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JIN-仁- 完结编, JIN-仁- 完结编 #04 (1)

JIN - 仁 - 完结 编 #04 (1)

( 龍 馬 )「 先生 元気 か え ? わし は 元気に や っち ょる ぜ よ 」

「 薩摩 に 来た わし は 」

「 先生 が 手術 した 西郷 さん と 馬 が 合う て のう 」

( 龍 馬 ) これ が 南方 先生 の …

( 龍 馬 )「 手術 ん とき の 話 も 改めて 聞いた ぜ よ 」

「 そんな ことし ながら 長 州 に も 顔 を 出し ち ょる 」

( 中岡 ) おんし も 薩長 に 手 を 結ば そう と

( 龍 馬 )「 長 州 で は わし と 同じ 土佐 の 脱 藩 浪人 で 」

「 長 州 の 預かり と な っち ょる 」

「 中岡 慎 太郎 いう 男 と 出会う たが じゃ 」

「 こん 男 が なんと 」

「 わし と 同じ こと を たくら ん じょ って 」

「 今 は 二 人 で 長 州 と 薩摩 の 和解 に 走り回 っち ょる ぜ よ 」

「 そうそう 長崎 で 海軍 操 練 所 の 仲間 と ともに 」

「 亀山 社 中 っ ちゅう カンパニー も 作った ぜ よ 」

「 先生 は どうぜよ ?」

( 仁 )「 龍 馬 さん お 元気 そうで 何より です 」

「 私 の 方 は あの 後 上 様 と 和 宮様 より 」

「 おわび を 兼ねた お 礼 を いただき ました 」

「 その せい も あった の か 恭 太郎 さん の 差 控 も 解か れ 」

「 橘 家 は やっと 元どおりに なり ました 」

「 さらに 仁 友 堂 の 方 に も 良い こと が 色々 と 」

歯車 を 替えて み ましょう か

「 まず 横 松 先生 と 一緒に 考えて いた 」

「 遠心 分離 機 と いう 道具 が 出来上がり ました 」

すごい で すよ 横 松 先生

「 これ は 血液型 と いう もの を 判定 する ため の もの です 」

「 これ に よって 輸血 と いう 治療 が できる ように なり 」

「 象 山 先生 の ように 失血 死 で 亡くなる 方 を 」

「 減らす こと が できる ように なり ます 」

( 佐分利 ) 型 は 何 種類 ある んです か ?

A と O B と AB の 四 種類 です

≪( 八木 ) 型 が 同じならば 誰 の 血 でも 混ぜて 平気です か ?

いろんな 危険 性 も ある ので

このまま で は 確実に 失血 死 する と いう 場合 のみ 使う つもりです

「 ペニシリン を 扱い やすく する と いう 件 は 」

「 粉末 化 に 向けて 実験 を 繰り返して い ます 」

( 福田 ) あ ッ すいません

「 この 試み が 成功 すれば ペニシリン は 」

「 爆発 的に 広まる こと に なる と 思い ます 」

「 咲 さん は 」

《 咲 さ ん 》

《 私 と 一緒に なって もらえ ませ ん か ?》

《( 咲 ) お 断り 申し上げ ます 》

《 私 の 幸せ は 》

《 後 の 世に 仁 友 堂 を 残す こと で ございます 》

〈 咲 さん は あれ から 〉

〈 前 に も まして ニコニコ と 接して くれて いた が 〉

〈 時折 その 笑顔 が 妙に 遠く 感じる こと が 〉

〈 こうして 俺 は 〉

〈 江戸 で 四 度 目 の 正月 を 迎える こと に なった 〉

( 印藤 ) 坂本 様 は いまや 幕府 の 捕り 方 に 追わ れる 身

そんな 大げさな 護衛 ら 薩摩 と 長 州 と の 盟約 は

坂本 様 抜きで は なし え ぬ 仕事

これ は 我が 殿 から の 命 で ございます

≪( 印藤 ) 三吉 慎 蔵 と 東 修介 に ございます

生き ちょ った が かえ お まん は !

( 東 ) はい

こぶ を 取る んです か ?

( 多紀 ) 耳 の 後ろ の 微妙な 位置 に ある こぶ で な

今 まで 多く の 医者 が 診て きた が

皆 失敗 を 恐れ 治療 に 踏み切れ なかった のじゃ

その こぶ は 悪性 の 腫瘍 …

あ ッ 岩 な んです か ?

それ も どうにも 分から ぬ らしい

まず 診る だけ 頼め ぬ か ?

その 患者 さん は どういう 方 で ? その お方 は

東 照 大 権現 様 に つながる ご 家 門 の お 家柄

川越 松平 家 の ご 先代 の ご 息女 で あら せ られる

松平 家 って あの …

上 様 の …

親戚 って こと … さ よう

南方 殿 この 手術 に は 徳川 家 二百六十 年 の

由緒 ある お 血筋 の 存亡 が かかって おる のじゃ

血筋 です か

〈 ずっと 気 に かかって いた こと が ある 〉

〈 この 世界 の どこ か に は 確実に 俺 の 先祖 が いる 〉

〈 もし 俺 が 〉

〈 自分 の 祖先 と 係わって しまったら どう なる んだろう ?〉

〈 別段 何も 起こら ない んだろう か 〉

〈 それとも 〉

〈 その こと で 未来 の 何 か が 〉

〈 大きく 変わったり する んだろう か ?〉

〈 ひょっとして 俺 自身 の 手 で 〉

〈 俺 が 存在 し ない 未来 を 〉

おお ッ

〈 作り出す こと だって ある んじゃ ない だろう か 〉

〈 あの とき と 同じ ように 〉

〈 だけど それ こそ が もし 〉

〈 この タイム スリップ の 目的 だ と したら ?〉

( 八木 ) ご 家 門 の 方 を 治療 する なら 医学 所 の 方 に 話 を して おか ねば

それ は 大丈夫です 松本 先生 も 私 を 推して くださった そうです

( 山田 ) 仁 友 堂 が 医学 館 と つるんで る と いう 噂 が 立ち

好意 で 手伝い に 来て くれて た 医学 所 の 学生 達 が

引き揚げ ました →

上 同士 の 話 は 通じて も 下 に まで 伝わる の は なかなか

そう な んです か

では ペニシリン の 粉末 化 を 急が ねば なり ませ ん ね

ペニシリン が 扱い やすく なれば おのずと 本道 でも 処方 さ れ

流派 は おのずと 溶け合い ましょう ≪( 山田 ) それ は そう です が

製造 の 方 は しばし の 間 職人 を 増やせば よい 話

川越 の 治療 は それなり の 礼 も 見込め ましょう し

いかがで ございましょう か ?

そう です ね そうして いただける と

では 川越 行き の 支度 を いたし ます

あ ッ 助手 は 私 で よろしゅう ございます か ?

はい よ よろしい のです か !?

夫婦 で も ない 男女 が ともに 旅 を する と いう こと です ぞ

あ ッ いい んです か ?

先生 方 に は ペニシリン の 粉末 化 が ございましょう し

佐分利 先生 と 福田 先生 に は 患者 を 診て いただけ ねば なり ませ ぬ し

私 しか おら ぬ で は ございませ ぬ か

いい の か な

言え ました

お まんが わし の 護衛 に なる と は の

仕方ない こと です から これ ッ 東

坂本 さん は 志士 と いう より 商人 です よ ね

長 州 の ため に と 武器 を 流して くれて い ます が

実際 の ところ かなり もうかって る と いう 話 です し

だが 今 長 州 の ため に 尽力 して くれて る の は

坂本 さん と 中岡 さん だけ です

守ら ねば 仕方 ない で すよ ね

何より

僕 は あなた に 助け られて しまった

何 を ! 何 ちゅう 正直な 男 じゃ

わしゃ そういう ヤツ が 大好きじゃ き

僕 は 好きじゃ ないで す

まっ こと 東

薩長 も そこ が 肝 な が じゃ

薩摩 も 長 州 も

互い の こと は 好き や ないき

むしろ 嫌い 合う ち ょる

けん ど 情 の 垣根 を 越えて

手 を 結ば せる もん が 一 つ だけ ある ぜ よ

そりゃ あ

「 利 」 じゃ

「 利 」 っ ちゅう が は この 場合 倒 幕 じゃ

やはり 商人 の 考え です ね

いん や

《 ペニシリン もっと 扱い やすく しよう と 思って ます それ を きっかけ に 》

《 医学 の いろんな 垣根 も なくなる かも しれ ない し 》

医者 の 考え ぜ よ

南方 先生 の こと です か ?

ほ いたら 行こう か に ゃあ

京 へ

咲 さ ん 大丈夫です か ?

はい

は あ 着いた

ここ まで 来れば 川越 まで は 間近で ございます ね

( お初 ) お 客 さん お茶 飲んで くん ろ

ありがとう お 名前 は ?

あ ちかった け ?

お 嬢ちゃん 何とも なかった ? へ ッ ?

静電気 かな ?

( 文 左 衛 門 ) お 客 様 お初 が 何 か

ご 無礼 を いたし ました でしょう か いえいえ

二 階 の 一 番 良い 座敷 を ご 用意 さ せて いただき ました ので

さあ さあ

あの 私 の 部屋 は どちら に ?

≪( 女将 ) お 客 様 方 は 夫婦 で は ?

も 申し訳 ございませ ぬ !

ただいま お 部屋 を

( 女将 ) でも 今日 は 埋まって …

何とか いたし ます ので しばし !

いい です よ 私 は 護衛 の 方 の お 部屋 で 眠り ます から

お 許し ください ませ

お 殿様 の 大切な お 客 様 に このような ご 無礼 を

かく なる 上 は いかなる 処罰 も

私 は 同じ 部屋 でも かまい ませ ぬ

それ ならば 罰せ られる こと も ございませ ん でしょう

先生 さえ お 嫌で なければ です が

ちょっと 待って … 咲 さ ん それ は いけ ませ ん って

もちろん 嫌で は ない けど 私 は …

咲 さん さえ 嫌じゃ なければ

ありがたき お 言葉 で ございます →

こ よい は 心 より お もてなし を さ せて いただき ます ので

なあ なあ 咲 様 は 折り紙 は 得意 け ?

( 恭 太郎 ) 咲 と 南方 先生 が ともに 旅 に ?

私 ども に は ペニシリン 粉末 化 と いう 使命 が ございまして な

まったく 母上 が 聞いたら 気絶 いたそう

ここ だけ の 話 お 二 人 は どう なって おる のでしょう ?

私 は てっきり 一緒に なら れる と 思う ており ました が

《 私 だけ 幸せに など 》

《 なれる わけ が ない で は ございませ ぬ か 》

私 に も よう 分から ぬ のだ

咲 に 何 が あった の か

はい わ あ

船 から 風車

わ ッ

次 は 何 に いたし ましょう か

風船 が 金魚 すごい

あ ッ

いや 何でも …

先生 も 何 か 折る べ 私 ?

いや あ 困った な

偉い お 医者 様 は 何も 折れ ん べ か ?

お ッ

待って ろ よ

できた はい

何 だ べ か ? そりゃ

イカヒコーキ

ヒコーキ ?

イカ 空 飛ぶ イカ

空 飛ぶ イカ ?

よし ッ

いく ぞ

いけ ッ

うわ ~ ッ 飛んだ

さあ

あれ は 未来 の 折り紙 な のです ね

そう だった んです ねえ

気づき ませ ん でした けど

先生 が いら した の は

どれほど 先 の 世 で ございます か ?

百三十 年 と か 四十 年 と か

そんな 感じ じゃ ないで す かね

では 私 は

先生 の お ばば 様 の お ばば 様 くらい でしょう か

私 は 咲 さん の 孫 の 孫 くらい です か

この 屏風 の 向こう は

百 数 十 年 後 な ので ございます ね

そう なり ます ね

あ ッ 川越 藩 の こと です が

込み入った 事情 が ある と か

ああ そう な んです

実は 川越 藩 の 現在 の お 殿様 は 婿 養子 だ そうで

家 の 血筋 を 継ぐ の は 奥 方 様 の 方 な んだ そうです

でも この 奥 方 様 は こぶ が 大きく なって

お 殿様 と の 仲 が うまく いか なく なっちゃ って

尼寺 に 入る って

実家 に 戻って きちゃ ったら しいん です よ

しかも 悪い こと に お 殿様 の 側室 が 現在 妊娠 中 らしくて

このまま で は 代々 続いて いる 川越 藩 直系 の 血 は

絶えて しまう かも しれ ない って こと で の この度 の 依頼 です

長く なって すいません こぶ を 治し

夫婦 仲 も なおす と いう こと で ございます か

でも 奥 方 様 は どう 思って る んでしょう ね

奥 方 様 の 気持ち は 二の次 に

周り が 「 子供 子供 」 って 騒いで る ような 気 が して

武家 の 女子 は お家 の ため に 子 を 産む の が 使命 であり

幸せである と 育て られ ます ゆえ

《 結婚 は 母 も 兄 も 素直に 喜べる お 相手 と と も 思って おり ます 》

あの …

それ は 咲 さん も です よ ね

寝ちゃ い ました か

私 の 子 は

仁 友 堂 で ございます

先生

( 恵 姫 ) おもて を 上げよ

≪( 恵 姫 ) おもて を 上げよ

奥 の 三 人 その方 達 が なぜ ここ に おる ?

( 藩 医 A ) は ッ ご 家老 様 より 南方 殿 の 手助け を せよ と

わらわ の こぶ を 何とも でき なかった その方 ら が ?

≪( B ) 奥 方 様 の 身 に 万一 の こと が あって は と

治療 に 失敗 した とき

その方 ら の 身 に 万一 の こと が あって は であろう

そ なた は 江戸 の 町 医者 じゃ そう じゃ な

はい 治療 は 無用じゃ が

金 なら もろ うて いく が よい 大 儀 であった

何 じゃ

( 女 中 ) 先ほど 殿 と お 房 様 の 間 の お 子 が

お 生まれ に なった そうで

では 祝い の 品 を


JIN - 仁 - 完结 编 #04 (1) |しとし|かん结|

( 龍 馬 )「 先生   元気 か え ? わし は 元気に や っち ょる ぜ よ 」 りゅう|うま|せんせい|げんき|||||げんきに|||||

「 薩摩 に 来た   わし は 」 さつま||きた||

「 先生 が 手術 した 西郷 さん と 馬 が 合う て のう 」 せんせい||しゅじゅつ||さいごう|||うま||あう||

( 龍 馬 ) これ が   南方 先生 の … りゅう|うま|||なんぽう|せんせい|

( 龍 馬 )「 手術 ん とき の 話 も 改めて 聞いた ぜ よ 」 りゅう|うま|しゅじゅつ||||はなし||あらためて|きいた||

「 そんな ことし ながら 長 州 に も 顔 を 出し ち ょる 」 |||ちょう|しゅう|||かお||だし||

( 中岡 ) おんし も 薩長 に 手 を 結ば そう と なかおか|||さつちょう||て||むすば||

( 龍 馬 )「 長 州 で は   わし と 同じ 土佐 の 脱 藩 浪人 で 」 りゅう|うま|ちょう|しゅう|||||おなじ|とさ||だつ|はん|ろうにん|

「 長 州 の 預かり と   な っち ょる 」 ちょう|しゅう||あずかり||||

「 中岡 慎 太郎 いう 男 と 出会う たが じゃ 」 なかおか|まこと|たろう||おとこ||であう||

「 こん 男 が   なんと 」 |おとこ||

「 わし と 同じ こと を たくら ん じょ って 」 ||おなじ||||||

「 今 は 二 人 で   長 州 と 薩摩 の 和解 に 走り回 っち ょる ぜ よ 」 いま||ふた|じん||ちょう|しゅう||さつま||わかい||はしりまわ||||

「 そうそう   長崎 で 海軍 操 練 所 の 仲間 と ともに 」 そう そう|ながさき||かいぐん|みさお|ね|しょ||なかま||

「 亀山 社 中 っ ちゅう カンパニー も 作った ぜ よ 」 かめやま|しゃ|なか|||かんぱにー||つくった||

「 先生 は   どうぜよ ?」 せんせい||

( 仁 )「 龍 馬 さん お 元気 そうで 何より です 」 しとし|りゅう|うま|||げんき|そう で|なにより|

「 私 の 方 は   あの 後 上 様 と 和 宮様 より 」 わたくし||かた|||あと|うえ|さま||わ|みやさま|

「 おわび を 兼ねた   お 礼 を いただき ました 」 ||かねた||れい|||

「 その せい も   あった の か 恭 太郎 さん の 差 控 も 解か れ 」 ||||||きよう|たろう|||さ|ひかえ||とか|

「 橘 家 は   やっと 元どおりに なり ました 」 たちばな|いえ|||もとどおりに||

「 さらに   仁 友 堂 の 方 に も 良い こと が 色々 と 」 |しとし|とも|どう||かた|||よい|||いろいろ|

歯車 を 替えて み ましょう か はぐるま||かえて|||

「 まず 横 松 先生 と 一緒に 考えて いた 」 |よこ|まつ|せんせい||いっしょに|かんがえて|

「 遠心 分離 機 と いう 道具 が 出来上がり ました 」 えんしん|ぶんり|き|||どうぐ||できあがり|

すごい で すよ   横 松 先生 |||よこ|まつ|せんせい

「 これ は   血液型 と いう もの を 判定 する ため の もの です 」 ||けつえきがた|||||はんてい|||||

「 これ に よって   輸血 と いう 治療 が できる ように なり 」 |||ゆけつ|||ちりょう|||よう に|

「 象 山 先生 の ように 失血 死 で 亡くなる 方 を 」 ぞう|やま|せんせい||よう に|しっけつ|し||なくなる|かた|

「 減らす こと が できる ように なり ます 」 へらす||||よう に||

( 佐分利 ) 型 は 何 種類 ある んです か ? さぶり|かた||なん|しゅるい||ん です|

A と O   B と AB の 四 種類 です |||||||よっ|しゅるい|

≪( 八木 ) 型 が 同じならば 誰 の 血 でも 混ぜて 平気です か ? やぎ|かた||おなじならば|だれ||ち||まぜて|へいき です|

いろんな 危険 性 も ある ので |きけん|せい|||

このまま で は 確実に 失血 死 する と いう 場合 のみ   使う つもりです |||かくじつに|しっけつ|し||||ばあい||つかう|つもり です

「 ペニシリン を 扱い やすく する と いう 件 は 」 ||あつかい|||||けん|

「 粉末 化 に 向けて 実験 を 繰り返して い ます 」 ふんまつ|か||むけて|じっけん||くりかえして||

( 福田 ) あ ッ   すいません ふくた|||

「 この 試み が 成功 すれば ペニシリン は 」 |こころみ||せいこう|||

「 爆発 的に 広まる こと に なる と 思い ます 」 ばくはつ|てきに|ひろまる|||||おもい|

「 咲 さん は 」 さ||

《 咲 さ ん 》 さ||

《 私 と 一緒に なって もらえ ませ ん か ?》 わたくし||いっしょに|||||

《( 咲 ) お 断り 申し上げ ます 》 さ||ことわり|もうしあげ|

《 私 の 幸せ は 》 わたくし||しあわせ|

《 後 の 世に 仁 友 堂 を 残す こと で ございます 》 あと||よに|しとし|とも|どう||のこす|||

〈 咲 さん は   あれ から 〉 さ||||

〈 前 に も まして ニコニコ と 接して くれて いた が 〉 ぜん||||にこにこ||せっして|||

〈 時折   その 笑顔 が 妙に 遠く 感じる こと が 〉 ときおり||えがお||みょうに|とおく|かんじる||

〈 こうして 俺 は 〉 |おれ|

〈 江戸 で 四 度 目 の 正月 を 迎える こと に なった 〉 えど||よっ|たび|め||しょうがつ||むかえる|||

( 印藤 ) 坂本 様 は   いまや 幕府 の 捕り 方 に 追わ れる 身 いんどう|さかもと|さま|||ばくふ||とり|かた||おわ||み

そんな 大げさな   護衛 ら 薩摩 と 長 州 と の 盟約 は |おおげさな|ごえい||さつま||ちょう|しゅう|||めいやく|

坂本 様 抜きで は   なし え ぬ 仕事 さかもと|さま|ぬきで|||||しごと

これ は   我が 殿 から の 命 で ございます ||わが|しんがり|||いのち||

≪( 印藤 ) 三吉 慎 蔵 と 東 修介 に ございます いんどう|みよし|まこと|くら||ひがし|しゅうすけ||

生き ちょ った が かえ   お まん は ! いき|||||||

( 東 ) はい ひがし|

こぶ を 取る んです か ? ||とる|ん です|

( 多紀 ) 耳 の 後ろ の 微妙な 位置 に ある   こぶ で な たき|みみ||うしろ||びみょうな|いち|||||

今 まで   多く の 医者 が 診て きた が いま||おおく||いしゃ||みて||

皆   失敗 を 恐れ 治療 に 踏み切れ なかった のじゃ みな|しっぱい||おそれ|ちりょう||ふみきれ||

その こぶ は   悪性 の 腫瘍 … |||あくせい||しゅよう

あ ッ   岩 な んです か ? ||いわ||ん です|

それ も   どうにも 分から ぬ らしい |||わから||

まず   診る だけ 頼め ぬ か ? |みる||たのめ||

その 患者 さん は   どういう 方 で ? その お方 は |かんじゃ||||かた|||おかた|

東 照 大 権現 様 に つながる ご 家 門 の   お 家柄 ひがし|あきら|だい|ごんげん|さま||||いえ|もん|||いえがら

川越 松平 家 の ご 先代 の   ご 息女 で あら せ られる かわごえ|まつだいら|いえ|||せんだい|||そくじょ||||

松平 家 って   あの … まつだいら|いえ||

上 様 の … うえ|さま|

親戚 って こと … さ よう しんせき||||

南方 殿   この 手術 に は 徳川 家   二百六十 年 の なんぽう|しんがり||しゅじゅつ|||とくがわ|いえ|にひゃくろくじゅう|とし|

由緒 ある   お 血筋 の 存亡 が かかって おる のじゃ ゆいしょ|||ちすじ||そんぼう||||

血筋   です か ちすじ||

〈 ずっと   気 に かかって いた こと が ある 〉 |き||||||

〈 この 世界 の どこ か に は 確実に   俺 の 先祖 が いる 〉 |せかい||||||かくじつに|おれ||せんぞ||

〈 もし   俺 が 〉 |おれ|

〈 自分 の 祖先 と 係わって しまったら どう なる んだろう ?〉 じぶん||そせん||かかわって||||

〈 別段   何も 起こら ない んだろう か 〉 べつだん|なにも|おこら|||

〈 それとも 〉

〈 その こと で   未来 の 何 か が 〉 |||みらい||なん||

〈 大きく 変わったり する んだろう か ?〉 おおきく|かわったり|||

〈 ひょっとして   俺 自身 の 手 で 〉 |おれ|じしん||て|

〈 俺 が 存在 し ない 未来 を 〉 おれ||そんざい|||みらい|

おお ッ

〈 作り出す こと だって ある んじゃ ない だろう か 〉 つくりだす|||||||

〈 あの とき と 同じ ように 〉 |||おなじ|よう に

〈 だけど   それ こそ が   もし 〉

〈 この タイム スリップ の 目的 だ と したら ?〉 |たいむ|すりっぷ||もくてき|||

( 八木 ) ご 家 門 の 方 を 治療 する なら 医学 所 の 方 に 話 を して おか ねば やぎ||いえ|もん||かた||ちりょう|||いがく|しょ||かた||はなし||||

それ は 大丈夫です   松本 先生 も 私 を 推して くださった そうです ||だいじょうぶ です|まつもと|せんせい||わたくし||おして||そう です

( 山田 ) 仁 友 堂 が   医学 館 と つるんで る と いう 噂 が 立ち やまだ|しとし|とも|どう||いがく|かん||||||うわさ||たち

好意 で 手伝い に 来て くれて た 医学 所 の 学生 達 が こうい||てつだい||きて|||いがく|しょ||がくせい|さとる|

引き揚げ ました → ひきあげ|

上 同士 の 話 は 通じて も 下 に まで 伝わる の は   なかなか うえ|どうし||はなし||つうじて||した|||つたわる|||

そう な んです か ||ん です|

では   ペニシリン の 粉末 化 を 急が ねば なり ませ ん ね |||ふんまつ|か||いそが|||||

ペニシリン が 扱い やすく なれば おのずと 本道 でも 処方 さ れ ||あつかい||||ほんどう||しょほう||

流派 は   おのずと 溶け合い ましょう ≪( 山田 ) それ は   そう です が りゅうは|||とけあい||やまだ|||||

製造 の 方 は   しばし の 間 職人 を 増やせば よい 話 せいぞう||かた||||あいだ|しょくにん||ふやせば||はなし

川越 の 治療 は それなり の 礼 も 見込め ましょう し かわごえ||ちりょう||||れい||みこめ||

いかがで ございましょう か ?

そう です ね   そうして いただける と

では   川越 行き の 支度 を いたし ます |かわごえ|いき||したく|||

あ ッ   助手 は 私 で よろしゅう ございます か ? ||じょしゅ||わたくし||||

はい よ   よろしい のです か !? |||の です|

夫婦 で も ない 男女 が ともに 旅 を する と いう こと です ぞ ふうふ||||だんじょ|||たび|||||||

あ ッ   いい んです か ? |||ん です|

先生 方 に は   ペニシリン の 粉末 化 が ございましょう し せんせい|かた|||||ふんまつ|か|||

佐分利 先生 と 福田 先生 に は   患者 を 診て いただけ ねば なり ませ ぬ し さぶり|せんせい||ふくた|せんせい|||かんじゃ||みて||||||

私 しか   おら ぬ で は ございませ ぬ か わたくし||||||||

いい の か な

言え ました いえ|

お まんが   わし の 護衛 に なる と は の ||||ごえい|||||

仕方ない こと です から これ ッ   東 しかたない||||||ひがし

坂本 さん は 志士 と いう より 商人 です よ ね さかもと|||しし||||しょうにん|||

長 州 の ため に と 武器 を 流して くれて い ます が ちょう|しゅう|||||ぶき||ながして||||

実際 の ところ   かなり もうかって る と いう 話 です し じっさい||||||||はなし||

だが 今   長 州 の ため に 尽力 して くれて る の は |いま|ちょう|しゅう||||じんりょく|||||

坂本 さん と 中岡 さん だけ です さかもと|||なかおか|||

守ら ねば 仕方 ない で すよ ね まもら||しかた||||

何より なにより

僕 は   あなた に 助け られて しまった ぼく||||たすけ||

何 を ! 何 ちゅう   正直な 男 じゃ なん||なん||しょうじきな|おとこ|

わしゃ   そういう ヤツ が 大好きじゃ き ||やつ||だいすきじゃ|

僕 は 好きじゃ ないで す ぼく||すきじゃ||

まっ こと   東 ||ひがし

薩長 も   そこ が 肝 な が じゃ さつちょう||||かん|||

薩摩 も 長 州 も さつま||ちょう|しゅう|

互い の こと は   好き や ないき たがい||||すき||

むしろ 嫌い 合う ち ょる |きらい|あう||

けん ど   情 の 垣根 を 越えて ||じょう||かきね||こえて

手 を 結ば せる もん が 一 つ だけ   ある ぜ よ て||むすば||||ひと|||||

そりゃ あ

「 利 」 じゃ り|

「 利 」 っ ちゅう が は この 場合   倒 幕 じゃ り||||||ばあい|たお|まく|

やはり   商人 の 考え です ね |しょうにん||かんがえ||

いん や

《 ペニシリン   もっと 扱い やすく しよう と 思って ます   それ を きっかけ に 》 ||あつかい||||おもって|||||

《 医学 の いろんな 垣根 も なくなる かも しれ ない し 》 いがく|||かきね||||||

医者 の 考え ぜ よ いしゃ||かんがえ||

南方 先生 の こと です か ? なんぽう|せんせい||||

ほ いたら   行こう か に ゃあ ||いこう|||

京 へ けい|

咲 さ ん   大丈夫です か ? さ|||だいじょうぶ です|

はい

は あ   着いた ||ついた

ここ まで 来れば 川越 まで は 間近で ございます ね ||くれば|かわごえ|||まぢかで||

( お初 ) お 客 さん   お茶 飲んで くん ろ おはつ||きゃく||おちゃ|のんで||

ありがとう   お 名前 は ? ||なまえ|

あ ちかった け ?

お 嬢ちゃん   何とも なかった ? へ ッ ? |じょうちゃん|なんとも|||

静電気 かな ? せいでんき|

( 文 左 衛 門 ) お 客 様   お初 が 何 か ぶん|ひだり|まもる|もん||きゃく|さま|おはつ||なん|

ご 無礼 を いたし ました でしょう か いえいえ |ぶれい||||||

二 階 の 一 番 良い 座敷 を ご 用意 さ せて いただき ました ので ふた|かい||ひと|ばん|よい|ざしき|||ようい|||||

さあ さあ

あの   私 の 部屋 は どちら に ? |わたくし||へや|||

≪( 女将 ) お 客 様 方 は   夫婦 で は ? おかみ||きゃく|さま|かた||ふうふ||

も   申し訳 ございませ ぬ ! |もうし わけ||

ただいま   お 部屋 を ||へや|

( 女将 ) でも   今日 は 埋まって … おかみ||きょう||うずまって

何とか いたし ます ので   しばし ! なんとか||||

いい です よ   私 は 護衛 の 方 の お 部屋 で 眠り ます から |||わたくし||ごえい||かた|||へや||ねむり||

お 許し ください ませ |ゆるし||

お 殿様 の 大切な お 客 様 に このような   ご 無礼 を |とのさま||たいせつな||きゃく|さま||||ぶれい|

かく なる 上 は   いかなる 処罰 も ||うえ|||しょばつ|

私 は   同じ 部屋 でも かまい ませ ぬ わたくし||おなじ|へや||||

それ ならば   罰せ られる こと も ございませ ん でしょう ||ばっせ||||||

先生 さえ   お 嫌で なければ です が せんせい|||いやで|||

ちょっと 待って … 咲 さ ん   それ は いけ ませ ん って |まって|さ||||||||

もちろん 嫌で は ない けど   私 は … |いやで||||わたくし|

咲 さん さえ   嫌じゃ なければ さ|||いやじゃ|

ありがたき   お 言葉 で ございます → ||ことば||

こ よい は   心 より   お もてなし を さ せて いただき ます ので |||こころ|||||||||

なあ なあ 咲 様 は   折り紙 は 得意 け ? ||さ|さま||おりがみ||とくい|

( 恭 太郎 ) 咲 と 南方 先生 が ともに 旅 に ? きよう|たろう|さ||なんぽう|せんせい|||たび|

私 ども に は   ペニシリン 粉末 化 と いう 使命 が ございまして な わたくし|||||ふんまつ|か|||しめい|||

まったく 母上 が 聞いたら   気絶 いたそう |ははうえ||きいたら|きぜつ|

ここ だけ の 話   お 二 人 は どう なって おる のでしょう ? |||はなし||ふた|じん|||||

私 は   てっきり   一緒に なら れる と 思う ており ました が わたくし|||いっしょに||||おもう|||

《 私 だけ 幸せに など 》 わたくし||しあわせに|

《 なれる わけ が ない で は ございませ ぬ か 》

私 に も   よう 分から ぬ のだ わたくし||||わから||

咲 に 何 が あった の か さ||なん||||

はい わ あ

船 から   風車 せん||かざぐるま

わ ッ

次 は   何 に いたし ましょう か つぎ||なん||||

風船 が 金魚 すごい ふうせん||きんぎょ|

あ ッ

いや   何でも … |なんでも

先生 も 何 か 折る べ 私 ? せんせい||なん||おる||わたくし

いや あ 困った な ||こまった|

偉い お 医者 様 は   何も 折れ ん べ か ? えらい||いしゃ|さま||なにも|おれ|||

お ッ

待って ろ よ まって||

できた   はい

何 だ べ か ?  そりゃ なん||||

イカヒコーキ

ヒコーキ ?

イカ   空 飛ぶ イカ いか|から|とぶ|いか

空 飛ぶ イカ ? から|とぶ|いか

よし ッ

いく ぞ

いけ ッ

うわ ~ ッ   飛んだ ||とんだ

さあ

あれ は 未来 の 折り紙 な のです ね ||みらい||おりがみ||の です|

そう だった んです ねえ ||ん です|

気づき ませ ん でした けど きづき||||

先生 が いら した の は せんせい|||||

どれほど 先 の 世 で ございます か ? |さき||よ|||

百三十 年 と か   四十 年 と か ひゃくさんじゅう|とし|||しじゅう|とし||

そんな 感じ じゃ ないで す かね |かんじ||||

では   私 は |わたくし|

先生 の   お ばば 様 の お ばば 様 くらい でしょう か せんせい||||さま||||さま|||

私 は 咲 さん の   孫 の 孫 くらい です か わたくし||さ|||まご||まご|||

この 屏風 の 向こう は |びょうぶ||むこう|

百 数 十 年 後 な ので ございます ね ひゃく|すう|じゅう|とし|あと||||

そう なり ます ね

あ ッ   川越 藩 の こと です が ||かわごえ|はん||||

込み入った 事情 が ある と か こみいった|じじょう||||

ああ   そう な んです |||ん です

実は   川越 藩 の 現在 の お 殿様 は 婿 養子 だ そうで じつは|かわごえ|はん||げんざい|||とのさま||むこ|ようし||そう で

家 の 血筋 を 継ぐ の は 奥 方 様 の 方 な んだ そうです いえ||ちすじ||つぐ|||おく|かた|さま||かた|||そう です

でも   この 奥 方 様 は こぶ が 大きく なって ||おく|かた|さま||||おおきく|

お 殿様 と の 仲 が うまく いか なく なっちゃ って |とのさま|||なか||||||

尼寺 に 入る   って あまでら||はいる|

実家 に 戻って きちゃ ったら しいん です よ じっか||もどって|||||

しかも 悪い こと に   お 殿様 の 側室 が 現在   妊娠 中 らしくて |わるい||||とのさま||そくしつ||げんざい|にんしん|なか|

このまま で は   代々 続いて いる 川越 藩 直系 の 血 は |||だいだい|つづいて||かわごえ|はん|ちょっけい||ち|

絶えて しまう かも しれ ない って こと で の   この度 の 依頼 です たえて|||||||||このたび||いらい|

長く なって   すいません こぶ を 治し ながく|||||なおし

夫婦 仲 も なおす と いう こと で ございます か ふうふ|なか||||||||

でも   奥 方 様 は どう 思って る んでしょう ね |おく|かた|さま|||おもって|||

奥 方 様 の 気持ち は   二の次 に おく|かた|さま||きもち||にのつぎ|

周り が 「 子供   子供 」 って 騒いで る ような 気 が して まわり||こども|こども||さわいで|||き||

武家 の 女子 は   お家 の ため に 子 を 産む の が 使命 であり ぶけ||じょし||おいえ||||こ||うむ|||しめい|

幸せである   と 育て られ ます ゆえ しあわせである||そだて|||

《 結婚 は   母 も 兄 も 素直に 喜べる お 相手 と   と も 思って おり ます 》 けっこん||はは||あに||すなおに|よろこべる||あいて||||おもって||

あの …

それ は 咲 さん も   です よ ね ||さ|||||

寝ちゃ い ました か ねちゃ|||

私 の 子 は わたくし||こ|

仁 友 堂 で ございます しとし|とも|どう||

先生 せんせい

( 恵 姫 ) おもて を 上げよ けい|ひめ|||あげよ

≪( 恵 姫 ) おもて を 上げよ けい|ひめ|||あげよ

奥 の 三 人   その方 達 が なぜ   ここ に おる ? おく||みっ|じん|そのほう|さとる|||||

( 藩 医 A ) は ッ   ご 家老 様 より 南方 殿 の 手助け を せよ   と はん|い|||||かろう|さま||なんぽう|しんがり||てだすけ|||

わらわ の こぶ を 何とも でき なかった   その方 ら が ? ||||なんとも|||そのほう||

≪( B ) 奥 方 様 の 身 に 万一 の こと が あって は   と |おく|かた|さま||み||まんいち||||||

治療 に 失敗 した とき ちりょう||しっぱい||

その方 ら の 身 に   万一 の こと が あって は   であろう そのほう|||み||まんいち||||||

そ なた は 江戸 の 町 医者 じゃ そう じゃ な |||えど||まち|いしゃ||||

はい 治療 は 無用じゃ が |ちりょう||むようじゃ|

金 なら   もろ うて いく が よい 大 儀 であった きむ|||||||だい|ぎ|

何 じゃ なん|

( 女 中 ) 先ほど 殿 と   お 房 様 の 間 の お 子 が おんな|なか|さきほど|しんがり|||ふさ|さま||あいだ|||こ|

お 生まれ に なった そうで |うまれ|||そう で

では   祝い の 品 を |いわい||しな|