パート22
ぱーと
part
part
Part 22.
Part 22
Parte 22.
第 22 部分
前 の とき と 様子 は 少しも ちがって い なかった 。
ぜん||||ようす||すこしも|||
||||appearance|||||not
before|of||||||||
The situation was not different from the previous time.
休暇 に 行く 人 や 、 それ を 見送り に 来た 人 が ごったがえし 、 やはり バカンス にたいする 興奮 を 発散 さ せて いた 。
きゅうか||いく|じん||||みおくり||きた|じん||||ばかんす|に たいする|こうふん||はっさん|||
vacation|||||||seeing off|||||bustling||vacation|about|excitement||discharge|||
||||||||||||混雑して||休暇|||||||
People who went on vacation and those who came to see it off were crowded, and again, the excitement for vacation was dissipated.
Las personas que se fueron de vacaciones y las que vinieron a despedirlo se aglomeraron, y nuevamente, se liberó la emoción por las vacaciones.
船 まで 同じだった 。
せん||おなじだった
||the same
It was the same up to the ship.
То же самое и на корабле.
ちがって いた の は アリス が いない こと だ 。
different||||||||
The only difference was that there was no Alice.
彼 は 部屋 に 閉じこもって いた ので 離陸 を 見る こと は なかった 。
かれ||へや||とじこもって|||りりく||みる|||
||||shut in|||takeoff|||||
He was locked up in the room and never saw the takeoff.
船 が 水面 上 を 長々 と 滑走 する とき 、 かすかな 揺れ を 感じた 。
せん||すいめん|うえ||ながなが||かっそう||||ゆれ||かんじた
||water surface|||at length||glide|||slight|swaying||
|||||||滑走 = to glide||||||
|||||||滑走||||||
As the boat glided along the water's surface, I felt a slight tremor.
人工 重力 に 切り替わる とき は 、 その 変化 も わかった 。
じんこう|じゅうりょく||きりかわる||||へんか||
artificial|gravity||switch||||change||
|gravity||||||||
|||switching to||||||
When we switched to artificial gravity, we also knew the change.
マーシャン ・ プリンセス 号 が 冷たい 夜 の ような 宇宙 を 目指して いる とき 、 彼 は ベッド に 横たわり 目 を 閉じて いた 。
|ぷりんせす|ごう||つめたい|よ|||うちゅう||めざして|||かれ||べっど||よこたわり|め||とじて|
||ship||cold||||||aiming|||||||lying|||closed|
He was lying in bed with his eyes closed as the Marshall Princess sailed through space like a cold night.
二 日間 、 食事 の とき 以外 は 部屋 を 出る こと は なかった 。
ふた|にち かん|しょくじ|||いがい||へや||でる|||
two|days|meals||||||||||
For two days, he never left his room except for meals.
旅行 それ 自体 に は なんの 興味 も なかった のだ 。
りょこう||じたい||||きょうみ|||
trip||it|||||||
He had no interest in the trip itself.
ただ 黒い 宇宙 船 が 来た と いう 案内 を ひたすら 待って いた 。
|くろい|うちゅう|せん||きた|||あんない|||まって|
||||||||notification||single-mindedly||
||||||||通知||||
I was just waiting for the guidance that the black spaceship had arrived.
しかし 二 日 目 の 終り に なって も 案内 は なかった 。
|ふた|ひ|め||おわり||||あんない||
|||||||||guidance||
However, by the end of the second day, there was no notice.
メル は 果てし の ない 星 の かなた を ながめ ながら 、 眠ら れ ない 夜 を 過ごした 。
||はてし|||ほし||||||ねむら|||よ||すごした
||endless|||||beyond||gazing||fell asleep|||||
||||ない|||||眺め|||||||
Mel spent a sleepless night looking beyond the endless stars.
ドクタ ・ マーチン の 言った こと が 正しかった のだ 、 と 彼 は 思った 。
|||いった|||ただしかった|||かれ||おもった
|Martin||||||||||
He thought that Doctor Martin had been right.
黒い 船 なんか あり は し ない 。
くろい|せん|||||
|||there is|||
black|boat|||||
There is no such thing as a black ship.
Не бывает черного корабля.
一 つ の 空想 を 別の 空想 に 置き換えて いた に すぎ ない のだ 。
ひと|||くうそう||べつの|くうそう||おきかえて|||||
|||fantasy|||fantasy||replacing|||only||
It was just replacing one fantasy with another.
現実 は どこ に ある ?
げんじつ||||
Where is reality?
それ は この世 の どこ か に 存在 する のだろう か 。
||このよ|||||そんざい|||
||this world|||||to exist|||
Does it exist anywhere in the world?
しかし 黒い 船 は ない と して も 、 彼 の 向かう 先 が 依然と して 火星 である こと に かわり は なかった 。
|くろい|せん||||||かれ||むかう|さき||いぜん と||かせい||||||
|||||||||||||still|still|Mars||||||
But even if there was no black ship, he was still heading to Mars.
Но даже если не было черного корабля, он все равно направлялся на Марс.
黒い 船 が あらわれる こと なく 三 日 目 が すぎた 。
くろい|せん|||||みっ|ひ|め||
|||appears|||||||passed
The third day passed without the black ship appearing.
Третий день прошел без появления черного корабля.
しかし その 日 の 夜 、 スピーカー から 案内 が 流れた 。
||ひ||よ|すぴーかー||あんない||ながれた
|||||speaker||||flowed
But that night, the announcement came over the loudspeaker.
「 乗客 の 皆様 は 全員 、 シャトル から 火星 定期 航路 船 へ お 乗り換え の 準備 を なさって ください 。
じょうきゃく||みなさま||ぜんいん|しゃとる||かせい|ていき|こうろ|せん|||のりかえ||じゅんび|||
passengers||everyone|||shuttle|||regular|route||||transfer|||||
|||||shuttle||||route|ship||||||||
All passengers should prepare to transfer from the shuttle to the Mars Liner.
手 荷物 を ――」
て|にもつ|
hands||
Luggage, please.
メル は 放送 を 聞き ながら 、 麻痺 した ように 座って いた 。
||ほうそう||きき||まひ|||すわって|
||broadcast||||numbness||||
||||||numbness||||
Mel sat paralyzed, listening to the broadcast.
やっぱり 事実 だった んだ !
|じじつ||
|fact||
It was indeed a fact!
彼 は 二 隻 の 船 が 結合 する とき 、 マーシャン ・ プリンセス 号 に 軽い 振動 が 伝わる の を 感じた 。
かれ||ふた|せき||せん||けつごう||||ぷりんせす|ごう||かるい|しんどう||つたわる|||かんじた
||two|||||join||||||||vibration||was transmitted|||
||two|two||||combine|||||||||||||
He felt a slight vibration transmitted to the Mershan Princess when the two ships joined.
部屋 の 舷窓 から 例の 正体 不明 の 船 が 見えた 。
へや||げんまど||れいの|しょうたい|ふめい||せん||みえた
||porthole||the aforementioned|true identity|unknown||||
||the porthole|||the true identity|||||
From the cabin's porthole, I could see the mysterious unidentified ship.
黒くて 、 みにくく 、 どこ か 死 を 思わ せる 。
くろくて||||し||おもわ|
|ugly|somewhere||||to think|
|醜く||||||
It's black, hard to see, and reminds me of death somewhere.
Он черный, плохо различимый и где-то напоминает мне о смерти.
ドクタ ・ マーチン に この 「 空想 」 を 見せて やれたら 、 と 彼 は 思った 。
||||くうそう||みせて|||かれ||おもった
||||fantasy|||if he could||||
He wished he could show this "fantasy" to Doctor Martin.
急いで 荷物 を まとめて 部屋 を 出 、 驚き 興奮 する 群衆 に 加わった 。
いそいで|にもつ|||へや||だ|おどろき|こうふん||ぐんしゅう||くわわった
hurriedly||||||||excitement||crowd||joined
I hurriedly packed my belongings and left the room, joining the surprised and excited crowd.
今度 は ためらう ので は なく 、 巨大な 黒い 宇宙 船 の 秘密 を 探り 出そう と 気 を はやら せて いた 。
こんど||||||きょだいな|くろい|うちゅう|せん||ひみつ||さぐり|だそう||き||||
||hesitate||||gigantic|||||secret||to explore|let's find||||to hurry||
||||||||||||||||気持ち||焦ら||
This time, instead of hesitating, he was eager to discover the secrets of the huge black spaceship.
一方 の 船 から 他方 の 船 に 移動 した こと は 、 ほとんど わから ない くらい だった 。
いっぽう||せん||たほう||せん||いどう||||||||
one||||the other||||moved|||||understand|||
The move from one ship to the other was almost unknown.
どちら の 通路 も 同じ 構造 だった のだ 。
||つうろ||おなじ|こうぞう||
which||corridor|||structure||
Both passages had the same structure.
Оба прохода имели одинаковую структуру.
しかし メル は 連結 地点 を 通る とき 、 その こと に 気 が ついて いた 。
|||れんけつ|ちてん||とおる|||||き|||
however|||junction|point||||||||||
|||connection|||||||||||
But as Mel passed through the junction, he was aware of it.
彼 は 自分 が 知る 普通の 世界 と は まる きり ちがう 不思議な 世界 に 入りこんだ こと を 感じ取った 。
かれ||じぶん||しる|ふつうの|せかい||||||ふしぎな|せかい||はいりこんだ|||かんじとった
|||||ordinary|||||まるで|||||entered|||sensed
||||||||||||||||||感じた
He felt that he had entered a mysterious world that was completely different from the ordinary world he knew.
Он чувствовал, что попал в таинственный мир, который полностью отличался от того обычного мира, который он знал.
廊下 の ずっと 先 の ほう で 群衆 の 進む スピード が 落ちて いた 。
ろうか|||さき||||ぐんしゅう||すすむ|すぴーど||おちて|
hallway|||||||crowd|possessive particle|||||
Far beyond the corridor, the crowd was slowing down.
乗務 員 の 前 に いく つ も の 列 が できて いる 。
じょうむ|いん||ぜん||||||れつ|||
|||||||||line|||
There are several lines in front of the crew.
切符 を 調べられて いる のだ 。
きっぷ||しらべ られて||
ticket||being checked||
They are checking my ticket.
乗客 は 振り分けられる ように して 、 枝分かれ した 廊下 を 自室 に むかって 進んで いった 。
じょうきゃく||ふりわけ られる|||えだわかれ||ろうか||じしつ|||すすんで|
passenger||being directed|||fork||hallway||own room|||willingly|
|||||branch||||your room||||
||分けられる|||||||||||
The passengers were sorted and led down a branching corridor toward their rooms.
Пассажиры прошли через разветвленный коридор к своим комнатам, чтобы их можно было рассортировать.
これ まで の ところ は 、 なにもかも まったく 正常 で 、 メル は すっかり がっかり して しまった 。
|||||||せいじょう|||||||
this|||||everything|not at all|normal||||completely|disappointed||
|||||||normal|||||||
|||||すべて|||||||||
So far, everything has been absolutely normal, and Mel is completely disappointed.
放送 で 言わ れた 通り だ 。
ほうそう||いわ||とおり|
broadcast|||||
It's just as they said on the air.
Об этом и говорилось в эфире.
シャトル から 火星 定期 航路 船 に 乗り移って いる だけ だ 。
しゃとる||かせい|ていき|こうろ|せん||のりうつって|||
|||regular|route|||to transfer to|||
It's just a transfer from a shuttle to a Mars liner.
乗務 員 が 彼 の 切符 に 目 を 走ら せ 、 一瞬 ためらう ように それ を 持ち ながら 、 メル の 顔 を 確認 した 。
じょうむ|いん||かれ||きっぷ||め||はしら||いっしゅん|||||もち||||かお||かくにん|
|||||ticket||||raced||moment|to hesitate||||||||||confirmed|
The crew glanced at his ticket, holding it with a moment of hesitation, and looking at Mel's face.
Команда взглянула на его билет, задержав его с моментом колебания, и посмотрела в лицо Мела.
「 ミスタ ・ ノートン ―― どうぞ こちら へ 」
|Mr Norton|please||
"Mr. Norton -- please come this way"
乗務 員 が むかった その 方向 に は 乗客 は だれ も い なかった 。
じょうむ|いん||||ほうこう|||じょうきゃく|||||
duty||||||||passenger|||||
There were no passengers in the direction the crew member went.
В том направлении, в котором двигалась команда, пассажиров не было.
別の 乗務 員 が 彼 の ところ に やってきた 。
べつの|じょうむ|いん||かれ||||
|duty|||||||
Another crew member came to him.
К нему подошел еще один член экипажа.
「 あちら です よ 」 と 二 人 目 の 男 が メル に 言った 。
||||ふた|じん|め||おとこ||||いった
over there||||||||||||
It's over there," the second man told Mel.
「 乗務 員 に ついていって ください 」
じょうむ|いん|||
|||follow|
"Please follow the attendant."