Kobato . Episode 4
( 鳥 の さえずり )
( こば と ) 雨 風 を しのげ る あたたか い お うち 。
ふか ふか の お 布団 も 頂き … 。
ビン に は コンペイトウ 。
なんだか とって も 満ち足り た 気分 です 。
( いおり ょぎ ) 1 個 や 2 個 で 満ち足り てる ん じゃ ねえ よ 。
そんな ん じゃ ビン いっぱい に する のに 100 年 かかる ぞ !
大丈夫 です いおり ょぎ さん 。
たとえ 100 年 かけ て も こば と 頑張り ます 。
・ オレ に 100 年 つきあえ って か ~ ? ・ き ゃ ~ !
・~ ( オープニング ・ テーマ )
・ 「 どう すれ ば いい ん だ っけ 」
・ 「 あたりまえ の こと って いつも 難しい な 」
・ 「 嬉しい とき 笑って 」
・ 「 好き な とき に 歌い たい だけ な のに 」
・ 「 いつか 願い は 叶う と 」
・ 「 でも いつ かって どれ くらい ? 」
・ 「 待ち きれ ない よ 」
・ 「 123 ! の 合図 で 両手 広げ て 」
・ 「 全身 に ひかり を 集め て 」
・ 「 どこ に ある の 教え て 私 に できる こと 」
・ 「 めいっぱい 傷 つい て せい いっぱい 走って 」
・ 「 何 十 回 転 ん で 泣 い て 」
・ 「 それ でも まだ あきれる くらい 」
・ 「 明日 を 信じ てる 」
・~
おまえ の やる べき 事 は 分かって る な 。
はい 。 傷 つい た 心 を 癒 やし て コンペイトウ を 増やし ます 。
は ~ !
小鳥 さん が 歌って い ます 。
朝露 に お 花 が 光って い ます 。
ん ~ いい 匂い 。 ウフフ 。
いつも より 早起き する と いろんな 発見 が あり ます ね 。
お 散歩 気分 で 和 ん で ねえ か ? そんな 事 あり ませ ん !
あっ ! あんな 所 に すてき な 小道 が ~ !
わ っ ! わ ~ !
あ … 。
( 風 の 音 )
・~
きれい な 人 です 。
ん … ?
・~
あ あっ !
あの … 。
( 琥珀 ) 見 られ て しまい まし た ?
どうして 泣 い て いらっしゃる の です か ?
どうして でしょ う ? えっ ?
青葉 が きれい … だ から ?
青葉 が きれい だ と 涙 が 出る ん です か ?
分か ん ない です よ ね 。 すみません 。
ところで どちら さま で し た っけ ?
私 花 戸 小 鳩 と 言い ます 。
琥珀 です 。 琥珀 ?
いおり ょぎ さん 。 ぬいぐるみ の 振り を し ない と 。
琥珀 って 天 界 の 琥珀 か ? 天 界 ?
はい 。
どおり で 人 と 違う 匂い を 感じ た はず だ 。
この 方 は ? いおり ょぎ さん です 。
こいつ の 前 で は いい ん だ よ 。 そう な の です か ?
いおり ょぎ さん … ? どこ か で 聞い た 名前 。
うん ~ ?
あっ !
忘れ まし た 。
居 た だ ろ う ! いおり ょぎ じゃ なく 似 た 名前 の が !
似 た 名前 … ?
あっ ! もし かして あの 「 い お ろ ぎ 」 さん です か ?
へ っ 。 ああ そう だ よ 。
えっ ! お 2 人 は お 知りあい なん です か ?
知って る の は 名前 ぐらい だ が な 。
あの い お ろ ぎ さん が こんな かわいい お 姿 だった と は 。
いや … この 姿 は … 。 一応 ここ じゃ 「 いおり ょぎ 」 で 通って る んで な 。
分かり まし た 。 いおり ょぎ さん です ね 。
そして あなた は こば と さ ん 。 は いっ !
あっ … 。 ( 2 人 ) え ?
日ざし が 強く なる 前 に 庭 の 木 に 水 やり を し ない と … 。
失礼 し ます 。 は いっ 。
( 藤本 ) ふ ~ っ !
う ~ ん 。
( 藤本 ) 何 してん だ ? あ ~ びっくり し まし た 。
葉っぱ を 見て い た ん です 。 ああ … ?
幾ら 見 て も 涙 が 出 ませ ん 。 なぜ でしょ う ?
さあ な 。 だが オレ は 葉っぱ を 見る と 涙 が 出る 。
えっ 本当 です か ? 訳 を 教え て 下さい 。
手伝い に 来 てる ヤツ が 怠け者 で →
この 葉っぱ を 片づける だけ で 日 が 暮れる と 思う と 涙 が 出る よ 。
あ ~ やり ます ! あっという間 に 終わら せ て みせ ます !
き ゃ ~ ! ( ため息 )
( 俊彦 ) おっちょこちょい だ な 。 僕 が 手伝って やる よ 。
( 満里奈 ) こば と ちゃん 。 ( 義男 ) 僕 も 手伝う 。
ありがとう ござい ます 。
( 子供 たち の 笑い声 )
何 してん だ ? 琥珀 さん の 涙 の 訳 を 知り たく て 。
傷つ い て いる ん なら 癒 やし て 差し上げ たい ん です 。
そんな の 見 た って 分 かん ない と 思う が な … 。
でも ヒント だけ でも 得 られる かも しれ ませ ん 。
分かり ませ ん でし た 。 だ ろ う な 。
こう なったら 明日 早起き し て 琥珀 さん に 伺って み ます 。
・ き ゃ ~ !
寝坊 し まし た ! やっぱり その オチ か 。
いま せ ん ね 。
あっ 。
( 琥珀 ) ウフフ 。
どうも お 疲れ さま で し た 。
琥珀 さん です 。
待て !
あ … なぜ です か ? ヤボ は よせ って 言って ん だ 。
ヤボ ? おまえ が 出 てったら 邪魔 な ん だ 。
( 一郎 ) 途中 まで 迎え に 来 なく たって 家 で 待って い れ ば いい だ ろ う 。
こうして 一郎 さん と 帰る の が うれしい ん です 。
それ に 少し でも 長く お そば に い たい から 。
イチャイチャ し や が って 。
立派 な お 屋敷 です 。 おまえ と は 一生 縁 が ない な 。
… って いう か おまえ お呼び じゃ ない な 。
いいえ ! お 金 は あって も 心 が 傷つ い て いる 事 も あり ます 。
どこ で そんな 知識 仕入れ た ?
コンビニ の 雑誌 で 勉強 し まし た ! ( ため息 )
いおり ょぎ さん ? ああ 。
いつ お 声 を かけ れ ば ? いや そう じゃ なく て な … 。
( 一郎 ) 今日 は 約束 を 守れ なく て すま ない 。
あ あっ !
( 琥珀 ) 一郎 さん こそ 徹夜 明け です し … 。
それ に 患者 さん の ほう が 大事 です 。
どっち も 大事 だ 。
ケッ ! や っぱ こば と お呼び じゃ ない 。 帰る ぞ 。
おい ! あ ~ !
水 に 住む 聖 霊 よ 。
我 が 呼びかけ に 答えよ 。
木々 の 潤い に 力 を 貸し →
その 命 の 助け と なるべく 集え 。
恵み の 雨 よ 降り注げ !
きれい です 。
( 雨音 )
・~
き ゃ ~ 。
( 琥珀 ) こば と さ ん … ? →
いおり ょぎ さん … ?
ズブ 濡れ だ ぞ こら ~ ! すみません すみません 。
ホント ごめんなさい 。
いいえ 。 こちら こそ 勝手 に 入り込 ん で すみません 。
どうして ここ に ? 実は … 。
昨日 男 の 方 と ご 一緒 の 琥珀 さん を お 見かけ し た ん です 。
えっ ? すみません 後 を つけ た り し て 。
でも どうして 琥珀 さん が 泣 い て い らし た の か 分から なく て 。
あ … 。
それ が とって も 気 に なって 。
自分 でも よく 分か ん ない ん です 。
でも きれい な 物 を 見る と 一郎 さん に も お 見せ し たい な と 。
あの 方 を 思い出す ん です 。 はい 。
一郎 さん の 事 を 思い出す と … 。 思い出す と ?
キュ ~ っと 胸 の 辺り が うず い て … 。
キュ ~ っと ?
( 琥珀 ) モヤモヤ する と いう か … 。
一郎 さん の お そば に いる 時 の 満たさ れ た 気持ち と か →
一郎 さん の たまに 見せる は に かん だ 笑顔 と か →
なんか そういう いろんな もの が あふれる よう に 思い出さ れ て →
こう … ? こう … ?
こう 涙 が 出 て くる ん です 。 あ … 分かり ませ ん 。
ごめんなさい 。 うまく 説明 でき ませ ん 。
だから 恋 する と 切なく て 涙 が 出る って 事 だ ろ う !
( 息切れ )
( 2 人 ) 恋 … ?
そう です か … 恋 。 なるほど 恋 です か 。
分かって ねえ くせ に 。
恋 に 悩み は つきもの と 雑誌 で 読み まし た 。
琥珀 さん 。 何 か お 困り の 事 は あり ませ ん か ?
ん … そうです ね … 。 は いっ 。
困る と いう か 一郎 さん は いつも お 忙しく て →
デート と いう もの を 一 度 も し た 事 が ない の です 。
デート ?
なんか 好き な 人 と 一緒 に 遊園地 と か お出かけ する 事 を →
そう 言う らしい の です が … 。 ふむ ふむ 。
遊園地 で デート ? 任せ て 下さい ! 琥珀 さん !
こば と 頑張り ます !
・~
・~
一郎 さん と 遊園地 で デート なされ ば →
琥珀 さん の 心 が 癒 や さ れる ん です 。
まずは 遊園地 に つい て 調べ なく て は !
・~
これ が 遊園地 です か ~ !
楽し そう です ね ~ 。
えっ ! チケット 3,000 円
あ ~ 遊園地 って お 金 が いる ん です ね 。
でも お 金 は あり ませ ん 。 どう すれ ば いい の でしょ う ?
オレ に 聞く な !
… って いう か そもそも 琥珀 を 癒 やす って 事 自体 … 。
あっ ! いおり ょぎ さん ! え ?
( 店員 ) 1 等 ハワイ 旅行 ! →
2 等 温泉 旅行 ! →
3 等 遊園地 チケット ! →
ガラガラ を 回し て 出 て き た 玉 の 色 で 決まる よ !
商品 は いずれ も ペア で ご 招待 !
さあ 福引き だ よ 福引き !
すごい です ! あそこ で 遊園地 の チケット を プレゼント し て 下さる みたい 。
はい どうぞ 。
お っ ! お 嬢ちゃん 福引き 券 は ?
えっ ? 券 が ない と 福引き は でき ない よ 。
遊園地 の チケット の 前 に まず 福引き 券 が いる の です か 。
福引き 券 。
まあ … いつ まで も 落ち込 ん で て も しょうが ねえ だ ろ う 。
そもそも 琥珀 は よ ~ 。
福引き 券 なかなか 落ち て ませ ん ね !
なん だ よ ! ガッカリ し て た ん じゃ ねえ の か よ ?
そんな うまい 具合 に 落ち てる わきゃ … 。
あ ~ ! えっ ?
( 風 の 吹く 音 )
福引き 券 です !
アハッ !
き ゃ ~ !
福引き です ! ガラガラ お 願い し ます !
はい ! あ … どうぞ !
こば と 頑張り ます !
遊園地 チケット !
おめでとう ございます ! 大当たり !
えっ ! 当たった ん です か ?
マジ か よ ?
5 等 ! ワニ さん の ぬいぐるみ ! かわい がって 下さい ね 。
こんな モン もらった って 邪魔 な だけ だ ろ う !
なんで 断わら ねえ ん だ よ !
ご 親切 に 下さる と いう の を お 断り する の は 失礼 です し … 。
ふん ! チェッ !
( ため息 )
でも 遊園地 じゃ なきゃ ダメ な ん です 。
( ブレーキ の 音 ) き ゃ ~ !
すみません … 藤本 さん
おまえ か ? ボ ~ っと して ん じゃ ねえ !
新聞 を 配って らっしゃる ん です か 。 ああ 。
でも 清 花 先生 から は ピザ の バイト だ と 聞き まし た 。
ピザ の バイト も し てる ん だ よ 。 そんなに たくさん … 。
あ ? なん だ それ ? ガラガラ で 頂 い た ワニ さん です 。
でも … ワニ さん じゃ ダメ な ん です 。
あ … 遊園地 の チケット … 。
ああ 。 バイト 先 で もらった ん だ 。
イ … ウッ ウッ … ウ … 。
おい ?
ウ … 。
何 やって ん だ ? この チケット 譲って 頂け ませ ん か ?
は あ ? バカ 言う な 。 は ぁ 。
あっ ! で は この ワニ さん と 交換 し て は 頂け ない でしょう か ?
ダメ だ 。 むしろ 要ら ねえ 。 お 願い し ます !
琥珀 さん が 遊園地 で デート な ん です 。
( ため息 )
( 呼び鈴 )
どうぞ 。
これ で 一郎 さん と デート を なさって 下さい 。 え ?
もう … 好き に しろ 。
その 新聞 は ?
新聞 配達 を お 手伝い さ せ て 頂 い て いる ん です 。
その チケット を 手 に 入れる ため に 新聞 配達 を ?
はい 。 どうぞ 。
ありがとう ござい ます 。 でも それ は 受け取れ ませ ん 。
え … なぜ です か ?
一郎 さん は お 忙しい から 無理 だ と 思う ん です 。
は … 。
か と 言って せっかく の チケット 無駄 に し て は いけない し … 。 →
そう だ ! こば と さん 行って 下さい 。
わ … 私 が ? ええ 。 いおり ょぎ さん と 一緒 に 。
ああ
あ … いおり ょぎ さん と … ?
( 笑い声 )
想像 す ん な !
はっ ! ダメ です ! 琥珀 さん が 一郎 さん と 行 か なけ れ ば !
でも … やっぱり … N 無理 だ と 思う ん です 。
それ に … わがまま なんて 言え ませ ん 。
それ って …→
わがまま でしょう か ?
琥珀 さん と 一緒 に いらっしゃる 一郎 さん 私 に は なんだか →
とても 楽し そう に 見え まし た 。
琥珀 さん が 一郎 さん を 思う よう に →
一郎 さん も 琥珀 さん を 大切 に 思って いる はず です 。
きっと 一郎 さん も デート なさり たい と 思い ます 。
こば と さ ん … 。
一郎 さん 。 えっ ?
その チケット もらって いい の か ?
もちろん です ! はい どうぞ !
一郎 さん … 。 一緒 に 行って 下さる の です か ?
観覧 車 は 嫌い じゃ ない 。
エヘヘ 。
ヘッ 。
・~
う ~ ん 。
琥珀 さん たち 見え ませ ん ね 。 当たり前 だ ! 帰る ぞ !
はい … 。
きっと 楽し ん で ます よ ね 。 まあ な 。
わ ~ !
( 笑い声 )
うし ゃぎ さん ? え ?
天 界 から の 使い だ 。 また お 知り合い です か ?
時間 制限 だ と ?
いつ まで だ ?
季節 が 4 つ 巡る まで に ビン を いっぱい に しろ って か ?
え ?
・~
・ 聞い て た だ ろ う ? ・ はい 時間 制限 が ある と 。
季節 が 4 つ です よ ね 。
1 年 で ビン を いっぱい に しろ って 事 だ 。
もし たまら なけ れ ば ?
行き たい 所 に 行け なく なり ます 。 で ビン の 中身 は ?
増え て ませ ん 。 なぜ だ か 分かる か ?
分かり ませ ん 。 琥珀 さん の 心 は 癒 や さ れ なかった の でしょう か ?
もともと よ 幸せ いっぱい の ヤツ に 癒 やし なんか 必要 ない って 事 さ 。
傷 つい て なかった ん です ね 。 喜 ん でる 場合 か ?
100 点 !
えっ ? 100 点 です か ?
マイナス !
マイナス 100 点 ?
人選 ミス 。 そんな 事 も 分か ん ねえ ヤツ に は それ で 十 分 だ 。
でも でも 幸せ いっぱい だった なら うれしい 気 が し ます !
のんき な 事 言って ん じゃ ねえ ! 1 年 だ ぞ 1 年 ! ビシビシ 行く ぞ !
はい ! こば と 頑張り ます !
・ また ヘラヘラ し た 顔 し て や が って ! ・ し て ない です よ !
・ ビシビシ 行く って 言った だ ろ う 。 ・ ビシビシ って どんな 顔 です か ?
・ こんな 顔 だ 。 出来る か ~ ? ・ き ゃ ~ !
・ 「 人 は み な 飛 ん で み たい の に 」
・ 「 重力 に だまさ れ てる ん だ 」
・ 「 誰 も ほんとう は 飛べ る ん だ よ 」
・ 「 あの コ が あんなに 哀し そう な の は 」
・ 「 自分 の 影 を どこ か に 忘れ てき ちゃ った から かも 」
・ 「 それ なら 」
・ 「 アリガトウ 、 って 君 に 言え たら 」
・ 「 アリガトウ 、 って 君 が 笑え ば 」
・ 「 行ったり 来たり うれしく なる 」
・ 「 君 が シアワセ に なる 」
・ 「 心配 なんて いら ない よ いっしょ に いる から 」
・ 「 うれしく って も 涙 が でる なんて 不思議 だ 」
~ ( オープニング テーマ ) 「 果て なき 夢 求める 座標 なき 世界 で … 」