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幼女戦記, Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 3

Youjo Senki ( The Saga of Tanya the Evil ) Episode 3

( ターニャ ) それ は ―

初 戦闘 で の 傷 が 癒え た 数 日 後 の こと だった

( 軍 司令 ) デグレチャフ 少尉

配属 の 内示 だ

( ターニャ ) 拝見 いたし ます

( ターニャ ) 前線 へ の 配置 だけ は 勘弁 し て もらい たい が …

( ターニャ ) 本国 の 戦 技 教 導 隊 ?

( 軍 司令 ) うむ … その 年 で 部隊 教育 を 任さ れる と は ―

さすが 銀 翼 章 持ち の エース だ な

( ターニャ ) ま ~ さ に 理想 的 な 配属 先 !

だが 大げさ に 喜ぶ わけ に も いく まい

( ターニャ ) お 言葉 は ありがたい です が …

( 軍 司令 ) 不満 か ?

異議 が ある なら こちら から 申し立てる こと も …

そんな ! 光栄 極まりない 評価 に 感謝 し て おり ます

ただ 後方 の お 飾り と 言え なく も ない 配属 先 な の で …

気 に する な

いくら エース と は いえ

その 年齢 で 前線 は 対外 的 に も よろしく ない の だ ろ う

ならば しかたない です ね 配属 命令 を 受領 いたし ます

( ターニャ ) は あ ~ 実に ワンダフル

すばらしき かな ! 安全 な 後方 勤務

( 軍 司令 ) よろしい

では 取り急ぎ 兵站 ( へ い た ん ) 総監 部 に 出向 し て くれ

総監 部 と いう と 技術 検証 要員 でしょう か ?

ああ 新型 演算 宝 珠 の テスト らしい

( ターニャ ) 確かに ―

装備 の 運用 研究 も 教 導 隊 の 仕事 で は ある

その 新型 に つい て お伺い する こと は でき ます でしょう か ?

残念 だ が 試作 機 と しか 知ら さ れ て おら ん

分かり まし た ありがとう ござい まし …

たっ !

う わ ああ !

う わ ああ ああ !

ふざける な !

これ の どこ が 安全 な 後方 勤務 だ ー !

ひ っ !

♪~

~♪

( 助手 ) デグレチャフ 少尉

意識 は あり ます か ? 少尉 !

( ターニャ ) 酸素 濃度 と 体温 が 急激 に 低下

このまま で は 長く は もた ない

( ターニャ ) エレニ ウム 九五 式 ?

( 助手 ) 4 機 の 演算 宝 珠 核 を 同調 さ せる こと で

革新 的 な 性能 を 目指す 試作 機 です

魔力 消費 量 は 激しい です が ―

デグレチャフ 少尉 の 魔力 量 なら ば 何も 問題 は …

( ターニャ ) あり まくり だ !

( ターニャ ) 宝 珠 の 安定 性 が 乏し すぎ だ !

このまま で は また 爆発 する !

( シュー ゲル ) チッ !

了解 今回 の 実験 は これ で …

( シュー ゲル ) ふん っ !

( シュー ゲル ) 少尉 ! もっと 高度 は 取れ ん の か ね ?

ドクトル ! ?

理論 上 は ―

高度 1 万 8000 まで の 上昇 が 確実 な はず だ

( ターニャ ) 従来 の 宝 珠 の 限界 高度 は 6,000 です よ

宝 珠 の 負荷 は 許容 値 内 だ !

それ は 理論 上 の 話 です !

軍用 品 と して の 耐久 性 を 考慮 いただか ね ば !

何 を 言って いる ?

最適 化 さ れ た 宝 珠 の 同調 を 崩す 気 か !

この 欠陥 品 は いつ 火 を 噴く か 分から ない ん です よ !

欠陥 品 ! ?

私 の 最高 傑作 に 欠陥 品 だ と ?

直ちに 発言 を 取り消し たまえ !

う う … う わ ああ !

う わ あ … くっ …

( ターニャ ) いくら 帝国 が 能力 主義 と は いえ ―

こんな 男 が 主任 技師 と は …

( 助手 ) ほ … 宝 珠 核 の 温度 が 急 上昇 !

魔力 供給 を カット 宝 珠 内 の 魔力 を 緊急 排出 する !

う わ あ !

( 助手 ) 機関 部 沈静 動力 消失

ハァ 前回 の よう な 惨事 は 何とか …

( ターニャ ) もう やって られ ん !

こんな 宝 珠 ―

イタリア の “ 赤い 悪魔 ” 並み に 不 良品 だ !

デグレチャフ 少尉 また かね ? また な の か ね ?

私 こそ “ また か ” と 言い たい の です が ?

セーフティー が 機能 し なけ れ ば

ミンチ に なって 散らばって い まし た よ !

待て ! 報告 書 は ?

あと に し て ください 医務 室 が 先 です

( シュー ゲル ) 君 が 集中 力 を 欠く から だ ろ う ?

それ でも 軍人 か ね ?

( ターニャ ) 軍人 の 職責 は 兵器 を 扱う こと で ―

欠陥 品 の ご 機嫌 取り で は あり ませ ん !

ま … また 欠陥 と 言った な ?

( シュー ゲル ) 言った な ? ( 助手 ) え … ええ

( シュー ゲル ) 取り消し たまえ !

前回 の と あわせて 取り消し たまえ !

( ターニャ ) 構造 が もろ すぎる ん です よ !

こんな もの 観賞 用 が いい とこ です

なぜ だ ?

4 機 同調 が どれほど 革新 的 か なぜ 理解 し ない ?

( ターニャ ) 革新 的 な の は 認め ます と も

ですから まとも に 動く もの を 作って いただき たい !

理論 上 は 動く の だ !

君 こそ どうして まとも に 動かせ ない ?

( ターニャ ) 天才 と マッド は 紙一重 と いう が ―

対話 すら 成立 し ない と は …

ドクトル 不都合 を 生じる 可能 性 が ある もの は

いつか 必ず 不都合 を 生じ ます

有名 な 法則 でしょ う ?

くだら ん ! 誰 が そんな 戯言 ( たわごと ) を !

くだら ん ! 誰 が そんな 戯言 ( たわごと ) を !

( ドア の 開く 音 )

長生き すれ ば 分かり ます よ !

( ドア の 閉まる 音 )

( シュー ゲル ) くっ …

( ドア の 閉まる 音 )

( シュー ゲル ) くっ …

( ターニャ ) このまま じゃ 命 が いく つ あって も 足り ん !

最 前線 の ほう が まだ マシ だ !

( 局員 ) うーん …

( 局員 ) で どう する ?

( 局員 ) 受理 する の か ね ?

( 局員 ) ハァ … 実は 私 に も 同じ 年頃 の 娘 が い て ね

( 局員 たち ) うむ …

( ターニャ ) 上層 部 は ―

九五 式 が 汎用 ( はん よ う ) 性 と 信頼 性 に 欠ける と 判断

追加 予算 は 凍結 さ れ 事実 上 の 打ち切り

フッ …

( ターニャ ) やはり 主体 的 な 行動 ある のみ だ な

形而上 の 存在 に すがる など ―

所詮 は 無能 の やる こと だ

数 日 後 に は 帝都 で コーヒー 片手 に 出世 コース か ?

( ターニャ ) あっ !

( 存在 X ( エックス ) ) ゆゆしき 事態 だ な

いまだ 信仰 の かけら も 芽生え ない と は …

そ … 存在 X ! ?

( 存在 X ) いかにも

ハッ ! これほど うれしく ない 再会 も 珍しい

10 年 たって も 理不尽 さ に 変わり ない と は …

( 存在 X ) 貴 様 こそ まるで 進歩 が ない よう だ

あいにく 神 と や ら に すがる ほど 追い詰め られ て は い ない ので

( 存在 X ) 相変わらず 目 に 余る 態度 だ

ん っ

( 存在 X ) なるべく 無 干渉 を 貫く つもり だった が ―

愚か な 子 羊 に は 道 を 示し て やら ね ば なら ん

( ターニャ ) お 気遣い なく

柵 の 中 で 飼わ れる の は 性 に 合わ ない

( 存在 X ) なぜ 創造 主 を たたえ ん ?

昔 は 語りかける だけ で 人々 は 神 を あがめ ―

時 に は 人間 側 から の 呼びかけ すら あった

だから 伝統 工芸 品 に も 祈り を 捧げろ と ?

ご 冗談 でしょ ?

( 存在 X ) やはり 恩 寵 ( おん ちょう ) を 与える べき な の かも しれ ん な

恩 寵 ?

( 存在 X ) 奇跡 だ

海 でも 割って みる お つもり です か ?

それとも 水 を ワイン に 変え て み ます ?

奇跡 など 観測 と 体系 化 が 不十分 ゆえ の 錯覚

言う なれば …

すばらしき 勘違い です

( 存在 X ) 果たして そう 言い 切れる かな ?

あ ! はっ …

夢 ?

“ Deus ( デウス ) lo ( ロ ) vult ( ウルト ) ”

“ 神 が それ を 望ま れる ” ?

“ 神 が それ を 望ま れる ” ?

( ノック )

( ターニャ ) 本気 で やめ ませ ん か ?

多重 干渉 誘発 に よる 魔力 変換 固定 化 検証

どのみち 開発 中止 なら ―

見送って い た 試験 を やる の が 当然 だ ろ う

失敗 すれ ば 試験 場 ごと 吹っ飛び かね ませ ん が …

( シュー ゲル ) 科学 の 進歩 に 犠牲 は 付き物 だ よ

もちろん 君 だけ で は なく 私 も ここ を 動か ない

正直 その 熱意 を 別 の ベクトル に 向け て いただき たい の です が …

科学 者 たる も の 探究 に 忠実 で ある べき だ ろ う ?

私 は 科学 者 で は なく 軍人 です

では 命令 せ ざる を え ない な

少尉 準備 は いい か ね ?

( 助手 ) 観測 班 スタンバイ

九五 式 へ の 魔力 供給 を 開始 し ます

( ターニャ ) もはや 万 策 尽き た か …

ターニャ ・ デグレチャフ 少尉 進 発 し ます !

現在 高度 4,000 速度 320 で 上昇 中

う う っ … う おっと !

宝 珠 の 同調 が 不安定 このまま で は 暴走 確実 !

( シュー ゲル ) 少尉

心配 は 要ら ない

既に 成功 は 約束 さ れ た よう な もの だ

( ターニャ ) ドクトル ? どこ から そんな 自信 が

( シュー ゲル ) なに 簡単 な こと だった ん だ よ

私 は 昨夜 天 啓 を 得 て ね

天 意 の アイデア と 共に ―

神 の 声 を 聞い た

発明 の 神 が 舞い降り た の だ

ドクトル あなた は 無神論 者 だった はず で は ?

今や 敬けん な 信徒 だ よ

少尉 君 も 神 に 会った こと が ある の だ ろ う ?

我ら が 神 に 祈れ ば 必ずや 願い は かなう !

で なけ れ ば 2 人 し て 殉教 だ !

魔力 係数 に 異変 ! 暴走 です !

魔力 を 緊急 排出 する !

( 助手 ) ダメ です ! 同調 が 乱れ て 宝 珠 ごと 崩壊 し ます

クソッ ! 安全 装置 を …

起動 し ない まさか …

いい 機会 で あ ろ う 共に 神 へ 祈 ろ う で は ない か !

宝 珠 核 が 融解 寸前 !

( 一同 の ざわめき )

謀った な … 謀った な 存在 X !

くっ … あっ !

( 存在 X ) 貴 様 の 演算 宝 珠 を 祝福 し 奇跡 を 成し た

奇跡 ? 爆弾 を 突きつける の が 奇跡 だ と ?

( 存在 X ) 今後 貴 様 は 宝 珠 を 使う たび ―

神 へ の 祈り を 唱え ず に は い られ ない

( ターニャ ) な っ …

( 存在 X ) やがて 貴 様 の 心 も 信仰 に 満たさ れる で あ ろ う

あ … 悪質 すぎる マッチ ポンプ !

どこ まで クソッ タレ な ん だ !

( 存在 X ) さあ 行く が よい

主 の 御 名 ( みな ) を 広める ため に !

神 の 奇跡 は 偉大 なり

主 を たたえよ

その 誉れ 高き 名 を …

はっ … 私 は 何 を ?

まさか 祈り を 捧げ た ? あれ に ?

4 機 同調 が 安定 空間 座標 へ の 魔力 固定 化 に 成功

( 観測 係 ) まさか 本当 に 成功 する と は …

( ターニャ ) これ は 確かに 性能 だけ 見 れ ば すばらしい

すばらしい が 呪わ れ て いる !

( 一同 の 歓声 )

やはり 主 は おら れ た

“ デウス ・ ロ ・ ウルト ” 神 が それ を 望ま れる の だ

( 砲撃 音 )

我 主 の 御 力 ( みち から ) を たたえ その お 恵み に 感謝 せ ん

( ターニャ ) 理不尽 な 転生 の あげく こんな 呪い まで …

だが 前線 で 生き残る ため に は 使わ ざる を え ない

何という ジレンマ …

( ヴィー シャ ) しょ … 少尉 何 か 気 に なる こと でも ?

ない 仕事 に 集中 しろ

は … はい !

ですが 中央 本隊 は 集結 済み です し これ 以上 の 増 援 は 必要 ない か と …

何 だ と ?

ひ っ ! し … 失礼 し まし た !

( ターニャ ) 最 前線 に 呪わ れ た 宝 珠 と は …

存在 X に 災い あれ !

( レル ゲン ) お 手元 の 資料 に ある よう に ―

デグレチャフ 少尉 は ―

協商 連合 軍 と の 初陣 後 に 銀 翼 突撃 章 を 受賞

新型 宝 珠 の 開発 に 尽力 し た 後

戦局 の 変化 に より ライン 戦線 へ 緊急 配備 さ れ まし た

( ルーデルドルフ ) ライン 戦線 で は 単独 で 敵 魔 導 中隊 を 殲滅 ( せん め つ )

現在 も 同地 にて よう 撃 任務 を 継続 中 か …

まさに 理想 的 な 軍人 だ な

こんな 逸材 を なぜ “ 化 物 ” と ?

確かに 優秀 な 魔 導 師 で ある こと は 間違い あり ませ ん

しかし その 人格 は N 極 め て 異質 です

( ルーデルドルフ ) 士官 学校 で の 話 か ?

跳ね っ 返り を たたく の も 上官 の 務め だ ろ う

ん っ …

現状 新型 宝 珠 は 少尉 以外 に 使いこなせ ない そう です

その 点 から も 潜在 的 に 危惧 せ ざる え ない 存在 か と …

( 准将 ) 中佐 の 誤解 じゃ ない の か ? ( 准将 ) まだ 10 歳 じゃ ない か

( 准将 ) ただ の 子供 だ

( ゼートゥーア ) レル ゲン 中佐

貴 官 が 優れ た 人材 で ある こと は 聞き 及 ん で いる

人事 局 から 作戦 局 へ の 異動 も その 幅広い 知識 を 見込 ん で の もの だ

過分 な 評価 感謝 し て おり ます

( ゼートゥーア ) そんな 貴 官 が 進言 する 以上 ―

可能 な かぎり 意見 は 尊重 し たい が …

既に デグレチャフ 少尉 の 処遇 は 決定 済み だ

( レル ゲン ) な っ …

( ヴィー シャ ) あ ~ フカフカ の ベッド で 寝 たい

シャワー 浴び たい

缶詰 で も いい から アップルパイ 食べ たい

ウ … ウソ です !

任務 に 不満 など 少しも あり ませ ん !

数 か月 前 は ろくに 飛べ も し なかった 新 入り が

随分 慣れ た もの だ な

( ヴィー シャ ) マズ い …

まさか クルスト たち み たい に 私 も …

( ターニャ ) シュワルコフ 中尉 に 取り次 い で もらい ―

将校 課程 に 推薦 し て おい た

( ヴィー シャ ) 私 が 将校 に ?

泥 と 血 に まみれ た 前線 を 離れ たく ない なら

無理 に と は 言わ ん が …

い … いえ いえいえ … N そう で は なく て

うれし すぎる と いう か

身 に 余る 評価 に 混乱 し て いる と いう か …

( ターニャ ) 支度 が 整い しだい 帝都 へ 戻れ

少尉 ! あの …

何 だ ?

( ヴィー シャ ) その 配属 先 砲弾 で 吹っ飛 ん だ り し ませ ん よ ね ?

( ターニャ ) は ?

ハァ …

( ヴィー シャ ) ああ …

神様 って いる ん だ な

( ターニャ ) “ ターニャ ・ デグレチャフ 少尉 ”

“ 貴 官 は 中尉 に 昇進 軍 大学 へ 入学 す べし ”

( ターニャ ) 主観 記憶 に ある かぎり ―

2 度 目 の 大学 生活 か ~

まさか 後方 で 安全 に 学問 が できる と は …

( シュワルコフ ) まだ 迎え は 来 ない よう だ な

( ターニャ ) あっ …

シュワルコフ 中尉 殿 !

( シュワルコフ ) 相変わらず つれない ヤツ だ

見送り も さ せ て くれ ない と は

( ターニャ ) 申し訳 あり ませ ん

部隊 を 離れ て 帝都 に 戻る の は 気 が 引け まし て …

セレブリャコーフ 伍長 ( ご ちょう ) を

将校 課程 に 推薦 し た の も それ が 理由 か ?

直属 の 部下 です から ね

彼女 は 一 足先 に 出発 し た そう です

( ターニャ ) これ で 部下 を 配慮 する 軍人 と して の ポーズ に も ―

抜かり は ない

改めて 貴 官 に 礼 を 言い たい

その 働き ぶり と 新型 宝 珠 に は 本当 に 助け られ た

こちら こそ 中尉 殿 に は 感謝 し て おり ます

残念 ながら 大学 で は これ を 使う 機会 も 減る でしょ う が …

( シュワルコフ ) 何はともあれ 貴 官 の 武運 を 祈 ろ う

神 は 常に 我ら と 共に

わ … 我ら … と 共に !

( ゼートゥーア ) 現在 の ライン 戦線 の 状況 は ?

( ルーデルドルフ ) 依然と して 膠着 ( こ う ちゃ く ) 状態 だ

どうにか 中央 本隊 は 間に合った が ―

やはり 戦前 の 想定 計画 で は 話 に なら ん

肝心 の 主力 が 機動 性 と 適合 性 を 欠 い て いる と いう わけ か …

( ルーデルドルフ ) 状況 に 即応 できる 精 強 な 部隊 の 設立 が ―

当面 の 課題 だ な

( ゼートゥーア ) ハァ …

( ターニャ ) 帝都 で 待つ の は 温か な 食事 と 快適 な 生活

軍 大学 で 出世 の レール に 乗れ ば 将来 は 確約 さ れる

フフッ …

( ゼートゥーア ) 新た な 即応 部隊 か …

( ターニャ ) 一 時 は どう なる か と 思った が …

今や 存在 X が 哀れ な ほど だ

♪~

~♪

( ターニャ ) 餞別 ( せんべつ ) ? ( ヴィー シャ ) あっ はい

小 隊長 に は お 世話 に なり っぱなし で し た し ―

せめて 何 か お 礼 を と 思い まし て

見るからに 各 部 の 寸法 が 合わ ない と 思う が ?

そう です か ?

でも 小 隊長 は 育ち盛り です し すぐに 合う よう に なり ます よ !

フフッ …

Youjo Senki ( The Saga of Tanya the Evil ) Episode 3 Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 3 Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 3 유죠센키(악의 타냐의 사가) 3화 Youjo Senki (A Saga de Tanya, o Mal) Episódio 3 妖精戰記(邪惡譚雅傳奇)第 3 集

( ターニャ ) それ は ―

初 戦闘 で の 傷 が 癒え た 数 日 後 の こと だった はつ|せんとう|||きず||いえ||すう|ひ|あと|||

( 軍 司令 ) デグレチャフ 少尉 ぐん|しれい||しょうい

配属 の 内示 だ はいぞく||ないじ|

( ターニャ ) 拝見 いたし ます |はいけん||

( ターニャ ) 前線 へ の 配置 だけ は 勘弁 し て もらい たい が … |ぜんせん|||はいち|||かんべん|||||

( ターニャ ) 本国 の 戦 技 教 導 隊 ? |ほんごく||いくさ|わざ|きょう|みちび|たい

( 軍 司令 ) うむ … その 年 で 部隊 教育 を 任さ れる と は ― ぐん|しれい|||とし||ぶたい|きょういく||まかさ|||

さすが 銀 翼 章 持ち の エース だ な |ぎん|つばさ|しょう|もち||えーす||

( ターニャ ) ま ~ さ に 理想 的 な 配属 先 ! ||||りそう|てき||はいぞく|さき

だが 大げさ に 喜ぶ わけ に も いく まい |おおげさ||よろこぶ|||||

( ターニャ ) お 言葉 は ありがたい です が … ||ことば||||

( 軍 司令 ) 不満 か ? ぐん|しれい|ふまん|

異議 が ある なら こちら から 申し立てる こと も … いぎ||||||もうしたてる||

そんな ! 光栄 極まりない 評価 に 感謝 し て おり ます |こうえい|きわまりない|ひょうか||かんしゃ||||

ただ 後方 の お 飾り と 言え なく も ない 配属 先 な の で … |こうほう|||かざり||いえ||||はいぞく|さき|||

気 に する な き|||

いくら エース と は いえ |えーす|||

その 年齢 で 前線 は 対外 的 に も よろしく ない の だ ろ う |ねんれい||ぜんせん||たいがい|てき||||||||

ならば しかたない です ね 配属 命令 を 受領 いたし ます ||||はいぞく|めいれい||じゅりょう||

( ターニャ ) は あ ~ 実に ワンダフル |||じつに|わんだふる

すばらしき かな ! 安全 な 後方 勤務 ||あんぜん||こうほう|きんむ

( 軍 司令 ) よろしい ぐん|しれい|

では 取り急ぎ 兵站 ( へ い た ん ) 総監 部 に 出向 し て くれ |とりいそぎ|へいたん|||||そうかん|ぶ||しゅっこう|||

総監 部 と いう と 技術 検証 要員 でしょう か ? そうかん|ぶ||||ぎじゅつ|けんしょう|よういん||

ああ 新型 演算 宝 珠 の テスト らしい |しんがた|えんざん|たから|しゅ||てすと|

( ターニャ ) 確かに ― |たしかに

装備 の 運用 研究 も 教 導 隊 の 仕事 で は ある そうび||うんよう|けんきゅう||きょう|みちび|たい||しごと|||

その 新型 に つい て お伺い する こと は でき ます でしょう か ? |しんがた||||おうかがい|||||||

残念 だ が 試作 機 と しか 知ら さ れ て おら ん ざんねん|||しさく|き|||しら|||||

分かり まし た ありがとう ござい まし … わかり|||||

たっ !

う わ ああ !

う わ ああ ああ !

ふざける な !

これ の どこ が 安全 な 後方 勤務 だ ー ! ||||あんぜん||こうほう|きんむ||-

ひ っ !

♪~

~♪

( 助手 ) デグレチャフ 少尉 じょしゅ||しょうい

意識 は あり ます か ? 少尉 ! いしき|||||しょうい

( ターニャ ) 酸素 濃度 と 体温 が 急激 に 低下 |さんそ|のうど||たいおん||きゅうげき||ていか

このまま で は 長く は もた ない |||ながく|||

( ターニャ ) エレニ ウム 九五 式 ? |||きゅうご|しき

( 助手 ) 4 機 の 演算 宝 珠 核 を 同調 さ せる こと で じょしゅ|き||えんざん|たから|しゅ|かく||どうちょう||||

革新 的 な 性能 を 目指す 試作 機 です かくしん|てき||せいのう||めざす|しさく|き|

魔力 消費 量 は 激しい です が ― まりょく|しょうひ|りょう||はげしい||

デグレチャフ 少尉 の 魔力 量 なら ば 何も 問題 は … |しょうい||まりょく|りょう|||なにも|もんだい|

( ターニャ ) あり まくり だ !

( ターニャ ) 宝 珠 の 安定 性 が 乏し すぎ だ ! |たから|しゅ||あんてい|せい||とぼし||

このまま で は また 爆発 する ! ||||ばくはつ|

( シュー ゲル ) チッ ! しゅー||

了解 今回 の 実験 は これ で … りょうかい|こんかい||じっけん|||

( シュー ゲル ) ふん っ ! しゅー|||

( シュー ゲル ) 少尉 ! もっと 高度 は 取れ ん の か ね ? しゅー||しょうい||こうど||とれ||||

ドクトル ! ?

理論 上 は ― りろん|うえ|

高度 1 万 8000 まで の 上昇 が 確実 な はず だ こうど|よろず|||じょうしょう||かくじつ|||

( ターニャ ) 従来 の 宝 珠 の 限界 高度 は 6,000 です よ |じゅうらい||たから|しゅ||げんかい|こうど|||

宝 珠 の 負荷 は 許容 値 内 だ ! たから|しゅ||ふか||きょよう|あたい|うち|

それ は 理論 上 の 話 です ! ||りろん|うえ||はなし|

軍用 品 と して の 耐久 性 を 考慮 いただか ね ば ! ぐんよう|しな||||たいきゅう|せい||こうりょ|||

何 を 言って いる ? なん||いって|

最適 化 さ れ た 宝 珠 の 同調 を 崩す 気 か ! さいてき|か||||たから|しゅ||どうちょう||くずす|き|

この 欠陥 品 は いつ 火 を 噴く か 分から ない ん です よ ! |けっかん|しな|||ひ||ふく||わから||||

欠陥 品 ! ? けっかん|しな

私 の 最高 傑作 に 欠陥 品 だ と ? わたくし||さいこう|けっさく||けっかん|しな||

直ちに 発言 を 取り消し たまえ ! ただちに|はつげん||とりけし|

う う … う わ ああ !

う わ あ … くっ …

( ターニャ ) いくら 帝国 が 能力 主義 と は いえ ― ||ていこく||のうりょく|しゅぎ|||

こんな 男 が 主任 技師 と は … |おとこ||しゅにん|ぎし||

( 助手 ) ほ … 宝 珠 核 の 温度 が 急 上昇 ! じょしゅ||たから|しゅ|かく||おんど||きゅう|じょうしょう

魔力 供給 を カット 宝 珠 内 の 魔力 を 緊急 排出 する ! まりょく|きょうきゅう||かっと|たから|しゅ|うち||まりょく||きんきゅう|はいしゅつ|

う わ あ !

( 助手 ) 機関 部 沈静 動力 消失 じょしゅ|きかん|ぶ|ちんせい|どうりょく|しょうしつ

ハァ 前回 の よう な 惨事 は 何とか … |ぜんかい||||さんじ||なんとか

( ターニャ ) もう やって られ ん !

こんな 宝 珠 ― |たから|しゅ

イタリア の “ 赤い 悪魔 ” 並み に 不 良品 だ ! いたりあ||あかい|あくま|なみ||ふ|りょうひん|

デグレチャフ 少尉 また かね ? また な の か ね ? |しょうい|||||||

私 こそ “ また か ” と 言い たい の です が ? わたくし|||||いい||||

セーフティー が 機能 し なけ れ ば ||きのう||||

ミンチ に なって 散らばって い まし た よ ! みんち|||ちらばって||||

待て ! 報告 書 は ? まて|ほうこく|しょ|

あと に し て ください 医務 室 が 先 です |||||いむ|しつ||さき|

( シュー ゲル ) 君 が 集中 力 を 欠く から だ ろ う ? しゅー||きみ||しゅうちゅう|ちから||かく||||

それ でも 軍人 か ね ? ||ぐんじん||

( ターニャ ) 軍人 の 職責 は 兵器 を 扱う こと で ― |ぐんじん||しょくせき||へいき||あつかう||

欠陥 品 の ご 機嫌 取り で は あり ませ ん ! けっかん|しな|||きげん|とり|||||

ま … また 欠陥 と 言った な ? ||けっかん||いった|

( シュー ゲル ) 言った な ? ( 助手 ) え … ええ しゅー||いった||じょしゅ||

( シュー ゲル ) 取り消し たまえ ! しゅー||とりけし|

前回 の と あわせて 取り消し たまえ ! ぜんかい||||とりけし|

( ターニャ ) 構造 が もろ すぎる ん です よ ! |こうぞう||||||

こんな もの 観賞 用 が いい とこ です ||かんしょう|よう||||

なぜ だ ?

4 機 同調 が どれほど 革新 的 か なぜ 理解 し ない ? き|どうちょう|||かくしん|てき|||りかい||

( ターニャ ) 革新 的 な の は 認め ます と も |かくしん|てき||||みとめ|||

ですから まとも に 動く もの を 作って いただき たい ! |||うごく|||つくって||

理論 上 は 動く の だ ! りろん|うえ||うごく||

君 こそ どうして まとも に 動かせ ない ? きみ|||||うごかせ|

( ターニャ ) 天才 と マッド は 紙一重 と いう が ― |てんさい||||かみひとえ|||

対話 すら 成立 し ない と は … たいわ||せいりつ||||

ドクトル 不都合 を 生じる 可能 性 が ある もの は |ふつごう||しょうじる|かのう|せい||||

いつか 必ず 不都合 を 生じ ます |かならず|ふつごう||しょうじ|

有名 な 法則 でしょ う ? ゆうめい||ほうそく||

くだら ん ! 誰 が そんな 戯言 ( たわごと ) を ! ||だれ|||たわごと||

くだら ん ! 誰 が そんな 戯言 ( たわごと ) を ! ||だれ|||たわごと||

( ドア の 開く 音 ) どあ||あく|おと

長生き すれ ば 分かり ます よ ! ながいき|||わかり||

( ドア の 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( シュー ゲル ) くっ … しゅー||

( ドア の 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( シュー ゲル ) くっ … しゅー||

( ターニャ ) このまま じゃ 命 が いく つ あって も 足り ん ! |||いのち||||||たり|

最 前線 の ほう が まだ マシ だ ! さい|ぜんせん||||||

( 局員 ) うーん … きょくいん|

( 局員 ) で どう する ? きょくいん|||

( 局員 ) 受理 する の か ね ? きょくいん|じゅり||||

( 局員 ) ハァ … 実は 私 に も 同じ 年頃 の 娘 が い て ね きょくいん||じつは|わたくし|||おなじ|としごろ||むすめ||||

( 局員 たち ) うむ … きょくいん||

( ターニャ ) 上層 部 は ― |じょうそう|ぶ|

九五 式 が 汎用 ( はん よ う ) 性 と 信頼 性 に 欠ける と 判断 きゅうご|しき||はんよう||||せい||しんらい|せい||かける||はんだん

追加 予算 は 凍結 さ れ 事実 上 の 打ち切り ついか|よさん||とうけつ|||じじつ|うえ||うちきり

フッ …

( ターニャ ) やはり 主体 的 な 行動 ある のみ だ な ||しゅたい|てき||こうどう||||

形而上 の 存在 に すがる など ― けいじじょう||そんざい|||

所詮 は 無能 の やる こと だ しょせん||むのう||||

数 日 後 に は 帝都 で コーヒー 片手 に 出世 コース か ? すう|ひ|あと|||ていと||こーひー|かたて||しゅっせ|こーす|

( ターニャ ) あっ !

( 存在 X ( エックス ) ) ゆゆしき 事態 だ な そんざい||||じたい||

いまだ 信仰 の かけら も 芽生え ない と は … |しんこう||||めばえ|||

そ … 存在 X ! ? |そんざい|

( 存在 X ) いかにも そんざい||

ハッ ! これほど うれしく ない 再会 も 珍しい ||||さいかい||めずらしい

10 年 たって も 理不尽 さ に 変わり ない と は … とし|||りふじん|||かわり|||

( 存在 X ) 貴 様 こそ まるで 進歩 が ない よう だ そんざい||とうと|さま|||しんぽ||||

あいにく 神 と や ら に すがる ほど 追い詰め られ て は い ない ので |かみ|||||||おいつめ||||||

( 存在 X ) 相変わらず 目 に 余る 態度 だ そんざい||あいかわらず|め||あまる|たいど|

ん っ

( 存在 X ) なるべく 無 干渉 を 貫く つもり だった が ― そんざい|||む|かんしょう||つらぬく|||

愚か な 子 羊 に は 道 を 示し て やら ね ば なら ん おろか||こ|ひつじ|||どう||しめし||||||

( ターニャ ) お 気遣い なく ||きづかい|

柵 の 中 で 飼わ れる の は 性 に 合わ ない さく||なか||かわ||||せい||あわ|

( 存在 X ) なぜ 創造 主 を たたえ ん ? そんざい|||そうぞう|おも|||

昔 は 語りかける だけ で 人々 は 神 を あがめ ― むかし||かたりかける|||ひとびと||かみ||

時 に は 人間 側 から の 呼びかけ すら あった じ|||にんげん|がわ|||よびかけ||

だから 伝統 工芸 品 に も 祈り を 捧げろ と ? |でんとう|こうげい|しな|||いのり||ささげろ|

ご 冗談 でしょ ? |じょうだん|

( 存在 X ) やはり 恩 寵 ( おん ちょう ) を 与える べき な の かも しれ ん な そんざい|||おん|ちょう||||あたえる|||||||

恩 寵 ? おん|ちょう

( 存在 X ) 奇跡 だ そんざい||きせき|

海 でも 割って みる お つもり です か ? うみ||わって|||||

それとも 水 を ワイン に 変え て み ます ? |すい||わいん||かえ|||

奇跡 など 観測 と 体系 化 が 不十分 ゆえ の 錯覚 きせき||かんそく||たいけい|か||ふじゅうぶん|||さっかく

言う なれば … いう|

すばらしき 勘違い です |かんちがい|

( 存在 X ) 果たして そう 言い 切れる かな ? そんざい||はたして||いい|きれる|

あ ! はっ …

夢 ? ゆめ

“ Deus ( デウス ) lo ( ロ ) vult ( ウルト ) ”

“ 神 が それ を 望ま れる ” ? かみ||||のぞま|

“ 神 が それ を 望ま れる ” ? かみ||||のぞま|

( ノック )

( ターニャ ) 本気 で やめ ませ ん か ? |ほんき|||||

多重 干渉 誘発 に よる 魔力 変換 固定 化 検証 たじゅう|かんしょう|ゆうはつ|||まりょく|へんかん|こてい|か|けんしょう

どのみち 開発 中止 なら ― |かいはつ|ちゅうし|

見送って い た 試験 を やる の が 当然 だ ろ う みおくって|||しけん|||||とうぜん|||

失敗 すれ ば 試験 場 ごと 吹っ飛び かね ませ ん が … しっぱい|||しけん|じょう||ふっとび||||

( シュー ゲル ) 科学 の 進歩 に 犠牲 は 付き物 だ よ しゅー||かがく||しんぽ||ぎせい||つきもの||

もちろん 君 だけ で は なく 私 も ここ を 動か ない |きみ|||||わたくし||||うごか|

正直 その 熱意 を 別 の ベクトル に 向け て いただき たい の です が … しょうじき||ねつい||べつ||||むけ||||||

科学 者 たる も の 探究 に 忠実 で ある べき だ ろ う ? かがく|もの||||たんきゅう||ちゅうじつ||||||

私 は 科学 者 で は なく 軍人 です わたくし||かがく|もの||||ぐんじん|

では 命令 せ ざる を え ない な |めいれい||||||

少尉 準備 は いい か ね ? しょうい|じゅんび||||

( 助手 ) 観測 班 スタンバイ じょしゅ|かんそく|はん|すたんばい

九五 式 へ の 魔力 供給 を 開始 し ます きゅうご|しき|||まりょく|きょうきゅう||かいし||

( ターニャ ) もはや 万 策 尽き た か … ||よろず|さく|つき||

ターニャ ・ デグレチャフ 少尉 進 発 し ます ! ||しょうい|すすむ|はつ||

現在 高度 4,000 速度 320 で 上昇 中 げんざい|こうど|そくど||じょうしょう|なか

う う っ … う おっと !

宝 珠 の 同調 が 不安定 このまま で は 暴走 確実 ! たから|しゅ||どうちょう||ふあんてい||||ぼうそう|かくじつ

( シュー ゲル ) 少尉 しゅー||しょうい

心配 は 要ら ない しんぱい||いら|

既に 成功 は 約束 さ れ た よう な もの だ すでに|せいこう||やくそく|||||||

( ターニャ ) ドクトル ? どこ から そんな 自信 が |||||じしん|

( シュー ゲル ) なに 簡単 な こと だった ん だ よ しゅー|||かんたん||||||

私 は 昨夜 天 啓 を 得 て ね わたくし||さくや|てん|あきら||とく||

天 意 の アイデア と 共に ― てん|い||あいであ||ともに

神 の 声 を 聞い た かみ||こえ||ききい|

発明 の 神 が 舞い降り た の だ はつめい||かみ||まいおり|||

ドクトル あなた は 無神論 者 だった はず で は ? |||むしんろん|もの||||

今や 敬けん な 信徒 だ よ いまや|けいけん||しんと||

少尉 君 も 神 に 会った こと が ある の だ ろ う ? しょうい|きみ||かみ||あった|||||||

我ら が 神 に 祈れ ば 必ずや 願い は かなう ! われら||かみ||いのれ||かならずや|ねがい||

で なけ れ ば 2 人 し て 殉教 だ ! ||||じん|||じゅんきょう|

魔力 係数 に 異変 ! 暴走 です ! まりょく|けいすう||いへん|ぼうそう|

魔力 を 緊急 排出 する ! まりょく||きんきゅう|はいしゅつ|

( 助手 ) ダメ です ! 同調 が 乱れ て 宝 珠 ごと 崩壊 し ます じょしゅ|だめ||どうちょう||みだれ||たから|しゅ||ほうかい||

クソッ ! 安全 装置 を … |あんぜん|そうち|

起動 し ない まさか … きどう|||

いい 機会 で あ ろ う 共に 神 へ 祈 ろ う で は ない か ! |きかい|||||ともに|かみ||いの||||||

宝 珠 核 が 融解 寸前 ! たから|しゅ|かく||ゆうかい|すんぜん

( 一同 の ざわめき ) いちどう||

謀った な … 謀った な 存在 X ! はかった||はかった||そんざい|

くっ … あっ !

( 存在 X ) 貴 様 の 演算 宝 珠 を 祝福 し 奇跡 を 成し た そんざい||とうと|さま||えんざん|たから|しゅ||しゅくふく||きせき||なし|

奇跡 ? 爆弾 を 突きつける の が 奇跡 だ と ? きせき|ばくだん||つきつける|||きせき||

( 存在 X ) 今後 貴 様 は 宝 珠 を 使う たび ― そんざい||こんご|とうと|さま||たから|しゅ||つかう|

神 へ の 祈り を 唱え ず に は い られ ない かみ|||いのり||となえ||||||

( ターニャ ) な っ …

( 存在 X ) やがて 貴 様 の 心 も 信仰 に 満たさ れる で あ ろ う そんざい|||とうと|さま||こころ||しんこう||みたさ|||||

あ … 悪質 すぎる マッチ ポンプ ! |あくしつ||まっち|ぽんぷ

どこ まで クソッ タレ な ん だ ! |||たれ|||

( 存在 X ) さあ 行く が よい そんざい|||いく||

主 の 御 名 ( みな ) を 広める ため に ! おも||ご|な|||ひろめる||

神 の 奇跡 は 偉大 なり かみ||きせき||いだい|

主 を たたえよ おも||

その 誉れ 高き 名 を … |ほまれ|たかき|な|

はっ … 私 は 何 を ? |わたくし||なん|

まさか 祈り を 捧げ た ? あれ に ? |いのり||ささげ|||

4 機 同調 が 安定 空間 座標 へ の 魔力 固定 化 に 成功 き|どうちょう||あんてい|くうかん|ざひょう|||まりょく|こてい|か||せいこう

( 観測 係 ) まさか 本当 に 成功 する と は … かんそく|かかり||ほんとう||せいこう|||

( ターニャ ) これ は 確かに 性能 だけ 見 れ ば すばらしい |||たしかに|せいのう||み|||

すばらしい が 呪わ れ て いる ! ||のろわ|||

( 一同 の 歓声 ) いちどう||かんせい

やはり 主 は おら れ た |おも||||

“ デウス ・ ロ ・ ウルト ” 神 が それ を 望ま れる の だ |||かみ||||のぞま|||

( 砲撃 音 ) ほうげき|おと

我 主 の 御 力 ( みち から ) を たたえ その お 恵み に 感謝 せ ん われ|おも||ご|ちから|||||||めぐみ||かんしゃ||

( ターニャ ) 理不尽 な 転生 の あげく こんな 呪い まで … |りふじん||てんせい||||まじない|

だが 前線 で 生き残る ため に は 使わ ざる を え ない |ぜんせん||いきのこる||||つかわ||||

何という ジレンマ … なんという|じれんま

( ヴィー シャ ) しょ … 少尉 何 か 気 に なる こと でも ? |||しょうい|なん||き||||

ない 仕事 に 集中 しろ |しごと||しゅうちゅう|

は … はい !

ですが 中央 本隊 は 集結 済み です し これ 以上 の 増 援 は 必要 ない か と … |ちゅうおう|ほんたい||しゅうけつ|すみ||||いじょう||ぞう|えん||ひつよう|||

何 だ と ? なん||

ひ っ ! し … 失礼 し まし た ! |||しつれい|||

( ターニャ ) 最 前線 に 呪わ れ た 宝 珠 と は … |さい|ぜんせん||のろわ|||たから|しゅ||

存在 X に 災い あれ ! そんざい|||わざわい|

( レル ゲン ) お 手元 の 資料 に ある よう に ― |||てもと||しりょう||||

デグレチャフ 少尉 は ― |しょうい|

協商 連合 軍 と の 初陣 後 に 銀 翼 突撃 章 を 受賞 きょうしょう|れんごう|ぐん|||ういじん|あと||ぎん|つばさ|とつげき|しょう||じゅしょう

新型 宝 珠 の 開発 に 尽力 し た 後 しんがた|たから|しゅ||かいはつ||じんりょく|||あと

戦局 の 変化 に より ライン 戦線 へ 緊急 配備 さ れ まし た せんきょく||へんか|||らいん|せんせん||きんきゅう|はいび||||

( ルーデルドルフ ) ライン 戦線 で は 単独 で 敵 魔 導 中隊 を 殲滅 ( せん め つ ) |らいん|せんせん|||たんどく||てき|ま|みちび|ちゅうたい||せんめつ|せ ん||

現在 も 同地 にて よう 撃 任務 を 継続 中 か … げんざい||どうち|||う|にんむ||けいぞく|なか|

まさに 理想 的 な 軍人 だ な |りそう|てき||ぐんじん||

こんな 逸材 を なぜ “ 化 物 ” と ? |いつざい|||か|ぶつ|

確かに 優秀 な 魔 導 師 で ある こと は 間違い あり ませ ん たしかに|ゆうしゅう||ま|みちび|し|||||まちがい|||

しかし その 人格 は \ N 極 め て 異質 です ||じんかく|||ごく|||いしつ|

( ルーデルドルフ ) 士官 学校 で の 話 か ? |しかん|がっこう|||はなし|

跳ね っ 返り を たたく の も 上官 の 務め だ ろ う はね||かえり|||||じょうかん||つとめ|||

ん っ …

現状 新型 宝 珠 は 少尉 以外 に 使いこなせ ない そう です げんじょう|しんがた|たから|しゅ||しょうい|いがい||つかいこなせ|||

その 点 から も 潜在 的 に 危惧 せ ざる え ない 存在 か と … |てん|||せんざい|てき||きぐ|||||そんざい||

( 准将 ) 中佐 の 誤解 じゃ ない の か ? ( 准将 ) まだ 10 歳 じゃ ない か じゅんしょう|ちゅうさ||ごかい|||||じゅんしょう||さい|||

( 准将 ) ただ の 子供 だ じゅんしょう|||こども|

( ゼートゥーア ) レル ゲン 中佐 |||ちゅうさ

貴 官 が 優れ た 人材 で ある こと は 聞き 及 ん で いる とうと|かん||すぐれ||じんざい|||||きき|およ|||

人事 局 から 作戦 局 へ の 異動 も その 幅広い 知識 を 見込 ん で の もの だ じんじ|きょく||さくせん|きょく|||いどう|||はばひろい|ちしき||みこ|||||

過分 な 評価 感謝 し て おり ます かぶん||ひょうか|かんしゃ||||

( ゼートゥーア ) そんな 貴 官 が 進言 する 以上 ― ||とうと|かん||しんげん||いじょう

可能 な かぎり 意見 は 尊重 し たい が … かのう|||いけん||そんちょう|||

既に デグレチャフ 少尉 の 処遇 は 決定 済み だ すでに||しょうい||しょぐう||けってい|すみ|

( レル ゲン ) な っ …

( ヴィー シャ ) あ ~ フカフカ の ベッド で 寝 たい |||||べっど||ね|

シャワー 浴び たい しゃわー|あび|

缶詰 で も いい から アップルパイ 食べ たい かんづめ||||||たべ|

ウ … ウソ です ! |うそ|

任務 に 不満 など 少しも あり ませ ん ! にんむ||ふまん||すこしも|||

数 か月 前 は ろくに 飛べ も し なかった 新 入り が すう|かげつ|ぜん|||とべ||||しん|はいり|

随分 慣れ た もの だ な ずいぶん|なれ||||

( ヴィー シャ ) マズ い …

まさか クルスト たち み たい に 私 も … ||||||わたくし|

( ターニャ ) シュワルコフ 中尉 に 取り次 い で もらい ― ||ちゅうい||とりつ|||

将校 課程 に 推薦 し て おい た しょうこう|かてい||すいせん||||

( ヴィー シャ ) 私 が 将校 に ? ||わたくし||しょうこう|

泥 と 血 に まみれ た 前線 を 離れ たく ない なら どろ||ち||||ぜんせん||はなれ|||

無理 に と は 言わ ん が … むり||||いわ||

い … いえ いえいえ …\ N そう で は なく て

うれし すぎる と いう か

身 に 余る 評価 に 混乱 し て いる と いう か … み||あまる|ひょうか||こんらん||||||

( ターニャ ) 支度 が 整い しだい 帝都 へ 戻れ |したく||ととのい||ていと||もどれ

少尉 ! あの … しょうい|

何 だ ? なん|

( ヴィー シャ ) その 配属 先 砲弾 で 吹っ飛 ん だ り し ませ ん よ ね ? |||はいぞく|さき|ほうだん||ふっと||||||||

( ターニャ ) は ?

ハァ …

( ヴィー シャ ) ああ …

神様 って いる ん だ な かみさま|||||

( ターニャ ) “ ターニャ ・ デグレチャフ 少尉 ” |||しょうい

“ 貴 官 は 中尉 に 昇進 軍 大学 へ 入学 す べし ” とうと|かん||ちゅうい||しょうしん|ぐん|だいがく||にゅうがく||

( ターニャ ) 主観 記憶 に ある かぎり ― |しゅかん|きおく|||

2 度 目 の 大学 生活 か ~ たび|め||だいがく|せいかつ|

まさか 後方 で 安全 に 学問 が できる と は … |こうほう||あんぜん||がくもん||||

( シュワルコフ ) まだ 迎え は 来 ない よう だ な ||むかえ||らい||||

( ターニャ ) あっ …

シュワルコフ 中尉 殿 ! |ちゅうい|しんがり

( シュワルコフ ) 相変わらず つれない ヤツ だ |あいかわらず||やつ|

見送り も さ せ て くれ ない と は みおくり||||||||

( ターニャ ) 申し訳 あり ませ ん |もうし わけ|||

部隊 を 離れ て 帝都 に 戻る の は 気 が 引け まし て … ぶたい||はなれ||ていと||もどる|||き||ひけ||

セレブリャコーフ 伍長 ( ご ちょう ) を |ごちょう|||

将校 課程 に 推薦 し た の も それ が 理由 か ? しょうこう|かてい||すいせん|||||||りゆう|

直属 の 部下 です から ね ちょくぞく||ぶか|||

彼女 は 一 足先 に 出発 し た そう です かのじょ||ひと|あしさき||しゅっぱつ||||

( ターニャ ) これ で 部下 を 配慮 する 軍人 と して の ポーズ に も ― |||ぶか||はいりょ||ぐんじん||||ぽーず||

抜かり は ない ぬかり||

改めて 貴 官 に 礼 を 言い たい あらためて|とうと|かん||れい||いい|

その 働き ぶり と 新型 宝 珠 に は 本当 に 助け られ た |はたらき|||しんがた|たから|しゅ|||ほんとう||たすけ||

こちら こそ 中尉 殿 に は 感謝 し て おり ます ||ちゅうい|しんがり|||かんしゃ||||

残念 ながら 大学 で は これ を 使う 機会 も 減る でしょ う が … ざんねん||だいがく|||||つかう|きかい||へる|||

( シュワルコフ ) 何はともあれ 貴 官 の 武運 を 祈 ろ う |なにはともあれ|とうと|かん||ぶうん||いの||

神 は 常に 我ら と 共に かみ||とわに|われら||ともに

わ … 我ら … と 共に ! |われら||ともに

( ゼートゥーア ) 現在 の ライン 戦線 の 状況 は ? |げんざい||らいん|せんせん||じょうきょう|

( ルーデルドルフ ) 依然と して 膠着 ( こ う ちゃ く ) 状態 だ |いぜん と||こうちゃく|||||じょうたい|

どうにか 中央 本隊 は 間に合った が ― |ちゅうおう|ほんたい||まにあった|

やはり 戦前 の 想定 計画 で は 話 に なら ん |せんぜん||そうてい|けいかく|||はなし|||

肝心 の 主力 が 機動 性 と 適合 性 を 欠 い て いる と いう わけ か … かんじん||しゅりょく||きどう|せい||てきごう|せい||けつ|||||||

( ルーデルドルフ ) 状況 に 即応 できる 精 強 な 部隊 の 設立 が ― |じょうきょう||そくおう||せい|つよ||ぶたい||せつりつ|

当面 の 課題 だ な とうめん||かだい||

( ゼートゥーア ) ハァ …

( ターニャ ) 帝都 で 待つ の は 温か な 食事 と 快適 な 生活 |ていと||まつ|||あたたか||しょくじ||かいてき||せいかつ

軍 大学 で 出世 の レール に 乗れ ば 将来 は 確約 さ れる ぐん|だいがく||しゅっせ||れーる||のれ||しょうらい||かくやく||

フフッ …

( ゼートゥーア ) 新た な 即応 部隊 か … |あらた||そくおう|ぶたい|

( ターニャ ) 一 時 は どう なる か と 思った が … |ひと|じ||||||おもった|

今や 存在 X が 哀れ な ほど だ いまや|そんざい|||あわれ|||

♪~

~♪

( ターニャ ) 餞別 ( せんべつ ) ? ( ヴィー シャ ) あっ はい |せんべつ|||||

小 隊長 に は お 世話 に なり っぱなし で し た し ― しょう|たいちょう||||せわ|||||||

せめて 何 か お 礼 を と 思い まし て |なん|||れい|||おもい||

見るからに 各 部 の 寸法 が 合わ ない と 思う が ? みるからに|かく|ぶ||すんぽう||あわ|||おもう|

そう です か ?

でも 小 隊長 は 育ち盛り です し すぐに 合う よう に なり ます よ ! |しょう|たいちょう||そだちざかり||||あう|||||

フフッ …