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Fairy Tales, 因果の小車(いんがのおぐるま)

因果 の 小 車 (いんが の お ぐ る ま)

因果 の 小 車 ( いんが の お ぐる ま )

むかし から 、 悪い 事 や 良い 事 を すれば 、 その 行い は 車輪 が ぐるり と 回る 様 に 一 周 して 、 自分 の ところ に 帰って 来る と 言わ れて い ます 。 これ を 、 『 因果 の 小 車 ( いんが の お ぐる ま )』 と 言い ます 。

むかし むかし 、 ある ところ に 、 一 人 の 腕 の 良い 猟師 が い ました 。

ある 日 の 事 、 猟師 が キジ を 捕り に 山 へ 出かける と 、 少し 向こう の 地面 から 一 匹 の ミミズ が 出て 来 ました 。 ( ミミズ か ) 猟師 が ミミズ を 見て いる と 、 どこ から か カエル が やって 来て 、 その ミミズ を パクリ と 食べて しまい ました 。 ( カエル が 、 ミミズ を 食べた か ) そして その カエル を 見て いたら 、 今度 は ヘビ が 出て 来て 、 その カエル を パクリ と 食べた のです 。 ( 今度 は 、 ヘビ が カエル を 食べた か ) そして カエル を 食べた ヘビ が 満足 そう に して いる と 、 突然 、 空 から キジ が 飛んで 来て 、 その ヘビ を 鋭い くちばし で 突き 殺し 、 その場で おいし そうに 食べた のです 。 ( 今度 は 、 キジ が ヘビ を 食べた か 。 ・・・ キジ ! ) 猟師 は 、 はっと 気づき ました 。 ( おれ は 、 何 を して いる んだ 。 せっかく キジ が 出て きた のに 、 見とれて いる なんて ) 猟師 は 鉄砲 を 構える と 、 ヘビ を 食べて お腹 が 大きく なった キジ に 狙い を 付け ました 。 そして 引き金 に 指 を かける と 、 ふと 、 こんな 事 を 考え ました 。 ( ミミズ の やつ は 、 カエル に 食べ られた 。 カエル の やつ は 、 ヘビ に 食べ られた 。 ヘビ の やつ は 、 キジ に 食べ られた 。 そして キジ の やつ は 、 おれ に 殺さ れる 。 そう する と 、 次 は どう なる のだ ? ) そう 考える と 、 だんだん 怖く なって しまい 、 引き金 を 引く 指 に 力 が 入り ませ ん でした 。 そこ で 猟師 は 鉄砲 を しまう と 、 そのまま 山 を 下りて いき ました 。

する と その 猟師 の 背後 から 、 不気味な 声 が かかり ました 。 「 猟師 よ 、 命拾い を した な 」 猟師 が びっくり して 後ろ を 振り返る と 、 木々 の 暗闇 の 向こう に 大きな 二 つ の 目玉 が 金色 に 光って いた のです 。 「 う ひ ゃ ー ! 化け物 だ ー ! 」 猟師 は 鉄砲 を 放り投げる と 、 一目散に 逃げて 行き ました 。

おしまい


因果 の 小 車 (いんが の お ぐ る ま) いんが||しょう|くるま|||||| Causeway Causeway (vehículo pequeño causal). Causeway (causaal klein voertuig). Causeway (kausalt litet fordon). 小车的因果

因果 の 小 車 ( いんが の お ぐる ま ) いんが||しょう|くるま||||ぐ る|

むかし から 、 悪い 事 や 良い 事 を すれば 、 その 行い は 車輪 が ぐるり と 回る 様 に 一 周 して 、 自分 の ところ に 帰って 来る と 言わ れて い ます 。 ||わるい|こと||よい|こと||||おこない||しゃりん||||まわる|さま||ひと|しゅう||じぶん||||かえって|くる||いわ||| これ を 、 『 因果 の 小 車 ( いんが の お ぐる ま )』 と 言い ます 。 ||いんが||しょう|くるま||||ぐ る|||いい|

むかし むかし 、 ある ところ に 、 一 人 の 腕 の 良い 猟師 が い ました 。 |||||ひと|じん||うで||よい|りょうし|||

ある 日 の 事 、 猟師 が キジ を 捕り に 山 へ 出かける と 、 少し 向こう の 地面 から 一 匹 の ミミズ が 出て 来 ました 。 |ひ||こと|りょうし||きじ||とり||やま||でかける||すこし|むこう||じめん||ひと|ひき||みみず||でて|らい| ( ミミズ か )   猟師 が ミミズ を 見て いる と 、 どこ から か カエル が やって 来て 、 その ミミズ を パクリ と 食べて しまい ました 。 みみず||りょうし||みみず||みて||||||かえる|||きて||みみず||||たべて|| ( カエル が 、 ミミズ を 食べた か )   そして その カエル を 見て いたら 、 今度 は ヘビ が 出て 来て 、 その カエル を パクリ と 食べた のです 。 かえる||みみず||たべた||||かえる||みて||こんど||へび||でて|きて||かえる||||たべた| ( 今度 は 、 ヘビ が カエル を 食べた か )   そして カエル を 食べた ヘビ が 満足 そう に して いる と 、 突然 、 空 から キジ が 飛んで 来て 、 その ヘビ を 鋭い くちばし で 突き 殺し 、 その場で おいし そうに 食べた のです 。 こんど||へび||かえる||たべた|||かえる||たべた|へび||まんぞく||||||とつぜん|から||きじ||とんで|きて||へび||するどい|||つき|ころし|そのばで||そう に|たべた| ( 今度 は 、 キジ が ヘビ を 食べた か 。 こんど||きじ||へび||たべた| ・・・ キジ ! きじ )   猟師 は 、 はっと 気づき ました 。 りょうし|||きづき| ( おれ は 、 何 を して いる んだ 。 ||なん|||| せっかく キジ が 出て きた のに 、 見とれて いる なんて )   猟師 は 鉄砲 を 構える と 、 ヘビ を 食べて お腹 が 大きく なった キジ に 狙い を 付け ました 。 |きじ||でて|||みとれて|||りょうし||てっぽう||かまえる||へび||たべて|おなか||おおきく||きじ||ねらい||つけ| そして 引き金 に 指 を かける と 、 ふと 、 こんな 事 を 考え ました 。 |ひきがね||ゆび||||||こと||かんがえ| ( ミミズ の やつ は 、 カエル に 食べ られた 。 みみず||||かえる||たべ| カエル の やつ は 、 ヘビ に 食べ られた 。 かえる||||へび||たべ| ヘビ の やつ は 、 キジ に 食べ られた 。 へび||||きじ||たべ| そして キジ の やつ は 、 おれ に 殺さ れる 。 |きじ||||||ころさ| そう する と 、 次 は どう なる のだ ? |||つぎ|||| )   そう 考える と 、 だんだん 怖く なって しまい 、 引き金 を 引く 指 に 力 が 入り ませ ん でした 。 |かんがえる|||こわく|||ひきがね||ひく|ゆび||ちから||はいり||| そこ で 猟師 は 鉄砲 を しまう と 、 そのまま 山 を 下りて いき ました 。 ||りょうし||てっぽう|||||やま||おりて||

する と その 猟師 の 背後 から 、 不気味な 声 が かかり ました 。 |||りょうし||はいご||ぶきみな|こえ||| 「 猟師 よ 、 命拾い を した な 」   猟師 が びっくり して 後ろ を 振り返る と 、 木々 の 暗闇 の 向こう に 大きな 二 つ の 目玉 が 金色 に 光って いた のです 。 りょうし||いのちびろい||||りょうし||||うしろ||ふりかえる||きぎ||くらやみ||むこう||おおきな|ふた|||めだま||きんいろ||ひかって|| 「 う ひ ゃ ー ! |||- 化け物 だ ー ! ばけもの||- 」   猟師 は 鉄砲 を 放り投げる と 、 一目散に 逃げて 行き ました 。 りょうし||てっぽう||ほうりなげる||いちもくさんに|にげて|いき|

おしまい