Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 18
( 高校 野球 の 中継 ) ( キョン ) おかしい
おかしい
おかしい
何 か おかしい なんとなく そんな 気 が した
テレビ に 映る 試合 は
俺 と は まったく 縁 も ゆかり も ない 県 同士 の 戦い だ が
負けて いる ほう を なんとなく 応援 して いる 気分 で いる と
これ また なんとなく
そろそろ ハルヒ が 騒ぎ だす ような 気 が した
( 携帯 電話 の 着信 音 ) ( キョン ) うん ?
( アナウンサー ) ワン アウト 7 対 0 と 点差 は 大きく 開いて い ます が ここ を 抑えれば …
( 携帯 電話 の 着信 音 ) ( キョン ) うん ?
( キョン の 妹 ) キョン 君 電話
言わ れ ん で も 分かって る
( ハルヒ ) 今日 あんた 暇でしょ ? 2 時 ジャスト に 駅前 集合 だ から
ちゃんと 来 なさい よ
( 通話 が 切れた 音 )
( キョン ) 俺 は ひと言 も しゃ べっと ら ん のだ が …
( 携帯 電話 の 着信 音 )
なんだ ?
( ハルヒ ) 持参 物 を 言い 忘れて たわ 水着 一式 それ と 十分な お 金 ね
あと 必ず 自転車 に 乗って くる こと
( ハルヒ ) オーバー ( 通話 が 切れた 音 )
( キョン ) だ から ひと言 も …
( キョン ) ハルヒ が 何 を 言いだす の か
また なんとなく 分かって いる 気 が した
いや 違う な
正確に は “ 前 に まったく 同じ こと が あった 気 が した ” だ
いわゆる デジャヴ って やつ か
( 打 球音 ) ( アナウンサー ) 打った !
大きい ! 大きい ! 鹿島 の 打球 が レフト 方向 へ !
入り ました ソロ ホームラン です
これ で 城南 ( じょう な ん ) 大 付属 8 点 目 !
ここ で 更に 追加 点 です ! 鹿島 今 悠々と …
( キョン ) もう 夏 も 終わり か
♪~
~♪
( ハルヒ ) 遅い わ よ キョン !
もっと やる 気 を 見せ なさい !
( キョン ) へ ~ い へい
待た せて すいません ね
( み くる ) あたし も 今 来た ところ です
それ じゃあ 全員 そろった こと だ し 出発 し ま しょ
どこ に ?
市民 プール に 決まって る じゃ ない の
( キョン ) まあ この 用意 なら そう だろう よ
夏 は 夏 らしく 夏 じみ た こと を し ない と いけない の !
失った 時間 は 決して 取り戻す こと は でき ない の よ !
だから 今 やる の !
この たった 一 度 きり の 高 1 の 夏 休み に !
ちなみに プール まで は 自転車 で 行く わ よ
( キョン ) お前 ら も 乗って きて る の か ?
( 古泉 ( こい ずみ )) いえ 自転車 は あなた と 僕 の 2 台 だけ です
へ っ ?
いい こと キョン 古泉 君 に 負けちゃ ダメ よ
それ じゃあ 出発 進行 ~!
( キョン ) ハァ ハァ ハァ …
ほら ほら 2 人 と も ちゃ っちゃ と 自転車 を 置いて き なさい
うん ?
ちょっと キョン
これ から 遊ぼう って のに 何 へばって ん の ?
( キョン ) 誰 の せい だ ! 誰 の !
( ハルヒ ) うん この 消毒 液 の におい いかにも って 気 が する わ
さあ 泳ぎ ましょう ! 競争 よ 競争 !
( み くる ) あっ 涼 宮 ( すずみ や ) さん 待って ~!
( 飛び込む 音 )
( 古泉 ) 楽し そうです ね ( キョン ) です よ ね
( 古泉 ) ほほえましい 光景 です それ に 平和 を 感じ ます
涼 宮 さん も 結構 常識 的な 楽しみ 方 を
身 に つけて きた と 思い ませ ん か ?
いきなり 電話 かけて きて
一方的に 用件 だけ 言って 切 っち まう ような 誘い 方 は
あまり 常識 的 と は 言え ないだ ろ
その くらい 僕 から 言わ せて もらえば
なんでも あり ませ ん よ
ああ やって 楽しげに 笑って いる 涼 宮 さん は
この世 を 揺るがす ような こと は し ない でしょう から ね
( キョン ) だ と いい のだ が …
( 古泉 ) ん ?
どうした ?
いえ
多分 僕 の 気のせい です 春先 から いろいろ あった せい で
ちょっと 神経質に なって いる だけ でしょう
あ ~! また 負けた !
有希 ( ゆき ) もう 一 回 勝負 よ !
あ ~!
( 小学生 たち ) アハハハ …
うわ っ !
( ハルヒ ) おいしい おいしい
おいし いわ み くる ちゃん !
( キョン ) う う … は あ ~!
( キョン ) まったく 市民 プール と いう より
庶民 プール と 名乗った ほう が 似つかわしい 場所 だ な
なん だって ハルヒ は こんな ところ を 選んだ んだ ?
うん ?
まったく 市民 プール と いう より
庶民 プール と 名乗った ほう が 似つかわしい 場所 だ な
なん だって ハルヒ は こんな ところ を 選んだ んだ ?
うん ?
あっ …
なんだ ? この 感覚
あっ …
そう それ で ハルヒ は こんな こと を 言いだす んだ
( キョン ) この 2 人 が あたし の 団員 よ
なんでも 言う こと 聞く から
なんでも 言っちゃ い なさい
さあ 遊ぶ わ よ ! 水中 サッカー を する の !
へい へい
( キョン ) まあ よく ある こと さ デジャヴ なんて
( キョン ) なんだ これ は ?
残り 少ない 夏 休み を どう やって 過ごす か の 予定 表 よ
ふと 気付いた の よ
夏 休み は もう あと 2 週間 しか ない の よ ね
ここ から は 巻き で いく わ よ !
( キョン ) これ を 2 週間 足らず で ?
み くる ちゃん は 何 か し たい こと ある ?
うん ? え ~ っと
あたし は 金魚すくい が いい です
オーケー !
金魚すくい っと
よし
ちょっと 失礼 し ます
あっ うん
( 古泉 ) どうも ( ハルヒ ) もう いい の ?
( 古泉 ) はい
( ハルヒ ) それ じゃあ あした から 決行 よ !
この 近く で 盆踊り やって る とこ ある ?
花火 大会 で も いい けど
( 古泉 ) 僕 が 調べて おき ましょう
金魚すくい も 忘れ ないで ね
( 古泉 ) 了解 し ました
( キョン ) また 払い は 俺 か
( ハルヒ ) じゃあ 今日 は これ で 解散 !
( 古泉 ) で は 僕 も
( み くる ) あたし も
( キョン ) あっ …
長門 ( な が と )!
いや なんでもない んだ けど な
最近 どう だ ? 元気に やって る か ?
( 長門 ) 元気
そりゃ よかった
そう
あっ …
よ … 呼び止めて 悪かった な
すま ん !
( キョン ) なんだ ? なんで 俺 は 長門 に 声 なんて かけた んだ ?
( 携帯 電話 の 着信 音 )
( キョン ) 翌朝 俺 から 惰眠 を 奪った の は またしても ハルヒ から の 電話 だった
“ 盆踊り 会場 が 見つかった 今夜 市民 運動 場 ” だ そうだ
( 自転車 の ブレーキ 音 )
( ハルヒ ) キョン あんた 今日 も ビリッケツ よ ! まったく …
まあ いい わ
今 から 浴衣 を 買い に 行き ま しょ !
( キョン ) 婦 人物 衣料 の 量販 店 に 入った ハルヒ は
朝比奈 ( あさひ な ) さん と 長門 の 分 も 勝手に 選んで
すかさず 試着 室 へ と 入って いった
それ から 待た さ れる こと 約 1 時間
ようやく 3 人 が 出そろった
( ハルヒ ) どう どう ?
ハッ !
なかなか の もん でしょ ?
( 古泉 ) 皆さん よく お 似合い です よ
( ハルヒ ) 当然 よ あたし が 選んだ んだ から
特に み くる ちゃん かわいい ~! かわい すぎる わ !
さすが あたし の 見立て ね
( み くる ) はっ はい …
( キョン ) 朝比奈 さん 回って 回って !
わ あ ~! すご ~ い !
うん 活気 が あって いい わ ね !
( キョン ) 盆踊り ね
よく まあ これ だけ の 人 が 集まる もん … だ …
また だ … また … なん な んだ この 感覚 は ?
( ハルヒ ) み くるちゃ ん !
あなた が やり た がって た 金魚すくい も ある わ よ !
じゃ んじゃ ん すくい なさ ~ い !
( み くる ) は ~ い
僕たち も やり ましょう か ひと 勝負 いかがです ?
やめ とく
それ より 長門 食 いもん と か どう だ ?
うん ?
なんだ 長門 そんな もん に 興味 が ある の か ?
( キョン ) どれ ? ( 長門 ) いい
( 長門 ) これ ( おじさん ) は いよ ! 800 円 ね
( キョン ) なんとなく 世話に なって いる ような 気 が する から
それ くらい 買って やって も よかった んだ が
( ハルヒ ) 13 匹 でも そんなに いら ない から 1 匹 だけ もらって きた わ
それ は すごい で すね
1 個 だけ なら 食べて いい わ よ
あり が と よ
あ … あれ ? どうした の その お 面
買った
ふ ~ ん そう
さて 次 は 花火 よ 花火 !
まとめて 今日 やっちゃ い ましょう !
( キョン ) 夏 で 夏 休み だった
だから できれば 忘れ たい のだ が
引っかかって いる こと が 1 つ あった
よし ! あした は 昆虫 採集 ね
ハルヒ よ 遊ぶ の は いい が 宿題 は 終わって る の か ?
何 あんた あれ くらい の 宿題 なんて
3 日 も あれば できる じゃ ない
( キョン ) スリーデイズ ? ( ハルヒ ) あんな 面倒な もの は
先 にちゃ っちゃ と 終わら せて 後 顧 の 憂い なく 遊び 倒す の !
それ が 夏 休み の 正しい 楽しみ 方 よ !
( キョン ) なんで こんな ヤツ の 頭 が いい んだ ?
天 の 人 に 対する パラメーター 配分 は 随分 適当な んだ な
と いう こと で あした は 昆虫 採集 よ
一 番 多く 虫 を 捕まえた 人 に は
そう ね …
あっ ! 1 日 だけ 団長 の 権利 を 譲って あげる !
( キョン ) いら ん !
面白 そうです ね 虫 なら なんでも いい んです か ?
う ~ ん と … セミ 限定 !
そう これ は SOS 団 内 セミ 捕り 合戦 な の よ !
( キョン ) 翌日 は これ でも か と いう くらい の 日本 晴れ
SOS 団 の セミ 捕り 合戦 は そんな 中 で 行わ れた
各人 と も それなり に 健闘 した ようだ が
やはり と いう か なんという か
優勝 は ハルヒ と なった
やっぱり キャッチ & リリース の 精神 が 必要 よ ね
逃がして あげたら 将来 恩返し に 来て くれる かも しれ ない し
( キョン ) セミ が 来た と して 一体 何 を して くれる んだ ?
( ハルヒ ) ほら 山 へ 帰り なさい
( キョン ) なんか 箱 を 開けた パンドラ に でも なった 気分 だ な
( み くる ) い … いらっしゃい ませ
( キョン ) その 翌日 俺 たち は なんだか 分から ない まま
カエル の 着 ぐるみ を 着せ られ
スーパー で アルバイト を する こと と なった
ふ あ ~!
みんな お 疲れ ~!
( キョン ) なんだ この 待遇 の 差 は ?
ご 苦労 さん 店長 の おっちゃん も 感謝 して たわ よ
( キョン ) おっちゃん の 感謝 など いら ん バイト 代 は ?
それ よ
は あ ?
( ハルヒ ) あたし 前 から その 着 ぐるみ が 欲しかった の よ ね
おっちゃん も み くる ちゃん に 免じて
くれる って 言って くれた の
( キョン ) 俺 たち は そんな こと の ため に 額 に 汗して 働いた の か ?
( ハルヒ ) 記念 に 部室 に 飾 っと き ましょう
み くる ちゃん いつでも 好きな 時 に それ 着て いい わ よ
あたし が 許す わ !
ああ …
( キョン ) その 夜 俺 から 安眠 を 奪った の は
またしても 一 本 の 電話 だった ( 携帯 電話 の 着信 音 )
う ~ ん …
う う ~ もう !
もしもし !
( み くる ) うえ ~ ん ( キョン ) うわ っ !
( み くる ) キョン く ~ ん …
朝比奈 さん ?
( み くる ) はい あたし です … う う …
とても よく ない こと が …
このまま じゃ あたし …
どう したら …
( キョン ) あの … ( 古泉 ) どうも 古泉 です
なんで お前 が 朝比奈 さん と 一緒な んだ ?
( 古泉 ) ちょっとした 事情 が あり まして ね
今 から 来て いただく こと は 可能です か ?
おのれ おの ~ れ !
( み くる の 泣き声 )
( キョン ) 一体 どうした ん です か ? 朝比奈 さん
うえ え … キョン 君 あたし …
未来 へ 帰れ なく なり ました ~
( キョン ) 分から ない …
( 古泉 ) つまり こういう こと です
我々 は 同じ 時間 を 延々と ループ して いる のです よ
( キョン ) そんな 非 現実 的な こと を 明るく 言わ れて も な
古泉 お前 自分 で 何 言って る の か 分かって る の か ? えっ ?
分かって い ます これ 以上 ない と いう くらい に ね
先ほど 朝比奈 さん と 話し合った のです が …
( キョン ) 呼べよ 俺 も そして お前 は 来る な !
( 古泉 ) その 結果 ここ 最近 の 時間 の 流れ が
おかしく なって いる こと に 気付き ました
これ は 朝比奈 さん の 功績 と 言って も いい でしょう
おかげ で 僕 に も 確信 が 持て ました
( キョン ) なんの 確信 だ よ ?
( 古泉 ) 我々 は 同じ 時間 を
もう 何度 も 繰り返し 経験 して いる と いう こと です
( キョン ) それ は さっき 聞いた
( 古泉 ) 正確に は 8 月 17 日 から 31 日 の 間 です ね
僕たち は 終わり なき 夏 休み の 真っただ中 に いる わけです よ
( キョン ) 確かに 今 は 夏 休み だ が
( 古泉 ) 決して 終わら ない エンドレスサマー です
今 この 世界 は 9 月 1 日 以降 の 時間 が
まったく なくなって しまって いる んです よ
それ を 誰 が 信じる んだ ?
せめて あなた に は 信じて もらい たい ところ です
俺 たち は あの 閉鎖 空間 みたいな もの の 中 に
閉じ込め られて いる の か ?
ん …
そう で は あり ませ ん
一部 の 時間 のみ が 切り取ら れて いる のです よ
8 月 31 日 の 24 時 ジャスト に なった 瞬間
全て が リセット さ れて
また 17 日 に 戻って くる と いう プロセス です
( キョン ) 俺 たち の … いや 全 人類 の 記憶 は ?
( 古泉 ) それ も リセット です
もう 一 度 最初 から やり 直し と なる のです
えっ ?
また 時間 が どう と か いう 話 か
まあ 未来 人 が 交じって る んだ から しかたない 気 も する が
( 古泉 ) いいえ この 件 に 朝比奈 さん は 無関係です
( キョン ) ん っ
じゃあ 何 が 原因 だ ?
涼 宮 さん でしょう
( キョン ) ああ …
本人 は 無自覚でしょう が
夏 休み を 終わら せ たく ない と いう 思い が
どこ か に ある のでしょう ね
なんだ そりゃ ? 何 か 悔い で も 残って る の か ?
そう だ と 思い ます
恐らく 夏 休み に やり 残した こと が ある と
感じて いる ので は ない でしょう か
( キョン ) つくづく しょう も ない こと を 大 宇宙 の スケール で 展開 する ヤツ だ
で … 俺 に どう しろ と ?
それ が 分かれば 解決 した も 同然です ね
さっき から 気 に なって た が 楽し そうだ な お前
あなた も そう だった のでしょう が
ここ 最近 頻繁に あった 既視 感 の 謎 が
ようやく 解けた もの です から
今 思えば あれ は
記憶 の リセット から こぼれ落ちた ―
残滓 ( ざん し ) と しか 言い よう の ない もの だった と 分かり ます
あっ ひょっとして 世界中 の 人間 が 感じて る の か ?
それ は ない ようです
僕 や あなた は 特殊な 事例 な んです よ
ハルヒ は どう な んだ ?
あいつ は ちょっと でも 自覚 して いる の か ?
まったく して い ない ようです ね
もっとも して もらって は 困る と いう の も あり ます が
ただ 既視 感 どころ か
繰り返して きた 時間 全て の 記憶 を 持った 者 が
確実に 1 人 いる ので は ない か と 僕 は 考えて い ます
誰 だ ? その 1 人 って の は
言わ ず と も 分かる でしょう ?
( キョン ) そう な の か ? ( 長門 ) そう
( キョン ) 全部 覚えて る の か ? ( 長門 ) そう
ちなみに その 繰り返し と やら は 今 何 回 目 だ ?
今回 が 1万5,527 回 目 に 該当 する
( キョン ) 1万5,527?
1万5,527 って なんだ ?
長門 お前 は 何 を 言って る んだ ?
あっ … それ は マジ な 話 な の か ?
そう
それ だけ の 回数
俺 たち は まったく 同じ こと を 繰り返して きた って の か ?
( 長門 ) 必ずしも そう で は ない
1万5,527 回 中 盆踊り に 行か なかった パターン が
2,391 回 目 と 1万1,054 回 目 の 2 回 ある
また 盆踊り に 行った が 金魚すくい を し なかった パターン が
437 回 ある
アルバイト を 行った の は 9,052 回 である が
その 内容 は 6 つ に 分岐 する
風船 配り 以外 で は 荷物 運び レジ 打ち ビラ 配り …
( キョン ) もう いい です
( 古泉 ) で は
( キョン ) 1万5,527 回 目
長門 は そう 言った
かける 2 週間 で えっ と … 約 595 年 分 だ
それ だけ の 時間 を ただ 一 人 しっかり 記憶 を 持った まま
何度 も 何度 も やり 直して きた って の か ?
長門 お前 は 一体 今 まで どんな 気持ち で 過ごして きた んだ ?
( キョン ) その 翌日 は 天体 観測 だった
場所 は 長門 の マンション 天体 望遠 鏡 は 古泉 が 用意 した 物 だ
アハハ …
( ハルヒ ) い ない の かしら ?
( キョン ) 何 が だ ? ( ハルヒ ) 火星 人
( キョン ) あまり いて ほしく ない な
( ハルヒ ) 人間 が 初めて 火星 に 降り立った 時 は
きっと 物陰 から 出て きて 歓迎 して くれる に 違いない わ
“ ようこそ 火星 に ” って ね
あ ~ もう 飽きちゃ った UFO 探し ましょう UFO
( キョン ) 何 が し たい んだろう な こいつ は
さて な んでしょう ね
それ が 分かれば 解決 した も 同然な んです が …
試しに こういう の は どう です ?
涼 宮 さん を 後ろ から 突然 抱きしめて
耳元 で “ アイ ラブ ユー ” と ささやく んです
それ を 誰 が する んだ ?
あなた 以外 に 適役 が いま す かね
ア … アイ ラブ ユー ? いや この 支配 から の 卒業 !
では 僕 が やって み ましょう か
フフッ 冗談 です よ 僕 で は 役者 が 不足 して い ます
涼 宮 さん を 余計に 混乱 さ せる だけ でしょう から ね
( キョン ) くっ … ( 古泉 ) フフッ …
( キョン ) 次に 俺 たち が 出向いた の は バッティングセンター だった
( キョン ) なあ 長門
お前 は 朝比奈 さん が 言いだす 前 から 繰り返し に 気付いて いた んだ よ な ?
( 長門 ) そう
だったら どうして 黙って た んだ ?
私 の 役目 は 観測 だ から
あっ ああ … なるほど
ふ っ !
( ファンファーレ )
( キョン ) 怒 濤 ( どとう ) の イベント 消化 態勢 は
まだ 続く
花火 大会 ハゼ 釣り 大会 肝 試し 映画 の ハシゴ に 海水 浴
俺 たち は ず ~ っと 動き づめ だった
もちろん それ で ハルヒ が
満足 して いる はず が ない と 思って は いた が
だからといって 何 か 手 を 打つ わけで も なく
そう こうして いる うち に やって 来た 8 月 30 日
( ハルヒ ) うん これ で 課題 は ひととおり 終わった わ ね
う ~ ん こんなんで よかった の かしら ?
う ~ ん …
でも … うん こんな もん よ ね
みんな 何 か 他 に し たい こと ある ?
あっ …
ああ ?
まあ いい わ この 夏 は いっぱい いろんな こと が できた から
もう 十 分 よ ね
( キョン ) いい や よく ない お前 は まだ 満足 して い ない はずだ
じゃあ 今日 は これ で 終了
あした は 予備 日 に 空けて おいた けど そのまま 休み に しちゃ って いい わ
また あさって 部室 で 会い ましょう
( キョン ) まっ … 待て ハル …
じゃあ 今日 は これ で 終了
あした は 予備 日 に 空けて おいた けど そのまま 休み に しちゃ って いい わ
( キョン ) まっ … また 来た ! それ も 今 まで に ない 強烈な やつ だ !
ここ で ハルヒ を 帰しちゃ ダメだ
ここ で 帰したら 1万 何 千 回 と 繰り返して きた あの 2 週間 を
また 繰り返す は めに なる !
だが 何 を す べきな んだ ?
ハルヒ の 言葉 の 中 に その ヒント は あった はずだ
だが それ は なんだ ?
あいつ は 今 まで なんて 言って きた ?
分から ない !
思いつか ない !
( ドア が 閉まる 音 )
( キョン ) 8 月 31 日
宿題 は 手つかず だ もう どうにでも なれ
もし また 繰り返す ん なら
宿題 な ん ぞ やった ところ で なんの 意味 も ない しな
あした が 来よう が 来 まい が
まあ それ は そん 時 の 俺 に 任せりゃ いい か
♪~
~♪