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ブギーポップは笑わない, Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 6

Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 6

♪ ~

~ ♪

( スプー キー E ) うーん … つまり こう いう こと か ?

今 は 目的 行動 中 で は ない から 特に 報告 す べき こと で は ない と

( スプー キー E ) ただ 男 と 密 会 する だけ だ と …

フン いい ご 身分 だ な カミール

で セックス は し てる の か ?

( 綺 ( あや ) ) いいえ まだ です

さっさと やら せ て しまえ

( 綺 ) はい

まあ そっち の 任務 の ほう は 急が ない が ―

もう 1 つ の ほう は どう だ ?

何 か 手がかり は つか め た か ?

いえ それ が まだ … う っ …

分かって いる の か 出来 損ない

代わり は いくら でも いる ん だ

統 和 ( と うわ ) 機構 と ―

何より この 俺 様 の 役 に 立た ない と なれ ば ―

すぐ に でも 処分 できる ん だ ぞ

わ 分かって … い ます スプー キー E

だったら 早く 捜せ

ヤツ は この 辺り に いる はず な ん だ

どう いう わけ か 若い 女 ども が ウワサ し て いる

何 か ある はず だ

それ を 調べる の が お前 の 仕事 だ 分かった か !

了解 … し て い ます

( 正樹 ( まさき ) ) おい 何 し てる ! ( スプー キー E ) ん ?

( 正樹 ) 織機 ( おり は た ) を 放せ !

( 綺 ) ダ … ダメ !

なかなか やる な 色 男

やめ て 正樹 を 傷つけ ない で

うる せ え

それ より こいつ は 格闘技 でも やって る の か ?

それとも MPLS な の か ?

正樹 は 統 和 機構 の 敵 で は あり ませ ん

普通 の 人 間 です !

そう か MPLS なら ば 用 心 する ところ だ が ―

普通 人 なら ―

我 が スプー キー ・ エレクトリック の 能力 を 見せ て やろ う

な 何 な ん だ ? こいつ …

正樹 逃げ て !

どう だ ? 少し は 思い知った か … う っ …

残念 だった な

人間 相手 なら 効き目 は あって も この 俺 に は ムダ

( 正樹 ) う っ ぐ っ … ぐ ああ ああ あっ …

織 … 機 ?

そう 私 よ 具合 は どう ?

( 正樹 ) え ?

あれ ? 僕 は どう し て こんな 所 に 寝 て いた ん だ ?

きっと 日射 病 か 何 か だ と 思う

ホント ? 全然 覚え て ない ん だ けど …

( 綺 ) ごめんなさい 私 の せい ね 私 が …

そ そんな こと ない よ

あっ それ より 今日 は お 祝い だった よね

何 か 僕 に し て ほしい こと ない ?

し て … ほしい こと ?

ああ 何でも する から 遠慮 し ない で いい よ

( スプー キー E ) それ を 調べる の が お前 の 仕事 だ 分かった か !

( 綺 ) それ じゃ 1 つ 頼ま れ て くれる ?

うん いい けど 何 ?

( 綺 ) 正樹 は この 辺 の 女の子 と 親しい の よ ね ?

え ? え ~ と それ は …

彼女 たち から 聞い た こ と ない かしら ?

正体 不明 の 謎 の 死 神 の ウワサ を

死 神 ?

( 綺 ) ええ 女の子 なら 誰 も が 聞い た こと が ある その 名前 を …

ブギー ポップ の こと を

( 末 真 ( す えま ) ) と いう わけ よ 分かった ?

( 藤 花 ( とうか ) ) う ~ ん X が 虚 数 の とき NY の 変 域 が …

あ ~ ダメ だ わ 末 真 分か ん ない

( 末 真 ) ダメ よ ちゃん と 理解 し ない と

( 藤 花 ) う ~ ん

( 末 真 ) 不思議 な 絵 ( 藤 花 ) ん ? うん …

妙 な 絵 よ ね

( 末 真 ) うん 正直 や な 感じ が する 私 に は

( 藤 花 ) 好み じゃ ない って こと ?

( 末 真 ) う うん たぶん この 絵 の 作者 が ―

私 の よう な 人間 を 嫌って いる ん だ と 思う

私 変 かな ?

( 藤 花 ) 別 に いい ん じゃ ない ? 末 真 らしい よ

( ドア の 開く 音 ) ( 琴 絵 ( こと え ) ) あの …

あなた 末 真 和子 ( かず こ ) さん ?

( 末 真 ) そう だ けど … あなた は ?

( 琴 絵 ) 私 衣川 ( きぬ かわ ) 琴 絵 あなた に 会い たかった の

( 末 真 ) えっ ? ( 琴 絵 ) 木下 ( き の した ) さん から 聞い て

木下 って 京子 ( きょうこ ) の こと ?

うん 彼女 が 言って た の “ 末 真 は 頼り に なる ” って

いや あの さ …

お 願い 仁 ( じん ) 兄さん を 助け て

( 末 真 ) まるで 4 月 に 雪 が 降る か の よう に ―

それ は 突然 舞い込 ん で き た

( 末 真 ) だ 誰 で すって ?

あ あれ ?

( ブギー ポップ ) どうぞ 衣川 さん

( 琴 絵 ) あ … どう も

( ブギー ポップ ) 彼女 に 相談 事 かな ?

( 琴 絵 ) あ はい あの すみません けど …

( ブギー ポップ ) ああ 分かった 邪魔者 は 消える よ

ちょ ちょっと 藤 花

( ブギー ポップ ) 衣川 さん は 君 に 助け を 求め て いる ん だ

話 だけ でも 聞い て やる と いい

それ じゃ

ハァ … 分かった そう する わ

京子 の 知り合い なら む げ に は でき ない し ね

( 末 真 ) 飛鳥井 ( あす かい ) 仁 って この 絵 の ?

( 琴 絵 ) うん ここ の 講師 で 私 の いとこ

まあ 親 同士 は あんまり 仲よく ない ん だ けど

( 末 真 ) ふう ん … で その 人 が どう し た の ?

ねえ 末 真 さん は 詳しい ん でしょ う ?

その … 人 が 急に おかしく なったり する って いう か

そう いう のに

“ そう いう の ” ね

で いとこ の 仁 兄 さん が どう し た の ?

( 琴 絵 ) 何て いう の か 悩ま なく なった って いう か …

( 末 真 ) 悩ま なく なった ?

( 琴 絵 ) うん 根 は 優しい 人 だ から もう 悩 ん で ばかり だった の

これ 言って いい の か どう か 分から ない けど …

たった 1 人 の 家族 だった お 父さん が おかしな 死に 方 を し て …

( 末 真 ) どんな ?

( 琴 絵 ) それ は …

( 末 真 ) いい わ じゃあ 他 に 気 に なる ところ と か ある ?

( 琴 絵 ) あと は 最近 外泊 が 多く なったり …

( 末 真 ) 外泊 ?

( 琴 絵 ) ええ 理由 を 聞い て も ―

“ 友達 の 所 に 泊まった ” ぐらい しか 言って くれ なく て …

( 末 真 ) でも 若い 男 の 人 なら いろいろ と さ

( 琴 絵 ) 私 も そう 思った けど 朝 帰り の とき に ―

服 に 黒っぽい 染み を 見つけ た こと が あって …

( 末 真 ) 染み ?

ええ 血痕 みたい な …

あ …

( 琴 絵 ) でも 仁 兄 さん に は 傷 ひと つ なく て …

警察 に 相談 し たい けど 大 ごと に なっちゃ い そう だ し

末 真 さん ?

あっ うん 聞い てる

( 末 真 ) 私 は 過去 を 背負って ずっと ある こと を 渇望 し て い た

( 琴 絵 ) もう 私 どう し て いい か 分から なく て …

( 末 真 ) あ あの さ

衣川 さん それ 私 に 任せ て くれ ない ?

( 末 真 ) それ は 私 自身 が じかに 闇 と 対決 する こと

普通 の 青年 が 夜 ごと 街 を うろつ い て ―

返り血 を 浴び て 帰って き た って わけ ?

それ じゃ まるで 吸 血 鬼 みたい じゃ ない

とにかく 何でも いい から 手がかり を 見つけ ない と

え ?

( 末 真 ) この 人 確か 自殺 し た … 水 乃 星 ( みな ほし ) 透 子 ( すいこ )

どう し て 飛鳥井 仁 が 彼女 の 絵 を ?

( 足音 ) ( 末 真 ) あっ

( 美咲 ( みさき ) ) で も 飛鳥井 先生 ホント に 私 たち は 友達 な ん です

憎しみ 合って なんか い ませ ん そう でしょ ? 由利子 ( ゆ りこ )

( 由利子 ) え … ええ

( 飛鳥井 ) 別 に 君 たち が 特別 に そう だ と 言って る わけ じゃ ない

( 飛鳥井 ) ほとんど 全て の 人 間 は 憎しみ 合って い て ―

それ は 君 ら も 例外 じゃ ない と いう こと だ

( 美咲 ) で も そんな …

どう し た ?

あの … 本当 に する ん です か ?

( 飛鳥井 ) 他 の みんな は し て いる

なり たく ない の か ね ? だったら 無理 に は 勧め ない が

( 由利子 ) いいえ やり ます ( 美咲 ) ゆ 由利子 …

( 由利子 ) やって もらい ま しょ うよ

私 このまま ただ の 受験 生 で い たく ない わ

どう する ? これ は 君 ら の 自由 意志 だ

は はっきり 命令 し て くれ ませ ん か ?

そう すれ ば 私 …

ダメ だ イマジ ネーター に 強制 は ない ん だ

( 末 真 ) “ イマジ ネーター ” って …

( 飛鳥井 ) 影響 する 側 に 立つ か ―

ただ 世界 に 流さ れる だけ か 2 つ に 1 つ な ん だ

( 由利子 ) 私 だけ でも お 願い し ます 先生

それ に は 北原 ( きた はら ) 君 以外 の パートナー が 必要 に なる が …

( 由利子 ) 探し ます

( 美咲 ) 分かった わ よ やり ます し て ください 先生

( 飛鳥井 ) よろしい

君 たち の 意志 を 尊重 しよ う じゃ ない か

( ドア の 閉まる 音 )

( 末 真 ) 何 ? 何 が 始まる の ?

あ …

( 末 真 ) 目 の 前 の 出来事 が 何 な の か は ―

私 の 理解 を 超え て い た

でも 3 人 が 部屋 を 出 て いった とき ―

少女 たち が つぶや い た 言葉 だけ は はっきり と 耳 に 残った

( 美咲 ) 先生 もう 私 たち は 何 も 怖く ない わ

( 由利子 ) ええ 今 すぐ に でも 先生 の ため に ―

世界 を 変え て しま える 気 が する

( 藤 花 ) う ~ ん どう する ? 末 真

( 末 真 ) そ っか 休み 明け だ もん ね

( 藤 花 ) うん 新入 生 の 制服 合わせ と か 事前 説明 会 と か ―

そう いう の だ ね きっと

とにかく 自殺 し た 子 の こと 調べる って ムード じゃ ない よ ね

出直す ? 私 は どっち で も いい けど … あっ

う わ ~

( 末 真 ) どう し た の ? ( 藤 花 ) 委員 長 が いる

えっ ? 新 刻 ( に い とき ) さん が どう かし た ?

いや ちょっと いろいろ あって さ

いろいろ ?

ごめん 私 やっぱり 帰る わ

ちょ ちょっと …

もう …

( 敬 ( けい ) ) おはよう 末 真 さん ( 末 真 ) え ?

ああ おはよう

( 敬 ) 今日 は どう し た の ?

( 末 真 ) あ ああ まあ ちょっと ね 新 刻 さん の ほう こそ …

ねえ 一緒に い た の 宮下 ( みや した ) さん でしょ ?

え ? え ええ …

私 を 避け た ん でしょ あの 人

藤 花 と 仲 悪い の ?

ああ いや そう じゃ ない の よ

まあ いろいろ と ね

もし かして 男の子 絡み ?

さすが 鋭い ね

そう 私 あの 子 の 彼 に フラ れ た の

彼 って デザイナー 志望 の ?

そう それ それ 私 は もう 完全 に 諦め た わ

なら 藤 花 も 気 に し なきゃ いい のに ね

それ だけ なら ね

他 に も ある の ?

あの 子 の 正体 知って る の よ ね 私

( 末 真 ) えっ ? ( 敬 ) あら ?

( 末 真 ) えっ ? ( 敬 ) あら ?

( チャイム )

( チャイム )

( チャイム )

( 敬 ) あなた たち 新入 生 でしょ ? もう 始まる から 急 い で

( 敬 ) あなた たち 新入 生 でしょ ? もう 始まる から 急 い で

( 女子 生徒 ) 行き ま しょ う 安 能 ( あの う ) 君

( 安 能 ) い いや なんか その …

なんで 僕 ここ に いる の か な ? と か 思っちゃ っ て …

何 言って る の ? 早く し ない と 遅刻 よ

( 安 能 ) なんだか ここ に 来る ため に その 代わり に ―

すごく 大切 な もの を 何 か なくし て しまった よう な

そんな 気 が し て …

ねえ 彼 大丈夫 ?

安 能 君 ちょっと 去年 いろいろ あって …

( 安 能 ) 何も なく し て なんか ない …

はず な ん だ けど

とても 大切 な もの だった 気 が し て …

何 な の ? どう し た って いう の ?

しっかり し て 安 能 君 !

え ? あれ ? なんで 泣く ん だ ろ う 僕

一応 保健 室 を 案内 する から あなた も 一緒に 来 て くれる ?

あ はい

と いう わけ で 末 真 さん ごめん ね また

あ うん 私 も 用事 が ある から

( 末 真 ) 思春期 は 多感 だ

とても もろく て とても 危うい

だから って 私 は ―

異常 心理 だ と か そう いう 本 を たくさん 読 ん だ けど ―

正直 自殺 者 の 心理 と いう の は まるっきり 分から なかった

水 乃 星 透 子 は どう だった の だ ろ う ?

本気 だった の か それとも …

あっ

( 末 真 ) あの …

何 です か ?

いや 勘違い だったら バカ みたい な ん だ けど さ

飛び降りる ん なら やめ た ほう が いい ん じゃ ない か な

そこ は 前 も あった し

いや あの … “ 生き て い れ ば いい こと が ある ” なんて ―

そんな 簡単 な 話 じゃ ない の は 分かって る の よ

でも さ 何と いう か たぶん あなた が 死 ん で も ―

あなた が 嫌 だ と 思う こと は 世界 から 絶対 に なくな ん ない し さ

つまり 何て いう の か な …

ムダ よ 死 ん で も

それ だけ は 言 える から

( 綺 ) ムダ … です か ( 末 真 ) ええ

でも 私 は 死 ん で しまい たい

( 末 真 ) 本気 ?

そう

でも 今 は もう 無理 よ 私 が 見 ちゃ った から ね

すみません 末 真 さん

え ? あなた 私 を 知って る の ?

( 綺 ) ええ 知り合い に ここ の 先輩 が い て ―

その 人 から 聞い て い て

そう な ん だ

まあ どんな 話 か は 大体 想像 つく けど

( 綺 ) すみません

別に 謝る こと じゃ ない から

( 綺 ) あの …

末 真 先輩

何 ?

先輩 は ブギー ポップ って どう 思い ます か ?

え ? どう 思う って 言わ れ て も …

( 正樹 ) ブギー ポップ ?

聞い た こ と ない けど 何 だい それ は ?

( 綺 ) 死 神 と か 言わ れ てる わ

死 神 …

ええ ブギー ポップ は 人 が その 生涯 で 一 番 美しい とき に ―

それ 以上 醜く なら ない よう に 殺す と いう ―

そう いう 存在 な の

は あ ? それ が どう し たんだい ?

( 末 真 ) う ~ ん 気 を 悪く し ない で ほしい ん だ けど ―

私 ああ いう ウワサ って の は あんまり …

( 綺 ) 信じ て い ない ん です か ?

うん どちら か と いう と ―

犯罪 心理 と か 現実 的 な ほう に 興味 が ある から ―

そう いう の ピンと こ なく て

そう です か

まあ でも ね 何と いう の か な

ああ いった 死 神 み たい な イメージ って よく ある の よ

いわゆる 思春期 って やつ に は

自分 が 不安定 だ から ―

何もかも 壊れ て なく なって しまえ って 気持ち が ね

正樹 あなた ブギー ポップ に なって み ない ?

えっ ? 俺 が ?

ええ あなた なら できる と 思う の

は あ ?

大人 は 無責任 に ―

“ そう いう の は 一 時期 だけ で すぐ に 終わる ” と か 言う けど ―

そう 簡単 に は いか ない の よ ね やっぱり

だから いる の よ ブギー ポップ が

え ?

( 末 真 ) その ため に いる ん だ と 思う

落ち着か ない 心 を ―

落ち着か ない まま 守って くれる ため に ね

守って くれる ん です か ?

うん そう いう もの だ と 思う 私 は

待って くれよ 急に そんな 死 神 だ なんて

( 綺 ) 大丈夫 死 神 と いう の は あくまで ウワサ よ

実際 は 人助け と いう か ―

そう いう こと の ほう が 多い って 聞い た わ

人助け って 何 を する ん だい ?

( 綺 ) 何でも ( 正樹 ) 何でも って …

あなた は 強い わ 正樹

あなた なら ブギー ポップ に な れる

( 正樹 ) あ …

( 綺 ) で も それ が 何 で あれ きっと 私 を 守って は くれ ない

( 末 真 ) あ …

( 綺 ) 先輩 聞い て くれ ます か ?

うん

( 綺 ) 男の子 が 私 を 好き みたい な ん です

でも 私 は その …

ダメ な ん です でき ない ん です そう いう の は

( 末 真 ) うん

( 綺 ) 彼 に 悪く って …

本当 は 彼 の ため なら 何でも し て あげ たい ん です けど

何にも し て あげ られる こと が なく て

逆 に 彼 を ひどい 目 に ばかり 遭わ せ ちゃ って

あ …

ごめんなさい

どう かし て た

私 あなた に こんな こと 頼 め る 立場 じゃ なかった のに

ごめんなさい 正樹

本当 に ごめんなさい ムチャクチャ 言って

僕 が その … ブギー 何とか に なる と 君 は 楽しく なる の かい ?

( 綺 ) え ? ( 正樹 ) いい よ やる よ

どう いう もの か よく 分から ない けど ―

僕 に できる こと なら

本当 に ?

うん 友達 だ ろ ?

ごめんなさい 正樹

どう しよ う

私 このまま じゃ 彼 に 嫌わ れ て しまう

だから 死 ん で しまい たい の ?

( 綺 ) 誰 に も 嫌わ れ ちゃ いけ ない ん です

それ が 私 が い て も いい 理由 な ん です

( 末 真 ) それ は 無理 ね ( 綺 ) え ?

誰 に も 嫌わ れ ない で 生きる なんて 絶対 に でき ない わ

( 綺 ) あ …

だって 生きる って こと は 他 の 人 と 触れ合う って こと よ

だから 相手 を 傷つけ て しまう とき は 必ず 来る の

で でも …

もう 既に あなた ―

誰 か の 憎しみ を 買って る わ よ 絶対 に

ど どう いう こと です か ?

そう いう もの だ から よ

誰 に も 嫌わ れ ない で 生き て い ける なんて 思って いる 人 は ―

それ 自体 嫌 み だ わ

作家 で 霧 間 ( き り ま ) 誠一 ( せい いち ) って 人 が ね

本 の 中 で こう 言って る の

“ 確か に 何 か が いる ”

“ 人 に かく あら ね ば なら ない と 思い込ま せ て いる 何者 か が ”

“ 人間 の 生涯 に 何らか の 価値 が ある と する なら ば ― ”

“ それ は その 何者 か と 戦う ところ に しか ない ”

“ 自分 の 代わり に 物事 を 考え て くれる ― ”

“ イマジ ネーター と 対決 する NVS ( バーサス ) イマジ ネーター ”

“ それ こそ が 人々 が まず 最初 に ― ”

“ 立た ね ば なら ない 位置 だ ろ う ” って ね

まあ 要するに 人 は ―

自分 で 思って る 以上 に 常識 と いう 鎖 に 縛ら れ て い て ―

それ で 苦し ん で いる って こと かしら

鎖 …

縛ら れ て いる なら ―

抜け出さ なくっちゃ なら ない だ ろ う って ―

そう いう こと よ

あなた に も たぶん ―

“ そう じゃ なきゃ ダメ ” みたい な ルール が ある ん じゃ ない ?

はい

( 末 真 ) こう 言っちゃ 何 だ けど あなた に は たぶん ―

戦う って 発想 が 欠け て いる ん だ と 思う の

それ が なく ちゃ ダメ よ やっぱり

( 綺 ) はい

死ぬ の は その あと でも 遅く ない わ

そう です ね

できる か どう か 分かり ませ ん けど ―

やって み ます

( 綺 ) ありがとう ござい まし た

( 末 真 ) うん それ じゃ 頑張って ね 織機 さん

( 綺 ) はい

( 綺 ) あ あの … 先輩 ( 末 真 ) 何 ?

( 綺 ) もしも 戦う 相手 が ブギー ポップ だった と し て も ―

やっぱり 戦う べき です か ?

“ 何 で あれ ” よ

分かり まし た

♪ ~

~ ♪


Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 6 Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 6

♪ ~

~ ♪

( スプー キー E ) うーん … つまり こう いう こと か ? |きー|||||||

今 は 目的 行動 中 で は ない から 特に 報告 す べき こと で は ない と いま||もくてき|こうどう|なか|||||とくに|ほうこく|||||||

( スプー キー E ) ただ 男 と 密 会 する だけ だ と … |きー|||おとこ||みつ|かい||||

フン いい ご 身分 だ な カミール ふん|||みぶん|||

で セックス は し てる の か ? |せっくす|||||

( 綺 ( あや ) ) いいえ まだ です き||||

さっさと やら せ て しまえ

( 綺 ) はい き|

まあ そっち の 任務 の ほう は 急が ない が ― |||にんむ||||いそが||

もう 1 つ の ほう は どう だ ?

何 か 手がかり は つか め た か ? なん||てがかり|||||

いえ それ が まだ … う っ …

分かって いる の か 出来 損ない わかって||||でき|そこない

代わり は いくら でも いる ん だ かわり||||||

統 和 ( と うわ ) 機構 と ― おさむ|わ|||きこう|

何より この 俺 様 の 役 に 立た ない と なれ ば ― なにより||おれ|さま||やく||たた||||

すぐ に でも 処分 できる ん だ ぞ |||しょぶん||||

わ 分かって … い ます スプー キー E |わかって||||きー|

だったら 早く 捜せ |はやく|さがせ

ヤツ は この 辺り に いる はず な ん だ やつ|||あたり||||||

どう いう わけ か 若い 女 ども が ウワサ し て いる ||||わかい|おんな||||||

何 か ある はず だ なん||||

それ を 調べる の が お前 の 仕事 だ 分かった か ! ||しらべる|||おまえ||しごと||わかった|

了解 … し て い ます りょうかい||||

( 正樹 ( まさき ) ) おい 何 し てる ! ( スプー キー E ) ん ? まさき|||なん||||きー||

( 正樹 ) 織機 ( おり は た ) を 放せ ! まさき|しょっき|||||はなせ

( 綺 ) ダ … ダメ ! き||だめ

なかなか やる な 色 男 |||いろ|おとこ

やめ て 正樹 を 傷つけ ない で ||まさき||きずつけ||

うる せ え

それ より こいつ は 格闘技 でも やって る の か ? ||||かくとうぎ|||||

それとも MPLS な の か ?

正樹 は 統 和 機構 の 敵 で は あり ませ ん まさき||おさむ|わ|きこう||てき|||||

普通 の 人 間 です ! ふつう||じん|あいだ|

そう か MPLS なら ば 用 心 する ところ だ が ― |||||よう|こころ||||

普通 人 なら ― ふつう|じん|

我 が スプー キー ・ エレクトリック の 能力 を 見せ て やろ う われ|||きー|||のうりょく||みせ|||

な 何 な ん だ ? こいつ … |なん||||

正樹 逃げ て ! まさき|にげ|

どう だ ? 少し は 思い知った か … う っ … ||すこし||おもいしった|||

残念 だった な ざんねん||

人間 相手 なら 効き目 は あって も この 俺 に は ムダ にんげん|あいて||ききめ|||||おれ|||むだ

( 正樹 ) う っ ぐ っ … ぐ ああ ああ あっ … まさき||||||||

織 … 機 ? お|き

そう 私 よ 具合 は どう ? |わたくし||ぐあい||

( 正樹 ) え ? まさき|

あれ ? 僕 は どう し て こんな 所 に 寝 て いた ん だ ? |ぼく||||||しょ||ね||||

きっと 日射 病 か 何 か だ と 思う |にっしゃ|びょう||なん||||おもう

ホント ? 全然 覚え て ない ん だ けど … ほんと|ぜんぜん|おぼえ|||||

( 綺 ) ごめんなさい 私 の せい ね 私 が … き||わたくし||||わたくし|

そ そんな こと ない よ

あっ それ より 今日 は お 祝い だった よね |||きょう|||いわい||

何 か 僕 に し て ほしい こと ない ? なん||ぼく||||||

し て … ほしい こと ?

ああ 何でも する から 遠慮 し ない で いい よ |なんでも|||えんりょ|||||

( スプー キー E ) それ を 調べる の が お前 の 仕事 だ 分かった か ! |きー||||しらべる|||おまえ||しごと||わかった|

( 綺 ) それ じゃ 1 つ 頼ま れ て くれる ? き||||たのま|||

うん いい けど 何 ? |||なん

( 綺 ) 正樹 は この 辺 の 女の子 と 親しい の よ ね ? き|まさき|||ほとり||おんなのこ||したしい|||

え ? え ~ と それ は …

彼女 たち から 聞い た こ と ない かしら ? かのじょ|||ききい|||||

正体 不明 の 謎 の 死 神 の ウワサ を しょうたい|ふめい||なぞ||し|かみ|||

死 神 ? し|かみ

( 綺 ) ええ 女の子 なら 誰 も が 聞い た こと が ある その 名前 を … き||おんなのこ||だれ|||ききい||||||なまえ|

ブギー ポップ の こと を |ぽっぷ|||

( 末 真 ( す えま ) ) と いう わけ よ 分かった ? すえ|まこと|||||||わかった

( 藤 花 ( とうか ) ) う ~ ん X が 虚 数 の とき \ NY の 変 域 が … ふじ|か||||||きょ|すう|||||へん|いき|

あ ~ ダメ だ わ 末 真 分か ん ない |だめ|||すえ|まこと|わか||

( 末 真 ) ダメ よ ちゃん と 理解 し ない と すえ|まこと|だめ||||りかい|||

( 藤 花 ) う ~ ん ふじ|か||

( 末 真 ) 不思議 な 絵 ( 藤 花 ) ん ? うん … すえ|まこと|ふしぎ||え|ふじ|か||

妙 な 絵 よ ね たえ||え||

( 末 真 ) うん 正直 や な 感じ が する 私 に は すえ|まこと||しょうじき|||かんじ|||わたくし||

( 藤 花 ) 好み じゃ ない って こと ? ふじ|か|よしみ||||

( 末 真 ) う うん たぶん この 絵 の 作者 が ― すえ|まこと|||||え||さくしゃ|

私 の よう な 人間 を 嫌って いる ん だ と 思う わたくし||||にんげん||きらって|||||おもう

私 変 かな ? わたくし|へん|

( 藤 花 ) 別 に いい ん じゃ ない ? 末 真 らしい よ ふじ|か|べつ||||||すえ|まこと||

( ドア の 開く 音 ) ( 琴 絵 ( こと え ) ) あの … どあ||あく|おと|こと|え|||

あなた 末 真 和子 ( かず こ ) さん ? |すえ|まこと|かずこ|||

( 末 真 ) そう だ けど … あなた は ? すえ|まこと|||||

( 琴 絵 ) 私 衣川 ( きぬ かわ ) 琴 絵 あなた に 会い たかった の こと|え|わたくし|きぬかわ|||こと|え|||あい||

( 末 真 ) えっ ? ( 琴 絵 ) 木下 ( き の した ) さん から 聞い て すえ|まこと||こと|え|きした||||||ききい|

木下 って 京子 ( きょうこ ) の こと ? きした||きょうこ|||

うん 彼女 が 言って た の “ 末 真 は 頼り に なる ” って |かのじょ||いって|||すえ|まこと||たより|||

いや あの さ …

お 願い 仁 ( じん ) 兄さん を 助け て |ねがい|しとし||にいさん||たすけ|

( 末 真 ) まるで 4 月 に 雪 が 降る か の よう に ― すえ|まこと||つき||ゆき||ふる||||

それ は 突然 舞い込 ん で き た ||とつぜん|まいこ||||

( 末 真 ) だ 誰 で すって ? すえ|まこと||だれ||

あ あれ ?

( ブギー ポップ ) どうぞ 衣川 さん |ぽっぷ||きぬかわ|

( 琴 絵 ) あ … どう も こと|え|||

( ブギー ポップ ) 彼女 に 相談 事 かな ? |ぽっぷ|かのじょ||そうだん|こと|

( 琴 絵 ) あ はい あの すみません けど … こと|え|||||

( ブギー ポップ ) ああ 分かった 邪魔者 は 消える よ |ぽっぷ||わかった|じゃまもの||きえる|

ちょ ちょっと 藤 花 ||ふじ|か

( ブギー ポップ ) 衣川 さん は 君 に 助け を 求め て いる ん だ |ぽっぷ|きぬかわ|||きみ||たすけ||もとめ||||

話 だけ でも 聞い て やる と いい はなし|||ききい||||

それ じゃ

ハァ … 分かった そう する わ |わかった|||

京子 の 知り合い なら む げ に は でき ない し ね きょうこ||しりあい|||||||||

( 末 真 ) 飛鳥井 ( あす かい ) 仁 って この 絵 の ? すえ|まこと|あすかい|||しとし|||え|

( 琴 絵 ) うん ここ の 講師 で 私 の いとこ こと|え||||こうし||わたくし||

まあ 親 同士 は あんまり 仲よく ない ん だ けど |おや|どうし|||なかよく||||

( 末 真 ) ふう ん … で その 人 が どう し た の ? すえ|まこと|||||じん|||||

ねえ 末 真 さん は 詳しい ん でしょ う ? |すえ|まこと|||くわしい|||

その … 人 が 急に おかしく なったり する って いう か |じん||きゅうに||||||

そう いう のに

“ そう いう の ” ね

で いとこ の 仁 兄 さん が どう し た の ? |||しとし|あに||||||

( 琴 絵 ) 何て いう の か 悩ま なく なった って いう か … こと|え|なんて||||なやま|||||

( 末 真 ) 悩ま なく なった ? すえ|まこと|なやま||

( 琴 絵 ) うん 根 は 優しい 人 だ から もう 悩 ん で ばかり だった の こと|え||ね||やさしい|じん||||なや|||||

これ 言って いい の か どう か 分から ない けど … |いって||||||わから||

たった 1 人 の 家族 だった お 父さん が おかしな 死に 方 を し て … |じん||かぞく|||とうさん|||しに|かた|||

( 末 真 ) どんな ? すえ|まこと|

( 琴 絵 ) それ は … こと|え||

( 末 真 ) いい わ じゃあ 他 に 気 に なる ところ と か ある ? すえ|まこと||||た||き||||||

( 琴 絵 ) あと は 最近 外泊 が 多く なったり … こと|え|||さいきん|がいはく||おおく|

( 末 真 ) 外泊 ? すえ|まこと|がいはく

( 琴 絵 ) ええ 理由 を 聞い て も ― こと|え||りゆう||ききい||

“ 友達 の 所 に 泊まった ” ぐらい しか 言って くれ なく て … ともだち||しょ||とまった|||いって|||

( 末 真 ) でも 若い 男 の 人 なら いろいろ と さ すえ|まこと||わかい|おとこ||じん||||

( 琴 絵 ) 私 も そう 思った けど 朝 帰り の とき に ― こと|え|わたくし|||おもった||あさ|かえり|||

服 に 黒っぽい 染み を 見つけ た こと が あって … ふく||くろっぽい|しみ||みつけ||||

( 末 真 ) 染み ? すえ|まこと|しみ

ええ 血痕 みたい な … |けっこん||

あ …

( 琴 絵 ) でも 仁 兄 さん に は 傷 ひと つ なく て … こと|え||しとし|あに||||きず||||

警察 に 相談 し たい けど 大 ごと に なっちゃ い そう だ し けいさつ||そうだん||||だい|||||||

末 真 さん ? すえ|まこと|

あっ うん 聞い てる ||ききい|

( 末 真 ) 私 は 過去 を 背負って ずっと ある こと を 渇望 し て い た すえ|まこと|わたくし||かこ||せおって|||||かつぼう||||

( 琴 絵 ) もう 私 どう し て いい か 分から なく て … こと|え||わたくし||||||わから||

( 末 真 ) あ あの さ すえ|まこと|||

衣川 さん それ 私 に 任せ て くれ ない ? きぬかわ|||わたくし||まかせ|||

( 末 真 ) それ は 私 自身 が じかに 闇 と 対決 する こと すえ|まこと|||わたくし|じしん|||やみ||たいけつ||

普通 の 青年 が 夜 ごと 街 を うろつ い て ― ふつう||せいねん||よ||がい||||

返り血 を 浴び て 帰って き た って わけ ? かえりち||あび||かえって||||

それ じゃ まるで 吸 血 鬼 みたい じゃ ない |||す|ち|おに|||

とにかく 何でも いい から 手がかり を 見つけ ない と |なんでも|||てがかり||みつけ||

え ?

( 末 真 ) この 人 確か 自殺 し た … 水 乃 星 ( みな ほし ) 透 子 ( すいこ ) すえ|まこと||じん|たしか|じさつ|||すい|の|ほし|||とおる|こ|

どう し て 飛鳥井 仁 が 彼女 の 絵 を ? |||あすかい|しとし||かのじょ||え|

( 足音 ) ( 末 真 ) あっ あしおと|すえ|まこと|

( 美咲 ( みさき ) ) で も 飛鳥井 先生 ホント に 私 たち は 友達 な ん です みさき||||あすかい|せんせい|ほんと||わたくし|||ともだち|||

憎しみ 合って なんか い ませ ん そう でしょ ? 由利子 ( ゆ りこ ) にくしみ|あって|||||||ゆりこ||

( 由利子 ) え … ええ ゆりこ||

( 飛鳥井 ) 別 に 君 たち が 特別 に そう だ と 言って る わけ じゃ ない あすかい|べつ||きみ|||とくべつ|||||いって||||

( 飛鳥井 ) ほとんど 全て の 人 間 は 憎しみ 合って い て ― あすかい||すべて||じん|あいだ||にくしみ|あって||

それ は 君 ら も 例外 じゃ ない と いう こと だ ||きみ|||れいがい||||||

( 美咲 ) で も そんな … みさき|||

どう し た ?

あの … 本当 に する ん です か ? |ほんとう|||||

( 飛鳥井 ) 他 の みんな は し て いる あすかい|た||||||

なり たく ない の か ね ? だったら 無理 に は 勧め ない が |||||||むり|||すすめ||

( 由利子 ) いいえ やり ます ( 美咲 ) ゆ 由利子 … ゆりこ||||みさき||ゆりこ

( 由利子 ) やって もらい ま しょ うよ ゆりこ|||||

私 このまま ただ の 受験 生 で い たく ない わ わたくし||||じゅけん|せい|||||

どう する ? これ は 君 ら の 自由 意志 だ ||||きみ|||じゆう|いし|

は はっきり 命令 し て くれ ませ ん か ? ||めいれい||||||

そう すれ ば 私 … |||わたくし

ダメ だ イマジ ネーター に 強制 は ない ん だ だめ|||||きょうせい||||

( 末 真 ) “ イマジ ネーター ” って … すえ|まこと|||

( 飛鳥井 ) 影響 する 側 に 立つ か ― あすかい|えいきょう||がわ||たつ|

ただ 世界 に 流さ れる だけ か 2 つ に 1 つ な ん だ |せかい||ながさ|||||||||

( 由利子 ) 私 だけ でも お 願い し ます 先生 ゆりこ|わたくし||||ねがい|||せんせい

それ に は 北原 ( きた はら ) 君 以外 の パートナー が 必要 に なる が … |||きたはら|||きみ|いがい||ぱーとなー||ひつよう|||

( 由利子 ) 探し ます ゆりこ|さがし|

( 美咲 ) 分かった わ よ やり ます し て ください 先生 みさき|わかった||||||||せんせい

( 飛鳥井 ) よろしい あすかい|

君 たち の 意志 を 尊重 しよ う じゃ ない か きみ|||いし||そんちょう|||||

( ドア の 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( 末 真 ) 何 ? 何 が 始まる の ? すえ|まこと|なん|なん||はじまる|

あ …

( 末 真 ) 目 の 前 の 出来事 が 何 な の か は ― すえ|まこと|め||ぜん||できごと||なん||||

私 の 理解 を 超え て い た わたくし||りかい||こえ|||

でも 3 人 が 部屋 を 出 て いった とき ― |じん||へや||だ|||

少女 たち が つぶや い た 言葉 だけ は はっきり と 耳 に 残った しょうじょ||||||ことば|||||みみ||のこった

( 美咲 ) 先生 もう 私 たち は 何 も 怖く ない わ みさき|せんせい||わたくし|||なん||こわく||

( 由利子 ) ええ 今 すぐ に でも 先生 の ため に ― ゆりこ||いま||||せんせい|||

世界 を 変え て しま える 気 が する せかい||かえ||||き||

( 藤 花 ) う ~ ん どう する ? 末 真 ふじ|か|||||すえ|まこと

( 末 真 ) そ っか 休み 明け だ もん ね すえ|まこと|||やすみ|あけ|||

( 藤 花 ) うん 新入 生 の 制服 合わせ と か 事前 説明 会 と か ― ふじ|か||しんにゅう|せい||せいふく|あわせ|||じぜん|せつめい|かい||

そう いう の だ ね きっと

とにかく 自殺 し た 子 の こと 調べる って ムード じゃ ない よ ね |じさつ|||こ|||しらべる||むーど||||

出直す ? 私 は どっち で も いい けど … あっ でなおす|わたくし|||||||

う わ ~

( 末 真 ) どう し た の ? ( 藤 花 ) 委員 長 が いる すえ|まこと|||||ふじ|か|いいん|ちょう||

えっ ? 新 刻 ( に い とき ) さん が どう かし た ? |しん|きざ||||||||

いや ちょっと いろいろ あって さ

いろいろ ?

ごめん 私 やっぱり 帰る わ |わたくし||かえる|

ちょ ちょっと …

もう …

( 敬 ( けい ) ) おはよう 末 真 さん ( 末 真 ) え ? たかし|||すえ|まこと||すえ|まこと|

ああ おはよう

( 敬 ) 今日 は どう し た の ? たかし|きょう|||||

( 末 真 ) あ ああ まあ ちょっと ね 新 刻 さん の ほう こそ … すえ|まこと||||||しん|きざ||||

ねえ 一緒に い た の 宮下 ( みや した ) さん でしょ ? |いっしょに||||みやした||||

え ? え ええ …

私 を 避け た ん でしょ あの 人 わたくし||さけ|||||じん

藤 花 と 仲 悪い の ? ふじ|か||なか|わるい|

ああ いや そう じゃ ない の よ

まあ いろいろ と ね

もし かして 男の子 絡み ? ||おとこのこ|からみ

さすが 鋭い ね |するどい|

そう 私 あの 子 の 彼 に フラ れ た の |わたくし||こ||かれ|||||

彼 って デザイナー 志望 の ? かれ||でざいなー|しぼう|

そう それ それ 私 は もう 完全 に 諦め た わ |||わたくし|||かんぜん||あきらめ||

なら 藤 花 も 気 に し なきゃ いい のに ね |ふじ|か||き||||||

それ だけ なら ね

他 に も ある の ? た||||

あの 子 の 正体 知って る の よ ね 私 |こ||しょうたい|しって|||||わたくし

( 末 真 ) えっ ? ( 敬 ) あら ? すえ|まこと||たかし|

( 末 真 ) えっ ? ( 敬 ) あら ? すえ|まこと||たかし|

( チャイム ) ちゃいむ

( チャイム ) ちゃいむ

( チャイム ) ちゃいむ

( 敬 ) あなた たち 新入 生 でしょ ? もう 始まる から 急 い で たかし|||しんにゅう|せい|||はじまる||きゅう||

( 敬 ) あなた たち 新入 生 でしょ ? もう 始まる から 急 い で たかし|||しんにゅう|せい|||はじまる||きゅう||

( 女子 生徒 ) 行き ま しょ う 安 能 ( あの う ) 君 じょし|せいと|いき||||やす|のう|||きみ

( 安 能 ) い いや なんか その … やす|のう||||

なんで 僕 ここ に いる の か な ? と か 思っちゃ っ て … |ぼく|||||||||おもっちゃ||

何 言って る の ? 早く し ない と 遅刻 よ なん|いって|||はやく||||ちこく|

( 安 能 ) なんだか ここ に 来る ため に その 代わり に ― やす|のう||||くる||||かわり|

すごく 大切 な もの を 何 か なくし て しまった よう な |たいせつ||||なん||||||

そんな 気 が し て … |き|||

ねえ 彼 大丈夫 ? |かれ|だいじょうぶ

安 能 君 ちょっと 去年 いろいろ あって … やす|のう|きみ||きょねん||

( 安 能 ) 何も なく し て なんか ない … やす|のう|なにも|||||

はず な ん だ けど

とても 大切 な もの だった 気 が し て … |たいせつ||||き|||

何 な の ? どう し た って いう の ? なん||||||||

しっかり し て 安 能 君 ! |||やす|のう|きみ

え ? あれ ? なんで 泣く ん だ ろ う 僕 |||なく|||||ぼく

一応 保健 室 を 案内 する から あなた も 一緒に 来 て くれる ? いちおう|ほけん|しつ||あんない|||||いっしょに|らい||

あ はい

と いう わけ で 末 真 さん ごめん ね また ||||すえ|まこと||||

あ うん 私 も 用事 が ある から ||わたくし||ようじ|||

( 末 真 ) 思春期 は 多感 だ すえ|まこと|ししゅんき||たかん|

とても もろく て とても 危うい ||||あやうい

だから って 私 は ― ||わたくし|

異常 心理 だ と か そう いう 本 を たくさん 読 ん だ けど ― いじょう|しんり||||||ほん|||よ|||

正直 自殺 者 の 心理 と いう の は まるっきり 分から なかった しょうじき|じさつ|もの||しんり||||||わから|

水 乃 星 透 子 は どう だった の だ ろ う ? すい|の|ほし|とおる|こ|||||||

本気 だった の か それとも … ほんき||||

あっ

( 末 真 ) あの … すえ|まこと|

何 です か ? なん||

いや 勘違い だったら バカ みたい な ん だ けど さ |かんちがい||ばか||||||

飛び降りる ん なら やめ た ほう が いい ん じゃ ない か な とびおりる||||||||||||

そこ は 前 も あった し ||ぜん|||

いや あの … “ 生き て い れ ば いい こと が ある ” なんて ― ||いき|||||||||

そんな 簡単 な 話 じゃ ない の は 分かって る の よ |かんたん||はなし|||||わかって|||

でも さ 何と いう か たぶん あなた が 死 ん で も ― ||なんと||||||し|||

あなた が 嫌 だ と 思う こと は 世界 から 絶対 に なくな ん ない し さ ||いや|||おもう|||せかい||ぜったい||||||

つまり 何て いう の か な … |なんて||||

ムダ よ 死 ん で も むだ||し|||

それ だけ は 言 える から |||げん||

( 綺 ) ムダ … です か ( 末 真 ) ええ き|むだ|||すえ|まこと|

でも 私 は 死 ん で しまい たい |わたくし||し||||

( 末 真 ) 本気 ? すえ|まこと|ほんき

そう

でも 今 は もう 無理 よ 私 が 見 ちゃ った から ね |いま|||むり||わたくし||み||||

すみません 末 真 さん |すえ|まこと|

え ? あなた 私 を 知って る の ? ||わたくし||しって||

( 綺 ) ええ 知り合い に ここ の 先輩 が い て ― き||しりあい||||せんぱい|||

その 人 から 聞い て い て |じん||ききい|||

そう な ん だ

まあ どんな 話 か は 大体 想像 つく けど ||はなし|||だいたい|そうぞう||

( 綺 ) すみません き|

別に 謝る こと じゃ ない から べつに|あやまる||||

( 綺 ) あの … き|

末 真 先輩 すえ|まこと|せんぱい

何 ? なん

先輩 は ブギー ポップ って どう 思い ます か ? せんぱい|||ぽっぷ|||おもい||

え ? どう 思う って 言わ れ て も … ||おもう||いわ|||

( 正樹 ) ブギー ポップ ? まさき||ぽっぷ

聞い た こ と ない けど 何 だい それ は ? ききい||||||なん|||

( 綺 ) 死 神 と か 言わ れ てる わ き|し|かみ|||いわ|||

死 神 … し|かみ

ええ ブギー ポップ は 人 が その 生涯 で 一 番 美しい とき に ― ||ぽっぷ||じん|||しょうがい||ひと|ばん|うつくしい||

それ 以上 醜く なら ない よう に 殺す と いう ― |いじょう|みにくく|||||ころす||

そう いう 存在 な の ||そんざい||

は あ ? それ が どう し たんだい ?

( 末 真 ) う ~ ん 気 を 悪く し ない で ほしい ん だ けど ― すえ|まこと|||き||わるく|||||||

私 ああ いう ウワサ って の は あんまり … わたくし|||||||

( 綺 ) 信じ て い ない ん です か ? き|しんじ||||||

うん どちら か と いう と ―

犯罪 心理 と か 現実 的 な ほう に 興味 が ある から ― はんざい|しんり|||げんじつ|てき||||きょうみ|||

そう いう の ピンと こ なく て |||ぴんと|||

そう です か

まあ でも ね 何と いう の か な |||なんと||||

ああ いった 死 神 み たい な イメージ って よく ある の よ ||し|かみ||||いめーじ|||||

いわゆる 思春期 って やつ に は |ししゅんき||||

自分 が 不安定 だ から ― じぶん||ふあんてい||

何もかも 壊れ て なく なって しまえ って 気持ち が ね なにもかも|こぼれ||||||きもち||

正樹 あなた ブギー ポップ に なって み ない ? まさき|||ぽっぷ||||

えっ ? 俺 が ? |おれ|

ええ あなた なら できる と 思う の |||||おもう|

は あ ?

大人 は 無責任 に ― おとな||むせきにん|

“ そう いう の は 一 時期 だけ で すぐ に 終わる ” と か 言う けど ― ||||ひと|じき|||||おわる|||いう|

そう 簡単 に は いか ない の よ ね やっぱり |かんたん||||||||

だから いる の よ ブギー ポップ が |||||ぽっぷ|

え ?

( 末 真 ) その ため に いる ん だ と 思う すえ|まこと||||||||おもう

落ち着か ない 心 を ― おちつか||こころ|

落ち着か ない まま 守って くれる ため に ね おちつか|||まもって||||

守って くれる ん です か ? まもって||||

うん そう いう もの だ と 思う 私 は ||||||おもう|わたくし|

待って くれよ 急に そんな 死 神 だ なんて まって||きゅうに||し|かみ||

( 綺 ) 大丈夫 死 神 と いう の は あくまで ウワサ よ き|だいじょうぶ|し|かみ|||||||

実際 は 人助け と いう か ― じっさい||ひとだすけ|||

そう いう こと の ほう が 多い って 聞い た わ ||||||おおい||ききい||

人助け って 何 を する ん だい ? ひとだすけ||なん||||

( 綺 ) 何でも ( 正樹 ) 何でも って … き|なんでも|まさき|なんでも|

あなた は 強い わ 正樹 ||つよい||まさき

あなた なら ブギー ポップ に な れる |||ぽっぷ|||

( 正樹 ) あ … まさき|

( 綺 ) で も それ が 何 で あれ きっと 私 を 守って は くれ ない き|||||なん||||わたくし||まもって|||

( 末 真 ) あ … すえ|まこと|

( 綺 ) 先輩 聞い て くれ ます か ? き|せんぱい|ききい||||

うん

( 綺 ) 男の子 が 私 を 好き みたい な ん です き|おとこのこ||わたくし||すき||||

でも 私 は その … |わたくし||

ダメ な ん です でき ない ん です そう いう の は だめ|||||||||||

( 末 真 ) うん すえ|まこと|

( 綺 ) 彼 に 悪く って … き|かれ||わるく|

本当 は 彼 の ため なら 何でも し て あげ たい ん です けど ほんとう||かれ||||なんでも|||||||

何にも し て あげ られる こと が なく て なんにも||||||||

逆 に 彼 を ひどい 目 に ばかり 遭わ せ ちゃ って ぎゃく||かれ|||め|||あわ|||

あ …

ごめんなさい

どう かし て た

私 あなた に こんな こと 頼 め る 立場 じゃ なかった のに わたくし|||||たの|||たちば|||

ごめんなさい 正樹 |まさき

本当 に ごめんなさい ムチャクチャ 言って ほんとう||||いって

僕 が その … ブギー 何とか に なる と 君 は 楽しく なる の かい ? ぼく||||なんとか||||きみ||たのしく|||

( 綺 ) え ? ( 正樹 ) いい よ やる よ き||まさき||||

どう いう もの か よく 分から ない けど ― |||||わから||

僕 に できる こと なら ぼく||||

本当 に ? ほんとう|

うん 友達 だ ろ ? |ともだち||

ごめんなさい 正樹 |まさき

どう しよ う

私 このまま じゃ 彼 に 嫌わ れ て しまう わたくし|||かれ||きらわ|||

だから 死 ん で しまい たい の ? |し|||||

( 綺 ) 誰 に も 嫌わ れ ちゃ いけ ない ん です き|だれ|||きらわ||||||

それ が 私 が い て も いい 理由 な ん です ||わたくし||||||りゆう|||

( 末 真 ) それ は 無理 ね ( 綺 ) え ? すえ|まこと|||むり||き|

誰 に も 嫌わ れ ない で 生きる なんて 絶対 に でき ない わ だれ|||きらわ||||いきる||ぜったい||||

( 綺 ) あ … き|

だって 生きる って こと は 他 の 人 と 触れ合う って こと よ |いきる||||た||じん||ふれあう|||

だから 相手 を 傷つけ て しまう とき は 必ず 来る の |あいて||きずつけ|||||かならず|くる|

で でも …

もう 既に あなた ― |すでに|

誰 か の 憎しみ を 買って る わ よ 絶対 に だれ|||にくしみ||かって||||ぜったい|

ど どう いう こと です か ?

そう いう もの だ から よ

誰 に も 嫌わ れ ない で 生き て い ける なんて 思って いる 人 は ― だれ|||きらわ||||いき|||||おもって||じん|

それ 自体 嫌 み だ わ |じたい|いや|||

作家 で 霧 間 ( き り ま ) 誠一 ( せい いち ) って 人 が ね さっか||きり|あいだ||||せいいち||||じん||

本 の 中 で こう 言って る の ほん||なか|||いって||

“ 確か に 何 か が いる ” たしか||なん|||

“ 人 に かく あら ね ば なら ない と 思い込ま せ て いる 何者 か が ” じん|||||||||おもいこま||||なにもの||

“ 人間 の 生涯 に 何らか の 価値 が ある と する なら ば ― ” にんげん||しょうがい||なんらか||かち||||||

“ それ は その 何者 か と 戦う ところ に しか ない ” |||なにもの|||たたかう||||

“ 自分 の 代わり に 物事 を 考え て くれる ― ” じぶん||かわり||ものごと||かんがえ||

“ イマジ ネーター と 対決 する \ NVS ( バーサス ) イマジ ネーター ” |||たいけつ|||||

“ それ こそ が 人々 が まず 最初 に ― ” |||ひとびと|||さいしょ|

“ 立た ね ば なら ない 位置 だ ろ う ” って ね たた|||||いち|||||

まあ 要するに 人 は ― |ようするに|じん|

自分 で 思って る 以上 に 常識 と いう 鎖 に 縛ら れ て い て ― じぶん||おもって||いじょう||じょうしき|||くさり||しばら||||

それ で 苦し ん で いる って こと かしら ||にがし||||||

鎖 … くさり

縛ら れ て いる なら ― しばら||||

抜け出さ なくっちゃ なら ない だ ろ う って ― ぬけで さ|||||||

そう いう こと よ

あなた に も たぶん ―

“ そう じゃ なきゃ ダメ ” みたい な ルール が ある ん じゃ ない ? |||だめ|||るーる|||||

はい

( 末 真 ) こう 言っちゃ 何 だ けど あなた に は たぶん ― すえ|まこと||いっちゃ|なん||||||

戦う って 発想 が 欠け て いる ん だ と 思う の たたかう||はっそう||かけ||||||おもう|

それ が なく ちゃ ダメ よ やっぱり ||||だめ||

( 綺 ) はい き|

死ぬ の は その あと でも 遅く ない わ しぬ||||||おそく||

そう です ね

できる か どう か 分かり ませ ん けど ― ||||わかり|||

やって み ます

( 綺 ) ありがとう ござい まし た き||||

( 末 真 ) うん それ じゃ 頑張って ね 織機 さん すえ|まこと||||がんばって||しょっき|

( 綺 ) はい き|

( 綺 ) あ あの … 先輩 ( 末 真 ) 何 ? き|||せんぱい|すえ|まこと|なん

( 綺 ) もしも 戦う 相手 が ブギー ポップ だった と し て も ― き||たたかう|あいて|||ぽっぷ|||||

やっぱり 戦う べき です か ? |たたかう|||

“ 何 で あれ ” よ なん|||

分かり まし た わかり||

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