episode 11「 バレ た ！！ 同居 解消 」 |||どうきょ|かいしょう

（ 菜緒 ( なお )） お 父さん お 母さん なお|||とうさん||かあさん

（ 美紀子 ） 菜緒 お かえり （ 和典 ） 元気 そうだ な みきこ|なお|||かずのり|げんき|そう だ|

ど … どうした の ？

結婚 式 の お呼ばれ で ね けっこん|しき||およばれ||

菜緒 の 顔 が 見 たかった んだ なお||かお||み||

しっかり 食べて ん の か ？ |たべて|||

少し 痩せた んじゃ ない の か ？ すこし|やせた||||

（ 菜緒 ） いや … 全然 大丈夫 なお||ぜんぜん|だいじょうぶ

来る なら 来る って くる||くる|

ちゃんと 知らせて くれ ない と |しらせて|||

びっくり さ せよう って お 父さん が ね |||||とうさん||

そんな サプライズ いら ない よ

（ 和典 ） 何 言って んだ かずのり|なん|いって|

急に 来 られて マズ い こと で も ある の か ？ きゅうに|らい|||||||||

あっ いや … 全然 そんな こと ない よ ||ぜんぜん||||

そちら の 方 は ？ ||かた|

（ 菜緒 ） あ … あの 学校 の … なお|||がっこう|

ハッ ！

もし かして …

担任 の 先生 ？ （ 上原 ( うえ はら )） え ？ たんにん||せんせい|うえはら|||

おい どう 見て も 制服 だ ろ ||みて||せいふく||

あっ や だ 冗談 よ 随分 大人っぽい から |||じょうだん||ずいぶん|おとなっぽい|

（ 菜緒 ） あっ あの … 同じ 学校 の 上原 久志 ( ひさし ) 君 なお|||おなじ|がっこう||うえはら|ひさし||きみ

たまたま 同じ マンション 住んで て … ね ？ |おなじ|まんしょん|すんで||

あっ はい どうも 初め まして 上原 です |||はじめ||うえはら|

まあ きれいな 所 じゃ ない ねえ ？ ||しょ|||

あっ この 部屋 ね ||へや|

（ 菜緒 ） あっ やっぱり 部屋 散らかって る から なお|||へや|ちらかって||

ま たって こと で …

あっ そう だ ！ 上原 君 の バイト の 喫茶 店 |||うえはら|きみ||ばいと||きっさ|てん

駅前 に ある から みんな で そこ 行か ない ？ えきまえ|||||||いか|

何 言って ん の なん|いって||

そんな こと だろう と 思って エプロン 持ってきた から ||||おもって|えぷろん|もってきた|

早い とこ 掃除 して 寝る 場所 確保 し ない と はやい||そうじ||ねる|ばしょ|かくほ|||

（ 和典 ） ああ （ 菜緒 ） え ？ かずのり||なお|

それ って 泊まる つもり ？ ||とまる|

当たり前だ ろ あたりまえだ|

いや いや 無理 無理 無理 … ||むり|むり|むり

何 言って んだ なん|いって|

親 が 娘 の 部屋 泊まって 何 が 悪い おや||むすめ||へや|とまって|なん||わるい

いや 悪く は ない けど 部屋 狭い から さ … |わるく||||へや|せまい||

（ 美紀子 ） えっ 広い って 言って なかった ？ みきこ||ひろい||いって|

あっ お 布団 ない じゃ ん お 布団 ね ？ ||ふとん|||||ふとん|

大丈夫 だいじょうぶ

今日 着く ように きょう|つく|よう に

ちゃんと お 布団 レンタル し といた から ||ふとん|れんたる|||

今 は 便利 ねえ インターネット で ピッ だ もん ね いま||べんり||いんたーねっと|||||

（ 菜緒 ） ちょっと ちょっと 待って て なお|||まって|

部屋 片付ける から へや|かたづける|

（ 美紀子 ） 菜緒 散らかって て も 気 に し ない わ よ みきこ|なお|ちらかって|||き|||||

（ 菜緒 ） ちょっと 待って って ば 私 が 気 に する の ！ なお||まって|||わたくし||き|||

（ 菜緒 ） あっ なお|

ダ … ダメだ |だめだ

ダメ か だめ|

（ 美紀子 ） あ ～ ステキな 部屋 ね みきこ||すてきな|へや|

広 さ も 十分じゃ ない ！ ひろ|||じゅうぶんじゃ|

これ で 狭い なんて この 罰 当たり が ||せまい|||ばち|あたり|

あっ 上原 君 も どうぞ どうぞ （ 上原 ） あっ お邪魔 し ます |うえはら|きみ||||うえはら||おじゃま||

（ 和典 ） あー 山 が 見え ない と 何 か 落ち着か ん な かずのり||やま||みえ|||なん||おちつか||

（ 美紀子 ） 都会 の 暮らし 忘れちゃ った わ ね みきこ|とかい||くらし|わすれちゃ|||

（ 和典 ） 本当だ な かずのり|ほんとうだ|

（ 和典 ） おい 菜緒 かずのり||なお

この 部屋 の 家賃 が ８万 って いわくつき な んじゃ ない の か ？ |へや||やちん||よろず|||||||

（ 菜緒 ） 私 も 最初 は そう 思った んだ けど なお|わたくし||さいしょ|||おもった||

８万 に は いろいろ 訳 が あって よろず||||やく||

（ 和典 ） 訳 ？ かずのり|やく

（ 菜緒 ） あっ いや … なお||

あっ 大家 さん が す っ ごく いい 方 な んです |たいか|||||||かた||ん です

あら ぜひ ご挨拶 し たい わ ||ごあいさつ|||

ま … また 今度 ね ||こんど|

菜緒 の 部屋 そこ か ？ なお||へや||

（ 菜緒 ） え ？ （ 美紀子 ） あっ なお||みきこ|

あ ～ ら

あら きれいに して る じゃ ない

そう かな ？

（ 美紀子 ） まあ ちゃん と 勉強 も して いる みたいだ し みきこ||||べんきょう|||||

まあ ね

こっち は 何 だ ？ ||なん|

（ 菜緒 ） あっ ち ょっ … なお|||

ここ は う う …

（ 和典 ） あ ？ う う ？ かずのり|||

（ 菜緒 ） う ～ （ 和典 ） う ～？ なお||かずのり|

（ 上原 ） ウォークインクローゼット ！ うえはら|

あら 収納 も 多い の ね |しゅうのう||おおい||

タンス が 歩く の か ？ たんす||あるく||

（ 菜緒 ） 物置 みたいな もん だ よ なお|ものおき||||

散らかって る から 絶対 開け ないで よ ！ ちらかって|||ぜったい|あけ||

（ 美紀子 ） は いはい （ 和典 ） 見る ぐらい 構わ んだろう みきこ|||かずのり|みる||かまわ|

（ 菜緒 ） お 父さん ここ は 私 の 家 な んだ から ね なお||とうさん|||わたくし||いえ||||

（ 和典 ） 分かった よ かずのり|わかった|

（ 美紀子 ） どうした の ？ みきこ||

（ 上原 ） あっ あの … 脳 の トレーニング を うえはら|||のう||とれーにんぐ|

（ 美紀子 ） へ えー （ 和典 ） ん ？ みきこ|||かずのり|

（ 上原 ） あっ ！ （ 菜緒 ） え ？ えっ うえはら||なお||

ちょっと … ちょっと どうした の ？

（ 上原 ） ちょっと 立ち くらみ が （ 菜緒 ） えっ 大丈夫 ？ うえはら||たち|||なお||だいじょうぶ

紙 紙 … （ 菜緒 ） 髪 ？ かみ|かみ|なお|かみ

下 ！ した

ハッ ！

（ 美紀子 ） 大丈夫 ？ みきこ|だいじょうぶ

（ 上原 ） いえ … もう 全然 何でも あり ませ ん うえはら|||ぜんぜん|なんでも|||

（ 美紀子 ） なら いい けど みきこ|||

（ 和典 ） まだ 若い の に 立ち くらみ なんて 情けない かずのり||わかい|||たち|||なさけない

（ 上原 ） おっしゃる とおり で （ 菜緒 ） ハハハ … うえはら||||なお|

（ 和典 ） 男 ？ かずのり|おとこ

（ 菜緒 ） あっ （ 和典 ） 菜緒 　 何 だ これ なお||かずのり|なお|なん||

（ 菜緒 ） いや いや … なお||

あ ～ お前 の 友達 が 最近 ハマ って る と か 言って たよ な |おまえ||ともだち||さいきん|はま|||||いって||

お前 ？ おまえ

いや あの …

吉川 ( よし かわ ) さん の お 友達 の 方 … きちかわ||||||ともだち||かた

（ お腹 の 下る 音 ） おなか||くだる|おと

ちょっと トイレ 借りる ぞ |といれ|かりる|

あっ あっ … あっ

ああ ～ こっち は 風呂 か |||ふろ|

うち と 同じ 間取り だ トイレ は こちら です よ ||おなじ|まどり||といれ||||

（ 和典 ） あ ～ あちゃ ちゃちゃ … かずのり|||

う ～ ちゃちゃ ちゃ うわ ～ ちょ ちょ ちょ …

（ 菜緒 ） あ … なお|

あっ

ハァ …

（ 菜緒 ） は ～ い お 待た せ なお||||また|

はい 上原 君 どうぞ （ 上原 ） すいません |うえはら|きみ||うえはら|

こんな イケメン 君 が いる んだったら ||きみ|||

お土産 でも 買って くれば よかった わ おみやげ||かって|||

お土産 代わり と 言って は な んだ けど おみやげ|かわり||いって||||

お 母さん の 特製 コロッケ |かあさん||とくせい|ころっけ

もう 荷物 に なる から よせ って 言った んだ けど な |にもつ||||||いった|||

お前 に 食わせ たい から って わざわざ ３ 時 に 起きて さ おまえ||くわせ|||||じ||おきて|

（ 美紀子 ） ここ で 作って も よかった んだ けど ね みきこ|||つくって|||||

そんな 時間 も 道具 も ある か 分から なかった し |じかん||どうぐ||||わから||

うま そうだ ろ |そう だ|

俺 は これ を 食べて 結婚 を 決めた んだ おれ||||たべて|けっこん||きめた|

え ？ （ 菜緒 ） また その 話 |なお|||はなし

お 父さん いつも コロッケ 出る たび 言って る よ ね |とうさん||ころっけ|でる||いって|||

（ 美紀子 ） 他 に もっと 手 の 込んだ 料理 も 作った でしょ みきこ|た|||て||こんだ|りょうり||つくった|

いや コロッケ で 胃袋 を つかまれた んだ |ころっけ||いぶくろ|||

どこ の コロッケ より も うまい ぞ ||ころっけ||||

うち で とれた じゃがいも を 使って る から さらに だ |||||つかって||||

（ 美紀子 ） はい どうぞ みきこ||

いえ いただけ ませ ん

遠慮 し ないで また 作る から えんりょ||||つくる|

ちゃんと 自炊 して る みたいで 道具 も 揃って そうだ し … |じすい||||どうぐ||そろって|そう だ|

お 母さん 私 も 作り 方 教えて ！ |かあさん|わたくし||つくり|かた|おしえて

あら 好きな 男の子 でも できた の ？ |すきな|おとこのこ|||

そんな こと ある わけない だろう なあ 菜緒 ？ ||||||なお

（ 菜緒 ） え … うん なお||

どうしても この 味 でき なくて さ ||あじ|||

だって そりゃ あ お 母さん の 企業 秘密だ もん ||||かあさん||きぎょう|ひみつだ|

（ 菜緒 ） え ～ なお|

上原 君 は その … 菜緒 と は 級友 な の か ？ うえはら|きみ|||なお|||きゅうゆう|||

級友 って … きゅうゆう|

クラス は 違い ます が くらす||ちがい||

（ 和典 ） マンション に は ご 家族 と ？ かずのり|まんしょん||||かぞく|

いや 家族 と は 別に 暮らして い ます |かぞく|||べつに|くらして||

上原 君 も 一 人 暮らし な の うえはら|きみ||ひと|じん|くらし||

（ 和典 ） おう そう か かずのり|||

君 は ここ に は よく きみ|||||

遊び に 来る の か ？ あそび||くる||

初めて です はじめて|

あ … そう

上原 君 バイト すごい 忙しくて ほとんど 家 に 帰れ ない んだ よ うえはら|きみ|ばいと||いそがしくて||いえ||かえれ|||

朝 早くて 夜 も 遅い から あさ|はやくて|よ||おそい|

帰ったら 寝る って 感じ なんだ よ ね かえったら|ねる||かんじ|||

詳しい な くわしい|

あっ いや …

バイト 帰り が たまに 一緒な んだ よ ばいと|かえり|||いっしょな||

（ 美紀子 ） そう いえば みきこ||

菜緒 も ラーメン 屋 さん で バイト して ん の よ ね なお||らーめん|や|||ばいと|||||

見て みた いわ 菜緒 の バイト 姿 みて|||なお||ばいと|すがた

（ 上原 ） フッ （ 和典 ） ん ？ うえはら||かずのり|

（ せき込み ） せきこみ

（ 上原 ） いや あの 別に … うえはら|||べつに

笑える ぐらい おいしい ラーメン な んだ よ ね ！ わらえる|||らーめん||||

（ 和典 ） 君 は 朝 も 夜 も バイト して かずのり|きみ||あさ||よ||ばいと|

学業 は 大丈夫な の か ？ がくぎょう||だいじょうぶな||

（ 菜緒 ） 上原 君 は 学年 トップ だ よ （ 和典 ） え ？ なお|うえはら|きみ||がくねん|とっぷ|||かずのり|

えー すごい ！

菜緒 上原 君 に 家庭 教師 して もらったら ？ なお|うえはら|きみ||かてい|きょうし||

（ 菜緒 ） えー （ 和典 ） あっ ち ！ なお||かずのり||

（ 美紀子 ） や だ や だ や だ （ 和典 ） ダメだ そんな ！ みきこ|||||||かずのり|だめだ|

（ せき込み ） せきこみ

（ 菜緒 ） 大丈夫 ？ お 父さん （ 和典 ） ああ すま ん すま ん なお|だいじょうぶ||とうさん|かずのり|||||

（ 上原 ） あの じゃあ 僕 そろそろ バイト なんで うえはら|||ぼく||ばいと|

あっ そう だ よ ね

ちょっと 待ち なさい |まち|

（ 和典 ） 君 ここ に 来た の は 初めて って 言った よ な ？ かずのり|きみ|||きた|||はじめて||いった||

え ？

なぜ これ が ティッシュ だ と 分かった ？ |||てぃっしゅ|||わかった

どう 見て も これ は ぬいぐるみ だろう ！ |みて|||||

あ …

実は たまに 勉強 教えて もらったり じつは||べんきょう|おしえて|

ご飯 食べたり して て … ごはん|たべたり||

すいません でした

（ 和典 ） は ？ （ 菜緒 ） え ？ かずのり||なお|

ちょっと … 上原 君 ？ |うえはら|きみ

菜緒 さん と お付き合い して い ます なお|||おつきあい|||

あっ な ～ んだ 菜緒 先 に 言って よ |||なお|さき||いって|

だって つい 最近 の こと だ し … ||さいきん||||

びっくり した

（ 和典 ） びっくり した の は こっち だ よ かずのり|||||||

何 だ よ それ なら そう と … なん||||||

すいません （ 美紀子 ） 謝ら なく も いい の よ |みきこ|あやまら|||||

菜緒 に 彼 氏 が できて うれしい わ なお||かれ|うじ||||

さっ 上原 君 バイト いって らっしゃい |うえはら|きみ|ばいと||

（ 上原 ） あの でも まだ 話 が … うえはら||||はなし|

お 父さん 今 混乱 して る から 行く わ よ |とうさん|いま|こんらん||||いく||

（ 和典 ） 落ち着け かずのり|おちつけ

ピョン ピョン ピョン …

（ 和典 ） 待ち なさい かずのり|まち|

説明 し なさい せつめい||

すいません でした

私 たち 不動産 屋 さん に 二 重 契約 の 詐欺 に 遭って て わたくし||ふどうさん|や|||ふた|おも|けいやく||さぎ||あって|

偶然 同じ 日 に ここ 引っ越して きた の ぐうぜん|おなじ|ひ|||ひっこして||

（ 美紀子 ） 詐欺 って みきこ|さぎ|

そんな 大事な こと どうして 黙って た の ？ |だいじな|||だまって||

だって 余計な 心配 かけ たく なかった し |よけいな|しんぱい||||

（ 美紀子 ） 余計 って （ 和典 ） 理由 は どう あれ みきこ|よけい||かずのり|りゆう|||

親 に 内緒 で 高校 生 が 一緒に 住む など おや||ないしょ||こうこう|せい||いっしょに|すむ|

俺 は 絶対 に 許さ ない ぞ おれ||ぜったい||ゆるさ||

菜緒 は 田舎 に 連れて 帰る なお||いなか||つれて|かえる

後 の こと は それ から 考える あと||||||かんがえる

お 父さん |とうさん

（ 和典 ） だ から 俺 は 最初 っ から 一 人 暮らし なんか 反対だった んだ ！ かずのり|||おれ||さいしょ|||ひと|じん|くらし||はんたいだった|

そんな 今さら … |いまさら

そもそも お前 が 賛成 する から こんな こと に |おまえ||さんせい|||||

何 よ 私 が 悪い って 言う の ？ なん||わたくし||わるい||いう|

お 父さん だって 家事 も 何にも でき なかったら |とうさん||かじ||なんにも||

将来 苦労 する だろう から しょうらい|くろう|||

一 人 暮らし の 経験 は 必要 だって 言って た じゃ ない ひと|じん|くらし||けいけん||ひつよう||いって|||

俺 は 一 人 暮らし と 言った んだ 同棲 じゃ ない ！ おれ||ひと|じん|くらし||いった||どうせい||

（ 美紀子 ） あら どうして 私 が 怒ら れて る の ？ みきこ|||わたくし||いから|||

母さん は 昔 から 菜緒 に 甘 すぎる ！ かあさん||むかし||なお||あま|

あら お 父さん から それ 聞き たく ない わ ね ||とうさん|||きき||||

何 だ なん|

（ 美紀子 ） 自分 だって 昔 から 菜緒 に 甘かった じゃ ない みきこ|じぶん||むかし||なお||あまかった||

私 に 内緒 で お 小遣い あげたり わたくし||ないしょ|||こづかい|

お 菓子 は 欲しい だけ 食べ させて |かし||ほしい||たべ|さ せて

おかげ で 菜緒 は 昔 っ から もう 虫歯 だらけ ||なお||むかし||||むしば|

（ 和典 ） 何の 話して んだ ！ （ 菜緒 ） ちょっと やめて よ かずのり|なんの|はなして||なお|||

（ 上原 ） 僕 が 出て 行き ます うえはら|ぼく||でて|いき|

（ 菜緒 ） え ？ 上原 君 なお||うえはら|きみ

とりあえず 実家 に 戻り ます |じっか||もどり|

申し訳 あり ませ ん でした もうし わけ||||

（ 和典 ） どういう こと だ ？ かずのり|||

だから さっき 話した とおり だ よ ||はなした|||

何 だ その 口 の 利き 方 は （ 菜緒 ） だって お 父さん なん|||くち||きき|かた||なお|||とうさん

私 が 何 言って も 信じて くん ない じゃ ん わたくし||なん|いって||しんじて||||

何 言って んだ なん|いって|

父さん は 菜緒 を 信頼 して いた から こそ だ な ！ とうさん||なお||しんらい||||||

それ を 何 だ あんな ヤサ 男 と 同棲 と は ||なん||||おとこ||どうせい||

同棲 じゃ なくて 同居 （ 和典 ） 同じ こと だ どうせい|||どうきょ|かずのり|おなじ||

違う よ ちがう|

家賃 の 15万 払え ない から 仕方なく でしょ やちん||よろず|はらえ|||しかたなく|

仕方なく ？ しかたなく

お前 だまさ れて んだ よ さっさと 目 覚ませ ！ おまえ||||||め|さませ

上原 君 は そんな 人 じゃ ない うえはら|きみ|||じん||

顔 の いい 奴 は 昔 から かお|||やつ||むかし|

根性 が 悪い って 相場 が 決まって んだ よ こんじょう||わるい||そうば||きまって||

何 それ 　 それ って ただ の コンプレックス じゃ ん なん||||||||

（ 和典 ） コ … 何 言って んだ かずのり||なん|いって|

父さん これ でも 昔 は そこそこ イケ て たん だ ぞ ！ とうさん|||むかし|||||||

（ 美紀子 ） プッ （ 菜緒 ） そんな 話 どうでも いい みきこ|ぷっ|なお||はなし||

話 ずれて る し はなし|||

とにかく 絶対 に 認め ん ぞ |ぜったい||みとめ||

それ でも ここ に 住み 続ける なら ||||すみ|つづける|

親子 の 縁 を 切る ！ おやこ||えん||きる

（ 美紀子 ） お 父さん みきこ||とうさん

（ 和典 ） それ でも 一緒に いたい んだったら かずのり|||いっしょに||

もう 勝手に しろ ！ |かってに|

（ 菜緒 ） お 父さん の バカ ！ なお||とうさん||ばか

（ 阿部 ） 上原 ！ あべ|うえはら

ゲ … おう 何 だ よ ||なん||

俺 また フラ れ ちった よ ～ また … おれ||||||

（ 阿部 ） ヤバ い じゃ ん あべ||||

それ フラ れた 俺 より ヤバ い じゃ ん |||おれ|||||

（ 上原 ） 相当な うえはら|そうとうな

（ 阿部 ） キツ いよ なあ 彼女 の 親 なんて あべ|きつ|||かのじょ||おや|

フツーモード で 会って も 絶対 キツ い のに さ … ||あって||ぜったい|きつ|||

（ 上原 ） や っぱ そういう もん ？ うえはら||||

（ 阿部 ） うーん 経験 ない （ 上原 ） フッ だ よ な あべ||けいけん||うえはら||||

（ 阿部 ） でも うち の 母親 なんて あべ||||ははおや|

俺 に 好きな 奴 できた って だけ で もう 大騒ぎ だ よ おれ||すきな|やつ||||||おおさわぎ||

（ 上原 ） フッ … うえはら|

（ 阿部 ） あ … ごめん （ 上原 ） 何 だ よ あべ|||うえはら|なん||

でも さ マジ で どう す ん の ？

バイト 先 の ２ 階 が 空いて る から ばいと|さき||かい||あいて||

とりあえず 引っ越し 先 の あて は ある |ひっこし|さき||||

大丈夫な の か ？ だいじょうぶな||

まあ 吉川 は 相当 テンパ って た |きちかわ||そうとう|||

（ 阿部 ） いや 上原 だ よ （ 上原 ） え ？ あべ||うえはら|||うえはら|

（ 阿部 ） 吉川 と 離れちゃ って あべ|きちかわ||はなれちゃ|

でも もし 吉川 が フリーに なったら ||きちかわ||ふりーに|

俺 もう １ 回 吉川 に 告 っちゃ お っか な おれ||かい|きちかわ||こく||||

（ 上原 ） う ～ （ 阿部 ） イッテ ！ うえはら||あべ|

今 の マジ で 痛い って 上原 いま||||いたい||うえはら

おい ！

痛 え … 痛かった よ つう||いたかった|

（ まり な ） うわ あ ついに で 親 は 何て ？ ||||||おや||なんて

（ 菜緒 ） お 父さん 大 激怒 それ に 田舎 連れて 帰る って なお||とうさん|だい|げきど|||いなか|つれて|かえる|

（ まり な ） そ っか …

え ？ 転校 する って こと ？ そんな の イヤだ ！ |てんこう||||||いやだ

（ 菜緒 ） 私 だって イヤだ よ なお|わたくし||いやだ|

でも そう じゃ なきゃ 親子 の 縁 切る って ||||おやこ||えん|きる|

（ まり な ） うわ あ 強烈 … ||||きょうれつ

おばさん は ？

（ 菜緒 ） お 母さん 何 か 冷静な の 逆に 怖い ぐらい なお||かあさん|なん||れいせいな||ぎゃくに|こわい|

（ まり な ） そうだ よ ねえ ||そう だ||

娘 の 同居 知って 平気な 親 は い ない よ むすめ||どうきょ|しって|へいきな|おや||||

（ 菜緒 ） うーん もう どう しよう なお||||

（ まり な ） ん ー とりあえず どっち か が 引っ越す と か ？ |||-|||||ひっこす||

根本 的な 解決 に は なら ない けど こんぽん|てきな|かいけつ|||||

上原 君 は ？ 今 は どうして ん の ？ うえはら|きみ||いま||||

とりあえず 実家 |じっか

そ っか

（ 菜緒 ） あ ～ あ なお||

家 でも 会え なく なって 学校 も 休み だ し いえ||あえ|||がっこう||やすみ||

寂しい ね さびしい|

それ が ずっと 続く って こと でしょ |||つづく|||

でも 菜緒 たち が 特別な んだ よ |なお|||とくべつな||

私 だって 学校 が 休み だったら わたくし||がっこう||やすみ|

みっ ちゃん と 会う の なんて ３ 日 に １ 回 と か だし |||あう|||ひ||かい|||

今 まで が 贅沢 すぎた の か な いま|||ぜいたく||||

うん

（ スマホ の 着信 音 ） ||ちゃくしん|おと

大家 さん だ たいか||

出て み でて|

もしもし ？

（ 徹 平 ） 菜緒 ちゃん よく 頑張って くれて ます よ てつ|ひら|なお|||がんばって|||

もう すっかり うち の 看板 娘 です よ ||||かんばん|むすめ||

そんな …

いつも うち で は 部屋 中 散らかし 放題 で ||||へや|なか|ちらかし|ほうだい|

たまに 料理 を 手伝ったり して も |りょうり||てつだったり||

お 皿 は 割る わ 指 は 切る わ で |さら||わる||ゆび||きる||

（ 一星 ( いっせい )） 最初 は うち も かなり 割ら れ ました ね いちぼし||さいしょ|||||わら|||

でも 最近 じゃ 割る の も １ 日 １ 枚 まで 減り ました よ |さいきん||わる|||ひ|まい||へり||

（ 美紀子 ） えっ みきこ|

うち の 嫁 に 欲しい ぐらい です よ ||よめ||ほしい|||

（ 一星 ） 親父 ！ （ 徹 平 ） いや いちぼし|おやじ|てつ|ひら|

それ ぐらい いい 子 だって 話 で |||こ||はなし|

本当 まっすぐ で 真面目で 働き もん で ほんとう|||まじめで|はたらき||

あー それ を 聞いて 安心 し ました |||きいて|あんしん||

（ 一星 ） お 父さん 替え玉 いき ます か ？ いちぼし||とうさん|かえだま|||

かえだま ？

お代わり よ ここ に 麺 を 入れて もらう の よ ね ？ おかわり||||めん||いれて||||

（ 一星 ） はい いちぼし|

替え玉 … いただこう かえだま|

替え玉 一 丁 ！ （ 徹 平 ） へい ！ かえだま|ひと|ちょう|てつ|ひら|

（ 美紀子 ） 菜緒 いい 顔 して る みきこ|なお||かお||

（ 一星 ） 吉川 の 友達 みんな うち の 常連 に なって くれて いちぼし|きちかわ||ともだち||||じょうれん|||

ありがたい です （ 美紀子 ） ああ ～ ||みきこ|

（ 菜緒 ） お 父さん ！ （ 和典 ） 何 だ ？ なお||とうさん|かずのり|なん|

（ 菜緒 ） どうして 大家 さん に この 部屋 解約 する なんて なお||たいか||||へや|かいやく||

勝手な こと 言った の ？ かってな||いった|

ここ は 私 だけ の 家 じゃ ない んだ よ ！ ||わたくし|||いえ||||

菜緒 が 出て 行く と 伝えた だけ だ なお||でて|いく||つたえた||

あいつ が ここ に 住む なら そう すれば いい ||||すむ||||

上原 君 に は いろいろ 事情 が ある の うえはら|きみ||||じじょう|||

（ 和典 ） そんな こと 知ら ん かずのり|||しら|

じゃあ 上原 君 が どう なって も いい って こと ？ |うえはら|きみ|||||||

うち に は 関係 の ない こと だ |||かんけい||||

ひどい

菜緒 なお

お 父さん なんて 大嫌い ！ |とうさん||だいきらい

（ 美紀子 ） 菜緒 どこ に 行く つもり ？ （ 菜緒 ） どこ でも いい でしょ みきこ|なお|||いく||なお||||

私 お 父さん と 一緒に 実家 帰る 気 ない から わたくし||とうさん||いっしょに|じっか|かえる|き||

（ 美紀子 ） 菜緒 ！ みきこ|なお

お 父さん ！ |とうさん

（ 和典 ） 知ら ん 　 勝手に しろ かずのり|しら||かってに|

（ 美紀子 ） お 父さん みきこ||とうさん

吉川 きちかわ

（ 菜緒 ） 上原 君 なお|うえはら|きみ

何 して んだ よ なん|||

（ 菜緒 ） 家出 して きた （ 上原 ） は ？ なお|いえで|||うえはら|

ちょっと … お前 何 考えて んだ よ |おまえ|なん|かんがえて||

（ 菜緒 ） だって お 父さん なお|||とうさん

マンション 解約 して 私 を 田舎 に 連れて 帰る って まんしょん|かいやく||わたくし||いなか||つれて|かえる|

そんな の 絶対 イヤ ！ ||ぜったい|いや

吉川 きちかわ

私 も お 兄さん の とこ 泊めて わたくし|||にいさん|||とめて

お 父さん の 顔 なんて 見 たく ない |とうさん||かお||み||

同居 続ける なら 親子 の 縁 切る と か 言って どうきょ|つづける||おやこ||えん|きる|||いって

そんな の こっち から 切って あげる よ ||||きって||

あんな 分からず屋 ！ |わからずや

マンション まで 送る まんしょん||おくる

（ 菜緒 ） え ？ （ 上原 ） 帰れ なお||うえはら|かえれ

上原 君 は 私 が 田舎 に 帰って も 平気な の ？ うえはら|きみ||わたくし||いなか||かえって||へいきな|

上原 君 は 寂しく ない んだ うえはら|きみ||さびしく||

私 に 会え なくて も いい んだ わたくし||あえ||||

何で 何にも 言って くん ない の ？ なんで|なんにも|いって|||

ずっと 一緒に いたい って 思って ん の は 私 だけ ？ |いっしょに|||おもって||||わたくし|

吉川 きちかわ

俺 は 吉川 に 家出 なんか して ほしく ない おれ||きちかわ||いえで||||

とにかく 帰って お 父さん に 謝れ |かえって||とうさん||あやまれ

（ 菜緒 ） や だ （ 上原 ） 吉川 ！ なお|||うえはら|きちかわ

親 と 縁 切る なんて 軽々しく 言う な よ おや||えん|きる||かるがるしく|いう||

これ から の こと は 俺 も ちゃんと 考える から |||||おれ|||かんがえる|

な っ

（ 明 ） いらっしゃい ませ あき||

１ 人 な んです けど … （ 明 ） どうぞ お 好きな 席 に じん||ん です||あき|||すきな|せき|

（ なな こ ） ただいま （ 明 ） お かえり |||あき||

あれ ？ ねえ ねえ 久志 君 は ？ |||ひさし|きみ|

（ 明 ） ん ？ そうい や まだ だ な あき||そう い||||

（ なな こ ） 何 だ ||なん|

あっ いらっしゃい ませ

お 待た せ し ました どうぞ |また||||

あの … 久志 君 って 上原 久志 君 |ひさし|きみ||うえはら|ひさし|きみ

ええ あっ お 知り合い です か ？ |||しりあい||

あっ ええ …

もし かして ご 親戚 か 何 か で ？ |||しんせき||なん||

あ … ええ … まあ …

そう です か どう も これ は これ は

初め まして 草薙 ( くさ なぎ ) と 申し ます はじめ||くさなぎ||||もうし|

いや あ 彼 は ね よく 働いて くれて ます よ ||かれ||||はたらいて|||

彼 の こと は ね 僕 も 心配で かれ|||||ぼく||しんぱいで

親 代わり み たい に 接して あげたら な って 思って る んです よ ね おや|かわり||||せっして||||おもって||ん です||

親 代わり ？ おや|かわり

（ 明 ） ああ すいません 差し出がましい です よ ね あき|||さしでがましい|||

ご 親戚 の 方 が 近く に いる なんて 聞いて なかった もん です から |しんせき||かた||ちかく||||きいて||||

ああ …

（ 明 ） すいません あき|

ご 両親 を 幼い 時 に 亡くして |りょうしん||おさない|じ||なくして

天 涯 孤独に なった って 聞いて から てん|がい|こどくに|||きいて|

何 か して やれる こと は ない か なって 思って んです けど ね なん|||||||||おもって|ん です||

ああ もちろん お 兄 様 は いらっしゃい ます けど |||あに|さま||||

ねえ もう ご 自分 の 家庭 が あり ます から |||じぶん||かてい||||

もう すぐ 海外 に 転勤 に なる と か ？ ||かいがい||てんきん||||

でも なかなか できる こと じゃ ないで す よ ね

自分 で 稼いで 生活 して おまけに 成績 優秀で じぶん||かせいで|せいかつ|||せいせき|ゆうしゅうで

真面目で 頑張り 屋 で まじめで|がんばり|や|

行く ぞ いく|

（ スマホ の バイブ 音 ） |||おと

店 から だ てん||

上原 君 バイト 行って うえはら|きみ|ばいと|おこなって

大丈夫 私 ちゃん と 帰る から だいじょうぶ|わたくし|||かえる|

大丈夫 ！ ありがとう だいじょうぶ|

や っぱ 無理 … ||むり

（ 美紀子 ） 菜緒 みきこ|なお

お 母さん |かあさん

お かえり 菜緒 ||なお

家出 した んじゃ なかった の か ？ いえで|||||

上原 君 が 帰れ って 言った から うえはら|きみ||かえれ||いった|

でも 私 田舎 帰る つもりな いから |わたくし|いなか|かえる||

高校 も ちゃんと 卒業 し たい し こうこう|||そつぎょう|||

友達 も 離れ たく ない から ともだち||はなれ|||

お 父さん |とうさん

私 も 菜緒 を 無理やり 田舎 に 連れて 帰る こと に は 反対 わたくし||なお||むりやり|いなか||つれて|かえる||||はんたい

お 母さん |かあさん

黙って 同居 を して いた の は 許さ れる こと じゃ ない けど だまって|どうきょ||||||ゆるさ|||||

上原 君 に も 菜緒 に も 事情 が あって の こと だ と 思う の うえはら|きみ|||なお|||じじょう|||||||おもう|

事情 ？ じじょう

上原 君 ね 小さい 頃 に ご 両親 を 亡くさ れて うえはら|きみ||ちいさい|ころ|||りょうしん||なくさ|

お 兄さん と ２ 人 家族 なんで すって |にいさん||じん|かぞく||

どうして それ …

先 に 言って よ さき||いって|

本当に 困って ほんとうに|こまって

２ 人 で 悩んで 始めた 同居 な んでしょ ？ じん||なやんで|はじめた|どうきょ||

お 父さん 私 から も お 願い |とうさん|わたくし||||ねがい

いきなり この うち を 出て 行か せる なんて いう ||||でて|いか|||

乱暴な こと は し ないで ほしい の らんぼうな||||||

（ 和典 ） ハァ … かずのり|

もう 少し |すこし

時間 を かけて 解決 して も いい んじゃ ない か なって 思って じかん|||かいけつ||||||||おもって

お 母さん |かあさん

（ 美紀子 ） 私 は 菜緒 を 信じよう と 思う みきこ|わたくし||なお||しんじよう||おもう

それ に お 父さん は |||とうさん|

菜緒 に 彼 氏 が できた こと が 面白く ない だけ な んでしょ ？ なお||かれ|うじ|||||おもしろく||||

菜緒 男 親 なんて ね なお|おとこ|おや||

娘 が 連れて きた 男 に は ケチ を つける もん な の むすめ||つれて||おとこ||||||||

それ が イケメン なら なおさら

何 だ よ 女 同士 すぐ グル に なって なん|||おんな|どうし||||

母さん は うまく 丸め込んだ かも しれ ない けど な かあさん|||まるめこんだ|||||

俺 は そう は いか ない から な おれ|||||||

別に 丸め込んで なんか ない もん べつに|まるめこんで|||

そう よ すぐに そう やって ひがんで

あー 気分 悪い |きぶん|わるい

どこ 行く の ？ もう ご飯 よ |いく|||ごはん|

（ 和典 ） いら ん ！ （ 菜緒 ） お 父さん かずのり|||なお||とうさん

店長 （ 明 ） ん ？ てんちょう|あき|

すいません

今日 は これ で 上がら せて もらって も いい です か ？ きょう||||あがら||||||

お ー どうした ？ |-|

話さ なきゃ なら ない 人 が い まして はなさ||||じん|||

ああ 　 ん … あー

（ 戸 が 開く 音 ） と||あく|おと

いらっしゃい …

あ …

今 から お 話し に 伺おう と 思って い ました いま|||はなし||うかがおう||おもって||

“ 腹 が 減って は 戦 が でき ぬ ” か はら||へって||いくさ||||

はい

正直な 奴 だ な しょうじきな|やつ||

すいません

（ 菜緒 ） ん ？ なお|

また コロッケ ？ |ころっけ

お 父さん の 機嫌 とる に は これ が 一 番 いい の |とうさん||きげん||||||ひと|ばん||

それ に 吉川 家 特製 コロッケ の 作り 方 覚え たい んでしょ ||きちかわ|いえ|とくせい|ころっけ||つくり|かた|おぼえ||

（ 菜緒 ） うん ！ （ 美紀子 ） うん ！ なお||みきこ|

（ 菜緒 ） よい しょ お っ うわ っ あ ち っ ！ なお|||||||||

や だ や だ ほら ふきん 使って はい ||||||つかって|

やけど する よ は ー い （ 菜緒 ） ありがとう ||||-||なお|

上原 君 の 苦労 は お 父さん が 一 番 よく 分かって る と 思う うえはら|きみ||くろう|||とうさん||ひと|ばん||わかって|||おもう

私 は 大学 進学 を 親父 に 猛 反対 さ れて な わたくし||だいがく|しんがく||おやじ||もう|はんたい|||

だが どうしても 東京 の 大学 に 行き たくて ||とうきょう||だいがく||いき|

田舎 飛び出した いなか|とびだした

学生 時代 は 学費 やら 何やら 全部 自分 で 稼いで た がくせい|じだい||がくひ||なにやら|ぜんぶ|じぶん||かせいで|

昔 は それ が 普通だった むかし||||ふつうだった

だけど まあ 今どき の 学生 に して は … ||いまどき||がくせい|||

あっ 僕 は まだ |ぼく||

あっ そう か まだ 高校 生 だった な ||||こうこう|せい||

一応 いちおう

ほ い （ 菜緒 ） え ？ ||なお|

吉川 家 特製 コロッケ は きちかわ|いえ|とくせい|ころっけ|

ここ で 少し 生 クリーム を 入れる ||すこし|せい|くりーむ||いれる

へえ ー フワフワ に なる 秘密 それ だった んだ |-|ふわふわ|||ひみつ|||

あ ～

ついに 話して しまった お 母さん の 企業 秘密 |はなして|||かあさん||きぎょう|ひみつ

お 母さん （ 美紀子 ） ん ？ |かあさん|みきこ|

ごめん ね

詐欺 に 遭った こと さぎ||あった|

菜緒 は 余計な 心配 かけ たく ない って 言った けど なお||よけいな|しんぱい|||||いった|

余計な 心配 し たい の よ 親 は よけいな|しんぱい|||||おや|

寂しい じゃ ない 菜緒 が 心配 かけて くれ ない と さびしい|||なお||しんぱい||||

お 母さん |かあさん

菜緒 は 上原 君 と ここ で やっていき たい の よ ね ？ なお||うえはら|きみ||||||||

うん

分かった わかった

１ つ だけ 約束 して ||やくそく|

（ 菜緒 ） え ？ なお|

もう これ から は ウソ つか ない って ||||うそ|||

お 母さん も これ から は ちゃんと 菜緒 の 話 を 聞く |かあさん||||||なお||はなし||きく

一緒に 悩んで 考える いっしょに|なやんで|かんがえる

だから 大事な こと は ちゃんと 話して |だいじな||||はなして

うん

（ 美紀子 ） うん みきこ|

さあ じゃ これ を 形 に して くださ ～ い ||||かた||||

（ 菜緒 ） あっ は ～ い なお|||

（ 上原 ） すいません でした うえはら||

（ 和典 ） 謝る ため に 俺 に 会い に ？ かずのり|あやまる|||おれ||あい|

同居 を 認めて ください どうきょ||みとめて|

ダメだ と 言ったら ？ だめだ||いったら

いずれ に して も

女子 寮 が 空けば 同居 は 解消 です し じょし|りょう||あけば|どうきょ||かいしょう||

高校 を 卒業 したら お互い の 環境 も 変わり ます こうこう||そつぎょう||おたがい||かんきょう||かわり|

でも …

たとえ 一緒に 暮らせ なくて も |いっしょに|くらせ||

吉川 と は … きちかわ||

ずっと 一緒に いたい と 思って ます |いっしょに|||おもって|

大事に し たい と 思って ます だいじに||||おもって|

大事に する と いう 意味 が 分かって ん の か だいじに||||いみ||わかって|||

はい

心配 を お かけ する ような こと は 絶対 に し ませ ん しんぱい||||||||ぜったい||||

当たり前だ ろ あたりまえだ|

（ 和典 ） ここ 替え玉 ２ つ ！ かずのり||かえだま|

え … （ 一星 ） あい よ |いちぼし||

替え玉 ２ 丁 ！ （ 徹 平 ） あい よ 替え玉 ２ 丁 ！ かえだま|ちょう|てつ|ひら|||かえだま|ちょう

お代わり の 麺 を ここ に 入れて もらう んだ おかわり||めん||||いれて||

替え玉 って 言う んだ よ ハハッ 知ら なかった の か かえだま||いう||||しら|||

（ 美紀子 ） これ かわいい な お 母さん これ 好き みきこ|||||かあさん||すき

（ 菜緒 ） 私 も 好き なお|わたくし||すき

（ ドア が 開く 音 ） どあ||あく|おと

（ 菜緒 ） ん ？ なお|

（ 菜緒 ） えっ ちょっと 上原 君 お 父さん ！ 何で ？ なお|||うえはら|きみ||とうさん|なんで

一番星 で 偶然 いちばんぼし||ぐうぜん

（ 美紀子 ） もう お 父さん ったら ごめんなさい ね みきこ|||とうさん|||

ちょっと お 父さん ！ （ 和典 ） おう これ うまい ぞ ||とうさん|かずのり||||

一番星 の 餃子 だ ！ いちばんぼし||ぎょうざ|

熱い うち 食え ！ （ 美紀子 ） え ～ や だ あつい||くえ|みきこ|||

コロッケ 作って た のに ころっけ|つくって||

コロッケ ？ なら 俺 コロッケ 食う ！ ころっけ||おれ|ころっけ|くう

（ 菜緒 ） ちょ っ … 酔っ払い なお|||よっぱらい

（ 美紀子 ･ 菜緒 ） ああ ～ みきこ|なお|

（ 上原 ） 吉川 布団 （ 菜緒 ） うん うえはら|きちかわ|ふとん|なお|

（ 上原 ） 大丈夫です か ？ （ 和典 ） 大丈夫だ よ うえはら|だいじょうぶ です||かずのり|だいじょうぶだ|

俺 は さ この コロッケ を 食べて おれ||||ころっけ||たべて

母さん と 結婚 を 決めた んだ かあさん||けっこん||きめた|

（ 美紀子 ） もう そんな 古い 話 みきこ|||ふるい|はなし

（ いびき ）

ごめんなさい ね

いえ

じゃあ 帰り ます |かえり|

あっ 上原 君 の お うち は ここ でしょ ？ |うえはら|きみ||||||

（ 菜緒 ） え ？ なお|

何 が あった の か 知ら ない けど なん|||||しら||

きっと 許して くれた んでしょ ？ お 父さん 同居 の こと |ゆるして||||とうさん|どうきょ||

（ 菜緒 ） へ ？ なお|

はい

女子 寮 に 空き が 出る まで って 条件 で じょし|りょう||あき||でる|||じょうけん|

本当 ？ ほんとう

（ 上原 ） うん うえはら|

お 母さん どうして ？ |かあさん|

人前 で 酔ったり し ない 人 な の ひとまえ||よったり|||じん||

だから すぐに 分かった ||わかった

飲ま ず に い られ ない ような 決断 した んだ って のま|||||||けつだん|||

（ いびき ）

（ 美紀子 ） 上原 君 みきこ|うえはら|きみ

菜緒 の こと よろしく お 願い し ます なお|||||ねがい||

はい

（ ノック ）

（ 菜緒 ） ちょっと いい ？ なお||

上原 君 目覚まし時計 １ つ 借りて も いい ？ うえはら|きみ|めざましどけい||かりて||

大丈夫 ？ だいじょうぶ

（ 上原 ） あー 疲れた うえはら||つかれた

たぶん ３ 年 くらい 寿命 縮まった わ |とし||じゅみょう|ちぢまった|

そう だ よ ね

疲れた よ ね つかれた||

そりゃ そうだ |そう だ

（ 上原 ） でも よかった うえはら||

（ 菜緒 ） ん ？ なお|

（ 上原 ） 吉川 の 両親 と 話せて うえはら|きちかわ||りょうしん||はなせて

お 父さん に ラーメン も おごって もらえた し |とうさん||らーめん||||

よかった

うん

お かえり

上原 君 うえはら|きみ

（ 和典 ） あれ ぐらい で 酔い潰れる と は かずのり||||よいつぶれる||

俺 も 年 取った な おれ||とし|とった|

（ 美紀子 ） 菜緒 が 大きく なる わけ よ ね みきこ|なお||おおきく||||

何にも でき ない 子 だった のに なんにも|||こ||

ご飯 作って バイト して ごはん|つくって|ばいと|

あの 子 一生懸命 やって る |こ|いっしょうけんめい||

信じ ましょう 菜緒 を しんじ||なお|

東京 へ 出て きて よかった とうきょう||でて||

寿命 が ３ 年 縮んだ けど な じゅみょう||とし|ちぢんだ||

（ 美紀子 ） でも 菜緒 が みんな に 愛さ れて る こと が 分かって みきこ||なお||||あいさ|||||わかって

本当に よかった ほんとうに|

（ 和典 ） ああ かずのり|

（ 美紀子 ） 大丈夫 よ みきこ|だいじょうぶ|

（ 美紀子 ） 大丈夫 みきこ|だいじょうぶ

（ 和典 ） 寝る ぞ （ 美紀子 ） は いはい かずのり|ねる||みきこ||

（ 上原 ） ん ー うまい な うえはら||-||

おいしい

えっ ちょっと それ 私 の |||わたくし|

名前 書いて ん の か よ なまえ|かいて||||

だって 上原 君 何 個 目 ？ |うえはら|きみ|なん|こ|め

２ 個 目 ？ こ|め

いや 絶対 ウソ でしょ |ぜったい|うそ|

分かった よ じゃあ 半分 やる よ ほら わかった|||はんぶん|||

半分 じゃ なくて これ 私 のだ から はんぶん||||わたくし||

（ 上原 ） ん ー うえはら||-

（ 菜緒 ） ほら キャベツ 食べ な よ なお||きゃべつ|たべ||

（ 上原 ） ちょ っ … おい ！ おい ちょっと これ もらう ぞ うえはら||||||||

（ 菜緒 ） あー ！ なお|

お前 何 回 同じ とこ 拭いて んだ よ おまえ|なん|かい|おなじ||ふいて||

（ 菜緒 ） あ … ごめん ごめん なお|||

何 浮か れて んだ よ なん|うか|||

だって ずっと 引っかかって たから ||ひっかかって|

親 に 秘密に して る こと おや||ひみつに|||

でも これ から は

私 たち 正々堂々 だ なって わたくし||せいせいどうどう||

はい はい ごちそうさま

（ 徹 平 ） 菜緒 ちゃん そろそろ 上がり だ よ てつ|ひら|なお|||あがり||

（ 菜緒 ） は ー い なお||-|

あっ ねえ いっちゃ ん （ 一星 ） ん ？ ||||いちぼし|

私 ここ で ちょっと 待って て も いい ？ わたくし||||まって|||

上原 君 が バイト 帰り に 迎え に 来て くれる って 約束 だ から うえはら|きみ||ばいと|かえり||むかえ||きて|||やくそく||

（ 一星 ） どうぞ いちぼし|

（ 菜緒 ） ありがとう なお|

（ 戸 が 開く 音 ） と||あく|おと

（ 一星 ） いらっしゃい いちぼし|

あっ 毎度 どうも |まいど|

（ ゆかり ） 一星 さん （ 一星 ） はい |いちぼし||いちぼし|

私 やっぱり 諦め切れ ない わたくし||あきらめきれ|

（ 一星 ） いや あの … いちぼし||

前 も 言った けど 俺 … ぜん||いった||おれ

好きです すき です

私 と 付き合って ください ！ わたくし||つきあって|

悪い けど 俺 君 と は 付き合え ない んだ わるい||おれ|きみ|||つきあえ||

どうして です か ？

一星 さん 今 フリーな んです よ ね ？ いちぼし||いま|ふりーな|ん です||

ラーメン 一筋 で 好きな 人 も い ない って らーめん|ひとすじ||すきな|じん||||

誰 が そんな こと ？ だれ|||

親父 おやじ

（ ゆかり ） どうせ 私 みたいな タイプ ||わたくし||たいぷ

一星 さん に は 釣り合い ませ ん もん ね いちぼし||||つりあい||||

あ … いや そういう わけ じゃ なくて です ね

（ 一星 ） どうし よっ か な … いちぼし|どう し|||

（ 菜緒 ） いや ち ょっ … なお|||

こいつ 俺 の 彼女 |おれ||かのじょ

だから ごめん 君 と は 付き合え ない んだ ||きみ|||つきあえ||

うわ っ

（ 鍋 を 落とす 音 ） あ ち っ ！ なべ||おとす|おと|||

鍋 直接 触っちゃ った なべ|ちょくせつ|さわっちゃ|

♪～