔 を 見合わせる と 、 おかし そうに 笑い ました 。 ||なんと|げんき|||こ||||||||かお||みあわせる|||そう に|わらい| Дед и бабка посмотрели друг на друга и засмеялись. そして この 赤ちゃん は 、 桃 の 中 から 生まれた 子 な ので 、『 桃 太郎 』 と 名付け られ ました 。 ||あかちゃん||もも||なか||うまれた|こ|||もも|たろう||なづけ|| Ребенка назвали Момотаро, потому что он родился из персика.

お じいさん と おばあ さん は 、 桃 太郎 を それはそれは 大事に 育て ました 。 ||||||もも|たろう|||だいじに|そだて| 赤ちゃん の 頃 から 力 の 強い 桃 太郎 は 、 成長 する に つれて どんどん 強く なり 、 まだ 子ども ながら 近所 の 村 々 で 桃 太郎 に すもう で 勝てる 者 は 大人 でも い ない ほど でした 。 あかちゃん||ころ||ちから||つよい|もも|たろう||せいちょう|||||つよく|||こども||きんじょ||むら|||もも|たろう||||かてる|もの||おとな||||| Крепкий как младенец, Момотаро по мере взросления становился все сильнее и сильнее, настолько, что ни один взрослый в соседних деревнях не мог победить его в поединке сумо, пока он был еще ребенком. でも 、 桃 太郎 は とても やさしい 子ども で 、 お じいさん と おばあ さん に とても 親孝行 を し ました 。 |もも|たろう||||こども|||||||||おやこうこう|||

桃 太郎 も 、 ついに 十五 才 に なり ました 。 もも|たろう|||じゅうご|さい||| Момотаро наконец-то исполнилось пятнадцать лет. 自分 でも 日本 一 力 が 強い と 思った 桃 太郎 は 、 いつか その 力 を みんな の 役 に 立て たい と 思う ように なり ました 。 じぶん||にっぽん|ひと|ちから||つよい||おもった|もも|たろう||||ちから||||やく||たて|||おもう||| Момотаро считал себя самым могущественным человеком в Японии и хотел однажды использовать свои силы, чтобы помочь другим. そこ へ 、 あちこち を 旅 して 回る 旅人 から 、 桃 太郎 は こんな 話し を 聞いた のです 。 ||||たび||まわる|たびびと||もも|たろう|||はなし||きいた| 「 何 年 も 何 年 も 船 を こいで 行く と 、 遠い 海 の 果て に 『 鬼 ヶ 島 』 と いう ところ が ある 。 なん|とし||なん|とし||せん|||いく||とおい|うみ||はて||おに||しま||||| そこ に は 悪い 鬼 ども が 、 くろがね の お 城 に 住んで いて 、 あちこち の 国 から 奪って きた 宝物 を 守って いる そうだ 」   この 話し を 聞いた 桃 太郎 は 、 その 鬼 ヶ 島 へ 行って み たく なり 、 お じいさん と おばあ さん の 前 へ 出て 言い ました 。 |||わるい|おに||||||しろ||すんで||||くに||うばって||たからもの||まもって||そう だ||はなし||きいた|もも|たろう|||おに||しま||おこなって||||||||||ぜん||でて|いい| 「 どうか 、 わたし を 旅 に 出さ せて 下さい 」   お じいさん と おばあ さん は 、 びっくり です 。 |||たび||ださ||ください|||||||| 「 旅 って 、 どこ へ 行く つもりだ 」 「 はい 、 鬼 ヶ 島 へ 行って 、 悪い 鬼 を せいばつ に 行こう と 思い ます 」 「 ほう 、 それ は いさましい 事 だ 」 「 そんな 遠方 へ 行く ので は 、 さぞ お腹 が 空く でしょう から 、 お 弁当 を こしらえて あげ ましょう 」   お じいさん も おばあ さん も 桃 太郎 の 強 さ を 知って い ました から 、 桃 太郎 が 鬼 ヶ 島 へ 行く の を 喜び ました 。 たび||||いく|||おに||しま||おこなって|わるい|おに||||いこう||おもい||||||こと|||えんぽう||いく||||おなか||あく||||べんとう|||||||||||もも|たろう||つよ|||しって||||もも|たろう||おに||しま||いく|||よろこび| お じいさん と おばあ さん は 、 庭 の まん 中 に 大きな 臼 を 持ち出す と 、 「 ぺっ たん 、 ぺっ たん 、 ぺっ たん こ 。 ||||||にわ|||なか||おおきな|うす||もちだす|||||||| ぺっ たん 、 ぺっ たん 、 ぺっ たん こ 」 と 、 お 弁当 の キビ 団子 を つき ました 。 |||||||||べんとう|||だんご||| そして 桃 太郎 は お じいさん が 用意 した お 侍 の 着る ような 陣羽織 ( じんばおり ) を 着て 、 刀 を 腰 に さして もう と 、 出来 上がった ばかりの キビ 団子 の 袋 を ぶら下げ ました 。 |もも|たろう|||||ようい|||さむらい||きる||じんばおり|||きて|かたな||こし|||||でき|あがった|||だんご||ふくろ||ぶらさげ| そして 桃 の 絵 の 描いて ある 軍 扇 も 作って もらい ました 。 |もも||え||えがいて||ぐん|おうぎ||つくって||

「 では 、 お 父さん 、 お 母さん 、 鬼 ヶ 島 へ 鬼 退治 に 行って まいり ます 」 「 ああ 、 立派に 鬼 を 退治 して くる が いい 」 「 体 に 気 を つけて 、 けが を し ない ように ね 」 「 な に 、 大丈夫です よ 。 ||とうさん||かあさん|おに||しま||おに|たいじ||おこなって||||りっぱに|おに||たいじ|||||からだ||き|||||||||||だいじょうぶです| わたし に は 日本 一 の キビ 団子 が あり ます から 。 |||にっぽん|ひと|||だんご|||| では 、 ごきげんよう 」   桃 太郎 は 元気な 声 を のこして 出て いき 、 お じいさん と おばあ さん は 、 桃 太郎 の 姿 が 見え なく なる まで 見送って い ました 。 ||もも|たろう||げんきな|こえ|||でて||||||||もも|たろう||すがた||みえ||||みおくって||

さて 、 鬼 ヶ 島 へ 出発 した 桃 太郎 が ず ん ず ん 進んで 大きな 山 に 来る と 、 草むら の 中 から 、 「 ワン 、 ワン 」 と 、 一 匹 の イヌ が かけて 来 ました 。 |おに||しま||しゅっぱつ||もも|たろう||||||すすんで|おおきな|やま||くる||くさむら||なか||わん|わん||ひと|ひき||いぬ|||らい| 桃 太郎 が 振り返る と 、 犬 は 桃 太郎 に ていねいに おじぎ を して 言い ました 。 もも|たろう||ふりかえる||いぬ||もも|たろう||||||いい| 「 桃 太郎 さん 、 桃 太郎 さん 。 もも|たろう||もも|たろう| どちら へ おい で に なり ます か ? Where are you going? 」 「 鬼 ヶ 島 へ 、 鬼 退治 に 行く の さ 」 「 それでは 、 わたし も お供 さ せて ください 」 「 よし 、 わかった 。 おに||しま||おに|たいじ||いく||||||おとも||||| それでは 日本 一 の キビ 団子 を やる から ついて 来い 」   こうして 犬 は キビ 団子 を 一 つ もらって 、 桃 太郎 の お供 に 加わり ました 。 |にっぽん|ひと|||だんご|||||こい||いぬ|||だんご||ひと|||もも|たろう||おとも||くわわり|

山 を 下りて しばらく する と 、 桃 太郎 と 犬 は 森 の 中 に 入り ました 。 やま||おりて||||もも|たろう||いぬ||しげる||なか||はいり| すると 木 の 上 から 、 「 キィー 、 キィー 」 と 、 一 匹 の サル が 下りて 来 ました 。 |き||うえ|||||ひと|ひき||さる||おりて|らい| 桃 太郎 が 振り向く と 、 サル は 桃 太郎 に ていねいに おじぎ を して 言い ました 。 もも|たろう||ふりむく||さる||もも|たろう||||||いい| 「 桃 太郎 さん 、 桃 太郎 さん 。 もも|たろう||もも|たろう| どちら へ おい で に なり ます か ? 」 「 鬼 ヶ 島 へ 、 鬼 退治 に 行く の さ 」 「 それでは 、 わたし も お供 さ せて ください 」 「 よし 、 わかった 。 おに||しま||おに|たいじ||いく||||||おとも||||| それでは 日本 一 の キビ 団子 を やる から ついて 来い 」   こうして サル も キビ 団子 を 一 つ もらって 、 桃 太郎 の お供 に 加わり ました 。 |にっぽん|ひと|||だんご|||||こい||さる|||だんご||ひと|||もも|たろう||おとも||くわわり|

森 を 抜けて しばらく する と 、 桃 太郎 と 犬 と サル は 広い 野原 へ 出 ました 。 しげる||ぬけて||||もも|たろう||いぬ||さる||ひろい|のはら||だ| すると 空 の 上 から 、 「 ケン 、 ケン 」 と 、 一 羽 の キジ が 鳴き ながら 降りて 来 ました 。 |から||うえ||けん|けん||ひと|はね||きじ||なき||おりて|らい| 桃 太郎 が 振り向く と 、 キジ は 桃 太郎 に ていねいに おじぎ を して 言い ました 。 もも|たろう||ふりむく||きじ||もも|たろう||||||いい| 「 桃 太郎 さん 、 桃 太郎 さん 。 もも|たろう||もも|たろう| どちら へ おい で に なり ます か ? 」 「 鬼 ヶ 島 へ 、 鬼 退治 に 行く の さ 」 「 それでは 、 わたし も お供 さ せて ください 」 「 よし 、 わかった 。 おに||しま||おに|たいじ||いく||||||おとも||||| それでは 日本 一 の キビ 団子 を やる から ついて 来い 」   こうして キジ も キビ 団子 を 一 つ もらって 、 桃 太郎 の お供 に 加わり ました 。 |にっぽん|ひと|||だんご|||||こい||きじ|||だんご||ひと|||もも|たろう||おとも||くわわり|

桃 太郎 が 犬 と サル と キジ の 三 匹 の 家来 を 連れて 、 ず ん ず ん 進んで 行く と 、 やがて 広い 海 に 出 ました 。 もも|たろう||いぬ||さる||きじ||みっ|ひき||けらい||つれて|||||すすんで|いく|||ひろい|うみ||だ| 近く に ちょうど 船 が あった ので 、 桃 太郎 と 、 三 匹 の 家来 は さっそく 船 に 乗り 込み ました 。 ちかく|||せん||||もも|たろう||みっ|ひき||けらい|||せん||のり|こみ| 「 桃 太郎 さん 、 わたし が 船 を こぎ ましょう 」   犬 は そう 言う と 、 船 を こぎ 出し ました 。 もも|たろう||||せん||||いぬ|||いう||せん|||だし| 「 桃 太郎 さん 、 わたし が かじ取り を し ましょう 」   サル は そう 言う と 、 かじ に 座り ました 。 もも|たろう||||かじとり||||さる|||いう||||すわり| 「 桃 太郎 さん 、 わたし が 物見 ( ものみ ) を し ましょう 」   キジ は そう 言う と 、 船 の へさき に 立ち ました 。 もも|たろう||||ものみ|||||きじ|||いう||せん||へ さき||たち| I'll do the watching, Mr. Momotaro," the pheasant said, standing at the bow of the boat.

しばらく は 良い お 天気 で 、 海 に は 波 一 つ あり ませ ん でした が 、 しばらく する と 風 が 出て きて 、 稲妻 が 走り ました 。 ||よい||てんき||うみ|||なみ|ひと||||||||||かぜ||でて||いなずま||はしり| 「 あの 稲妻 の 方角 に 、 鬼 ヶ 島 が ある に 違いない 。 |いなずま||ほうがく||おに||しま||||ちがいない "In the direction of that bolt of lightning, there must be Onigashima Island. 犬 よ 、 サル よ 、 あっち に 向かって くれ 」   桃 太郎 が 言う と 、 犬 と サル は 稲妻 が 走った 方 へ 船 を 走ら せ ました 。 いぬ||さる||あっ ち||むかって||もも|たろう||いう||いぬ||さる||いなずま||はしった|かた||せん||はしら|| する と 、 へさき に 立って 物見 を して いた キジ が 言い ました 。 ||へ さき||たって|ものみ||||きじ||いい| 「 桃 太郎 さん 、 あそこ に 島 が 」 もも|たろう||||しま|

「 おおっ 、 確かに 島 だ 。 おお っ|たしかに|しま| 鬼 ヶ 島 に 違いない 」   やがて 島 に 近づく と 、 大岩 の 上 に 建って いる 鬼 の お 城 が 見え ました 。 おに||しま||ちがいない||しま||ちかづく||おおいわ||うえ||たって||おに|||しろ||みえ| その お 城 の 門 の 前 に は 、 見張り を して いる 鬼 の 兵隊 の 姿 も 見え ます 。 ||しろ||もん||ぜん|||みはり||||おに||へいたい||すがた||みえ| 桃 太郎 一行 は 、 鬼 ヶ 島 に やって 来た のです 。 もも|たろう|いっこう||おに||しま|||きた|

「 キジ よ 、 お前 は 空 を 飛んで 、 先 に 鬼 の 城 へ 行って くれ 」   桃 太郎 は そう 言う と 、 犬 と サル を したがえて 鬼 ヶ 島 に 上陸 し ました 。 きじ||おまえ||から||とんで|さき||おに||しろ||おこなって||もも|たろう|||いう||いぬ||さる|||おに||しま||じょうりく|| 見張り を して いた 鬼 の 兵隊 たち は 、 桃 太郎 の 姿 を 見る と 、 びっくり して 、 あわてて お 城 の 門 の 中 に 逃げ 込んで 、 鉄 の 門 を 固く 閉め ました 。 みはり||||おに||へいたい|||もも|たろう||すがた||みる||||||しろ||もん||なか||にげ|こんで|くろがね||もん||かたく|しめ| すると 犬 が 鉄 の 門 の 前 に 立って 、 門 を ドンドン と 叩き ながら 言い ました 。 |いぬ||くろがね||もん||ぜん||たって|もん||どんどん||たたき||いい| 「 日本 一 の 桃 太郎 さん が 、 お前 たち を せい ばい に おい で に なった のだ ぞ 。 にっぽん|ひと||もも|たろう|||おまえ||||||||||| Japan's greatest Peach Boy has come to visit you. ここ を 開けろ ! ||あけろ 」   それ を 聞いて 、 鬼 たち が 震え 上がり ます 。 ||きいて|おに|||ふるえ|あがり| 「 桃 太郎 だって ! もも|たろう| "Momotaro," he says! 」 「 桃 太郎 と 言えば 、 日本 一 の 強者 ( こわ もの → 強い 人 ) だ ぞ 。 もも|たろう||いえば|にっぽん|ひと||きょうしゃ|||つよい|じん|| 絶対 に 中 へ 入れる な 」   鬼 たち は 一生懸命に 、 鉄 の 門 を 押さえ ました 。 ぜったい||なか||いれる||おに|||いっしょうけんめいに|くろがね||もん||おさえ| この 鉄 の 門 は 、 さすが の 桃 太郎 でも 壊す こと が 出来 ませ ん 。 |くろがね||もん||||もも|たろう||こわす|||でき|| すると 先 に 飛んで いった キジ が 空 から 下りて きて 、 門 を 押さえて いる 鬼 たち の 目 を 突き 回り ました 。 |さき||とんで||きじ||から||おりて||もん||おさえて||おに|||め||つき|まわり| 「 わ あ 、 何 だ 、 この キジ は 」   鬼 たち が 頭 を 押さえて 逃げ 出す と 、 サル が するする と 高い 鉄 の 門 を よじ登って 行き 、 内側 から 門 を 開け ました 。 ||なん|||きじ||おに|||あたま||おさえて|にげ|だす||さる||||たかい|くろがね||もん||よじのぼって|いき|うちがわ||もん||あけ| 「 それ 、 行く ぞ ! |いく| 」   桃 太郎 は 声 を 上げる と 、 三 匹 の 家来 たち と 一緒に 鬼 の お 城 に 攻め 入り ました 。 もも|たろう||こえ||あげる||みっ|ひき||けらい|||いっしょに|おに|||しろ||せめ|はいり| お 城 の 中 から は 、 鬼 の 親分 が 大勢 の 家来 を 引き連れて 現れ ました 。 |しろ||なか|||おに||おやぶん||おおぜい||けらい||ひきつれて|あらわれ| 鬼 たち は 太い 鉄 の 棒 を 振り 回し ながら 桃 太郎 に 襲い かかり ます が 、 キジ が 空 から 鬼 の 目 を 突き 、 犬 が 鬼 の 向う ず ね に かみつき 、 サル が 鬼 の 体 に 飛び乗って 顔 を 引っかき 、 桃 太郎 が 自慢 の 力 で 鬼 を 投げ飛ばし ます 。 おに|||ふとい|くろがね||ぼう||ふり|まわし||もも|たろう||おそい||||きじ||から||おに||め||つき|いぬ||おに||むかい う|||||さる||おに||からだ||とびのって|かお||ひっかき|もも|たろう||じまん||ちから||おに||なげとばし| こうして 桃 太郎 一行 は 鬼 を 次々 と 倒して 、 最後に 残った 鬼 の 親分 を 桃 太郎 が 地面 に 押し倒し ました 。 |もも|たろう|いっこう||おに||つぎつぎ||たおして|さいごに|のこった|おに||おやぶん||もも|たろう||じめん||おしたおし| 「 どう だ 、 これ でも 降参 し ない か 」   すると 鬼 の 親分 は 、 大粒の 涙 を ポロポロ こぼし ながら 言い ました 。 ||||こうさん|||||おに||おやぶん||おおつぶの|なみだ||ぽろぽろ|||いい| 「 桃 太郎 さん 、 降参 し ます から 、 命 だけ は お 助け 下さい 。 もも|たろう||こうさん||||いのち||||たすけ|ください その代わり に 、 今 まで 集めた 宝物 を 残らず 差し上げ ます から 」 「 よし 、 ならば 助けて やろう 」 そのかわり||いま||あつめた|たからもの||のこらず|さしあげ|||||たすけて|

鬼 の 親分 は 約束 通り 、 お 城 から たくさんの 宝物 を 持って き ました 。 おに||おやぶん||やくそく|とおり||しろ|||たからもの||もって|| それ は 、 身 に つける と 姿 が 消える 『 隠れみの 』 に 『 隠れ が さ 』。 ||み||||すがた||きえる|かくれみの||かくれ|| 欲しい 物 を 出して くれる 『 うち で の 小づち 』 と 、 願い を かなえて くれる 『 如意 宝珠 ( にょい ほう じゅ → 願い を かなえて くれる 玉 )』。 ほしい|ぶつ||だして|||||こづち||ねがい||||にょい|たから しゅ||||ねがい||||たま その他 に も 『 珊瑚 ( さんご )』 や 『 たい まい (→ 海亀 の 甲羅 )』 や 『 瑠璃 ( るり → 青色 の 宝石 )』 など 、 高価な 宝物 を 山 の 様 に 車 に 積んで 差し出し ました 。 そのほか|||さんご|||||うみがめ||こうら||るり||あおいろ||ほうせき||こうかな|たからもの||やま||さま||くるま||つんで|さしだし| 桃 太郎 は その 宝物 を 残らず 船 に 積む と 、 「 もう 二度と 、 悪い 事 を する で ない ぞ 」 と 、 鬼 たち に 言いつけて 、 日本 へ と 帰って 行き ました 。 もも|たろう|||たからもの||のこらず|せん||つむ|||にどと|わるい|こと|||||||おに|||いいつけて|にっぽん|||かえって|いき|

さて 、 桃 太郎 の 村 で は 、 お じいさん と おばあ さん が 毎日 毎日 桃 太郎 の 帰り を 首 を 長く して 待って い ました 。 |もも|たろう||むら|||||||||まいにち|まいにち|もも|たろう||かえり||くび||ながく||まって|| 「 もう そろそろ 、 桃 太郎 が 帰って きて も いい ころ だ が 」 「 そう です ね 。 ||もも|たろう||かえって||||||||| けが を して い なければ いい です けど 」   そこ へ 、 たくさんの 宝物 を 積んだ 車 を 引いて 、 桃 太郎 一行 が 帰って きた のです 。 |||||||||||たからもの||つんだ|くるま||ひいて|もも|たろう|いっこう||かえって|| お じいさん と おばあ さん は 大喜びです 。 ||||||おおよろこびです 桃 太郎 から 鬼 退治 の 話し を 聞いて 、 お じいさん と おばあ さん が 言い ました 。 もも|たろう||おに|たいじ||はなし||きいて|||||||いい| 「 えらい ぞ 、 えらい ぞ ! それ で こそ 日本 一 だ 」 「 まあ 、 まあ 、 けが が なく って 、 何より です 」 |||にっぽん|ひと||||||||なにより|

やがて 桃 太郎 は 鬼 ヶ 島 から 持ち帰った 宝物 を 一つ一つ 持ち主 の ところ へ 届けて やり 、 鬼 ヶ 島 で の 鬼 退治 の 話し を 世界 中 に 広めた と いう 事 です 。 |もも|たろう||おに||しま||もちかえった|たからもの||ひとつひとつ|もちぬし||||とどけて||おに||しま|||おに|たいじ||はなし||せかい|なか||ひろめた|||こと|

おしまい