S01E05 GeGeGe no Kitarō
な
ご え
(カラス の 鳴き声)
・(オ ー プニングテ ー マ)
・~
・~
・~
・~
・~
はし
あしおと
(走る 足音)
あら
いき
(ケン の 荒い 息)
まわ
(ケン )お巡りさん!
けいさつ かん
(警察 官 )ん ? どうした?
ぼく
とう
僕 の 父ちゃん が…。
けいさつ かん
き
(警察 官 )消えた んだ な。
はい…。
けいさつ かん
お な
とど
で
(警察 官 )同じ ような 届け出 が
こんしゅう
はい
けん め
今週 に 入って これ で 96件 目。
きょう
けん め
今日 だけ でも 8件 目 だ。
まったく
どう なっち まってる んだ?・
こんなに たくさん
いったい
き
一体 どこ に 消え ち まったん だ よ。
ろうじん
か みかく
(老人 )神 隠し じゃ よ。
か みかく
(ケン )神 隠し?
ろうじん
やま
ようかい
(老人 )ああ 山 の 妖怪 が
にんげん
人間 を さらって いく んじゃ。
おそ
おそ
ああ 恐ろし や 恐ろし や
なん まん だ ぶ なん まん だ ぶ…。
ええ…。
な
ご え
(カラス の 鳴き声)
とう
(ケン )父 ちゃ ー ん!
な
ご え
(カラス の 鳴き声)
な
ご え
(カラス の 鳴き声)
めだま
(目玉 おやじ )ププッピドゥ。
せい ようしき
あわ ぶ ろ
西 洋式 の 泡 風呂って の も
たまに は いい もん じゃ のう
きたろう
鬼 太郎。
どうした ん じゃ?
きたろう
か みかく
(鬼 太郎 )神 隠し が
はやってる らしい ん です。
なに!?
ご え
(もがき 声)
ふつう
か みかく
けど 普通 神 隠しって の は
こ
あ
子ども が 遭う もの な のに
おとな
なん にん
き
大人 が 何 人 も 消えて る ん です。
なん
それ に いくら 何でも
にんずう
おお
人数 が 多 すぎる。
じけん
そりゃ 事件 じゃ!
かぜ
おと
(風 の 音)
とう
しず
まち
父さん ずいぶん 静かな 町 です ね。
しず
ぶ き み
静か と いう より 不気味じゃ のう。
きたろう
・(ケン )鬼 太郎 さん!
ん?
きたろう
ゲゲゲ の 鬼 太郎 さん です ね。
てがみ
くん
手紙 を くれた ケン 君 かい?
(ケン )はい。
ぼく
とう
み
僕 の 父ちゃん 見つかる よ ね?
だいじょうぶ
大丈夫だ よ。
ひと
こ
ひとり
しかし 人っ子 一 人
ある
歩いて おら ん のう。
か みかく
こわ
(ケン )みんな 神 隠し が 怖くて・
と
うち に 閉じこもって
しまった ん です。
きたろう
どうした ? 鬼 太郎。
なに
ようき
かん
何 か 妖気 を 感じる ぞ。
とう
父さん。
うわ ~っくっ。
ちい
ようき
小さな 妖気 が
ちか
この 近く に たくさん。
じょせい
はな
ご え
(女性 たち の 話し声)
てんいん
(店員1)
しょうひん
商品 は まだまだ ございます。
れつ
みだ
なら
列 を 乱さ ず お 並び くださ ー い。
ん?
ひと
れつ
どうした ん じゃ ? この 人 の 列 は。
てんいん
(マイク :店員2)
やす
やす
さあ さあ 安い よ 安い よ。・
ダイヤモンド の
だい
大 バーゲン セール だ。・
わり
わりび
あ
まえ
3割 4割引き は 当たり前。
こうきゅう
高級 ダイヤ が
へいじょう かかく
はんね
いか
か
どく
平常 価格 の 半値 以下 の お 買い得!
じょせい
(女性)
これ もっと まか ん ない の?
じょせい
(女性 たち の ざわめき)
とう
ようき
あっ父さん 妖気 は どうやら
みせ
この 店 の ダイヤモンド から
で
出て る ようです。
なに ダイヤ から じゃ と?
てんいん
(マイク :店員2)
あわて ない あわて ない
ざいこ
だ
どんどん 在庫 出します よ。
か
か
か
さあ 買った 買った 買った!
ん?
おとこ
わ
しゃ
ちょう やすう
(男 1)我が 社 の 超 安売り ダイヤ は
こうひょう
しゃちょう
なかなか 好評 です ぜ 社長。
おとこ
(ねずみ 男 )そう か そう か。
おとこ
ねずみ 男!
あや
おも
どうも 怪しい と 思ったら
この ダイヤ に は
まえ
から
お前 が 絡んで いた の か。
あ
イヤな ヤツ に 会っち まった なあ
かいしゃ
もど
会社 に 戻る。
ま
待て!
こぞう
こら 小僧!
しゃちょう
かえ
社長 は お 帰り な んだ よ。
しゃちょう
社長?
きたろう
おれ さま
しゅっせ
鬼 太郎 俺 様 は 出世 した んだ。
き やす
はな
これ から は 気 安く 話しかけ ねえ で
もら いて え な ヘヘヘ…。
き
消えろ!
に
き
逃げる 気 か!
なに
わる
さては また 何 か 悪 さ を
しでかした んだ な。
ま
おとこ
待て ねずみ 男 ! あっ…。
おとこ
くるま
と
ねずみ 男 車 を 止める んだ。
うわ ーっ。
う う … ぐっ。
おとこ
クソ … ねずみ 男 の ヤツ め。
くるま
そう こうおん
(車 の 走行 音)
おとこ
しゃちょう
れい
ぎょうしゃ
かた
(男 2)社長 例 の 業者 の 方 が
さき
先ほど から・
ま
お 待ちかね で ございます。
そう か。
あしおと
(足音)
フンッ。
ぎょうしゃ
たし
(業者 )確かに。
たし
確かに。
と
ひ
しゅうりょう
これ で 取り引き は 終了 だ な。
まいど
毎度 あり~。
どうぜん
タダ 同然の ダイヤ で
こんなに もうかる と は
おも
思わ なかった ぜ ヘヘヘヘ。
とうぶん
これ で 当分 は
ざん まい
ぜいたく 三 昧 です ね。
もう ひと もうけ したら
いっぱ つ
りょこう
一 発 ハワイ 旅行 と でも
こ
しゃれ 込む か?
おとこ
(男 たち )ハワイ!
じょせい
(女性 たち )《アロハ~。》
グヘヘヘ … ワシャシャシャ~。
アタタッタ~…。
いた
がまん
痛くて も 我慢 せい。
きず
もり
やくそう
こんな 傷 は ゲゲゲ の 森 の 薬草 が
なお
すぐ 治して くれる よ。
だいじょうぶ
とう
大丈夫です 父さん。
はや
くん
とう
それ より 早く ケン 君 の お 父さん を
さ が
い
捜し に 行か ない と。
すな
ばば あ
きたろう
(砂 かけ 婆 )鬼 太郎!
すな
ばば あ
むすめ
砂 かけ 婆 に ねこ 娘。
いったい
一体 どうした ん じゃ?
むすめ
(ねこ 娘)
みょう
き
妙な ウワサ を 聞いた の よ。
すな
ばば あ
(砂 かけ 婆)
おとこ
にんげん
ひ
つ
ねずみ 男 が 人間 ども を 引き連れ・
よくぼう
はかば
欲望 の 墓場 を
うろついて いる らしい んじゃ。
よくぼう
はかば
欲望 の 墓場?
けんせつ とちゅう
ほうち
なら
建設 途中 で 放置 された ビル が 並ぶ
べつめい
ゴーストタウン の 別名 じゃ よ。・
すう ねん まえ
おお
ねら
数 年 前 大もうけ を 狙って
とち
か
しょうにん
土地 を 買い あさった 商人 たち が・
きそ
た
競う よう に して ビル を 建てた。・
けいき
わる
だが 景気 が 悪く なり
か
て
ビル の 買い手 が つか ない うち に・
しょうにん
みな
かね
こま
商人 たち は 皆 お 金 に 困って
よ に
夜逃げ した。・
けんち くちゅう
建築 中 の ビル を
ほう
放 りっぱ なし に した まま な。・
だれ
ちかよ
もう 誰 も 近寄ら なく なった
がい
ビル 街 だ が・
おお
ゆめみ
しょうにん
大もうけ を 夢見た 商人 たち の
よくぼう
欲望 だけ は・
いま
ぼうれい
今 も 亡霊 の よう に
うずま
渦巻いて いる と いう。
わに ゅう どう
で
輪 入 道 が 出て くる に は
かんきょう
もってこいの 環境 じゃ のう。
わに ゅう どう
輪 入 道って?
にんげん
よくぼう
まち
とき
人間 の 欲望 が 町 に あふれた 時
とつぜん
あらわ
ようかい
どこ から か 突然 現れる 妖怪 じゃ。
わに ゅう どう
たましい
く
輪 入 道 に 魂 を 食わ れる と
にんげん
その 人間 は ダイヤ に
すがた
か
姿 を 変えられて しまう んじゃ よ。
ダイヤモンド に?
じゃあ も しか して
ゆくえ ふめい
ひと
行方 不明に なった 人 たち は
おとこ
て び
ねずみ 男 の 手引き で
わに ゅう どう
輪 入 道 に ダイヤ に された?
かん が
そう 考える と
やすう
あの 安売り ダイヤ の こと も
せつめい
説明 が つく のう。
くん
とう
じゃあ ケン 君 の お 父さん も
ダイヤモンド に?
いそ
急ぎましょう。
ふむ。
わに ゅう どう
しかし 輪 入 道 は
て
ようかい
手ごわい 妖怪 じゃ ぞ。
すな
ばば あ
砂 かけ 婆
おうえん
たの
応援 を 頼んで くれ ん かのう。
すな
ばば あ
(砂 かけ 婆 )は いよ。
な
ご え
(カラス の 鳴き声)
よくぼう
はかば
まさに 「欲望 の 墓場 」って
かん
感じ です ね。
ひと
けはい
ん ? 人 の 気配 だ。
じょせい
ほんとう
(女性 1)本当に ダイヤ が
もらえる の ね?
じょせい
(女性 2)どこ に ある の よ。
そう あわて ない あわて ない。
すぐ そこ です よ。
さあ どうぞ どうぞ。
じょせい
かんせい
(女性 たち の 歓声)
はい あわて ない あわて ない。
ん?
チッ しつこい ヤツ ら だ ぜ。
お
よし あと を 追う ぞ。
ミャ ~ン。
あしおと
(足音)
おとこ
ひと
ねずみ 男 の ヤツ あの 人 たち を
つ
どこ へ 連れて いった んだろう。
よい しょ!
これ は!
こ … こりゃ あ
ひどい もん じゃ のう。
じゅんちょう
順調です ね。
きたろう
お
ぱら
あと は 鬼 太郎 を 追っ払う だけ さ。
けいてき
(警笛)
イヒヒヒヒ~。
だれ
おれ さま
しょうばい
じゃま
誰 に も 俺 様 の 商売 の 邪魔 は
さ せ ない もん ね~。
でんしゃ
そう こうおん
(電車 の 走行 音)
なん
おと
ねえ これ 何の 音?
えっ?
ハッ。
けいてき
(警笛)
ああっ。
でんしゃ
あっなに !? どうして 電車 が?
に
逃げる んじゃ!
きたろう
はや
はし
鬼 太郎 もっと 速く 走ら ん か!
あら
いき
(荒い 息)
うわ~!
けいてき
(警笛)
うわ ~! わ あっ。
うわっ。
むすめ
(ねこ 娘 )ハァ…。
たす
いったん
フゥ ~ 助かった ぞ 一 反 もめん。
いったん
(一 反 もめん )いや~
きき いっぱ つ
危機一髪 で ご わした な。
みな
さあ 皆さん
つ
着きました です よ~。
じょせい
かんせい
(女性 たち の 歓声)
じょせい
おく
(女性 1)奥さん!
じょせい
(女性 2)す … すごい わ これ・
ぜんぶ
全部 ダイヤモンド だ わ。
そんな もの は クズ ダイヤ です よ。
おく
い
りっぱ
奥 へ 行けば もっと 立派な ダイヤ が
ザーックザク ゴロゴロ です よ。
じょせい
ほんとう
(女性 1)本当に
それ もらって も いい ん です ね?
じょせい
かんせい
(女性 たち の 歓声)
ど わっ。
じょせい
おく
(女性 3)奥さん ズル いわ!
す
くっお 好きに どうぞ!
じょせい
ま
(女性 3)お 待ち なさい!
じょせい
かんせい
(女性 たち の 歓声)
おとこ
(男 たち )へえ~…。
じゅうぶん
まっあん だけ いりゃ 十分だ ろ。
じょせい
(女性 たち )すごい!
じょせい
(女性1)
おお が ね も
これ だけ あれば 大 金持ち よ!
じょせい
ぜんぶ
(女性 2)これ 全部 ダイヤ よ~。
じょせい
(女性 3)これ も これ も
わたし
イヤッ これ も 私 の よ~!
わに ゅう どう
かって
はい
こ
(輪 入 道 )勝手に 入り込み よって。
も
ダイヤ を 持っていこう と は
よく
ふか
なんて 欲 の 深い ヤツ ら だ。
じょせい
(女性 たち )キャ~!
に
逃げる な~。
じょせい
(女性 4)えっ? あっああ…。
わに ゅう どう
よく
(輪 入 道 )欲 の ない コウモリ や
たましい
ネズミ の 魂 に・
あ
あ
飽き飽き して た ところ だ。
いろ
こいつ は 色 と いい ツヤ と いい
うま そうだ。
た
おと
(食べる 音)
こえ
(おびえる 声)
うまい
そうとう
よく ぶか
にんげん
これ は 相当 欲深な 人間 だ。
まえ
あじ
さて お前たち の 味 は どう かな?
じょせい
ひめい
(女性 たち の 悲鳴)
わに ゅう どう
た
おと
(輪 入 道 の 食べる 音)
わに ゅう どう
(輪 入 道 )ふん ふん うん…。
よく ぶか
にんげん
さすが に 欲 深い 人間 の ダイヤ は
かがや
輝いてます な~。
どうぶつ
くら
動物 たち の ダイヤ に 比べて ほ ー ら
ひか
こんなに も 光ってる。
よく
ふか
たましい
あじ
じょうとう
欲 が 深い ほど 魂 の 味 も 上等だ。
おお
そんなに 大きく なる まで
た
お 食べ に なって。
わに ゅう どう さま
そうとう
よくば
輪 入 道 様 も 相当な 欲張りです な。
まえ
か
お前 は 変わってる な。
たましい
おれ
うまい 魂 は 俺 に よこして
あじ
味 も そっけ も ない ダイヤ を
ほ
欲しがる と は。
にんげん しゃかい
いや あ 人間 社会 じゃ
たましい
魂 なんか より も
ダイヤ の ほう が
ね う
値打ち もの な ん です よ フフッ。
わたし
じゃ 私 は これ で。
おとこ
ねずみ 男!
こんど
ゆる
今度 ばかり は 許さ ない ぞ。
しょう
チッ 性こり も なく
あらわ
現れ や がった な。
ちかてつ
お
地下鉄 に 追われて
に
かえ
おも
逃げ 帰った か と 思った のに よ。
そう は いく か!
わ わっぐ ぐ … はっ?
わに ゅう どう
輪 入 道!
まえ
グウ … お前たち も
た
き
食べられ に 来た の か?
だれ
た
誰 が 食べられる もん です か。
わたし
きば
あんた なんか この 私 の 牙 で!
むすめ
やめる んじゃ ねこ 娘。
シャーッ ! ハッ!
うわ あ。
いった だっき ま ー す あー ん。
た
おと
(食べる 音)
まずい!
よく
たましい
なんて 欲 の ない 魂 な んだ。
ご え
(うなり 声)
いったん
わに ゅう どう
からだ
(一 反 もめん )輪 入 道 の 体 が
おお
大きく なった で ご わす。
たましい
た
ヤツ は 魂 を 食べる たび に
きょだい か
巨大 化 する んじゃ。
むすめ
よくも ねこ 娘 を ダイヤ に した な!
わに ゅう どう
(輪 入 道 )う う!
うわ~!
いったん
(一 反 もめん )やった で ご わす。
ご え
(うなり 声)
うわ … うわっ。
に
ひとまず 逃げる んじゃ
いったん
一 反 もめん。
いったん
わ
(一 反 もめん )分かり も した。
わに ゅう どう
(輪 入 道 )そう は させる か。
ま
う う う … 待て~!
きたろう
まっ鬼 太郎 たち の こと は