Free ! Episode 3 free|episode

盛大 だ ね せいだい||

ハル 大丈夫 ？ はる|だいじょうぶ

死 ん だ 婆ちゃん が 言って た し|||ばあちゃん||いって|

くしゃみ する の は 誰 か が 噂 し てる 時 だって ||||だれ|||うわさ|||じ|

はい

それ きっと 凜 ちゃん だ よ ||りん|||

いや 普通 に 風邪 だ よ ね |ふつう||かぜ|||

まだ 四 月 な のに プール で 泳 い だ りし たから |よっ|つき|||ぷーる||えい||||

プール で 風邪 引く ほど 軟 じゃ … ぷーる||かぜ|ひく||なん|

まっ 屋外 プール じゃ 泳ぐ の は まだ 早い よ |おくがい|ぷーる||およぐ||||はやい|

それ まで は 体力 作り だ ね |||たいりょく|つくり||

あ ゴウ ちゃん から 聞 い た ん だ けど ||||き|||||

凜 ちゃん 鮫 柄 水泳 部 に 入った ん だ って りん||さめ|え|すいえい|ぶ||はいった|||

どう か し た の マコ ちゃん

いや なんでもない よ

でも そ っか これ で 大会 で また 会え る よ ね |||||たいかい|||あえ|||

うん 出よ う よ 大会 |でよ|||たいかい

それ で また リレー を 泳 ご う |||りれー||えい||

俺 は フリー しか 泳 が ない おれ||||えい||

それ って リレー に は 出 ない って こと ？ ||りれー|||だ|||

そんな こと 言 わ ず に さあ ||げん||||

ね ～

大体 リレー やろ う に も 三 人 じゃ 足り ない だ ろ う だいたい|りれー|||||みっ|じん||たり||||

確かに たしかに

って こと は やっぱり

あと 一 人 部員 を 見つけ なきゃ なん ない って こと |ひと|じん|ぶいん||みつけ|||||

あと 一 人 か あ |ひと|じん||

と 言って も いまさら 難しい よ な |いって|||むずかしい||

声 を かけ た の を 全部 断 ら れ ちゃ った し こえ||||||ぜんぶ|だん|||||

竜ヶ崎 君 りゅうがさき|きみ

電車 通学 だった ん だ でんしゃ|つうがく|||

ええ

あ ところ で さあ 同じ クラス の 友達 と して お 願い が … ||||おなじ|くらす||ともだち||||ねがい|

水泳 部 に は 入り ませ ん から すいえい|ぶ|||はいり|||

あれ まだ 何も 言って ない の に 何で ||なにも|いって||||なんで

ちょっと 考え れ ば 分かり ます |かんがえ|||わかり|

その 紙袋 の 中 の 部員 募集 ポスター と |かみぶくろ||なか||ぶいん|ぼしゅう|ぽすたー|

そして 恐らく 入部 特典 と 思 わ れる 岩 鳶 ちゃん ストラップ 水着 バージョン |おそらく|にゅうぶ|とくてん||おも|||いわ|とび|||みずぎ|

お 降り の 際 は お 忘れ物 の ない よう お 確かめ ください |ふり||さい|||わすれもの|||||たしかめ|

前 に も 言った と 思い ます けど ぜん|||いった||おもい||

僕 は すでに 陸上 部 に 入った の で ぼく|||りくじょう|ぶ||はいった||

それ じゃ

何で 駅 次 だ よ なんで|えき|つぎ||

すごい 毎日 一 駅 分 を 走って る ん だ |まいにち|ひと|えき|ぶん||はしって|||

早く 泳ぎ たい はやく|およぎ|

う わ オフシーズン は ここ で 泳げ る の すごい ||||||およげ|||

でしょう

うち み たい に 屋内 プール が ない 学校 は ||||おくない|ぷーる|||がっこう|

こういう 場所 を 借り て 練習 すれ ば いい と 思って |ばしょ||かり||れんしゅう|||||おもって

さすが ゴウ ちゃん 敏腕 マネージャー |||びんわん|まねーじゃー

だから ゴウ じゃ なく て コウ ～

遥 先輩 はるか|せんぱい

お 金 は |きむ|

そこ は もちろん 部 費 で |||ぶ|ひ|

なるほど

この ジム まとも に 入会 すれ ば かなり 高い よ |じむ|||にゅうかい||||たかい|

それ が 部 費 で 使える なんて ||ぶ|ひ||つかえる|

これ こそ 水泳 部 を 作った 真 の 目的 ||すいえい|ぶ||つくった|まこと||もくてき

って 思った だ ろ う |おもった|||

うるさい

これ で 一年中 泳ぎ 放題 だ ね ||いちねんじゅう|およぎ|ほうだい||

そんな の 無理 に 決まって る でしょ う ||むり||きまって|||

あ ～ 何で です か |なんで||

何でも 何も なんでも|なにも

新設 の しかも 何 の 実績 も ない クラブ に しんせつ|||なん||じっせき|||くらぶ|

そんな たくさん の 部 費 が 出る わけない でしょ う |||ぶ|ひ||でる|||

聖書 の 一節 に も あり ます せいしょ||いっせつ||||

働 か ざる もの 食う べ から ず はたら||||くう|||

それ は ニュアンス が ちょっと 違う ん じゃ ||にゅあんす|||ちがう||

プール は 食べ ない です ぷーる||たべ||

それ は つまり 実績 を 出せ ば いい って こと です か |||じっせき||だせ||||||

そう ね 部 費 が たくさん ほし けれ ば それ が 一 番 手っ取り早い 方法 かしら ||ぶ|ひ||||||||ひと|ばん|てっとりばやい|ほうほう|

実績 じっせき

それ じゃ 夏 の 大会 で 記録 を 出せ ば ||なつ||たいかい||きろく||だせ|

二 学期 の 予算 会議 で 申請 が 通る かも ふた|がっき||よさん|かいぎ||しんせい||とおる|

でも 会議 で アピール する なら せめて 選手 四 人 は い ない と 弱い よ ね |かいぎ||あぴーる||||せんしゅ|よっ|じん|||||よわい||

選手 せんしゅ

アピール 出来 なきゃ 意味 ない の か あぴーる|でき||いみ|||

あと 一 人 で |ひと|じん|

泳ぎ 放題 およぎ|ほうだい

ハル はる

なんか ハル ちゃん が やる 気 満々 に |はる||||き|まんまん|

ハル はる

あっ 止まった |とまった

あれ は 引っ掛け 問題 だ ね ||ひっかけ|もんだい||

ああ 僕 も そう … |ぼく||

おい

これ やる から

水泳 部 に 入れ すいえい|ぶ||いれ

いり ませ ん

アチャー

ダメ だ あれ が いま の ハル の 精一杯 だめ||||||はる||せいいっぱい

ハル ちゃん ドンマイ はる||

やっぱり もっと 派手 目 の ほう が よかった の か な ||はで|め|||||||

待って よ 竜ヶ崎 君 まって||りゅうがさき|きみ

ね 一緒 に 帰 ろ う よ |いっしょ||かえ|||

水泳 の こと と か 話し ながら さ すいえい|||||はなし||

これ から 部活 な の で ||ぶかつ|||

あと いくら 話し て も ||はなし||

水泳 部 に は 入り ませ ん から すいえい|ぶ|||はいり|||

竜ヶ崎 君 りゅうがさき|きみ

つれない

こっち こっち

なん だ よ

もう ね 本当 間違い なく 一 押し な ん だ よ ||ほんとう|まちがい||ひと|おし||||

陸上 部 りくじょう|ぶ

だったら ダメ だ ろ う |だめ|||

ほら あそこ

これ って 運命 だ と 思う ん だ ||うんめい|||おもう||

中学 で 水泳 部 だった の か ？ ちゅうがく||すいえい|ぶ|||

すごい 記録 持って る と か ？ |きろく|もって|||

名前 だ よ 名前 なまえ|||なまえ

名前 なまえ

そう 竜ヶ崎 怜 ちゃん って 言う の |りゅうがさき|れい|||いう|

僕たち と 同じ な ん だ ぼくたち||おなじ|||

男 な のに 女 み たい な 名前 おとこ|||おんな||||なまえ

そこ

でも … 確かに すごい 三角 筋 |たしかに||さんかく|すじ

そこ

そんな いい加減 な 理由 で いい の |いいかげん||りゆう|||

いい加減 じゃ ない です よ いいかげん||||

次 竜ヶ崎 つぎ|りゅうがさき

そう だ よ マコ ちゃん こういう の は フィーリング だ よ

はい

おい 跳ぶ み たい だ ぞ |とぶ||||

バー の 高 さ 四 メーター 二十 助走 速度 ｖ ばー||たか||よっ|めーたー|にじゅう|じょそう|そくど|

踏み切り に よる 加速 を ａ 重力 ｇ ふみきり|||かそく|||じゅうりょく|

ポール の 長 さ に よる 重心 の 変化 分 を ｈ と し た 場合 の 入 射 角度 … ぽーる||ちょう||||じゅうしん||へんか|ぶん||||||ばあい||はい|い|かくど

すごい 綺麗 な フォーム だ |きれい||ふぉーむ|

あれ なら 飛び込み も うま そう だ ね ||とびこみ|||||

はい 上 腕 二 頭 筋 も 綺麗 |うえ|うで|ふた|あたま|すじ||きれい

だから そこ

入 射 角度 の 誤差 が 大きい し はい|い|かくど||ごさ||おおきい|

おい 怜 ちゃん |れい|

怜 ちゃん ？ れい|

ああ 僕 の こと も 渚 って 呼 ん で |ぼく||||なぎさ||よ||

呼び ませ ん よび||

第 一 そんな 親しく も ない だい|ひと||したしく||

じゃ これ から 親しく な ろ う よ |||したしく||||

水泳 部 に も 入って すいえい|ぶ|||はいって

入り ませ ん はいり||

僕 は 美しい スポーツ に しか 興味 あり ませ ん の で ぼく||うつくしい|すぽーつ|||きょうみ|||||

陸上 りくじょう

ええ なか でも 棒高跳び は その 美し さ が 際立つ スポーツ だ |||ぼうたかとび|||うつくし|||きわだつ|すぽーつ|

理論 と 計算 に よって 完璧 な フォーム を 導き 出す こと が 出来る りろん||けいさん|||かんぺき||ふぉーむ||みちびき|だす|||できる

難しい こと は 分 から ない けど むずかしい|||ぶん|||

掛け持ち で も いい よ かけもち||||

棒高跳び って 腕 筋 使う でしょ う ぼうたかとび||うで|すじ|つかう||

水泳 で ちょうど いい と 思 わ ない すいえい|||||おも||

掛け持ち も し ませ ん かけもち||||

そもそも 人類 は 陸上 で 生きる ため に 進化 し た ん です |じんるい||りくじょう||いきる|||しんか||||

それ を なぜ また 退化 する 方向 へ 遡り ||||たいか||ほうこう||さかのぼり

水 の 中 で スポーツ し なけ れ ば なら ない の か すい||なか||すぽーつ||||||||

意味 が 分 から ない いみ||ぶん||

そもそも 水中 で は 空気 中 の 十 二 倍 から 十三 倍 の 粘 性 抵抗 が ある ん だ |すいちゅう|||くうき|なか||じゅう|ふた|ばい||じゅうさん|ばい||ねば|せい|ていこう||||

ダメ だった だめ|

どうして も うん って 言って くれ ない ||||いって||

怜 ちゃん 水 が 嫌い み たい れい||すい||きらい||

そんな 奴 は ほっとけ 水 に 入れる な |やつ|||すい||いれる|

そんな こと 言って る と ||いって||

誰 も 入って くれ ない よ だれ||はいって|||

そ したら 冬 は ひたすら 筋 トレ に マラソン だ よ ||ふゆ|||すじ|||まらそん||

いい の ハル ちゃん 本当 に いい の ||はる||ほんとう|||

いや だ

やっぱり 天 ちゃん に お 願い し て 一 肌 脱 い で もらう しか … |てん||||ねがい|||ひと|はだ|だつ||||

無理 だ ろ う 絶対 水着 に なら ない って 言って た し むり||||ぜったい|みずぎ|||||いって||

はっ だ から 逆 に |||ぎゃく|

逆 に ぎゃく|

「 すごい 入部 すれ ば 天 ちゃん に 水着 を 見 ら れ 放題 」 |にゅうぶ|||てん|||みずぎ||み|||ほうだい

その 重要 は ある の か |じゅうよう||||

いや 書 か なく て いい から |しょ|||||

あ ・ な ・ た ・ た ・ ち

ごめんなさい

なあ ハル |はる

なんか 大会 に 出る って 流れ に なって る けど |たいかい||でる||ながれ||||

ハル は 本当 に いい ん だ よ ね はる||ほんとう||||||

また 凜 と 勝負 する よう な こと に なって も … |りん||しょうぶ|||||||

それ で また 凜 に 勝つ よう な こと に なって も … |||りん||かつ||||||

誰 か から 聞 い た の か だれ|||き||||

この 前 笹 部 コーチ に 偶然 会って |ぜん|ささ|ぶ|こーち||ぐうぜん|あって

昔 の こと だ から な むかし|||||

それ に あいつ も また 泳ぐ 気 に なって る |||||およぐ|き|||

それ で いい

バー の 高 さ 四 メーター 三十 助走 速度 ｖ ばー||たか||よっ|めーたー|さんじゅう|じょそう|そくど|

踏み切り に よる 加速 ａ を 変え ない まま ふみきり|||かそく|||かえ||

ポール の 重心 の 変化 分 は すべて 位置 エネルギー に 置き換える と 仮定 ぽーる||じゅうしん||へんか|ぶん|||いち|えねるぎー||おきかえる||かてい

竜ヶ崎 お前 頭 で 計算 し て 跳 ん でる だ ろ う りゅうがさき|おまえ|あたま||けいさん|||と|||||

確かに フォーム は 完璧 だ が ただ それ だけ だ たしかに|ふぉーむ||かんぺき||||||

型 に 嵌 り すぎ てる かた||かん|||

でも ぼく は …

まっ そういう タイプ の 選手 だって の は 分かる が ||たいぷ||せんしゅ||||わかる|

今 の まま じゃ 記録 は 伸び ない いま||||きろく||のび|

本日 は 皆さん に よい お 知らせ が あり ます ほんじつ||みなさん||||しらせ|||

なんと 鮫 柄 と の 合同 練習 を 取り付け て き まし た |さめ|え|||ごうどう|れんしゅう||とりつけ||||

本当 ほんとう

ひょっとして 凜 に 頼 ん だ の ？ |りん||たの|||

お 兄ちゃん に 頼 ん でも 聞 い て くれ ない の で |にいちゃん||たの|||き||||||

ここ は ストレート に 部長 さん に お 願い し て き まし た ||すとれーと||ぶちょう||||ねがい|||||

合同 練習 ごうどう|れんしゅう

あ はい

いい じゃ ない か ぜひ やろ う

さすが 敏腕 マネージャー ゴウ ちゃ っ |びんわん|まねーじゃー|||

コウ ね

って こと は あの 鮫 柄 の 屋内 プール で 今度 は 堂々 と 泳げ る の か ||||さめ|え||おくない|ぷーる||こんど||どうどう||およげ|||

ただし 合同 練習 と 言う から に は |ごうどう|れんしゅう||いう|||

最低 四 人 必要 だって 言 わ れ ちゃ い まし た さいてい|よっ|じん|ひつよう||げん||||||

それ じゃ 当日 まで に 何と して も 後 一 人 入部 し て もらわ ない と ||とうじつ|||なんと|||あと|ひと|じん|にゅうぶ|||||

せっかく ゴウ ちゃん が 色 仕掛け で 取り付け て くれ た ん だ もん ||||いろ|しかけ||とりつけ||||||

色 仕掛け じゃ ない いろ|しかけ||

違う の ちがう|

当たり前 でしょ う あたりまえ||

合同 練習 ？ 聞 い て ねぇ ぞ ごうどう|れんしゅう|き||||

部長 が 決め た らしい です ぶちょう||きめ|||

先輩 の 妹 さん 岩 鳶 の 水泳 部 に いる ん です よ ね せんぱい||いもうと||いわ|とび||すいえい|ぶ||||||

部員 は 七瀬 遥 橘 真琴 葉月 渚 ぶいん||ななせ|はるか|たちばな|まこと|はづき|なぎさ

共通 点 は 女の子 み たい な な まっ きょうつう|てん||おんなのこ|||||

すみません

何で 知って ん だ なんで|しって||

僕 も あの 大会 出 て まし た から ぼく|||たいかい|だ||||

松岡 先輩 は 小学校 最後 の 大会 だった ん です よ ね まつおか|せんぱい||しょうがっこう|さいご||たいかい|||||

僕 は 予選 で 落ち ちゃ い まし た けど ぼく||よせん||おち|||||

あの 時 の レース は 本当 に 素晴らしかった です |じ||れーす||ほんとう||すばらしかった|

やっぱり 誰 か 噂 し てる |だれ||うわさ||

待った 怜 ちゃん まった|れい|

何 な ん です か なん||||

僕 も 一緒 に 走って いい ？ ぼく||いっしょ||はしって|

つい て こ ら れる なら どうぞ

うん

懐かしい なぁ なつかしい|

小学校 の 時 も こんな ふう に ハル ちゃん と スイミング クラブ まで 走った ん だ しょうがっこう||じ|||||はる|||すいみんぐ|くらぶ||はしった||

ハル ちゃん も 「 俺 に つい て こ ら れる なら 」 と か クール に 言って さ はる|||おれ||||||||||||いって|

誰 です か ハル ちゃん って だれ|||はる||

あ そっち

用件 は 何 な ん です か ようけん||なん||||

何 って 言 わ れる と ま 水泳 部 に 入って 欲しい な あって こと な ん だ けど なん||げん|||||すいえい|ぶ||はいって|ほしい|||||||

合同 練習 まで に 後 一 人 どうして も 部員 が 欲しい ん だ ごうどう|れんしゅう|||あと|ひと|じん|||ぶいん||ほしい||

何で そんなに 僕 に 拘る ん です か なんで||ぼく||こだわる|||

男 な のに 女の子 み たい な 名前 だ から ？ おとこ|||おんなのこ||||なまえ||

そんな 理由 です か |りゆう||

でも やっぱり 一 番 の 理由 は 綺麗 だった から かな ||ひと|ばん||りゆう||きれい|||

棒高跳び 怜 ちゃん が 跳 ん でる とこ す っ ごく 綺麗 だった ん だ よ ね ぼうたかとび|れい|||と|||||||きれい|||||

そんな もの は

僕 は ただ 理論 と 計算 で 跳 ん でる だけ だ ぼく|||りろん||けいさん||と||||

でも そういう の を 誰 に でも できる こと じゃ ない よ ||||だれ|||||||

僕 な ん か すごい 苦手 だ し さ ぼく|||||にがて|||

だから さ 水泳 も 理論 と 計算 で かっこよく 泳 い で み て ほしい ん だ ||すいえい||りろん||けいさん|||えい|||||||

無理 です むり|

水 の 中 を 手足 を ば たつ か せ ながら 進み すい||なか||てあし|||||||すすみ

酸素 を 吸 お う と 必死 に もが い て 水面 から 顔 を 出す さんそ||す||||ひっし|||||すいめん||かお||だす

そんな 姿 が 美しい わけ が ない |すがた||うつくしい|||

そう かな

でも ハル ちゃん の 泳ぎ は 綺麗 だ よ |はる|||およぎ||きれい||

また 「 ハル ちゃん 」 です か |はる|||

待って よ まって|

何 やって ん だ なん|||

ハル ちゃん マコ ちゃん はる|||

あ 怜 ちゃん |れい|

あなた が 「 ハル ちゃん 」 さん です ね ||はる||||

ちゃん 付け の 上 に さん 付け は やめろ う |つけ||うえ|||つけ|||

どう か し た の

仮 入部 で よけ れ ば その 合同 練習 に 行って あげ でも いい です かり|にゅうぶ||||||ごうどう|れんしゅう||おこなって||||

え 本当 ？ |ほんとう

ただし 条件 が あり ます |じょうけん|||

僕 は 泳ぎ ませ ん ぼく||およぎ||

やっぱり 屋内 いい なぁ |おくない||

さすが 強豪 校 |きょうごう|こう

でも 負け て ない |まけ||

何 か 泳ぐ の 久しぶり だ ね なん||およぐ||ひさしぶり||

や ー よく 来 て くれ た ね |-||らい||||

よろしく お 願い し ます ||ねがい||

ああ キミ 七瀬 君 だ ろ う |きみ|ななせ|きみ|||

小学校 時代 県 の 大会 で 何 度 か 優勝 し てるよ ね しょうがっこう|じだい|けん||たいかい||なん|たび||ゆうしょう|||

まあ

噂 は よく 聞 い て い た よ うわさ|||き|||||

先輩 どう し た ん です か せんぱい||||||

覚え て ない かも し れ ない けど おぼえ|||||||

別に べつに

キミ が 優勝 し た 岩 鳶 地区 大会 じゃ 俺 は 準 優勝 だった ん だ きみ||ゆうしょう|||いわ|とび|ちく|たいかい||おれ||じゅん|ゆうしょう|||

50 メートル の ターン の 時 に 抜 か さ れ た の を 今 でも 覚え てる よ めーとる||たーん||じ||ぬき|||||||いま||おぼえ||

お 兄ちゃん |にいちゃん

ゴウ 何 余計 な こと やって ん だ |なん|よけい|||||

凛 ちゃん また 一緒 に 泳げ る ね りん|||いっしょ||およげ||

今日 は よろしく ね きょう|||

一緒 に ？ いっしょ|

お前 達 じゃ 相手 に なん ねぇ おまえ|さとる||あいて|||

お 兄ちゃん |にいちゃん

何 な ん です か あれ なん|||||

ま ぁ いろいろ あって ね

今日 の ところ は うち の 一 年 と 一緒 に 練習 し て もら お う と 思う きょう||||||ひと|とし||いっしょ||れんしゅう|||||||おもう

よし それ じゃ 一 本 ずつ の タイム トライアル から はじめよ う か |||ひと|ほん|||たいむ|||||

そこ の キミ 早く 水着 に 着替え て ||きみ|はやく|みずぎ||きがえ|

いや 僕 は … |ぼく|

すみません 彼 水着 忘れ ちゃ った み たい で |かれ|みずぎ|わすれ|||||

一体 何 し に 来 た ん だ いったい|なん|||らい|||

うち に ある 予備 の 水着 を 貸す から 早く 着替え て 来い |||よび||みずぎ||かす||はやく|きがえ||こい

おい 似鳥 |にたどり

はい

こっち です

いえ 僕 は … |ぼく|

早く し て ください また 怒 ら れ ます よ はやく|||||いか||||

ちょ っ 泳 が ない ||えい||

泳 が ない って 約束 だった はず じゃ ない です か えい||||やくそく||||||

大丈夫 タイム トライアル って 言って も 練習 だ し だいじょうぶ|たいむ|||いって||れんしゅう||

位置 に つい て いち|||

ちょっと くらい 遅く て も 平気 だ から ||おそく|||へいき||

だから そういう 問題 じゃ なく て ||もんだい|||

あっ マコ ちゃん 泳ぐ よ |||およぐ|

用意 ようい

聞 い てる ん です か き|||||

やっぱり 気 に なる ん だ |き||||

次 僕 だ ね つぎ|ぼく||

用意 ようい

どんどん 行く ぞ 次 準備 し とけ よ |いく||つぎ|じゅんび|||

次 竜ヶ崎 君 の 番 だ よ つぎ|りゅうがさき|きみ||ばん||

だから 僕 は … |ぼく|

おい 次 早く スタート 台 に 行け |つぎ|はやく|すたーと|だい||いけ

次 の 人 早く お 願い し ます つぎ||じん|はやく||ねがい||

ま ぁ ここ まで き たら さ

分かり まし た よ わかり|||

水 を なめる な よ すい||||

なめ て ませ ん な め|||

問題 ない もんだい|

水面 から スタート 台 まで の 高 さ 約 ５０ センチ すいめん||すたーと|だい|||たか||やく|せんち

加速 を V 水面 へ の 入 射 角 θ かそく||v|すいめん|||はい|い|かど|

水 の 粘 性 抵抗 を R と し た 場合 すい||ねば|せい|ていこう||r||||ばあい

計算 に よって 求め ら れる スタート 台 おける 強 さ と けいさん|||もとめ|||すたーと|だい||つよ||

位置 に つい て いち|||

綺麗 な フォーム だ きれい||ふぉーむ|

用意 ようい

腕 の 角度 は … うで||かくど|

あ あれ う 浮 い て こ ない ね |||うか|||||

ちょっと ヤバイ ん じゃ

大丈夫 か だいじょうぶ|

よかった

って いう か 怜 ちゃん 泳げ なかった の か |||れい||およげ|||

そう だ よ 悪い です か だ から 僕 は 泳 が ない って 言った ん だ |||わるい|||||ぼく||えい||||いった||

それ なら 最初 に 言って くれ れ ば よかった の に ||さいしょ||いって||||||

言え る わけない でしょ う いえ||||

金槌 だ なんて 僕 の 美 意識 に 反 する かなづち|||ぼく||び|いしき||はん|

怜 ちゃん れい|

鮫 柄 に は 俺 の ほう から うまく 言って おく から さめ|え|||おれ|||||いって||

無理 言って 悪かった な むり|いって|わるかった|

あ ハル が 泳ぐ よ |はる||およぐ|

位置 に つい て いち|||

用意 ようい

やっぱり 綺麗 だ ね |きれい||

どう か し た

いえ なん と いう か

ね だ から 言った でしょ う ハル ちゃん の 泳ぎ すごい って |||いった|||はる|||およぎ||

理論 じゃ ない りろん||

計算 で も ない けいさん|||

力強い 何 か ちからづよい|なん|

僕 に は ない ぼく|||

何 か なん|

僕 も … ぼく|

僕 も … ぼく|

あんな ふう に

まだ 諦め ない の か |あきらめ|||

もちろん

でも 何 か 怜 ちゃん … |なん||れい|

竜ヶ崎 りゅうがさき

はい

すっきり し た 顔 し てるよ ね |||かお|||

理論 じゃ ない 計算 じゃ ない りろん|||けいさん||

もっと 自由 に |じゆう|

落ち た おち|

こっち に 来る よ ||くる|

僕 も 七瀬 先輩 み たい に なり たい ぼく||ななせ|せんぱい|||||

どういう 意味 |いみ

あんな ふう に 自由 に |||じゆう|

自由 じゃ ない じゆう||

フリー

フ フリー ？

と とにかく 正式 に 水泳 部 に ||せいしき||すいえい|ぶ|

入れ て ください いれ||

本当 に ほんとう|

泳ぎ たい やつ は 泳げ ば いい およぎ||||およげ||

じゃ 決まり だ ね |きまり||

ハル ちゃん はる|

でも 一 番 最初 に 僕 を 誘った の は キミ な ん です から |ひと|ばん|さいしょ||ぼく||さそった|||きみ||||

ちゃんと 責任 取って ください よ |せきにん|とって||

渚 君 なぎさ|きみ

うん 任せ と い て |まかせ|||

ちょ っ 重い です ||おもい|

ね ね 怜 ちゃん は 何で 泳げ ない の か な ||れい|||なんで|およげ||||

愚問 です そもそも 流体 力学 的 に 人間 の 体 は … ぐもん|||りゅうたい|りきがく|てき||にんげん||からだ|

そういう 難しい 話 は 置 い と い て |むずかしい|はなし||お||||

俺 が 教え て やる つい て 来い おれ||おしえ|||||こい

ハル ちゃん やる 気 満々 だ はる|||き|まんまん|

彫刻 刀 の 持ち 方 は こう だ ちょうこく|かたな||もち|かた|||

岩 鳶 ちゃん の 彫り 方 だ いわ|とび|||ほり|かた|

まだ その ネタ 引っ張る ん です か ||ねた|ひっぱる|||

次回 囚 われ の バタフライ ！ じかい|しゅう|||ばたふらい

任せ て ください まかせ||

理論 は 来週 まで に 全て 頭 に 叩き込 ん で おき ます から りろん||らいしゅう|||すべて|あたま||たたきこ|||||