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江戸小話, つみな人だま

つみな人 だま

つみな 人 だま

ある ところ に 、 人情 の かけら も ない 、 強 欲 な 金貸し が い ました 。 約束 の 日 が くれば 、 病人 の ふとん まで はがして くる 男 です 。

ある 日 の 夕ぐれ 、 この 男 が 貸した お 金 の 取り立て に 歩いて いる と 、 自分 の 耳 の 穴 から 、 ふわ ー っと 、 人 だ ま が 抜け出して 、 どこ か へ 飛んで いって しまい ました 。 「 たっ 、 大変だ ー ! 」 人 だ ま が 抜け出す と 、 その 人 は 長くて も 三 年 で 死ぬ と 言わ れて い ます 。 もしかすると 、 今日 に も 死ぬ かも しれ ませ ん 。 「 なんて こった 。 ・・・ ええ い 、 仕方 が ない 。 こう なれば たくわえた 金 を 、 死ぬ 前 に 全部 使って やろう 」 こうして 男 は 、 どんどん 金 を 使い ました 。

数 日 後 、 男 が 全て の 金 を 使って 一 文無し に なった とき 、 人 だ ま が ひょっこり 戻って きて 言い ました 。 「 すまない 、 すまない 。 飛び出す 日 を 間違えて しまった 。 おれ が 出て 行く の は 、 あと 五十 年 後 だった 。 これ から も 、 よろしく な 」 「 ばか やろう ! 今頃 帰って きて も 、 おそい わ ! ♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


つみな人 だま つみな じん|

つみな 人 だま |じん|

ある ところ に 、 人情 の かけら も ない 、 強 欲 な 金貸し が い ました 。 |||にんじょう|||||つよ|よく||かねかし||| 約束 の 日 が くれば 、 病人 の ふとん まで はがして くる 男 です 。 やくそく||ひ|||びょうにん||||||おとこ|

ある 日 の 夕ぐれ 、 この 男 が 貸した お 金 の 取り立て に 歩いて いる と 、 自分 の 耳 の 穴 から 、 ふわ ー っと 、 人 だ ま が 抜け出して 、 どこ か へ 飛んで いって しまい ました 。 |ひ||ゆうぐれ||おとこ||かした||きむ||とりたて||あるいて|||じぶん||みみ||あな|||-||じん||||ぬけだして||||とんで||| 「 たっ 、 大変だ ー ! |たいへんだ|- 」   人 だ ま が 抜け出す と 、 その 人 は 長くて も 三 年 で 死ぬ と 言わ れて い ます 。 じん||||ぬけだす|||じん||ながくて||みっ|とし||しぬ||いわ||| もしかすると 、 今日 に も 死ぬ かも しれ ませ ん 。 |きょう|||しぬ|||| 「 なんて こった 。 ・・・ ええ い 、 仕方 が ない 。 ||しかた|| こう なれば たくわえた 金 を 、 死ぬ 前 に 全部 使って やろう 」   こうして 男 は 、 どんどん 金 を 使い ました 。 |||きむ||しぬ|ぜん||ぜんぶ|つかって|||おとこ|||きむ||つかい|

数 日 後 、 男 が 全て の 金 を 使って 一 文無し に なった とき 、 人 だ ま が ひょっこり 戻って きて 言い ました 。 すう|ひ|あと|おとこ||すべて||きむ||つかって|ひと|もんなし||||じん|||||もどって||いい| 「 すまない 、 すまない 。 飛び出す 日 を 間違えて しまった 。 とびだす|ひ||まちがえて| おれ が 出て 行く の は 、 あと 五十 年 後 だった 。 ||でて|いく||||ごじゅう|とし|あと| これ から も 、 よろしく な 」 「 ばか やろう ! 今頃 帰って きて も 、 おそい わ ! いまごろ|かえって|||| ♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )