Youjo Senki ( The Saga of Tanya the Evil ) Episode 8
( ターニャ ) 晴れ 時々 砲弾 日和
本日 も 視界 良好 に つき ―
血 で 血 を 洗う 激戦 が 繰り広げ られ て い ます
やっと 協商 連合 が 片づ い た と 思ったら ―
おはよう から おそ よう まで 砲弾 と 一緒 の 最 前線 勤務
隣 で 寝 て い た 戦友 が ―
朝 起きる と 死 ん で いる こと も まれ に ある
それ が ライン 戦線 の 日常 です
( ターニャ ) 大隊 各位 支援 戦闘 だ
可能 な かぎり 低空 で 突入 し 敵 砲兵 を 一気呵成 ( いっき か せい ) に たたく
対空 対 魔 導 は 任意 に 行え
なお 我々 の 突入 後 も 友軍 の 砲撃 は 継続 さ れる
味方 の 弾 に 当たる マヌケ など ―
我が 隊 に は 存在 し ない と 思う が ―
一応 留意 せよ
( 砲撃 音 )
( グランツ ) 相変わらず 盛大 です ね 砲弾 も タダ じゃ ない と いう のに
( ヴァイス ) 気 を 抜く な よ 曳 下 ( えい か ) 砲撃 用 の 時限 信 管 だ
さく裂 し た 破片 が 雨 の よう に 降って くる ぞ
分かって ます よ
( ヴィー シャ ) こちら 05
( ヴィー シャ ) 接近 中 の 2 個 魔 導 中隊 を 視 認 し まし た
( ターニャ ) 第 1 中 隊 は 対 魔 導 師 戦闘 !
アポ なし の マヌケ ども を たたき 返せ !
残り は 砲兵 だ ! 手早く 済ませ て 合流 せよ !
( 共和 国 兵士 ) う わ っ
( ターニャ ) 大隊 諸君 にぎやか に なって き た ぞ
さぞかし 楽しい だ ろ う ?
♪~
~♪
あっ … クッソ …
( ヴァイス ) だ から 気 を 抜く な と 言った ん だ
( グランツ ) ヴァイス 中尉 殿 …
でも その分 スコア は 稼げ まし た よ
次 も 期待 し とい て ください
最後 の スコア が 自爆 に なって も 知ら ん ぞ
まだ 大 隊長 に しごか れ 足りない の か
分かって ます よ
そこ の セレブリャコーフ 少尉 を 見習え
大 隊長 に つい て 飛ぶ だけ で ベテラン に なった ほど だ
ん っ … 私 が 何 か ?
( ヴァイス ) 少尉 は 大 隊長 殿 と ペア を 組 ん で 長い の だ ろ う ?
( ヴィー シャ ) う う っ … N まあ そう で は あり ます が
隣 を 代わって くださり ます か ?
( ヴァイス ) アッハハ … N 軍務 上 少尉 と 交代 は でき ん よ
残念 だ が 一緒 に 飛ぶ わけ に は …
そう です か …
( 情報 将校 ) デグレチャフ 少佐 殿 !
( 情報 将校 ) デグレチャフ 少佐 殿 は おら れ ます か ?
次 席 指揮 官 の ヴァイス 中尉 で あり ます
緊急 の ご 用件 が ?
あ …
後方 地域 が 遮断 さ れ た ?
( 情報 将校 ) は … はい
アレーヌ 市 で パルチザン の 蜂起 で あり ます
( ターニャ ) アレーヌ 市 は 元 共和 国領
火種 は くすぶって い た わけ か …
( 情報 将校 ) 憲兵 隊 から なる 駐屯 部隊 は 鎮圧 に 失敗
既に 鉄道 を 押さえ られ ―
前線 へ の 補給 路 が 圧迫 さ れ て いる そう です
マズ い な …
飯 も 砲弾 も なし で 戦え と ?
( 民兵 ) 死ね ! ( 民兵 ) この !
( 民兵 ) 帝国 の 犬 め !
( 民兵 たち の 歓声 )
( 憲兵 ) く … 空挺 ( くう て い ) 降下 です 共和 国 軍 が 空挺 作戦 を
敵 魔 導 師 が 反 徒 と 合流 する も よ …
敵 魔 導 師 が 反 徒 と 合流 する も よ …
( 銃撃 音 )
( 銃撃 音 )
( ビアント ) 橋 頭 保 を 確保 し
長期 戦 に 備えよ !
1 日 でも 戦闘 を 長引か せ 帝国 の 首 を 絞め 上げる ぞ !
( ハンス ) 喜べ デグレチャフ 少佐
( ハンス ) 本日 14 : 23 を もって
方面 軍 司令 部 より 特命 を 発 す
“ 二〇三 大隊 は ― ”
“ アレーヌ 市 の 反 徒 と 合流 し た 敵 魔 導 部隊 を 速やか に 排除 ”
“ その後 友軍 と ともに 市街 地 の 制圧 に 当たれ ”
( ハンス ) 事態 は 急 を 要 する 任せ た ぞ
ご 命令 と あら ば 喜んで
しかし 市街 戦 と なる と 手間取り そう です ね
( ハンス ) その 心配 は 要ら ん ( ターニャ ) うん ?
( ハンス ) 短 時間 で 市街 地 の 敵 部隊 を 排除 する 一案 が
参謀 本部 より 提示 さ れ た
( ターニャ ) その 案 と は ?
これ より アレーヌ 市 に 避難 勧告 が 出さ れる
勧告 以降 市 内 に 残って いる 者 は 国際 法 的 に ―
全て 共和 国 軍 部隊 と 見なさ れる だ ろ う
上 から は 市 内 に 残った 敵 全て を 排除 しろ と の 命令 だ
敵 魔 導 部隊 を 排除 後 砲兵 隊 に よる 砲撃 を 行う
( ターニャ ) なるほど
我々 は 行く も 地獄
引く も 地獄 と いう わけ です か
あ …
( ターニャ ) ところ で た あい の ない さえずり でしょ う が ―
我々 の 敵 は あくまで も 共和 国 軍 な の です ね ?
( ハンス ) 当たり 前 で は ない か
( ターニャ ) でき れ ば 予想 さ れる 敵 戦力 の 構成 を ―
ご 教示 いただき たい の です が
( ハンス ) 少数 の 共和 国 軍 魔 導 師 以外 は 民兵 だ
既に 多く の 帝国 国民 が 捕虜 と なって いる
( ターニャ ) それ は なんとも 痛ましい
直ちに 行動 を 開始 せ ね ば なり ませ ん な
( ハンス ) ああ
まあ 民間 人 が いれ ば 制約 に も なり ま しょ う が
まさか 敵 の 正規 軍 が 人間 の 盾 を 使う はず も あり ませ ん し ね
我々 は 共和 国 軍 の 拠点 を たたく のみ
ルール に のっとって 勧告 を 行う 以上 は ―
心おきなく … N ( ハンス ) 少佐
失礼 し まし た
しかし 残念 な こと だ …
( ターニャ ) ええ 本当 に 残念 で しかた が あり ませ ん
ですが 我ら は 軍人
命令 と あら ば 麗し の アレーヌ とて 焼か ね ば なり ませ ん
( ハンス ) 軍人 に など なる もの で は ない な
( 民兵 ) フンッ 何 が 避難 勧告 だ くっ !
大隊 諸君 観光 旅行 だ
敵 の 空挺 だ 魔 導 部隊 が アレーヌ 市 の 民兵 と 合流 し た らしい
同 市 は 今や 共和 国 軍 の 手 に 落ち た
当然 奪還 する !
さて それ に あたり 難題 が ある
我ら は 市 内 の 共和 国 軍 を 全て 排除 し なけ れ ば なら ない
( 隊員 たち の ざわめき )
( 隊員 たち の ざわめき )
( ターニャ ) 当然 で は ある が 非 戦闘 員 へ の 発砲 は 厳しく 禁じる
( ターニャ ) 当然 で は ある が 非 戦闘 員 へ の 発砲 は 厳しく 禁じる
ただし 市街 戦 に つき ―
物的 破損 に つい て は 破壊 許可 が 出 て いる
なお 敵 魔 導 師 交戦 前 と 排除 後 に それぞれ 勧告 を 行う
敵 が 降伏 勧告 を 受諾 すれ ば よし
そう で ない 場合 は 掃討 戦 に 移行 する 以上 だ
( 隊員 ) 掃討 戦 ? ( 隊員 ) 市街 地 で か …
( 隊員 ) 敵 を 全て 排除 って … N ( 隊員 ) まさか …
( グランツ ) 本当 に い い ん でしょ う か ?
市 内 の 敵 全て を 排除 する って こと は つまり …
勧告 を 行った ところ で 素直 に 応じる と は 思え ませ ん し
聞く ところ で は 砲撃 まで 行う と …
だいたい 民兵 と 非 戦闘 員 の 区別 など 不可能 です
下手 すれ ば 虐 …
それ 以上 は 言う な
( 民兵 ) こっち だ ! おとなしく しろ !
( 憲兵 ) う あっ ! う う …
( 憲兵 たち ) う う っ …
( ビアント ) わずか 数 時間 で 飛 ん で くる と は …
よほど 事態 を 深刻 に 受け止め て いる らしい な
( 共和 国 魔 導 師 ) ブラボー リーダー より 戦域 管制
敵 魔 導 部隊 の データ を 送信 する 確認 せよ
( ビアント ) “ ライン の 悪魔 ” だ と ?
連中 大物 を 引っ張り出し て き た な
( 共和 国 魔 導 師 ) 敵 先鋒 ( せ ん ぽ う ) 防空 識別 圏 突破
市 外 上空 へ 急速 接近 中
来る ぞ ! 長 距離 伏 撃 戦 用意 !
( グランツ ) 誰 も い ない です ね …
( ヴァイス ) 避難 勧告 が 発令 さ れ た の だ 当然 だ ろ う
あっ
伏兵 ! 狙撃 さ れ て い ます !
チッ … エンゲージ ! 各 員 散 開 !
敵 位置 を 捕 捉 ! 4 時 方向 および 7 時 方向 の 尖塔 ( せ ん と う ) !
( ターニャ ) チッ 素早い … 逃がす か !
( 共和 国 魔 導 師 ) う う っ …
クソッ どこ だ ! ? う っ …
くっ …
くっ …
( 共和 国 魔 導 師 ) う っ …
( ターニャ ) 各自 近接 戦 の 用意 ! ヤツ ら の 狙い は 時間 稼ぎ だ !
( ターニャ ) ひるむ な ! ( 隊員 たち ) は っ !
グランツ 少尉 すま ない が 妙に 疲れ た
強壮 剤 を もらえ ない か ( グランツ ) あっ はい
ヴァイス 中尉 殿 被弾 さ れ て い ます ( ヴァイス ) 何 ! ?
気づ い て い ない の です か ? 止血 帯 を … 早く !
( ターニャ ) 少尉 マヌケ の 容体 は ?
( グランツ ) 命 に 差し障り は あり ませ ん が 継 戦 は 困難 か と
( ターニャ ) やむ を えん … N ヴァイス 中尉 さっさと 下がれ
あ … しかし 大 隊長 殿 !
( ターニャ ) 貴 様 1 人 抜け た ところ で 問題 は ない
足手まとい に なる くらい なら 被弾 し た 連中 を まとめ て 帰還 しろ
はい …
( ターニャ ) 次 席 指揮 権 は ケーニッヒ 中尉 に 継承
第 2 中 隊 の 指揮 は 私 が 執る
了解 です … ご 武運 を
貴 様 は 考え すぎる の だ
躊躇 ( ちゅうちょ ) し た の だ ろ う ? この 大 バカ 者 め !
帰ったら 覚悟 し て おけ !
すま ん …
( 共和 国 魔 導 師 ) 敵 魔 導 師 散 開 ( 共和 国 魔 導 師 ) 突っ込 ん で き ます
チッ … 下がる ぞ ! 距離 を とって 撃ち 続けろ !
( ヴィー シャ ) 敵 魔 導 師 が 後退 中 ! 建物 内 に 引きこもる よう です
( ターニャ ) しかたない 突入 は 中止 だ !
そのまま 押し込 ん どけ
よろしい の です か ?
( ターニャ ) 市街 地 外部 の 砲兵 隊 に 手出し でき なく すれ ば ―
目的 は 達成 さ れ た も 同然
その あと の こと まで は あずかり 知ら ん よ
分かり まし た
では 呼びかける と しよ う 砲兵 隊 に も つなげ
( スピーカー の ノイズ 音 )
( ターニャ ) 武装 蜂起 せり し 非 正規 戦闘 要員 に 勧告 す
戦時 陸 戦 規定 第 26 条 3 項 に 基づき ―
帝国 臣民 の 解放 を 要求 する
諸君 が 不当 に も 捕虜 と せり し アレーヌ 市民 を 解放 せよ
( 民兵 ) ふざける な !
( 民兵 ) 我ら こそ 正当 な アレーヌ 市民 だ !
( 民兵 ) 不当 な 捕虜 など 存在 し ない !
諸君 ら の 虐殺 行為 は 許容 でき ない
戦時 陸 戦 規定 第 8 条 5 項 に より 担当 官 を 接見 さ せよ
勧告 を 受け入れ ぬ 場合 必然 的 に 戦闘 員 と 見なす
何 を 今更 !
( 民兵 ) チクショウ ! 帝国 の クソ ども め !
どう する ? どう する !
( 民兵 ) チクショウ … チクショウ !
( 民兵 たち ) おい …
( 銃声 )
( ターニャ ) 観測 は ?
( ヴィー シャ ) はい 映像 を 宝 珠 に 記録 し まし た
( ターニャ ) 司令 部 へ 送信 しろ
まったく … 統制 の とれ て い ない 民兵 と いう の は これ だ から
( 通信 兵 ) 司令 部 より 作戦 参加 の 全 部隊 へ
これ より 掃討 戦 へ 移行 する アレーヌ 市 内 の 共和 国 軍 を 排除 せよ
さて 降伏 勧告 の 義務 は 果たし た
我々 は 自国 民 保護 の ため の 任務 に ―
当たる と しよ う
( 市民 たち の ざわめき )
( 市民 たち の 叫び声 )
( 市民 たち ) ああ …
( ビアント ) な …
何 な の だ …
くっ …
何 な の だ これ は !
( 共和 国 魔 導 師 ) ビアント 隊長 !
ぐ っ … 共和 国 市民 を 保護 し つつ 戦域 から 撤退 する 急げ !
( 帝国 兵士 ) 装填 ( そう てん ) 完了 !
( 帝国 兵士 ) 撃て
( 隊員 ) こっち だ ー ! ( 隊員 ) しっかり しろ ー !
う う … くっ …
う っ …
( 吐く 音 )
ハァッ ハァッ …
自分 は … 捕虜 の 救出 を …
人助け を し て いる だけ だ …
( 帝国 兵士 たち の うめき声 )
( ヴィー シャ ) 残り は ? ( 隊員 ) これ で 全員 か と
( ヴィー シャ ) 残り は ? ( 隊員 ) これ で 全員 か と
( 無線 の 受信 音 )
( 無線 の 受信 音 )
( 通信 兵 ) ピクシー 大隊 へ 通達 現在 B 4 地点 にて ―
後退 中 の 敵 残存 魔 導 師 が 殿 軍 を 務め て いる
友軍 の 観測 班 が 妨害 さ れ 砲撃 が 行え ない 排除 は 可能 か ?
( ターニャ ) 目 視 し た 問題 ない 可能 だ
( 通信 兵 ) 殿 軍 を 排除 後 砲撃 を 再開 する 5 分 以内 に 願う
( ターニャ ) 任務 了解 最善 を 尽くす
( グランツ ) くっ … N ( ヴィー シャ ) あっ
くっ …
ハァ … N ( 着地 音 )
( グランツ ) 大 隊長 殿 !
どう か ご 再考 を !
か … 彼ら は 砲撃 から 逃げる すべ など 知り ませ ん !
もし … もし 我々 が あの 魔 導 師 たち を 排除 し たら …
( ターニャ ) 帝国 の 敵 が 砲撃 で 吹き飛ぶ の だ ろ う な
結構 な こと だ
( グランツ ) しかし それ は ! ( ターニャ ) グランツ 少尉
逃し た 敵 は また 銃 を 取る の だ
我々 を 撃つ ため に な
う っ …
ヤツ ら を 逃せ ば
あの 中 から 帝国 に 憎悪 を 燃やす 新 兵 が 生まれる だ ろ う
だから … だ から 殺せ と ! ?
う っ … ぐ わ っ !
( ターニャ ) これ は 上 から の 命令 だ 敵 は 撃た ね ば 撃た れる の だ
少なくとも “ 撃つ な ” と 言わ れる まで は 撃た ね ば なら ん
う っ …
( ターニャ ) 先ほど まで の 言葉 は 聞か なかった こと に して やろ う
もう 一 度 だけ 言う これ は 上 から の 命令 だ
銃 を … 取り たまえ
( グランツ ) くっ …
う う っ …
う あ あー っ !
( 銃声 )
( ゼートゥーア ) 話 と いう の は ?
( レル ゲン ) 昨年 夏 軍 大学 の 第 17 研究 所 に 提出 さ れ た 論文 です
論文 の 要旨 は ―
“ いかに し て 市街 戦 そのもの を 合法 化 する か ” に つい て ―
国際 法 を 解釈 し 直す こと で ―
都市 砲撃 の 制限 を 回避 する 旨 が 記さ れ て い ます
閣下 は これ を 参考 に 今回 の 作戦 を 立案 さ れ た の でしょう か ?
( ゼートゥーア ) だ と し たら ?
何も …
ただ 小 官 は … N 確認 し たかった だけ で あり ます
論文 の 執筆 者 は … N デグレチャフ 少佐 な の です ね
( ゼートゥーア ) 貴 官 の 言う とおり 少佐 は 極めて 優れ た 軍人 の よう だ
あれほど の 優秀 な 人材 を 活用 し ない 手 は ない
デグレチャフ 少佐 に 共和 国 と の 戦争 終結 に 向け て の
大役 を 任せる
♪~
~♪
( ドレイク ) ようやく 意識 が 戻り まし た か
重傷 を 負って フィヨルド に 浮 い て いる ところ を ―
救出 さ れ た そう です
何 か月 も 意識 不明 で ―
身元 が 判明 し た の も 数 日 前 と
( アン ソン ) 光 を … 見 た
あれ は … 神 の 光 だ
なかなか 興味深い です ね それ で 神様 は 何と ?
( アン ソン ) あの 悪魔 を … 討ち 滅ぼせ と