97. 小人のくつ屋さん - グリム兄弟 (Bruder Grimm)
こびと の くつ や さん|ぐりむ きょうだい|bruder|grimm
little shoemaker|Grimm Brothers||
97\. The Little Man's Shoemaker - Brothers Grimm (Bruder Grimm)
97. гном-сапожник - Брудер Гримм
小人 の くつ 屋 さん - グリム 兄弟 ( Bruder Grimm )
こびと|||や||ぐりむ|きょうだい|bruder|grimm
|||||||brother|Brothers
Dwarf shoes shop-Brothers Grimm
大久保 ゆう 訳
おおくぼ||やく
Translated by Yu Okubo
ある ところ に 、 くつ 屋 さん が おりました 。
||||や|||おり ました
There was a shoe store in one place.
自分 が わるい こと を した わけで も ない の に とにかく お 金 が なくて 、 一足 の くつ を 作る だけ の 皮 しか もう 残って いません 。
じぶん|||||||||||||きむ|||ひとあし||||つくる|||かわ|||のこって|いま せ ん
I didn't do anything wrong, but I didn't have the money anyway, and I only had enough skin to make a pair of shoes.
ある 夜 、 あくる 朝 に 仕立てよう と 皮 を 裁ち切って おきました 。
|よ||あさ||したてよう||かわ||たちきって|おき ました
|||||will prepare||||cutting out|
One night, I cut the hides off so that I could dress them up the next morning.
心根 の よい 人 でした から 、 ひそやかに ベッド で 横 に なり ながら 、 おい のり を となえ つつ 、 ねむり に 落ちます 。
こころね|||じん||||べっど||よこ|||||||||||おち ます
kindness||||||quietly||||||||||chant||||
Because he was a good-hearted person, he quietly lay down on the bed, squeezing the seaweed, and falling asleep.
朝 に なって 、 おい の りした あと で 、 さて 仕事 に 取りかかろう と する と 、 気づけば 一足 の くつ は とうに 仕上がり 出来上がって いて 、 つくえ にち ょこ なんと 立てられて いる のです 。
あさ|||||||||しごと||とりかかろう||||きづけば|ひとあし|||||しあがり|できあがって||||||たて られて||
|||||||||||start working|||||||shoe||already|completion|||desk||||||
びっくり たまげた その 人 は 何とも 言え ず に 、 間近に 見て みよう と 、 くつ を 手 に 取りました 。
|||じん||なんとも|いえ|||まぢかに|みて|||||て||とり ました
|astonished||||||||close to||||||||
The surprised person couldn't say anything and picked up his shoes to take a closer look.
すばらしい 出来 の くつ で 、 ぬい目 も 寸分 まちがい なく 、 まるで 、 たくみ の 手 に なる もの の よう 。
|でき||||ぬいめ||すんぶん||||||て|||||
|||||seam||not at all|mistake|||artisan|||||||
It's a wonderfully made shoe, and the stitches are just right, it's like a hand of a sword.
まもなく 、 お 客 さん が やってきました が 、 もう 大 まんぞくでした ので 、 よけいに お 金 を 支払って くれました 。
||きゃく|||やってき ました|||だい|||||きむ||しはらって|くれ ました
|||||||||very satisfied||more|||||
つまり 今度 は 二 足 分 の くつ が 作れる ほど の 皮 が 買えた わけです 。
|こんど||ふた|あし|ぶん||||つくれる|||かわ||かえた|
そして 夜 に なって 、 あくる 朝 、 気持ち も 新たに 仕立てよう と 皮 を 裁ち切って おきました 。
|よ||||あさ|きもち||あらたに|したてよう||かわ||たちきって|おき ました
ところが その 手 は かから ず じまい 。
||て||||
というのも 、 起きた とき に は もう 出来上がって いた から で 、 お 客 さん に とって も 申し分 なし 、 お 金 が たんまり ふところ に 入って 、 次に は 四 足 分 の くつ が 作れる だけ の 皮 が あ が なえました 。
|おきた|||||できあがって|||||きゃく|||||もうしぶん|||きむ|||||はいって|つぎに||よっ|あし|ぶん||||つくれる|||かわ||||なえ ました
||||||||||||||||no complaints|||||plenty|||||||||||||||||||sprouted
さらに あくる 朝 早く に は 、 仕上がった 四 足 の くつ 、 こんな 調子 が どんどん 続いて いきます 。
||あさ|はやく|||しあがった|よっ|あし||||ちょうし|||つづいて|いき ます
夜 に 裁ち切って おけば 、 朝 に は 勝手に 出来上がって いて 。
よ||たちきって||あさ|||かってに|できあがって|
たちまち 暮らし も 立つ ように なり 、 とうとう お 金 もち に なりました 。
|くらし||たつ|||||きむ|||なり ました
クリスマス も 近い ある 夜 、 皮 も 裁ち 終わった くつ 屋 さん は 、 ベッド に 入る 前 に おくさん に 言いました 。
くりすます||ちかい||よ|かわ||たち|おわった||や|||べっど||はいる|ぜん||||いい ました
|||||||cut|||||||||||wife||
「 今夜 ためしに 寝ずの番 を して 、 どなた が 手助け して くれて いる の か 、 たしかめて みる の は どう か ね 。」
こんや||ねずのばん|||||てだすけ||||||||||||
|||||||assistance||||||confirm||||||
おくさん も うなずいて 、 明かり も つけて おく こと に しました 。
|||あかり||||||し ました
wife|||light||||||
部屋 の すみ に ひそんで 、 自分 たち の 前 に は 服 を かけて おいて 、 そこ から のぞき みる のです 。
へや|||||じぶん|||ぜん|||ふく||||||||
||||hiding|||||||||||||||
すると 夜 が ふけた ころ 、 目 に とびこんで きた の は 、 ふた り の 小人 さん 、 服 は 何も 着て おら ず 、 くつ 屋 さん の 仕事 づく え の 前 に じん取る と 、 したく ずみ の 仕事 に 取りかかり 、 まずは ぬって 、 ちく ちく とんとん 、 小さな 指 で たくみに すばやく 、 くつ 屋 さん も 目 を はなせ ず 、 どぎも を ぬかれて しまいました 。
|よ||||め|||||||||こびと||ふく||なにも|きて||||や|||しごと||||ぜん||じんどる|||||しごと||とりかかり||||||ちいさな|ゆび|||||や|||め||||||ぬか れて|しまい ました
|||had advanced|||||||||||||||||||||||||||||shoe repair|||finished||||started working|||||||||skillfully||||||||could not look||astonished||surprised|
手 を 止め ない まま 、 やがて 出来上がる と 、 つくえ の 上 に ちょ こ なんと 立てて 、 ぴょ ん と とびおりて 走りさって いきます 。
て||とどめ||||できあがる||||うえ|||||たてて|||||はしりさって|いき ます
|||||||||||||||||||jumping down|ran away|
・・
あくる 朝 、 おくさん が くつ 屋 さん に 言う に は 、「 あの 小人 さん たち が 、 わたし たち を お 金 もち に した のです から 、 お 礼 を し なくちゃ なりません よ 。
|あさ||||や|||いう||||こびと||||||||きむ|||||||れい||||なり ませ ん|
走り回って いる のに 、 何も 身 に つける もの が ありません から 、 寒 そうで かないません 。
はしりまわって|||なにも|み|||||あり ませ ん||さむ|そう で|かない ませ ん
running around|||||||||||||cannot bear
よろしい です か 、 ちいさな 下着 に 、 上着 に 、 それ から チョッキ と ズボン を ぬいます よ 。
||||したぎ||うわぎ||||ちょっき||ずぼん||ぬい ます|
||||||||||vest||||sews|
それ に 一足 ずつ 、 くつ下 も ぬいます から 、 あなた は それぞれ に 、 くつ を 一足 、 作って あげ なさい な 。」
||ひとあし||くつした||ぬい ます||||||||ひとあし|つくって|||
||||socks||||||||||||||
だんな さん も 、 ぜひ に と いう こと で 、 その 夜 、 仕事 を やり 終える と 、 裁ち切った 皮 の かわり に 、 心づくし の おくりもの を 、 つくえ に そろえて おいて 、 小人 たち が どう ふるまう の か 、 見とどける こと に しました 。
||||||||||よ|しごと|||おえる||たちきった|かわ||||こころづくし||||||||こびと|||||||みとどける|||し ました
husband||||||||||||||||cutting off|||||sincere gift||gift|||||||||||||watching over|||
夜 も ふけて 、 とびこんで きた 小人 さん たち が 、 さあ 仕事 と 思った ところ 、 見つかる の は 皮 の きれ で は なく 、 ぴったり 体 に 合った 小ぎれいな おめしもの 。
よ|||||こびと|||||しごと||おもった||みつかる|||かわ|||||||からだ||あった|こぎれいな|
|||||||||||||||||||||||||||neatly made|clothes
小人 も びっくり 立ちすくみました が 、 たちまち うれしく なって ためして みます 。
こびと|||たちすくみ ました||||||み ます
|||stood frozen|||||tried|
Even the dwarf was startled and cowered, but immediately became happy and gave it a try.
そわそわ ど たば た 、 すてきな おめしもの を 手 に 取って 着こむ と 、 歌 を うたって くれました 。
|||||||て||とって|きこむ||うた|||くれ ました
||||||||||put on|||||
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さ ぼくら も おしゃれ さん ！
・・
もう くつ 屋 は にあわ ない ！
||や|||
||||not suitable|
・・
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そして 小人 さん たち は 、 足ぶみ し ながら おどり 回り 、 いす に つくえ に とび はねて 、 とうとう 戸口 から おどり出て いきました 。
|こびと||||あしぶみ||||まわり||||||||とぐち||おどりでて|いき ました
|||||stepping||||||||||||||danced out|
その とき 以来 、 小人 さん たち は 出て こ なく なりました が 、 生きて いる あいだ 、 くつ 屋 さん は 何でも うまく 行きました し 、 やる こと も みんな 大せい こう でした 。
||いらい|こびと||||でて|||なり ました||いきて||||や|||なんでも||いき ました||||||たいせい||
|||||||||||||||||||||||||||great||
