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涼宮ハルヒの憂鬱, Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 23

Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 23

( ハルヒ ) アハハ …

( キョン ) ん っ ああ …

は あ …

( ハルヒ ) 到着 !

( キョン ) うん ?

これ は つまり “ 入る な ” って こと じゃ ねえ か ?

小学生 でも こんな ところ を 撮影 場所 に は 選ば ない ぜ

よほど の アホ を 除いて な

( ハルヒ ) 何 して ん の ? ( キョン ) うん ?

( ハルヒ ) さっさと 乗り越え なさい よ

( キョン ) こいつ が よほど の アホ である こと を 忘れて いた

( ハルヒ ) み くる ちゃん も 早く ( み くる ) えっ ?

( 鶴屋 ( つる や )) アハハッ

( 古泉 ( こい ずみ )) 乗り越える に は ちょっと この 柵 は 背 が 高い で すね

そう 思い ませ ん か ?

( キョン ) うん ?

( キョン ) うわ っ !

( 国 木田 ( くに き だ )) へえ 古く なって いた んだ ね

( 谷口 ( たに ぐち )) ここ で カッパ 役 でも やれ って か ?

( 鶴屋 ) 昔 は この 池 柵 なんか なくて さ

よく はまった よ

( キョン ) みんな おおらかな 性格 で 助かる

この シーン は ね

いよいよ ミクル が 窮地 に 立た さ れて いる ところ な わけ

青 目 ビーム は ユキ に 封じ られちゃ った の よ

うん いい 感じ だ わ

( ハルヒ ) あんた これ 持って て ( 谷口 ) は あ ?

( ハルヒ ) み くるちゃ ん 準備 は いい わ ね ?

( み くる ) はい … ( ハルヒ ) 声 が 小さい !

( み くる ) はい ! ( キョン ) お 気持ち 察し ます

( ハルヒ ) じゃあ いく わ よ よ ~ い アクション !

( み くる ) ここ … こけ っ こんな こと で は あたし は めげ ない のです !

悪い 宇宙 人 の ユキ さん !

し … 神妙に 地球 から …

立ち去り なさ ~ い ! ( ハルヒ ) カット ~!

( 長門 ( な が と )) 彼 に は 貴重な 価値 が ある のだ

その 一環 と して まず 地球 を 侵略 する

( ハルヒ ) カ ~ ット !

( み くる ) そ っ そんな こと は させ ない のです この 命 に 代えて でも !

( ハルヒ ) カ ~ ット !

( み くる ) は あ ~

( ハルヒ ) だんだん 気分 が 出て きた じゃ ない その 調子 よ !

それ から み くる ちゃん ちょっと こっち 来て

( み くる ) はい ?

( キョン ) さて ご 近所 の ウワサ の ネタ に なる 前 に

さっさと 引き揚げ られる と いい んだ が …

最近 の ビデオ って こんなん ? ふ ~ ん

これ に み くる の コッパ な 映像 が いっぱいな の ?

ウフフ … アハハ …

( キョン ) 笑い ご っちゃ ない この 精神 的 ダメージ が 高じて

朝比奈 ( あさひ な ) さん が 登校 拒否 に でも なったら どう する んです

( ハルヒ ) お 待た せ 本格 的な の は これ から よ

ほら 見なさ い !

( キョン ) おいおい ! これ は なんて 悪夢 だ

また 昨日 の あれ を 繰り返そう って の か ?

さあ み くるちゃ ん その ミラクルミクルアイ R から

なんでも いい わ

不思議な もの を 出して 攻撃 し なさい !

( キョン ) あっ ! ( み くる ) うわ ~!

( み くる ) な … 長門 さん ! ひ ゃ ~!

( ハルヒ ) ちょっと 有希 ( ゆき )!

あなた 魔法使い な の よ !

こんな とこ で プロレス して も …

まあ これ でも いい か

売り に なり そう ね

キョン ちゃん と 撮って !

せっかく の 有希 の アイデア な んだ から !

( キョン ) アイデア じゃ ない って !

し … しかし これ は きわどい

いや 決して そんな もの を 撮る つもりじゃ …

目標 を センター に 入れて 録画 スイッチ … いや ダメ だって !

いや ダメダメ … ( 発射 音 )

( 一同 ) うん ?

( キョン ) あっ ( み くる ) う う …

地球 から 立ち去り なさ ~ い !

あ ~ また コンタクト なく しちゃ った

うかつ レーザー は 拡散 し

無害 化 する ように 設定 した

今度 は 超 振動 性 分子 カッター

( み くる ・ キョン ) あっ !

モノフィラメント みたいな もの です ね

あの 今度 は あたし に 何 を その … 注入 した んです か ?

次元 振動 周期 を 位相 変換 し

重力 波 に 置き換える 作用 を 持つ 力 場 を

体 表面 に 発生 さ せた

なるほど

ひとまず は それ で 対処 した わけです ね

( キョン ) さっぱり 分から ん

フェンス の 件 は 老朽 化 と いう こと で

皆さん 納得 して いる ようです し

何より 大事に 至らなくて 幸いでした

しかし どう する よ このまま 撮影 を 続けたら

なんだか 惨事 を 生む ような 気 が する ぞ

ただ 中止 する の も まま なり ませ ん ね

我々 が 強引に 撮影 を 拒否 する と 涼 宮 ( すずみ や ) さん は どう なり ます ?

さあ な

もちろん 暴れ だす でしょう

少なくとも 閉鎖 空間 の 神 人 ( しんじん ) は

恐らく 涼 宮 さん は 今 の 状況 が 楽しくて しかたがない のです よ

まさに 神 の ように 振る舞え ます から ね

涼 宮 さん は 映画 と いう 媒体 を 利用 して

一 つ の 世界 を 再 構築 しよう と して いる のです

( キョン ) つくづく 自己 中 な ヤツ だ

もちろん 涼 宮 さん に そんな 自覚 は ない でしょう

あくまで フィクション の 世界 を 作って いる つもりです

ただ その 熱中 の あまり

無意識に 現実 世界 に 影響 を 及ぼして いる のだ と 考え られ ます

( キョン ) あくまで フィクション

どっち に して も バッドエンド かよ

それ でも どちら か を 選ば ない と いけない のだ と したら

僕 は 続行 を 選び ます ね

朝比奈 さん が スーパーウーマン に な っち まって も か ?

今回 の こと は 神 人 に 比べる と 小規模です

世界 が ゼロ から やり 直し に なる こと に 比べたら

単発 的な 異常 現象 を なんとか する ほう が

簡単な ような 気 が し ませ ん か ?

は あ ~

どう 考えて も どっち も どっち だ

ハルヒ を 後ろ から ぶん 殴って

文化 祭 が 終わる まで 気絶 さ せて おくって の は どう だ ?

恐れ多い こと です

あなた が 全 責任 を 負って くれる のならば

止め は し ませ ん が

う う っ ん …

ん ~ 俺 の 双 肩 に 世界 は 重 すぎる な

( み くる ) あっ … あたし なら 大丈夫です

なんとか 乗り切って みせ ます から

( キョン ) あっ …

献身 的 精神 痛み 入り ます

( ハルヒ ) あなた たち の 役 は これ よ

つまり ね ミクル は 正義 の 味方 だ から

一般 人 に は 手 を 出せ ない わけ

ユキ は そこ を 突いて

一般 人 を 魔法 で 操作 して 襲わ せる の

で … ミクル は 抵抗 でき ず に ボロボロ に なっちゃ う の よ

ウフフ … み くる は ボロボロ か

手始め に み くる ちゃん を 池 に たたき込み なさい !

え ~ っ !

( 谷口 ) おいおい この 池 に かよ ( 鶴屋 ) ハハハハ …

( 谷口 ) ぬるい かも しれん が もう 秋 だ ぜ

水 だって お世辞 に も キレイ と は 言え ねえ が …

す っ す っ 涼 宮 さん せめて 温水 プール と か …

確かに 過酷な 撮影 よ ね

でも ね み くる ちゃん 目指す リアリズム の ため に は

どうしても 今 この 犠牲 を 払わ なければ いけない の よ

それ に これ は み くる ちゃん が 乗り越え ない と いけない ―

壁 で も ある の よ

女優 と して 大きく ステップ アップ する チャンス な の よ

分かった ?

さあ 準備 して !

おい !

う っ …

ああ … ああ …

あっ … あっ …

あ … あの …

あたし やり ます !

み くる ちゃん いい !

それ で こそ あたし の 選んだ 団員 よ !

( 鶴屋 ) ハハハ … ハハハ … ( み くる ) う う ~

( キョン ) 朝比奈 さん …

( ハルヒ ) せ ~ の はい ! ( 谷口 ) うわ ~!

( 溺れる 音 )

( キョン ) 南 無 三 ! ( 古泉 ) どう し ました ?

( 古泉 ) つかまって ください !

う っ …

( せき込み )

( キョン ) まったく … ムダ な もの は 露天 商 を 開ける くらい ある くせ に

タオル 一 枚 の 用意 も ない と は どういう こった ?

( ハルヒ ) うん 出会い の シーン と して は まあまあ ね

イツキ と ミクル の ぎこちない 感じ が よく 出て る

( キョン ) そう か ? 俺 に は ふだん どおり の 古泉 に しか 見え なかった が …

次 は 第 2 段階 ね ミクル を 救い出した イツキ が

彼女 を 自宅 に かくまう シーン を 撮る わ よ

… って お前 ! それ じゃ 全然 つながら ない ぞ !

長門 や 谷口 たち は どう なった んだ ?

いくら なんでも 描写 なし じゃ 観客 は 納得 し ない ぜ

うるさい わ ね

そんな の 撮ら なくて も ちゃんと 見て る 人 に は 伝わる の !

( キョン ) この 野郎 !

ただ 朝比奈 さん を 池 に 突き落とし たかった だけ か !

あの さ あたし の 家 が すぐ 近く な んだ けど さ

み くる が 風邪 ひき そうだ から 着替え させて やって も いい かな ?

ちょうど いい わ 鶴 ( つる ) ちゃん の 部屋 を 貸して くん ない ?

そこ で イツキ と ミクル が 仲よく して る ところ を 撮る の

うん いい よ 使って 使って

えっ と 僕たち は ?

あんた たち は もう 帰って いい わ

( 谷口 ・ 国 木田 ) えっ ? ( キョン ) よかった な お 役 御免 で

( キョン ) お前 ら ハルヒ 的に は

使用 済み BB 弾 くらい の 価値 しか ない みたいだ ぞ

でも それ は 結構 幸せな こと な んだ ぜ

( 鶴屋 ) は ~ い これ あたし ん ち ( キョン ) デカ い !

( キョン ) どんな 悪い こと を すれば こんな 家 に 住める んだ ?

( 鶴屋 ) は ~ い これ あたし の 部屋

み くる が お 風呂 上がる まで ここ で 待って て

( キョン ) なんか 俺 の 部屋 が 猫 用 の 寝室 に 思える ね

( ハルヒ ) いい 部屋 ね ロケーション は バッチリ だ わ

そう だ 鶴 ちゃん ちょっと 思いついた んだ けど …

うん ?

フフッ ! アハハ … ハハハハ …

( キョン ) うん ?

( 鶴屋 ) みんな お 待た せ ~!

( ハルヒ ) サンキュー !

( み くる ) ごめんなさい 遅く なり ました

( 鶴屋 ) どうぞ ~

( キョン ) ああ っ

俺 は 今 猛烈に 理性 を 試さ れて いる !

朝比奈 さん その 姿 は 犯罪 です !

は ~ い これ 飲んじゃ って

( キョン ) どうも

ありがとう ございます

( キョン ) 飲んで る さま が また リビドー 直撃 です !

早速 始める わ よ !

( キョン ) … って こと で 撮影 開始

まず 気絶 した フリ の 朝比奈 さん を

お姫様 だっこ して 部屋 に 入って くる 古泉 は

なぜ か もう 敷か れて いる 布団 に 朝比奈 さん を 横たえ

布団 を かぶせる

み くる ちゃん そろそろ 起きて

う っ … う ~ ん

( 古泉 ) 気 が 付き ました か ?

はい ええ っと ここ は ?

( 古泉 ) 僕 の 部屋 です

ありがとう ございます

( キョン ) やけに 色っぽい が これ は 演技 な の か ?

( ハルヒ ) 2 人 もっと 顔 を 近づけて !

み くるちゃ ん 目 を 閉じて

古泉 君 肩 に 手 を 回して

もう いい から 押し倒して キス しちゃ って ~!

( キョン ) キ …

う う っ …

くっ …

待て こら !

いろいろ はしょり すぎ だ ぞ

… って か なんで こんな シーン が ある ?

なんだ これ は ?

ぬれ 場 よ ぬれ 場

時間 またぎ に は こういう の を 入れて おく もん よ

アホ か !

夜 9 時 から 始まる 2 時間 ドラマ か !

古泉 も 何 乗り気な 顔 して や がん だ !

こんな もの が 上映 さ れたら 次の 日 から お前 の ゲタ 箱 に は

100 単位 で 呪 詛 ( じゅ そ ) の 手紙 が 舞い込む ぞ !

俺 だって 送る !

( 鶴屋 ) ハハハハ … み くる おかし …

( キョン ) おかしく い ない と 言い たい ところ だ が

確かに おかしい

目 が 潤み っぱなし で ほお も 染め っぱなし だ し

おまけに 古泉 に さ れる が まま に なって る

ハッ 面白く ない !

古泉 君 あたし なんか 頭 重い のれ す …

( キョン ) まったく ど っか で 薬 でも 盛ら れた んじゃ …

あっ !

エヘッ あっ …

ごめん み くる の ジュース に 甘酒 混ぜ といた の

そし たら 演技 に 幅 が 出る かも って 言わ れて さ

そんな もん 黙って 混入 する な !

いい じゃ ん 今 のみ くるちゃ ん すごく 色っぽい わ よ

いい から キス し なさい ! もちろん マウス トゥ マウス で !

やめろ 古泉 !

監督 僕 に は 荷 が 重 すぎ ます よ

それ に 朝比奈 さん は もう 限界 の ようです

あたし なら 大丈夫 れ すよ …

は あ ~ しょうがない わ ね

( み くる ) あっ …

もう 甘酒 くらい で そんなに 酔っ払って どう する の ?

( キョン ) 飲ま せた の は お前 だろう が !

ほら しゃ きっと し なさい

あっ !

そんな リアクション じゃ ダメ よ

こうして 頭 を たたか れたら

背筋 を ピーン と 伸ばす くらい の こと は し ない と

じゃあ もう 一 度 練習

( 頭 を たたく 音 ) ( キョン ) う う …

くっ …

ひ っ !

( キョン ) やめろ

何 が 練習 だ !

それ を 映画 の どこ に 使おう って んだ !

何 よ 止め ないで よ

どこ に 使う か なんて いちいち あんた に 言う 必要 は ない わ

どうせ 何も 考えて ない んだろう が

適当な こと 言って んじゃ ねえ よ

何 決めつけて ん の よ

映画 の 中身 を 知ら ない くせ に 勝手な こと 言う んじゃ ない わ よ !

お前 こそ 勝手な こと 言って

朝比奈 さん を たたいて る だけ だろう が !

そんな 権利 お前 に は ねえ !

うるさい わ ね ! あんた に 何 が 分かる って いう の よ !

これ も あたし の 映画 に とって は 大事な 約束 事 の 一 つ な の !

誰 と の 約束 だ それ は ? つまら ん !

朝比奈 さん は お前 の オモチャ じゃ ねえ ぞ !

あたし が 決めた の !

み くる ちゃん は あたし の オモチャ な の !

くっ !

ハッ !

あっ …

あっ …

う っ …

あっ …

( ハルヒ ) な っ … 何 よ ! 何 が 気 に 入ら ない って いう の よ !

あんた は 言わ れた こと して れば いい の !

あたし は 団長 で ! 監督 で …

とにかく 反抗 は 許さ ない から !

くっ … う う …

離せ 古泉 ! 動物 でも 人間 でも

言って 聞か ない ヤツ は 殴って でも しつけて やる べきな んだ !

でないと こいつ は

一生 誰 から も 避け られる ような アホ に な っち まう んだ !

( み くる ) やめて くら さ ~ い ! ( キョン ) う っ …

ケンカ は ダメな のれ す で ない と …

ああ これ 禁 則 でした あ ~

( 鶴屋 ) キョン 君 ごめん 調子 に 乗り すぎた よ

み くる の こと は ご 心配 なく

後 で 送る か 泊めて く から

あなた は もっと 冷静な 人 だ と 思って い ました が …

( キョン ) 俺 も その つもり だった さ

閉鎖 空間 は 出て い ない ようです

涼 宮 さん の 無意識 は 自制 して くれた ようです ね

( キョン ) よかった な 出番 が 減って

( 古泉 ) ところで これ から

つきあって もらい たい ところ が ある のです が

イヤだ と 言ったら ?

( 古泉 ) お 時間 は 取ら せ ませ ん よ

( 古泉 ) 涼 宮 さん の 昨日 の 言葉 を 覚えて い ます か ?

( キョン ) あんな 妄言 の 数々 を いちいち 覚えて られる か

( 古泉 ) これ を 見れば 思い出し ます よ

今朝 に は もう この 状態 だった そうです

誰 か に ペンキ でも 塗ら れた の か ?

これ ら の 羽 は 間違い なく 彼ら の 自 毛 です よ

昨日 の 銃撃 が よほど 恐怖 だった んだ な

仮に そう だった と して 本当に こう なる と 思い ます か ?

( キョン ) フンッ 分かって る さ

( ハルヒ ) できれば 全部 白い ハト に し たい んだ けど

この際 どんな 色 でも 目 を つむる わ

( キョン ) つむって ねえ じゃ ねえ か

僕 は こう 考え ます

涼 宮 さん は 誰 か から 神 の ごとき 力 を 与え られた ―

特殊な 人間 である と

現実 と して 涼 宮 さん も この 世界 の 一部 である こと が

その 傍証 に なる と 思い ます

やぶ から 棒 に なんだ ?

それ に お前

以前 “ ハルヒ は 神 だ ” と か 言わ なかった か ?

はて そうでした か ?

( キョン ) ふざけ ん な !

冗談 です よ

涼 宮 さん は 世界 を 構築 する 者 であり 同時に 破壊 する 者 で も あり ます

もしかしたら 我々 の この 現実 は 失敗 作 な の かも しれ ない

その 失敗 した 世界 を 修正 する 使命 を 持った 者 が

涼 宮 ハルヒ と いう 存在 な の かも しれ ない

( キョン ) 言って ろ !

( 古泉 ) と なれば 間違って いる の は

今 まで 涼 宮 さん が 行使 して きた 力 の 痕跡 を

ことごとく なかった こと に して きた 我々 かも しれ ませ ん

( キョン ) フンッ それ が どうした ?

( 古泉 ) 問題 は 間違った 側 に いる 我々 です

世界 が 涼 宮 さん に よって 正しい 形 に 再 構築 さ れた 時

我々 は 果たして

その 世界 の 一部 に なる こと が できる でしょう か ?

それとも バグ と して 排除 さ れて しまう のでしょう か ?

( キョン ) 知ら ん

ただ 僕 は 今 の この 世界 が 割と 好きな んです

はるか 昔 から 今に 至る まで

たくさんの 人間 が 積み上げて きた ―

もろもろ の 上 に 成り立って いる この 世界 の 形 を 崩し たく ない のです

だからこそ 僕たち は 涼 宮 さん を なんとか しよう と して いる のです

この 世界 に それ ほど の 価値 が ある の か ね ?

おや ? あなた も そう 思った から こそ

閉鎖 空間 から 戻って きた と 考えて いた のです が

違い ました か ?

フンッ

さあ どう だった かな ?

柄 に も ない こと を 言って しまい ました ね

まるで 自分 たち が

世界 を 守って いる と でも いう ような 言いぐさ でした

失礼 を

( 古泉 ) どうも 今 の 涼 宮 さん は イライラ する こと より

しょんぼり する こと に 忙しい ようです

( キョン ) ほう なんで かな ?

( 古泉 ) 分かって おら れる はずです が … なら 説明 し ましょう

涼 宮 さん は あなた だけ は 何 が あろう と

自分 の 味方 を する と 思って いた のです

いろいろ 文句 を つけ つつ も

あなた だけ は 許して くれる だろう と ね

( キョン ) あいつ を 許せる の は とうに 殉教 した 聖人 くらい だ

( 古泉 ) 涼 宮 さん に 元気 を 出す ように 言って もらえ ませ ん かね ?

このまま 気持ち が 沈み 続ける と 閉鎖 空間 と は 別の

もっと ひどい 事態 が 起こり そうな ので

ネガティブな 涼 宮 さん が

世界 に 対して どのように 干渉 する の か

想像 も つき ませ ん し

( キョン ) だ から あいつ を 慰めろ って の か ?

( 古泉 ) 元 の さ や に 戻って くれれば いい んです

( キョン ) 元 も 何も 俺 は そんな さ や に 納まって いた こと なんて ない ぞ

( 古泉 ) はて …

あなた の 頭 も 冷えた 頃合い だ と 思って いた のです が

見込み 違い でした か

( キョン ) 昨日 俺 が カッカ きち まった の は

朝比奈 さん へ の 暴 虐 を 見かねた 俺 の 善良なる 心 が そう さ せた

… と も 限ら ない

カルシウム が 不足 して た だけ な の かも な

昨日 の 晩 牛乳 1 リットル ほど 飲んで 寝て 起きたら

不思議 と おさまって た から な

プラシーボ 効果 かも しれ ない が …

( 谷口 ) 何 が 映画 だ 行 って 損した

( 国 木田 ) まあまあ

彼 ホント は もっと 涼 宮 さん たち と 遊び たかった んだ よ

他の 予定 を キャンセル まで して ね

言う な バカ !

とにかく だ 俺 は もう あんな くだらない こと に は

一切 関わら ん から な !

映画 だ と ? フンッ

どうせ ゴミ みたいな もん に なる 決まって る ぜ

お前 に だけ は 言わ れ たく ない ぜ

( キョン ) そんな こと は 言わ れ なくて も 想像 が ついて る

しかし だ それ を お前 に 言わ れる の は 腹 が 立つ

少なくとも ハルヒ は 文化 祭 に 向けて 行動 を 起こして る

関わろう と して る

対して お前 は どう だ ?

どんなに くだら ん もの でも ここ で 文句 言って る お前 より

作って る ハルヒ の ほう が はるかに マシ だ !

まったく ムシャクシャ する ぜ !

さて ムシャクシャ する の は なんで かな ?

俺 に も ついに

映画 に 懸ける 情熱 なんて もの が でき ち まった の か ?

どうした の さ キョン ?

涼 宮 さん も 機 嫌悪 そう だし なんか あった の ?

( 谷口 ) 痴話 ゲンカ じゃ ねえ の

フンッ

( キョン ) ああ そう か 俺 も ハルヒ の 言う が まま に へ い こらして は

ブツブツ 言って る だけ だ

俺 が ムシャクシャ する の は つまり

谷口 の 言った こと に 腹 を 立てて る 俺 自身 も

谷口 と 何も 変わら ん こと に …

( キョン ) クソ !

( キョン ) 谷口 の ゲロハゲ 野郎 !

お前 の せい で 変な こと に 気 付 いち まった じゃ ねえ か

クソ !

後 で 後悔 し そうな こと を し たく なって きた じゃ ねえ か

クソ ! クソ !

あっ !

おい ハルヒ

何 よ ?

この 映画 は 絶対 成功 さ せよう

当然 よ

あたし が 監督 する んだ から ね 成功 は 約束 さ れて る の

あんた に 言わ れる まで も ない わ よ

( キョン ) なんちゅう 単純 さ だ

まあ 元気 の ない ハルヒ なんて 不気味な もの を 見る くらい なら

( キョン ) この ほう が マシ だ ( ハルヒ ) いっ くわ よ ~!

もう 少し 他 に 言い よう は なかった のです か ?

すま ん

元 に 戻った と いう より 更に パワフルに なって ます よ

すま ん

これ で は 隠し よう が あり ませ ん ね

なんて 都合 が いい の かしら ! 桜 の 画 が 欲しい なって 思って た の よ

すばらしい タイミング の 異常 気象 ね

はい ! そこ で 決め ポーズ !

えっ ? え ~?

お っ そうだ ! 猫 を 捕まえ ましょう

猫 ?

魔女 に は 使い 魔 が いる の よ 猫 が 一 番 しっくり くるわ

ど っか に 黒い 猫 落ちて ない ?

長門 の 初期 設定 は 悪い 宇宙 人 じゃ なかった の か ?

いい から 猫 よ !

あたし の イメージ で は そう なって る の よ

ねえ 有希 野良 猫 で いい から

どこ か 集まって る ような 場所 知ら ない ?

♪~

~♪


Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 23 suzumiya|haruhi||yuuutsu

( ハルヒ ) アハハ …

( キョン ) ん っ   ああ …

は あ …

( ハルヒ ) 到着 ! |とうちゃく

( キョン ) うん ?

これ は つまり “ 入る な ” って こと じゃ ねえ か ? |||はいる||||||

小学生 でも こんな ところ を 撮影 場所 に は 選ば ない ぜ しょうがくせい|||||さつえい|ばしょ|||えらば||

よほど の アホ を 除いて な ||||のぞいて|

( ハルヒ ) 何 して ん の ? ( キョン ) うん ? |なん|||||

( ハルヒ ) さっさと 乗り越え なさい よ ||のりこえ||

( キョン ) こいつ が よほど の アホ である こと を 忘れて いた |||||||||わすれて|

( ハルヒ ) み くる ちゃん も 早く ( み くる ) えっ ? |||||はやく|||

( 鶴屋 ( つる や )) アハハッ つるや|||

( 古泉 ( こい ずみ )) 乗り越える に は ちょっと この 柵 は 背 が 高い で すね こいずみ|||のりこえる|||||さく||せ||たかい|| (Koizumi) This fence is a little tall to get over.

そう 思い ませ ん か ? |おもい|||

( キョン ) うん ?

( キョン ) うわ っ !

( 国 木田 ( くに き だ )) へえ 古く なって いた んだ ね くに|きた|||||ふるく||||

( 谷口 ( たに ぐち )) ここ で カッパ 役 でも やれ って か ? たにくち||||||やく||||

( 鶴屋 ) 昔 は この 池 柵 なんか なくて さ つるや|むかし|||いけ|さく|||

よく はまった よ I'm addicted to it

( キョン ) みんな おおらかな 性格 で 助かる |||せいかく||たすかる

この シーン は ね |しーん||

いよいよ ミクル が 窮地 に 立た さ れて いる ところ な わけ |||きゅうち||たた||||||

青 目 ビーム は ユキ に 封じ られちゃ った の よ あお|め|||ゆき||ほうじ||||

うん いい 感じ だ わ ||かんじ||

( ハルヒ ) あんた これ 持って て ( 谷口 ) は あ ? |||もって||たにくち||

( ハルヒ ) み くるちゃ ん 準備 は いい わ ね ? ||||じゅんび||||

( み くる ) はい … ( ハルヒ ) 声 が 小さい ! ||||こえ||ちいさい

( み くる ) はい ! ( キョン ) お 気持ち 察し ます |||||きもち|さっし|

( ハルヒ ) じゃあ いく わ よ よ ~ い アクション ! |||||||あくしょん

( み くる ) ここ … こけ っ こんな こと で は あたし は めげ ない のです !

悪い 宇宙 人 の ユキ さん ! わるい|うちゅう|じん||ゆき|

し … 神妙に 地球 から … |しんみょうに|ちきゅう|

立ち去り なさ ~ い ! ( ハルヒ ) カット ~! たちさり|な さ|||かっと Don't leave! (Haruhi) Cut ~!

( 長門 ( な が と )) 彼 に は 貴重な 価値 が ある のだ ながと||||かれ|||きちょうな|かち|||

その 一環 と して まず 地球 を 侵略 する |いっかん||||ちきゅう||しんりゃく|

( ハルヒ ) カ ~ ット !

( み くる ) そ っ そんな こと は させ ない のです この 命 に 代えて でも ! |||||||さ せ||||いのち||かえて|

( ハルヒ ) カ ~ ット !

( み くる ) は あ ~

( ハルヒ ) だんだん 気分 が 出て きた じゃ ない その 調子 よ ! ||きぶん||でて|||||ちょうし|

それ から み くる ちゃん ちょっと こっち 来て |||||||きて

( み くる ) はい ?

( キョン ) さて ご 近所 の ウワサ の ネタ に なる 前 に |||きんじょ||||ねた|||ぜん|

さっさと 引き揚げ られる と いい んだ が … |ひきあげ|||||

最近 の ビデオ って こんなん ? ふ ~ ん さいきん||びでお||||

これ に み くる の コッパ な 映像 が いっぱいな の ? |||||||えいぞう|||

ウフフ … アハハ …

( キョン ) 笑い ご っちゃ ない この 精神 的 ダメージ が 高じて |わらい|||||せいしん|てき|だめーじ||こうじて

朝比奈 ( あさひ な ) さん が 登校 拒否 に でも なったら どう する んです あさひな|||||とうこう|きょひ||||||

( ハルヒ ) お 待た せ 本格 的な の は これ から よ ||また||ほんかく|てきな||||| (Haruhi) Please wait. The full-scale is about to begin.

ほら 見なさ い ! |みなさ|

( キョン ) おいおい !  これ は なんて 悪夢 だ |||||あくむ|

また 昨日 の あれ を 繰り返そう って の か ? |きのう||||くりかえそう|||

さあ み くるちゃ ん その ミラクルミクルアイ R から ||||||r|

なんでも いい わ

不思議な もの を 出して 攻撃 し なさい ! ふしぎな|||だして|こうげき|| Put out something strange and attack!

( キョン ) あっ ! ( み くる ) うわ ~!

( み くる ) な … 長門 さん !  ひ ゃ ~! |||ながと|||

( ハルヒ ) ちょっと 有希 ( ゆき )! ||ゆうき|

あなた 魔法使い な の よ ! |まほうつかい|||

こんな とこ で プロレス して も … |||ぷろれす||

まあ これ でも いい か

売り に なり そう ね うり||||

キョン ちゃん と 撮って ! |||とって

せっかく の 有希 の アイデア な んだ から ! ||ゆうき||あいであ|||

( キョン ) アイデア じゃ ない って ! |あいであ|||

し … しかし これ は きわどい

いや 決して そんな もの を 撮る つもりじゃ … |けっして||||とる|

目標 を センター に 入れて 録画 スイッチ … いや ダメ だって ! もくひょう||せんたー||いれて|ろくが|すいっち||だめ| Put the goal in the center and the recording switch ... No!

いや ダメダメ … ( 発射 音 ) ||はっしゃ|おと

( 一同 ) うん ? いちどう|

( キョン ) あっ ( み くる ) う う …

地球 から 立ち去り なさ ~ い ! ちきゅう||たちさり|な さ|

あ ~ また コンタクト なく しちゃ った ||こんたくと|||

うかつ   レーザー は 拡散 し |れーざー||かくさん|

無害 化 する ように 設定 した むがい|か|||せってい|

今度 は 超 振動 性 分子 カッター こんど||ちょう|しんどう|せい|ぶんし|かったー This time, a super-vibrating molecular cutter

( み くる ・ キョン ) あっ !

モノフィラメント みたいな もの です ね

あの 今度 は あたし に 何 を その … 注入 した んです か ? |こんど||||なん|||ちゅうにゅう||| What did you inject into me this time?

次元 振動 周期 を 位相 変換 し じげん|しんどう|しゅうき||いそう|へんかん| Dimensional vibration period is phase-converted

重力 波 に 置き換える 作用 を 持つ 力 場 を じゅうりょく|なみ||おきかえる|さよう||もつ|ちから|じょう| A force field that has the effect of replacing gravitational waves

体 表面 に 発生 さ せた からだ|ひょうめん||はっせい||

なるほど

ひとまず は それ で 対処 した わけです ね ||||たいしょ|||

( キョン ) さっぱり 分から ん ||わから|

フェンス の 件 は 老朽 化 と いう こと で ふぇんす||けん||ろうきゅう|か||||

皆さん 納得 して いる ようです し みなさん|なっとく||||

何より 大事に 至らなくて 幸いでした なにより|だいじに|いたらなくて|さいわいでした I was fortunate that it didn't matter above all.

しかし どう する よ このまま 撮影 を 続けたら |||||さつえい||つづけたら

なんだか 惨事 を 生む ような 気 が する ぞ |さんじ||うむ||き|||

ただ 中止 する の も まま なり ませ ん ね |ちゅうし||||||||

我々 が 強引に 撮影 を 拒否 する と 涼 宮 ( すずみ や ) さん は どう なり ます ? われわれ||ごういんに|さつえい||きょひ|||りょう|みや|||||||

さあ な

もちろん 暴れ だす でしょう |あばれ|| Of course it will start rampaging

少なくとも 閉鎖 空間 の 神 人 ( しんじん ) は すくなくとも|へいさ|くうかん||かみ|じん|| At least the gods in the closed space

恐らく 涼 宮 さん は 今 の 状況 が 楽しくて しかたがない のです よ おそらく|りょう|みや|||いま||じょうきょう||たのしくて|||

まさに 神 の ように 振る舞え ます から ね |かみ|||ふるまえ|||

涼 宮 さん は 映画 と いう 媒体 を 利用 して りょう|みや|||えいが|||ばいたい||りよう|

一 つ の 世界 を 再 構築 しよう と して いる のです ひと|||せかい||さい|こうちく|||||

( キョン ) つくづく 自己 中 な ヤツ だ ||じこ|なか||やつ|

もちろん 涼 宮 さん に そんな 自覚 は ない でしょう |りょう|みや||||じかく|||

あくまで フィクション の 世界 を 作って いる つもりです |ふぃくしょん||せかい||つくって||

ただ その 熱中 の あまり ||ねっちゅう||

無意識に 現実 世界 に 影響 を 及ぼして いる のだ と 考え られ ます むいしきに|げんじつ|せかい||えいきょう||およぼして||||かんがえ||

( キョン ) あくまで フィクション ||ふぃくしょん

どっち に して も バッドエンド かよ

それ でも どちら か を 選ば ない と いけない のだ と したら |||||えらば||||||

僕 は 続行 を 選び ます ね ぼく||ぞっこう||えらび||

朝比奈 さん が スーパーウーマン に な っち まって も か ? あさひな|||||||||

今回 の こと は 神 人 に 比べる と 小規模です こんかい||||かみ|じん||くらべる||しょうきぼです

世界 が ゼロ から やり 直し に なる こと に 比べたら せかい|||||なおし|||||くらべたら

単発 的な 異常 現象 を なんとか する ほう が たんぱつ|てきな|いじょう|げんしょう||||| It is better to manage the one-shot abnormal phenomenon

簡単な ような 気 が し ませ ん か ? かんたんな||き|||||

は あ ~

どう 考えて も どっち も どっち だ |かんがえて|||||

ハルヒ を 後ろ から ぶん 殴って ||うしろ|||なぐって

文化 祭 が 終わる まで 気絶 さ せて おくって の は どう だ ? ぶんか|さい||おわる||きぜつ|||||||

恐れ多い こと です おそれおおい||

あなた が 全 責任 を 負って くれる のならば ||ぜん|せきにん||おって||

止め は し ませ ん が とどめ||||| There is no stop

う う っ ん …

ん ~ 俺 の 双 肩 に 世界 は 重 すぎる な |おれ||そう|かた||せかい||おも||

( み くる ) あっ … あたし なら 大丈夫です |||||だいじょうぶです

なんとか 乗り切って みせ ます から |のりきって||| I'll manage to survive

( キョン ) あっ …

献身 的 精神 痛み 入り ます けんしん|てき|せいしん|いたみ|はいり| Devoted spirit pain

( ハルヒ ) あなた たち の 役 は これ よ ||||やく|||

つまり ね ミクル は 正義 の 味方 だ から ||||せいぎ||みかた||

一般 人 に は 手 を 出せ ない わけ いっぱん|じん|||て||だせ|| Why can't we reach out to the general public?

ユキ は そこ を 突いて ゆき||||ついて Yuki pokes there

一般 人 を 魔法 で 操作 して 襲わ せる の いっぱん|じん||まほう||そうさ||おそわ|| To attack ordinary people by magically manipulating them

で … ミクル は 抵抗 でき ず に ボロボロ に なっちゃ う の よ |||ていこう||||ぼろぼろ|||||

ウフフ … み くる は ボロボロ か ||||ぼろぼろ|

手始め に み くる ちゃん を 池 に たたき込み なさい ! てはじめ||||||いけ||たたきこみ|

え ~ っ !

( 谷口 ) おいおい この 池 に かよ ( 鶴屋 ) ハハハハ … たにくち|||いけ|||つるや|

( 谷口 ) ぬるい かも しれん が もう 秋 だ ぜ たにくち||||||あき||

水 だって お世辞 に も キレイ と は 言え ねえ が … すい||おせじ||||||いえ|| Even if water is flattering, it can't be said to be beautiful ...

す っ す っ 涼 宮 さん せめて 温水 プール と か … ||||りょう|みや|||おんすい|ぷーる||

確かに 過酷な 撮影 よ ね たしかに|かこくな|さつえい||

でも ね み くる ちゃん 目指す リアリズム の ため に は |||||めざす|||||

どうしても 今 この 犠牲 を 払わ なければ いけない の よ |いま||ぎせい||はらわ||||

それ に これ は み くる ちゃん が 乗り越え ない と いけない ― ||||||||のりこえ|||

壁 で も ある の よ かべ|||||

女優 と して 大きく ステップ アップ する チャンス な の よ じょゆう|||おおきく|すてっぷ|あっぷ||ちゃんす|||

分かった ? わかった

さあ 準備 して ! |じゅんび|

おい !

う っ …

ああ … ああ …

あっ … あっ …

あ … あの …

あたし やり ます !

み くる ちゃん いい !

それ で こそ あたし の 選んだ 団員 よ ! |||||えらんだ|だんいん|

( 鶴屋 ) ハハハ … ハハハ … ( み くる ) う う ~ つるや||||||

( キョン ) 朝比奈 さん … |あさひな|

( ハルヒ ) せ ~ の はい ! ( 谷口 ) うわ ~! ||||たにくち|

( 溺れる 音 ) おぼれる|おと

( キョン ) 南 無 三 ! ( 古泉 ) どう し ました ? |みなみ|む|みっ|こいずみ|||

( 古泉 ) つかまって ください ! こいずみ||

う っ …

( せき込み ) せきこみ

( キョン ) まったく … ムダ な もの は 露天 商 を 開ける くらい ある くせ に ||むだ||||ろてん|しょう||あける||||

タオル 一 枚 の 用意 も ない と は どういう こった ? たおる|ひと|まい||ようい||||||

( ハルヒ ) うん   出会い の シーン と して は まあまあ ね ||であい||しーん|||||

イツキ と ミクル の ぎこちない 感じ が よく 出て る |||||かんじ|||でて|

( キョン ) そう か ?  俺 に は ふだん どおり の 古泉 に しか 見え なかった が … |||おれ||||||こいずみ|||みえ||

次 は 第 2 段階 ね ミクル を 救い出した イツキ が つぎ||だい|だんかい||||すくいだした||

彼女 を 自宅 に かくまう シーン を 撮る わ よ かのじょ||じたく|||しーん||とる||

… って お前 ! それ じゃ 全然 つながら ない ぞ ! |おまえ|||ぜんぜん||| … That ’s you! That won't connect at all!

長門 や 谷口 たち は どう なった んだ ? ながと||たにくち||||| What happened to Nagato and Taniguchi?

いくら なんでも 描写 なし じゃ 観客 は 納得 し ない ぜ ||びょうしゃ|||かんきゃく||なっとく||| The audience wouldn't be convinced without a depiction of anything.

うるさい わ ね

そんな の 撮ら なくて も ちゃんと 見て る 人 に は 伝わる の ! ||とら||||みて||じん|||つたわる|

( キョン ) この 野郎 ! ||やろう

ただ 朝比奈 さん を 池 に 突き落とし たかった だけ か ! |あさひな|||いけ||つきおとし|||

あの さ あたし の 家 が すぐ 近く な んだ けど さ ||||いえ|||ちかく||||

み くる が 風邪 ひき そうだ から 着替え させて やって も いい かな ? |||かぜ||そう だ||きがえ|さ せて||||

ちょうど いい わ 鶴 ( つる ) ちゃん の 部屋 を 貸して くん ない ? |||つる||||へや||かして||

そこ で イツキ と ミクル が 仲よく して る ところ を 撮る の ||||||なかよく|||||とる|

うん いい よ   使って 使って |||つかって|つかって

えっ と 僕たち は ? ||ぼくたち|

あんた たち は もう 帰って いい わ ||||かえって||

( 谷口 ・ 国 木田 ) えっ ? ( キョン ) よかった な   お 役 御免 で たにくち|くに|きた||||||やく|ごめん| (Taniguchi / Kunikita) What? (Kyon) I'm glad I'm sorry for your role

( キョン ) お前 ら ハルヒ 的に は |おまえ|||てきに|

使用 済み BB 弾 くらい の 価値 しか ない みたいだ ぞ しよう|すみ|bb|たま|||かち|||| It seems that it is only worth as much as a used BB bullet.

でも それ は 結構 幸せな こと な んだ ぜ |||けっこう|しあわせな||||

( 鶴屋 ) は ~ い これ あたし ん ち ( キョン ) デカ い ! つるや|||||||||

( キョン ) どんな 悪い こと を すれば こんな 家 に 住める んだ ? ||わるい|||||いえ||すめる| (Kyon) What kind of bad things can I do to live in a house like this?

( 鶴屋 ) は ~ い これ あたし の 部屋 つるや||||||へや

み くる が お 風呂 上がる まで ここ で 待って て ||||ふろ|あがる||||まって|

( キョン ) なんか 俺 の 部屋 が 猫 用 の 寝室 に 思える ね ||おれ||へや||ねこ|よう||しんしつ||おもえる|

( ハルヒ ) いい 部屋 ね ロケーション は バッチリ だ わ ||へや||||||

そう だ 鶴 ちゃん ちょっと 思いついた んだ けど … ||つる|||おもいついた||

うん ?

フフッ !  アハハ … ハハハハ …

( キョン ) うん ?

( 鶴屋 ) みんな お 待た せ ~! つるや|||また|

( ハルヒ ) サンキュー ! |さんきゅー

( み くる ) ごめんなさい 遅く なり ました |||おそく||

( 鶴屋 ) どうぞ ~ つるや|

( キョン ) ああ っ

俺 は 今 猛烈に 理性 を 試さ れて いる ! おれ||いま|もうれつに|りせい||ためさ|| I'm fiercely testing my reason now!

朝比奈 さん その 姿 は 犯罪 です ! あさひな|||すがた||はんざい| Asahina-san, that figure is a crime!

は ~ い   これ 飲んじゃ って |||のんじゃ|

( キョン ) どうも

ありがとう ございます

( キョン ) 飲んで る さま が また リビドー 直撃 です ! |のんで||||||ちょくげき|

早速 始める わ よ ! さっそく|はじめる||

( キョン ) … って こと で 撮影 開始 ||||さつえい|かいし

まず 気絶 した フリ の 朝比奈 さん を |きぜつ||||あさひな||

お姫様 だっこ して 部屋 に 入って くる 古泉 は おひめさま|||へや||はいって||こいずみ|

なぜ か もう 敷か れて いる 布団 に 朝比奈 さん を 横たえ |||しか|||ふとん||あさひな|||よこたえ

布団 を かぶせる ふとん||

み くる ちゃん そろそろ 起きて ||||おきて

う っ … う ~ ん

( 古泉 ) 気 が 付き ました か ? こいずみ|き||つき||

はい   ええ っと ここ は ?

( 古泉 ) 僕 の 部屋 です こいずみ|ぼく||へや|

ありがとう ございます

( キョン ) やけに 色っぽい が これ は 演技 な の か ? ||いろっぽい||||えんぎ|||

( ハルヒ ) 2 人 もっと 顔 を 近づけて ! |じん||かお||ちかづけて

み くるちゃ ん 目 を 閉じて |||め||とじて

古泉 君 肩 に 手 を 回して こいずみ|きみ|かた||て||まわして

もう いい から 押し倒して キス しちゃ って ~! |||おしたおして|きす||

( キョン ) キ …

う う っ …

くっ …

待て こら ! まて|

いろいろ はしょり すぎ だ ぞ There are too many things

… って か なんで こんな シーン が ある ? ||||しーん||

なんだ これ は ?

ぬれ 場 よ ぬれ 場 |じょう|||じょう

時間 またぎ に は こういう の を 入れて おく もん よ じかん|||||||いれて||| I'll put something like this in the time span.

アホ か !

夜 9 時 から 始まる 2 時間 ドラマ か ! よ|じ||はじまる|じかん|どらま|

古泉 も 何 乗り気な 顔 して や がん だ ! こいずみ||なん|のりきな|かお|||| Koizumi also has a stubborn face and cancer!

こんな もの が 上映 さ れたら 次の 日 から お前 の ゲタ 箱 に は |||じょうえい|||つぎの|ひ||おまえ||げた|はこ|| If something like this is shown, it will be in your geta box from the next day.

100 単位 で 呪 詛 ( じゅ そ ) の 手紙 が 舞い込む ぞ ! たんい||まじない|のろ||||てがみ||まいこむ| A letter of the curse (Juso) will come in every 100 units!

俺 だって 送る ! おれ||おくる

( 鶴屋 ) ハハハハ … み くる おかし … つるや||||

( キョン ) おかしく い ない と 言い たい ところ だ が |||||いい||||

確かに おかしい たしかに|

目 が 潤み っぱなし で ほお も 染め っぱなし だ し め||うるみ|||||しめ|||

おまけに 古泉 に さ れる が まま に なって る |こいずみ|||||||| In addition, it is left as it is touched by Koizumi.

ハッ 面白く ない ! |おもしろく|

古泉 君 あたし なんか 頭 重い のれ す … こいずみ|きみ|||あたま|おもい||

( キョン ) まったく ど っか で 薬 でも 盛ら れた んじゃ … |||||くすり||もら||

あっ !

エヘッ   あっ …

ごめん   み くる の ジュース に 甘酒 混ぜ といた の ||||じゅーす||あまざけ|まぜ||

そし たら 演技 に 幅 が 出る かも って 言わ れて さ ||えんぎ||はば||でる|||いわ|| Then I was told that there might be a wider range of acting.

そんな もん 黙って 混入 する な ! ||だまって|こんにゅう||

いい じゃ ん   今 のみ くるちゃ ん すごく 色っぽい わ よ |||いま|||||いろっぽい||

いい から キス し なさい ! もちろん マウス トゥ マウス で ! ||きす||||まうす||まうす|

やめろ 古泉 ! |こいずみ

監督 僕 に は 荷 が 重 すぎ ます よ かんとく|ぼく|||に||おも|||

それ に 朝比奈 さん は もう 限界 の ようです ||あさひな||||げんかい||

あたし なら 大丈夫 れ すよ … ||だいじょうぶ||

は あ ~ しょうがない わ ね

( み くる ) あっ …

もう 甘酒 くらい で そんなに 酔っ払って どう する の ? |あまざけ||||よっぱらって||| What do you do when you get so drunk with amazake?

( キョン ) 飲ま せた の は お前 だろう が ! |のま||||おまえ||

ほら しゃ きっと し なさい

あっ !

そんな リアクション じゃ ダメ よ |||だめ|

こうして 頭 を たたか れたら |あたま||たた か|

背筋 を ピーン と 伸ばす くらい の こと は し ない と せすじ||||のばす|||||||

じゃあ もう 一 度   練習 ||ひと|たび|れんしゅう

( 頭 を たたく 音 ) ( キョン ) う う … あたま|||おと|||

くっ …

ひ っ !

( キョン ) やめろ

何 が 練習 だ ! なん||れんしゅう|

それ を 映画 の どこ に 使おう って んだ ! ||えいが||||つかおう||

何 よ 止め ないで よ なん||とどめ||

どこ に 使う か なんて いちいち あんた に 言う 必要 は ない わ ||つかう||||||いう|ひつよう|||

どうせ 何も 考えて ない んだろう が |なにも|かんがえて|||

適当な こと 言って んじゃ ねえ よ てきとうな||いって|||

何 決めつけて ん の よ なん|きめつけて|||

映画 の 中身 を 知ら ない くせ に 勝手な こと 言う んじゃ ない わ よ ! えいが||なかみ||しら||||かってな||いう||||

お前 こそ 勝手な こと 言って おまえ||かってな||いって

朝比奈 さん を たたいて る だけ だろう が ! あさひな|||||||

そんな 権利 お前 に は ねえ ! |けんり|おまえ|||

うるさい わ ね ! あんた に 何 が 分かる って いう の よ ! |||||なん||わかる||||

これ も あたし の 映画 に とって は 大事な 約束 事 の 一 つ な の ! ||||えいが||||だいじな|やくそく|こと||ひと|||

誰 と の 約束 だ それ は ? つまら ん ! だれ|||やくそく|||||

朝比奈 さん は お前 の オモチャ じゃ ねえ ぞ ! あさひな|||おまえ||おもちゃ|||

あたし が 決めた の ! ||きめた|

み くる ちゃん は あたし の オモチャ な の ! ||||||おもちゃ||

くっ !

ハッ !

あっ …

あっ …

う っ …

あっ …

( ハルヒ ) な っ … 何 よ ! 何 が 気 に 入ら ない って いう の よ ! |||なん||なん||き||はいら||||| (Haruhi) What ... what! What do you dislike!

あんた は 言わ れた こと して れば いい の ! ||いわ||||||

あたし は 団長 で !  監督 で … ||だんちょう||かんとく|

とにかく 反抗 は 許さ ない から ! |はんこう||ゆるさ||

くっ … う う …

離せ 古泉 ! 動物 でも 人間 でも はなせ|こいずみ|どうぶつ||にんげん|

言って 聞か ない ヤツ は 殴って でも しつけて やる べきな んだ ! いって|きか||やつ||なぐって||||| If you don't ask, you should hit him and discipline him!

でないと こいつ は

一生 誰 から も 避け られる ような アホ に な っち まう んだ ! いっしょう|だれ|||さけ|||||||| Be a fool that no one can avoid for the rest of your life!

( み くる ) やめて くら さ ~ い ! ( キョン ) う っ …

ケンカ は ダメな のれ す で ない と … けんか||だめな|||||

ああ これ 禁 則 でした あ ~ ||きん|そく||

( 鶴屋 ) キョン 君 ごめん 調子 に 乗り すぎた よ つるや||きみ||ちょうし||のり||

み くる の こと は ご 心配 なく ||||||しんぱい|

後 で 送る か 泊めて く から あと||おくる||とめて||

あなた は もっと 冷静な 人 だ と 思って い ました が … |||れいせいな|じん|||おもって|||

( キョン ) 俺 も その つもり だった さ |おれ|||||

閉鎖 空間 は 出て い ない ようです へいさ|くうかん||でて|||

涼 宮 さん の 無意識 は 自制 して くれた ようです ね りょう|みや|||むいしき||じせい|||| It seems that Mr. Ryomiya's unconsciousness has been restrained.

( キョン ) よかった な   出番 が 減って |||でばん||へって

( 古泉 ) ところで これ から こいずみ|||

つきあって もらい たい ところ が ある のです が

イヤだ と 言ったら ? いやだ||いったら

( 古泉 ) お 時間 は 取ら せ ませ ん よ こいずみ||じかん||とら|||| (Koizumi) Don't take your time

( 古泉 ) 涼 宮 さん の 昨日 の 言葉 を 覚えて い ます か ? こいずみ|りょう|みや|||きのう||ことば||おぼえて|||

( キョン ) あんな 妄言 の 数々 を いちいち 覚えて られる か ||ぼうげん||かずかず|||おぼえて||

( 古泉 ) これ を 見れば 思い出し ます よ こいずみ|||みれば|おもいだし||

今朝 に は もう この 状態 だった そうです けさ|||||じょうたい||そう です

誰 か に ペンキ でも 塗ら れた の か ? だれ|||ぺんき||ぬら|||

これ ら の 羽 は 間違い なく 彼ら の 自 毛 です よ |||はね||まちがい||かれら||じ|け|| These wings are definitely their own hair

昨日 の 銃撃 が よほど 恐怖 だった んだ な きのう||じゅうげき|||きょうふ|||

仮に そう だった と して 本当に こう なる と 思い ます か ? かりに|||||ほんとうに||||おもい||

( キョン ) フンッ 分かって る さ ||わかって||

( ハルヒ ) できれば 全部 白い ハト に し たい んだ けど ||ぜんぶ|しろい|はと|||||

この際 どんな 色 でも 目 を つむる わ このさい||いろ||め|||

( キョン ) つむって ねえ じゃ ねえ か

僕 は こう 考え ます ぼく|||かんがえ|

涼 宮 さん は 誰 か から 神 の ごとき 力 を 与え られた ― りょう|みや|||だれ|||かみ|||ちから||あたえ| Mr. Ryomiya was given the power of God by someone-

特殊な 人間 である と とくしゅな|にんげん||

現実 と して 涼 宮 さん も この 世界 の 一部 である こと が げんじつ|||りょう|みや||||せかい||いちぶ|||

その 傍証 に なる と 思い ます |ぼうしょう||||おもい|

やぶ から 棒 に なんだ ? ||ぼう|| What's from a yabu to a stick?

それ に お前 ||おまえ

以前 “ ハルヒ は 神 だ ” と か 言わ なかった か ? いぜん|||かみ||||いわ||

はて そうでした か ? |そう でした|

( キョン ) ふざけ ん な !

冗談 です よ じょうだん||

涼 宮 さん は 世界 を 構築 する 者 であり 同時に 破壊 する 者 で も あり ます りょう|みや|||せかい||こうちく||もの||どうじに|はかい||もの||||

もしかしたら 我々 の この 現実 は 失敗 作 な の かも しれ ない |われわれ|||げんじつ||しっぱい|さく|||||

その 失敗 した 世界 を 修正 する 使命 を 持った 者 が |しっぱい||せかい||しゅうせい||しめい||もった|もの|

涼 宮 ハルヒ と いう 存在 な の かも しれ ない りょう|みや||||そんざい|||||

( キョン ) 言って ろ ! |いって|

( 古泉 ) と なれば 間違って いる の は こいずみ|||まちがって|||

今 まで 涼 宮 さん が 行使 して きた 力 の 痕跡 を いま||りょう|みや|||こうし|||ちから||こんせき| Traces of the force that Mr. Ryomiya has exercised so far

ことごとく なかった こと に して きた 我々 かも しれ ませ ん ||||||われわれ|||| Maybe we've done everything we didn't do

( キョン ) フンッ それ が どうした ?

( 古泉 ) 問題 は 間違った 側 に いる 我々 です こいずみ|もんだい||まちがった|がわ|||われわれ|

世界 が 涼 宮 さん に よって 正しい 形 に 再 構築 さ れた 時 せかい||りょう|みや||||ただしい|かた||さい|こうちく|||じ

我々 は 果たして われわれ||はたして

その 世界 の 一部 に なる こと が できる でしょう か ? |せかい||いちぶ|||||||

それとも バグ と して 排除 さ れて しまう のでしょう か ? ||||はいじょ|||||

( キョン ) 知ら ん |しら|

ただ 僕 は 今 の この 世界 が 割と 好きな んです |ぼく||いま|||せかい||わりと|すきな|

はるか 昔 から 今に 至る まで |むかし||いまに|いたる|

たくさんの 人間 が 積み上げて きた ― |にんげん||つみあげて|

もろもろ の 上 に 成り立って いる この 世界 の 形 を 崩し たく ない のです ||うえ||なりたって|||せかい||かた||くずし|||

だからこそ 僕たち は 涼 宮 さん を なんとか しよう と して いる のです |ぼくたち||りょう|みや||||||||

この 世界 に それ ほど の 価値 が ある の か ね ? |せかい|||||かち|||||

おや ? あなた も そう 思った から こそ ||||おもった||

閉鎖 空間 から 戻って きた と 考えて いた のです が へいさ|くうかん||もどって|||かんがえて|||

違い ました か ? ちがい||

フンッ

さあ どう だった かな ?

柄 に も ない こと を 言って しまい ました ね え||||||いって||| You said something that wasn't even on the handle.

まるで 自分 たち が |じぶん||

世界 を 守って いる と でも いう ような 言いぐさ でした せかい||まもって||||||いいぐさ| It was a saying that it was protecting the world.

失礼 を しつれい|

( 古泉 ) どうも 今 の 涼 宮 さん は イライラ する こと より こいずみ||いま||りょう|みや|||いらいら||| (Koizumi) Thank you for being frustrated by Mr. Ryomiya now.

しょんぼり する こと に 忙しい ようです ||||いそがしい|

( キョン ) ほう なんで かな ?

( 古泉 ) 分かって おら れる はずです が … なら 説明 し ましょう こいずみ|わかって||||||せつめい||

涼 宮 さん は あなた だけ は 何 が あろう と りょう|みや||||||なん||| Ryomiya-san, no matter what you are

自分 の 味方 を する と 思って いた のです じぶん||みかた||||おもって|| I thought I would be on my side

いろいろ 文句 を つけ つつ も |もんく||||

あなた だけ は 許して くれる だろう と ね |||ゆるして||||

( キョン ) あいつ を 許せる の は とうに 殉教 した 聖人 くらい だ |||ゆるせる||||じゅんきょう||せいじん|| (Kyon) Only the martyred saint can forgive him.

( 古泉 ) 涼 宮 さん に 元気 を 出す ように 言って もらえ ませ ん かね ? こいずみ|りょう|みや|||げんき||だす||いって||||

このまま 気持ち が 沈み 続ける と 閉鎖 空間 と は 別の |きもち||しずみ|つづける||へいさ|くうかん|||べつの

もっと ひどい 事態 が 起こり そうな ので ||じたい||おこり|そう な|

ネガティブな 涼 宮 さん が ねがてぃぶな|りょう|みや||

世界 に 対して どのように 干渉 する の か せかい||たいして||かんしょう|||

想像 も つき ませ ん し そうぞう|||||

( キョン ) だ から あいつ を 慰めろ って の か ? |||||なぐさめろ|||

( 古泉 ) 元 の さ や に 戻って くれれば いい んです こいずみ|もと|||||もどって|||

( キョン ) 元 も 何も 俺 は そんな さ や に 納まって いた こと なんて ない ぞ |もと||なにも|おれ||||||おさまって||||| (Kyon) I've never been in such a pod.

( 古泉 ) はて … こいずみ|

あなた の 頭 も 冷えた 頃合い だ と 思って いた のです が ||あたま||ひえた|ころあい|||おもって||| I thought it was time for your head to get cold

見込み 違い でした か みこみ|ちがい||

( キョン ) 昨日 俺 が カッカ きち まった の は |きのう|おれ||かっか||||

朝比奈 さん へ の 暴 虐 を 見かねた 俺 の 善良なる 心 が そう さ せた あさひな||||あば|ぎゃく||みかねた|おれ||ぜんりょうなる|こころ|||| I couldn't see the violence against Asahina-san, and my good heart made me so

… と も 限ら ない ||かぎら|

カルシウム が 不足 して た だけ な の かも な かるしうむ||ふそく|||||||

昨日 の 晩 牛乳 1 リットル ほど 飲んで 寝て 起きたら きのう||ばん|ぎゅうにゅう|||のんで|ねて|おきたら

不思議 と おさまって た から な ふしぎ|||||

プラシーボ 効果 かも しれ ない が … |こうか||||

( 谷口 ) 何 が 映画 だ 行 って 損した たにくち|なん||えいが||ぎょう||そんした (Taniguchi) What was the movie and I lost it

( 国 木田 ) まあまあ くに|きた|

彼 ホント は もっと 涼 宮 さん たち と 遊び たかった んだ よ かれ|ほんと|||りょう|みや||||あそび|||

他の 予定 を キャンセル まで して ね たの|よてい||きゃんせる|||

言う な バカ ! いう||ばか Don't say stupid!

とにかく だ 俺 は もう あんな くだらない こと に は ||おれ|||||||

一切 関わら ん から な ! いっさい|かかわら|||

映画 だ と ?  フンッ えいが|||

どうせ ゴミ みたいな もん に なる 決まって る ぜ |ごみ|||||きまって||

お前 に だけ は 言わ れ たく ない ぜ おまえ||||いわ||||

( キョン ) そんな こと は 言わ れ なくて も 想像 が ついて る ||||いわ||||そうぞう|||

しかし だ それ を お前 に 言わ れる の は 腹 が 立つ ||||おまえ||いわ||||はら||たつ

少なくとも ハルヒ は 文化 祭 に 向けて 行動 を 起こして る すくなくとも|||ぶんか|さい||むけて|こうどう||おこして|

関わろう と して る かかわろう|||

対して お前 は どう だ ? たいして|おまえ|||

どんなに くだら ん もの でも ここ で 文句 言って る お前 より |||||||もんく|いって||おまえ|

作って る ハルヒ の ほう が はるかに マシ だ ! つくって||||||||

まったく ムシャクシャ する ぜ ! |むしゃくしゃ||

さて ムシャクシャ する の は なんで かな ? |むしゃくしゃ|||||

俺 に も ついに おれ||| Finally to me

映画 に 懸ける 情熱 なんて もの が でき ち まった の か ? えいが||かける|じょうねつ||||||||

どうした の さ キョン ?

涼 宮 さん も 機 嫌悪 そう だし なんか あった の ? りょう|みや|||き|けんお|||||

( 谷口 ) 痴話 ゲンカ じゃ ねえ の たにくち|ちわ|げんか|||

フンッ

( キョン ) ああ そう か   俺 も ハルヒ の 言う が まま に へ い こらして は ||||おれ||||いう||||||| (Kyon) Oh yeah, I shouldn't go as Haruhi says

ブツブツ 言って る だけ だ ぶつぶつ|いって|||

俺 が ムシャクシャ する の は つまり おれ||むしゃくしゃ||||

谷口 の 言った こと に 腹 を 立てて る 俺 自身 も たにくち||いった|||はら||たてて||おれ|じしん|

谷口 と 何も 変わら ん こと に … たにくち||なにも|かわら|||

( キョン ) クソ ! |くそ

( キョン ) 谷口 の ゲロハゲ 野郎 ! |たにくち|||やろう

お前 の せい で 変な こと に 気 付 いち まった じゃ ねえ か おまえ||||へんな|||き|つき|||||

クソ ! くそ

後 で 後悔 し そうな こと を し たく なって きた じゃ ねえ か あと||こうかい||そう な|||||||||

クソ !  クソ ! くそ|くそ

あっ !

おい ハルヒ

何 よ ? なん|

この 映画 は 絶対 成功 さ せよう |えいが||ぜったい|せいこう||

当然 よ とうぜん|

あたし が 監督 する んだ から ね 成功 は 約束 さ れて る の ||かんとく|||||せいこう||やくそく||||

あんた に 言わ れる まで も ない わ よ ||いわ||||||

( キョン ) なんちゅう 単純 さ だ ||たんじゅん||

まあ 元気 の ない ハルヒ なんて 不気味な もの を 見る くらい なら |げんき|||||ぶきみな|||みる||

( キョン ) この ほう が マシ だ ( ハルヒ ) いっ くわ よ ~!

もう 少し 他 に 言い よう は なかった のです か ? |すこし|た||いい|||||

すま ん

元 に 戻った と いう より 更に パワフルに なって ます よ もと||もどった||||さらに|ぱわふるに|||

すま ん

これ で は 隠し よう が あり ませ ん ね |||かくし||||||

なんて 都合 が いい の かしら ! 桜 の 画 が 欲しい なって 思って た の よ |つごう|||||さくら||が||ほしい||おもって|||

すばらしい タイミング の 異常 気象 ね |たいみんぐ||いじょう|きしょう|

はい !  そこ で 決め ポーズ ! |||きめ|ぽーず

えっ ?  え ~?

お っ そうだ ! 猫 を 捕まえ ましょう ||そう だ|ねこ||つかまえ|

猫 ? ねこ

魔女 に は 使い 魔 が いる の よ 猫 が 一 番 しっくり くるわ まじょ|||つかい|ま|||||ねこ||ひと|ばん||

ど っか に 黒い 猫 落ちて ない ? |||くろい|ねこ|おちて|

長門 の 初期 設定 は 悪い 宇宙 人 じゃ なかった の か ? ながと||しょき|せってい||わるい|うちゅう|じん||||

いい から 猫 よ ! ||ねこ|

あたし の イメージ で は そう なって る の よ ||いめーじ|||||||

ねえ 有希 野良 猫 で いい から |ゆうき|のら|ねこ|||

どこ か 集まって る ような 場所 知ら ない ? ||あつまって|||ばしょ|しら|

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