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カエル に なった ぼたもち
カエル に なった ぼたもち
むかし むかし 、 お 百姓 ( ひゃくしょう ) さん たち の 食べ物 は 、 とても 貧しい もの でした 。
白い お 米 の ご飯 など は 、 めったに 食べ られ ず 、 いつも アワ や ヒエ や イモ を 食べて い ました 。
さて 、 ある 村 に 、 あまり 仲 の よく ない 嫁 さん と おばあ さん が い ました 。
二 人 は 顔 を あわせる と 、 けんか ばかり して い ます 。
朝 に 起きた 時 も 、 「 嫁 の くせ に 、 何て 起きる の が 遅い んじゃ ろう 」 「 ふん 。
年寄り は 用 も ない の に 早起き して 、 困った もの じゃ 」 そして イモ の 入った おかゆ を 食べる 時 も 、 「 おら の 方 が 、 イモ が すく ねえ ぞ 」 「 ちゃんと 一緒の 数 を 入れた さ 。
全く 、 おら より 体 が 小さい くせ に ずうずうしい 」 と 、 いつも 悪 口 の 言い 合い です 。
そんな ある 日 、 急 が しかった 田植え が ようやく 終わり ました 。
「 なあ 、 毎日 毎日 、 イモ が ゆ ばかりじゃ った から 、 たまに は 、 うめ え もん が 食い て え のう 」 おばあ さん が いう と 、 珍しく 嫁 さん も 賛成 し ました 。
「 そう だ な 。
田植え も 終わった 事 だ し 、 今日 は 、 ぼたもち で も つくる べ か 」 「 なに ~ っ 、 ぼ 、 た 、 も 、 ち 、 じゃ と 。
それ は いい 。
すぐ つくる べ え 」 いつも は 悪 口 を 言い 合う 二 人 です が 、 今日 は 仲良し です 。
「 それ で な 、 ゆん べ 夢 の 中 で 、 ぼたもち を 見た んじゃ よ 。
そして 食おう と する と 、 どんどん 消えて し も うて な 」 「 夢 の 中 で まで ぼたもち が 出て くる と は 、 食い意地 の はった ばあ さま じゃ な 。
アハハハハハッ 」 「 ところで 、 アズキ は ある のけ ?
」 おばあ さん が 心配 そうに 聞く と 、 嫁 さん は 胸 を ドンと 叩き ます 。
「 ある と も さ 。
こんな 時 の 為 に 、 ちゃんと しまって おいた んじゃ よ 」 「 そう か 。
お前 は 大した 嫁 じゃ 」 こうして 二 人 は 、 仲良く ぼたもち を 作り 始め ました 。
まず 、 米 を たき ます 。
次に 、 アズキ を 煮 ます 。
そして 、 米 を つき ます 。
最後に 餅 ( もち ) を 丸めて 、 あんこ を つけ ます 。
「 出来た ぞ 。
さあ 、 味見 を する べ え 」 「 ばあさん 、 一 人 で 味見 を する の は ずるい ぞ 」 「 じゃあ 、 二 人 で 一緒に 味見 を する か 」 二 人 は 笑い 合い ながら 、 声 を そろえて 言い ました 。
「 うめ え 」 「 うめ え 」 二 人 は 夢中に なって 、 ぼたもち を 食べ 始め ました 。
「 ばあさん 、 いく つ 食った ?
」 「 おら は 、 五 つ 、・・・ いや 三 つ じゃ 。
おめえ は いく つ じゃ ?
」 「 おら は 、 六 つ 、・・・ いや 三 つ じゃ 」 二 人 は また 、 パクパク 食べ 始め ました 。
「 ふ わっ 、 もう 食え ねえ 。
お腹 が われ そうだ 」 嫁 さん は 食べる だけ 食べる と 、 隣 の 部屋 に 行って しまい ました 。
おばあ さん が 見る と 、 一 つ だけ ぼたもち が 残って い ます 。
おばあ さん は 、 その ぼたもち を なべ に 隠し ながら ぼたもち に 言い ました 。
「 ええ か 、 ぼたもち よ 。
嫁 の 顔 を 見たら 、 カエル に なる んだ ぞ 」 この 様子 を 、 嫁 さん は しょうじ の すきま から 見て いた のです 。
次の 日 、 嫁 さん は 朝 早く に 起きる と 、 なべ の 中 の ぼたもち を 食べて しまい ました 。
「 ああ 、 うまかった 。
さて 、 ぼたもち の 代わり に 、 この カエル を 入れて おいて と 」 嫁 さん は 、 なべ の 中 に カエル を 入れて 知ら ん ぷり です 。
さて 、 そう と は 知ら ない ばあさん は 、 嫁 さん が 田んぼ に 行った すきに なべ の ふた を 開け ました 。
すると カエル が 、 ピョーン と 飛び出し ました 。
おばあ さん は 、 カエル に あわてて 言い ました 。
「 これ 、 待て 、 ぼたもち 。
わし じゃ 、 嫁 じゃ ない ぞ 。
待て 、 待て 」 しかし カエル は 田んぼ に 逃げ 込んで 、 どこ か へ 消えて しまい ました 。
「 わ ~ ん 、 おら の ぼたもち が 、 泳いで 行って し もう ただ ~」
おしまい
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カエル に なった ぼたもち
かえる|||
Botamochi as a frog
Botamochi como rana
Botamochi als kikker
カエル に なった ぼたもち
かえる|||
むかし むかし 、 お 百姓 ( ひゃくしょう ) さん たち の 食べ物 は 、 とても 貧しい もの でした 。
|||ひゃくしょう|||||たべもの|||まずしい||
白い お 米 の ご飯 など は 、 めったに 食べ られ ず 、 いつも アワ や ヒエ や イモ を 食べて い ました 。
しろい||べい||ごはん||||たべ||||あわ||||いも||たべて||
さて 、 ある 村 に 、 あまり 仲 の よく ない 嫁 さん と おばあ さん が い ました 。
||むら|||なか||||よめ|||||||
二 人 は 顔 を あわせる と 、 けんか ばかり して い ます 。
ふた|じん||かお||||||||
朝 に 起きた 時 も 、 「 嫁 の くせ に 、 何て 起きる の が 遅い んじゃ ろう 」 「 ふん 。
あさ||おきた|じ||よめ||||なんて|おきる|||おそい|||
年寄り は 用 も ない の に 早起き して 、 困った もの じゃ 」 そして イモ の 入った おかゆ を 食べる 時 も 、 「 おら の 方 が 、 イモ が すく ねえ ぞ 」 「 ちゃんと 一緒の 数 を 入れた さ 。
としより||よう|||||はやおき||こまった||||いも||はいった|||たべる|じ||||かた||いも||||||いっしょの|すう||いれた|
全く 、 おら より 体 が 小さい くせ に ずうずうしい 」 と 、 いつも 悪 口 の 言い 合い です 。
まったく|||からだ||ちいさい||||||あく|くち||いい|あい|
そんな ある 日 、 急 が しかった 田植え が ようやく 終わり ました 。
||ひ|きゅう|||たうえ|||おわり|
「 なあ 、 毎日 毎日 、 イモ が ゆ ばかりじゃ った から 、 たまに は 、 うめ え もん が 食い て え のう 」 おばあ さん が いう と 、 珍しく 嫁 さん も 賛成 し ました 。
|まいにち|まいにち|いも||||||||||||くい|||||||||めずらしく|よめ|||さんせい||
「 そう だ な 。
田植え も 終わった 事 だ し 、 今日 は 、 ぼたもち で も つくる べ か 」 「 なに ~ っ 、 ぼ 、 た 、 も 、 ち 、 じゃ と 。
たうえ||おわった|こと|||きょう|||||||||||||||
それ は いい 。
すぐ つくる べ え 」 いつも は 悪 口 を 言い 合う 二 人 です が 、 今日 は 仲良し です 。
||||||あく|くち||いい|あう|ふた|じん|||きょう||なかよし|
「 それ で な 、 ゆん べ 夢 の 中 で 、 ぼたもち を 見た んじゃ よ 。
|||ゆ ん||ゆめ||なか||||みた||
そして 食おう と する と 、 どんどん 消えて し も うて な 」 「 夢 の 中 で まで ぼたもち が 出て くる と は 、 食い意地 の はった ばあ さま じゃ な 。
|くおう|||||きえて|||||ゆめ||なか|||||でて||||くいいじ|||ば あ|||
アハハハハハッ 」 「 ところで 、 アズキ は ある のけ ?
」 おばあ さん が 心配 そうに 聞く と 、 嫁 さん は 胸 を ドンと 叩き ます 。
|||しんぱい|そう に|きく||よめ|||むね||どんと|たたき|
「 ある と も さ 。
こんな 時 の 為 に 、 ちゃんと しまって おいた んじゃ よ 」 「 そう か 。
|じ||ため||||||||
お前 は 大した 嫁 じゃ 」 こうして 二 人 は 、 仲良く ぼたもち を 作り 始め ました 。
おまえ||たいした|よめ|||ふた|じん||なかよく|||つくり|はじめ|
まず 、 米 を たき ます 。
|べい|||
次に 、 アズキ を 煮 ます 。
つぎに|||に|
そして 、 米 を つき ます 。
|べい|||
最後に 餅 ( もち ) を 丸めて 、 あんこ を つけ ます 。
さいごに|もち|||まるめて||||
「 出来た ぞ 。
できた|
さあ 、 味見 を する べ え 」 「 ばあさん 、 一 人 で 味見 を する の は ずるい ぞ 」 「 じゃあ 、 二 人 で 一緒に 味見 を する か 」 二 人 は 笑い 合い ながら 、 声 を そろえて 言い ました 。
|あじみ||||||ひと|じん||あじみ||||||||ふた|じん||いっしょに|あじみ||||ふた|じん||わらい|あい||こえ|||いい|
「 うめ え 」 「 うめ え 」 二 人 は 夢中に なって 、 ぼたもち を 食べ 始め ました 。
||||ふた|じん||むちゅうに||||たべ|はじめ|
「 ばあさん 、 いく つ 食った ?
|||くった
」 「 おら は 、 五 つ 、・・・ いや 三 つ じゃ 。
||いつ|||みっ||
おめえ は いく つ じゃ ?
お め え||||
」 「 おら は 、 六 つ 、・・・ いや 三 つ じゃ 」 二 人 は また 、 パクパク 食べ 始め ました 。
||むっ|||みっ|||ふた|じん||||たべ|はじめ|
「 ふ わっ 、 もう 食え ねえ 。
|わ っ||くえ|
お腹 が われ そうだ 」 嫁 さん は 食べる だけ 食べる と 、 隣 の 部屋 に 行って しまい ました 。
おなか|||そう だ|よめ|||たべる||たべる||となり||へや||おこなって||
おばあ さん が 見る と 、 一 つ だけ ぼたもち が 残って い ます 。
|||みる||ひと|||||のこって||
おばあ さん は 、 その ぼたもち を なべ に 隠し ながら ぼたもち に 言い ました 。
||||||||かくし||||いい|
「 ええ か 、 ぼたもち よ 。
嫁 の 顔 を 見たら 、 カエル に なる んだ ぞ 」 この 様子 を 、 嫁 さん は しょうじ の すきま から 見て いた のです 。
よめ||かお||みたら|かえる||||||ようす||よめ|||||||みて||
次の 日 、 嫁 さん は 朝 早く に 起きる と 、 なべ の 中 の ぼたもち を 食べて しまい ました 。
つぎの|ひ|よめ|||あさ|はやく||おきる||||なか||||たべて||
「 ああ 、 うまかった 。
さて 、 ぼたもち の 代わり に 、 この カエル を 入れて おいて と 」 嫁 さん は 、 なべ の 中 に カエル を 入れて 知ら ん ぷり です 。
|||かわり|||かえる||いれて|||よめ|||||なか||かえる||いれて|しら|||
さて 、 そう と は 知ら ない ばあさん は 、 嫁 さん が 田んぼ に 行った すきに なべ の ふた を 開け ました 。
||||しら||||よめ|||たんぼ||おこなった||||||あけ|
すると カエル が 、 ピョーン と 飛び出し ました 。
|かえる||||とびだし|
おばあ さん は 、 カエル に あわてて 言い ました 。
|||かえる|||いい|
「 これ 、 待て 、 ぼたもち 。
|まて|
わし じゃ 、 嫁 じゃ ない ぞ 。
||よめ|||
待て 、 待て 」 しかし カエル は 田んぼ に 逃げ 込んで 、 どこ か へ 消えて しまい ました 。
まて|まて||かえる||たんぼ||にげ|こんで||||きえて||
「 わ ~ ん 、 おら の ぼたもち が 、 泳いで 行って し もう ただ ~」
||||||およいで|おこなって|||
おしまい