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シュタインズ・ゲート ゼロ, シュタインズ・ゲート ゼロ (17)

( 操作 音 )

( 操作 音 ) ( 鈴 羽 ( すず は )) あっ …

( ダル ) お ー い 鈴 羽

ラブリー マイ ドーター いる ?

( 鈴 羽 ) 何 ? その “ ラブリー マイ ドーター ” って

( ダル )“ いとしき 我が 娘 ” って 意味 だ お

( 鈴 羽 ) そういう こと 聞いて る んじゃ なくて

何 ? 不 具合 で も あった ん ?

ああ ダメだ よ

父さん が 詳しい こと 知る と ―

タイムパラドックス が 起きる って 言った でしょ ?

だから これ も 返して おく

や ばっ バ … バレ た ?

偽装 工作 する なら もう 少し きちんと やら なきゃ

でも こう で も し なきゃ ―

未来 で 僕 が 作れる と は 思え ない んだ よ ね これ

( 鈴 羽 ) ズル し ない

できる よ

じゃ なきゃ 私 は ここ に 来て ない

決めた ん ?

うん

そ っか

( 鈴 羽 ) やっぱり 私 に は ―

この 時代 も この 場所 も 幸せ すぎる んだ

このまま この 時代 で 過ごし たい

そんな かなわない 夢 を ―

つい 考えて しまう くらい に

あっ … 誰 ?

( ダル ) ああ …

( 鈴 羽 ) あっ … ( ダル ) まゆ 氏

( ダル ) どうした ん ?

( ま ゆり ) 鈴 ( すず ) さん

( 鈴 羽 ) 何 か あった の ?

鈴 さん は 未来 から 来た んだ よ ね ?

未来 の こと みんな 知って る んだ よ ね ?

( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん …

教えて ほしい の

まゆ し ぃと 牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 ( くり す ) さん の こと

(2 人 ) あ …

♪~

~♪

( 真 帆 ( ま ほ )) 沖縄 の お茶 だ けど

ダル 君 は ?

何も ない から お茶 菓子 でも 買って くるって

ちょうど いい んじゃ ない ?

人数 少ない ほう が こういう 話 は いい だろう し

あなた も 同席 する つもり ?

( 真 帆 ) ええ これ でも 科学 者 よ

論理 的 説明 の サポート に は 少し は 役立つ だろう し

じゃあ 真 帆 さん も 知って る んだ

3 人 から おおまかな 話 を 聞いた だけ だ けど

その 前 に 1 つ だけ 聞か せて

どうして 今 に なって 聞こう と 思った の ?

それ は …

今 まで は 未来 を 知る の が 怖かった から

でも …

( 鈴 羽 ) でも ?

きのう オカリン と 会った んだ

そ したら オカリン …

“ 何も 考え なくて いい ”

“ このまま で いい ” って

でも オカリン すごい さみし そうで …

去年 から ずっと ずっと さみし そうで

そういう こと か

だからといって 聞いて も 解決 し ない と 思う

オカリン おじさん は …

分かって る

でも それ でも 聞き たい の

聞か ない まま で いたら きっと いつか 後悔 する って

分かった

とはいえ 私 たち も 実際 に 別 世界 線 の 記憶 が ある わけじゃ ない

あくまで オカリン おじさん の 話 を まとめた ような こと しか 言え ない

牧 瀬 紅 莉栖 さん は …

牧 瀬 紅 莉栖 さん は ―

まゆ し ぃ の 命 を 救う ため に 犠牲 に なった の ?

犠牲 と いう 言い 方 が 正しい の か どう か は 分から ない

ただ 2 つ の 世界 線 が あった の は 確か

牧 瀬 紅 莉栖 が 生き まゆ 姉さん が 命 を 失う アルファ 世界 線

そして 牧 瀬 紅 莉栖 が 命 を 失い ―

まゆ 姉さん が 生き 続ける ベータ 世界 線

今 私 たち が いる この 世界 線 は ベータ 世界 線 と いう こと

それ しか ない の ?

世界 線 は その 2 つ しか ない の ?

ある

いや ある と 私 は 信じて いる

シュタインズ ・ ゲート 世界 線 は きっと 存在 する

シュタインズ ・ ゲート ?

2 人 が 共に 命 を 落とす こと なく

そして タイム マシン を 巡って 第 3 次 世界 大戦 も 起き ない 世界

( 鈴 羽 ) 未来 の 父さん が 言って いた 私 たち が 目指す 未知の 世界 線

オカリン おじさん は ―

同じ 夏 を 繰り返して その道 を 探し 続けて いた

どうにか 2 人 と も 助かる 方法 は ない の か って

でも …

じゃあ …

やっぱり まゆ し ぃ が あの とき 止めた から

まゆ 姉さん は 悪く ない

実際 あの とき オカリン おじさん は もう ボロボロ だった

全て の 世界 線 の 記憶 を 持ち 続ける リーディング ・ シュタイナー

その せい で いろんな 世界 線 の いろんな 人 の 思い が ―

全て 記憶 に 残って いる

人 の 隠さ れた 思い

成し遂げ られ なかった 何 か

存在 す べき もの が なくなる 恐怖

記憶 が 残る と いう こと は ―

それ だけ 心 が 傷つく と いう こと

まゆ 姉さん に は ―

あの とき 止めて くれて むしろ 感謝 して いる

でも もし まゆ し ぃ が 止めて なかったら ―

オカリン は …

オカリン …

( 鈴 羽 ) 未来 の まゆ 姉さん も ずっと そんな 感じ だった

いつも 寂し そうに 空 を 見上げて ―

“ あの 日 私 の 彦星 ( ひこぼし ) 様 が 復活 して いたら ―”

“ 全て 変わって いた の か な ” って

あっ …

( ドア の 開く 音 ) ( ダル ) お 待た せ

( 鈴 羽 ) ずいぶん かかった ね どこ まで 行って た の ?

奮発 して ね ザギン まで

どうして 急に ? 誰 か の 誕生日 ?

( ダル ) せ ん 別だ お

せん別 ?

( ダル ) ほら 鈴 羽 の 大好きな ショート ケーキ だ お

2 つ くらい 楽勝 だ ろ

だ … 大好き と か 言わ ないで よ

せん別 って まさか …

うん 今日 行く こと に した

モタモタ して る と ―

牧 瀬 紅 莉栖 が 死んだ 去年 の 7 月 28 日 に ―

たどりつけ なく なり そうだ し

去年 の ?

もう 戻って くる だけ の 燃料 は ない んでしょ ?

勝算 は ある の ?

分から ない

だから タイムリープマシン も 用意 し たかった んだ

何度 でも やり 直せる ように

鈴 さん 過去 に 戻る って こと ?

そう なったら どう なる の ?

さあ

ただ ここ に 戻って くる こと は もう ない だろう ね

世界 線 の 収束 で ―

私 って ゆがみ は 修正 さ れる かも しれ ない し

修正 って …

鈴 さん 待って

行っちゃ ダメだ よ そんな …

鈴 さん ! ダル 君 !

鈴 羽 頑張って な

オーキードーキー

ケーキ ごちそうさま

ダル 君 …

( 鈴 羽 ) じゃあ 状況 を 開始 する

本当に いい の ?

そう だ よ ダル 君 は 鈴 さん の お 父さん な んでしょ ?

こんな の よく ない よ すぐ 止め なきゃ

( ダル ) 僕 は 止め ない お

( メール の 着信 音 )

オカリン ?

( 岡部 ( お かべ )) ん … まゆ りか ?

( ま ゆり ) もしもし ? 鈴 さん が … 鈴 さん が 大変な の

( 岡部 ) 鈴 羽 が ?

( ま ゆり ) うん

今 から タイム マシン で 1 年 前 に 行こう と して て

帰って こ れ ない の に 行く って

どうして だ ?

えっ ?

( 岡部 ) どうして ま ゆり が そんな 話 を する んだ ?

知ろう と する んだ ? 言った だ ろ

ま ゆり は 何も 知ら なくて いい

今 の この 時間 が …

今 の この 時間 が …

( 通話 の 切れる 音 )

( 通話 の 切れる 音 )

( 通話 の 切れる 音 )

あっ …

( 真 帆 ) どうした の ?

( ダル ) この 1 年 さ

ずっと 考えて いた んだ おね

何で 25 年 後 の 僕 は

この 時代 に 鈴 羽 を 送り出した んだろう って

見せ たかった んじゃ ない か な この 世界 を

だから 僕 も 覚悟 を 決めた わけ

鈴 羽 と 同じ ように 使命 を 果たそう って

僕 に できる こと を やろう って

( 真 帆 ) できる こと ?

僕 は 25 年 後 に ―

人類 初 の タイム マシン を 完成 さ せる らしい のだ ぜ

ヘッ

まゆ し ぃ は どう すれば いい の か な

何 か し たい けど 何も できて ない

( ダル ) まゆ 氏 は オカリン を 立ち直ら せた じゃ ん

それ で 十分じゃ ね ?

( ま ゆり ) あの 日 … ( ダル ) ん ?

私 の 彦星 様 が 復活 して いたら ―

全て は 変わって いた かも しれ ない

それ って …

まゆ し ぃ に とって の 彦星 様 は ―

あの とき から ずっと 1 人 だけ

だから この 1 年 ずっと 何 か が 欠けて いた

そこ に あって ほしい のに

ずっと 変わら ず に いて ほしい のに

泣き たい くらい 求めて る

叫び たい くらい 望んで る

私 オカリン の こと が 好き

たぶん 紅 莉栖 さん と 同じ くらい

う うん 違う

絶対 に … 紅 莉栖 さん に 負け ない くらい ずっと

ずっと 好き

けど …

だけど !

鳳凰 院 ( ほう おういん ) 凶 真 ( きょう ま ) は もっと 大好きな の

私 が 消え そうに なって た とき に

“ この 世界 に ずっと いろ ” って 言って くれた

私 は ―

鳳凰 院 凶 真に 会い たいよ

あの 偉 そうな 高 笑い が 聞き たい よ

たとえ 織姫 様 に なれ ない って 分かって て も

それ でも …

私 に とって の 彦星 様 は 岡部 倫太郎 ( りん たろう ) 以外 に は い ない もん !

( ダル ) だったら さ

それ が まゆ 氏 の 選択 なら 迷う こと ない んじゃ ね ?

( 真 帆 ) うん

うん

ダル 君 真 帆 さん

まゆ し ぃ は 今日 だけ ―

人質 を やめよう と 思い ます !

( 岡部 の 荒い 息 )

( 岡部 ) どういう こと だ ? 全 キャリア 不通 ?

( メイド ) 本日 は ダブルセブンデー

織姫 様 が ミニスカート で お 出迎え

ま ゆり !

( 岡部 の 荒い 息 )

( 真 帆 ) お … 岡部 さん

ハァ ハァ … ダル まゆ り は どこ だ ?

え ? あっ あ … それ は …

携帯 が つながら ない んだ どう なって る ?

調べて る んだ けど

何 か 秋葉原 ( あき は ばら ) 一帯 に 障害 が 出て て ―

まだ 復旧 して ない っぽい

( 岡部 ) ネット は 使える んだ よ な ?

う … うん

でも 情報 統制 さ れて いる の か 公 の ページ で は 何も …

それ で @ ちゃん ねる に つないだ んだ けど ―

オカ 板 ( いた ) が クラッキング さ れて いて ( 岡部 ) クラッキング ?

この 書き込み は …

“ これ から 我ら 双子 は 在る べき 場所 から 一時的に ―”

“ 遠ざけ られ そうだ ”

“ 父 なる 神 は ついに ―”

“ 我が 不可侵 領域 まで 開放 する 業 ( わざ ) を 見いだした ”

“ だから ―”

“ 私 たち は 時 を つかさどる 秘密 も その 在りか も ―”

“ 父 に 話す こと に なる ”

父 なる 神 ?

ああ 見ろ

( 真 帆 )“ 最期 に 最も 尊敬 する 人 に 伝えて ほしい ”

“ 私 は 自分 を 凡庸 なる 人々 の 代表 だ と 考えて いた ”

“ そして あなた が 常に 私 に とって の 目標 であり ―”

“ あなた こそ が アマデウス その 人 だった ”

これ って どういう こと ?

間違い ない

書き込んだ の は アマデウス の 紅 莉栖 だ

マジ ?

アマデウス に アクセス は できる か ?

えっ ええ …

あっ … どういう こと ?

何 だ ?

データ そのもの が 全て なくなって いる

“ 在る べき 場所 から 遠ざけ られる ”

言って た とおり だ

じゃあ “ 時 を つかさどる 秘密 も その 在りか も ” って いう の は …

まさか 紅 莉栖 の 記憶 が …

あり え ない ! アマデウス の 記憶 の ―

深層 領域 の プロテクト が 破ら れる わけ が

じゃ … じゃあ これ って まさか ―

タイム マシン の 存在 が 誰 か に 気づかれ たって こと じゃ …

そ そんな …

ダル ? どうした

オ … オカリン

( 岡部 の 荒い 息 )

( 岡部 ) まゆ り と 鈴 羽 が !?

1 人 でも 鈴 羽 は 未来 を 変え に

まゆ 氏 は それ を 追って …

( 岡部 ) ま ゆり …

ダメな の か ? タイム マシン が ある かぎり ―

同じ こと が …

働いて もらう よ C 203

鈴 さん

( 鈴 羽 ) 止めて も ムダ だ よ 私 は …

( ま ゆり ) 違う 私 も 行く

連れて って 去年 の 8 月 21 日 へ

( 鈴 羽 )8 月 ?

( ま ゆり ) うん

オカリン と 鈴 さん が タイムトラベル した ―

あの とき の 直後 に 行き たい の

あの 一瞬 じゃ なきゃ 意味 が ない の

確信 が あって 言って る ?

( ま ゆり ) うん

戻って こ れ ない んだ よ それ でも いい の ?

私 の 彦星 様 を なかった こと に し たく ない から

未来 の 私 の 後悔 を なかった こと に し たく ない から

分かった

( 岡部 ) ま ゆり !

ハァ ハァ … どこ に 行く つもりだ ?

何 を する つもりだ !

何で こう なる んだ

俺 は この 結末 を 受け入れよう と した のに

どうして … どうして こう なる んだ

それ 以上 近づいたら 撃つ よ

( 岡部 ) ま ゆり は 何も し なくて いい

何 か したら ダメな んだ

でないと みんな の 思い を 犠牲 に した こと が ムダ に なる

でないと みんな の 思い を 犠牲 に した こと が ムダ に なる

( 銃声 )

紅 莉栖 の 死 が ムダ に なって しまう

紅 莉栖 の 死 が ムダ に なって しまう

( 銃声 )

紅 莉栖 の 死 が ムダ に なって しまう

( 銃声 )

( 銃声 )

そんな の …

そんな の …

そんな の 俺 は …

( 銃声 )

( 銃声 )

あっ う っ … う う っ …

あっ う っ … う う っ …

オカリン !

大丈夫 か すめた だけ

( 岡部 ) そんな の 俺 は … 俺 は …

( ま ゆり ) オカリン …

( 岡部 ) 俺 は …

俺 は !

それ でも !

それ でも なかった こと に したら ダメな んだ よ

ま ゆり …

雨 が 降って も ―

星 は 世界 から 消えちゃ う わけじゃ ない もん

雲 の 向こう で 変わら ず 輝き 続けて いる

だから 私 が ―

オカリン の 空 を 覆って いる 雨雲 を 取り払って くる

ま ゆり …

待って て

( 岡部 ) ま ゆり …

ま ゆり !

( 鈴 羽 ) 本当に いい んだ ね ? ( ま ゆり ) うん

ごめん ね

血 は もう 止まって いる から 心配 し ないで

何 を する つもりだ ?

( 鈴 羽 ) 何度 も 言った よ 使命 を 果たす

私 は 私 の 大好きな 全て の 人 の ため に 未来 を 変える

いろいろ 思う こと は ある けど …

オカリン おじさん

さようなら

( 携帯 電話 の 振動 音 )

( 鈴 羽 ) 父さん から …

2025 年 … D メール ?

あっ

( ダル ) や あ 鈴 羽 父さん だ よ

こちら は 2025 年 だ

父さん

( ダル ) この ムービー メール が 届いた と いう こと は ―

君 は … いや 君 と まゆ 氏 は ―

シュタインズ ・ ゲート へ の 道 を また 1 つ 見つけた と いう こと だ

気づいて ない かも しれ ない が ―

君 たち の 選択 に よって 世界 線 は また 少し 変動 した んだ

世界 線 が ?

( ダル ) つまり 僕 は 君 が 出発 した 世界 線 と は 違う ―

別の 世界 の 橋田 ( は し だ ) 至 ( いたる ) と いう こと に なる

もっとも ―

それ でも 娘 ラブ である こと に 変わり は ない が ね

つう こと で この ムービー メール の 本題 ―

オペレーション ・ アークライト の 詳細 を 伝える

( ま ゆり ) キャーッ ! ( 鈴 羽 ) う っ …

まゆ 姉さん !

( 工作 員 ) 銃 を 置いて そのまま 地面 に 伏せろ

くっ …

( ま ゆり ) 鈴 さん …

( 鈴 羽 ) しゃべら ないで

大声 出す と こい つら は 本気で 撃ち かね ない

ん っ これ でも 一応 女 な んだ

少し は 気 を 使えよ

( 工作 員 ) 目標 2 と 3 を 確保

( 工作 員 ) 目標 1 確保

ただし ロック が かかって い ます

( 工作 員 ) 生体 認証 か

( 工作 員 ) 立て

分かった

( ま ゆり ) あっ …

鈴 さん …

( 工作 員 ) 下手な マネ を したら すぐに 撃つ

分かって る

( 起動 音 )

( 工作 員 ) 起動 した 成功 だ

( 工作 員 ) うわ っ

( 銃声 )

( 工作 員 ) だ あっ

( 鈴 羽 ) や ああ あっ !

( 工作 員 ) う お っ ( ま ゆり ) キャーッ !

( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん 走って !

( ま ゆり ) う う っ …

まゆ 姉さん ?

か …

かがり ?

♪~

~♪


( 操作 音 )

( 操作 音 ) ( 鈴 羽 ( すず は )) あっ …

( ダル ) お ー い 鈴 羽

ラブリー マイ ドーター いる ?

( 鈴 羽 ) 何 ?  その “ ラブリー マイ ドーター ” って

( ダル )“ いとしき 我が 娘 ” って 意味 だ お

( 鈴 羽 ) そういう こと 聞いて る んじゃ なくて

何 ?  不 具合 で も あった ん ?

ああ ダメだ よ

父さん が 詳しい こと 知る と ―

タイムパラドックス が 起きる って 言った でしょ ?

だから これ も 返して おく

や ばっ バ … バレ た ?

偽装 工作 する なら もう 少し きちんと やら なきゃ

でも こう で も し なきゃ ―

未来 で 僕 が 作れる と は 思え ない んだ よ ね これ

( 鈴 羽 ) ズル し ない

できる よ

じゃ なきゃ 私 は ここ に 来て ない

決めた ん ?

うん

そ っか

( 鈴 羽 ) やっぱり 私 に は ―

この 時代 も この 場所 も 幸せ すぎる んだ

このまま この 時代 で 過ごし たい

そんな かなわない 夢 を ―

つい 考えて しまう くらい に

あっ … 誰 ?

( ダル ) ああ …

( 鈴 羽 ) あっ … ( ダル ) まゆ 氏

( ダル ) どうした ん ?

( ま ゆり ) 鈴 ( すず ) さん

( 鈴 羽 ) 何 か あった の ?

鈴 さん は 未来 から 来た んだ よ ね ?

未来 の こと みんな 知って る んだ よ ね ?

( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん …

教えて ほしい の

まゆ し ぃと 牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 ( くり す ) さん の こと

(2 人 ) あ …

♪~

~♪

( 真 帆 ( ま ほ )) 沖縄 の お茶 だ けど

ダル 君 は ?

何も ない から お茶 菓子 でも 買って くるって

ちょうど いい んじゃ ない ?

人数 少ない ほう が こういう 話 は いい だろう し

あなた も 同席 する つもり ?

( 真 帆 ) ええ これ でも 科学 者 よ

論理 的 説明 の サポート に は 少し は 役立つ だろう し

じゃあ 真 帆 さん も 知って る んだ

3 人 から おおまかな 話 を 聞いた だけ だ けど

その 前 に 1 つ だけ 聞か せて

どうして 今 に なって 聞こう と 思った の ?

それ は …

今 まで は 未来 を 知る の が 怖かった から

でも …

( 鈴 羽 ) でも ?

きのう オカリン と 会った んだ

そ したら オカリン …

“ 何も 考え なくて いい ”

“ このまま で いい ” って

でも オカリン すごい さみし そうで …

去年 から ずっと ずっと さみし そうで

そういう こと か

だからといって 聞いて も 解決 し ない と 思う

オカリン おじさん は …

分かって る

でも それ でも 聞き たい の

聞か ない まま で いたら きっと いつか 後悔 する って

分かった

とはいえ 私 たち も 実際 に 別 世界 線 の 記憶 が ある わけじゃ ない

あくまで オカリン おじさん の 話 を まとめた ような こと しか 言え ない

牧 瀬 紅 莉栖 さん は …

牧 瀬 紅 莉栖 さん は ―

まゆ し ぃ の 命 を 救う ため に 犠牲 に なった の ?

犠牲 と いう 言い 方 が 正しい の か どう か は 分から ない

ただ 2 つ の 世界 線 が あった の は 確か

牧 瀬 紅 莉栖 が 生き まゆ 姉さん が 命 を 失う アルファ 世界 線

そして 牧 瀬 紅 莉栖 が 命 を 失い ―

まゆ 姉さん が 生き 続ける ベータ 世界 線

今 私 たち が いる この 世界 線 は ベータ 世界 線 と いう こと

それ しか ない の ?

世界 線 は その 2 つ しか ない の ?

ある

いや ある と 私 は 信じて いる

シュタインズ ・ ゲート 世界 線 は きっと 存在 する

シュタインズ ・ ゲート ?

2 人 が 共に 命 を 落とす こと なく

そして タイム マシン を 巡って 第 3 次 世界 大戦 も 起き ない 世界

( 鈴 羽 ) 未来 の 父さん が 言って いた 私 たち が 目指す 未知の 世界 線

オカリン おじさん は ―

同じ 夏 を 繰り返して その道 を 探し 続けて いた

どうにか 2 人 と も 助かる 方法 は ない の か って

でも …

じゃあ …

やっぱり まゆ し ぃ が あの とき 止めた から

まゆ 姉さん は 悪く ない

実際 あの とき オカリン おじさん は もう ボロボロ だった

全て の 世界 線 の 記憶 を 持ち 続ける リーディング ・ シュタイナー

その せい で いろんな 世界 線 の いろんな 人 の 思い が ―

全て 記憶 に 残って いる

人 の 隠さ れた 思い

成し遂げ られ なかった 何 か

存在 す べき もの が なくなる 恐怖

記憶 が 残る と いう こと は ―

それ だけ 心 が 傷つく と いう こと

まゆ 姉さん に は ―

あの とき 止めて くれて むしろ 感謝 して いる

でも もし まゆ し ぃ が 止めて なかったら ―

オカリン は …

オカリン …

( 鈴 羽 ) 未来 の まゆ 姉さん も ずっと そんな 感じ だった

いつも 寂し そうに 空 を 見上げて ―

“ あの 日 私 の 彦星 ( ひこぼし ) 様 が 復活 して いたら ―”

“ 全て 変わって いた の か な ” って

あっ …

( ドア の 開く 音 ) ( ダル ) お 待た せ

( 鈴 羽 ) ずいぶん かかった ね どこ まで 行って た の ?

奮発 して ね ザギン まで

どうして 急に ?  誰 か の 誕生日 ?

( ダル ) せ ん 別だ お

せん別 ?

( ダル ) ほら 鈴 羽 の 大好きな ショート ケーキ だ お

2 つ くらい 楽勝 だ ろ

だ … 大好き と か 言わ ないで よ

せん別 って まさか …

うん 今日 行く こと に した

モタモタ して る と ―

牧 瀬 紅 莉栖 が 死んだ 去年 の 7 月 28 日 に ―

たどりつけ なく なり そうだ し

去年 の ?

もう 戻って くる だけ の 燃料 は ない んでしょ ?

勝算 は ある の ?

分から ない

だから タイムリープマシン も 用意 し たかった んだ

何度 でも やり 直せる ように

鈴 さん 過去 に 戻る って こと ?

そう なったら どう なる の ?

さあ

ただ ここ に 戻って くる こと は もう ない だろう ね

世界 線 の 収束 で ―

私 って ゆがみ は 修正 さ れる かも しれ ない し

修正 って …

鈴 さん 待って

行っちゃ ダメだ よ そんな …

鈴 さん !  ダル 君 !

鈴 羽 頑張って な

オーキードーキー

ケーキ ごちそうさま

ダル 君 …

( 鈴 羽 ) じゃあ 状況 を 開始 する

本当に いい の ?

そう だ よ ダル 君 は 鈴 さん の お 父さん な んでしょ ?

こんな の よく ない よ すぐ 止め なきゃ

( ダル ) 僕 は 止め ない お

( メール の 着信 音 )

オカリン ?

( 岡部 ( お かべ )) ん … まゆ りか ?

( ま ゆり ) もしもし ? 鈴 さん が … 鈴 さん が 大変な の

( 岡部 ) 鈴 羽 が ?

( ま ゆり ) うん

今 から タイム マシン で 1 年 前 に 行こう と して て

帰って こ れ ない の に 行く って

どうして だ ?

えっ ?

( 岡部 ) どうして ま ゆり が そんな 話 を する んだ ?

知ろう と する んだ ?  言った だ ろ

ま ゆり は 何も 知ら なくて いい

今 の この 時間 が …

今 の この 時間 が …

( 通話 の 切れる 音 )

( 通話 の 切れる 音 )

( 通話 の 切れる 音 )

あっ …

( 真 帆 ) どうした の ?

( ダル ) この 1 年 さ

ずっと 考えて いた んだ おね

何で 25 年 後 の 僕 は

この 時代 に 鈴 羽 を 送り出した んだろう って

見せ たかった んじゃ ない か な この 世界 を

だから 僕 も 覚悟 を 決めた わけ

鈴 羽 と 同じ ように 使命 を 果たそう って

僕 に できる こと を やろう って

( 真 帆 ) できる こと ?

僕 は 25 年 後 に ―

人類 初 の タイム マシン を 完成 さ せる らしい のだ ぜ

ヘッ

まゆ し ぃ は どう すれば いい の か な

何 か し たい けど 何も できて ない

( ダル ) まゆ 氏 は オカリン を 立ち直ら せた じゃ ん

それ で 十分じゃ ね ?

( ま ゆり ) あの 日 … ( ダル ) ん ?

私 の 彦星 様 が 復活 して いたら ―

全て は 変わって いた かも しれ ない

それ って …

まゆ し ぃ に とって の 彦星 様 は ―

あの とき から ずっと 1 人 だけ

だから この 1 年 ずっと 何 か が 欠けて いた

そこ に あって ほしい のに

ずっと 変わら ず に いて ほしい のに

泣き たい くらい 求めて る

叫び たい くらい 望んで る

私 オカリン の こと が 好き

たぶん 紅 莉栖 さん と 同じ くらい

う うん 違う

絶対 に … 紅 莉栖 さん に 負け ない くらい ずっと

ずっと 好き

けど …

だけど !

鳳凰 院 ( ほう おういん ) 凶 真 ( きょう ま ) は もっと 大好きな の

私 が 消え そうに なって た とき に

“ この 世界 に ずっと いろ ” って 言って くれた

私 は ―

鳳凰 院 凶 真に 会い たいよ

あの 偉 そうな 高 笑い が 聞き たい よ

たとえ 織姫 様 に なれ ない って 分かって て も

それ でも …

私 に とって の 彦星 様 は 岡部 倫太郎 ( りん たろう ) 以外 に は い ない もん !

( ダル ) だったら さ

それ が まゆ 氏 の 選択 なら 迷う こと ない んじゃ ね ?

( 真 帆 ) うん

うん

ダル 君 真 帆 さん

まゆ し ぃ は 今日 だけ ―

人質 を やめよう と 思い ます !

( 岡部 の 荒い 息 )

( 岡部 ) どういう こと だ ? 全 キャリア 不通 ?

( メイド ) 本日 は ダブルセブンデー

織姫 様 が ミニスカート で お 出迎え

ま ゆり !

( 岡部 の 荒い 息 )

( 真 帆 ) お … 岡部 さん

ハァ ハァ … ダル まゆ り は どこ だ ?

え ?  あっ あ … それ は …

携帯 が つながら ない んだ どう なって る ?

調べて る んだ けど

何 か 秋葉原 ( あき は ばら ) 一帯 に 障害 が 出て て ―

まだ 復旧 して ない っぽい

( 岡部 ) ネット は 使える んだ よ な ?

う … うん

でも 情報 統制 さ れて いる の か 公 の ページ で は 何も …

それ で @ ちゃん ねる に つないだ んだ けど ―

オカ 板 ( いた ) が クラッキング さ れて いて ( 岡部 ) クラッキング ?

この 書き込み は …

“ これ から 我ら 双子 は 在る べき 場所 から 一時的に ―”

“ 遠ざけ られ そうだ ”

“ 父 なる 神 は ついに ―”

“ 我が 不可侵 領域 まで 開放 する 業 ( わざ ) を 見いだした ”

“ だから ―”

“ 私 たち は 時 を つかさどる 秘密 も その 在りか も ―”

“ 父 に 話す こと に なる ”

父 なる 神 ?

ああ 見ろ

( 真 帆 )“ 最期 に 最も 尊敬 する 人 に 伝えて ほしい ”

“ 私 は 自分 を 凡庸 なる 人々 の 代表 だ と 考えて いた ”

“ そして あなた が 常に 私 に とって の 目標 であり ―”

“ あなた こそ が アマデウス その 人 だった ”

これ って どういう こと ?

間違い ない

書き込んだ の は アマデウス の 紅 莉栖 だ

マジ ?

アマデウス に アクセス は できる か ?

えっ ええ …

あっ … どういう こと ?

何 だ ?

データ そのもの が 全て なくなって いる

“ 在る べき 場所 から 遠ざけ られる ”

言って た とおり だ

じゃあ “ 時 を つかさどる 秘密 も その 在りか も ” って いう の は …

まさか 紅 莉栖 の 記憶 が …

あり え ない ! アマデウス の 記憶 の ―

深層 領域 の プロテクト が 破ら れる わけ が

じゃ … じゃあ これ って まさか ―

タイム マシン の 存在 が 誰 か に 気づかれ たって こと じゃ …

そ そんな …

ダル ?  どうした

オ … オカリン

( 岡部 の 荒い 息 )

( 岡部 ) まゆ り と 鈴 羽 が !?

1 人 でも 鈴 羽 は 未来 を 変え に

まゆ 氏 は それ を 追って …

( 岡部 ) ま ゆり …

ダメな の か ? タイム マシン が ある かぎり ―

同じ こと が …

働いて もらう よ C 203

鈴 さん

( 鈴 羽 ) 止めて も ムダ だ よ 私 は …

( ま ゆり ) 違う 私 も 行く

連れて って 去年 の 8 月 21 日 へ

( 鈴 羽 )8 月 ?

( ま ゆり ) うん

オカリン と 鈴 さん が タイムトラベル した ―

あの とき の 直後 に 行き たい の

あの 一瞬 じゃ なきゃ 意味 が ない の

確信 が あって 言って る ?

( ま ゆり ) うん

戻って こ れ ない んだ よ それ でも いい の ?

私 の 彦星 様 を なかった こと に し たく ない から

未来 の 私 の 後悔 を なかった こと に し たく ない から

分かった

( 岡部 ) ま ゆり !

ハァ ハァ … どこ に 行く つもりだ ?

何 を する つもりだ !

何で こう なる んだ

俺 は この 結末 を 受け入れよう と した のに

どうして … どうして こう なる んだ

それ 以上 近づいたら 撃つ よ

( 岡部 ) ま ゆり は 何も し なくて いい

何 か したら ダメな んだ

でないと みんな の 思い を 犠牲 に した こと が ムダ に なる

でないと みんな の 思い を 犠牲 に した こと が ムダ に なる

( 銃声 )

紅 莉栖 の 死 が ムダ に なって しまう

紅 莉栖 の 死 が ムダ に なって しまう

( 銃声 )

紅 莉栖 の 死 が ムダ に なって しまう

( 銃声 )

( 銃声 )

そんな の …

そんな の …

そんな の 俺 は …

( 銃声 )

( 銃声 )

あっ う っ … う う っ …

あっ う っ … う う っ …

オカリン !

大丈夫 か すめた だけ

( 岡部 ) そんな の 俺 は … 俺 は …

( ま ゆり ) オカリン …

( 岡部 ) 俺 は …

俺 は !

それ でも !

それ でも なかった こと に したら ダメな んだ よ

ま ゆり …

雨 が 降って も ―

星 は 世界 から 消えちゃ う わけじゃ ない もん

雲 の 向こう で 変わら ず 輝き 続けて いる

だから 私 が ―

オカリン の 空 を 覆って いる 雨雲 を 取り払って くる

ま ゆり …

待って て

( 岡部 ) ま ゆり …

ま ゆり !

( 鈴 羽 ) 本当に いい んだ ね ? ( ま ゆり ) うん

ごめん ね

血 は もう 止まって いる から 心配 し ないで

何 を する つもりだ ?

( 鈴 羽 ) 何度 も 言った よ 使命 を 果たす

私 は 私 の 大好きな 全て の 人 の ため に 未来 を 変える

いろいろ 思う こと は ある けど …

オカリン おじさん

さようなら

( 携帯 電話 の 振動 音 )

( 鈴 羽 ) 父さん から …

2025 年 … D メール ?

あっ

( ダル ) や あ 鈴 羽 父さん だ よ

こちら は 2025 年 だ

父さん

( ダル ) この ムービー メール が 届いた と いう こと は ―

君 は … いや 君 と まゆ 氏 は ―

シュタインズ ・ ゲート へ の 道 を また 1 つ 見つけた と いう こと だ

気づいて ない かも しれ ない が ―

君 たち の 選択 に よって 世界 線 は また 少し 変動 した んだ

世界 線 が ?

( ダル ) つまり 僕 は 君 が 出発 した 世界 線 と は 違う ―

別の 世界 の 橋田 ( は し だ ) 至 ( いたる ) と いう こと に なる

もっとも ―

それ でも 娘 ラブ である こと に 変わり は ない が ね

つう こと で この ムービー メール の 本題 ―

オペレーション ・ アークライト の 詳細 を 伝える

( ま ゆり ) キャーッ ! ( 鈴 羽 ) う っ …

まゆ 姉さん !

( 工作 員 ) 銃 を 置いて そのまま 地面 に 伏せろ

くっ …

( ま ゆり ) 鈴 さん …

( 鈴 羽 ) しゃべら ないで

大声 出す と こい つら は 本気で 撃ち かね ない

ん っ これ でも 一応 女 な んだ

少し は 気 を 使えよ

( 工作 員 ) 目標 2 と 3 を 確保

( 工作 員 ) 目標 1 確保

ただし ロック が かかって い ます

( 工作 員 ) 生体 認証 か

( 工作 員 ) 立て

分かった

( ま ゆり ) あっ …

鈴 さん …

( 工作 員 ) 下手な マネ を したら すぐに 撃つ

分かって る

( 起動 音 )

( 工作 員 ) 起動 した 成功 だ

( 工作 員 ) うわ っ

( 銃声 )

( 工作 員 ) だ あっ

( 鈴 羽 ) や ああ あっ !

( 工作 員 ) う お っ ( ま ゆり ) キャーッ !

( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん 走って !

( ま ゆり ) う う っ …

まゆ 姉さん ?

か …

かがり ?

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