15.2 アラゴグ - Aragog
|aragog
15.2 Aragog - Aragog
15.2 Aragog - Aragog
15.2 Aragog - Aragog
15.2 Aragog - Aragog
15.2 Aragog - Aragog
15.2 Aragog - Aragog
ロン は 何も 言わ なかった 。
||なにも|いわ|
Ron||||
身動き も し なかった 。
みうごき|||
movement|||
ハリー の すぐ 後ろ 、 地面 から 二 、 三 メート ル 上 の 一 点 に 、 目 が 釘付け に なって いる 。
|||うしろ|じめん||ふた|みっ|||うえ||ひと|てん||め||くぎづけ|||
||||ground||||meters||||one|one point||||pinned|||
顔 が 恐怖 で 土 気色 だ 。
かお||きょうふ||つち|けしき|
||fear||earth|pale color|
The face is scary and earthy.
振り返る 間 も なかった 。
ふりかえる|あいだ||
did not have|moment||didn't have
I didn't have time to look back.
カシャッカシャッ と 大きな 音 が した か と 思う と 、 何 か 長くて 毛 むくじゃ ら な もの が 、 ハリー の 体 を 鷲づかみ に して 持ち上げた 。
||おおきな|おと|||||おもう||なん||ながくて|け||||||||からだ||わしづかみ|||もちあげた
clicking||||||||||||long and|fur|muzzle|||||||body||with claws|||lifted up
Then, something long and hairy grabbed Harry's body and lifted him up.
ハリー は 逆さまに 宙吊り に なっった 。
||さかさまに|ちゅうづり||な っっ た
||upside down|upside down||became
Harry was suspended upside down in midair.
恐怖 に 囚 われ 、 もがき ながら も 、 ハリー は また 別の カシャッカシャッ と いう 音 を 聞いた 。
きょうふ||しゅう||||||||べつの||||おと||きいた
fear||captured|I|struggling||||||another|clicking sound|||||
Caught in fear, Harry heard another clanking sound as he struggled.
ロン の 足 が 宙 に 浮く の が 見え 、 ファング が クィンクィン 、 ワォンワオン 鳴き 喚 いて いる の が 聞こえた 。
||あし||ちゅう||うく|||みえ|||||なき|かん|||||きこえた
||foot||air||floating||||fang||quirky|barking||screaming|||||
He saw Ron's feet floating in the air, heard Fang whimpering and howling.
―― 次の 瞬間 、 ハリー は 暗い 木立 の 中 に サーッ と 運び込ま れた 。
つぎの|しゅんかん|||くらい|こだち||なか||||はこびこま|
|moment|||dark|grove||||suddenly||was brought|
-- The next moment, Harry was whisked away into a dark grove of trees.
逆さ 吊 り の まま 、 ハリー は 自分 を 捕らえて いる もの を 見た 。
さかさ|つり||||||じぶん||とらえて||||みた
upside down|suspension||||||himself||captured||||
While hanging upside down, Harry saw what was capturing him.
六 本 の 恐ろしく 長い 、 毛 むくじゃ ら の 脚 が 、 ザック ザック と 突き進み 、 その 前 の 二 本 の 脚 で ハリー を がっちり 挟み 、 その 上 に 黒 光り する 一 対 の 鋏 が あった 。
むっ|ほん||おそろしく|ながい|け||||あし||ざっく|ざっく||つきすすみ||ぜん||ふた|ほん||あし|||||はさみ||うえ||くろ|ひかり||ひと|たい||やっとこ||
six|||terribly|long|hair|mukujya|||legs||rustling|||pushed forward|||||||legs||||firmly|firmly trapped||||black|shining||one|a pair||scissors||
Six horribly long, hairy legs pierced Zack Zack, and the two legs in front of him firmly pinched Harry, with a pair of glowing black scissors on top.
後ろ に 、 もう 一 匹 同じ 生物 の 気配 が する 。
うしろ|||ひと|ひき|おなじ|せいぶつ||けはい||
|||one||the same|creature||presence||
Behind, there is a sign of another same creature.
ロン を 運んで いる に 違いない 。
||はこんで|||ちがいない
||carrying|||
Ron must be carrying them.
森 の 奥 へ 奥 へ と 行進 して 行く 。
しげる||おく||おく|||こうしん||いく
|||||||marching||
They march deeper and deeper into the forest.
ファング が 三 匹 め の 怪物 から 逃れよう と 、 キャンキャン 鳴き ながら 、 ジタバタ もがいて いる の が 聞こえた 。
||みっ|ひき|||かいぶつ||のがれよう|||なき||じたばた|||||きこえた
||||||monster||trying to escape||yapping|||struggling|struggling||||
I could hear Fang yelping and thrashing about, trying to escape from the third monster.
ハリー は 叫び たくて も 叫べ なかった 。
||さけび|||さけべ|
||scream|||could not shout|
Harry couldn't scream even if he wanted to.
あの 空き地 の 、 車 の ところ に 声 を 置き忘れて きた らしい 。
|あきち||くるま||||こえ||おきわすれて||
|vacant lot||||||||left behind||
It seems that he left his voice in the car in that vacant lot.
どの ぐらい の 間 、 怪物 に 挟まれて いた のだろう か 、 真っ暗闇 が 突然 薄 明るく なり 、 地面 を 覆う 木 の 葉 の 上 に 、 クモ が うじゃうじゃ いる の が 見えた 。
|||あいだ|かいぶつ||はさま れて||||まっくらやみ||とつぜん|うす|あかるく||じめん||おおう|き||は||うえ||くも||||||みえた
|||a while|monster||sandwiched between||||pitch darkness||suddenly|a little||became|ground||covers|||leaf||||||swarming||||
I wondered how long I had been trapped between the monsters, when suddenly the darkness became dim and I could see spiders hovering above the leaves that covered the ground.
首 を 捻って 見る と 、 だだっ広い 窪地 の ふち に たどり着いた の が 見える 。
くび||ねじって|みる||だだっぴろい|くぼち||||たどりついた|||みえる
neck||twisting|||very wide|depression||edge|||||
I turned my head and saw that they had reached a large hollow frame.
木 を 切り払った 窪地 の 中 を 星 明り が 照らし出し 、 ハリー が これ まで に 目 に した こと が ない 、 世にも 恐ろしい 光景 が 飛び込んで きた 。
き||きりはらった|くぼち||なか||ほし|あかり||てらしだし||||||め||||||よにも|おそろしい|こうけい||とびこんで|
tree||cut down|depression||||star|starlight||illuminated||||||||||||world's most|terrifying|terrifying sight||suddenly appeared|came
Starlight illuminates the depressions that have been cut off from trees, and Harry has never seen it before, and a terrifying sight has jumped into the world.
蜘妹 だ 。
くもいもうと|
spider sister|
It's my sister.
木 の 勢 の 上 に うじゃうじゃ して いる 細かい クモ と は モノ が 違う 。
き||ぜい||うえ|||||こまかい|くも|||もの||ちがう
tree||vigor|||||||small||||thing||different
Things are different from the small spiders that are fluttering above the trees.
馬車 馬 の ような 、 八 つ 目 の 、 八 本 脚 の 、 黒々 と した 、 毛 むくじゃ ら の 、 巨大な 蜘味 が 数 匹 。
ばしゃ|うま|||やっ||め||やっ|ほん|あし||くろぐろ|||け||||きょだいな|くもあじ||すう|ひき
carriage|horse|||||||eight||||jet black|||||||huge|spider||several|several
Horse-drawn carriage, eight-eyed, eight-legged, dark, hairy, and a few giant spicy flavors.
ハリー を 運んで きた 巨大 蜘味 の 見本 の ような の が 、 窪地 の ど真ん中 に ある 靄 の ような ドーム 型 の 蜘妹 の 巣 に 向かって 、 急な 傾斜 を 滑り 降りた 。
||はこんで||きょだい|くもあじ||みほん|||||くぼち||どまんなか|||もや|||どーむ|かた||くもいもうと||す||むかって|きゅうな|けいしゃ||すべり|おりた
||carried||huge|spider||sample|||||depression||right in the middle|||mist|||dome|dome-shaped||spider||nest|||steep|steep slope||slid|slid down
Something like the giant spicy swatch that carried Harry slid down a steep slope towards the mist-like dome-shaped spider's nest in the middle of the depression.
仲間 の 巨大 蜘妹 が 、 獲物 を 見て 興奮 し 、 鋏 を ガチャ つかせ ながら 、 その 周り に 集結 した 。
なかま||きょだい|くもいもうと||えもの||みて|こうふん||やっとこ||||||まわり||しゅうけつ|
companion|||||prey|||excitement||claws||clicking sound|clicked|||||gathered|
My fellow giant spiders, excited to see their prey, rally around it, clattering with their shears.
巨大 蜘味 が 鋏 を 放し 、 ハリー は 四 つ ん 違い に なって 地面 に 落ちた 。
きょだい|くもあじ||やっとこ||はなし|||よっ|||ちがい|||じめん||おちた
|||scissors||released|||four|||legs|||||
The giant spider let go of the scissors, and Harry fell to the ground in all four differences.
ロン も ファング も 隣 に ド サッと 落ちて きた 。
||||となり|||さっと|おちて|
||||next to|||||
Ron and Fang both fell down with a thud next to each other.
ファング は もう 鳴く こと さえ でき ず 、 黙って その 場 に すくみ 上がって いた 。
|||なく|||||だまって||じょう|||あがって|
|||could not cry|||||silently||spot||crouching down|shrunk up|
Fang could no longer even squeal, so he just stood there silently.
ロン は ハリー の 気持ち を そっくり 顔 で 表現 して いた 。
||||きもち|||かお||ひょうげん||
||||feelings||exactly|||expressed||
Ron expressed Harry's feelings with his face.
声 に なら ない 悲鳴 を あげ 、 口 が 大きく 叫び声 の 形 に 開いて いる 。
こえ||||ひめい|||くち||おおきく|さけびごえ||かた||あいて|
voice||||||to raise||||||shape|||
He screams unvoiced, and his mouth is wide open in the form of a scream.
目 は 飛び出して いた 。
め||とびだして|
||popped out|
His eyes were popping out.
ふと 気 が つく と 、 ハリー を 捕まえて いた 蜘妹 が 何 か 話して いる 。
|き||||||つかまえて||くもいもうと||なん||はなして|
suddenly|||||||caught|||||||
Suddenly, my sister, who was catching Harry, was talking about something.
一言 しゃべる たび に 鋏 を ガチャガチャ いわ せる ので 、 話して いる と いう こと に さえ 、 なか な か 気づか なかった 。
いちげん||||やっとこ||||||はなして||||||||||きづか|
|to speak|||scissors|||||||||||||||||
Every time I talked, I made a pair of scissors, so I didn't even notice that I was talking.
「 アラゴグ !」 と 呼んで いる 。
||よんで|
Aragog||calling|
「 アラゴグ !」
靄 の ような 蜘株 の 巣 の ドーム の 真ん中 から 、 小型の 象 ほど も ある 蜘味 が ゆらり と 現れた 。
もや|||くもかぶ||す||どーむ||まんなか||こがたの|ぞう||||くもあじ||ゆら り||あらわれた
mist|||spider||||dome||middle||small|small elephant||||spider||gently||appeared
A spider the size of a small elephant emerged from the middle of the misty spiderweb dome.
胴体 と 脚 を 覆う 黒い 毛 に 白い もの が 混じり 、 鋏 の ついた 醜い 頭 に 、 八 つ の 自 濁した 目 が あった 。
どうたい||あし||おおう|くろい|け||しろい|||まじり|やっとこ|||みにくい|あたま||やっ|||じ|にごした|め||
body||leg||to cover|||||||mixed in|scissors|||ugly|head|||eight||self|clouded|eye||
The black hair covering the torso and legs was mixed with white stuff, and the ugly head with scissors had eight cloudy eyes.
―― 盲いて いる 。
もう いて|
blindly|
--I'm blind.
「 なんの 用 だ !」 鋏 を 激しく 鳴らし ながら 、 盲目の 蜘妹 が 言った 。
|よう||やっとこ||はげしく|ならし||もうもくの|くもいもうと||いった
|business||scissors||sharply|clattering||blind|||
"What's the point!" Said the blind sister, whilst slamming the scissors.
「 人間 です 」 ハリー を 捕まえた 巨大 蜘妹 が 答えた 。
にんげん||||つかまえた|きょだい|くもいもうと||こたえた
human||||caught Harry||spider sister||
「 ハグリッド か !」 アラゴグ が 近づいて きた 。
||||ちかづいて|
Hagrid|question particle|Aragog||approached|
八 つ の 濁った 目 が 虚 ろ に 動いて いる 。
やっ|||にごった|め||きょ|||うごいて|
|||clouded|||emptiness|||moved|
「 知ら ない 人間 です 」 ロン を 運んだ 蜘味 が 、 カシャカシャ 言った 。
しら||にんげん||||はこんだ|くもあじ|||いった
does not know||||||carried|spider||rustling|
「 殺せ 」 アラゴグ は イライラ と 鋏 を 鳴らした 。
ころせ|||いらいら||やっとこ||ならした
kill|Aragog||irritated||scissors||snapped
「 眠って いた のに ......」
ねむって||
asleep||
"I was asleep and then I went to ......."
「 僕たち 、 ハグリッド の 友達 です 」 ハリー が 叫んだ 。
ぼくたち|||ともだち||||さけんだ
|||friends||||shouted
心臓 が 胸 から 飛び上がって 、 喉元 で 脈 を 打って いる ようだった 。
しんぞう||むね||とびあがって|のどもと||みゃく||うって||
heart||chest||jumping up|throat||pulse||pulsing|was|
It was as if his heart had jumped out of his chest and was beating in his throat.
カシャッカシャッカシャッ 一 窪地 の 中 の 巨大 蜘味 の 鋏 が いっせいに 鳴った 。
|ひと|くぼち||なか||きょだい|くもあじ||やっとこ|||なった
clicking||depression|||||spider||scissors|||
The giant scissors in the depression rang all at once.
アラゴグ が 立ち止まった 。
||たちどまった
||stopped
Aragog stopped.
「 ハグリッド は 一 度 も この 窪地 に 人 を 寄こした こと は ない 」 ゆっくり と アラゴグ が 言った 。
||ひと|たび|||くぼち||じん||よこした||||||||いった
|||once|||hollow||||sent||||slowly||||
"Hagrid has never sent anyone to this depression," said Aragog slowly.
「 ハグリッド が 大変な んです 」 息 を 切らし ながら ハリー が 言った 。
||たいへんな||いき||きらし||||いった
||troublesome||breath||out of breath||||
Hagrid is in trouble. Harry said, gasping for breath.
「 それ で 、 僕たち が 来た んです 」
||ぼくたち||きた|
"That's why we came."
「 大変 !」
たいへん
a lot
年老いた 巨大 蜘味 の 鋏 の 音 が 気 遣わし げ な の を 、 ハリー は 聞き取った ように 思った 。
としおいた|きょだい|くもあじ||やっとこ||おと||き|つかわし|||||||ききとった||おもった
aged||||scissors|||||careful|||||||caught sound||
Harry thought he had heard the sound of the old giant scissors being caring.
「 しかし 、 なぜ おまえ を 寄こした !」 ハリー は 立ち上がろう と した が 、 やめ に した 。
||||よこした|||たちあがろう||||||
||||sent|||try to stand||||||
"But why did you come in!" Harry tried to stand up, but stopped.
とうてい 足 が 立た ない 。
|あし||たた|
certainly not||||cannot
I can't stand my legs.
そこ で 、 地べた に 這った まま 、 できる だけ 落ち着いて 話した 。
||じべた||はった||||おちついて|はなした
||ground||crawled||||as calmly as possible|
So I crawled on the ground and talked as calmly as I could.
「 学校 の みんな は 、 ハグリッド が けしかけて ―― か 、 怪 ―― 何物 か に 、 学生 を 襲わ せた と 思って いる んです 。
がっこう||||||||かい|なにもの|||がくせい||おそわ|||おもって||
school||||Hagrid||encouraged||suspicious|something|||||attacked|||||
"Everyone at school thinks that Hagrid struck-or something-that attacked the students.
ハグリッド を 逮捕 して 、 アズカバン に 送りました 」 アラゴグ は 怒り狂って 鋏 を 鳴らした 。
||たいほ||||おくり ました|||いかりくるって|はさみ||ならした
||arrest||||sent|||furiously angry|scissors||
Hagrid has been arrested and sent to Azkaban," Aragog snapped his scissors angrily.
蜘妹 の 群れ が それ に 従い 、 窪地 中 に 音 が こだま した 。
くもいもうと||むれ||||したがい|くぼち|なか||おと|||
spider sister||group||||followed|depression|||||echo|
A flock of younger sisters followed it, and a sound echoed throughout the depression.
ちょうど 拍手 喝采 の ようだった が 、 普通の 拍手 なら 、 ハリー も 恐怖 で 吐き気 を 催す こと は な かったろう 。
|はくしゅ|かっさい||||ふつうの|はくしゅ||||きょうふ||はきけ||もよおす||||
|applause|cheers||||ordinary|applause||||fear||nausea||felt||||probably wouldn't
It was just like applause, but with normal applause, Harry wouldn't have been frightened and nauseated.
「 しかし 、 それ は 昔 の 話 だ 」 アラゴグ は 苛立った 。
|||むかし||はなし||||いらだった
|||long ago||||||irritated
But that was a long time ago," Aragog said, exasperated.
「 何 年 も 何 年 も 前 の こと だ 。
なん|とし||なん|とし||ぜん|||
"It was many, many years ago.
よく 覚えて いる 。
|おぼえて|
|remembering|
I remember it well.
それ で ハグリッド は 退学 さ せられた 。
||||たいがく||せら れた
||||expelled||
So Hagrid was expelled.
みんな が わし の こと を 、 いわゆる 『 秘密の 部屋 』 に 住む 怪物 だ と 信じ込んだ 。
|||||||ひみつの|へや||すむ|かいぶつ|||しんじこんだ
||||||so-called||||to live|monster|||firmly believed
Everyone believed that I was a monster living in a so-called "secret room".
ハグリッド が 『 部 屋 』 を 開けて 、 わし を 自由に した のだ と 考えた 」
||ぶ|や||あけて|||じゆうに||||かんがえた
||||||||set free||||
I thought Hagrid had opened the room and set me free.
「 それ じゃ 、 あなた は ...... あなた が 『 秘密の 部屋 』 から 出て きた ので は ない のです か ?」 ハリー は 、 額 に 冷 汗 が 流れる の が わかった 。
||||||ひみつの|へや||でて|||||||||がく||ひや|あせ||ながれる|||
||||||||||||||||||forehead||cold|cold sweat||was flowing|||
Harry felt a cold sweat break out on his forehead.
「 わし が !」 アラゴグ は 怒り で 鋏 を 打ち鳴らした 。
||||いかり||やっとこ||うちならした
||||anger||scissors||clashed
「 わし は この 城 で 生まれた ので は ない 。
|||しろ||うまれた|||
|||castle|||||
遠い ところ から やってきた 。
とおい|||
far|||
まだ 卵 だった とき に 、 旅人 が わし を ハグリッド に 与えた 。
|たまご||||たびびと||||||あたえた
|egg||||traveler||||||gave
ハグリッド は まだ 尐年 だった が 、 わし の 面倒 を 見て くれ た 。
|||尐ねん|||||めんどう||みて||
||||||||care||||
Hagrid was only a few years old, but he took care of me.
城 の 物置 に 隠し 、 食事 の 残り物 を 集めて 食べ させて くれた 。
しろ||ものおき||かくし|しょくじ||のこりもの||あつめて|たべ|さ せて|
castle||storage room||hidden|meal||leftover food||gathered|||
He hid them in a storeroom in the castle, and made us eat them by collecting the leftovers of our meals.
ハグリッド は わし の 親友 だ 。
||||しんゆう|
||||best friend|
いい やつ だ 。
わし が 見つかって しまい 、 女の子 を 殺した 罪 を 着せられた とき 、 ハグリッ ド は わし を 護って くれた 。
||みつかって||おんなのこ||ころした|つみ||きせ られた|||||||まもる って|
||found out||girl|||罪状||pinned on||Hagrid|||||protected|
When I was found and condemned to kill the girl, Hagrid protected me.
その とき 以来 、 わし は この 森 に 住み 続けた 。
||いらい||||しげる||すみ|つづけた
||since||||||lived|continued living
ハグリッド は 今 でも 時々 訪ねて きて くれる 。
||いま||ときどき|たずねて||
||||sometimes|visits||
妻 も 探して きて くれた 。
つま||さがして||
wife||looking for||
I was looking for my wife too.
モサグ を 。
mosaic|
Mossag .
見ろ 。
みろ
わし ら の 家族 は こんなに 大きく なった 。
|||かぞく|||おおきく|
|||family||||
Our family has grown so big.
みんな ハグリッド の おかげ だ ......」
ハリー は ありったけ の 勇気 を 搾り 出した 。
||||ゆうき||しぼり|だした
||all one's||courage||squeezed|
Harry gathered all the courage he could muster.
「 それ じゃ 、 一 度 も ―― 誰 も 襲った こと は ない のです か ?」
||ひと|たび||だれ||おそった|||||
|||||||attacked|||||
"So, you've never attacked anyone even once?"
「 一 度 も ない 」 年老いた 蜘妹 は しわがれ 声 を 出した 。
ひと|たび|||としおいた|くもいもうと|||こえ||だした
||||aged|spider sister||hoarse|||
"Not even once," the old spider sister said in a hoarse voice.
「 襲う の は わし の 本能 だ 。
おそう|||||ほんのう|
attack|||||instinct|is
"Attacking is my instinct."
しかし 、 ハグリッド の 名誉 の ため に 、 わし は 決して 人間 を 傷つけ は し なかった 。
|||めいよ||||||けっして|にんげん||きずつけ|||
|||honor||||||never|human||hurt|||
殺さ れた 女の子 の 死体 は 、 トイレ で 発見 さ れた 。
ころさ||おんなのこ||したい||といれ||はっけん||
||||corpse||||discovered||
The corpse of the murdered girl was found in the bathroom.
わし は 自分 の 育った 物置 の 中 以外 、 城 の 他 の 場所 は どこ も 見た こと が ない 。
||じぶん||そだった|ものおき||なか|いがい|しろ||た||ばしょ||||みた|||
||I||grew up|storage shed|||except|castle|||||||||||
I have never seen any other place in the castle except in the storeroom where I grew up.
わし ら の 仲間 は 、 暗くて 静かな ところ を 好む ......」
|||なかま||くらくて|しずかな|||このむ
|||companion||dark|quiet|||prefer
Our companions prefer a dark and quiet place ... "
「 それ なら ...... いったい 何 が 女の子 を 殺した の か 知りません か ? 何者 であれ 、 そいつ は 今 戻って きて 、 また みんな を 襲って ――」 カシャカシャ と いう 大きな 音 と 、 何 本もの 長い 脚 が 怒り で 擦れ 合う 、 ザワザワ と いう 音 が 湧き 起こり 、 言葉 が 途中 で かき消さ れた 。
|||なん||おんなのこ||ころした|||しり ませ ん||なにもの||そい つ||いま|もどって|||||おそって||||おおきな|おと||なん|ほんもの|ながい|あし||いかり||すれ|あう||||おと||わき|おこり|ことば||とちゅう||かきけさ|
||||||||||do not know||someone|whoever|that person||||||||attacked|rustling|||||||several||legs||anger||rubbing||rustling|||||rose|arose|voice||interrupted||was drowned out|
"Then... do you have any idea what killed the girl? Whatever it is, it's come back now to attack everyone again—" A loud rustling sound arose, accompanied by the sound of long legs rubbing together in anger, drowning out the words.
大きな 黒い もの が ハリー を 囲んで ガサゴソ と 動いた 。
おおきな|くろい|||||かこんで|||うごいた
||||||surrounded|rustled||moved
A large black thing moved around Harry with a rustling sound.
「 城 に 住む その物 は 」 アラゴグ が 答えた 。
しろ||すむ|そのもの||||こたえた
castle|||that creature||Aragog||
"That creature living in the castle," Aragog answered.
「 わし ら 蜘妹 の 仲間 が 何より も 恐れる 、 太古 の 生物 だ 。
||くもいもうと||なかま||なにより||おそれる|たいこ||せいぶつ|
||spider sister||companions||more than anything||fear|ancient times||creature|
I am the prehistoric creature that my fellow spiders fear more than anything else.
その 怪物 が 、 城 の 中 を 動き回って い る 気配 を 感じた とき 、 わし を 外 に 出して くれ と 、 ハグリッド に どんなに 必死で 頼んだ か 、 よ く 覚えて いる 」
|かいぶつ||しろ||なか||うごきまわって|||けはい||かんじた||||がい||だして||||||ひっしで|たのんだ||||おぼえて|
|monster||castle||||moving around|||presence|||||||||||Hagrid||how much|desperately|begged|quotation particle||||
When I felt that the monster was moving around in the castle, I remember how desperately I asked Hagrid to take me out. "
「 いったい その 生物 は !」 ハリー は 急き込んで 尋ねた 。
||せいぶつ||||せきこんで|たずねた
what on earth||creature|(topic marker)|||hurriedly|asked
What the hell is that creature? Harry hurriedly asked.
また 大きな カシャカシャ と ザワザワ が 湧いた 。
|おおきな|||||わいた
||rustling||buzzing||bubbled up
There was another loud crackling and rustling.
蜘妹 が さらに 詰め寄って きた ようだ 。
くもいもうと|||つめよって||
spider sister|||approached closely||
It seems that the spider sister is closing in on us even more.
「 わし ら は その 生物 の 話 を し ない !」 アラゴグ が 激しく 言った 。
||||せいぶつ||はなし||||||はげしく|いった
||||||||||||intensely|
"We are not talking about that creature!" Aragog said angrily.
「 わし ら は その 名前 さえ 口 に し ない ! ハグリッド に 何度 も 聞か れた が 、 わし は その 恐ろしい 生物 の 名前 を 、 決して ハグ リッド に 教え は し なかった 」
||||なまえ||くち||||||なんど||きか||||||おそろしい|せいぶつ||なまえ||けっして||||おしえ|||
||||||||||||many times||||||||terrible|||||never|hug|||would not tell|||
"We don't even say the name! I've been asked by Hagrid many times, but I never told Hagrid the name of the terrifying creature."
ハリー は それ 以上 追及 し なかった 。
|||いじょう|ついきゅう||
|||more|pursuit||
Harry did not pursue this further.
巨大 蜘妹 が 、 四方八方 から 詰め寄って きて いる 。
きょだい|くもいもうと||しほうはっぽう||つめよって||
|spider sister||all directions||closing in||
Giant spiders are closing in from all directions.
今 は ダメだ 。
いま||だめだ
||not good
It's no good now.
アラゴグ は 話す の に 疲れた 様子 だった 。
||はなす|||つかれた|ようす|
|||||tired||
Aragog looked tired of talking.
ゆっくり と また 蜘妹 の 巣 の ドーム へ と 戻って 行った 。
|||くもいもうと||す||どーむ|||もどって|おこなった
|||spider sister||nest||dome||||
Slowly, they returned to the dome of the spider's nest.
しかし 仲間 の 蜘妹 は 、 ジリッジリッ と 尐 し ずつ 二 人 に 詰め寄って くる 。
|なかま||くもいもうと|||||||ふた|じん||つめよって|
|companion||||slowly approaching||||||||closing in|
「 それ じゃ 、 僕たち は 帰ります 」 木 の 葉 を ガサゴソ いわ せる 音 を 背後 に 聞き ながら 、 ハリー は アラゴグ に 絶望 的な 声 で 呼びかけた 。
||ぼくたち||かえり ます|き||は|||||おと||はいご||きき||||||ぜつぼう|てきな|こえ||よびかけた
|||||||leaf|||||||behind||||||||despairing|desperate|||
"Then we're going home." Harry called Aragog in a desperate voice, listening to the rattling noise of the leaves of the tree behind him.
「 帰る !」 アラゴグ が ゆっくり と 言った 。
かえる|||||いった
going home|||||
"I'm going home!" Aragog said slowly.
「 それ は なる まい ......」
|||probably won't
"It won't be ..."
「 でも ―― でも ――」
「 わし の 命令 で 、 娘 や 息子 たち は ハグリッド を 傷つけ は し ない 。
||めいれい||むすめ||むすこ|||||きずつけ|||
||order||daughter|or|son|||||will not hurt|||
"At my command, my daughters and sons do not hurt Hagrid.
しかし 、 わし ら の まった だ 中 に 進んで ノコノコ 迷い 込んで きた 新鮮な 肉 を 、 おあずけ に は でき まい 。
||||||なか||すすんで||まよい|こんで||しんせんな|にく||||||
||||waiting|still|||advanced|strolling|wandering|wandered in||fresh|fresh meat||not possible||||
However, we can't leave behind the fresh meat that has willingly wandered into our midst.
さらば 、 ハグリッ ド の 友人 よ 」
||||ゆうじん|
farewell||||friend|
ハリー は 、 体 を 回転 さ せて 上 を 見た 。
||からだ||かいてん|||うえ||みた
||||rotation|||||
ほんの 数 十 センチ 上 に 聳 え 立つ 蜘珠 の 壁 が 、 鋏 を ガチャ つか せ 、 醜い 黒い 頭 に たくさんの 目 を ギラ つか せて いる ......。
|すう|じゅう|せんち|うえ||しょう||たつ|くもしゅ||かべ||やっとこ|||||みにくい|くろい|あたま|||め|||||
just|a few|dozens|centimeters|||towering over|||spider pearl||wall||scissors|||||ugly|black|head|||||glittering|||
Just a few dozen centimeters above, a wall of spidery beads rises, scissors clattering, eyes glinting off its ugly black head. ......
杖 に 手 を かけ ながら も 、 ハリー に は 無駄な 抵抗 と わかって いた 。
つえ||て||||||||むだな|ていこう|||
||||||||||pointless|resistance|||
Despite his hand on the cane, Harry knew it was futile to resist.
多勢 に 無勢 だ 。
たぜい||ぶぜい|
many people||few people|
それ でも 戦って 死ぬ 覚悟 で 立ち上がろう と した その とき 、 高らかな 長い 音 と ともに 、 窪地 に 眩 い 光 が 射し込んだ 。
||たたかって|しぬ|かくご||たちあがろう|||||たからかな|ながい|おと|||くぼち||くら||ひかり||い しこんだ
it||fought|die|resolution||let's stand up|||||loud||||together with|depression|locative particle|dazzling||||shone in
ウィーズリー 氏 の 車 が 、 荒々しく 斜面 を 走り 降りて くる 。
|うじ||くるま||あらあらしく|しゃめん||はしり|おりて|
|||||roughly|slope|||running down|
Mr. Weasley's car runs down a rough slope.
ヘッドライト を 輝か せ 、 クラク ション を 高々 と 鳴らし 、 蜘妹 を なぎ倒し ―― 何 匹 か は 仰向け に 引っくり返さ れ 、 何 本 も の 長 い 脚 を 空 に 泳が せて いた 。
へっどらいと||かがやか|||||たかだか||ならし|くもいもうと||なぎたおし|なん|ひき|||あおむけ||ひっくりかえさ||なん|ほん|||ちょう||あし||から||えい が||
||shine||blaring|claxon||loudly||sounded|spider||knocked down|||||on its back||flipped over||how many||||||legs||the sky||swimming||was swimming
The headlights shined, the cracks rang high, and the spider sister was knocked down--some were turned over on their backs, and many long legs were swimming in the sky.
車 は ハリー と ロン の 前 で キキーツ と 停 まり 、 ドア が パッと 開いた 。
くるま||||||ぜん||||てい||どあ||ぱっと|あいた
||||||||Kiki's||stopped||||suddenly|
「 ファング を !」
fang|
ハリー は 、 前 の 座席 に 飛び込み ながら 叫んだ 。
||ぜん||ざせき||とびこみ||さけんだ
||previous||seat||jumped||
ロン は 、 ボアハウンド の 胴 の あたり を む ん ず と 抱きかかえ 、 キャンキャン 鳴いて いる の を 、 後ろ の 座席 に 放り込んだ 。
||||どう||||||||だきかかえ||ないて||||うしろ||ざせき||ほうりこんだ
||boar hound||body||around||biting|suddenly|with effort||picked up|barking|||||||back seat||threw in
Ron held the boarhound by the torso and threw it into the back seat as it cried out for help.
ドア が バタン と 閉まり 、 ロン が アクセル に 触り も し ない のに 、 車 は ロン の 助け も 借り ず 、 エ ンジン を 唸ら せ 、 またまた 蜘妹 を 引き 倒し ながら 発進 した 。
どあ||||しまり|||あくせる||さわり|||||くるま||||たすけ||かり|||||うなら|||くもいもうと||ひき|たおし||はっしん|
||||closed|||accelerator||touched|||||car||||help||with the help of|without|engine|engine||groaned|||spider|||knocked down||started moving|した
The doors slammed shut, Ron didn't even touch the gas pedal, and without his help, the car roared into action, snorting its engines and pulling its sister down again.
車 は 坂 を 猛 スピード で 駆け上がり 、 窪地 を 抜け出し 、 間もなく 森 の 中 へ と 突っ込んだ 。
くるま||さか||もう|すぴーど||かけあがり|くぼち||ぬけだし|まもなく|しげる||なか|||つっこんだ
||slope||with great|||raced up|depression||escaped from|soon||||||rushed into
車 は 勝手に 走った 。
くるま||かってに|はしった
||by itself|
太い 木 の 枝 が 窓 を 叩き は した が 、 車 は どうやら 自分 の 知っている 道 らしく 、 巧みに 空間 の 広 く 空いて いる ところ を 通った 。
ふとい|き||えだ||まど||たたき||||くるま|||じぶん||しっている|どう||たくみに|くうかん||ひろ||あいて||||かよった
thick|||branch||window||||||||it seems|I|||road|like|skillfully|space||wide||widely open||||passed
A thick tree limb smacked against the window, but the car seemed to know its way around and deftly passed through a wide open space.
ハリー は 隣 の ロン を 見た 。
||となり||||みた
||next to||||
まだ 口 は 開きっぱなし で 、 声 に なら ない 叫び の 形 の まま だった が 、 目 は もう 飛び出して は い なかった 。
|くち||あき っぱなし||こえ||||さけび||かた|||||め|||とびだして|||
|||wide open||||||||||||||||popped out|||
His mouth was still open, in the form of an inarticulate scream, but his eyes were no longer popping out.
「 大丈夫 かい !」 ロン は まっすぐ 前 を 見つめた まま 、 口 が きけ ない 。
だいじょうぶ|||||ぜん||みつめた||くち|||
|||||||||||cannot speak|
"Are you okay!" Ron can't speak, staring straight ahead.
森 の 下 生え を なぎ倒し ながら 草 は 突進 した 。
しげる||した|はえ||なぎたおし||くさ||とっしん|
||under|undergrowth||knocked down||grass||charged forward|
The grass rushed while knocking down the undergrowth of the forest.
ファング は 後ろ の 席 で 大声 で 吼 えて いる 。
||うしろ||せき||おおごえ||こう||
||||seat||||roaring||
大きな 樫 の 木 の 脇 を 無理やり すり抜ける とき 、 ハリー の 目の前 で 、 サイドミラー が ポッキリ 折れた 。
おおきな|かし||き||わき||むりやり|すりぬける||||めのまえ|||||おれた
|oak||||||forcefully|slip through||||||side mirror||snapped off|snapped off
When Harry was forced to pass by a large oak tree, the side mirror snapped off right in front of his eyes.
ガタガタ と 騒々しい 凸凹 の 十 分間 が 過ぎた ころ 、 木立 が やや まばらに なり 、 茂み の 間 から ハ リー は 、 再び 空 を 垣間見る こと が できた 。
がたがた||そうぞうしい|でこぼこ||じゅう|ぶん かん||すぎた||こだち|||||しげみ||あいだ|||||ふたたび|から||かいまみる|||
clattering||noisy|unevenness||ten|ten minutes||||grove||a little|sparsely||bush|||||||once more|||glimpse|||
After ten minutes of rattling and noisy bumps, the groves became somewhat sparse, and Harry was able to glimpse the sky again through the bushes.
車 が 急 停車 し 、 二 人 は フロント ガラス に ぶつかり そうに なった 。
くるま||きゅう|ていしゃ||ふた|じん||ふろんと|がらす|||そう に|
||sudden|sudden stop|||||front|||||
The car stopped suddenly and they almost hit the windshield.
森 の 入口 に たどり着いた のだ 。
しげる||いりぐち||たどりついた|
ファング は 早く 出 たくて 窓 に 飛びつき 、 ハリー が ドア を 開け て やる と 、 尻尾 を 巻いた まま 、 一目散に ハグリッド の 小屋 を 目指して 、 木立 の 中 を ダッシュ して 行った 。
||はやく|だ||まど||とびつき|||どあ||あけ||||しっぽ||まいた||いちもくさんに|||こや||めざして|こだち||なか||だっしゅ||おこなった
||quickly|||||jumped at|||||||||tail||curled up||at full speed|||||aimed at|grove||||dash||
Fang jumped to the window to get out, and when Harry opened the door, he dashed through the trees, tail tucked, toward Hagrid's cabin.
ハリー も 車 を 降りた 。
||くるま||おりた
||||got off
Harry also got out of the car.
それ から 一 分 ぐらい たって 、 ロン が ようやく 手足 の 感覚 を 取り戻した らしく 、 まだ 首 が 硬直 して 前 を 向いた まま だった が 、 降りて きた 。
||ひと|ぶん||||||てあし||かんかく||とりもどした|||くび||こうちょく||ぜん||むいた||||おりて|
||||||||finally|hands and feet||sensation||regained sensation|||neck||stiffness||forward||faced forward|||but|came down|
About a minute later, Ron finally seemed to regain feeling in his limbs, and although his neck was still stiff and he was looking forward, he was able to come down.
ハリー は 感謝 を 込めて 車 を 撫で 、 車 は また 森 の 中 へ と バック して 、 やがて 姿 が 見え なく なった 。
||かんしゃ||こめて|くるま||なで|くるま|||しげる||なか|||ばっく|||すがた||みえ||
||gratitude||with gratitude|||stroked|||||||||back||eventually|appearance||||
Harry patted the car gratefully, and the car backed into the woods, and was soon out of sight.
ハリー は 「 透明 マント 」 を 取り に ハグリッド の 小屋 に 戻った 。
||とうめい|まんと||とり||||こや||もどった
|||cloak||picked up||||||
ファング は 寝床 の バスケット で 毛布 を 被って 震えて いた 。
||ねどこ||ばすけっと||もうふ||おおって|ふるえて|
||bed||||blanket||covered||
小屋 の 外 に 出る と 、 ロン が かぼちゃ 畑 で ゲーゲー 吐いて いた 。
こや||がい||でる|||||はたけ|||はいて|
||||||||pumpkin|||vomiting|vomiting|
When I came out of the hut, I found Ron vomiting in the pumpkin patch.
「 クモ の 跡 を つけろ だって 」 ロン は 袖 で 口 を 拭き ながら 弱々しく 言った 。
くも||あと||||||そで||くち||ふき||よわよわしく|いった
spider||trace||follow|because|||sleeve||||wiped||feebly|
"Keep a spider's mark," Ron said weakly, wiping his mouth with his sleeves.
「 ハグリッド を 許さ ない ぞ 。
||ゆるさ||
||will not forgive||
"I won't forgive Hagrid.
僕たち 、 生きて る の が 不思議だ よ 」 「 きっと 、 アラゴグ なら 自分 の 友達 を 傷つけ ない と 思った んだ よ 」 ハリー が 言った 。
ぼくたち|いきて||||ふしぎだ|||||じぶん||ともだち||きずつけ|||おもった|||||いった
|living||||it's strange|||||I||||wouldn't hurt||||||||
It's a wonder we're still alive," Harry said, "I guess Aragog thought he wouldn't hurt his friends.
「 だから ハグリッドって ダメな んだ !」 ロン が 小屋 の 壁 を ドンドン 叩き ながら 言った 。
|ハグリッド って|だめな||||こや||かべ||どんどん|たたき||いった
||no good||||||wall|||||
That's why Hagrid's so bad! Ron said, banging on the wall of the cabin.
「 怪物 は どうしたって 怪物 な のに 、 みんな が 、 怪物 を 悪者 に して しまった んだ と 考えて る 。
かいぶつ||どうした って|かいぶつ|||||かいぶつ||わるもの||||||かんがえて|
monster||no matter what||||||monster||villain|||||||
"Everyone thinks that a monster is a monster, but everyone has turned it into a villain.
その つけ が どう なった か ! アズカバン の 独房 だ !」 ロン は 今に なって ガタガタ 震え が 止まら なく なって いた 。
||||||||どくぼう||||いまに||がたがた|ふるえ||とまら|||
|attachment|||||||solitary confinement||||soon||shaking|shaking|||||
What happened to that! It's Azkaban's prison cell! ”Ron's rattling tremors haven't stopped.
「 僕たち を あんな ところ に 追いやって 、 いったい なんの 意味 が あった ! 何 が わかった か 教え て もらいたい よ 」 「 ハグリッド が 『 秘密の 部屋 』 を 開けた んじゃ な いって こと だ 」 ハリー は マント を ロン に かけて やり 、 腕 を 取って 、 歩く ように 促し ながら 言った 。
ぼくたち|||||おいやって|||いみ|||なん||||おしえ||もらい たい||||ひみつの|へや||あけた||||||||まんと||||||うで||とって|あるく||うながし||いった
||such|||driven to|||meaning|||||||||want to know|||||||||||||||||||put||arm||took|||encouraging||
"What did it mean to drive us to such a place! I want you to tell me what you found." "Hagrid didn't open the'secret room'." Harry said the cloak. He went to Ron, took his arm, and urged him to walk.
「 ハグリッド は 無実 だった 」
||むじつ|
||not guilty|
ロン は フン と 大きく 鼻 を 鳴らした 。
||ふん||おおきく|はな||ならした
||snort|||||
Ron snorted loudly.
アラゴグ を 物置 の 中 で 解す なんて 、 どこ が 「 無実 」 な も ん か 、 と 言い た げ だ 。
||ものおき||なか||かいす||||むじつ||||||いい|||
||storage room||||release||||innocence|||||||||
He wanted to know how Aragog could be "innocent" if he had to be dismantled in a storeroom.
城 が だんだん 近く に 見えて きた 。
しろ|||ちかく||みえて|
castle|||near||came into view|
ハリー は 「 透明 マント 」 を 引っ張って 足先 まで すっぽり 隠し 、 それ から 軋む 扉 を そ ーっと 半 開き に した 。
||とうめい|まんと||ひっぱって|あしさき|||かくし|||きしむ|とびら|||- っと|はん|あき||
|||||pulled|toes||completely|hidden|||creaking|door||||half|||
Harry pulled on his "invisibility cloak," which concealed his toes, and gently opened the creaking door halfway.
玄関 ホール を こっそり と 横切り 、 大理石 の 階段 を 上り 、 見張り 番 が 目 を 光らせて いる 廊下 を 、 息 を 殺して 通り過ぎた 。
げんかん|ほーる||||よこぎり|だいりせき||かいだん||のぼり|みはり|ばん||め||ひからせて||ろうか||いき||ころして|とおりすぎた
entrance|||||crossing over|marble||stairs||upstairs|watchman|watchman||||eyes shining||hallway||breath|||passed
I sneaked across the entrance hall, climbed the marble stairs, and breathlessly passed through the hallway where the lookout was on the lookout.
ようやく 安全 地帯 の グリフィンドール の 談話 室 に たどり着いた 。
|あんぜん|ちたい||||だんわ|しつ||たどりついた
finally|safety|zone|||||||arrived
Finally, I reached Gryffindor's common room in the Safety Zone.
暖炉 の 火 は 燃え尽き 、 灰 に なった 残り 火 が 、 わずかに 赤み を 帯びて いた 。
だんろ||ひ||もえつき|はい|||のこり|ひ|||あかみ||おびて|
fireplace||||burned out|ash|||remaining|remaining fire||slightly|red glow||slightly colored|
The fireplace had burned out, and the ashes of the remaining flames had a slight reddish tinge.
二 人 は マント を 脱ぎ へ 曲がりくねった 階段 を 上って 寝室 に 向かった 。
ふた|じん||まんと||ぬぎ||まがりくねった|かいだん||のぼって|しんしつ||むかった
|||||took off||winding|curved stairs||up|bedroom||
They took off their cloaks and headed up the winding staircase to their bedrooms.
ロン は 服 も 脱が ず に ベッド に 倒れ込んだ 。
||ふく||だつ が|||べっど||たおれこんだ
||clothes||took off|||||collapsed onto
しかし ハリー は あまり 眠く なかった 。
||||ねむく|
||||sleepy|
四 本 柱 付き の ベッド の 端に 腰掛け 、 アラゴグ が 言った こと を 一生懸命 考えた 。
よっ|ほん|ちゅう|つき||べっど||はしたに|こしかけ|||いった|||いっしょうけんめい|かんがえた
four|book|pillar|attached||||edge|sitting place||||||with all one's might|
Sitting on the edge of a bed with four pillars, I thought hard about what Aragog said.
城 の どこ か に 潜む 怪物 は 、 ヴォルデモート を 怪物 に した ような もの かも しれ ない 。
しろ|||||ひそむ|かいぶつ||||かいぶつ|||||||
castle|||||lurking|monster||Voldemort||monster|||||||
A monster lurking somewhere in the castle may be like Voldemort's monster.
他の 怪物 で さえ 、 その 名前 を 口 に し た がら ない 。
たの|かいぶつ||||なまえ||くち|||||
|monster||||||||||would like|
Even other monsters don't want to say their name.
しかし 、 ハリー も ロン も それ が な んな の か 、 襲った 者 を どんな 方法 で 石 に する の か 、 結局 の ところ 皆目 わから ない 。
|||||||||||おそった|もの|||ほうほう||いし|||||けっきょく|||かいもく||
|||||it||||||attacked|attacker|||way||stone|||||after all|||at all|understands|
However, neither Harry nor Ron had any idea what it was or how to turn their attackers to stone.
ハグリッド で さえ 「 秘密の 部屋 」 に 、 何 が いた の か 知って は い なかった 。
|||ひみつの|へや||なん|||||しって|||
Not even Hagrid knew what was in the "secret room.
ハリー は ベッド の 上 に 足 を 投げ出し 、 枕 に もたれて 、 寮 塔 の 窓 から 、 自分 の 上 に 射 し込む 月 明り を 眺めた 。
||べっど||うえ||あし||なげだし|まくら||もた れて|りょう|とう||まど||じぶん||うえ||い|しこむ|つき|あかり||ながめた
||||||foot||threw out|pillow||leaning against|dormitory|dormitory||||||||shone|shining down|moon|moonlight||gazed at
Harry threw his feet on the bed, leaned against his pillow, and watched the moonlight shining over him from the window of the dorm tower.
他 に 何 を したら よい の か わから ない 。
た||なん|||||||
other|locative particle|what||if I did|||||not
I don't know what else to do.
八方塞 り だ 。
はっぽうふさがり||
cornered||
We are in a bind.
リドル は まちがった 人間 を 捕まえた 。
|||にんげん||つかまえた
||wrong|human||caught
Riddle catches the errant human.
スリザリン の 継承 者 は 逃れ 去り 、 今度 「 部屋 」 を 開けた の が 、 果たして その 人物 な の か 、 そ れ と も 他の 誰 か な の か 、 わから ず じまい だ 。
||けいしょう|もの||のがれ|さり|こんど|へや||あけた|||はたして||じんぶつ||||||||たの|だれ||||||||
||inheritance|||escaped|escaped|this time||||||after all||person||||||||||||||||couldn't find|
The heir to Slytherin has escaped, and it is unclear whether it was the person who opened the "room" this time, or who else it was.
もう 誰 も 尋ねる べき 人 は いない 。
|だれ||たずねる||じん||
already|||to ask||||not present
There is no one left to ask.
ハリー は 横 に なった まま 、 アラゴグ の 言った こと を また 考えた 。
||よこ||||||いった||||かんがえた
||side||||||||||thought
Harry lay down and thought again about what Aragog had said.
とろとろ と 眠く なり かけた とき 、 最後 の 望み と も 思える 考え が ひらめいた 。
||ねむく||||さいご||のぞみ|||おもえる|かんがえ||
slowly||sleepy||||last||last hope|||seemed|||suddenly realized
When I was getting sleepy, I had an idea that seemed to be my last hope.
ハリー は 、 はっと 身 を 起こした 。
|||み||おこした
||suddenly|body||sat up
Harry got up.
「 ロン 」 暗闇 の 中 で ハリー は 声 を ひそめて 呼んだ 。
|くらやみ||なか||||こえ|||よんだ
|darkness||||||||whispered|called
「 ロン !」 ロン は ファング の ように キャン と いって 目 を 覚まし 、 キョロキョロ と あたり を 見回した 。
|||||||||め||さまし|||||みまわした
|||fang|||yelp|||||woke up|looking around||||looked around
Ron! Ron woke up with a Fang-like yelp and looked around.
そして ハリー が 目 に 入った 。
|||め||はいった
Then I saw Harry.
「 ロン ―― 死んだ 女の子 だ けど 。
|しんだ|おんなのこ||
|died|||but
"Ron-I'm a dead girl.
アラゴグ は トイレ で 見つかったって 言って た 」 ハリー は 部屋 の 隅 から 聞こえて くる 、 ネビル の 高いびき も 気 に せ ず 言葉 を 続けた 。
||といれ||みつかった って|いって||||へや||すみ||きこえて||||たかいびき||き||||ことば||つづけた
Aragog||||was found|||||||corner||||||loud snoring||||||||continued
Harry continued, oblivious to Neville's high-pitched snoring coming from the corner of the room.
「 その 子 が それ から 一 度 も トイレ を 離れ なかった と したら ? まだ そこ に いる と したら ?」 ロン が 目 を 擦り 、 月 明かり の 中 で 眉 根 を 寄せた 。
|こ||||ひと|たび||といれ||はなれ||||||||||||め||かすり|つき|あかり||なか||まゆ|ね||よせた
||||||||toilet||left|||if|||||||||eye||rubbing|moon|moonlight||||brow|brow|brow|furrowed
"What if the child never left the bathroom again? What if he's still there? Ron rubbed his eyes and raised an eyebrow in the moonlight.
そして 、 ピンと きた 。
|ぴんと|
|suddenly understood|
And, it came with a pin.
「 もし かして ―― まさか 『 嘆き の マートル 』?」
|||なげき||
|||sorrow||Myrtle
"If I may -- you don't mean Myrtle of Sorrows, do you?"