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ヴァイオレット・エヴァーガーデン, Violet Evergarden Episode 7

Violet Evergarden Episode 7

( 役者 ) 説得 の 余地 など ない !

愚行 を 働いた 輩 ( や から ) に 対して 手 を 下した まで だ

( 役者 ) 善人 の 皮 を かぶった 悪魔 め !

闇 の 底 へ と 沈め !

( 役者 ) うわ あ …

( エリカ ) ああ …

( 役者 ) 手 を 下した お前 も 私 と 同類

咎人 ( と が び と ) の 業 火 に 焼か れる が いい

( 役者 ) ああ っ …

う っ …

ああ … 私 は この 罪 を 背負って 生きる しか ない !

この先 一生 !

( 役者 が 倒れる )

( 拍手 )

( エリカ ) 昨日 の お 芝居 す っ ごく よかった

ヴァイオレット も 見 に 行けば よかった のに

( ヴァイオレット ) 「 赤い 悪魔 」 でしたら 今 戯曲 を 読んで い ます

( エリカ ) あー いい な

オスカー ・ ウェブスター の 代筆 なんて うらやまし すぎる

だって 真っ先 に 彼 の 新作 が 読める って こと でしょ ?

完成 したら 久しぶりの 新作 に なる わ ね

( ヴァイオレット ) “ ああ … 私 は この 罪 を 背負って 生きる しか ない ”

“ この先 一生 ”

♪~

~♪

( ホッジンズ ) はい これ 代筆 依頼 書 ね

( カトレア ) こんなに ?

( ホッジンズ ) 公開 恋文 以来 ―

ヴァイオレット ちゃん の 指名 も 増えた しね

( カトレア ) ねえ ( ホッジンズ ) ん ?

( カトレア ) 例の 少佐 の こと あの 子 に 話した ?

いや

( カトレア ) 最近 の あの 子 ―

時々 何 か 考え込んで る みたいだ から

( オスカー ) 誰 だ ?

( ヴァイオレット ) 自動 手記 人形 サービス です

( オスカー ) 何 だ ? それ は

( ヴァイオレット ) お初 に お目にかかり ます

お 客 様 が お 望み なら どこ でも 駆けつけ ます

自動 手記 人形 サービス

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン です

( オスカー ) そこ に は 少女 が いた

もう 一 度 会い たかった

名前 すら 悲しくて さ さ やけ ない

あの 子 と 同じ 髪 の 色 の 少女 が …

( オスカー ) しか し 驚いた

まさか こんな 子供 が 来る と は な

ご 希望 に 添え ませ ん でしたら

別の ドール を 手配 さ せて いただき ます

( オスカー ) いや タイプ さえ 打てれば

俺 は 今 ちょっと 体調 が …

( ヴァイオレット ) 申し訳 あり ませ ん が ―

仕事 中 は お 酒 を 控えて いただく よう お 願い 申し上げ ます

う っ …

俺 は 飲ま ない と 書け ない

( ヴァイオレット ) 書く の は 私 です

( オスカー ) じゃあ 執筆 は 明日 から に しよう

困った お方 です ね

執筆 は この 部屋 で ?

( オスカー ) ここ か テラス だ な

書斎 は ある が あそこ は 狭くて 息苦しい

( ヴァイオレット ) でしたら 今日 は …

ん ? その 手 は ?

( ヴァイオレット ) 戦争 で 失い ました

ですが 作業 に は 問題 あり ませ ん

あー

旦那 様

執筆 に 差し支え ない 程度 に は 片づけ ました

タイプ ライター は 持参 して おり ます が ―

用紙 は あり ます でしょう か ?

ない な

港 の 商店 に 売って る から 買って きて くれ

それ と 夕食 も

カルボナーラ が いい

旦那 様 私 は 代筆 屋 であって メイド で は …

( オスカー の いびき )

( ヴァイオレット ) 困った お方 です

( 店主 ) 聞いた メニュー の 材料 は そろえた よ

( ヴァイオレット ) ありがとう ございます

( 店主 ) どうし たんだい ? 何 か 付いて る かね ?

( ヴァイオレット ) いえ

これ を 一体 どう やって 調理 すれば よい のでしょう ?

え ? 殻 を 割って 黄身 だけ 取り分けて

黄身 ?

何 やって る んだ ?

料理 に 挑戦 して おり ます

ん ?

まあ 初めて に して は 上出来じゃ ない か

君 は 食べ ない の か ?

私 は あと で いただき ます

そう

( ヴァイオレット ) 何 を なさって いる んです か ?

棚 に あった 酒 を どこ に やった ?

隠し ました

執筆 作業 の 妨げ に なり ます し ―

それ に …

旦那 様 ご 自身 に とって も よく は あり ませ ん

( オスカー ) あっ …

お 預かり して よろしい です ね ?

( オスカー ) 次 オリーブ の セリフ

“ この 火 の 谷 を 越え ない と ―”

“ 怪物 を 倒す 剣 が 手 に 入ら ない わ ”

ト書き

水 の 聖 霊 が 現れる

聖 霊 の セリフ

“ 私 が この 火 を 消して あげる ”

“ そう すれば この 谷 を 越え られる わ ”

越え られる のです ね ? よかった です

( オスカー ) ト書き

燃えて いる 火 が 消える

( ヴァイオレット ) どう やって 消える のです か ?

( オスカー ) 舞台 上 で はためいて た 赤い 布 を 引っ込める と ―

消えた ように 見える だ ろ ?

( ヴァイオレット ) なるほど 了解 し ました

なあ どう 思う ?

面白い か ?

何という か …

何という か ?

本当の 話 で は ない のに 自分 が 体験 して いる ようです

あっ …

( ヴァイオレット ) 自分 が この オリーブ と いう 少女 と 同じ ように ―

喜んだり 悲しんだり 不安に なったり する の は ―

どうして な のでしょう か ?

それ は 君 が 主人公 と …

オリーブ と 同じ 気持ち に なって くれて る って こと だ よ

オリーブ に 共感 して くれて る んだ

君 が そう 感じて くれて ホッと した

子供 向け の 芝居 を 書く の は 初めて で ね

( ヴァイオレット ) この あと オリーブ は 火 の 谷 を 越えて ―

無事に 剣 を 手 に 入れ ―

怪物 を 倒す のです よ ね ?

ああ

でも その 代わり に 精霊 使い の 力 を 失って しまう んだ

そんな …

では どう やって 故郷 へ 戻る のです か ?

船 も 壊れて しまい ました し …

そこ は まだ 考えて ない

( ヴァイオレット ) 考え ない と

考え なければ 父親 が 待つ 家 に 帰れ ませ ん

あっ …

考え ました か ?

( オスカー ) う っ

( オスカー ) いい 天気 だ な

いや よ すぎる か

( ヴァイオレット ) 旦那 様

ん ?

これ は ?

ああ … ただ の 傘 だ よ

どうして ?

とても キレイ な 傘 だ と 思い まして

( オスカー ) 少し 休ま せて くれ

( ドア が 閉まる 音 )

( オリビア ) いつか ―

いつか きっと 見せて あげる ね

( オスカー ) やめろ !

( オスカー 深い 息 )

やめて くれ !

申し訳 ございませ ん 勝手に 傘 を …

( オスカー ) もう いい !

もう いい

帰って くれ

( ヴァイオレット ) それでは お 芝居 が 完成 し ませ ん

オリーブ の 物語 が 完結 し ませ ん

旦那 様 は ―

心 に 何 か 隠して いらっしゃる ので は ないで す か ?

私 に は それ を くみ取る 能力 が なく ―

本当に 申し訳 ございませ ん

( オスカー ) 俺 は もう 何も 書け ない

だが このまま じゃ ダメだ

そう 思って あの 子 に …

オリビア に 聞か せて やった 話 を 完成 さ せよう と 思って

オリビア ?

ああ

娘 だ

妻 が 病気 で 亡くなって ―

夏 の 別荘 だった この 屋敷 へ ―

俺 は 娘 と 越して きた

母親 が い なくて 寂しかった と 思う

けど …

けど そんな 様子 は これ っぽ っち も 見せ ず ―

むしろ 俺 が 仕事 を 頑張れる ように と ―

いつも いろいろ と 手伝って くれて た んだ

そんな 娘 の 好きな もの が ―

フリル の 付いた 日傘 と ―

水鳥 で …

うわ ー ! いい な ー !

私 も この 湖 を 渡って み たい

あの 落ち葉 の 上 なら 歩ける かな ?

傘 を 差して 風 を 利用 すれば できる かも しれ ない ね

わ あっ

( 風 の 音 )

( オリビア ) あっ ! ( オスカー ) オリビア !

( オリビア ) 大丈夫

私 が 湖 を 歩く ところ

いつか きっと 見せて あげる ね

お 父さん

( オスカー ) そして ―

医者 と の 不毛な 押し問答 を 繰り返し ―

残さ れた 時間 を 過ごす ため 俺 は 娘 を 連れて 戻る こと に した

久しぶりの 娘 の 笑顔

穏やかで 優しい 日々

だが …

たった 1 つ の 希望 が …

神 は どれ だけ 俺 の 大切な もの を …

( ヴァイオレット ) 大切な 人 と 別れる と いう こと は …

二度と 会え ない と いう こと は

こんなに も 寂しく ―

こんなに も つらい こと な のです ね

( ノック )

( オスカー ) さっき は すまなかった

いえ お つらい の は 旦那 様 です のに

私 の ほう が 取り乱して しまい 申し訳 あり ませ ん

( オスカー ) 完成 さ せる よ ( ヴァイオレット ) あっ …

( オスカー ) オリーブ の 物語 を

少女 は 帰って きて 父親 と 再会 する

どんなに つらい 冒険 を した と して も ―

最後 は ハッピーエンド だ

主人公 も 観客 も 幸せに なる

いや して み せる

( オスカー ) そして 倒れる 怪物

オリーブ

“ ついに 怪物 を 倒した わ ”

水 の 聖 霊

“ よく やった わ ”

風 の 聖 霊

“ 私 たち は 戻ら なければ ”

“ 聖 霊 の 世界 に ”

火 の 聖 霊

“ ここ で お 別れよ ”

立ち尽くす オリーブ

さて ここ から どう やって オリーブ を 家 に 帰す か

船 は 壊れて しまった ので 飛行機 です か ?

うーん

もっと 夢 が ある ような 方法 で

( ヴァイオレット ) 鳥 でしたら 飛んで 帰れ ます が …

傘 で 飛ぶ の は どう だ ?

( ヴァイオレット ) 傘 で は 飛べ ませ ん

飛べる んだ

風 の 聖 霊 が もう 一 度 だけ 現れて 言う

“ オリーブ あなた の 傘 を 広げて ”

君 傘 を 広げて みて くれ ない か ?

“ その 傘 が あなた の 翼 よ ”

“ 高く 飛ぶ と 風 に 流さ れる から ―”

“ 海 で は 波 を 川 で は 岩 を ”

“ 湖 で は 落ち葉 を 踏んで 行き なさい ”

ステキな 着想 です

だ ろ ?

戻って きた オリーブ は 父親 に 再会 する

そして 海 を 渡って 帰って きて

再会 して ひと言 目 何 を 言う かな …

“ ただいま ”?

いや “ お 父さん ”?

また 行き詰まった のです か ?

ん っ …

君 ちょっと 向こう から 歩いて きて くれ ない か ?

イメージ を つかみ たい

歩く だけ で いい のです か ?

できたら 湖 に 浮かぶ 木 の 葉 の 上 を ね

( ヴァイオレット ) 了解 し ました

え ?

いや 今 の は …

( オリビア ) いい な ー !

私 も この 湖 を 渡って み たい

あの 落ち葉 の 上 なら 歩ける かな ?

いつか ―

いつか きっと 見せて あげる ね

お 父さん

( オスカー ) あと 何 千 回 だって そう 呼ば れ たかった

死な ないで ほしかった な

生きて …

大きく 育って …

… ほしかった な

( ヴァイオレット ) ハァ ハァ …

ご覧 に なら れ ました か ?

( ヴァイオレット ) ハァ ハァ …

3 歩 は 歩いて いた と 思い ます

( オスカー 泣き 始める )

旦那 様 ? どう なされ ました ?

お 体 の 具合 でも 悪い のでしょう か ?

( オスカー ) 奇跡 を かなえて くれた 彼女 に 俺 は 言った

“ 神様 なんて い ない と 思って いた けど ―”

“ いる なら 君 の こと だろう ” と

( ヴァイオレット ) 本当に この 傘 を 頂いて よろしい のでしょう か ?

ああ

もっと 飛べる と 思って いた のです が …

十分だ よ

君 は 死んだ 娘 の ―

“ いつか きっと ” を かなえて くれた

“ いつか きっと ”?

( 汽笛 )

( ヴァイオレット ) それでは

自動 手記 人形 サービス の ご 利用

誠に ありがとう ございました

こちら こそ ありがとう

( オスカー ) ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン

( ディートフリート ) 多く の 命 を 奪った その 手 で ―

人 を 結ぶ 手紙 を 書く の か ?

君 は 自分 が して きた こと で

どんどん 体 に 火 が ついて ―

燃え上がって いる こと を まだ 知ら ない

私 は …

燃え てるよ

いつか 俺 が 言った こと が 分かる とき が 来る

そして 初めて ―

自分 が たくさん ヤケド して いる こと に 気づく んだ

ハッ !

( ヴァイオレット ) 少佐 …

( ギルベルト ) 生きて …

いい のです か ?

( ギルベルト ) 自由に なり なさい

( ヴァイオレット ) 武器 と して 人 を あ やめて きた 私 が ―

それ で いい のです か ?

私 は 誰 か の “ いつか きっと ” を ―

奪った ので は ない のです か ?

そして その 人 たち に も ―

愛する 相手 が いた ので は ないで す か ?

燃えて い ませ ん

燃えて い ます

燃えて い ませ ん

燃えて い ます !

自分 が して きた こと で どんどん 体 に 火 が ついて

燃え上がって い ます !

( ティファニー ) あら ?

あなた ヴァイオレット

( ヴァイオレット ) 奥様

いつぞや は 大変 失礼 を いたし ました

奥様 の お 心 を 傷つけて しまい ―

誠に 申し訳 ございませ ん でした

ヴァイオレット そんな … いい の よ

顔 を 上げて ちょうだい

よかった あなた が 立派に なって

浮かば れる わ ね 亡くなった ギルベルト も

“ 亡くなった ”?

あっ …

( ヴァイオレット ) 生きて いる と おっしゃい ました よ ね ?

少佐 は ご 無事な のです よ ね ?

それ は …

( ヴァイオレット ) 生きて いらっしゃる のです よ ね ?

あっ …

すまない

どうしても 君 に 言え なかった

インテンス 最終 決戦 の あと ―

聖堂 の 下 で 君 は 1 人 倒れて いた

恐らく 砲撃 を 食らう 寸前 ―

あいつ は 君 を 突き飛ばした んだ

あいつ は 確認 でき なかった が ガレキ の 下 に 認識 票 が あった

それ で 未 帰還 扱い に なって …

( ヴァイオレット ) で は 分かり ませ ん

( ホッジンズ ) だ が あの 状況 で は …

少佐 は きっと ご 無事です

ヴァイオレット ちゃん

ご 無事です !

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん

分かって くれ あいつ は もう …

( ヴァイオレット ) 分かり ませ ん … 分かり ませ ん

どうして … どうして 私 だけ …

おかしい です !

そば に は 少佐 が いら して いた のに

そして 私 に …

ヴァイオレット ちゃん

つらくて も 受け入れる んだ

ヴァイオレット ちゃん !

( ヴァイオレット の 荒い 息遣い )

♪~

~♪


Violet Evergarden Episode 7 violet|evergarden|episode Violet Evergarden Episode 7

( 役者 ) 説得 の 余地 など ない ! やくしゃ|せっとく||よち||

愚行 を 働いた 輩 ( や から ) に 対して 手 を 下した まで だ ぐこう||はたらいた|やから||||たいして|て||くだした||

( 役者 ) 善人 の 皮 を かぶった 悪魔 め ! やくしゃ|ぜんにん||かわ|||あくま|

闇 の 底 へ と 沈め ! やみ||そこ|||しずめ

( 役者 ) うわ あ … やくしゃ||

( エリカ ) ああ …

( 役者 ) 手 を 下した お前 も 私 と 同類 やくしゃ|て||くだした|おまえ||わたくし||どうるい

咎人 ( と が び と ) の 業 火 に 焼か れる が いい とがにん||||||ぎょう|ひ||やか|||

( 役者 ) ああ っ … やくしゃ||

う っ …

ああ … 私 は この 罪 を 背負って 生きる しか ない ! |わたくし|||ざい||せおって|いきる||

この先 一生 ! このさき|いっしょう

( 役者 が 倒れる ) やくしゃ||たおれる

( 拍手 ) はくしゅ

( エリカ ) 昨日 の お 芝居 す っ ごく よかった |きのう|||しばい||||

ヴァイオレット も 見 に 行けば よかった のに ||み||いけば||

( ヴァイオレット ) 「 赤い 悪魔 」 でしたら 今 戯曲 を 読んで い ます |あかい|あくま||いま|ぎきょく||よんで||

( エリカ ) あー いい な

オスカー ・ ウェブスター の 代筆 なんて うらやまし すぎる |||だいひつ|||

だって 真っ先 に 彼 の 新作 が 読める って こと でしょ ? |まっさき||かれ||しんさく||よめる|||

完成 したら 久しぶりの 新作 に なる わ ね かんせい||ひさしぶりの|しんさく||||

( ヴァイオレット ) “ ああ … 私 は この 罪 を 背負って 生きる しか ない ” ||わたくし|||ざい||せおって|いきる||

“ この先 一生 ” このさき|いっしょう

♪~

~♪

( ホッジンズ ) はい これ   代筆 依頼 書 ね |||だいひつ|いらい|しょ|

( カトレア ) こんなに ?

( ホッジンズ ) 公開 恋文 以来 ― |こうかい|こいぶみ|いらい

ヴァイオレット ちゃん の 指名 も 増えた しね |||しめい||ふえた|

( カトレア ) ねえ ( ホッジンズ ) ん ?

( カトレア ) 例の 少佐 の こと あの 子 に 話した ? |れいの|しょうさ||||こ||はなした

いや

( カトレア ) 最近 の あの 子 ― |さいきん|||こ

時々 何 か 考え込んで る みたいだ から ときどき|なん||かんがえこんで|||

( オスカー ) 誰 だ ? |だれ|

( ヴァイオレット ) 自動 手記 人形 サービス です |じどう|しゅき|にんぎょう|さーびす|

( オスカー ) 何 だ ? それ は |なん|||

( ヴァイオレット ) お初 に お目にかかり ます |おはつ||おめにかかり|

お 客 様 が お 望み なら どこ でも 駆けつけ ます |きゃく|さま|||のぞみ||||かけつけ|

自動 手記 人形 サービス じどう|しゅき|にんぎょう|さーびす

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン です

( オスカー ) そこ に は 少女 が いた ||||しょうじょ||

もう 一 度 会い たかった |ひと|たび|あい|

名前 すら 悲しくて さ さ やけ ない なまえ||かなしくて||||

あの 子 と 同じ 髪 の 色 の 少女 が … |こ||おなじ|かみ||いろ||しょうじょ|

( オスカー ) しか し 驚いた |||おどろいた

まさか こんな 子供 が 来る と は な ||こども||くる|||

ご 希望 に 添え ませ ん でしたら |きぼう||そえ|||

別の ドール を 手配 さ せて いただき ます べつの|どーる||てはい||||

( オスカー ) いや タイプ さえ 打てれば ||たいぷ||うてれば

俺 は 今 ちょっと 体調 が … おれ||いま||たいちょう|

( ヴァイオレット ) 申し訳 あり ませ ん が ― |もうしわけ||||

仕事 中 は お 酒 を 控えて いただく よう お 願い 申し上げ ます しごと|なか|||さけ||ひかえて||||ねがい|もうしあげ|

う っ …

俺 は 飲ま ない と 書け ない おれ||のま|||かけ|

( ヴァイオレット ) 書く の は 私 です |かく|||わたくし|

( オスカー ) じゃあ 執筆 は 明日 から に しよう ||しっぴつ||あした|||

困った お方 です ね こまった|おかた||

執筆 は この 部屋 で ? しっぴつ|||へや|

( オスカー ) ここ か テラス だ な |||てらす||

書斎 は ある が あそこ は 狭くて 息苦しい しょさい||||||せまくて|いきぐるしい

( ヴァイオレット ) でしたら 今日 は … ||きょう|

ん ? その 手 は ? ||て|

( ヴァイオレット ) 戦争 で 失い ました |せんそう||うしない|

ですが 作業 に は 問題 あり ませ ん |さぎょう|||もんだい|||

あー

旦那 様 だんな|さま

執筆 に 差し支え ない 程度 に は 片づけ ました しっぴつ||さしつかえ||ていど|||かたづけ|

タイプ ライター は 持参 して おり ます が ― たいぷ|らいたー||じさん||||

用紙 は あり ます でしょう か ? ようし|||||

ない な

港 の 商店 に 売って る から 買って きて くれ こう||しょうてん||うって|||かって||

それ と 夕食 も ||ゆうしょく|

カルボナーラ が いい

旦那 様 私 は 代筆 屋 であって メイド で は … だんな|さま|わたくし||だいひつ|や||||

( オスカー の いびき )

( ヴァイオレット ) 困った お方 です |こまった|おかた|

( 店主 ) 聞いた メニュー の 材料 は そろえた よ てんしゅ|きいた|めにゅー||ざいりょう|||

( ヴァイオレット ) ありがとう ございます

( 店主 ) どうし たんだい ? 何 か 付いて る かね ? てんしゅ|どう し||なん||ついて||

( ヴァイオレット ) いえ

これ を 一体 どう やって 調理 すれば よい のでしょう ? ||いったい|||ちょうり|||

え ? 殻 を 割って 黄身 だけ 取り分けて |から||わって|きみ||とりわけて

黄身 ? きみ

何 やって る んだ ? なん|||

料理 に 挑戦 して おり ます りょうり||ちょうせん|||

ん ?

まあ 初めて に して は 上出来じゃ ない か |はじめて||||じょうできじゃ||

君 は 食べ ない の か ? きみ||たべ|||

私 は あと で いただき ます わたくし|||||

そう

( ヴァイオレット ) 何 を なさって いる んです か ? |なん|||||

棚 に あった 酒 を どこ に やった ? たな|||さけ||||

隠し ました かくし|

執筆 作業 の 妨げ に なり ます し ― しっぴつ|さぎょう||さまたげ||||

それ に …

旦那 様 ご 自身 に とって も よく は あり ませ ん だんな|さま||じしん||||||||

( オスカー ) あっ …

お 預かり して よろしい です ね ? |あずかり||||

( オスカー ) 次 オリーブ の セリフ |つぎ|おりーぶ||せりふ

“ この 火 の 谷 を 越え ない と ―” |ひ||たに||こえ||

“ 怪物 を 倒す 剣 が 手 に 入ら ない わ ” かいぶつ||たおす|けん||て||はいら||

ト書き とがき

水 の 聖 霊 が 現れる すい||せい|れい||あらわれる

聖 霊 の セリフ せい|れい||せりふ

“ 私 が この 火 を 消して あげる ” わたくし|||ひ||けして|

“ そう すれば この 谷 を 越え られる わ ” |||たに||こえ||

越え られる のです ね ? よかった です こえ|||||

( オスカー ) ト書き |とがき

燃えて いる 火 が 消える もえて||ひ||きえる

( ヴァイオレット ) どう やって 消える のです か ? |||きえる||

( オスカー ) 舞台 上 で はためいて た 赤い 布 を 引っ込める と ― |ぶたい|うえ||||あかい|ぬの||ひっこめる|

消えた ように 見える だ ろ ? きえた||みえる||

( ヴァイオレット ) なるほど 了解 し ました ||りょうかい||

なあ どう 思う ? ||おもう

面白い か ? おもしろい|

何という か … なんという|

何という か ? なんという|

本当の 話 で は ない のに 自分 が 体験 して いる ようです ほんとうの|はなし|||||じぶん||たいけん|||

あっ …

( ヴァイオレット ) 自分 が この オリーブ と いう 少女 と 同じ ように ― |じぶん|||おりーぶ|||しょうじょ||おなじ|

喜んだり 悲しんだり 不安に なったり する の は ― よろこんだり|かなしんだり|ふあんに||||

どうして な のでしょう か ?

それ は 君 が 主人公 と … ||きみ||しゅじんこう|

オリーブ と 同じ 気持ち に なって くれて る って こと だ よ おりーぶ||おなじ|きもち||||||||

オリーブ に 共感 して くれて る んだ おりーぶ||きょうかん||||

君 が そう 感じて くれて ホッと した きみ|||かんじて||ほっと|

子供 向け の 芝居 を 書く の は 初めて で ね こども|むけ||しばい||かく|||はじめて||

( ヴァイオレット ) この あと オリーブ は 火 の 谷 を 越えて ― |||おりーぶ||ひ||たに||こえて

無事に 剣 を 手 に 入れ ― ぶじに|けん||て||いれ

怪物 を 倒す のです よ ね ? かいぶつ||たおす|||

ああ

でも その 代わり に 精霊 使い の 力 を 失って しまう んだ ||かわり||せいれい|つかい||ちから||うしなって||

そんな …

では どう やって 故郷 へ 戻る のです か ? |||こきょう||もどる||

船 も 壊れて しまい ました し … せん||こぼれて|||

そこ は まだ 考えて ない |||かんがえて|

( ヴァイオレット ) 考え ない と |かんがえ||

考え なければ 父親 が 待つ 家 に 帰れ ませ ん かんがえ||ちちおや||まつ|いえ||かえれ||

あっ …

考え ました か ? かんがえ||

( オスカー ) う っ

( オスカー ) いい 天気 だ な ||てんき||

いや よ すぎる か

( ヴァイオレット ) 旦那 様 |だんな|さま

ん ?

これ は ?

ああ … ただ の 傘 だ よ |||かさ||

どうして ?

とても キレイ な 傘 だ と 思い まして |||かさ|||おもい|

( オスカー ) 少し 休ま せて くれ |すこし|やすま||

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( オリビア ) いつか ―

いつか きっと 見せて あげる ね ||みせて||

( オスカー ) やめろ !

( オスカー 深い 息 ) |ふかい|いき

やめて くれ !

申し訳 ございませ ん 勝手に 傘 を … もうしわけ|||かってに|かさ|

( オスカー ) もう いい !

もう いい

帰って くれ かえって|

( ヴァイオレット ) それでは お 芝居 が 完成 し ませ ん |||しばい||かんせい|||

オリーブ の 物語 が 完結 し ませ ん おりーぶ||ものがたり||かんけつ|||

旦那 様 は ― だんな|さま|

心 に 何 か 隠して いらっしゃる ので は ないで す か ? こころ||なん||かくして||||||

私 に は それ を くみ取る 能力 が なく ― わたくし|||||くみとる|のうりょく||

本当に 申し訳 ございませ ん ほんとうに|もうしわけ||

( オスカー ) 俺 は もう 何も 書け ない |おれ|||なにも|かけ|

だが このまま じゃ ダメだ |||だめだ

そう 思って あの 子 に … |おもって||こ|

オリビア に 聞か せて やった 話 を 完成 さ せよう と 思って ||きか|||はなし||かんせい||||おもって

オリビア ?

ああ

娘 だ むすめ|

妻 が 病気 で 亡くなって ― つま||びょうき||なくなって

夏 の 別荘 だった この 屋敷 へ ― なつ||べっそう|||やしき|

俺 は 娘 と 越して きた おれ||むすめ||こして|

母親 が い なくて 寂しかった と 思う ははおや||||さびしかった||おもう

けど …

けど そんな 様子 は これ っぽ っち も 見せ ず ― ||ようす||||||みせ|

むしろ 俺 が 仕事 を 頑張れる ように と ― |おれ||しごと||がんばれる||

いつも いろいろ と 手伝って くれて た んだ |||てつだって|||

そんな 娘 の 好きな もの が ― |むすめ||すきな||

フリル の 付いた 日傘 と ― ||ついた|ひがさ|

水鳥 で … みずどり|

うわ ー ! いい な ー ! |-|||-

私 も この 湖 を 渡って み たい わたくし|||こ||わたって||

あの 落ち葉 の 上 なら 歩ける かな ? |おちば||うえ||あるける|

傘 を 差して 風 を 利用 すれば できる かも しれ ない ね かさ||さして|かぜ||りよう||||||

わ あっ

( 風 の 音 ) かぜ||おと

( オリビア ) あっ ! ( オスカー ) オリビア !

( オリビア ) 大丈夫 |だいじょうぶ

私 が 湖 を 歩く ところ わたくし||こ||あるく|

いつか きっと 見せて あげる ね ||みせて||

お 父さん |とうさん

( オスカー ) そして ―

医者 と の 不毛な 押し問答 を 繰り返し ― いしゃ|||ふもうな|おしもんどう||くりかえし

残さ れた 時間 を 過ごす ため 俺 は 娘 を 連れて 戻る こと に した のこさ||じかん||すごす||おれ||むすめ||つれて|もどる|||

久しぶりの 娘 の 笑顔 ひさしぶりの|むすめ||えがお

穏やかで 優しい 日々 おだやかで|やさしい|ひび

だが …

たった 1 つ の 希望 が … |||きぼう|

神 は どれ だけ 俺 の 大切な もの を … かみ||||おれ||たいせつな||

( ヴァイオレット ) 大切な 人 と 別れる と いう こと は … |たいせつな|じん||わかれる||||

二度と 会え ない と いう こと は にどと|あえ|||||

こんなに も 寂しく ― ||さびしく

こんなに も つらい こと な のです ね

( ノック )

( オスカー ) さっき は すまなかった

いえ お つらい の は 旦那 様 です のに |||||だんな|さま||

私 の ほう が 取り乱して しまい 申し訳 あり ませ ん わたくし||||とりみだして||もうしわけ|||

( オスカー ) 完成 さ せる よ ( ヴァイオレット ) あっ … |かんせい|||||

( オスカー ) オリーブ の 物語 を |おりーぶ||ものがたり|

少女 は 帰って きて 父親 と 再会 する しょうじょ||かえって||ちちおや||さいかい|

どんなに つらい 冒険 を した と して も ― ||ぼうけん|||||

最後 は ハッピーエンド だ さいご|||

主人公 も 観客 も 幸せに なる しゅじんこう||かんきゃく||しあわせに|

いや して み せる

( オスカー ) そして 倒れる 怪物 ||たおれる|かいぶつ

オリーブ おりーぶ

“ ついに 怪物 を 倒した わ ” |かいぶつ||たおした|

水 の 聖 霊 すい||せい|れい

“ よく やった わ ”

風 の 聖 霊 かぜ||せい|れい

“ 私 たち は 戻ら なければ ” わたくし|||もどら|

“ 聖 霊 の 世界 に ” せい|れい||せかい|

火 の 聖 霊 ひ||せい|れい

“ ここ で お 別れよ ” |||わかれよ

立ち尽くす オリーブ たちつくす|おりーぶ

さて ここ から どう やって オリーブ を 家 に 帰す か |||||おりーぶ||いえ||きす|

船 は 壊れて しまった ので 飛行機 です か ? せん||こぼれて|||ひこうき||

うーん

もっと 夢 が ある ような 方法 で |ゆめ||||ほうほう|

( ヴァイオレット ) 鳥 でしたら 飛んで 帰れ ます が … |ちょう||とんで|かえれ||

傘 で 飛ぶ の は どう だ ? かさ||とぶ||||

( ヴァイオレット ) 傘 で は 飛べ ませ ん |かさ|||とべ||

飛べる んだ とべる|

風 の 聖 霊 が もう 一 度 だけ 現れて 言う かぜ||せい|れい|||ひと|たび||あらわれて|いう

“ オリーブ あなた の 傘 を 広げて ” おりーぶ|||かさ||ひろげて

君 傘 を 広げて みて くれ ない か ? きみ|かさ||ひろげて||||

“ その 傘 が あなた の 翼 よ ” |かさ||||つばさ|

“ 高く 飛ぶ と 風 に 流さ れる から ―” たかく|とぶ||かぜ||ながさ||

“ 海 で は 波 を 川 で は 岩 を ” うみ|||なみ||かわ|||いわ|

“ 湖 で は 落ち葉 を 踏んで 行き なさい ” こ|||おちば||ふんで|いき|

ステキな 着想 です すてきな|ちゃくそう|

だ ろ ?

戻って きた オリーブ は 父親 に 再会 する もどって||おりーぶ||ちちおや||さいかい|

そして 海 を 渡って 帰って きて |うみ||わたって|かえって|

再会 して ひと言 目 何 を 言う かな … さいかい||ひとこと|め|なん||いう|

“ ただいま ”?

いや “ お 父さん ”? ||とうさん

また 行き詰まった のです か ? |ゆきづまった||

ん っ …

君 ちょっと 向こう から 歩いて きて くれ ない か ? きみ||むこう||あるいて||||

イメージ を つかみ たい いめーじ|||

歩く だけ で いい のです か ? あるく|||||

できたら 湖 に 浮かぶ 木 の 葉 の 上 を ね |こ||うかぶ|き||は||うえ||

( ヴァイオレット ) 了解 し ました |りょうかい||

え ?

いや 今 の は … |いま||

( オリビア ) いい な ー ! |||-

私 も この 湖 を 渡って み たい わたくし|||こ||わたって||

あの 落ち葉 の 上 なら 歩ける かな ? |おちば||うえ||あるける|

いつか ―

いつか きっと 見せて あげる ね ||みせて||

お 父さん |とうさん

( オスカー ) あと 何 千 回 だって そう 呼ば れ たかった ||なん|せん|かい|||よば||

死な ないで ほしかった な しな|||

生きて … いきて

大きく 育って … おおきく|そだって

… ほしかった な

( ヴァイオレット ) ハァ ハァ …

ご覧 に なら れ ました か ? ごらん|||||

( ヴァイオレット ) ハァ ハァ …

3 歩 は 歩いて いた と 思い ます ふ||あるいて|||おもい|

( オスカー 泣き 始める ) |なき|はじめる

旦那 様 ? どう なされ ました ? だんな|さま|||

お 体 の 具合 でも 悪い のでしょう か ? |からだ||ぐあい||わるい||

( オスカー ) 奇跡 を かなえて くれた 彼女 に 俺 は 言った |きせき||||かのじょ||おれ||いった

“ 神様 なんて い ない と 思って いた けど ―” かみさま|||||おもって||

“ いる なら 君 の こと だろう ” と ||きみ||||

( ヴァイオレット ) 本当に この 傘 を 頂いて よろしい のでしょう か ? |ほんとうに||かさ||いただいて|||

ああ

もっと 飛べる と 思って いた のです が … |とべる||おもって|||

十分だ よ じゅうぶんだ|

君 は 死んだ 娘 の ― きみ||しんだ|むすめ|

“ いつか きっと ” を かなえて くれた

“ いつか きっと ”?

( 汽笛 ) きてき

( ヴァイオレット ) それでは

自動 手記 人形 サービス の ご 利用 じどう|しゅき|にんぎょう|さーびす|||りよう

誠に ありがとう ございました まことに||

こちら こそ ありがとう

( オスカー ) ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン

( ディートフリート ) 多く の 命 を 奪った その 手 で ― |おおく||いのち||うばった||て|

人 を 結ぶ 手紙 を 書く の か ? じん||むすぶ|てがみ||かく||

君 は 自分 が して きた こと で きみ||じぶん|||||

どんどん 体 に 火 が ついて ― |からだ||ひ||

燃え上がって いる こと を まだ 知ら ない もえあがって|||||しら|

私 は … わたくし|

燃え てるよ もえ|

いつか 俺 が 言った こと が 分かる とき が 来る |おれ||いった|||わかる|||くる

そして 初めて ― |はじめて

自分 が たくさん ヤケド して いる こと に 気づく んだ じぶん||||||||きづく|

ハッ !

( ヴァイオレット ) 少佐 … |しょうさ

( ギルベルト ) 生きて … |いきて

いい のです か ?

( ギルベルト ) 自由に なり なさい |じゆうに||

( ヴァイオレット ) 武器 と して 人 を あ やめて きた 私 が ― |ぶき|||じん|||||わたくし|

それ で いい のです か ?

私 は 誰 か の “ いつか きっと ” を ― わたくし||だれ|||||

奪った ので は ない のです か ? うばった|||||

そして その 人 たち に も ― ||じん|||

愛する 相手 が いた ので は ないで す か ? あいする|あいて|||||||

燃えて い ませ ん もえて|||

燃えて い ます もえて||

燃えて い ませ ん もえて|||

燃えて い ます ! もえて||

自分 が して きた こと で どんどん 体 に 火 が ついて じぶん|||||||からだ||ひ||

燃え上がって い ます ! もえあがって||

( ティファニー ) あら ?

あなた ヴァイオレット

( ヴァイオレット ) 奥様 |おくさま

いつぞや は 大変 失礼 を いたし ました ||たいへん|しつれい|||

奥様 の お 心 を 傷つけて しまい ― おくさま|||こころ||きずつけて|

誠に 申し訳 ございませ ん でした まことに|もうしわけ|||

ヴァイオレット そんな … いい の よ

顔 を 上げて ちょうだい かお||あげて|

よかった あなた が 立派に なって |||りっぱに|

浮かば れる わ ね 亡くなった ギルベルト も うかば||||なくなった||

“ 亡くなった ”? なくなった

あっ …

( ヴァイオレット ) 生きて いる と おっしゃい ました よ ね ? |いきて||||||

少佐 は ご 無事な のです よ ね ? しょうさ|||ぶじな|||

それ は …

( ヴァイオレット ) 生きて いらっしゃる のです よ ね ? |いきて||||

あっ …

すまない

どうしても 君 に 言え なかった |きみ||いえ|

インテンス 最終 決戦 の あと ― |さいしゅう|けっせん||

聖堂 の 下 で 君 は 1 人 倒れて いた せいどう||した||きみ||じん|たおれて|

恐らく 砲撃 を 食らう 寸前 ― おそらく|ほうげき||くらう|すんぜん

あいつ は 君 を 突き飛ばした んだ ||きみ||つきとばした|

あいつ は 確認 でき なかった が ガレキ の 下 に 認識 票 が あった ||かくにん||||がれき||した||にんしき|ひょう||

それ で 未 帰還 扱い に なって … ||み|きかん|あつかい||

( ヴァイオレット ) で は 分かり ませ ん |||わかり||

( ホッジンズ ) だ が あの 状況 で は … ||||じょうきょう||

少佐 は きっと ご 無事です しょうさ||||ぶじです

ヴァイオレット ちゃん

ご 無事です ! |ぶじです

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん

分かって くれ あいつ は もう … わかって||||

( ヴァイオレット ) 分かり ませ ん … 分かり ませ ん |わかり|||わかり||

どうして … どうして 私 だけ … ||わたくし|

おかしい です !

そば に は 少佐 が いら して いた のに |||しょうさ|||||

そして 私 に … |わたくし|

ヴァイオレット ちゃん

つらくて も 受け入れる んだ ||うけいれる|

ヴァイオレット ちゃん !

( ヴァイオレット の 荒い 息遣い ) ||あらい|いきづかい

♪~

~♪