JIN - 仁 - 完结 编 #01 (1) |しとし|かん结|

〈（ 仁 ） 僕達 は 当たり前だ と 思って いる 〉 しとし|ぼくたち||あたりまえだ||おもって|

〈 思い立てば 地球 の 裏側 に 行ける こと を 〉 おもいたてば|ちきゅう||うらがわ||いける||

〈 いつでも 思い を 伝える こと が できる こと を 〉 |おもい||つたえる|||||

〈 平凡だ が 　 満ち足りた 日々 が 続く であろう こと を 〉 へいぼんだ||みちたりた|ひび||つづく|||

〈 昼 も 夜 も 忘れて しまった ような 世界 を 〉 ひる||よ||わすれて|||せかい|

〈 けれど 　 それ は すべて 与え られた もの だ 〉 ||||あたえ|||

〈 誰 も が 　 歴史 の 中 で 戦い 〉 だれ|||れきし||なか||たたかい

〈 もがき 苦しみ 〉 |くるしみ

〈 命 を 落とし 〉 いのち||おとし

〈 生き抜き 〉 いきぬき

〈 勝ち取って きた 結晶 だ 〉 かちとって||けっしょう|

〈 だから 僕達 は 　 さらなる 光 を 与え なくて は なら ない 〉 |ぼくたち|||ひかり||あたえ||||

〈 僕達 の …〉 ぼくたち|

〈 この 手 で 〉 |て|

〈 ここ に 来て 　 もう すぐ 二 年 に なる 〉 ||きて|||ふた|とし||

〈２００９ 年 　 東京 で 脳 外科 医 を やって いた 俺 は 〉 とし|とうきょう||のう|げか|い||||おれ|

〈 謎 の 男 の 脳 を 手術 し 〉 なぞ||おとこ||のう||しゅじゅつ|

〈 胎児 様 腫瘍 を 取り出した 〉 たいじ|さま|しゅよう||とりだした

〈 その 男 は 　 なぜ か 腫瘍 の 標本 と 〉 |おとこ||||しゅよう||ひょうほん|

〈 救急 医療 用 の パッキン を 持ち出そう と し 〉 きゅうきゅう|いりょう|よう||||もちだそう||

〈 非常 階段 で 男 と 　 もみあった 俺 は …〉 ひじょう|かいだん||おとこ|||おれ|

《 うわ ーッ 》 |-ッ

〈 なぜ か 　 江戸 に タイム スリップ 〉 ||えど||たいむ|すりっぷ

〈 そこ で …〉

〈 一 人 の 青年 を 助けた こと が きっかけ と なり 〉 ひと|じん||せいねん||たすけた|||||

〈 医療 を 通して 　 様々な 江戸 の 人 達 と 出会う こと に なった 〉 いりょう||とおして|さまざまな|えど||じん|さとる||であう|||

〈 歴史 上 の 英雄 や 〉 れきし|うえ||えいゆう|

〈 大切な 人 の ご 先祖 …〉 たいせつな|じん|||せんぞ

〈 かも しれ ない 人 に も 〉 |||じん||

〈 その 人 達 に 助け られ 　 支え られ …〉 |じん|さとる||たすけ||ささえ|

≪（ 男 Ａ ） おい 　 立て ねえ の か ？ おとこ|||たて|||

（ Ｂ ） 痛 え … |つう|

〈 俺 は 　 何とか 　 ここ で 医者 と して 生きる こと が できて いた 〉 おれ||なんとか|||いしゃ|||いきる||||

（ Ｂ ） 待って おく んな せ え → |まって||||

ありがとう ご ぜ え や した 　 これ

〈 だけど 　 ふと 思う 〉 ||おもう

〈 俺 は 　 いつまで ここ に いる のだろう ？〉 おれ||||||

俺 は 　 ここ から … おれ|||

君 の 腫瘍 を 治 せる ような 未来 を つくって み せる きみ||しゅよう||ち|||みらい||||

〈 自分 なり に 考えて やってきた けれど 〉 じぶん|||かんがえて||

〈 これ が 例えば 神 なんて もの の 仕業 で 〉 ||たとえば|かみ||||しわざ|

〈 何 か の 目的 が あった と して …〉 なん|||もくてき||||

《（ 山田 ） 十八 番 　 薬効 あり ！》 《（ 一同 ） う お ーッ 》 やまだ|じゅうはち|ばん|やっこう||いちどう|||-ッ

〈 俺 の やって いる こと は 〉 おれ|||||

〈 その 目的 に かなって いる のだろう か ？〉 |もくてき|||||

〈 ひょっとしたら その 目的 が 　 かなわない かぎり 〉 ||もくてき|||

〈 俺 は 　 戻れ ない ので は ない だろう か ？〉 おれ||もどれ||||||

明治 　 見ちゃ ったり して … めいじ|みちゃ||

〈 俺 は 　 何の ため に ここ へ 送ら れた んだろう ？〉 おれ||なんの|||||おくら||

（ 象 山 ） うわ ーッ ！ ぞう|やま||-ッ

うわ ーッ … |-ッ

（ 福田 ） 南方 先生 　 増田 屋 の ご 隠居 痛風 が 　 ひどく なった そうで ふくた|なんぽう|せんせい|ますだ|や|||いんきょ|つうふう||||そう で

ちょっと 　 見て まいり ます よろしく お 願い し ます |みて|||||ねがい||

咲 さ ん 　 ただいま 戻り ました さ||||もどり|

これ

咲 さ ん ？ さ||

（ 咲 ） あ ッ 　 かた じ け のう ございます さ|||||||

（ 佐分利 ） お 帰 ん なさい 　 南方 先生 ただいま さぶり||かえ|||なんぽう|せんせい|

あ ッ 　 さっき 　 福田 先生 が 往診 に |||ふくた|せんせい||おうしん|

福田 先生 の 内科 に 　 収入 で は 頼り っきり です ね 　 仁 友 堂 は ふくた|せんせい||ないか||しゅうにゅう|||たより||||しとし|とも|どう|

普通の 人 は 　「 具合 が 悪い から 医者 に 行こう 」 って 考え が ふつうの|じん||ぐあい||わるい||いしゃ||いこう||かんがえ|

ない です から ね まして や 　 外科 と なる と ||||||げか|||

もっと 気軽に 来て くれれば いい んです けど |きがるに|きて|||ん です|

ならわし を 変える の は 大変です よ 世 を 変える って こと です から ||かえる|||たいへん です||よ||かえる||||

あ ッ 　 そう いえば 先生 　 咲 さ ん 何 や 　 落ち込んで はり ま へんか ？ ||||せんせい|さ|||なん||おちこんで|||

やっぱり 　 そう です よ ね

何 か あった んです か ？　 咲 さ ん なん|||ん です||さ||

いえ

私 と した こと が わたくし||||

お 疲れ な んじゃ ない です か ？ 仁 友 堂 の 仕事 も やって |つかれ||||||しとし|とも|どう||しごと||

家事 も やって じゃ かじ|||

そのような こと は

明日 は 休んで ください あした||やすんで|

あ ッ 　 久しぶりに 　 橘 の 家 に 行って みたら どう です か ？ ||ひさしぶりに|たちばな||いえ||おこなって||||

私 は … わたくし|

結納 を ほうり出し 　 こちら に まいった 身 で ございます ゆえ … ゆいのう||ほうりだし||||み|||

その 意味 でも |いみ|

一 回 　 ちゃんと 謝り に 帰った 方 が いい と 思う んです よ ね ひと|かい||あやまり||かえった|かた||||おもう|ん です||

《（ 橘 ） 自害 せよ ！》 たちばな|じがい|

《 行け 　 後 は 私 が 　 何とか する 》 いけ|あと||わたくし||なんとか|

あの …

未来 で は 結納 の 席 を 飛び出す こと は みらい|||ゆいのう||せき||とびだす||

まま ある こと な ので ございましょう か ？

結婚 式 の ドタキャン って いう の は けっこん|しき||||||

聞く こと は 　 まあ … ド …　 ドタキャン ？ きく|||||

私 の 所業 は 　 ドタキャン … なる もの な ので ございます ね ？ わたくし||しょぎょう||||||||

ああ …　 ええ 　 まあ …

未来 で は 　 その … みらい|||

ドタキャン なる もの は

親 兄弟 に とり 　 許し 難い こと で は ございませ ぬ か ？ おや|きょうだい|||ゆるし|かたい||||||

場合 に より けり です かね 結納 の 相手 は ばあい||||||ゆいのう||あいて|

橘 より 格 上 の 家柄 幕府 の 家臣 と いう 意味合い で は たちばな||かく|うえ||いえがら|ばくふ||かしん|||いみあい||

相手 の 方 は 　 兄 より 上役 に あたり ます 　 その 場合 は あいて||かた||あに||うわやく|||||ばあい|

いかがで ございましょう か ？ やっぱり 　 ちょっと

気まずい です か ねえ … きまずい|||

うん 　 気まずい |きまずい

そういう 次第 で ございます ので この 件 に ついて は |しだい|||||けん|||

お 忘れ ください ませ あ ッ … |わすれ||||

（ 男 Ｃ ） また 攘夷 派 だって よ （ Ｄ ） 長 州 か … おとこ|||じょうい|は||||ちょう|しゅう|

（ 菓子 売り ） か りんと う ！ かし|うり|||

（ 山田 ） か りんと う 　 くださ ー い か りんと う 　 くださ ー い やまだ|||||-||||||-|

かり ん とう 　 くださ ー い ||||-|

（ 喜市 ） で ？　 何 を 悩んで んだ よ ？ きいち||なん||なやんで||

咲 さ ん 　「 忘れて くれ 」 と 言う けど このまま って の は さ|||わすれて|||いう|||||

よく ない 気 が すんだ よ なあ それ は 　 よく ねえ よ 　 先生 ||き||||||||||せんせい

ちゃんと 　「 咲 様 を もらい ます 」 って 言わ ねえ と よ |さ|さま|||||いわ|||

え ッ ？ （ 茜 ） かなり 噂 に なって る よ ||あかね||うわさ||||

お 武家 さん の 娘 が 　 家 　 飛び出して ふしだらに も 　 男 と 一 つ 屋根 の 下 で |ぶけ|||むすめ||いえ|とびだして|||おとこ||ひと||やね||した|

暮らして る って くらして||

そう な んです か ！？ 恭 太郎 様 も 差 控 だって いう し ||ん です||きよう|たろう|さま||さ|ひかえ|||

差 控 ？ お 城 に 　 のぼれ ない って こと だ よ さ|ひかえ||しろ|||||||

それ 　 しばらく したら … へた すりゃ

一生 　 そのまま だ よ いっしょう|||

お 沙汰 が 下った みたいだ よ 結納 　 す っ 飛ばさ れた 相手 が |さた||くだった|||ゆいのう|||とばさ||あいて|

面目 を 保つ ため に 上申 した んだ と 思う けど めんぼく||たもつ|||じょうしん||||おもう|

知ら なかった の か よ 　 先生 しら|||||せんせい

は あ …

（ 扉 が 開く ） とびら||あく

南方 先生 なんぽう|せんせい

色々 　 ご 迷惑 を かけて いた ようで 何も 知ら ず に … いろいろ||めいわく|||||なにも|しら||

先生 に 　 詫びて いただく 筋 は ございませ ぬ せんせい||わびて||すじ|||

（ 医者 ） で は 　 橘 様 いしゃ|||たちばな|さま

あの 栄 さん 　 どこ か 悪い んです か ？ |さかい||||わるい|ん です|

どうやら 　 脚気 の ようで |かっけ||

脚気 ？ 咲 から 　 聞いて おり ませ ぬ か ？ かっけ|さ||きいて||||

咲 さ ん 　 ここ に 来た んです か ？ 十 日 ほど 前 に さ|||||きた|ん です||じゅう|ひ||ぜん|

どこ から か 話 を 聞きつけた 咲 が 　 やってきた のです |||はなし||ききつけた|さ|||の です

《 兄 上 　 後生 で ございます どうか 母上 に 一目 …》 あに|うえ|ごしょう||||ははうえ||いちもく

《 それ は 無理だ 》 ||むりだ

《 ならば 　 南方 先生 …　 いえ 他の 先生 に 　 お 願い し ます ゆえ 》 |なんぽう|せんせい||たの|せんせい|||ねがい|||

《 診察 を 受ける こと だけ でも お 願い ください 》 しんさつ||うける|||||ねがい|

《（ 栄 ） 会い ませ ぬ 》 さかい|あい||

《 母上 　 意地 を は られ ず と も 》 ははうえ|いじ||||||

《（ 栄 ） あれ を 咲 に …》 さかい|||さ|

《 二度と … 戻る な と いう こと で ございます ね 》 にどと|もどる|||||||

《 面目ない 　 私 が 　 もっと うまく 立ち 回れて おれば 》 めんぼくない|わたくし||||たち|まわれて|

《 悪い の は 私 で ございます 》 わるい|||わたくし||

≪（ 橘 ） 母 は 敷居 を またぐ こと さえ 許さ ず → たちばな|はは||しきい|||||ゆるさ|

咲 を 追い返して しまった のです さ||おいかえして||の です

咲 さ ん 　 そんな こと 　 ひと言 も … さ|||||ひとこと|

家 を 捨てた 身 で ございます いえ||すてた|み||

言いだす こと は でき なかった のでしょう いいだす|||||

では

恭 太郎 さん 　 待って ください きよう|たろう||まって|

栄 さん を 診察 さ せて もらえ ませ ん か ？ さかい|||しんさつ||||||

しかし 　 母 が 会う か どう か |はは||あう|||

お 願い だけ でも さ せて ください |ねがい|||||

〈 この 時代 　 脚気 は 別名 「 江戸 患い 」 と 呼ば れ 〉 |じだい|かっけ||べつめい|えど|わずらい||よば|

〈 非常に ポピュラーな 病気 だ 〉 ひじょうに|ぽぴゅらーな|びょうき|

〈 原因 は 　 ビタミン Ｂ １ の 欠如 〉 げんいん||びたみん|||けつじょ

〈 江戸 の 人 は 白米 を 何より の ごちそう と し 〉 えど||じん||はくまい||なにより||||

〈 副食 は 極めて 貧しい もの しか とら ない 　 それ が 病 の 源 である が 〉 ふくしょく||きわめて|まずしい|||||||びょう||げん||

〈 長らく 　 原因 不明 の 伝染 病 と さ れ 明治 に 入って も 　 なお 〉 ながらく|げんいん|ふめい||でんせん|びょう||||めいじ||はいって||

〈 ばく大な 数 の 死者 を 出し 続けた 病気 である 〉 ばくだいな|すう||ししゃ||だし|つづけた|びょうき|

〈 症状 は 　 手足 の しびれ に 始まり 〉 しょうじょう||てあし||||はじまり

〈 つま先 が 上がら なく なり 転び やすく なる 〉 つまさき||あがら|||ころび||

〈 末しょう 神経 が 麻痺 する のだ 〉 まっしょう|しんけい||まひ||

〈 さらに 進む と どうき 　 息切れ が 現れ 〉 |すすむ|||いきぎれ||あらわれ

〈 脈 も 速く なる 〉 みゃく||はやく|

〈 最悪の 場合 　 衝心 脚気 〉 さいあくの|ばあい|しょうこころ|かっけ

〈 つまり 　 心 不全 に よって 死 が 訪れる 〉 |こころ|ふぜん|||し||おとずれる

〈 この 時代 　 脚気 は 死 病 と さ れて いる 病 である 〉 |じだい|かっけ||し|びょう|||||びょう|

≪（ 栄 ） どうぞ さかい|

ご無沙汰 … ごぶさた

して おり ました

母上 ！ あなた は ははうえ||

この 守り 刀 の ような 　 お方 です |まもり|かたな|||おかた|

我が身 を 守って くれる と 同時に わがみ||まもって|||どうじに

最後 は 　 その 命 を も 絶つ さいご|||いのち|||たつ

あなた が 　 い なければ

恭 太郎 が 生きながらえる こと は なかった きよう|たろう||いきながらえる|||

けれども

咲 が 飛び出す こと も → さ||とびだす||

恭 太郎 が → きよう|たろう|

差 控 の 憂き目 に あう こと も なかった でしょう さ|ひかえ||うきめ||||||

診察 だけ は 　 お 受け し ます しんさつ||||うけ||

せっかく ご 足 労 いただいた のです から ||あし|ろう||の です|

ありがとう ございます

失礼 し ます しつれい||

栄 さん 食事 は 　 きちんと さ れて ます か ？ さかい||しょくじ||||||

脚気 を 治す に は 食 餌 療法 しか あり ませ ん かっけ||なおす|||しょく|えさ|りょうほう||||

当分 は 　 白米 は 　 やめ 玄米 に 替えて ください とうぶん||はくまい|||げんまい||かえて|

それ から 　 芋 や 豆 も たくさん とって ください ||いも||まめ||||

神経 の 麻痺 も 出て ます し 脈 も 速い しんけい||まひ||でて|||みゃく||はやい

いつ 　 衝心 脚気 を 起こして も おかしく ない 状態 な んです |しょうこころ|かっけ||おこして||||じょうたい||ん です

このまま で は

死んで しまい ます しんで||

もう …

生きて いた くも 　 ございませ ぬ ゆえ いきて|||||

栄 さん 　 脚気 は 治る んです わざわざ 苦しい 思い を して さかい||かっけ||なおる|ん です||くるしい|おもい||

死のう なんて … 生きて いた と して しのう||いきて|||

これ より 先 ||さき

私 に 　 どのような 望み が ある と いう ので ございましょう か ？ わたくし|||のぞみ|||||||

恭 太郎 が 武家 と して の 誇り を 取り戻し きよう|たろう||ぶけ||||ほこり||とりもどし

咲 が 　 ひとかど の 家 に 嫁ぐ 日 は まいる ので ございましょう か ？ さ||||いえ||とつぐ|ひ|||||

お 引き取り を |ひきとり|

脚気 を 治す に は 食 餌 療法 しか あり ませ ん かっけ||なおす|||しょく|えさ|りょうほう||||

どうにか して 食べて いただく しか ない んです が ||たべて||||ん です|

かなわ ぬ こと か と 存じ ます |||||ぞんじ|

これ は

母 の 　 私 へ の 罰 な のです はは||わたくし|||ばち||の です

橘 家 に 泥 を 塗った 私 を たちばな|いえ||どろ||ぬった|わたくし|

死 を もって 戒めよう と して いる のです し|||いましめよう||||の です

ならば 私 は |わたくし|

黙って 受ける しか 　 ございませ ぬ だまって|うける|||

それ は 　 ちょっと …

違う んじゃ ない です か ？ ちがう||||

先生 に は 　 お 分かり に なら ぬ や も しれ ませ ぬ が せんせい||||わかり|||||||||

私 達 に とって 　 家 と いう の は わたくし|さとる|||いえ||||

そう じゃ なくて

咲 さん は 　 医者 で も ある んでしょ ？ さ|||いしゃ||||

黙って 見て いる だけ 　 と いう の は … だまって|みて||||||

違う んじゃ ない です か ？ ちがう||||

脚気 に よい 食べ物 だ と かっけ|||たべもの||

悟ら せ ぬ ように さとら|||よう に

食べ させれば よい のです よ ね ？ たべ|さ せれば||の です||

はい

（ 龍 馬 ） お ー い ！→ りゅう|うま||-|

まっ こと 　 えらい こと ぜ よ ！

えらい こっちゃ

この 食品 の 中 から ビタミン Ｂ １ を 取り出す の は |しょくひん||なか||びたみん|||とりだす||

でき ぬ ので ございます か ？ それ で 白米 を 炊く など は ？ |||||||はくまい||たく||

でき ない こと は ない と 思い ます が ||||||おもい||

まぜ 込ま れて いる の が 気づか ない 味 に する の は 　 難しい と 思い ます |こま|||||きづか||あじ|||||むずかしい||おもい|

言わ なきゃ よかった んだ よ な 栄 さん に いわ||||||さかい||

脚気 に いい 食べ物 の こと なんて 知ら なかった と して も 　 今 の 母 は かっけ|||たべもの||||しら|||||いま||はは|

白 が ゆ の ような もの しか 口 に し ない と 思い ます しろ|||||||くち|||||おもい|

（ 大きな 物音 ） おおきな|ものおと

物 盗 り で ございましょう か ？ ぶつ|ぬす||||

（ 物音 ） ものおと

曲者 ！　 覚悟 せよ くせもの|かくご|

山田 先生 　 何 を ？ やまだ|せんせい|なん|

今日 　 買った 　 江戸 かり ん とう を 忘れて 　 取り に まいった ところ きょう|かった|えど|||||わすれて|とり|||

ひっくり返して しまい … ひっくりかえして|

は あ …

《 母上 》 ははうえ

《 何 です か ？　 咲 》 なん|||さ

母 も … はは|

江戸 かり ん とう が 大好きで ございました えど|||||だいすきで|

独り占め して 食べる ほど に ひとりじめ||たべる||

それ です よ

甘い もの です あまい||

甘い もの だ ！ あまい||

三条 河原 の 象 山 先生 の みっじょう|かわはら||ぞう|やま|せんせい|

ありゃ 偽物 の 首 じゃ っ ちゅう 話 じゃ |にせもの||くび||||はなし|

（ 勝 ） 今 　 読んで んだ よ 本物 は 　 弟子 達 が 助け か|いま|よんで|||ほんもの||でし|さとる||たすけ

匿 っ ちゅう が じゃけん ど 十三 ヵ 所 も 斬り つけ られ … とく||||||じゅうさん||しょ||きり||

ひん死 の 重傷 だ が まだ 何とか 生きて いる ひんし||じゅうしょう||||なんとか|いきて|

助け られる 医者 は い ねえ か ？　 と 何で 　 て め え が 先 に 読んで んだ よ たすけ||いしゃ||||||なんで|||||さき||よんで||

しかし 　 生きて た と は な |いきて||||

象 山 先生 を 助け られる が は … ぞう|やま|せんせい||たすけ|||

もう 　 あん 男 しか おら ん のう ||おとこ||||

今日 　 私 達 が 　 これ から 作る の は きょう|わたくし|さとる||||つくる||

これ です

何で すか ？　 これ は なんで|||

脚気 の 特効 薬 です かっけ||とっこう|くすり|

これ で 　 脚気 が ？ ||かっけ|

治り ます 　 食べ 続ければ 　 必ず なおり||たべ|つづければ|かならず

して 　 この 薬 の 名前 は ？ ||くすり||なまえ|

この 薬 は |くすり|

道 名 津 と いい ます どう|な|つ|||

ドーナツ ？ どーなつ

では 早速 　 作って み たい と 思い ます |さっそく|つくって||||おもい|

〈 私 達 が 満たさ なければ なら ない 条件 は 　 三 つ です 〉 わたくし|さとる||みたさ||||じょうけん||みっ||

〈 脚気 に よい 食品 を 効率 的に 使える こと 〉 かっけ|||しょくひん||こうりつ|てきに|つかえる|

〈 かり ん とう と 類似 した 菓子 である こと 〉 ||||るいじ||かし||

〈 そして 　 珍しい こと です 〉 |めずらしい||

何 して まん ねん なん|||

〈 あの 栄 さん が 思わず 手 に 取って しまう ほど 〉 |さかい|||おもわず|て||とって||

未来 で は 　 男 の 方 も 厨 に 立つ ので ございます か ？ みらい|||おとこ||かた||ず||たつ|||

まあ 　 人 それぞれ です けど |じん|||

先生 は なさって いた ので ございます ね ？ せんせい||||||

いや 　 そんなに は

では 　 なぜ 　 このような こと を ご存じ で ？ |||||ごぞんじ|

あ ッ …

一緒に 作ら さ れた こと が あって いっしょに|つくら|||||

あ ッ …

あ ッ 　 左 様 で ||ひだり|さま|

〈 かつて 　 助け られ なかった 大切な 人 〉 |たすけ|||たいせつな|じん

〈 そのご 先祖 と 思わ れる 人 を 助ける こと で 〉 |せんぞ||おもわ||じん||たすける||

〈 今 は もう 　 生まれ なく なって しまった かも しれ ない 人 〉 いま|||うまれ|||||||じん

すみません

もう 　 考えて も 仕方 の ない こと です から |かんがえて||しかた|||||

野 風 さん が 　 お 元気 なら 　 それ で の|かぜ||||げんき|||

あ ッ 　 もう 揚がり ました |||あがり|