イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #9
( 入江 琴子 ( いりえ ことこ )) 目 を 覚ませば 隣 に 入江 君 が いる ―
なんて 幸せな ん だろう …―
ひょっとして 私 の 幸せ って … 世界 一 ?
好き …
( 琴子 ) 結婚 して 2 年 半 に も なる のに …―
入江 君 へ の 好き は 毎日 新記録 更新 中 で …
おはよ !
( 入江 直樹 ( なおき )) むくんだ 顔 で 見 てく ん な よ
寝覚め わりーな
( 琴子 ) 今 の セリフ は 置い といて ―
う~ん 大好き !
( 琴子 ) おはよう ございまーす !
( 入江 紀子 ( のりこ )) あら おはよう 琴子 ちゃん
春休み ぐらい ゆっくり 寝て れば いい のに
一応 嫁 です もん
あ~ら !
( 琴子 ) 優しい お 姑 さん …
( 入江 重樹 ( しげき )) おはよう ママ あっ 琴子 ちゃん
おはよう
おはよう ございます お 義父 ( とう ) さん
あっ コーヒー いれ ましょう か ?
おお ありがとう ~ 琴子 ちゃん
( 琴子 ) 優しい お 義父 さん
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) 琴子 !
てめーっ 生徒 手帳 入れた まま シャツ 洗った だ ろ !
バ … バレた ?
これ じゃあ ポケット 入んねえ じゃねえ か !
( 舌打ち )
( 琴子 ) まあ こいつ は 置いて おく として …
おはよ
おはよう !
琴子 コーヒー くれ ない か
は~い
( 琴子 ) そして そして …―
世界 一 かっこいい 旦那様 ―
この 幸せ は ずっと 続く はず … って そう 思って た …―
この 時 まで は
( 紀子 ) あ … そうそう ―
みんな に 言い 忘れて た んだ けど ―
明日 から 当分 の 間 理加 ( りか ) ちゃん が ウチ で 暮らす こと に なった から
理加 ?
理加 ?
理加 が !
帰って きて た んだ あいつ
( 紀子 ) そーな の よ 7 年 ぶり に !
( 琴子 ) あ … あの … 理加 ちゃん て ?
そっか 琴子 ちゃん 知ら なかった わ ね
お 兄ちゃん と 裕樹 の イトコ な の
琴子 と は 比べ物 に なら ない ぐらい 頭 が すっごい よくて 美人 な んだ
は … へえ ~
( 紀子 )7 年 前 ―
お 父さん の 転勤 で アメリカ に 行く まで は ―
ウチ へ 来て よく 遊んで た の よ 3 人 で
うん
当分 ウチ で 暮らす って なんで ?
ああ …
家族 は こっち に 戻って これる の は
5 月 に なる らしい んだ けど
理加 ちゃん だけ は 4 月 から ―
こっち の 高校 に 通う んで 先 に 帰って きたん だって
だから ご両親 が 戻る まで の 1 か月間 ―
ウチ で 預かる こと に なった って わけ
そっか ~ 理加 が 戻って くる の かあ
( 琴子 ) 女 嫌いな 裕樹 君 が こんなに 喜ぶ 理加 ちゃん って …
( 重樹 ) そう いえば 理加 ちゃん て いったら ―
ピアノ コンクール や 料理 の コンクール なんか
よく 優勝 して た ね
うん ! 性格 も 明るい し いい 子 よ ねえ
そう だ な 小さい頃 から よく 出来た 奴 だった
あ … 理加 ちゃん て なんか パーフェクトな 子 な んです ねえ
バカ 琴子 と は 正反対 だ よな 理加 は
( 紀子 ) 琴子 ちゃん も 妹 が できた と 思って よろしく ね
はい !
はあ ~ 重い …
手 が … ちぎれ そう ―
あと … もう 一息 …
きゃ ~―
ああ っ !
( 佐川 好美 ( さがわ このみ )) ごめんなさい
こちら こそ ごめんなさい ああ …
すいません
すいません
( 琴子 ) ごめんなさい ありがとう
( 琴子 ) ごめんなさい ありがとう
何か … ウチ に ご用 だった の ?
ああ !
もしかして 理加 ちゃん ? 理加 ちゃん でしょ !
いえ … 違い ます
あ … 違う … あっ ごめんなさい
じゃ … ありがとう
ホント すいません でした
いいえ …
ああー !
もしかして 裕樹 君 の お 友達 !?
えっ !? いや いや …
じゃあ 失礼 し ます !
ちょっと 待って あなた !―
あーっ …
ああ …
ただいま
おかえり …
( 直樹 ) ったく … 前 見ろ よ 前
見て る もん …
いきなり 突進 して 来 やがって
ごめん …
( 琴子 ) 裕樹 君 と 同い年 ぐらい だった な ~ あの 子
( 裕樹 ) お 兄ちゃん !
おう 裕樹
裕樹 君 あの ね 今 そこ で ね …
( 裕樹 ) お 兄ちゃん ! 理加 が … 理加 が 来た よ !
え ?
( 裕樹 ) おい 理加 !
( 琴子 ) わあ … すっご い かわいい 子 …
( 入江 理加 ) 直樹 !
直樹 また かっこよく なった
お前 も また 美人 に なった な
( 琴子 ) な … な …―
何 だ これ は あ~っ !
♪~
今日 は 私 の ため に ありがとう ございます
みなさん お 変わり なくて ―
理加 は 嬉しい です
それでは 今日 は 理加 ちゃん が 無事に 帰国 できて
そして 当分 の 間 我が家 の 一員 に なる と いう こと を 祝して …
乾杯 !
( 一同 ) かんぱ~い !
ありがとう ございます
ありがとう ございます
はい おかえり
乾杯 !
ありがとう ありがとう …
よろしく ね 琴子 さん
よろしく …
( 重樹 ) あっ 明日 から もう 高校 編入 な ん でしょう ?
はい ! 聖 すみれが丘 学院 へ
すみれが丘 学院 !? あの 超 頭 よくて 有名 な …
あっ たまたま 実家 が 近所 だった から
( 琴子 ) たまたま 実家 が 近所 だから って ―
入れる 学校 じゃ …
なんでも ほぼ 満点 だった んでしょ ? 編入 テスト
満点 !?
琴子 も 少し ぐらい 理加 を 見習えば いい んだ よ
あら ! 琴子 さん の 方 が すごい と 思う な 理加
琴子 の どこ が ? 理加 より ?
だって 試験 で 満点 取る より ―
直樹 の ハート を 射止める 方 が 百倍 難しい と 思う もん
( 紀子 ) あら ! そう 言わ れて みれば そう ねえ …
お 兄ちゃん て 偏屈 だ から !
( 理加 ) 直樹 が 結婚 した って 聞いて ウチ 大騒ぎ だった んです よ
女 嫌い で 通って た 直樹 を
落とし ちゃえる 琴子 さん って すごい なあ って
かなり … 頑張っ ちゃった
あっ でも ―
もちろん 琴子 さん から アタック した んでしょ ?
うん あ … そう
だ よ ねえ ~ じゃなかったら …
あ ~ あ こう なる ん だったら ―
アメリカ 行く 前 に 直樹 に ツバつけて おけばよかった な
( 琴子 ) ちょっ いくら イトコ だから って ―
さっき から ひっつき すぎ じゃない の ? この 子 …
( 紀子 ) はいはい 理加 ちゃん !―
妻帯者 へ の スキンシップ は もう それ ぐらい に して ―
自慢 の ラザニア 冷め ない うち に 食べて ね ~
わあ 来た ~!
わあ おば さま の ラザニア 懐かしい ~!
( 紀子 ) はい どうぞ ~
( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) それ …
大ピンチ じゃない ? あんた
や … やっぱり ?
相手 は ピチピチ の 女子高生
顔 スタイル 頭 全て 完璧 な ん でしょ ?
( 琴子 ) うん
で 昔 から の 幼なじみ の イトコ …―
あんた の 知ら ない 入江 さん と の 過去 を たくさん 持って る
いきなり 抱き合って ―
“ 直樹 !” って 呼び捨て …
やる わ ね ~ 敵 ながら アッパレ だ わ
やっ 敵 って …
敵 でしょ ?
あんた に とっても … あたし に とっても
でも 別に ―
入江 君 に 恋愛 感情 が ある わけではない だろう し … うん たぶん
( 幹 ) ある に 決まって ん じゃない の !
何 言って ん の !?
あんた 相手 は あの 入江 さん よ ?
そう か なあ ?
絶対 そう よ !
プリン パフェ おいしい !
まあ 確かに 明るくて すごく いい 子 っぽい んだ よ ね
ただ 私 だけ が
ちょっと あの 空気 に 入って いけない って いう か …
疎外感 って いう か …
なるほど ね
あんた の 今回 の 最大 の 問題 は …
家族 ね
え !?
( 幹 ) いつも あんた の 味方 だった 家族 が ―
今回 は みんな その 子 に つい ちゃってる って こと よ
そ … そんな 大げさ な …
( 幹 ) 甘い わ ね ~!―
そんな 悠長 な こと 言って られる 場合 じゃない わ よ
みんな が その 理加 って 女 を チヤホヤ して る うち に ―
入江 さん …
いつの間にか 取ら れちゃ う んだ から
そんな !
あんた は きれいサッパリ 忘れさられ ちゃう の
モ … モト ちゃ ~ ん !
おいし ~ 琴子 ごちそうさま
え ?
琴子 さ~ん !
理加 ちゃん
さっきから ここ まで 来る のに ナンパ され まくって
嫌に なっ ちゃった
ナ … ナンパ され まくり ?
ガキ ばっか ね こっち の 男 って
さ … さい です か ~
クラス の 男子 も レベル 低くて ―
かっこいい 男子 なんて 皆無 よ 皆無
私 さ …
直樹 見て 育った から ダメ ね 男 に 厳しく って
ハハッ
入江 君 と 比べちゃ かわいそう よ
ねえ 琴子 さん
直樹 …
私 に くれ ない か な ?
え ?
いい でしょ ?
ね … ちょうだい 直樹
や … 理加 ちゃん そ … それ は …
フッ …
やだ 琴子 さん の 顔 ったら 冗談 よ 冗談 !
冗談 … 冗談 ね …
とはいえ … 気 に し ない と 思って も …
( 物音 )
ん ? 誰 だろ ? お 義母 さん 洗濯物 でも …
( 理加 ) 琴子 さ~ん
( 琴子 ) え ? 理加 ちゃん … どうした の ?
一緒 お 風呂 はいろ 琴子 さん
いや … 理加 ちゃん ちょっと …
いー じゃない 女同士 な んだ し ねっ
( 琴子 ) いや ~ その … まあ あの …
す ~ す … すごい プロポーション …
ねえ 琴子 さん
プロポーズ って やっぱり 琴子 さん から した の ?
ち … 違う わ よお
へえ ~
( 琴子 ) どうも 理加 ちゃん の ペース に ハマって しまう …―
ダメ よ ダメダメ ! アタフタ しちゃ !―
堂々 と し なきゃ 堂々 と !―
相手 は たかだか 高校生 じゃない ―
しかも 私 は 入江 君 の 妻 な んです から
( 理加 ) もう一つ 聞いて も いい ?
何 ?
直樹 って kiss うまい ?
え !?
な … なんで ? どう だろう ね ~
うまい も 何も 私 は 後にも先にも 入江 君 と しか …
へえ ~ そう な んだ
じゃ わかんない わ よ ね
私 は アメリカ で ボーイフレンド も たくさん いた し …
う~ん 結構 した なあ …
( 琴子 ) ダメ … のぼせて きた
ちょっと … 私 もう 上がる ね
でも 今 まで 一番 キス が うまかった の は ―
直樹 だった な
え ?
直樹 って kiss 上手 だ よ
( 琴子 ) 今 何て ?
( 理加 ) いい なあ 琴子 さん て いっつも 直樹 と キス できて
あ ~ 私 も もう一回 直樹 と キス し たい なあ ~
でも キス って ほら よく ある じゃない ?
幼なじみ が 小さい 時 に する ほっぺ に チュー とか …
私 が 小 5 で 直樹 が 高 2?
あっ もちろん 唇 と 唇 よ
( 琴子 ) えーっ !
お互い ファーストキス だった と 思う
( 琴子 ) ウソー !
( 理加 ) ちょ … 琴子 さん ?
( 琴子 ) 入江 君 の ファーストキス の 相手 って ―
私 じゃなくて ―
理加 ちゃん な … の …?
キャッ … 琴子 さん !
( 琴子 ) 誰か … ウソ だ と 言って …―
入江 君 入江 君 入江 …
琴子 さん 私 直樹 と 付き合う こと に した から
( 琴子 ) えっ !?―
何 言って る の よ 入江 君 は 私 と 結婚 して る んです から ね !
だって どう 見て も 私 の 方 が 直樹 と お 似合い だ もん
それ に 私 の 方 が 先 に 直樹 と キス した の よ ―
ね ? 直樹
( 直樹 ) ああ … そうだ な
私 と 直樹 は ファーストキス の 相手 同士 な の よ
さあ 直樹 あんな 人 と 別れて キス し ましょ
ああ
( 琴子 ) やめてえー !!
ハァ ハァ …
なんだ … 夢 か …
はぁ …
( 琴子 ) あー ! 寝坊 だあ !
( 理加 ) あ … おはよう ございます 琴子 さん
もう 大丈夫 な の ?
( 理加 ) 昨日 倒れた んです し もっと ゆっくり 寝て て いい のに
あっ エプロン 借りて ます ね
ねえ 直樹 は オムレツ 好き だった よね
オムレツ で いい ?
ああ
ああ
僕 も
OK ! 任せて
理加 ちゃん いい わ よ 私 やる から
あっ でも 私 の 方 が 作る の 上手 だ し
いや やって み ない と わかんない でしょう ?
いい から 琴子 さん は 休んで て ください !
( 紀子 ) どうした の ? 二人 と も
私 が やる んだ って ば !
あっ !
ああ っ !
はぁ …
( 裕樹 ) 理加 の こと 知り たい ?
( 琴子 ) うん 裕樹 君 だったら 知って る でしょう ?
( 裕樹 ) うーん … そうだ な―
僕達 ちっちゃい 頃 から 仲良くて 3 人 兄弟 みたい だった な
うん うん
理加 ちゃん … は …
入江 君 の こと す …
好き な の ?
さあ な
でも … 僕 理加 が 大好き だった から
ずっと 家 に いて って 駄々 こねて たら ―
理加 が 僕 に 言った こと あった なあ
お 兄ちゃん と 結婚 したら ―
僕 の ホント の お 姉ちゃん に なれる よって …
け … 結婚 !?
うん だ から お 姉ちゃん に なって ほしかったら ―
お 兄ちゃん と 結婚 できる ように 裕樹 も 協力 して って …
そう いえば あの 時 約束 した なあ
ねえ 琴子 さん
直樹 …
私 に くれ ない かな ?
( 琴子 ) ずっと 小さい 時 から ―
入江 君 の こと が 好き だった んだ …―
入江 君 の こと 本気 な の ?
( 目覚まし時計 の 音 )
よし !
これ なら …
♪~
あらあ 琴子 さん 早い の ね
理加 ちゃん こそ …
( 裕樹 ) どーした の ? 朝 から
二人 で 仲良く 作った の ね ! いい わ ね ~ 女の子 って
おはよう
入江 君 !
直樹 !
直樹 これ 絶対 おいしい よ 食べて
入江 君 これ 自信作 な の 食べて ~
朝 から そんな 食え ねえ よ
えーっ そんなあ お 願い …
( 理加 ) ひどーい せっかく 直樹 の ため に
ったく
どれ から 食べれば いい の
これ これ ~ どうぞ ~
まずい
( 理加 ) 直樹 こっち も 食べて
うまい
うまい
本当 !? よかった ~ 直樹 昔 から オムレツ 好き …
本当 !? よかった ~ 直樹 昔 から オムレツ 好き …
琴子 ちゃん くじけ ないで
( 琴子 ) 私 って … どうして …
( 直樹 ) 琴子 コーヒー
あっ コーヒー なら 私 が いれて きて あげる
( 直樹 ) いい
コーヒー だけ は こいつ が うまい から
うん … 今 コーヒー いれる ね !
( 琴子 の 鼻歌 )
( 理加 ) 琴子 さん !
り … 理加 ちゃん どうした の ? 学校 間に合わ ない よ
私 …
私 直樹 が 好き
あなた より ずっと 前 から 直樹 が 好き な んだ から
直樹 返して よ
な … 何 言って …
( 琴子 ) 本気 だ ! 本気で 言って る …
私 が アメリカ に 行か なかったら ―
直樹 は あなた と 結婚 なんか し なかった わ
どうして そんな こと が わかる の よ !
( 理加 ) だって 直樹 は 私 が 好きだった んだ もの ―
私 達 熱い キス も 交わし合った の よ
直樹 が 私 を ぎゅって 抱きしめて …―
いい ムード だった んだ から
関係ない わ よ !―
その 時 入江 君 が ―
どんな 気持ち だった か 知ら ない わ よ ―
私 は 遠く から 見つめる だけ しか でき なかった んだ から !―
でも 少しずつ 入江 君 が 私 を 見て くれて ―
結婚 しよう って 言って くれた んだ から !
何 が 少しずつ よ 無理やり 押しかけた くせ に !
( 琴子 ) そんな こと ない もん !
( 理加 ) 何 よ これ
浮かれて こんな 物 つけ ちゃって バカ みたい !
返して よ ! 返して !
一人 で 浮かれ ちゃって バッカ じゃない !? こんな 物 !
いい加減にして よ !
( 理加 ) きゃ !
( 直樹 ) 理加 !
( 理加 ) 直樹 !
( 理加 ) 直樹 痛い よ
理加 脚 見せて みろ
入江 君 … こんな つもり じゃ …
( 直樹 ) いい加減にしろ よ !
高校生 相手 に 何 ムキ に なって んだ !
最近 お前 おかしい ぞ !
立てる か ?―
家 で 手当て して やる から
♪~
( 琴子 ) 違う のに …
( 琴子 ) 理加 ちゃん を 抱えた 入江 君 が ―
遠く に 行っ ちゃった
( 玄関 の チャイム )
( 紀子 ) 琴子 ちゃん ! あ … あら ?
おたく の 飲んだ くれ 連れて き ました …
あ … ああ ~ 琴子 ちゃん の お 友達 の …
あ どうも ありがとう ございます
あ どうも ありがとう ございます
あっ どうも
( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) すいません
理加 ちゃん て 子 ケガ させ ちゃって ―
もう ウチ 帰れ ない って … 朝 から 大泣き して て
( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 励まそう って 話 に なって 飲み に 行った んです けど
ん ~ もお 飲められない よ ~
( 幹 ) ちょっと 早く 下りて よ 重い んだ から …
ったく 何 やって んだ よ
ひっ ! 入江 君 !
( 直樹 ) 悪かった な 桔梗 迷惑 かけて
いえ ちっとも …
初めて 桔梗 って 呼んで もらえた ~!
ほら さっさと 行く ぞ
いや ~!
ら って ら って …
入江 君 は 私 の こと 嫌い に なった ん でしょ ?
大人気ない 暴力 女 って …
その 目 が あきれて る って 言って る んだ もん !
よーく わかって ん じゃない か !
あきれて る ね ! まったく !
( 琴子 ) や~だ 下ろして ~!―
やだ ! 放して ~
わめく な !
( 琴子 ) だって ~ 入江 君 は 私 より …
私 なんか より 理加 ちゃん が …
理加 ちゃん が 理加 ちゃん が …
ったく …
寝 ちゃった の ? 琴子 さん
( 直樹 ) 今朝 は 悪かった な こいつ が ケガ させて
直樹 に 謝って もらい たくない
お前 さ …
こいつ の こと あんまり 挑発 す んな よ
何 よ ! 私 が いつ …
おやすみ
( 相原 重雄 ( あいはら しげお )) さあ 焼けて きた よ ~ 焦げ ない うち に おいで おいで
( 紀子 ) いっぱい 食べて ね ~
直樹 おいしそう な とこ 取って あげた よ はい
サンキュ
おいしい ?
ああ うまい ね
やっぱり 外 で 食べる と うまい ねえ
いり ちゃん 食べ すぎ ん な よ
( 重樹 ) 大丈夫 大丈夫 !
おう 琴子 ビール 持ってきて くれ
はい
私 も 行く
琴子 さん
直樹 を 好き に なった の って いつ ?
んー と …
高 1 の 時 から だ から … 8 年 前 かな
ふーん 割と 長い の ね
まっ 私 は 2 歳 から だ から 15 年 も 前 だ けど ね
理加 ちゃん …
この間 入江 君 を 返して って 言った よ ね ?
( 裕樹 ) おーい ビール まだ か って …
大変 だ …
私 それだけ は 絶対 に でき ない から
絶対 に ダメ
ふーん わかった
でも それ は 琴子 さん の 意見 でしょ ?
え …?
( 理加 ) 直樹 の 意見 は どう かな ?―
もし 直樹 が 私 の 方 が いい って 言ったら ―
私 に 直樹 返して もらう から ね
いい わ よ 聞いたら いい じゃない !
です って
聞いた でしょ ? 直樹
え ?
ああ 大体 な
私 … 直樹 の こと ずっと 好き だった ―
私 直樹 が 琴子 さん 好き に なった 理由 わからない
私 の 方 が 直樹 に ふさわしい って 自信 ある ―
なのに なんで ? 琴子 さん なんか と 結婚 した の ?
アメリカ で 私 が どんなに ショック 受けた か わかる ?
だったら …
だったら …―
アメリカ に 行か なきゃ よかった じゃない !
どうして 好き な 人 と 何年 も 離れて いられる の ?
しょうがない じゃない !
私 まだ あの 時 小 5 で 親 に ついていか なきゃ …
そんな の 関係ない !
そんなに 好き な 人 なら 離れ られ ない よ !
私 だったら … 私 だったら アメリカ に 行か なかった !
私 だったら …
入江 君 見て る だけ でも そば に い たかった もん
理加 ちゃん に は 好き の 長さ で は 負ける かも しれ ない けど ―
私 の 好き の 重さ に は かなわない わ よ !
じゃ …
入江 君 は どう だ か わかんない けど …
そういう こと だ から …
じゃ …
琴子 さん !
ああいう とこ
え ?
あいつ の ああいう とこ が 決め手 だった かな
何にも でき ない 奴 で お前 と は 大違い だ けど
あの パワー が 好き な んだ
理加 より も 好き ?
ああ … 理加 より も
そっか …
確かに 琴子 さん なら …
あの 時 アメリカ に 行か なかった かも ね
そう だろう な
( 琴子 の 泣き声 )
( 琴子 ) うっ … うん ?
あ ~ あ ひでえ 顔
何 泣いて んだ よ
だって … もしかしたら …
入江 君 と も お 別れ な の かもしれない って
これ から 一人 で 強く 生きて いく 決心 を …
決心 を …
♪~
決心 … できた ?
でき ない …
俺 が いつ お前 に 疑わ れる ような 態度 取った ?
俺 は そんな 覚え 一度 も ない ぞ
俺 は お前 を 選んだ んだ から もっと 自信 持て よ
うん … うん …
うん !
理加 あの さ …
お 兄ちゃん 最初 琴子 の こと 嫌がって た んだ よ
あいつ が 来て から 家 が いっつも 大騒動 で さ
でも …
お 兄ちゃん いつの間にか 琴子 の こと …
( 理加 ) 裏切り者
え ?
( 理加 ) 裏切り者 !
約束 した じゃない !
私 が 裕樹 の お 姉ちゃん に なれる ように 協力 する って ―
私 が 直樹 と 結婚 できる ように って …
裕樹 の せい よ !
裕樹 の バカ !
バカ バカ バカ !
( 裕樹 ) ごめん ―
ごめん …―
理加
( 理加 ) おじさん おばさん
みなさん いろいろ と お世話 に なり ました
寂しく なる わ ね ~
せっかく もう 一人 娘 が できた 気分 だった んだ けど なあ
また いつでも おいで
もちろん
今度 は 直樹 より かっこいい 彼氏 を 連れて
遊び に くる わ
まっ そんな 人 いない わ ね ふん !
( 紀子 ) あら あら この 二人 ったら …
理加
またな
うん
なんだか ここ で こうして る と あの 時 の こと 思い出す わ
あの 時 ?
私 が アメリカ に 出発 する 日
私 と 直樹 が 初めて キス した 時 の こと よ
あっ … ああ ~
玄関 でした わけ ね ~
( 理加 ) 何なら もう一回 再現 して みせ よ っか ?
え ? あ ~ ダ … ダメ …
ダメ !
これ が 7 年 前 の 再現 !―
ごめん ね ―
琴子 さん に 言った こと 少し 脚色 し ちゃった の
きゃ … きゃ … 脚色 って ?
本当 は 私 から 無理やり キス し ちゃった の
でも まあ キス に は 変わり ない から ね
はぁ ~
そういう こと だった の ね
はぁ …
はい これ
え ?
これ 私 に ?
しょうがない から ―
直樹 の お嫁さん と して 認めて あげる
じゃ また !
( 重樹 ) 気 を 付けて ね
( 重雄 ) また ね
( 紀子 ) じゃあね
( 紀子 ) じゃあね
( 裕樹 ) バイバイ
( 裕樹 ) バイバイ
理加 ちゃん ! また ね ~!
バイバイ ~!
まったく … 騒がしい 人 ね
バイバイ … 直樹
( 琴子 ) ホント は ―
私 が 一番 理加 ちゃん の 気持ち わかって た のに ね ―
今度 会う 時 は きっと …―
きっと もっと 仲良く なれる よ ね ?―
理加 ちゃん
♪~
うわっ !
裕樹 君 の こと 好き でしょ ?
あの 冷たい 目 …
( 琴子 ) 私 応援 する !
( 直樹 ) 来週 琴子 の お袋 さん の 命日 です よ ね ―
今年 は 俺 も 行き ます
(2 人 ) えっ !?
無理 し なくて いい から ね !
( 直樹 ) 何か 隠して ます ね ?
( 重雄 ) 着けば わかる よ
想像 を 絶する 大変 な 歓迎 ありがとう ございます
ただ 直樹 の 〝 き 〞 の 字 は ―
樹木 の 〝 じゅ 〞 の 方 でして