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三姉妹探偵団 2 キャンパス篇, 三姉妹探偵団(2) Chapter 04 (1)

三姉妹探偵団(2) Chapter 04 (1)

4 爆弾 プレゼント 「── 佐々 本 、 おい 、 佐々 本 ! 」 と 先生 に 呼ば れて 、 今 まさに お 弁当 の ふた を 開けよう と して いた 夕 里子 は 、 いやな 顔 を した 。 「 はい 」 と 立ち上る 。 「 事務 室 で 呼んで る そうだ 。 早く 行け 」 「 はい 」 お 昼 、 食べて から じゃ だめです か 、 と 、 よほど 言おう か と 思った が 、 そこ を ぐっと こらえた の は 、 やはり 、 夕 里子 の 人間 的 成長 を 物語って いる ── と いう の は 、 オーバー か 。 「 何 だろう ね ? 」 と 、 片瀬 敦子 が 言った 。 「 知ら ない 。 一応 、 授業 料 だって 払って ん のに ね 」 「 ま 、 ご ゆっくり どうぞ 」 と 、 敦子 は お 弁当 を 食べ 始め ながら 、 言った 。 「 裏切り者 ! 」 と にらんで 、 夕 里子 は 渋々 教室 を 出た 。 事務 室 へ 行って 、 キョロキョロ して いる と 、 「 佐々 本 さん ? 」 と 、 女子 事務 員 が 声 を かけて 来る 。 「 はい 、 そう です 」 「 あなた 、 何 か やった の ? 」 と 、 近づいて 来て 、 低い 声 で 訊 く 。 「 やった 、 って ……? 」 「 マリファナ と か 売春 と か ──」 「 私 が ? 」 「 だって 、 刑事 さん が 、 あなた の 話 を 聞き たい って 、 来 てる の よ 」 夕 里子 は 振り向いた 。 ── 壁 に もたれて 、 国友 刑事 が 涼しい 顔 で 立って いる 。 「── もう 、 人 の 評判 を 落として ! 」 と 、 夕 里子 は 笑い ながら 言った 。 「 そんな つもり じゃ なかった んだ けど ね 」 国友 は 澄まして 、「 デート の 約束 を 果して もらわ なきゃ 、 と 思った んだ よ 」 「 お 昼 休み に ? 」 「 忙しくて 、 時間 が 取れ ない んだ 、 夜 は 。 で 、 たまたま 聞き込み で この 近く に 来た もん だ から ね 。 ── 何でも 好きな もの を 食べて いい よ 」 二 人 は 、 学校 の すぐ 向 い に ある ソバ 屋 に 入って いた 。 「 何で もった って ……。 そういう セリフ は 、 高級 フランス 料理 店 か 何 か で 言う もの よ 」 「 いや 、 こいつ は 参った な 」 と 、 国友 は 苦笑い した 。 「 ま 、 それ は ボーナス の とき に でも ね 」 「 じゃ 、 私 、 天ぷら ソバ ! 」 夕 里子 は 、 出来る だけ 高い もの を 選んだ 。 「── でも 、 お 礼 言わ なきゃ 、 と 思って た の 。 ありがとう 」 「 いい んだ よ 。 あれ ぐらい の こと なら 、 いつでも お 役 に 立つ さ 」 国友 は 、 もり ソバ を 注文 した 。 「 でも 、 高く 取ら れる んじゃ ない かしら ? それ が ちょっと 気 に なって ──」 「 大丈夫 。 その辺 も 、 金田 って プロダクション の 常務 に よく 言って ある よ 」 「 へえ 」 夕 里子 は 、 ちょっと 意外 そうに 、「 国友 さん って 、 結構 大物 な の ね 」 「 どう いたし まして 。 ── ただ 、 向 う は 、 ちょっと 弱 味 が ある の さ 」 「 弱 味 ? 」 「 そう 。 ── 去年 、 暮れ 間近に なって 、 大麻 を やった 芸能 人 が 五 、 六 人 捕まった だろう ? あの とき 、 神山 田 タカシ も かなり 怪しかった んだ よ 」 「 へえ 。 でも 、 あの 人 なら やり そうだ わ 」 「 まず 間違い ない と 思う ね 。 ただ 、 どうしても 起訴 する ほど の 証拠 が 出て 来 なかった んだ 。 それ で 、 事情 聴取 だけ で 終った 。 その 事実 を 、 伏せて おいて やった から 、 金田 が 感謝 して た の さ 」 「 それ で 言う こと を 聞いて くれた の ね 。 ── ちょっと 狡 い じゃ ない ! 」 「 向 う が 自主 的に 協力 して くれた だけ さ 」 と 、 国友 は 言った 。 「── ソバ が 来た 。 さて 、 食べよう か 」 「 お 弁当 、 あと で 食べよう っと 」 夕 里子 は 、 割りばし を 割って 、「 珠美 なら きっと お 弁当 を 誰 か に 売りつけて る だろう なあ 」 ── ところが 、 二 口 三 口 食べた ところ で 、 国友 の ポケット で ピーッ と 音 が した 。 「 ち ぇっ ! 食事 中 だって いう のに 」 国友 は ブツクサ 言い ながら 、 ソバ 屋 の 入口 の 赤 電話 へ と 立って 行った 。 夕 里子 は 、 熱い ソバ を フウフウ いい ながら 食べて いた 。 お 昼 休み の デート なんて の も 、 なかなか 乙 な もん だ わ 。 ── この 次 は 授業 中 に 、 国友 さん が いきなり 教室 に 乗り込んで 来て 、 「 佐々 本 夕 里子 ! 殺人 容疑 で 逮捕 する ! 神妙に しろ ! 」 と か ── ちょっと 変 かな ? 「 私 は 無実 です ! 」 なんて 叫んだり して ね 。 で 、 手錠 か 何 か かけ られて 連行 さ れて 、 外 で のんびり お 食事 と か ……。 ばれたら 、 国友 さん は クビ 、 私 は 退学 だ わ 、 きっと 。 でも ── ふと 真顔 に なって 、 夕 里子 は 赤 電話 に 向 って いる 国友 の 背中 を 眺めた 。 いくら 国友 さん が 若い 、 った って 、 私 と は 違う 。 あの 人 に して みれば 、 私 は 「 可愛い 女の子 」 に 過ぎ ない んだ 。 私 だって ── そう よ 、 私 だって 、 貧乏 刑事 なんて 、 いやだ わ 。 カッコ良く スポーツカー か 何 か 乗り回す 二枚目 で 、 大 会社 の 社長 の 一 人 息子 ……。 困る の は 、 夕 里子 に 、 その 手 の 男性 に 憧れる 気持 が 、 全く ない こと だった 。 むしろ 、 夕 里子 の 好み から いえば 、 国友 みたいに 、 お 金 は なくて も 、 人柄 が 良くて 、 欠点 は 多少 あって も ( 多々 かな ? ) どことなく 憎め ない 、 ほのぼの と した もの を 持った 男性 に ひか れる のである 。 ── 何 を 言って ん の ! まだ 十八 歳 の 高校 生 の くせ して 。 まだまだ 、 お 姉さん だって 珠美 だって 、 私 が い なきゃ やって いけ ない んだ から 。 そう よ 。 あと 七 、 八 年 は 今 の まま で 頑張る しか ない 。 そう なったら 、 国友 さん は もう 三十 過ぎ 。 ── お 嫁 さん を もらって 、 たまの 非番 の 日 に は 、 子供 の 手 を 引いて 散歩 ……。 それ が 現 実って もの な んだ 。 いくら 好き でも 、 二 人 の 間 の 年齢 の 差 を 縮める わけに は いか ない んだ から 。 いくら 好き でも 、 か ……。 まだ 早い わ よ 、 夕 里子 。 恋 だの 愛 だの って 口 に 出す の は 。 まだ 、 あんた に は 、 鍵 の かかる 日記 帳 の 中 の 恋 が ふさわしい 。 しっかり者 、 しっかり者 と 言わ れて 、 およそ 乙女 っぽい ロマン や 夢 に は 無縁 みたいに 思わ れて る けど 、 でも 、 私 の 中 に だって 、 少女 らしい 血 が 流れて る んだ 。 そう 。 あの 事件 の とき に は 、 大いに 張り切って 、 犯人 と 闘った けど 、 本当 は 、「 殺人 」 なんか より も 「 ロマンス 」 の 方 が ずっと 好きな んだ もの ……。 「── 殺人 だ 」 椅子 に 座る なり 、 国友 が 言った 。 「 え ? 」 「 妙な こと に なった よ 」 と 、 国友 は 言った 。 真剣な 顔つき だ 。 「 どうした の ? 」 「 綾子 君 の 通って る 大学 だ 」 「 お 姉さん の ? ── まさか お 姉さん が ? 」 「 いや 、 そう じゃ ない 。 しかし 、 多少 は 関係 が ある かも しれ ない よ 」 「 どういう こと ? 」 「 神 山田 タカシ の マネージャー が 殺さ れた んだ 」 と 、 国友 が 言った 。 「 自分 で 、 自分 の 後 頭部 を 叩き 割る と いう 、 器用な 奴 が いれば 別だ けど ね 」 と 、 検死 官 が おっとり した 口調 で 言った 。 その 男 は 、 固い 木 の 床 の 上 に 、 うつ伏せ に なって 倒れて いた 。 外 は 明るくて 暖 いくら い な のに 、 この 講堂 の ステージ の 裏 は 、 冷え冷え と して いた 。 「 凶器 は ? 」 と 、 国友 が 訊 いた 。 「 あそこ です よ 」 若い 刑事 が 指さす 。 ステージ の 袖 に 近い 所 に 、 大きな ハンマー が 落ちて いた 。 「 重そう だ な 」 と 、 国友 が 、 かがみ 込んで 眺める 。 「 しかし 、 女 だって 持て ん こと は ない よ 。 大き いたって 、 ハンマー だ 」 検死 官 は 天井 を 見上げて 、「 ここ は 劇 で も やる の か ? 」 と 言った 。 「 文化 祭 が 近い んです 」 と 声 が した 。 メガネ を かけた 、 女 学生 が 立って いる 。 「 君 は ? 」 「 文化 祭 の 委員 長 を して いる 水口 と いい ます 」 「 水口 君 か 」 なかなか しっかり した 、 優等 生 タイプ である 。 「 三 日 に は 、 ここ で コンサート を やら なくて は なら ない んです 」 と 、 水口 恭子 は 言った 。 「 二 日 目 から は 演劇 部 の 公演 も あり ます 。 ここ は 使える でしょう か ? 」 「 そう だ ねえ ……。 たぶん 大丈夫だ と 思う よ 。 よく 上司 に 言って おこう 」 「 よろしく お 願い し ます 」 と 、 水口 恭子 は 頭 を 下げた 。 「 君 も 現場 に 居合せた んだった ね ? 」 「 はい 」 「 じゃ 、 その とき の こと を 聞こう か 」 国友 は 、 水口 恭子 を 促して 、 現場 を 離れた 。 講堂 は 、 他の 建物 から は 少し 離れて いる 。 いや 、 講堂 が 古い まま に 、 取り残さ れた 、 と 言った 方 が いい の かも しれ ない 。 外 に 出る と 、 警官 の 姿 に 、 何事 か と 学生 たち が 集まって 来て いた 。 水口 恭子 は 、 国友 を 、 学生 部 の 建物 の 方 へ と 案内 して 行った 。 「── 死体 を 見付けた の は 、 君 ? 」 と 、 歩き ながら 、 国友 は 訊 いた 。 「 いいえ 」 水口 恭子 は 首 を 振って 、「 佐々 本 さん です 」 「 佐々 本 ? 」 「 ええ 。 びっくり し ました 」 「 そりゃ そう だろう 。 死体 を 見付けりゃ 、 びっくり する さ 」 「 いえ 、 そう じゃ ない んです 。 佐々 本 さん 、 とても 大人 しく て 、 気 の 弱 そうな 人 な のに 、 死体 を 見付けて も 、 全然 あわて ないで 、 落ちつき払って ……。 感心 しちゃ い ました 」 なるほど 、 と 国友 は 思った 。 綾子 なら 、 そう かも しれ ない 。 もっとも 、 それ は 落ちついて いる と いう の と は 、 ちょっと 違う が ……。 「 失礼 ねえ 。 落ちついて る って 、 みんな 感心 して た んだ よ 」 「 それ は 綾子 姉ちゃん の こと 、 知ら ない から だ よ 」 珠美 が 言った 。 「 ご飯 の おかわり やら ない よ ! 」 「 わ っ 、 ごめん ごめん ! 」 ── 夕食 の 席 は いつ に なく 重苦しく ── は なかった 。 殺人 事件 が あろう と も 、 お腹 は 空く のである 。 もちろん 死体 は 除いて の 話 だ が 。 「 でも 、 国友 さん が 担当 して くれて 、 良かった わ 」 と 、 綾子 は 言った 。 「 怖い 人 に 、 怒鳴ら れる ように 訊問 さ れたら 、 何も 答え られ なく なっちゃ う 」 「 そんな こと より 、 せっかく の コンサート が 中止 なんて こと 、 ない でしょう ね 」 「 それ は 大丈夫 みたい 。 もう 明日 から 準備 に かかって いい って 言って た わ 」 「 そう じゃ なくて 、 マネージャー が 死んじゃ った から 、 神山 田 タカシ が 来 ない んじゃ ない かって こと 」 「 ああ 、 そう ね 。 訊 いて み なかった わ 」 「 頼りない 幹事 ね 」 と 、 夕 里子 は 苦笑 した 。 しかし 、 国友 も 、 その辺 は 気 を つかって くれる だろう 。 「 それ を 逆手 に 取りゃ いい んだ よ 」 と 、 珠美 が 言った 。 「 どういう こと ? 」 「 おたく の マネージャー が 学校 内 で 殺さ れて 、 とても 迷惑 して る 。 本来 なら 中止 に する ところ だ が 、 学生 の 間 で 、 ぜひ やって ほしい と の 声 が ある ので 、 慎重に 討議 の 結果 、 開催 を 許可 する こと と した 。 その代り 、 出演 料 など は 一切 お払い でき ませ ん 。 ── こう やる の よ 」 「 は は あ ……」 綾子 も 夕 里子 も 呆 気 に 取ら れて いる 。 これ で なきゃ 、 お 金 は 貯まら ない の かも しれ ない 、 と 夕 里子 は 思った 。 「── でも 、 どうして マネージャー が 、 そんな 所 で 殺さ れた の かしら ? 」 と 、 夕 里子 は 言った 。 「 大学 に 来た の は 初めて でしょ ? 」 「 と 思う けど ……。 人違い かも ね 」 「 人違い で 殴り殺す の ? 」 「 それ が 、 人 の 頭 と 思わ なかった 、 と か ……」 綾子 も 、 さすが に 、「── ちょっと 無理 ね 、 それ は 」 「 その とき は 、 誰 が いた の ? 」 「 講堂 に 行った の は 、 水口 さん と 石原 茂子 さん と 、 私 。 それ に 死んだ 人 の 四 人 よ 」 「 マネージャー 、 黒木 って いった わ ね 」 「 そんな 名前 だった わ 」 「 その 人 が 、 舞台 を 見て た わけ ね 」 「 うん 。 どんな 装置 が ある か 、 広 さ は どう か 、 裏手 は どんな 風 か ……。 色々 、 調べて おか ない と 、 本番 の とき 、 困る んだ って 」 「 一 人 で いた の ? 」 「 一 人 で 見る って 言って 、 上って 行った の よ 、 ステージ の 上 に 。 ── それ で 、 なかなか 出て 来 ない の 。 水口 さん は 、 電話 を かけ なきゃ いけない 、 って 出て 行って 、 茂子 さん が 、 恋人 を 待た せて る んで 、 少し 遅れる って 連絡 し に 行った の 」 「 じゃ 、 お 姉さん が 一 人 で 残った わけ ? 」 「 うん 。 でも 、 いくら 待って も 、 あの 黒木 って 人 、 出て 来 ない の 」 「 それ で 見 に 行ったら 、 死んで た 、 って わけ ね 」 「 うん 。 ── 可哀そうだった わ 。 きっと 痛かった でしょう ね 」 「 じゃ 、 綾子 姉ちゃん が 一 番 の 容疑 者 だ 」 と 、 珠美 が アッサリ と 言った 。 「 変な こと 言わ ないで よ 」 綾子 が 渋い 顔 に なった 。 「── 玄関 に 誰 か 来て る 」 と 、 夕 里子 が チャイム を 聞きつけて 言った 。 夕 里子 は インタホン の 受話器 を とった 。 「 はい 。 ── はい 、 ちょっと お 待ち 下さい 」 「 誰 ? 」 「 お 姉さん に 、 だって 。


三姉妹探偵団(2) Chapter 04 (1) みっ しまい たんてい だん|chapter Three Sisters Detective Agency (2) Chapter 04 (1)

4  爆弾 プレゼント 「── 佐々 本 、 おい 、 佐々 本 ! ばくだん|ぷれぜんと|ささ|ほん||ささ|ほん 4 Bomb gifts "─ ─ Sasamoto, Hey, Saso! 」   と 先生 に 呼ば れて 、 今 まさに お 弁当 の ふた を 開けよう と して いた 夕 里子 は 、 いやな 顔 を した 。 |せんせい||よば||いま|||べんとう||||あけよう||||ゆう|さとご|||かお|| Yuriko who had been called by the teacher and was about to open the lunch box right now has a bad face. 「 はい 」   と 立ち上る 。 ||たちのぼる 「 事務 室 で 呼んで る そうだ 。 じむ|しつ||よんで||そう だ "It seems to be called at the office. 早く 行け 」 「 はい 」   お 昼 、 食べて から じゃ だめです か 、 と 、 よほど 言おう か と 思った が 、 そこ を ぐっと こらえた の は 、 やはり 、 夕 里子 の 人間 的 成長 を 物語って いる ── と いう の は 、 オーバー か 。 はやく|いけ|||ひる|たべて|||||||いおう|||おもった|||||||||ゆう|さとご||にんげん|てき|せいちょう||ものがたって||||||おーばー| Go ahead of time "Yes" I thought that I should not say that I should not eat lunch at noon, but I felt somewhat able to say that, after all, I tell the human growth of Yuriko evening ─ Is it over? 「 何 だろう ね ? なん|| "What is it? 」   と 、 片瀬 敦子 が 言った 。 |かたせ|あつこ||いった 「 知ら ない 。 しら| 一応 、 授業 料 だって 払って ん のに ね 」 「 ま 、 ご ゆっくり どうぞ 」   と 、 敦子 は お 弁当 を 食べ 始め ながら 、 言った 。 いちおう|じゅぎょう|りょう||はらって|||||||||あつこ|||べんとう||たべ|はじめ||いった Tonight, even if I pay tuition fee, "" Well, please slowly, "said Atsuko, while starting eating lunch. 「 裏切り者 ! うらぎりもの " traitor ! 」   と にらんで 、 夕 里子 は 渋々 教室 を 出た 。 ||ゆう|さとご||しぶしぶ|きょうしつ||でた Staring at the view, Riko Yu got out of the classroom. 事務 室 へ 行って 、 キョロキョロ して いる と 、 「 佐々 本 さん ? じむ|しつ||おこなって|||||ささ|ほん| 」   と 、 女子 事務 員 が 声 を かけて 来る 。 |じょし|じむ|いん||こえ|||くる "A girls clerk is calling out. 「 はい 、 そう です 」 「 あなた 、 何 か やった の ? ||||なん||| "Yes, that's right." "Did you do something? 」   と 、 近づいて 来て 、 低い 声 で 訊 く 。 |ちかづいて|きて|ひくい|こえ||じん| "Come approaching and ask in a low voice. 「 やった 、 って ……? "Have you done it ...? 」 「 マリファナ と か 売春 と か ──」 「 私 が ? |||ばいしゅん|||わたくし| 」 「 だって 、 刑事 さん が 、 あなた の 話 を 聞き たい って 、 来 てる の よ 」   夕 里子 は 振り向いた 。 |けいじ|||||はなし||きき|||らい||||ゆう|さとご||ふりむいた "Because even Crimson wants to listen to you, I'm coming." Yuriko turned away. ── 壁 に もたれて 、 国友 刑事 が 涼しい 顔 で 立って いる 。 かべ||もた れて|くにとも|けいじ||すずしい|かお||たって| ─ ─ Leaning against the wall, Knitting Criminal standing on a cool face. 「── もう 、 人 の 評判 を 落として ! |じん||ひょうばん||おとして 」   と 、 夕 里子 は 笑い ながら 言った 。 |ゆう|さとご||わらい||いった 「 そんな つもり じゃ なかった んだ けど ね 」   国友 は 澄まして 、「 デート の 約束 を 果して もらわ なきゃ 、 と 思った んだ よ 」 「 お 昼 休み に ? |||||||くにとも||すまして|でーと||やくそく||はたして||||おもった||||ひる|やすみ| "I did not plan to do that," Kumitomo said clearly, "I thought I had to make a date promise," I said "at lunch break?" 」 「 忙しくて 、 時間 が 取れ ない んだ 、 夜 は 。 いそがしくて|じかん||とれ|||よ| "I am too busy, I can not afford it, night. で 、 たまたま 聞き込み で この 近く に 来た もん だ から ね 。 ||ききこみ|||ちかく||きた|||| It happened to be close to me by listening. ── 何でも 好きな もの を 食べて いい よ 」   二 人 は 、 学校 の すぐ 向 い に ある ソバ 屋 に 入って いた 。 なんでも|すきな|||たべて|||ふた|じん||がっこう|||むかい||||そば|や||はいって| ── You can eat whatever you like. "They were in a buckwheat house right in front of the school. 「 何で もった って ……。 なんで|| "Why do you have it ...? そういう セリフ は 、 高級 フランス 料理 店 か 何 か で 言う もの よ 」 「 いや 、 こいつ は 参った な 」   と 、 国友 は 苦笑い した 。 |せりふ||こうきゅう|ふらんす|りょうり|てん||なん|||いう||||||まいった|||くにとも||にがわらい| Such lines will be said at a high-class French restaurant or something. "" No, this guy did not come ", Kunitomo smiled a bitter smile. 「 ま 、 それ は ボーナス の とき に でも ね 」 「 じゃ 、 私 、 天ぷら ソバ ! |||ぼーなす|||||||わたくし|てんぷら|そば 」   夕 里子 は 、 出来る だけ 高い もの を 選んだ 。 ゆう|さとご||できる||たかい|||えらんだ "Yuriko picked something as high as possible. 「── でも 、 お 礼 言わ なきゃ 、 と 思って た の 。 ||れい|いわ|||おもって|| "── But I thought I should say thanks. ありがとう 」 「 いい んだ よ 。 あれ ぐらい の こと なら 、 いつでも お 役 に 立つ さ 」   国友 は 、 もり ソバ を 注文 した 。 |||||||やく||たつ||くにとも|||そば||ちゅうもん| Anything like that, I can help you anytime. "Kunitomo ordered mori buckwheat. 「 でも 、 高く 取ら れる んじゃ ない かしら ? |たかく|とら|||| "But will it be taken high? それ が ちょっと 気 に なって ──」 「 大丈夫 。 |||き|||だいじょうぶ That's a little anxious - ___ ___ ___ 0 その辺 も 、 金田 って プロダクション の 常務 に よく 言って ある よ 」 「 へえ 」   夕 里子 は 、 ちょっと 意外 そうに 、「 国友 さん って 、 結構 大物 な の ね 」 「 どう いたし まして 。 そのへん||かなだ||||じょうむ|||いって||||ゆう|さとご|||いがい|そう に|くにとも|||けっこう|おおもの|||||| Kaneda often says to the executive affairs of production, "Kae" Eri Riko seems to be surprisingly surprising, "Kunihito is quite a big deal" "How do you do. ── ただ 、 向 う は 、 ちょっと 弱 味 が ある の さ 」 「 弱 味 ? |むかい||||じゃく|あじ|||||じゃく|あじ 」 「 そう 。 ── 去年 、 暮れ 間近に なって 、 大麻 を やった 芸能 人 が 五 、 六 人 捕まった だろう ? きょねん|くれ|まぢかに||たいま|||げいのう|じん||いつ|むっ|じん|つかまった| ─ ─ There were five or six entertainers who came near the end of last year and did marijuana? あの とき 、 神山 田 タカシ も かなり 怪しかった んだ よ 」 「 へえ 。 ||かみやま|た|たかし|||あやしかった||| At that time, Kamiyama Takashi was quite suspicious, too. " でも 、 あの 人 なら やり そうだ わ 」 「 まず 間違い ない と 思う ね 。 ||じん|||そう だ|||まちがい|||おもう| But he seems to do it. "I do not think there is any mistake. ただ 、 どうしても 起訴 する ほど の 証拠 が 出て 来 なかった んだ 。 ||きそ||||しょうこ||でて|らい|| However, there was not enough evidence to prosecute. それ で 、 事情 聴取 だけ で 終った 。 ||じじょう|ちょうしゅ|||しまった With that, we just finished with a casual listening. その 事実 を 、 伏せて おいて やった から 、 金田 が 感謝 して た の さ 」 「 それ で 言う こと を 聞いて くれた の ね 。 |じじつ||ふせて||||かなだ||かんしゃ|||||||いう|||きいて||| Kanada thanked me for keeping that fact, "he said," You heard what I said. ── ちょっと 狡 い じゃ ない ! |こう||| ── It's a little cunning! 」 「 向 う が 自主 的に 協力 して くれた だけ さ 」   と 、 国友 は 言った 。 むかい|||じしゅ|てきに|きょうりょく||||||くにとも||いった "" Only the autonomous cooperation has been directed towards ", said Kunitomo. 「── ソバ が 来た 。 そば||きた さて 、 食べよう か 」 「 お 弁当 、 あと で 食べよう っと 」   夕 里子 は 、 割りばし を 割って 、「 珠美 なら きっと お 弁当 を 誰 か に 売りつけて る だろう なあ 」  ── ところが 、 二 口 三 口 食べた ところ で 、 国友 の ポケット で ピーッ と 音 が した 。 |たべよう|||べんとう|||たべよう||ゆう|さとご||わりばし||わって|たまみ||||べんとう||だれ|||うりつけて|||||ふた|くち|みっ|くち|たべた|||くにとも||ぽけっと||||おと|| Okay, shall we eat? "" Lunch box, let's eat later "Yuriko Yuri divided the franchise and said," If it is Zhu Mi you surely have sold your lunch to someone "── However, When I ate the mouth, I heard a beep at my friend 's pocket. 「 ち ぇっ ! "Well! 食事 中 だって いう のに 」   国友 は ブツクサ 言い ながら 、 ソバ 屋 の 入口 の 赤 電話 へ と 立って 行った 。 しょくじ|なか||||くにとも|||いい||そば|や||いりぐち||あか|でんわ|||たって|おこなった Even though it is during meals. "Kumito stood up to the red phone at the entrance of the buckwheat shop while saying BUTSUXA. 夕 里子 は 、 熱い ソバ を フウフウ いい ながら 食べて いた 。 ゆう|さとご||あつい|そば||ふうふう|||たべて| Evening Riko had eaten hot buckwheat desulfurt. お 昼 休み の デート なんて の も 、 なかなか 乙 な もん だ わ 。 |ひる|やすみ||でーと|||||おつ|||| It is quite easy for me to have a date lunch break. ── この 次 は 授業 中 に 、 国友 さん が いきなり 教室 に 乗り込んで 来て 、 「 佐々 本 夕 里子 ! |つぎ||じゅぎょう|なか||くにとも||||きょうしつ||のりこんで|きて|ささ|ほん|ゆう|さとご ─ ─ During this lesson, Mr. Kunihiro suddenly got into the classroom and said "Satoshi Sasaki Riko! 殺人 容疑 で 逮捕 する ! さつじん|ようぎ||たいほ| Arrest with murder charges! 神妙に しろ ! しんみょうに| Shiny! 」   と か ── ちょっと 変 かな ? |||へん| Or is it a bit strange? 「 私 は 無実 です ! わたくし||むじつ| "I am innocent! 」   なんて 叫んだり して ね 。 |さけんだり|| Please scream at me. で 、 手錠 か 何 か かけ られて 連行 さ れて 、 外 で のんびり お 食事 と か ……。 |てじょう||なん||||れんこう|||がい||||しょくじ|| So, handcuffs or something is taken and taken and taken outside with a meal ...... ばれたら 、 国友 さん は クビ 、 私 は 退学 だ わ 、 きっと 。 |くにとも|||くび|わたくし||たいがく||| Farewell, Kunie friend is fired, I am leaving school, surely. でも ── ふと 真顔 に なって 、 夕 里子 は 赤 電話 に 向 って いる 国友 の 背中 を 眺めた 。 ||まがお|||ゆう|さとご||あか|でんわ||むかい|||くにとも||せなか||ながめた But ─ ─ I suddenly became a serious face, and Riko Yu looked at the back of the national friend who is facing the red phone. いくら 国友 さん が 若い 、 った って 、 私 と は 違う 。 |くにとも|||わかい|||わたくし|||ちがう How much Mr. Kunitomo is young is different from me. あの 人 に して みれば 、 私 は 「 可愛い 女の子 」 に 過ぎ ない んだ 。 |じん||||わたくし||かわいい|おんなのこ||すぎ|| As a result of that person, I am just a "pretty girl". 私 だって ── そう よ 、 私 だって 、 貧乏 刑事 なんて 、 いやだ わ 。 わたくし||||わたくし||びんぼう|けいじ||| I, too - I do not want a criminal poverty. カッコ良く スポーツカー か 何 か 乗り回す 二枚目 で 、 大 会社 の 社長 の 一 人 息子 ……。 かっこいく|||なん||のりまわす|にまいめ||だい|かいしゃ||しゃちょう||ひと|じん|むすこ He is a cool second hand who sports a sports car or something, the only son of the president of a large company ...... 困る の は 、 夕 里子 に 、 その 手 の 男性 に 憧れる 気持 が 、 全く ない こと だった 。 こまる|||ゆう|さとご|||て||だんせい||あこがれる|きもち||まったく||| The trouble is that there was no feeling of admiring a man of the hand at Yuriko. むしろ 、 夕 里子 の 好み から いえば 、 国友 みたいに 、 お 金 は なくて も 、 人柄 が 良くて 、 欠点 は 多少 あって も ( 多々 かな ? |ゆう|さとご||よしみ|||くにとも|||きむ||||ひとがら||よくて|けってん||たしょう|||たた| Rather, from the taste of Yuriko, even if you do not have money, like people like Kunie, personality is good and there are some disadvantages (is it a lot? ) どことなく 憎め ない 、 ほのぼの と した もの を 持った 男性 に ひか れる のである 。 |にくめ|||||||もった|だんせい|||| ) It is drawn to a man who has somewhat relaxed, warm hearted. ── 何 を 言って ん の ! なん||いって|| まだ 十八 歳 の 高校 生 の くせ して 。 |じゅうはち|さい||こうこう|せい||| I am still a high school student aged 18. まだまだ 、 お 姉さん だって 珠美 だって 、 私 が い なきゃ やって いけ ない んだ から 。 ||ねえさん||たまみ||わたくし|||||||| Even my older sister is still pearl, because I can not do without me. そう よ 。 あと 七 、 八 年 は 今 の まま で 頑張る しか ない 。 |なな|やっ|とし||いま||||がんばる|| In the seventh and eighth years we have to work hard as it is now. そう なったら 、 国友 さん は もう 三十 過ぎ 。 ||くにとも||||さんじゅう|すぎ If that happens, Mr. Kunitomo is already over thirty. ── お 嫁 さん を もらって 、 たまの 非番 の 日 に は 、 子供 の 手 を 引いて 散歩 ……。 |よめ|||||ひばん||ひ|||こども||て||ひいて|さんぽ ─ ─ We got a bride and in the occasional off day we took a child's hand and took a walk. それ が 現 実って もの な んだ 。 ||げん|みのって||| That is what actually happens. いくら 好き でも 、 二 人 の 間 の 年齢 の 差 を 縮める わけに は いか ない んだ から 。 |すき||ふた|じん||あいだ||ねんれい||さ||ちぢめる|||||| As much as you like, you can not shorten the difference between the two. いくら 好き でも 、 か ……。 |すき|| How much do you like? まだ 早い わ よ 、 夕 里子 。 |はやい|||ゆう|さとご It is still early, Yuriko. 恋 だの 愛 だの って 口 に 出す の は 。 こい||あい|||くち||だす|| It is to say that love of love is love. まだ 、 あんた に は 、 鍵 の かかる 日記 帳 の 中 の 恋 が ふさわしい 。 ||||かぎ|||にっき|ちょう||なか||こい|| Yet, you deserve love in a locked diary. しっかり者 、 しっかり者 と 言わ れて 、 およそ 乙女 っぽい ロマン や 夢 に は 無縁 みたいに 思わ れて る けど 、 でも 、 私 の 中 に だって 、 少女 らしい 血 が 流れて る んだ 。 しっかりもの|しっかりもの||いわ|||おとめ||ろまん||ゆめ|||むえん||おもわ|||||わたくし||なか|||しょうじょ||ち||ながれて|| It is thought that it is unrelated to romantic romance and dreams about firm, well-minded people, but even among me, girl-like blood flows in me. そう 。 あの 事件 の とき に は 、 大いに 張り切って 、 犯人 と 闘った けど 、 本当 は 、「 殺人 」 なんか より も 「 ロマンス 」 の 方 が ずっと 好きな んだ もの ……。 |じけん|||||おおいに|はりきって|はんにん||たたかった||ほんとう||さつじん||||ろまんす||かた|||すきな|| In that incident, I was striking a lot and fought against the criminal, but in reality, I love romance more than "murder" ... .... 「── 殺人 だ 」   椅子 に 座る なり 、 国友 が 言った 。 さつじん||いす||すわる||くにとも||いった Sitting on the "── murder" chair, Komuro said. 「 え ? 」 「 妙な こと に なった よ 」   と 、 国友 は 言った 。 みょうな||||||くにとも||いった "It turned out strange," said Kunitomo. 真剣な 顔つき だ 。 しんけんな|かおつき| 「 どうした の ? 」 「 綾子 君 の 通って る 大学 だ 」 「 お 姉さん の ? あやこ|きみ||かよって||だいがく|||ねえさん| "Ayako's passing the university" "Is it your sister?" ── まさか お 姉さん が ? ||ねえさん| ─ ─ Does not your sister? 」 「 いや 、 そう じゃ ない 。 しかし 、 多少 は 関係 が ある かも しれ ない よ 」 「 どういう こと ? |たしょう||かんけい|||||||| However, there may be some relationships. "" What do you mean? 」 「 神 山田 タカシ の マネージャー が 殺さ れた んだ 」   と 、 国友 が 言った 。 かみ|やまだ|たかし||まねーじゃー||ころさ||||くにとも||いった 「 自分 で 、 自分 の 後 頭部 を 叩き 割る と いう 、 器用な 奴 が いれば 別だ けど ね 」   と 、 検死 官 が おっとり した 口調 で 言った 。 じぶん||じぶん||あと|とうぶ||たたき|わる|||きような|やつ|||べつだ||||けんし|かん||||くちょう||いった "It's different if there are dextrous people who knock down their own heads by themselves," but said the doctor in a tense voice. その 男 は 、 固い 木 の 床 の 上 に 、 うつ伏せ に なって 倒れて いた 。 |おとこ||かたい|き||とこ||うえ||うつぶせ|||たおれて| The man was lying flat on a hard wooden floor. 外 は 明るくて 暖 いくら い な のに 、 この 講堂 の ステージ の 裏 は 、 冷え冷え と して いた 。 がい||あかるくて|だん||||||こうどう||すてーじ||うら||ひえびえ||| Even though the outside was bright and warm, the back side of the auditorium in the auditorium was cool. 「 凶器 は ? きょうき| "What is a weapon? 」   と 、 国友 が 訊 いた 。 |くにとも||じん| 「 あそこ です よ 」   若い 刑事 が 指さす 。 |||わかい|けいじ||ゆびさす "There is over there" Young detectors point. ステージ の 袖 に 近い 所 に 、 大きな ハンマー が 落ちて いた 。 すてーじ||そで||ちかい|しょ||おおきな|はんまー||おちて| There was a big hammer on the place close to the sleeve of the stage. 「 重そう だ な 」   と 、 国友 が 、 かがみ 込んで 眺める 。 じゅうそう||||くにとも|||こんで|ながめる "It seems heavy," Kunitomo crawls and looks at. 「 しかし 、 女 だって 持て ん こと は ない よ 。 |おんな||もて||||| "But you never have a woman. 大き いたって 、 ハンマー だ 」   検死 官 は 天井 を 見上げて 、「 ここ は 劇 で も やる の か ? おおき||はんまー||けんし|かん||てんじょう||みあげて|||げき||||| The big deal is a hammer. "The coroner looked up at the ceiling and said," Is this also done in theaters? 」   と 言った 。 |いった 「 文化 祭 が 近い んです 」   と 声 が した 。 ぶんか|さい||ちかい|||こえ|| メガネ を かけた 、 女 学生 が 立って いる 。 めがね|||おんな|がくせい||たって| A girl student wearing glasses is standing. 「 君 は ? きみ| 」 「 文化 祭 の 委員 長 を して いる 水口 と いい ます 」 「 水口 君 か 」   なかなか しっかり した 、 優等 生 タイプ である 。 ぶんか|さい||いいん|ちょう||||みずぐち||||みずぐち|きみ|||||ゆうとう|せい|たいぷ| 「 三 日 に は 、 ここ で コンサート を やら なくて は なら ない んです 」   と 、 水口 恭子 は 言った 。 みっ|ひ|||||こんさーと|||||||||みずぐち|きょうこ||いった "On the third day, we have to do a concert here," Kyoko Mizuguchi said. 「 二 日 目 から は 演劇 部 の 公演 も あり ます 。 ふた|ひ|め|||えんげき|ぶ||こうえん||| "From the second day there will be performances by the theater department. ここ は 使える でしょう か ? ||つかえる|| Is it possible to use here? 」 「 そう だ ねえ ……。 "That's right ... .... たぶん 大丈夫だ と 思う よ 。 |だいじょうぶだ||おもう| よく 上司 に 言って おこう 」 「 よろしく お 願い し ます 」   と 、 水口 恭子 は 頭 を 下げた 。 |じょうし||いって||||ねがい||||みずぐち|きょうこ||あたま||さげた I often keep talking to my boss. "" I thank you, "Kyoko Mizuguchi lowered his head. 「 君 も 現場 に 居合せた んだった ね ? きみ||げんば||いあわせた|| "You stayed at the scene, did not you?" 」 「 はい 」 「 じゃ 、 その とき の こと を 聞こう か 」   国友 は 、 水口 恭子 を 促して 、 現場 を 離れた 。 |||||||きこう||くにとも||みずぐち|きょうこ||うながして|げんば||はなれた "Yeah" Well then, do you want to hear about that time? "Kunitomo urged Mizuguchi Kyoko to leave the scene. 講堂 は 、 他の 建物 から は 少し 離れて いる 。 こうどう||たの|たてもの|||すこし|はなれて| The auditorium is a bit far from other buildings. いや 、 講堂 が 古い まま に 、 取り残さ れた 、 と 言った 方 が いい の かも しれ ない 。 |こうどう||ふるい|||とりのこさ|||いった|かた|||||| No, it may be better to say that the auditorium was left outdated, left out. 外 に 出る と 、 警官 の 姿 に 、 何事 か と 学生 たち が 集まって 来て いた 。 がい||でる||けいかん||すがた||なにごと|||がくせい|||あつまって|きて| When going out, students were gathering in something in the form of a police officer. 水口 恭子 は 、 国友 を 、 学生 部 の 建物 の 方 へ と 案内 して 行った 。 みずぐち|きょうこ||くにとも||がくせい|ぶ||たてもの||かた|||あんない||おこなった Kyoko Mizuguchi gave a national friend to the building of the student department. 「── 死体 を 見付けた の は 、 君 ? したい||みつけた|||きみ 」   と 、 歩き ながら 、 国友 は 訊 いた 。 |あるき||くにとも||じん| 「 いいえ 」   水口 恭子 は 首 を 振って 、「 佐々 本 さん です 」 「 佐々 本 ? |みずぐち|きょうこ||くび||ふって|ささ|ほん|||ささ|ほん 」 「 ええ 。 びっくり し ました 」 「 そりゃ そう だろう 。 I was surprised. "" That probably is. 死体 を 見付けりゃ 、 びっくり する さ 」 「 いえ 、 そう じゃ ない んです 。 したい||みつけりゃ|||||||| When you find a corpse, you will be surprised. "No, it is not so. 佐々 本 さん 、 とても 大人 しく て 、 気 の 弱 そうな 人 な のに 、 死体 を 見付けて も 、 全然 あわて ないで 、 落ちつき払って ……。 ささ|ほん|||おとな|||き||じゃく|そう な|じん|||したい||みつけて||ぜんぜん|||おちつきはらって Mr. Sasamoto, who is very adults and seems to be weak, but finds the corpse, do not panic at all, calm down ... .... 感心 しちゃ い ました 」   なるほど 、 と 国友 は 思った 。 かんしん||||||くにとも||おもった It was impressive "I see, Kunitomo thought. 綾子 なら 、 そう かも しれ ない 。 あやこ||||| Ayako may be right. もっとも 、 それ は 落ちついて いる と いう の と は 、 ちょっと 違う が ……。 |||おちついて||||||||ちがう| Although it is slightly different from saying that it is settled ...... 「 失礼 ねえ 。 しつれい| "Excuse me. 落ちついて る って 、 みんな 感心 して た んだ よ 」 「 それ は 綾子 姉ちゃん の こと 、 知ら ない から だ よ 」   珠美 が 言った 。 おちついて||||かんしん|||||||あやこ|ねえちゃん|||しら|||||たまみ||いった Everyone was impressed that it was settled. "" It's because I do not know about Ayako-neechan, "said Ms. Zhuyi. 「 ご飯 の おかわり やら ない よ ! ごはん||||| "I will not do my refilling! 」 「 わ っ 、 ごめん ごめん ! "Wow, sorry sorry! 」  ── 夕食 の 席 は いつ に なく 重苦しく ── は なかった 。 ゆうしょく||せき|||||おもくるしく|| ── The dinner seats were not heavy at any given time - nothing. 殺人 事件 が あろう と も 、 お腹 は 空く のである 。 さつじん|じけん|||||おなか||あく| Even if there is a murder case, the stomach is empty. もちろん 死体 は 除いて の 話 だ が 。 |したい||のぞいて||はなし|| Of course it is a story except for corpses. 「 でも 、 国友 さん が 担当 して くれて 、 良かった わ 」   と 、 綾子 は 言った 。 |くにとも|||たんとう|||よかった|||あやこ||いった "However, it was good that Kunitomi-san took charge of it," Ayako said. 「 怖い 人 に 、 怒鳴ら れる ように 訊問 さ れたら 、 何も 答え られ なく なっちゃ う 」 「 そんな こと より 、 せっかく の コンサート が 中止 なんて こと 、 ない でしょう ね 」 「 それ は 大丈夫 みたい 。 こわい|じん||どなら|||じんもん|||なにも|こたえ||||||||||こんさーと||ちゅうし||||||||だいじょうぶ| "If you are asked to be scolded by a scary person, you will not be able to answer anything." "From that kind of thing, it will not be a matter of stopping a concert that is precious, is not it?" "It looks okay. もう 明日 から 準備 に かかって いい って 言って た わ 」 「 そう じゃ なくて 、 マネージャー が 死んじゃ った から 、 神山 田 タカシ が 来 ない んじゃ ない かって こと 」 「 ああ 、 そう ね 。 |あした||じゅんび|||||いって||||||まねーじゃー||しんじゃ|||かみやま|た|たかし||らい|||||||| I was saying that I can start preparing from tomorrow. "" Because it was not so, the manager died, so Kakayama Takashi will not come "" Oh, that's right. 訊 いて み なかった わ 」 「 頼りない 幹事 ね 」   と 、 夕 里子 は 苦笑 した 。 じん|||||たよりない|かんじ|||ゆう|さとご||くしょう| I did not ask you "" It is an unreliable secretary, "Yuriko smiled bitterly. しかし 、 国友 も 、 その辺 は 気 を つかって くれる だろう 。 |くにとも||そのへん||き|||| However, Kuniei will be alright about that. 「 それ を 逆手 に 取りゃ いい んだ よ 」   と 、 珠美 が 言った 。 ||さかて||とりゃ|||||たまみ||いった "You should do it the other way," Mr. Emi said. 「 どういう こと ? 」 「 おたく の マネージャー が 学校 内 で 殺さ れて 、 とても 迷惑 して る 。 ||まねーじゃー||がっこう|うち||ころさ|||めいわく|| "My manager is killed in the school and it is very annoying. 本来 なら 中止 に する ところ だ が 、 学生 の 間 で 、 ぜひ やって ほしい と の 声 が ある ので 、 慎重に 討議 の 結果 、 開催 を 許可 する こと と した 。 ほんらい||ちゅうし||||||がくせい||あいだ|||||||こえ||||しんちょうに|とうぎ||けっか|かいさい||きょか|||| Although it is supposed to be canceled as it is originally, there is a voice that students are willing to do, so we decided to allow the holding as a result of deliberate discussion. その代り 、 出演 料 など は 一切 お払い でき ませ ん 。 そのかわり|しゅつえん|りょう|||いっさい|おはらい||| Instead, you can not pay the performance fee at all. ── こう やる の よ 」 「 は は あ ……」   綾子 も 夕 里子 も 呆 気 に 取ら れて いる 。 |||||||あやこ||ゆう|さとご||ぼけ|き||とら|| ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ___ 0 これ で なきゃ 、 お 金 は 貯まら ない の かも しれ ない 、 と 夕 里子 は 思った 。 ||||きむ||たまら|||||||ゆう|さとご||おもった If this is not the case, Riko Yuri thought that money might not be accumulated. 「── でも 、 どうして マネージャー が 、 そんな 所 で 殺さ れた の かしら ? ||まねーじゃー|||しょ||ころさ||| 」   と 、 夕 里子 は 言った 。 |ゆう|さとご||いった 「 大学 に 来た の は 初めて でしょ ? だいがく||きた|||はじめて| "It's the first time you came to college, right? 」 「 と 思う けど ……。 |おもう| 人違い かも ね 」 「 人違い で 殴り殺す の ? ひとちがい|||ひとちがい||なぐりころす| It might be a mistake. "" Do you kill me by mistake? 」 「 それ が 、 人 の 頭 と 思わ なかった 、 と か ……」   綾子 も 、 さすが に 、「── ちょっと 無理 ね 、 それ は 」 「 その とき は 、 誰 が いた の ? ||じん||あたま||おもわ||||あやこ|||||むり|||||||だれ||| "That was not the person's head ..." Ayako, as expected, "─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ 」 「 講堂 に 行った の は 、 水口 さん と 石原 茂子 さん と 、 私 。 こうどう||おこなった|||みずぐち|||いしはら|しげこ|||わたくし それ に 死んだ 人 の 四 人 よ 」 「 マネージャー 、 黒木 って いった わ ね 」 「 そんな 名前 だった わ 」 「 その 人 が 、 舞台 を 見て た わけ ね 」 「 うん 。 ||しんだ|じん||よっ|じん||まねーじゃー|くろき||||||なまえ||||じん||ぶたい||みて|||| Four of the dead people "" Manager, I took Kuroki "" That was such a name "" That person was watching the stage "" Yeah. どんな 装置 が ある か 、 広 さ は どう か 、 裏手 は どんな 風 か ……。 |そうち||||ひろ|||||うらて|||かぜ| What kind of equipment is there, how big is it, how behind the back ... .... 色々 、 調べて おか ない と 、 本番 の とき 、 困る んだ って 」 「 一 人 で いた の ? いろいろ|しらべて||||ほんばん|||こまる|||ひと|じん||| If you do not investigate in various ways, it will be a problem when you are in the production. "" Were you alone? 」 「 一 人 で 見る って 言って 、 上って 行った の よ 、 ステージ の 上 に 。 ひと|じん||みる||いって|のぼって|おこなった|||すてーじ||うえ| "I told you to look alone, I went up, on the stage. ── それ で 、 なかなか 出て 来 ない の 。 |||でて|らい|| ── That's why I do not come out easily. 水口 さん は 、 電話 を かけ なきゃ いけない 、 って 出て 行って 、 茂子 さん が 、 恋人 を 待た せて る んで 、 少し 遅れる って 連絡 し に 行った の 」 「 じゃ 、 お 姉さん が 一 人 で 残った わけ ? みずぐち|||でんわ||||||でて|おこなって|しげこ|||こいびと||また||||すこし|おくれる||れんらく|||おこなった||||ねえさん||ひと|じん||のこった| Mr. Mizuguchi went out, saying that I had to make a phone call, Mr. Shogo kept waiting for my girlfriend, so I went to contact him to be a bit late. "" Okay, the elder sister remained alone Why? 」 「 うん 。 でも 、 いくら 待って も 、 あの 黒木 って 人 、 出て 来 ない の 」 「 それ で 見 に 行ったら 、 死んで た 、 って わけ ね 」 「 うん 。 ||まって|||くろき||じん|でて|らい|||||み||おこなったら|しんで||||| However, no matter how much I wait, that Kuroki does not come out. "" If I go to see it with that, I guess it is dead "" Yeah. ── 可哀そうだった わ 。 かわいそうだった| きっと 痛かった でしょう ね 」 「 じゃ 、 綾子 姉ちゃん が 一 番 の 容疑 者 だ 」   と 、 珠美 が アッサリ と 言った 。 |いたかった||||あやこ|ねえちゃん||ひと|ばん||ようぎ|もの|||たまみ||||いった I guess it must have hurt. "" Well, Ayako's sister is the first suspect, "said Ms. Ami, Assamer. 「 変な こと 言わ ないで よ 」   綾子 が 渋い 顔 に なった 。 へんな||いわ|||あやこ||しぶい|かお|| "Do not say strange things" Ayako turned to a shabby face. 「── 玄関 に 誰 か 来て る 」   と 、 夕 里子 が チャイム を 聞きつけて 言った 。 げんかん||だれ||きて|||ゆう|さとご||ちゃいむ||ききつけて|いった "─ ─ Someone is coming to the entrance," Yuriko Yuri listened to the chime and said. 夕 里子 は インタホン の 受話器 を とった 。 ゆう|さとご||||じゅわき|| Yuriko took off at the interphone. 「 はい 。 ── はい 、 ちょっと お 待ち 下さい 」 「 誰 ? |||まち|ください|だれ 」 「 お 姉さん に 、 だって 。 |ねえさん||