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江戸小話, 主人想いの小僧

主人 想い の 小僧

主人 想い の 小僧

元日 の 朝 。 ある お 店 の 旦那 が 小僧 を お供 に 連れて 、 年始 ( ねんし ) 回り を して おり ました 。 尋ねて 行った 家 の 玄関 先 で 、 旦那 が 奥 の 部屋 に 向かって 、 「 ごめん ください 。 ごめん ください 」 と 、 大きな 声 で 呼びかける のです が 、 何 度 呼んで も 返事 が あり ませ ん 。 しばらく 間 を おいて 、 また 呼びかける のです が 、 やはり 同じ 事 です 。 する と そば に いた お供 の 小僧 が 、 大きな 声 で 、 「 は ー い 」 と 、 返事 を し ました 。 する と 旦那 が 怒って 、 「 馬鹿 め ! お前 が 返事 を して 何 に なる のだ ! 」 と 、 怒鳴りつけ ました 。 でも 小僧 は 、 大真面目 顔 を して 言い ました 。 「 でも 、 このまま 誰 も 返事 を して くれ ませ ん と 、 旦那 さま が さぞ お 疲れ に なる だろう と 思い ました ので 、 気 を きかせ ました 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


主人 想い の 小僧 あるじ|おもい||こぞう

主人 想い の 小僧 あるじ|おもい||こぞう The kid of the master's feelings

元日 の 朝 。 がんじつ||あさ ある お 店 の 旦那 が 小僧 を お供 に 連れて 、 年始 ( ねんし ) 回り を して おり ました 。 ||てん||だんな||こぞう||おとも||つれて|ねんし||まわり|||| The husband of a shop was traveling around the New Year holidays with a kid. 尋ねて 行った 家 の 玄関 先 で 、 旦那 が 奥 の 部屋 に 向かって 、 「 ごめん ください 。 たずねて|おこなった|いえ||げんかん|さき||だんな||おく||へや||むかって|| At the front door of the house I asked, my husband headed to the back room and said, "I'm sorry. ごめん ください 」 と 、 大きな 声 で 呼びかける のです が 、 何 度 呼んで も 返事 が あり ませ ん 。 |||おおきな|こえ||よびかける|||なん|たび|よんで||へんじ|||| しばらく 間 を おいて 、 また 呼びかける のです が 、 やはり 同じ 事 です 。 |あいだ||||よびかける||||おなじ|こと| I'll call you again after a while, but it's still the same thing. する と そば に いた お供 の 小僧 が 、 大きな 声 で 、 「 は ー い 」 と 、 返事 を し ました 。 |||||おとも||こぞう||おおきな|こえ|||-|||へんじ||| する と 旦那 が 怒って 、 「 馬鹿 め ! ||だんな||いかって|ばか| お前 が 返事 を して 何 に なる のだ ! おまえ||へんじ|||なん||| 」 と 、 怒鳴りつけ ました 。 |どなりつけ| でも 小僧 は 、 大真面目 顔 を して 言い ました 。 |こぞう||おおまじめ|かお|||いい| 「 でも 、 このまま 誰 も 返事 を して くれ ませ ん と 、 旦那 さま が さぞ お 疲れ に なる だろう と 思い ました ので 、 気 を きかせ ました 」 ||だれ||へんじ|||||||だんな|||||つかれ|||||おもい|||き|||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )