Katanagatari Episode 4 (1) Katanagatari Episode 4 (1)

さて 　 奇 策 士 とがめ と 虚 刀 流 七 代 目 鑢 七 花 の 刀 集 め も |き|さく|し|||きょ|かたな|りゅう|なな|だい|め|やすり|なな|か||かたな|しゅう||

４ カ月 に 及び 　 卯月 の ころ かげつ||および|うづき||

ここ は 周防 の 外れ に ある と ある 小さな 村 で ございます ||すおう||はずれ|||||ちいさな|むら||

桜 吹雪 の 舞い 散る 夜 さくら|ふぶき||まい|ちる|よ

とがめ は 村長 が 差し出して くれた 　 仮 の 宿 へ と 急いで おり ます ||そんちょう||さしだして||かり||やど|||いそいで||

錆 白 兵 め さび|しろ|つわもの|

まったく 　 どこまでも

しちりん

しちりん

しちりん 　 起きろ ー |おきろ|-

寝て ない よつ ー か 　 その 呼び 方 ねて|||-|||よび|かた

「 俺 は 炭 を 燃料 に 使う こんろ か よ 」 と でも 言い たい か おれ||すみ||ねんりょう||つかう||||||いい||

いい か 　 この 呼び 方 は だ な |||よび|かた|||

いつも 言って いる ように そ なた が バカで 個性 も 薄く |いって||よう に||||ばかで|こせい||うすく

しかも 華 も なく せりふ も かみ かみ で |はな|||||||

芝居 も ダメダメ だ な と ころ を だ なあ しばい|||||||||

めん どくさ 　 疲れた ||つかれた

みたいだ な

言って くれれば 俺 だって 手伝う のに いって||おれ||てつだう|

幕府 の 使い に 会う の は わたし の 役目 だ ばくふ||つかい||あう|||||やくめ|

そう か

明日 の 朝 　 村長 に あいさつ したら 出発 する ぞ あした||あさ|そんちょう||||しゅっぱつ||

あした

意外 と 早い な いがい||はやい|

しばらく は ここ で 報告 を 待つ んじゃ なかった の か ||||ほうこく||まつ||||

錆 白 兵 って やつ の こと さび|しろ|つわもの||||

その こと で 今夜 幕府 から の 使い の 者 と 話して きた のだ が |||こんや|ばくふ|||つかい||もの||はなして|||

探る まで も なかった さぐる|||

はい ？

錆 の やつ 　 われわれ が 張り付か せた 尾行 者 に 気付き さび|||||はりつか||びこう|もの||きづき

あろう こと か 　 自分 から 堂々と 果たし 状 を 渡して きた ようだ |||じぶん||どうどうと|はたし|じょう||わたして||

まったく どこまでも 古風な やつ だ ||こふうな||

まあ 　 読んで みろ |よんで|

読め ない よめ|

俺 平仮名 は 読め ない んだ おれ|ひらがな||よめ||

ああ

は ？

まあ いい 　 要約 すれば こう だ ||ようやく|||

「 四季 崎記 紀 の 刀 を 賭けて 　 勝負 だ 」 しき|さきき|き||かたな||かけて|しょうぶ|

ずいぶん と 真っすぐだ なあ ||まっすぐだ|

聞けば 聞く ほど おかしな 話 だ ぜ きけば|きく|||はなし||

そんな 古風で 真っすぐな 男 が |こふうで|まっすぐな|おとこ|

とがめ ひいて は 忠義 を 尽くす べき 幕府 を 刀 欲し さ に 裏切った だ なんて |||ちゅうぎ||つくす||ばくふ||かたな|ほし|||うらぎった||

四季 崎 の 刀 の 毒 の な せる 技 だ しき|さき||かたな||どく||||わざ|

刀 の 毒 なあ かたな||どく|

剣士 であれば ある ほど けんし|||

その 毒 は 体中 に 回る のだ |どく||たいちゅう||まわる|

深く 深く な ふかく|ふかく|

剣士 で あり 過ぎる が 故 に けんし|||すぎる||こ|

人 らし さ を ほとんど 失った 男 だ から な じん|||||うしなった|おとこ|||

見た目 こそ 女 と 見ま ごう ような 総 髪 の 美 少年 だ が みため||おんな||みま|||そう|かみ||び|しょうねん||

空 に 浮かぶ 月 で すら 真っ二つ に できる と いう 触れ込み だ から||うかぶ|つき|||まっぷたつ|||||ふれこみ|

しちりん 　 髪 が もつれる 持ち上げて いて くれ |かみ|||もちあげて||

錆 は 俺 たち が 刀 を 手 に 入れて いる こと を 知っている みたいだ な さび||おれ|||かたな||て||いれて||||しっている||

少なくとも 鉋 と 鈍 に ついて は そう であろう な すくなくとも|かんな||どん||||||

それ に あれ から １ カ月 過ぎて いる ||||かげつ|すぎて|

つる ぎ の こと を 知ら れて いた と して も 不思議で は ない |||||しら||||||ふしぎで||

この 男 が 劣 情 を 催さ ぬ の は |おとこ||おと|じょう||もよおさ|||

無人 島 育ち だ から と いう だけ で は ない だろう むじん|しま|そだち|||||||||

俺 たち の 刀 は おれ|||かたな|

だからこそ

七 花 は ３ 番 目 の 敵 なな|か||ばん|め||てき

敦賀 迷彩 を あっさり 殺した つるが|めいさい|||ころした

女 を 殺す の に 抵抗 を 覚え ない おんな||ころす|||ていこう||おぼえ|

男女 を 区別 し ない だんじょ||くべつ||

それ ならば この 男 この 刀 |||おとこ||かたな

わたし の いったい どこ に ほれた のだろう

とがめ

何 だ なん|

だから 　 俺 たち の 刀 の こと を 錆 が 知って る って こと は |おれ|||かたな||||さび||しって||||

ど っか から 情報 が 漏れて る んだ ね って |||じょうほう||もれて||||

どこ に でも 口 の 軽い や から はおる で な |||くち||かるい|||||

それ に 錆 ぐらい の 剣士 に なれば ||さび|||けんし||

その 腕 に 心酔 し |うで||しんすい|

役 に 立とう と する 者 が 後 を 絶た ぬ やく||りっとう|||もの||あと||たた|

ずば抜けた 強 さ と いう の は ずばぬけた|つよ|||||

それ だけ 人 を 魅了 する のだ ||じん||みりょう||

そんなに 強い の か |つよい||

正直 わたし とて そな た と 錆 を ぶつける の は もう 少し 先 に し たかった のだ が しょうじき||||||さび||||||すこし|さき|||||

事 が こう 運んで しまえば 致し方ない な こと|||はこんで||いたしかたない|

わたし も できる 限り 知恵 を 絞る から |||かぎり|ちえ||しぼる|

そな たはた だ ひたすら 全力 を 尽くせ ||||ぜんりょく||つくせ

その 上 　 薄 刀 針 は |うえ|うす|かたな|はり|

薄く もろく そして 何より 美しい 刀 だ うすく|||なにより|うつくしい|かたな|

そんな もろい 刀 折ら ない ように 集め ん の 大変だ な ||かたな|おら||よう に|あつめ|||たいへんだ|

そ なた 今回 ばかり は あまり 刀 そのもの に こだわら ぬ 方 が よい ぞ ||こんかい||||かたな|その もの||||かた|||

錆 白 兵 と は それ だけ の 実力 を 備えた 剣士 だ さび|しろ|つわもの||||||じつりょく||そなえた|けんし|

使う 刀 が 何で あれ つかう|かたな||なんで|

やつ の 日本 最強 の 名 は はったり でも 酔狂 で も ない のだ ||にっぽん|さいきょう||な||||すいきょう||||

最強 　 と まで 言う か さいきょう|||いう|

ああ 　 あいつ は

とがめ 　 俺 の 前 で ほか の 刀 の こと を 褒める な |おれ||ぜん||||かたな||||ほめる|

錆 が どれ だけ 最強な の か 知ら ない が さび||||さいきょうな|||しら||

虚 刀 流 だって 一応 は 最強の 剣 術 を うたって る んだ きょ|かたな|りゅう||いちおう||さいきょうの|けん|じゅつ||||

俺 に だって あんた の 刀 と して の 誇り が ある おれ|||||かたな||||ほこり||

それ 以上 に その 気位 を 刺激 さ れちゃ 　 困る |いじょう|||きぐらい||しげき|||こまる

って いう か 鎖骨 　 鎖骨 ヤバ い |||さこつ|さこつ||

鎖骨 弱い さこつ|よわい

だから 　 鎖骨 から 手 を 放せ |さこつ||て||はなせ

く て っと なる

く て っと なっちゃ う 　 やめて やめて やめて

そんなに 強く は 握って ない ぞ |つよく||にぎって||

お 願い だ から |ねがい||

むしろ 優しく なでて |やさしく|

や ん 　 や ん

や ん や ん

それ が むしろ まずい

いい から 放せ ||はなせ

本当に ヤバ い 　 ごめん 　 ごめん 　 謝る から ほんとうに|||||あやまる|

よく 分から ん なあ とがめ は |わから||||

そな たに だけ は 言わ れ たく ない ||||いわ|||

そ なた の そういう ところ が 錆 白 兵 に 対して も いい ように 働けば よい ||||||さび|しろ|つわもの||たいして|||よう に|はたらけば|

錆 は 手ごわい ぞ さび||てごわい|

考えて みれば かんがえて|

そい つ を 倒せば 俺 が 日本 最強に なれる って こと だろう |||たおせば|おれ||にっぽん|さいきょうに||||

悪い 話 じゃ ねえ な わるい|はなし|||

そういう こと に なる んだろう が

そ なた そんな 称号 が 欲しい の か |||しょうごう||ほしい||

よし 　 帯 を 結べ は いはい |おび||むすべ||

は いはい

そりゃ 日本 最強 の 称号 は 確かに 魅力 的だ ぜ |にっぽん|さいきょう||しょうごう||たしかに|みりょく|てきだ|

剣士 と して 刀 と して あんた の 役 に も 立てよう って もんだ けんし|||かたな|||||やく|||たてよう||

ちょっと 意外だ な |いがいだ|

で 　 果たし合い は 受けた の か あ |はたしあい||うけた|||

やつ を 倒す ため の 策 は 果たし合い の 場所 まで の 道中 考える こと に する ||たおす|||さく||はたしあい||ばしょ|||どうちゅう|かんがえる|||

場所 は どこ なんだ ばしょ|||

巌 流 島 だ いわお|りゅう|しま|

巌 流 島 いわお|りゅう|しま

１００ 年 以上 前 とし|いじょう|ぜん

その 地 で 行わ れた 長 刀 と 二 刀 と の 決戦 ぐらい |ち||おこなわ||ちょう|かたな||ふた|かたな|||けっせん|

無 刀 と は いえ 剣士 である そ なた も 知って おろう む|かたな||||けんし|||||しって|

島 か しま|

そう いえば 　 姉ちゃん どうして いるか な ||ねえちゃん|||

しかし 　 何 度 考えて も 解せ んな |なん|たび|かんがえて||かいせ|

たった 数 カ月 の 間 に 真庭 忍 軍 の 頭領 が ３ 人 も 命 を 落とす と は |すう|かげつ||あいだ||まにわ|おし|ぐん||とうりょう||じん||いのち||おとす||

蝙蝠 さん 　 白鷺 さん 　 喰鮫 さん が こうもり||しらさぎ||しょくさめ||

刀 の 取り合い に 敗れて 殺さ れて いる の は 疑い も ない 事実 です かたな||とりあい||やぶれて|ころさ|||||うたがい|||じじつ|

真庭 忍 軍 は かま せ 犬 呼ばわり さ れて る らしい じゃ ない か まにわ|おし|ぐん||||いぬ|よばわり|||||||

特に 喰鮫 殿 なんて 　 迷彩 って やつ に 瞬 殺さ れた って 話 だし とくに|しょくさめ|しんがり||めいさい||||またた|ころさ|||はなし|

このまま だ と 　 俺 たち の 立場 は ますます 悪く なる な |||おれ|||たちば|||わるく||

刀 集 め と いう か 　 虚 刀 流 に かかわった 途端 に … です よ かたな|しゅう|||||きょ|かたな|りゅう|||とたん|||

どうも 真庭 の 里 は 運 に 見放さ れた ような 気 が し ます |まにわ||さと||うん||みはなさ|||き|||

だ よ な 　 先行き が 不安だ |||さきゆき||ふあんだ

後悔 して おる の か こうかい||||

主 ら あの まま 唯 々 諾々 と おも||||ただ||だくだく|

尾張 幕府 の 言いなり に なる 生活 を 続けて いき たかった と でも おわり|ばくふ||いいなり|||せいかつ||つづけて||||

まさか

後悔 など して い ませ ん よ こうかい||||||

ただし

このまま やられ っ放し と いう の は 真庭 忍 軍 の 名折れ です ||っぱなし|||||まにわ|おし|ぐん||なおれ|

奇 策 士 さん は 今ごろ 高 笑い を して おら れる ので は あり ませ ん か き|さく|し|||いまごろ|たか|わらい||||||||||

自分 から 離れた 途端 真庭 は 落ち目 に なった と じぶん||はなれた|とたん|まにわ||おちめ|||

実際 情けない かぎり だ ぜ じっさい|なさけない|||

しかし 　 すぐに 高々 に なった その 鼻 を 明かして やる ぜ ||たかだか||||はな||あかして||

主 ら 　 思い違い を する で ない ぞ おも||おもいちがい|||||

奇 策 士 など わたしら に とって は 関係ない き|さく|し||||||かんけいない

問題 は 虚 刀 流 の 方 な のだ もんだい||きょ|かたな|りゅう||かた||

虚 刀 流 きょ|かたな|りゅう

あの 大 乱 の 英雄 か |だい|らん||えいゆう|

俺 ら も ずいぶん 仕事 を した が 英雄 と は 呼ば れ ない な おれ||||しごと||||えいゆう|||よば|||

忍び が 英雄 に なれる 時代 なんて あり ませ ん よ しのび||えいゆう|||じだい|||||

それ に 英雄 と 呼ば れた の は 虚 刀 流 当主 六 代 目 で ||えいゆう||よば||||きょ|かたな|りゅう|とうしゅ|むっ|だい|め|

僕ら が 相手 を する の は その 息子 の 七 代 目 です から ぼくら||あいて||||||むすこ||なな|だい|め||

若い 方 が やっかいだ ぜ わかい|かた|||

怖い もの 知ら ず だ から な お前 みたいに こわい||しら|||||おまえ|

いえいえ 　 僕 は それ ほど の もの で は あり ませ ん よ |ぼく|||||||||||

今回 も 後 学 の ため に こんかい||あと|まな|||

お 二 人 の 忍法 を 見物 さ せて もらい に ついてきた 次第 です |ふた|じん||にんぽう||けんぶつ||||||しだい|

ほう 　 なら 分け前 は なし と いう こと で いい のだ な ||わけまえ|||||||||

虚 刀 流 を 倒して 変 体 刀 を １ 本 ずつ きょ|かたな|りゅう||たおして|へん|からだ|かたな||ほん|

分ける と いう 話 であった が 蜜蜂 が そういう つもり なら わける|||はなし|||みつばち||||

いや 　 それ は 話 が 別です よ |||はなし||べつ です|

あれ を 見ろ ||みろ

島 だ しま|

あと 一 またぎ だ な |ひと|||

さすが は 無 重 の 蝶 々 で すね ||む|おも||ちょう|||

われわれ を 肩 に 乗せて も ||かた||のせて|

この 程度 の 距離 なら 一 またぎ です か |ていど||きょり||ひと|||

いや 　 さすが の 俺 も 疲れて んだ ぜ |||おれ||つかれて||

何度 体験 して も おかしな 感覚 で は ある が な なんど|たいけん||||かんかく|||||

では 　 行こう |いこう

蝶 の ように 舞い ちょう||よう に|まい

蜂 の ように 刺し はち||よう に|さし

カマキリ の ように 喰 ら う かまきり||よう に|しょく||

真庭 忍 軍 　 虫 組 まにわ|おし|ぐん|ちゅう|くみ

大手 を 振って まかり通る おおて||ふって|まかりとおる

まだ ねえ

なり切り 旅 芸人 と は さすが とがめ なりきり|たび|げいにん||||

この 格好で 怪しま れる こと ない もん な |かっこうで|あやしま|||||

子供 たち も あんなに 喜んで る し こども||||よろこんで||

まあ 　 何 だ な |なん||

これ から も こういう とき は この 手 で 切り抜けよう |||||||て||きりぬけよう

先 を 急ぐ ぞ さき||いそぐ|

いや 　 昨日 の そ なた の 言葉 引っ掛かって な |きのう|||||ことば|ひっかかって|

錆 の やつ が われわれ が 刀 を ３ 本 集めた こと を 知っている と いう なら さび||||||かたな||ほん|あつめた|||しっている|||

同様に 真庭 忍 軍 が 動いて も おかしく ない どうよう に|まにわ|おし|ぐん||うごいて|||

やつ ら 　 わたし たち の 先 を 越して 錆 の 元 へ 行って いる かも しれ ん |||||さき||こして|さび||もと||おこなって||||

それ ヤバ いんじゃ ない の か

まったく 　 なんて 島 だ ||しま|

まるで 島 全体 が 山 みたいだ |しま|ぜんたい||やま|

蝙蝠 さん は ここ で ああ こうもり|||||

あの

もし かして 蝙蝠 さん ||こうもり|

最初 から 奇 策 士 さん を 裏切る つもりで 誘い に 乗った のでしょう か さいしょ||き|さく|し|||うらぎる||さそい||のった||

困窮 して いる 里 の こと を 考えて いた の かも しれ ん な こんきゅう|||さと||||かんがえて||||||

あの 刀 売れば それ 相当 の 金 に なる |かたな|うれば||そうとう||きむ||

蝙蝠 殿 の 思惑 が どう であれ こうもり|しんがり||おもわく|||

今 の われら 虫 組 の 目的 は 力 を 合わせて 虚 刀 流 を 倒し 刀 を 奪う こと だ いま|||ちゅう|くみ||もくてき||ちから||あわせて|きょ|かたな|りゅう||たおし|かたな||うばう||

まっ 　 あの 奇 策 士 は 天 涯孤 独 の 身 だ が ||き|さく|し||てん|がいこ|どく||み||

虚 刀 流 の 七 代 目 に は 姉 が いる きょ|かたな|りゅう||なな|だい|め|||あね||

それ を 島 に １ 人 残して おくって の は 何とも 甘い ||しま||じん|のこして||||なんとも|あまい

そう です ね

僕たち 忍者 は ひきょう 卑劣 が 売り物 です から ぼくたち|にんじゃ|||ひれつ||うりもの||

で 　 どっち が その 女 の 拉致 を 担当 する んだ ||||おんな||らち||たんとう||

できれば 　 俺 は 半時 ばかり 休ま せて もらい たい |おれ||はんとき||やすま|||

この 島 　 目測 より も ちょっと 遠かった わ |しま|もくそく||||とおかった|

僕 が 行き ましょう か ぼく||いき||

いや わたし が 行く と しよう |||いく||

ち っと は 蜜蜂 に も 仕事 さ せて やら ねえ と よ |||みつばち|||しごと||||||

いや 　 その 娘 も 虚 刀 流 である こと に 違い ある まい ||むすめ||きょ|かたな|りゅう||||ちがい||

ならば 最も 戦闘 向き の 忍法 を 使う わたし が 出向く の が 上等であろう |もっとも|せんとう|むき||にんぽう||つかう|||でむく|||じょうとうであろう

まあ 虫 組 の 指揮 官 は あんた だ から 判断 は 任せる けど さ |ちゅう|くみ||しき|かん|||||はんだん||まかせる||

蜜蜂 は いい の かい みつばち||||

はい 　 お 任せ し ます ||まかせ||

お前 は 本当に 欲 が ねえ なあ おまえ||ほんとうに|よく|||

それ で よく 頭領 が 務 まん な |||とうりょう||つとむ||

一応 臙脂 水晶 を 置いて いく いちおう|えんじ|すいしょう||おいて|

わたし に もしも の こと が あったら 　 主 ら が 任務 を 果たす のだ ぞ |||||||おも|||にんむ||はたす||

もしも の こと

首 狩り の 蟷螂 と 呼ば れる あんた に それほど 似合わ ない 言葉 は ない な くび|かり||かまきり||よば|||||にあわ||ことば|||

そう です よ

変な こと 言わ ないで ください 　 蟷螂 さん へんな||いわ|||かまきり|

では 　 参る |まいる

あの 娘 か |むすめ|

どうやら 　 わたし が 来て よかった ようだ な |||きて|||

蝶 々 なら ともかく ちょう|||

若い 蜜蜂 で は わかい|みつばち||

あっけなく 心 を 奪わ れて いた かも しれ ん |こころ||うばわ|||||

狙う の は 足 か 　 腕 だ ねらう|||あし||うで|

忍法 　 爪 合わせ にんぽう|つめ|あわせ

七 花 　 どうして いる の かしら なな|か||||

とがめ さ んに 鑢家 を 守る ため に ここ に 残る なんて 言っちゃ った けど |||やすりいえ||まもる|||||のこる||いっちゃ||

父さん が 死んで 　 七 花 が 出て いって とうさん||しんで|なな|か||でて|

本当に わたし 独り な の よ ね ほんとうに||ひとり||||

蟷螂 殿 遅 え なあ かまきり|しんがり|おそ||

そう です か 　 まだ それほど 時間 たって ませ ん よ |||||じかん||||

そう か ぁ

って 　 おい

お前 　 今 　 インチキ し ただ ろ ！ おまえ|いま|いんちき|||

ほら 　 ここ

自分 に 有利に 　 動かした ろ じぶん||ゆうりに|うごかした|

して ませ ん よ そんな こと

ず り ー なあ 　 ず り ー よ 蜜蜂 ||-||||-||みつばち

ホントに して ないで す から ほんとに||||

自決 さ れよう と して も 無駄です よ じけつ||||||むだ です|