Demi -chan wa Kataritai (Interviews With Monster Girls ) Episode 5
( 雪 ( ゆき ) ) あっ
♪~
~♪
( 雪 ) 高校 で は 自分 が 雪 女 で ある こと を 隠 そ う と 思って まし た
( シャッター 音 )
( 雪 ) デミ で ある こと を 周知 さ れ なけ れ ば
物珍し さ で 近づ い て くる 人 も い ない だ ろ う と
人 と 接触 し なけ れ ば 私 の 体質 で 危害 が 及ぶ こと も ない だ ろ う と
ですが …
( 佐竹 ( さた け ) ) お っ ? ( 太田 ( おお た ) ) ん ?
( 雪 ) 体育 の 授業 中 暑 さ に やら れ て 体調 を 崩し て
体 に 触れ られ そう に なって 思わ ず …
私 雪 女 だ から !
( 佐竹 ) えっ ?
冷やせ ば 大丈夫 だ から
( 雪 ) 結局 その あと 倒れ て しまって 担架 で 運ば れ て …
( 高橋 ( たか は し ) ) お前 が 雪 女 で ある こと は ずっと 隠し て き た の か ?
( 雪 ) いえ これ まで は 全く
高校 に 上がる まで は 雪 の 多い 田舎 町 に 住 ん で い た ん です
その とき は 全然 隠し て い ませ ん で し た
体温 が 低い の と
たまに 体 から ちょっと 冷気 や 氷 の 涙 が 出る くらい で
人 に 影響 を 与える ほど で は ない 些細 ( ささい ) な もの だ と 思って た ん です
だから 自分 の 雪 女 の 体質 に
疑問 を 持った こと は あり ませ ん で し た
つまり こっち に 越し て から 高校 入学 まで に 何 か あった と
そういう こと です
引っ越し て すぐ の こと だった の です が
その とき の 私 は すごく 気 が 滅 入 ( めい ) って い まし た
新しい 環境 で の 生活 を 思う と 不安 で いっぱい で
中学校 まで の 友達 と は 離れ離れ に なって しまった し
ずっと 田舎 暮らし だった ので
都会 で うまく やって いける か 自信 も なく て 怖く て
いっそ おとぎ話 の よう に
湯 に 溶け て 消え て しまえ たら 楽 な の に
そんな こと を 考え て い た とき ふと 違和感 を 覚え て …
湯船 に 氷 が ?
ぞっと し まし た
氷 は すぐに 溶け まし た が
私 が お 湯 を 凍ら せる ほど の 冷気 を 発 し た の だ と し たら
それ は とても 恐ろしい こと だ と
冷気 の 矛先 が 人 に 向かった 場合 どう なって しまう の か と
あれこれ 悩 ん でる うち に 高校 生活 が 始まって
人 と 接触 し なけ れ ば 大丈夫 だ ろ う と
( 高橋 ) それ で 避ける よう に なった って わけ か
怖い ん です
結局 自分 が どれ くらい 危険 な の か 分から ない
それ が 分かって 人 に 伝え られ れ ば
胸 を 張って 私 は 雪 女 だ と 言え る の に
う ~ ん 冷気 が 湯 を …
日下部 ( くさ かべ ) は ふだん どう やって 風呂 に 入る ん だ ?
えっ ?
( 高橋 ) ああ いや 風呂 の 温度 と か 家族 と 一緒 な の か なって
( 雪 ) 同じ です 40 度 くらい です か ね
ただ 私 は 入浴 時間 が 短い と は よく 言わ れ ます けど
それ で その とき は ?
いつも 以上 に 湯 が 冷め て いたり と か …
いえ そんな こと は なかった か と
そう か 氷 の 涙 が 出る と 言って い た が …
( 雪 ) 別に 泣 い て い た わけ で は
それ に 氷 の 粒 は いつの間にか 浮か ん で い て
( 高橋 ) そう か
ああ 汗 は どう だ ? 入浴 時 に かい た 汗 が 凍った と か
実は 私 汗 は ほとんど かか ない ん です
と いう より も かけ ない と いう ほう が 正しい です ね
人 より 汗 を かく の が 下手 で … N 汗腺 って いう ん です か ?
ああ 汗 を 分泌 する 器官 の こと だ な
( 雪 ) それ が すごく 少ない そう です
なるほど
全く かか ない と いう わけ で は ない の です が
( 高橋 ) その 汗 が 凍った と いう 可能 性 は ?
汗 が 凍った こと は 今 まで 一 度 も ない ん です
あの とき だけ 凍った と いう の は 変 か な って
そう だ な
涙 は いつ だって 凍る のに
( チャイム ) あっ
すみません お 昼 休み を こんな 話 で
あ … 先生 ?
えっ ? あっ ああ
呼びつけ て 悪かった な 教室 戻って いい ぞ
失礼 し まし た
( 高橋 ) ああ 日下部 ( 雪 ) はい
もし よかったら な ん だ が また 放課後 来 て もらえ る か ?
はい
( 町 ( まち ) ) あっ 日下部 さん !
( 雪 ) 小鳥 遊 ( たか なし ) さん 町 さん
2 人 で お 昼 ご飯 ?
( ひかり ) うん そう
( 町 ) 今度 日下部 さん も 一緒 に 食べよ
( 町 ) 高橋 先生 の 所 って こと は 何 か 相談 し て た の ?
( 雪 ) うん
でも 変 な 話し て 余計 な 心配 かけ ちゃ った か な って
( ひかり ) ああ それ は 大丈夫
先生 は いつ だって デミ ちゃん と 語り たい ん だ から ねっ ?
うん
それ なら いい ん だ けど
あっ そうだ 今日 帰り アイス 食べ 行か ない ?
( 雪 ) アイス ? ( ひかり ) 突然 だ ね
最近 いい お 店 見つけ た ん だ どう かな ?
うん … 考え とく ね
じゃあ
( 高橋 ) 体 から 発 せ られる 冷気 で 湯 の 温度 は 下げ ず に 氷 だけ 生成 する
そんな こと が 可能 だ ろ う か ?
“ 涙 は いつ だって ” か
とりあえず 伝承 から 当たって みる か
( 高橋 ) 不思議 と 雪 女 の 伝承 は どれ も 物悲しい 話 ばかり だ な
( 高橋 ) 雪 女 に つい て 改めて 調べ て み た
まあ 大体 の 外見 は どの 伝承 でも 同じ だ な
白 装束 で 長髪 の 美しい 女性 老婆 の パターン も ある な
話 に も テンプレート が ある
雪 女 は 自分 が 雪 女 で ある こと を 隠し て 男 に 近づ い て
何 か を 要求 する が 断ら れる と 悪 さ を する
あるいは 親しく なる も
何らか の アクシデント で 去って しまう
地域 に よって 細かい 違い は ある が 大体 どちら か だ
ああ … すま ん
( 高橋 ) 日下部 ( 雪 ) はい
お前 緊張 する と 足 が 冷え た り は し ない か ?
えっ ? ええ 確かに 冷え性 な ん です か ね
そう か
あ …
え ?
( 高橋 ) 俺 は 日下部 に
とても 辛 ( つら ) い 申し訳ない こと を 強い よう と して いる
だが 乗り越え て ほしい そう すれ ば きっと …
( 高橋 ) 待た せ た な
はい あっ いえ …
( 高橋 ) う ~ し しょ っと
( 雪 ) それ は お 湯 ?
( 高橋 ) うん 足 湯 じゃあ …
( 雪 ) へ ?
( 高橋 ) 湯 加減 は どう だ ?
大丈夫 です
( 高橋 ) で だ これ を 朗読 し て もらえ る か ?
雪 女 の 伝承 を まとめ た もの だ
必要 な こと な ん でしょ う か ?
大事 な こと だ
非常に 心苦しい が 頭 に 残し ながら しっかり 読 ん で ほしい
分かり まし た
“ ある 吹雪 の 激しい 夜 ”
“ 男 の 所 に 白 ずくめ に 長い 髪 の 美しい 女 が 訪ね て き た ”
“ 女 の 体 は 氷 の よう に 冷たかった ため ”
“ 男 は 女 を 風呂 に 入れよ う と する が 女 は かたくな に それ を 拒 ん だ ”
“ 無理 に 風呂 に 入れる と 女 の 体 は 溶け て 消え て しまい ”
“ あと に は つらら の かけら だけ が 残って い た ”
( 高橋 ) 続け て
はい
“ ある 村 に きこり を 生 業 ( なり わ い ) と して いる 2 人 の 男 が い た ”
“ ある 冬 の 日 小屋 で 2 人 が 寒 さ を し の い で いる と ”
“ 白 装束 に 身 を 包 ん だ 冷たい 目 を し た 女 が やって 来 た ”
“ 女 は 老い た ほう の 男 に 白い 息 を 吹きかけ た ”
“ する と 男 は たちまち 氷 漬け に なって … ”
“ 目の前 で 起こった こと に ”
“ 若い 男 は ただ 見て いる こと しか でき なかった ”
“ 女 は 若い 男 に 覆いかぶさる が ”
“ 笑み を 浮かべ た だけ で 男 の 命 を … 取ら ず … ”
もう いい くさ か … N あっ 日下部 !
はい !
( 高橋 ) 湯 を 見ろ
あっ ! こ っ 氷 …
( 高橋 ) うん 間違い なく 氷 だ な
( 高橋 ) やはり ( 雪 ) やはり ?
ああ この 氷 は 汗 だ
汗 ? でも 私 は 汗 は …
( 高橋 ) これ は 精神 的 負荷 に よって かい た いわゆる 冷や汗 だ
冷や汗
( 高橋 ) さっき 緊張 する と 足 が 冷え たり し ない か 尋ね た ろ う ?
ええ
冷や汗 は 額 手のひら 足 の 裏 と いった 場所 に よく かく
あっ
そう だ お前 は 足 の 裏 に 冷や汗 を かく ん だ
すごい です なぜ 分かった ん です か ?
( 高橋 ) 根拠 は 伝承 だ
雪 女 の 伝承 は 実ら ぬ 恋 孤立 無 援 溶け て 露 と 消え て しまう …
悲しい 話 が 多 すぎる
だから 思った ん だ
ネガティブ な 感情 精神 的 負荷 自体 が
雪 女 の 性質 に 大きく 関わって いる と
ならば ストレス で 発生 する 汗 も 凍る ん じゃ ない か と
いろいろ と お前 に 負担 を かけ て 悪かった
えっ
( 高橋 ) これ を 実証 する に は
できる だけ お前 に 緊張 し て ほしく て な
すま なかった
あっ い … いえ !
私 の 悩み を 解決 する ため の こと です し
解決 で い い ん です よ ね ?
ああ そうだ 湯船 の 氷 は お前 の 冷や汗 だった
考え 事 に よって 気持ち が こわばった こと が 原因 だ
加え て 体 から 発 せ られる 冷気 も 気 に する こと は ない
湯 が ほとんど 冷め ない 程度 の 影響 力 だ から だ
雪 女 の 性質 は 些細 な もの
中学 まで の お前 の 考え は 間違って は い なかった
悩む 必要 も 気 に 病む こと も ない
日下部
お前 は 人 を 傷つける よう な そういう デミ じゃ ない よ
安心 しろ
( 雪 ) う っ … よかった
本当 に よかった
( 高橋 ) 雪 女 の 性質 が ネガティブ な 感情 に 起因 し て 起こる の なら
うれし さ や 安堵 ( あんど ) と いった 感情 で は 発現 し ない
温かい 涙 は 凍ら ない
これ から は そんな 涙 が たくさん 流せ る と いい な
( 雪 ) 私 の この 性質 言葉 に する と どういう 感じ なん でしょう か ?
う ~ ん
ストレス 下 に おける
排出 さ れ た 体液 の 結晶 化 と いった ところ かな
まさに 汗 と 涙 の 結晶 だ な
う …
( 雪 ) えっ と …
うまく リアクション でき なく て すみません
( 高橋 ) いや い い ん だ すま ん
あの … N その 氷 の 汗 どう する ん です か ?
え ?
せっかく だ から 大学 で 成分 分析 し て みよ うか と
成分 分析 ? やめ て ください ! それ は さすが に セクハラ です
( 高橋 ) ええ ? ダメ か ?
絶対 ダメ です !
別に いい じゃ ない か 冷たい ヤツ だ な
私 雪 女 です から
( ひかり ) う ~ ん ユッキー い ない みたい
( 町 ) 先 に 帰っちゃ っ た の かな ?
( 雪 ) 小鳥 遊 さ ん ! 町 さん !
( ひかり ) ユッキー ?
ああ … よかった まだ い た
どう し た の ? そんなに 慌て て
( 雪 ) うん あの ね …
アイス 食べ 行 こ !
( 店員 ) マンゴー で ござい ます
( 女子 ) ありがとう ござい ます
( 店員 ) また 来 て ね ( 女子 ) は ~ い
( ひかり ) わ っ ( 雪 ) ア … アイス おいしい ね
そ っ そう だ ね
( 町 ) うん
( ひかり ) う …
( ひかり ) ユッキー と 出会った ばかり は よく くっつ い たり し て た
でも そういう の 好き じゃ ない 感じ だ から
少し 距離 を 置 い ちゃ って
あんな こと も あった し
確かに ユッキー は デミ だ けど !
マッチー 大丈夫 ? 食べ にくく ない ?
カップ の アイス に し た から
あり が と ね
小鳥 遊 さ ん
( ひかり ) は いっ ( 雪 ) よ …
よかったら 私 の 食べ て みる ?
( ひかり ) えっ いい の ?
ど … どうぞ
わ っ わ ~… いっ !
( ひかり ) わ は っ ( 雪 ) ん ?
あ …
も … もらい ま ~ す
( 雪 ) あっ は ~ い
( ひかり ) ユッキー の ほう から 誘わ れ た の は うれしい けど
ユッキー は 私 の こと どう 思って る の か な ?
( ひかり ) あ …
ごご … ごめん ユッキー 食べ 過ぎ ちゃ った !
いい よ 大丈夫
小鳥 遊 さ ん
うん ?
( 雪 ) その …
私 小鳥 遊 さん に 謝り たい こと が あって
( ひかり ) えっ ?
小鳥 遊 さ ん
私 が 人 と 触れ合う の を 避け て た こと 気付 い て た でしょ ?
う っ
だから 出会った ころ み たい な 抱きつき も やめ て くれ て
距離 を 取って くれ て
小鳥 遊 さん の 心遣い は 本当 に うれしかった
でも それ で 小鳥 遊 さん が 嫌 な 思い を し て い た の なら
あ …
本当 に ごめんなさい
( ひかり ) そんな 嫌 な 思い なんて し て ない し …
( 雪 ) でも もう 大丈夫 だ から
あっ ?
なんて いう か 人 と 触れ合う こと に つい て その …
自分 の 中 で 折り合い が つい た の
だから ね
これ から は どんどん 触って き て くれ て いい から
くっつ い て き て くれ て 大丈夫 だ から
う う ~ ユッキー !
もう また 急に
( ひかり ) エヘ へ
よかった
私 ユッキー に 嫌わ れ ちゃ った の か なって さ
そんな こと ない よ
でも ね ユッキー に 誘って もらえ た の が
やっぱり すごく うれしく て それ で …
あ ?
( ひかり ) ごめん ユッキー ちょっと 噛 ( か ) んで いい ?
えっ ?
ち … 血 を 吸う の ?
( ひかり ) 違う 違う たまに 歯 が 痒 ( かゆ ) く なる って いう か
うずうず し て カジ カジ し たく なっちゃ っ た
カジ カジ ?
( ひかり ) 服 の 上 から 軽く だ から
うん いい よ
( ひかり ) 本当 ?
( ひかり ) じゃあ 失礼 し ま ~ … N ( 雪 ) ひ ゃっ
( ひかり ) カジ カジ カジ カジ … N ( 雪 ) ちょっと くすぐったい
( 雪 ) ちょっと ち ょ … 小鳥 遊 さ ん ち ょ … ちょっと タイム
町 さん ?
( 町 ) 私 も ずっと 日下部 さん と 仲良く なり たい と 思って て
だから うれしい
町 さん
じゃあ 改めて
カジ カジ カジ カジ …
( 雪 ) ちょっと まだ やる の ?
( 町 ) 日下部 さん の 手 冷たく て 気持ち いい
( 雪 ) え ~ ? 町 さん まで
( 高橋 ) デミ の 伝承 は まだ 差別 や 対立 構造 の あった 時代
デミ に 対 する 畏怖 と も 取れる 感情 を 礎 に し て
形 を 成し た
故に デミ の 伝承 に 明るく 愉快 な 話 は 少ない
雪 女 も その 性質 と 相まって 悲劇 的 な 結末 を 迎える 話 が 多かった
ただ 現代 を 生きる 雪 女 が 伝承 と 同じ 道 を 歩む か と なる と
それ は ない だ ろ う
( ひかり たち の 笑い声 )
( 高橋 ) なぜなら 少なくとも …
( 笑い声 )
( 雪 ) もう めちゃくちゃ だ よ ~
( 高橋 ) 雪 女 は バンパイア や デュラ ハン と 仲良し
そんな 伝承 は どこ に も 存在 し ない から だ
ふだん 噛みつき たい とき は どう し てる の ?
ひま り に お 願い し てる
ひま り ~ N カジ カジ カジ カジ
( ひま り ) ん っ
( ひかり ) カジ カジ カジ カジ …
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( ひかり ) ん ~ カジ カジ カジ カジ …
( 雪 ) へ ~ N ひま り ちゃん 優しい ん だ ね
エヘ へ
( 高橋 ) よう ( 3 人 ) ん ?
一緒 に 昼 メシ か ?
( ひかり ) 先生
( 2 人 ) こんにちは
( 高橋 ) みんな 仲良し こ よし で 何より だ
本当 に ひかり と 京子 ( きょう こ ) に は よく し て もらって ます
ひかり ? 京子 ?
いっ いい じゃ ない です か 別に 名前 で 呼 ん だ って
仲 が いい の は 結構 だ が あまり ハメ を 外し 過ぎ ん よう に な
日下部 と 町 は 大丈夫 そう だ が …
ひかり お前 は ちょっと 注意 だ な
え ~ 何 それ ? 心外
どうして ひかり だけ 名前 呼び なん です か ?
ああ ひま り ちゃん が いる から
うん うん
ひま り ちゃん は ちゃん 付け な ん です が …
ゴホン
えっ と … おはよう 小鳥 遊
あ … おはよう ございます 先生
ぎこちない
ひかり ちゃ ~ ん
は ~ い
リアクション めん どくさ そう
ひかり ?
なに なに ?
( 雪 ) な … なんとなく 分かり まし た
じゃあ 別に
京子 の こと も 名前 で 呼んで あげ て も いい ん じゃ ない でしょう か ?
へ ?
( 高橋 ) ん ? まあ 別に 俺 は かまわ ん が
京子
( 高橋 ) 京子 京子 …
( 町 ) あっ やっぱり 町 で 大丈夫 です
( 高橋 ) あ … そう か ?
( ひかり ) や ~ い フラ れ て や ん の ~ !
( 高橋 ) なに ? こら ひかり ! ( ひかり ) や ~ い や ~ い !
いい の ?
うん ちょっと 恥ずかしい し
それ に 町 って 名字 も N 響 き が 名前 みたい で
呼ば れ て て うれしい の
( 高橋 ) そもそも だ
( 2 人 ) ん ?
名前 の 呼び 方 で 審議 す べき は まず こいつ だ ろ
“ ユッキー ” “ マッチー ” 大いに 結構
( 高橋 ) だ が な ひかり ( ひかり ) ん ?
( 高橋 ) 現 国 の 加藤 ( かとう ) 先生 は ?
( ひかり ) 加藤 先生
( 高橋 ) 保健 の 八千 草 ( や ちぐさ ) 先生 は ?
( ひかり ) 八千 草 先生
な ? ほか の 先生 は ちゃんと 名前 で 呼ば れ てる のに
なぜ 俺 は “ 先生 ” なん だ ?
普通 に “ 高橋 先生 ” じゃ いけない の か ?
え ~ ? だって 先生 は “ 先生 ” って 感じ だ から
( 高橋 ) 何 だ そりゃ ?
( 町 ) 分かる ( 雪 ) それ は 分かる
あっ そう いえ ば お前 佐藤 先生 は 何て 呼 ん でる ん だ ?
サッキー
( 高橋 ) サッキー ? 友達 な の ?
( 2 人 の 笑い声 )
( 佐竹 ) 日下部 って あんなに 明るかった っけ ?
( 太田 ) さあ
( 町 ) あっ ひかり ちゃん 5 時間 目 体育 だ よ
そう だった ! 着替え ない と
雪 ちゃん また ね
( 雪 ) うん ( ひかり ) バ ~ イ
まったく 騒々しい な
そう です ね
( 高橋 ) じゃ 俺 も 行く な ( 雪 ) あっ
ん ? どうか し た か ?
いや その … えっ と … N 何でもない です
そう か ?
じゃあ また な 雪
あっ
いや … N そう 呼 ん で ほしかった の か な ~ って
えっ と その …
名前 の 呼び 方 なんて どうでも よく ない です か ね ?
ええ ~
( ひかり ) いや ~ うっかり し て た
先生 の 乱入 で コロッ と 忘れ て た
( 町 ) そうだ ね
なあ 小鳥 遊
( ひかり ) ん っ 何 ? 急 い でる ん だ けど
俺 に も あだ名 付け て くれよ
えっ ? え ~ と ちょっと それ は …
いい じゃ ねえ か 大丈夫 だ どんな の だって いい から さ
遠慮 せ ず 言って くれ
ごめん 名前 何 だ っけ ?
( 太田 ) クラス も 違う ん だ し しかたない よ
( 雪 ) 佐竹 君 ( 佐竹 ) ん ?
その … 前 に 倒れ た とき
すぐに 声 かけ てき て くれ て ありがとう
お 礼 を 言う の が 遅れ て ごめんなさい
あと せっかく 遊び に 誘って くれ た のに
邪 けん に し て しまって
それ で ね 放課後 遊び に 行か ない ? カラオケ と か どう かな ?
うん いい ね
よかった じゃあ
し ゃ ~ !
ハハハッ ハハハハハ !
( 雪 ) あれ ? 男子 は 佐竹 君 1 人 ?
佐竹 君 どうか し た ?
♪~
~♪
( ひま り ) 次回 「 亜人 ちゃん は 語り たい 」
「 小鳥 遊 姉妹 は 争え ない 」