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江戸小話, 思いやり

思いやり

店 へ 、 二 人 連れ の お 客 さん が やって 来 ました 。 「 いらっしゃい ませ 。 どうぞ 、 一服 でも して 下さい 」 店 の 者 が タバコ ぼん を 出す と 、 さっそく 一 人 が キセル を 取り上げ ました 。 ところが 吸おう と して も 、 キセル が 詰まって いて 吸え ませ ん 。 「 あれ 、 おかしい な 」 息 を 吹き 入れて み ます が 、 駄目です 。 「 どれ 、 ちょっと 貸して み な 」 もう 一 人 の 客 が 、 見かねて 手 を 出し ました 。 する と 、 始め の 客 は 、 「 まあ 、 そう 急ぐ な 。 もう 少し やら せて くれ 」 と 、 また あれこれ やって み ます が 、 キセル は いっこうに 通り ませ ん 。 相手 の 客 は 、 とうとう 腹 を 立てて 、 「 えい 、 早く 寄こせ 」 と 、 キセル を ひったくろう と し ます 。 「 何 じゃ い 。 少し 待て と 言って いる だろう 」 相手 は キセル を 渡そう と し ませ ん 。 そんな 二 人 の 様子 を 見て いた 家 の 主人 が 、 奥 に 声 を かけ ました 。 「 これ 。 誰 か 、 あっ ち の お 客 に も 、 詰まった キセル を 持って 来て あげ なさい 。 詰まった キセル を 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )

思いやり おもいやり

店 へ 、 二 人 連れ の お 客 さん が やって 来 ました 。 てん||ふた|じん|つれ|||きゃく||||らい| 「 いらっしゃい ませ 。 どうぞ 、 一服 でも して 下さい 」   店 の 者 が タバコ ぼん を 出す と 、 さっそく 一 人 が キセル を 取り上げ ました 。 |いっぷく|||ください|てん||もの||たばこ|||だす|||ひと|じん||きせる||とりあげ| ところが 吸おう と して も 、 キセル が 詰まって いて 吸え ませ ん 。 |すおう||||きせる||つまって||すえ|| 「 あれ 、 おかしい な 」   息 を 吹き 入れて み ます が 、 駄目です 。 |||いき||ふき|いれて||||だめ です 「 どれ 、 ちょっと 貸して み な 」   もう 一 人 の 客 が 、 見かねて 手 を 出し ました 。 ||かして||||ひと|じん||きゃく||みかねて|て||だし| する と 、 始め の 客 は 、 「 まあ 、 そう 急ぐ な 。 ||はじめ||きゃく||||いそぐ| もう 少し やら せて くれ 」 と 、 また あれこれ やって み ます が 、 キセル は いっこうに 通り ませ ん 。 |すこし|||||||||||きせる|||とおり|| 相手 の 客 は 、 とうとう 腹 を 立てて 、 「 えい 、 早く 寄こせ 」 と 、 キセル を ひったくろう と し ます 。 あいて||きゃく|||はら||たてて||はやく|よこせ||きせる||||| 「 何 じゃ い 。 なん|| 少し 待て と 言って いる だろう 」   相手 は キセル を 渡そう と し ませ ん 。 すこし|まて||いって|||あいて||きせる||わたそう|||| そんな 二 人 の 様子 を 見て いた 家 の 主人 が 、 奥 に 声 を かけ ました 。 |ふた|じん||ようす||みて||いえ||あるじ||おく||こえ||| 「 これ 。 誰 か 、 あっ ち の お 客 に も 、 詰まった キセル を 持って 来て あげ なさい 。 だれ||||||きゃく|||つまった|きせる||もって|きて|| 詰まった キセル を 」 つまった|きせる|

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )