米 の 飯
べい||めし
something one never grows tired of
algo de lo que uno nunca se cansa
iets waar je nooit genoeg van krijgt
tigela de arroz
米 の 飯
べい||めし
rice bowl
むかし むかし 、 吉 四六 さん と 言う 、 とても ゆかいな 人 が い ました 。
||きち|しろく|||いう|||じん|||
むかし は 生活 が 貧しかった ので 、 お 米 の 飯 など は あまり 食べ られ ませ ん 。
||せいかつ||まずしかった|||べい||めし||||たべ|||
In the old days, life was poor, so I didn't eat much rice.
お祭り と か 、 お 祝い 事 でも なければ 、 お 米 を 炊か なかった のです 。
おまつり||||いわい|こと||||べい||たか||
Unless it was a festival or a celebration, I wouldn't cook rice.
それほど お 米 は 大切な 物 で 、 そして おいしい 物 でした 。
||べい||たいせつな|ぶつ||||ぶつ|
That's how important rice was, and how delicious it was.
さて 、 今 の 時期 は 畑 仕事 も 中休み で 、 吉 四六 さん は 暇でした 。
|いま||じき||はたけ|しごと||なかやすみ||きち|しろく|||ひまでした
でも 、 何も し ないで いて も 、 お腹 は 空き ます 。
|なにも|||||おなか||あき|
But even if I don't do anything, I'm still hungry.
そして どういう わけ か 、 その 日 は やたら と お 米 の 飯 が 食べ たく なり ました 。
|||||ひ|||||べい||めし||たべ|||
And for some reason, I really wanted to eat rice that day.
そこ で 吉 四六 さん は 、 考え ました 。
||きち|しろく|||かんがえ|
「 何 か が なければ 、 かみさん は お 米 を 出して くれ ない だろう 。
なん||||かみ さん|||べい||だして|||
"Without something, Kami wouldn't serve rice.
何とか して 米 の 飯 を 食う 方法 は 、 ねえ かな ?
なんとか||べい||めし||くう|ほうほう|||
Is there a way to somehow eat rice?
・・・ そうだ !
そう だ
次の 朝 早く 起き 出した 吉 四六 さん は 、 外 へ 出て 空 を 見上げ ました 。
つぎの|あさ|はやく|おき|だした|きち|しろく|||がい||でて|から||みあげ|
Yoshishiroku got up early the next morning and went outside to look up at the sky.
どんより した 天気 で 、 今にも 雨 が 降り そうです 。
||てんき||いまにも|あめ||ふり|そう です
The weather is gloomy and it looks like it might rain at any moment.
吉 四六 さん は 一 人 で 頷く と 、 急に 大きな 声 で 言い ました 。
きち|しろく|||ひと|じん||うなずく||きゅうに|おおきな|こえ||いい|
Yoshishiroku nodded to himself, and suddenly said in a loud voice.
「 おお !
そう か あ !
わかった ぞ お !
」 まるで 、 誰 か に 答える 様 な 声 です 。
|だれ|||こたえる|さま||こえ|
It's a voice that seems to be answering someone.
「 それ は 、 大変だ なあ !
||たいへんだ|
橋 を かける の か !
きょう||||
Are you going to build a bridge!?
よし 、 行く ぞ お !
|いく||
」 それ から 、 家 の 中 の おかみ さん に むかって 言い ました 。
||いえ||なか||||||いい|
'' Then he said to the lady in the house.
「 おい 、 今日 は 代官 さま の 言いつけ で 、 橋 を かけ に 行か ねば なら ぬ 。
|きょう||だいかん|||いいつけ||きょう||||いか|||
"Hey, today I have to go across the bridge under the order of the magistrate.
きつい 仕事 で 、 腹 が 減って は 働け ん から 、 米 の 飯 を 炊いて 弁当 を 作って くれ や 」 その頃 は 畑 仕事 が ひまに なる と 、 よく 村 の 仕事 に 駆り出さ れた のです 。
|しごと||はら||へって||はたらけ|||べい||めし||たいて|べんとう||つくって|||そのころ||はたけ|しごと||||||むら||しごと||かりださ||
I couldn't work if I was hungry because of the hard work, so please cook rice and make a lunch box. ”At that time, when I had a free time to work in the fields, I was often rushed to work in the village.
そして そんな 時 に 粗末な 弁当 で は 恥 を かく ので 、 みんな は 見栄 を 張って 大切 なお 米 を 炊いた のです 。
||じ||そまつな|べんとう|||はじ||||||みえ||はって|たいせつ||べい||たいた|
And at that time, I was ashamed of the poor lunch box, so everyone cooked the rice with great looks.
ようやく 弁当 が 出来る 頃 に なって 、 吉 四六 さん は ふいに 外 へ 出て 行き ました 。
|べんとう||できる|ころ|||きち|しろく||||がい||でて|いき|
When the lunch was finally ready, Yoshishiroku suddenly went outside.
「 何 々 ?
なん|
また 、 呼んで る な 」 実は 誰 も 呼んで い ない のです が 、 吉 四六 さん が 外 に 出る 見る と 吉 四六 さん の 予想 通り 、 ポツポツ と 雨 が 降って 来 ました 。
|よんで|||じつは|だれ||よんで|||||きち|しろく|||がい||でる|みる||きち|しろく|||よそう|とおり|ぽつぽつ||あめ||ふって|らい|
I'm calling you again." Actually, no one was calling, but when Kichishiroku went outside, just as he had predicted, it started to rain.
吉 四六 さん は ニンマリ 笑う と 、 小さな 声 で 人 の 声 を 真似て 言い ました 。
きち|しろく|||にんまり|わらう||ちいさな|こえ||じん||こえ||まねて|いい|
Yoshishiroku smiled and said in a low voice, imitating a human voice.
「 お ー い 、 吉 四六 さん よ ー ぉ 。
|-||きち|しろく|||-|
"Hey, Yoshishiroku-san.
雨 が 降って 来た から 、 橋 かけ は 止め じゃ あー 」 それ から 、 わざと 大声 で 、 「 そう か 、 分かった ぞ ぉ ー !
あめ||ふって|きた||きょう|||とどめ||||||おおごえ||||わかった|||-
It's raining, so don't cross the bridge." Then, I purposely shouted, "I see, I understand!
」 と 、 答える と 、 家 の 中 に いる おかみ さん に 言い ました 。
|こたえる||いえ||なか||||||いい|
', I said to my wife in the house.
「 聞いた か ?
きいた|
"Have you heard?
今日 の 仕事 は 止め じゃ 。
きょう||しごと||とどめ|
Stop working today.
仕方 ねえ から 、 炊けた 米 の 飯 を 食おう や 」 そして 吉 四六 さん は 、 おいし そうに お 米 の 飯 を ほおばり ました 。
しかた|||たけた|べい||めし||くおう|||きち|しろく||||そう に||べい||めし|||
I can't help it, so let's eat rice that's been cooked." And Yoshishiroku-san ate the rice with great relish.
おしまい
fim