Free ! Episode 11 free|episode

で 話 って なん だ |はなし|||

あなた に 聞き たい こと が 二 つ あり ます ||きき||||ふた|||

は あ なん だ よ

では 一 つ 目 の 質問 です |ひと||め||しつもん|

あなた は なぜ 急に リレー に 出る なんて 言い出し た ん です |||きゅうに|りれー||でる||いいだし|||

あなた は なぜ 急に リレー に 出る なんて 言い出し た ん です |||きゅうに|りれー||でる||いいだし|||

ただ 気 が 変わった だけ だ |き||かわった||

そんな こと 聞き に わざわざ 来 た の か よ ||きき|||らい||||

そんな 答え じゃ 納得 し かね ます |こたえ||なっとく|||

あなた は ずっと 遥 先輩 と の 勝負 に 拘って い た |||はるか|せんぱい|||しょうぶ||こだわって||

なぜなら 先輩 に 勝た なけ れ ば 前 に 進め ない と 思って い た から |せんぱい||かた||||ぜん||すすめ|||おもって|||

そして 今回 あなた は 見事 勝負 に 勝った |こんかい|||みごと|しょうぶ||かった

あなた の 目的 は それ で 達成 する こと が 出来 た じゃ ない です か ||もくてき||||たっせい||||でき|||||

俺 の 目的 は ハル に 勝つ こと じゃ ねぇ おれ||もくてき||はる||かつ|||

国 内 の 大会 で 勝つ こと でも ねぇ くに|うち||たいかい||かつ|||

もっと 上 世界 だ |うえ|せかい|

世界 です か せかい||

ま いい でしょ う で は 二 つ 目 の 質問 です ||||||ふた||め||しつもん|

あなた は 遥 先輩 を どう 思って る ん です ||はるか|せんぱい|||おもって|||

小学校 時代 あなた と 遥 先輩 は よき ライバル だった しょうがっこう|じだい|||はるか|せんぱい|||らいばる|

笹 部 コーチ の 部屋 で あなた たち の 昔 の 写真 を 見 まし た ささ|ぶ|こーち||へや|||||むかし||しゃしん||み||

昔 の あなた は いつも 笑って い た むかし|||||わらって||

遥 先輩 と 真琴 先輩 渚 君 はるか|せんぱい||まこと|せんぱい|なぎさ|きみ

四 人 は いつも 仲良く そして 楽し そう だった よっ|じん|||なかよく||たのし||

それなのに なぜ 留学 し て 変わって しまった ん です か ||りゅうがく|||かわって||||

帰国 し て も 遥 先輩 や ほか の 誰 に も 連絡 を 取ら ない よう な 関係 に きこく||||はるか|せんぱい||||だれ|||れんらく||とら||||かんけい|

どうして なって しまった ん です か

留学 先 で 何 が あった ん です りゅうがく|さき||なん||||

昔 は あんなに 仲 が よかった の に なぜ むかし|||なか|||||

みんな で リレー を 泳 い だ のに なぜ ||りれー||えい||||

あなた は 先輩 たち と リレー を 泳ぐ こと に 喜び を 感じ て い た はず だ ||せんぱい|||りれー||およぐ|||よろこび||かんじ|||||

なにより リレー の 素晴らし さ を 一 番 知って いる の は |りれー||すばらし|||ひと|ばん|しって|||

凜 さん あなた じゃ ない ん です か りん|||||||

う っせ ぇ

おとなしく 聞い て いりゃ |ききい||

好き勝手 つま ん ねぇ 理屈 ばっ か 抜かし や がって すきかって||||りくつ|||ぬかし||

なんで お前 に そんな こと 話さ なきゃ な ん ねぇ ん だ よ |おまえ||||はなさ|||||||

僕 は ね 被害 者 な ん です よ ぼく|||ひがい|もの||||

元々 は 陸上 部 だった のに もともと||りくじょう|ぶ||

水泳 部 に 入る こと に なって すいえい|ぶ||はいる|||

だけど そこ で 遥 先輩 の 泳ぎ に 魅 せ られ て |||はるか|せんぱい||およぎ||み|||

僕 も あんな 風 に 泳ぎ たい と 思った ぼく|||かぜ||およぎ|||おもった

最初 は 辛かった 練習 も だんだん 楽しく なって き て さいしょ||からかった|れんしゅう|||たのしく|||

その うち 水泳 が ||すいえい|

彼ら と 泳ぐ こと が 楽しく なって き て かれら||およぐ|||たのしく|||

県 大会 で は ついに 彼ら と リレー を 泳 い だ けん|たいかい||||かれら||りれー||えい||

そこ で 始め て 理解 でき た ん だ ||はじめ||りかい||||

それ まで は 理論 と して しか 知ら なかった リレー の 楽し さ を |||りろん||||しら||りれー||たのし||

あの 時 の 感覚 は 今 でも 忘れ られ ない |じ||かんかく||いま||わすれ||

僕たち は やっと ひと つ に なれ た ぼくたち|||||||

チーム に なれ た と 思った ちーむ|||||おもった

なのに みんな あなた の こと ばかり 口 に する ||||||くち||

凜 ちゃん 凜 ちゃん 凜 ちゃん りん||りん||りん|

俺 に は 関係 ねぇ おれ|||かんけい|

な い わけない だ ろ う

て め え

そもそも 遥 先輩 が 水泳 から 離れ て い た の は |はるか|せんぱい||すいえい||はなれ|||||

あんた の せい じゃ ない か

なんの こと だ

中学 の 時 遥 先輩 は あんた に 勝って ちゅうがく||じ|はるか|せんぱい||||かって

それ で 罪悪 感 を 感じ て ||ざいあく|かん||かんじ|

なのに なん な ん だ よ あんた ら

僕 に は まったく 理解 でき ない ぼく||||りかい||

この 前 の 試合 で あんた は 遥 先輩 に 勝った |ぜん||しあい||||はるか|せんぱい||かった

それ で いい じゃ ない か

なんで また リレー に 出る と か 言い出す ん だ ||りれー||でる|||いいだす||

あんた は 一体 何 が し たい ||いったい|なん|||

遥 先輩 を どう し たい はるか|せんぱい||||

なに を どう すれ ば 満足 な ん だ よ |||||まんぞく||||

だったら お前 は なん な ん だ よ |おまえ||||||

当事 者 でも ねぇ お前 が なんで わざわざ 俺 に そんな こと 言い に 来 る とうじ|もの|||おまえ||||おれ||||いい||らい|

お前 こそ なに を どうして ん だ よ おまえ|||||||

僕 は 彼ら と 最高 の チーム で 試合 に 臨み たい ぼく||かれら||さいこう||ちーむ||しあい||のぞみ|

その チーム の 一員 と して 彼ら と 共に 泳ぎ たい |ちーむ||いちいん|||かれら||ともに|およぎ|

ただ それ だけ です

もし あなた が 僕たち の 邪魔 を する なら |||ぼくたち||じゃま|||

僕 は あなた を 許し ませ ん ぼく||||ゆるし||

大丈夫 か なぁ 怜 だいじょうぶ|||れい

大丈夫 だ と 思う ん だ けど だいじょうぶ|||おもう|||

ちょっと 心配 だ よ ね |しんぱい|||

った く 怜 の やつ ||れい||

体調 管理 も アスリート に とっちゃ 重要 だって 分かって ん の か たいちょう|かんり|||||じゅうよう||わかって|||

お前 ら ちょっと 様子 見 に 行って 来い おまえ|||ようす|み||おこなって|こい

そう いえ ば 怜 の 家 に 行く の は 初めて だ な |||れい||いえ||いく|||はじめて||

僕 は 近所 だ から 何度 か 行った こと ある よ ぼく||きんじょ|||なんど||おこなった|||

お 見舞い な に 買って 行 こ う か |みまい|||かって|ぎょう|||

ここ は やっぱり メロン でしょ う |||めろん||

まっ 千 円 じゃ 無理 だ なぁ |せん|えん||むり||

じゃ イチゴ に する |いちご||

イチゴ ミルク で 腹 壊し た ん じゃ ない の か いちご|みるく||はら|こわし||||||

ああ そう だ っけ じゃ バナナ |||||ばなな

そもそも お腹 壊し てる 人 に 食べ物 って どう な ん だ |おなか|こわし||じん||たべもの|||||

本当 に 食 中 り な の か ほんとう||しょく|なか||||

昨日 俺 が 話し た こ と 気 に し てる ん じゃ ない の か きのう|おれ||はなし||||き||||||||

えっ と

ヤッホー 怜 ちゃん お っ 邪魔 し ま ー す |れい||||じゃま|||-|

どう し た ん です か みなさん 揃って |||||||そろって

怜 が 今日 休 ん で た から お 見舞い に 来 た ん だ よ れい||きょう|きゅう||||||みまい||らい||||

いや 僕 は … |ぼく|

ああ その 様子 なら 大丈夫 そう だ ね ||ようす||だいじょうぶ|||

ゴウ ちゃん たち も みんな 心配 し て た よ |||||しんぱい||||

吾郎 ちゃん な ん か 試合 前 の 大事 な 時期 に な に やって ん だって われろう|||||しあい|ぜん||だいじ||じき||||||

心配 し て くれ た ん です か しんぱい|||||||

当たり前 だ ろ う あたりまえ|||

怜 が 部活 休む の って 初めて だ し ね れい||ぶかつ|やすむ|||はじめて|||

渚 なら まだしも なぎさ||

ええ それ どういう 意味 |||いみ

ごめん ごめん

あっ これ すごい なぁ 中学 の 時 の ？ ||||ちゅうがく||じ|

はい でも 昔 の 話 です ||むかし||はなし|

でも 今 は 水泳 の 本 が こんなに |いま||すいえい||ほん||

ホント だ ほんと|

こんなに 勉強 し て た の か |べんきょう|||||

はい 理論 は すべて 完璧 に 叩き込み まし た から |りろん|||かんぺき||はたきこみ|||

だから 怜 ちゃん それ 言っちゃ ダメ だ よ |れい|||いっちゃ|だめ||

失敗 フラグ 失敗 フラグ しっぱい||しっぱい|

失敗 って しっぱい|

怜 凜 の ところ に 行って たって 本当 か れい|りん||||おこなって||ほんとう|

僕 が 言っちゃ っ た ん だ ごめん ね 怜 ちゃん ぼく||いっちゃ|||||||れい|

いいえ

はい 行って 来 まし た |おこなって|らい||

この 間 俺 が 昔 の こと を 話し たから か |あいだ|おれ||むかし||||はなし||

いえ 僕 が 個人 的 に 「 凜 さん 」 と いう 方 に 会い たく なった だけ です |ぼく||こじん|てき||りん||||かた||あい||||

でも もう いい ん です

あんな 人 もう 知り ませ ん |じん||しり||

僕 に は 関係 あり ませ ん から ぼく|||かんけい||||

なら いい 今 は この 四 人 が 俺 たち の チーム だ 怜 ||いま|||よっ|じん||おれ|||ちーむ||れい

遥 先輩 はるか|せんぱい

だ よ ね 怜 も 俺 たち の チーム の 一員 と して しっかり 頼む |||れい||おれ|||ちーむ||いちいん||||たのむ

そう だ よ 一 人 でも 欠け ちゃ ったら ダメ な ん だ から 怜 ちゃん |||ひと|じん||かけ|||だめ|||||れい|

はい

それ じゃ 一旦 休憩 ||いったん|きゅうけい

で なんで お 見舞い に メロン パン な ん です か |||みまい||めろん|ぱん||||

だって 本物 の メロン 高く って |ほんもの||めろん|たかく|

でも これ すごく 美味しい ん だ |||おいしい||

はい ハル ちゃん あ あー |はる|||

いや 俺 は … |おれ|

ねっ 美味しい でしょ う |おいしい||

水分 … 取ら れ … すいぶん|とら|

ハル 大丈夫 はる|だいじょうぶ

ちょ っ 怜 何 か 飲み物 飲み物 ||れい|なん||のみもの|のみもの

はい すぐに 持って き ます ||もって||

ハル ちゃん はる|

ハル はる

メロン パン に 一 番 合う 飲み物 それ は … めろん|ぱん||ひと|ばん|あう|のみもの||

麦茶 むぎちゃ

我が 竜ヶ崎 家 で は 祖父 の 代 から メロン パン に は 麦茶 と 決まって い て わが|りゅうがさき|いえ|||そふ||だい||めろん|ぱん|||むぎちゃ||きまって||

なんでも いい から 早く |||はやく

み … 水 … |すい

ハル ちゃん 大丈夫 はる||だいじょうぶ

渚 も なに 呑気 な こ と 言って なぎさ|||のんき||||いって

ハル 怜 早く はる|れい|はやく

ああ すみません

遥 先輩 今 助け ます はるか|せんぱい|いま|たすけ|

死ぬ な ハル しぬ||はる

僕 は 彼ら と 最高 の チーム で 試合 に 臨み たい ぼく||かれら||さいこう||ちーむ||しあい||のぞみ|

その チーム の 一員 と して 彼ら と 共に 泳ぎ たい |ちーむ||いちいん|||かれら||ともに|およぎ|

ただ それ だけ です

俺 も お前 ら と ホント の 最高 の チーム に なり たい ん だ おれ||おまえ|||ほんと||さいこう||ちーむ|||||

松岡 先輩 今日 は すごく 乱れ てる まつおか|せんぱい|きょう|||みだれ|

似鳥 お前 なんか 聞い てる か にたどり|おまえ||ききい||

いえ 先輩 なにも 話し て くれ なく て |せんぱい||はなし||||

でも 心配な い です きっと |しんぱいな|||

だって 先輩 海外 じゃ もっと 厳しい 試練 を 経験 し て き た はず です から |せんぱい|かいがい|||きびしい|しれん||けいけん|||||||

松岡 の やつ 留学 先 から 鮫 柄 に 転校 し て き て まつおか|||りゅうがく|さき||さめ|え||てんこう||||

すぐ 水泳 部 に 入ら なかった |すいえい|ぶ||はいら|

その 理由 は 聞い た こ と ある か |りゆう||ききい|||||

いえ なに か あった ん です か

いや まっ 過去 は どう あれ うち は 実力 主義 だ ||かこ||||||じつりょく|しゅぎ|

早い もの が 勝つ それ だけ だ はやい|||かつ|||

ゴウ ～ 手伝う よ |てつだう|

ありがとう

あ 地方 大会 ね クラス の 友達 も 応援 に 行き たい って 言って た |ちほう|たいかい||くらす||ともだち||おうえん||いき|||いって|

みんな な ん で そんな 急に 乗り気 に |||||きゅうに|のりき|

だって 県 大会 突破 な ん だ よ すごい よ |けん|たいかい|とっぱ||||||

出来 た ばかり の 水泳 部 な のに でき||||すいえい|ぶ||

さあ お前 ら 気合 入れ て 行け |おまえ||きあい|いれ||いけ

怜 行く ぞ 引継ぎ の 練習 だ れい|いく||ひきつぎ||れんしゅう|

はい

よっ しゃ がん がん 行け ||||いけ

よし 俺 が お前 ら に 教え られる こと は 全部 教え た |おれ||おまえ|||おしえ||||ぜんぶ|おしえ|

あと は 力 を 出し切る だけ だ ||ちから||だしきる||

ファイア ！ ！

その 横断 幕 すごく 恥ずかしい ん です けど |おうだん|まく||はずかしい|||

その イラスト … |いらすと

あ ハル ちゃん が 前 に 描 い て た やつ だ |はる|||ぜん||えが|||||

ここ で 使わ れる と は 思わ なかった ||つかわ||||おもわ|

それ じゃ 私 達 は 明日 の 朝一 で 会場 に 向かう から ||わたくし|さとる||あした||あさいち||かいじょう||むかう|

皆さん は 会場 近く の ホテル で ゆっくり 体 を 休め て ください みなさん||かいじょう|ちかく||ほてる|||からだ||やすめ||

古代 ローマ の 軍人 カエサル の 名言 に も あり ます こだい|ろーま||ぐんじん|||めいげん||||

ここ を 渡れ ば 人間 世界 の 悲惨 渡 ら なけ れ ば … ||わたれ||にんげん|せかい||ひさん|と||||

あっ バス |ばす

えっ と それ じゃ

いって き ます

どう し た ん です か

なんでも ねぇ

それにしても 俺 達 だけ で こんな ホテル に 泊まる なんて |おれ|さとる||||ほてる||とまる|

何 か 緊張 する よ ね なん||きんちょう|||

ハル ちゃん マコ ちゃん はる|||

準備 でき た じゅんび||

夕 ご飯 な ん に し ます か ゆう|ごはん||||||

こういう 時 に 食べる もの と いえ ば |じ||たべる||||

カツ 丼 だ ね かつ|どんぶり||

俺 は 鰭 カツ に しよ う かな おれ||ひれ|かつ||||

僕 も ぼく|

鰭 カツ 丼 二 つ ひれ|かつ|どんぶり|ふた|

はい よ ～ 鰭 カツ 二 ||ひれ|かつ|ふた

鯖 味噌 定食 さば|みそ|ていしょく

はい よ ～ 鯖 一 ||さば|ひと

さすが ハル ちゃん |はる|

僕 は カツ 鍋 か 餡 かけ カツ 丼 か ぼく||かつ|なべ||あん||かつ|どんぶり|

いや 冷やし カツ うどん も |ひやし|かつ||

カツ なべ 一 餡 カツ 一 冷 カツ 一 かつ||ひと|あん|かつ|ひと|ひや|かつ|ひと

あっ 違い ます 今 の は 注文 で は なく て |ちがい||いま|||ちゅうもん||||

あ ～ 美味しかった |おいしかった

ちょっと 食べ 過ぎ まし た |たべ|すぎ||

ね ね 今 の 明日 の 大会 に 出る 子 達 じゃ ない か な ||いま||あした||たいかい||でる|こ|さとる||||

ひょっとして 隣 の レーン だったり し て |となり|||||

ただ の 地元 の 高校 生 です よ ||じもと||こうこう|せい||

第 一 筋肉 の つき 方 が 水泳 選手 の もの じゃ ない だい|ひと|きんにく|||かた||すいえい|せんしゅ||||

ゴウ ちゃん みたい

そう だ 明日 の 会場 を 見 に 行って み ない ||あした||かいじょう||み||おこなって||

だめ みたい

この 時間 じゃ 無理 か |じかん||むり|

仕方 あり ませ ん ね しかた||||

いや 見える かも しれ ない |みえる|||

皆 早く 早く みな|はやく|はやく

暗い から 走っちゃ 危ない です よ くらい||はしっちゃ|あぶない||

すごい

大きい な おおきい|

明日 あそこ で 泳ぐ ん です ね あした|||およぐ|||

ああ

何 か 僕 ドキドキ し て き た なん||ぼく|どきどき||||

でき た どう かな

惜しい な 絵 が おしい||え|

うるさい な

二 人 と も 早く 帰ら ない と 明日 朝 早い ん だ から ふた|じん|||はやく|かえら|||あした|あさ|はやい|||

あっ はい もう ちょっと で お …

お 兄ちゃん |にいちゃん

ハル もう 寝 た はる||ね|

いや 起き てる |おき|

眠れ な いよ ね ねむれ|||

そう だ な

明日 は 決勝 まで 残り たい ね あした||けっしょう||のこり||

真琴 まこと

お前 が い て くれ て よかった おまえ||||||

ありがとう な

ハル はる

すこし 走って くる |はしって|

ちょ っ 今 から ？ ||いま|

ね 怜 ちゃん |れい|

何 です なん|

だめ だ よ その イカ は 食べ ちゃ だめ ||||いか||たべ||

って 寝言 です か |ねごと||

ハル ちゃん はる|

渚 目 が 覚め たら 怜 ちゃん い なく て 探し て た ん だ なぎさ|め||さめ||れい|||||さがし|||| ハル ちゃん は はる||

俺 は … おれ|

眠れ なかった ん でしょ う 緊張 し て ねむれ|||||きんちょう||

別に べつに

実は 僕 も ちょっと 緊張 し てる ん だ よ ね じつは|ぼく|||きんちょう||||||

お前 が おまえ|

明日 飛び込み 失敗 し たら どう しよ う と か あした|とびこみ|しっぱい|||||||

皆 の 足 引っ張っちゃ わ ない か な と か みな||あし|ひっぱっちゃ||||||

いつも は あんまり 考え ない こと まで 考え ちゃ ったり |||かんがえ||||かんがえ||

だって ハル ちゃん 達 と また リレー が できる ん だ もん |はる||さとる|||りれー|||||

それ に 明日 は 凛 ちゃん と 勝負 だ し ||あした||りん|||しょうぶ||

だから ハル ちゃん も 緊張 し てる ん でしょ |はる|||きんちょう||||

渚 の おかげ だ な なぎさ||||

最初 に 水泳 部 を 作 ろ う って 言い出し た の は 渚 だった ろ さいしょ||すいえい|ぶ||さく||||いいだし||||なぎさ||

うん そう だった ね

あの 時 は まさか |じ||

また 自分 が リレー を 泳ぐ こと に なる なんて 思って も なかった |じぶん||りれー||およぐ|||||おもって||

ま そういう 意味 で は ハル ちゃん 僕 に は もっと 感謝 し て もらわ ない と ね ||いみ|||はる||ぼく||||かんしゃ||||||

そう だ な

ありがとう な 渚 ||なぎさ

ハル ちゃん はる|

僕 も うれしい ぼく||

渚 やめろ なぎさ|

本当 に よかった ハル ちゃん ハル ちゃん ほんとう|||はる||はる|

聞い てる の か 渚 ききい||||なぎさ

よ 何 か 用 です か |なん||よう|| この 前 の お前 の 質問 答え て なかった よ な |ぜん||おまえ||しつもん|こたえ||||

その こと なら もう 結構 です ||||けっこう|

いや 言って おく |いって|

じゃ ねぇ と 俺 の けじめ が つか ねぇ |||おれ|||||

ハル の こと どう 思って る かって 聞い た よ な はる||||おもって|||ききい|||

確かに 俺 は あいつ と の 勝負 に 拘って た たしかに|おれ|||||しょうぶ||こだわって|

けど 俺 が 水泳 を やめる って 言った の は ハル の せい じゃ ねぇ |おれ||すいえい||||いった|||はる||||

確かに あいつ に 負け た 時 は ショック だった たしかに|||まけ||じ||しょっく|

けど そう じゃ ねぇ ん だ

オーストラリア に 留学 し て おーすとらりあ||りゅうがく||

毎日 トレーニング し て 大会 に 出 て まいにち|とれーにんぐ|||たいかい||だ|

けど 俺 は 思う よう に 泳げ なかった |おれ||おもう|||およげ|

オリンピック なんて 夢のまた夢 おりんぴっく||ゆめのまたゆめ

周り から どんどん 取り残さ れ て いく 気 が し た まわり|||とりのこさ||||き|||

ずっと 考え て た |かんがえ||

何で 俺 だけ うまく いか ない ん だ なんで|おれ||||||

何で なんで

そう か リレー なんて やって たから ||りれー|||

俺 は 落ち た ん だ おれ||おち|||

そう 思う よう に なった |おもう|||

日本 に 帰った 時 も 誰 と も 連絡 は 取ら なかった にっぽん||かえった|じ||だれ|||れんらく||とら|

誰 に も 話さ なかった だれ|||はなさ|

だけど あの 夜 ||よ

ハル と また 泳 い で 吹っ切れ た はる|||えい|||ふっきれ|

もう 一 度 泳 ご う と 思った ん だ |ひと|たび|えい||||おもった||

この 前 の 県 大会 |ぜん||けん|たいかい

俺 は お前 ら の 泳ぎ を 見 て おれ||おまえ|||およぎ||み|

思い出し ち まった あの リレー の こと おもいだし||||りれー||

凛 さ ん あなた は … りん||||

竜ヶ崎 っ つ っ た な りゅうがさき|||||

俺 は 鮫 柄 で リレー を 泳ぐ おれ||さめ|え||りれー||およぐ

そこ で 最高 の 泳ぎ を 見せ て やる ||さいこう||およぎ||みせ||

だから お前 も 自分 の チーム で ハル 達 と 精一杯 やれ |おまえ||じぶん||ちーむ||はる|さとる||せいいっぱい|

ただし そこ で やる からに は

み っと も ねぇ 泳ぎ は みせ ん な ||||およぎ||||

それ だけ だ 呼び出し て 悪かった な |||よびだし||わるかった|

お 帰り なさい 先輩 |かえり||せんぱい

何 か あった ん です か なん|||||

別に なんでも ねぇ べつに||

あっ そう だ さっき 部長 が 呼 ん で まし た ||||ぶちょう||よ||||

きっと 明日 の リレー の こと です よ |あした||りれー||||

これ は …

明日 の リレー は その メンバー で いく あした||りれー|||めんばー||

お前 は フリー の 百 だけ に 集中 しろ おまえ||||ひゃく|||しゅうちゅう|

ちょっと 待って よ 何で |まって||なんで

お前 は 自分 の リレー チーム を 見て い ない おまえ||じぶん||りれー|ちーむ||みて||

何 か 別 の もの を 見 てる なん||べつ||||み|

ベスト メンバー で 試合 に 挑む チーム と して は 当然 の 選択 だ べすと|めんばー||しあい||いどむ|ちーむ||||とうぜん||せんたく|

今 の お前 の コンディション は ベスト じゃ ない いま||おまえ||こんでぃしょん||べすと||

そんな …

ハル 覚え てる はる|おぼえ|

初めて 凛と 会った 大会 の 日 の こと はじめて|りんと|あった|たいかい||ひ||

ああ あれ から 随分 遠く まで き た 気 が する |||ずいぶん|とおく||||き||

ちょっと 何 しんみり し てる の さ ハル ちゃん も マコ ちゃん も |なん||||||はる|||||

そう です よ 僕達 は これ から まだまだ もっと 遠く まで 行く ん です から |||ぼくたち||||||とおく||いく|||

次回 遥か なる フリー ！ じかい|はるか||

な ハル |はる

あの 時 お前 が 見 た 景色 どんな だった ん だ |じ|おまえ||み||けしき||||