Katanagatari Episode 11 (1) Katanagatari Episode 11 (1)

ちょ ろ いな

まるで 子供 遊び だ |こども|あそび|

よくも まあ そんな 腕 で 剣 の 道 を 志そう と した もの よ |||うで||けん||どう||こころざそう||||

こう 言っちゃ 何 だ が 小僧 よ |いっちゃ|なん|||こぞう|

お前 に は 剣 の 才能 って もん が まったく ねえ おまえ|||けん||さいのう|||||

筋 は 悪い 形 も なって ねえ すじ||わるい|かた|||

それ に 何より 人 を 斬ろう って いう 気概 が 感じ られ ねえ よ ||なにより|じん||きろう|||きがい||かんじ|||

剣 の 腕 を 上げて えん なら まず 人 を 斬ら ねえ と 話 に なん ねえ けん||うで||あげて||||じん||きら|||はなし|||

剣士 って の は ３００ 人 斬って それ で ようやく 半 人前 だ けんし||||じん|きって||||はん|ひとまえ|

もっとも お前 は 葉っぱ さえ 斬れ ねえ みて えだ が な |おまえ||はっぱ||きれ|||||

忙しい 中京 くんだり まで 足 を 延ばして みた けど よ いそがしい|ちゅうきょう|||あし||のばして|||

チェッ 　 俺 も 焼き が 回った みて えだ |おれ||やき||まわった||

道のり が 見え ず らしく も なく 焦 っち まっ たって こと か みちのり||みえ|||||あせ|||||

道のり みちのり

完成 から 完了 へ の な かんせい||かんりょう|||

完成 から 完了 かんせい||かんりょう

どういう 意味 だ |いみ|

その まん ま の 意味 に 決まって んだろう が ||||いみ||きまって||

まあ 見た ところ 完了 どころ か 完成 に も 程遠い |みた||かんりょう|||かんせい|||ほどとおい

未熟な お前 に は 関係 の ない 領域 の 話 かも しれん が な みじゅくな|おまえ|||かんけい|||りょういき||はなし||||

俺 の 剣 が 未熟な こと くらい 分かって る さ おれ||けん||みじゅくな|||わかって||

だから こうして 　 修行 に いそしんで る んじゃ ない か ||しゅぎょう||||||

その 心掛け は 褒め られる |こころがけ||ほめ|

しかし 小僧 よ |こぞう|

もたもた して っと 戦国 が 終わ っち まう ぜ |||せんごく||しまわ|||

ああ

山 ん 中 に 引きこもって ちゃ 世間 の ざま なん ざ 知ら ねえ だろう けど な やま||なか||ひきこもって||せけん|||||しら||||

関係 ねえ かんけい|

俺 は 自分 の 腕 を 磨く こと しか 興味 は ない おれ||じぶん||うで||みがく|||きょうみ||

剣 の 道 って の を 究め たい だけ だ けん||どう||||きわめ|||

時代 が 戦国 だろう が 太平だろう が じだい||せんごく|||たいへいだろう|

俺 の 歩む 道筋 は 何も 変わら ない おれ||あゆむ|みちすじ||なにも|かわら|

何 が おかしい なん||

いや 心掛け だけ は ホントに 褒め られる もん だ と 思って よ |こころがけ|||ほんとに|ほめ|||||おもって|

それ に 　 世の中 に 興味 が ねえ って ところ も 気 に 入った ||よのなか||きょうみ||||||き||はいった

無駄 足 だった と 思った が まあ ぎりぎり 合格 って と こか な むだ|あし|||おもった||||ごうかく||||

は あ

俺 も 実際 　 世の中 なんか 興味 は ねえ おれ||じっさい|よのなか||きょうみ||

俺 が 相手取って ん の は 何 たって 歴史 って やつ だ から な おれ||あいてどって||||なん||れきし|||||

世の中 やら 世界 なんて もん は 歴史 全体 から 見たら よのなか||せかい||||れきし|ぜんたい||みたら

表面 の ほんの 上澄み みて え な もん に しか すぎ ねえ ひょうめん|||うわずみ||||||||

何 なんだ あんた 　 誇大 妄想 狂 か 何 か か なん|||こだい|もうそう|くる||なん||

あながち 間違っちゃ い ねえ な |まちがっちゃ|||

まあ 大半 の 人間 に とって 俺 は そういう 立場 なんだろう |たいはん||にんげん|||おれ|||たちば|

だからこそ 俺 は 結果 で 勝負 し なけりゃ なら ねえ んだ けど な |おれ||けっか||しょうぶ|||||||

しかし それ でも もう 少し って ところで うまく いか ねえ ||||すこし|||||

や っぱ 素材 の 問題 な の か ねえ ||そざい||もんだい||||

これ ばっかり は どう しよう も ねえ

何の 話 を して いる なんの|はなし|||

ああ まだ 言って なかった な ||いって||

俺 は 刀 かじ だ おれ||かたな||

その 刀 かじ が 何の 用 だ |かたな|||なんの|よう|

小僧 　 て め え の 涙ぐましい 努力 が 花 実 を 咲か す よう 取り計らって やろう こぞう|||||なみだぐましい|どりょく||か|み||さか|||とりはからって|

もっとも しっかり と した 根っこ に なれる か どう か は お前 しだい だ が な ||||ねっこ|||||||おまえ||||

鑢 一 根 やすり|ひと|ね

それ は 数 百 年 も 昔 の 話 ||すう|ひゃく|とし||むかし||はなし

この世 が 乱世 と 呼ば れ この 国 が 戦国 と 呼ば れて いた ころ の お 話 このよ||らんせい||よば|||くに||せんごく||よば||||||はなし

今 は 昔 の 物語 いま||むかし||ものがたり

後 の 虚 刀 流 開祖 鑢 一 根 と あと||きょ|かたな|りゅう|かいそ|やすり|ひと|ね|

この 時点 で すでに 伝説 の 刀 かじ 四季 崎記 紀 と の |じてん|||でんせつ||かたな||しき|さきき|き||

これ が 　 なれ 初め で ございました |||はじめ||

「 絶 刀 · 鉋 」 た|かたな|かんな

「 斬 刀 · 鈍 」 き|かたな|どん

「 千 刀 · つる ぎ 」 せん|かたな||

「 薄 刀 · 針 」 うす|かたな|はり

「 賊 刀 · 鎧 」 ぞく|かたな|よろい

「 双 刀 · 鎚 」 そう|かたな|つち

「 悪 刀 · 鐚 」 あく|かたな|びた

「 微 刀 · 釵 」 び|かたな|さい

「 王 刀 · 鋸 」 おう|かたな|のこぎり

「 誠 刀 · 銓 」 まこと|かたな|せん

と 四季 崎 の 完成 形 変 体 刀 も どうにか こう に か １０ 本 集まった わけだ |しき|さき||かんせい|かた|へん|からだ|かたな||||||ほん|あつまった| １０ カ月 も かか っち まった けど な かげつ||||||

いい 　 や むしろ 上出来 と 思って いい のだ |||じょうでき||おもって||

そう な の か

旧 将軍 のみ なら ず かつて 誰 も 成し 得 なかった こと だ きゅう|しょうぐん|||||だれ||なし|とく|||

それ を この 短 期間 の うち に 　 われら だけ で １０ 本 も 集めた のだ ぞ |||みじか|きかん|||||||ほん||あつめた||

むろん 　 わたし の 頭脳 を 持って すれば 可能である と |||ずのう||もって||かのうである|

初め から 確信 して いた こと で は ある が な はじめ||かくしん||||||||

時折 己 の 才覚 が 恐ろしく なる よ ときおり|おのれ||さいかく||おそろしく||

己 の 才覚 って 　 奇 策 で 刀 を 奪った の って おのれ||さいかく||き|さく||かたな||うばった||

ち ぇり お

実際 は 半ば 力ずく で 奪って きた ような じっさい||なかば|ちからずく||うばって||

それ も 奇 策 の うち だ ||き|さく|||

そ なた と いう 刀 を どう 扱う か が 　 わたし の 腕 の 見せどころ だった のだ ||||かたな|||あつかう|||||うで||みせどころ||

うまく 扱えて る の か |あつかえて|||

むしろ 上出来だ と 言った であろう |じょうできだ||いった|

そう か 　 それ なら いい んだ

そな たが わたし の 刀 で あって くれる かぎり ||||かたな||||

万事 うまく 運ぶ であろう よ ばんじ||はこぶ||

見ろ 　 茶柱 が 立って おる ぞ みろ|ちゃばしら||たって||

幸先 が 良い さいさき||よい

残り の 旅 の 成功 を 祝福 して いる ようで は ない か のこり||たび||せいこう||しゅくふく||||||

ただ の 茶柱 だ ろ ||ちゃばしら||

縁起物 と いう の は だ な えんぎもの||||||

都合 の 良い とき だけ あやかって おけば よい のだ つごう||よい||||||

そういう もの な の か

そういう もの だ

残り の 旅 か のこり||たび|

そう だ 　 残り わずかな 旅 だ ||のこり||たび|

今度 は 髪 を 触ら せて やる こんど||かみ||さわら||

触る ほど ない じゃ ない か さわる|||||

何 を ー なん||-

それ が あんた の 正体 ||||しょうたい

奇 策 士 とがめ き|さく|し|

わたし は さ ぁ あんた の こと が 本当に 嫌いで ||||||||ほんとうに|きらいで

心 の 底 から 大 っ 嫌いで こころ||そこ||だい||きらいで

正直 　 たとえ あんた が 何者 であろう と しょうじき||||なにもの||

たとえ あんた が 何も たくらんで い なく と も |||なにも|||||

どのみち つぶして あげる つもりで いたんだ けど さ

あんた と は 敵対 して いた つもりだった し |||てきたい||||

そこ に 変な 絆 さえ 感じて いた し ||へんな|きずな||かんじて||

これ から も その つもり だった けど さ

でも だ から こそ

こんな 形 で あんた と 決着 を つけ たく は なかった わ ね |かた||||けっちゃく|||||||

とても 残念だ わ 奇 策 士 |ざんねんだ||き|さく|し

あんた の うかつ さ が ひどく 憎 々 しい ||||||にく||

通さ ず つう さ|

ここ で 張って いれば 現れる と 思って いた よ 真庭 鳳凰 ||はって||あらわれる||おもって|||まにわ|ほうおう

そして 真庭 人 鳥 だった か |まにわ|じん|ちょう||

聞か れる 前 に 名乗ら せて もらう ぞ きか||ぜん||なのら|||

わたし は 左 右田 右 衛 門 左 衛 門 ||ひだり|みぎた|みぎ|まもる|もん|ひだり|まもる|もん

お前たち を 殺す 者 だ おまえたち||ころす|もの|

ああ 真庭 鴛鴦 なら わたし が 殺した は あ |まにわ|おしどり||||ころした||

真庭 海亀 も わたし が 殺した まにわ|うみがめ||||ころした

ほう 海亀 たち を なぁ |うみがめ|||

状況 が のみ 込めた か 真庭 鳳凰 じょうきょう|||こめた||まにわ|ほうおう

真庭 忍 軍 十二 頭領 も 残す ところ 　 お前たち ２ 人 と いう わけだ まにわ|おし|ぐん|じゅうに|とうりょう||のこす||おまえたち|じん|||

ほ 　 鳳凰 さま |ほうおう|

そんな 言葉 で われ を 脅して いる つもりだ と すれば 　 心底 片腹痛い |ことば||||おどして|||||しんそこ|かたはらいたい

忍び は 生きて 死ぬ だけ だ しのび||いきて|しぬ||

変わら ない なお 前 は かわら|||ぜん|

お前 は 何も 変わら ない 　 鳳凰 よ おまえ||なにも|かわら||ほうおう|

われ が 変わら ない だ と ||かわら|||

まるで われ の こと を 昔 から 知っている か の ような 物言い で は ない か |||||むかし||しっている||||ものいい||||

お前 だって 本当 は 分かって いる はずだろう おまえ||ほんとう||わかって||

いや 伊豆 で 接触 した とき に もう 分かって いた はずな のだ |いず||せっしょく|||||わかって|||

聞き 捨て なら ない な きき|すて|||

何より 聞き 捨て なら ない の は なにより|きき|すて||||

左 右田 右 衛 門 左 衛 門 など と いう ふざけた 名 の こと だ ひだり|みぎた|みぎ|まもる|もん|ひだり|まもる|もん|||||な|||

お 主 が もし 本当に われ の 思って いる とおり の 者 だ と すれば |おも|||ほんとうに|||おもって||||もの|||

堂々と そう 名乗れば よかろう どうどうと||なのれば|

あいにく これ が 今 の わたし の 本名 だ |||いま||||ほんみょう|

わたし は お前 と は 違う ||おまえ|||ちがう

確かに お前 は 変わった よ たしかに|おまえ||かわった|

下がって いろ この 場所 で は お 主 の 忍法 は 使え まい さがって|||ばしょ||||おも||にんぽう||つかえ|

あっ はい

き 気 を 付けて ください 鳳凰 さま |き||つけて||ほうおう|

う 海亀 さま と 鴛鴦 さま を こ 殺した と いう の なら |うみがめ|||おしどり||||ころした||||

あの 男 の 実力 は |おとこ||じつりょく|

分かって おる わかって|

あの 男 の 実力 は おおよそ われ と 同じ くらい と いった ところ か |おとこ||じつりょく|||||おなじ|||||

禁じ 得 ず きんじ|とく|

失笑 を 禁じ 得 ない な しっしょう||きんじ|とく||

わたし と お前 の 実力 が 同じ くらい ||おまえ||じつりょく||おなじ|

そんな こと は 当然だろう |||とうぜんだろう

海亀 に も 鴛鴦 に も 相生 拳法 は 通じ なかった ので うみがめ|||おしどり|||あいおい|けんぽう||つうじ||

悪い が 手順 を 省か せて もらう わるい||てじゅん||はぶか||

そもそも わたし は 剣士 で は ない |||けんし|||

それ は そう だ 持って いろ ||||もって|

得 物 は なし だ それ で いい な とく|ぶつ|||||||

えっ と 右 衛 門 左 衛 門 だった かな ||みぎ|まもる|もん|ひだり|まもる|もん||

そう だ 右 衛 門 左 衛 門 だ ||みぎ|まもる|もん|ひだり|まもる|もん|

鍛え 上げた 自ら の 肉体 と 技術 のみ で の 勝負 きたえ|あげた|おのずから||にくたい||ぎじゅつ||||しょうぶ

それ も 悪く ある まい ||わるく||

鳳凰 さま と あそこ まで 渡り 合える なんて ほうおう|||||わたり|あえる|

けど 鳳凰 さま の 射程 に 入れば |ほうおう|||しゃてい||はいれば

断罪 円 を だんざい|えん|

鳳凰 さま 忍法 · 断罪 円 を お 使い ください ほうおう||にんぽう|だんざい|えん|||つかい|

ほう お前 は あの 技 を 断罪 円 など と 呼んで いる の か |おまえ|||わざ||だんざい|えん|||よんで|||

真庭 人 鳥 よ まにわ|じん|ちょう|

お前 が 言う ところ の 忍法 · 断罪 円 は おまえ||いう|||にんぽう|だんざい|えん|

相生 忍 軍 に おいて は 忍法 · 生殺し と 呼んで いた あいおい|おし|ぐん||||にんぽう|なまごろし||よんで|

な 生殺し |なまごろし

そして 今 わたし は その 技 の こと を 不 忍法 · 不 生 不 殺 と 呼んで いる |いま||||わざ||||ふ|にんぽう|ふ|せい|ふ|ころ||よんで|

まっ まさか あいつ は

皮肉な もの だ な 鳳凰 よ ひにくな||||ほうおう|

お前 は 優れた 忍び だ おまえ||すぐれた|しのび|

真庭 忍 軍 の 頭領 が どれ だけ 目減り した ところ で まにわ|おし|ぐん||とうりょう||||めべり|||

お前 一 人 残って いれば おまえ|ひと|じん|のこって|

それ だけ で 真庭 忍 軍 は じゅうぶん 脅威 と なるほど に |||まにわ|おし|ぐん|||きょうい|||

しかし だからといって わたし は お前 に 負ける 気 が まるで し ない ||||おまえ||まける|き||||

なぜなら お前 は わたし だ から だ |おまえ|||||

わたし は 一 度 死んだ ||ひと|たび|しんだ

肉体 は ともかく 精神 的に 死んだ にくたい|||せいしん|てきに|しんだ

しかし その 死 を 否定 して くださった の が 今 の わたし の あるじ だ ||し||ひてい|||||いま|||||

ならば こそ あの あるじ から の 命 を 執行 する ため に ||||||いのち||しっこう|||

わたし は 全 霊 を 尽くす ||ぜん|れい||つくす

やはり お 主 の あるじ は あの お姫さま か ||おも|||||おひめさま|

今さら だ ろ いまさら||

右 衛 門 左 衛 門 よ お前 が われ だ と 言う ならば みぎ|まもる|もん|ひだり|まもる|もん||おまえ|||||いう|

われ も また お前 だ |||おまえ|

このまま 続けた ところ で |つづけた||

勝て ない まで も お前 に 負ける こと は ない だろう かて||||おまえ||まける||||

かも しれ ない

彼ら は 旧知 の 間柄 かれら||きゅうち||あいだがら

忍法 を 奪った 間柄 にんぽう||うばった|あいだがら

殺し 殺さ れた 間柄 ころし|ころさ||あいだがら

ほ 鳳凰 さま これ を これ を お 使い ください |ほうおう|||||||つかい|

鳳凰 さま ほうおう|

鳳凰 さま ほうおう|

おい 生きて る の か |いきて|||

刀 傷 だ な かたな|きず||

こいつ は

た 助けて |たすけて

助けて ください たすけて|

ぼ 僕 の こと なんて どう で も いい から 鳳凰 さま を 助けて ください |ぼく|||||||||ほうおう|||たすけて|

これ わなな んじゃ ない の か

予定 変更 だ この 辺り で すぐに 宿 を 取る ぞ よてい|へんこう|||あたり|||やど||とる|

鳳凰 さま は 刀 を 持って 伊賀 に 向かわ れ ました ほうおう|||かたな||もって|いが||むかわ||

何で 仲間 の お前 が 殺さ れ かけた んだ なんで|なかま||おまえ||ころさ|||

鳳凰 さま は 乱心 さ れ ました ほうおう|||らんしん|||

「 毒 刀 · 鍍 」 か どく|かたな|と|

ど どうか

話 は 分かった 寝て いろ はなし||わかった|ねて|

ほ 鳳凰 さま を |ほうおう||

ど どうか 鳳凰 さま を ||ほうおう||

ほ 鳳凰 さま |ほうおう|

その 小僧 が 言った こと が 本当だ と すれば |こぞう||いった|||ほんとうだ||

いつまでも 足 を 止めて いる わけに は いか ぬ な |あし||とどめて||||||

俺 は まだ 半信半疑 だ けど な おれ|||はんしんはんぎ|||

いかにも 嘘 くさい し |うそ||

またぞろ 何 か の わな って 線 も ある んじゃ ねえ の か |なん|||||せん||||||

まあ 相手 が 相手 だ |あいて||あいて|

考え られ なく も ない か かんがえ|||||

そもそも 本当に こい つま に わに な の か |ほんとうに|||||||

それ は 保証 する ||ほしょう|

真庭 忍 軍 十二 頭領 が 一 人 真庭 魚 組 真庭 人 鳥 だ まにわ|おし|ぐん|じゅうに|とうりょう||ひと|じん|まにわ|ぎょ|くみ|まにわ|じん|ちょう|

十二 頭領 の 中 でも 真庭 鳳凰 に 次いで 恐れ られて いた 忍者 だ よ じゅうに|とうりょう||なか||まにわ|ほうおう||ついで|おそれ|||にんじゃ||

こいつ が ねえ

真庭 鳳凰 を も 凌 駕 し かね ない 忍法 の 使い 手 だ と 聞いて おった が まにわ|ほうおう|||しの|が||||にんぽう||つかい|て|||きいて||

そう な の か

回復 が 遅い の が 気 に なる な かいふく||おそい|||き|||

これ が 「 毒 刀 · 鍍 」 の 特性 な の か ||どく|かたな|と||とくせい|||

話し 方 も つかえ つかえ だし な はなし|かた|||||

それ は もともと だ

そう な の か

それ こそ

人 鳥 の 忍法 は 自身 の 手 に さえ 余る もの らしくて な じん|ちょう||にんぽう||じしん||て|||あまる|||

結果 けっか

ああいう 気弱で 忍び らしから ぬ 性格 に 仕上がって しまった そうだ ぞ |きよわで|しのび|||せいかく||しあがって||そう だ|

詳しい な くわしい|

蝙蝠 の やつ から 聞いた 話 だ こうもり||||きいた|はなし|

まあ ずっと こうして いる わけに も いか ぬ であろう

出発 だ しゅっぱつ|

わな である 可能 性 も 否め ぬ が ||かのう|せい||いなめ||

もとより わたし たち の 目的 は 刀 集め だ ||||もくてき||かたな|あつめ|

真庭 鳳凰 が 「 毒 刀 · 鍍 」 を 所有 して おる と いう のならば まにわ|ほうおう||どく|かたな|と||しょゆう|||||

それ を 収集 して いか ぬ 手 は なかろう よ ||しゅうしゅう||||て|||

ややこしい 取引 を 仕掛け られる より は よっぽど 安心 できる 展開 だ |とりひき||しかけ|||||あんしん||てんかい|

バ バカ 者 締め 過ぎ だ |ばか|もの|しめ|すぎ|

ごめん ごめん

それ より あいつ は どう する んだ

放っておく の か ほうっておく||

あの とおり の お 子 さま だ ||||こ||

はた ご の 者 も むやみに 放り出したり は せ ぬ であろう |||もの|||ほうりだしたり||||

そういう 考え か |かんがえ|

いや そういう こと じゃ なく って さ

憎き 真庭 忍 軍 の 一 人 を にくき|まにわ|おし|ぐん||ひと|じん|

何 つ ー の か ここ で やっつけ とか なくて いい の か なん||-||||||と か||||

それ は 殺せ と いう 意味 か ||ころせ|||いみ|