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刀語, Katanagatari Episode 10 (2)

Katanagatari Episode 10 (2)

それ が より に も よって あんた が 暗殺 し 損ねた 真庭 鳳凰 の 手 に ある と はね ー

面目 しだい も ございませ ん

「 毒 刀 · 鍍 」 と 真庭 鳳凰 と の 組み合わせ ね

果たして 凶 と 出る か 大 凶 と 出る か

わたし に も 予想 が つか ない わ

しかし もしも 奇 策 士 が 「 誠 刀 · 銓 」 の 収集 に 成功 すれば

これ で いよいよ 四季 崎記 紀 の 作り し 完成 形 変 体 刀 十二 本 が 全て

舞台 の 上 に 出揃う と いう こと に なる のです ね

姫 さま の 悲願 の 達成 も 近い

ちょっと ちょっと

どこ で 誰 が 聞いて いる か 分から ない んだ から

うかつな こと を 言う の は やめて ちょうだい

そんな 言い 方 を したら

まるで わたし が 伝説 の 刀 かじ

戦国 を 実質 的に 支配 した 四季 崎記 紀 の 末 裔 で

だからこそ 完成 形 変 体 刀 に ついて 色々 と 詳しく

あの 不愉快な 女 に 対して 一 歩 先んじる こと が できて いる みたいじゃ ない

そんな 事実 は ない んだ から そんな こと を 言う べきじゃ ない わ

そう でした もちろん 姫 さま は 四季 崎記 紀 の 末 孫 など で は ございませ ん

誤解 を 招く ような 発言 を して 申し訳 あり ませ ん でした

そう わたし は 否定 姫 よ

それ 以外 の 自分 を わたし は 余すところなく 否定 する

わたし の 悲願 なんて 達成 さ れよう が 達成 さ れ まい が

それ こそ 否定 的な だけ よ

それ から

気 に なって いる こと が あって さ

これ は ついで で いい から あんた が 直々 に 調べて みて くれ ない

何 でしょう

この 間 奇 策 士 と 虚 刀 流 を この 部屋 に 呼び付けた とき の こと な んだ けど さ

「 誠 刀 · 銓 」 の 在りか を 教えた 後 の 七 花 君 の 様子 が 何 か 変だった の よ ね

「 誠 刀 · 銓 」 の 在りか は 奥 州 の 百 刑 場

所有 者 は 仙人 の 彼我 木 輪廻 よ

奇 策 士 の 様子 は

あの 不愉快な 女 は いつも どおり よ

そう いえば あの 女 も 奥 州 は 初めて な の よ ね

何で かしら

あそこ は 軍 所 の 人間 なら まず 知って おく べき 土地柄 な んじゃ ない

まっ 気のせい かも しれ ない けれど

あんた に 無駄 足 を 踏ま せる と いう の も 悪く ない わ

鑢 七 花 と 百 刑 場 の 関係

あるいは 奇 策 士 とがめ と 百 刑 場 の 関係

よろしく 調べて おいて ちょうだい

御 意

尾張 幕府 に おり ます 2 人 の 鬼 女

本名 不詳 経歴 不明 の 否定 姫 と 奇 策 士 とがめ

その 2 人 の 決着 も そう 遠く ない 日 に 迫って いた ので ございます

何 彼我 木 輪廻 が 四季 崎記 紀 本人 から 「 誠 刀 · 銓 」 を ま ら った だ と 友人 と して もらった って 言って たな

そんな 大事な こと を 言い 忘れる と は

そ なた どういう つもり だ

どういう って だ から 今 とがめ に

ほか に 言い 忘れて おる こと は ない だろう な

ある なら さっさと 言え

とがめ は 大事な こと を 忘れて いる って

それ は 自分 の 苦手 意識 と 向き合わ ない こと に は 思い出せ ない って

言い 忘れた こと は それ だけ だ と 思う

そう か

それ で そ なた 彼我 木 と 戦う つもりな の か

ただ 戦う だけ なんて 意味 の ない こと し たい と は 思わ ない けど

けど

何の ため に 戦う って 聞か れたら 戦わ ない わけに は いか ない だろう

その 答え を 見つける ため に さ

相変わらず 真っすぐだ な そ なた は

七 花 その 答え 見つけた なら わたし に も 教えて くれ

ぜひ 聞き たい もの だ

分かった

存分に やり合う が よい わ

仙人 と 戦った と いう 経験 は

そな たに とって かなり 有益な もの と なる だろう

ああ

先 に 言って おく けど 僕 は 君 より も 圧倒 的に 弱い

何 だ よ 最初 から 負けた とき の 言い訳 か

違う よ

君 は 自分 より も 弱い もの に 勝て ない

そう 言い たい んだ よ

さあ 始めよう か

いつでも おいで 何て 言って 僕 から 掛かって いったり して

虚 刀 流 百 合

やられる

何 虚 刀 流 薔薇 おっと 危ない

逃がす か

変だ

今 まで の どの 戦 いとも 違う

かみ合わ ねん だ このまま じゃ らち が 明か ねぇ

虚 刀 流 七 花 八 裂

て て め え ずるい ぞ

あんた まさか

こいつ 戦おう と して ねぇ

自分 から 誘って おいて

戦う 気 が まったく ねぇ んだ

とがめ は 大事な こと を 忘れて いる

それ は 自分 の 苦手 意識 と 向き合わ ない こと に は 思い出せ ない って

どうやら 僕 は 失敗 して しまった ようだ よ

君 は 歴史 と は 何 だ と 思う

僕 は ね 歴史 と は 「 人間 の 生きた 証し 」 だ と 思う

精いっぱい 生きた 人間 の 証し だ と

だから あるべき 姿 である べきな んだ と

それなのに

この 歴史 は 本来 あるべき 歴史 と まるで 違う

僕 は その 間違い を じゅうぶんに 示せた だろう

ここ で ひとまず 僕 の 役割 は 終わり だ

こう やって 最後に

君 に 伝える べき こと を 伝え られた んだ から それ で よし と しよう

君 は このまま ここ に 隠れて い なさい

絶対 に 出て きたら 駄目だ よ

もしも 歴史 が 僕 の 思って いる とおり なら

君 だけ は 死な ない はずだ

君 は この 過酷な 歴史 に 生き残る こと に なる

武士 道 に 従う なら

僕 は ここ で 君 を 殺して あげ なきゃ なら ない んだろう けど

いくら それ が 歴史 の 間違い を 正す ため に 必要な こと であって も

それ だけ は でき ない

自分 の 娘 は

殺せ ない

や あ やっぱり 僕 を 殺し に 来た の は 君 だった かい 六 枝 君

僕 は 君 の こと が

もう もう たくさんだ

なぜ 今に なって こんな こと を 思い出さ せる のだ

君 の 戦闘 能力 を 10 と すれば

僕 の 戦闘 能力 は 7 が いい ところ だろう

まともに やり合ったら 戦い に さえ なら ない さ

だったら

今ごろ あんた は 八 つ 裂き に なって いる はずだろう が

でも ね 君 は 10 の 力 を 攻撃 と 防御 に 半分 ずつ 使って いる んだ よ

つまり 攻撃 に おいて 君 の 力 は 5 割 しか 発揮 さ れ ない

僕 の 戦闘 能力 を 全て 防御 へ 回せば

君 に は その 防御 を 打破 する こと は でき ない と いう わけだ

「 誠 刀 · 銓 」 と いう 完成 形 変 体 刀 の 特性 に 従って 言わ せて もらう なら

「 誠 刀 防衛 」

「 誠 刀 · 銓 」 の 特性 って 何 だ よ

この世 で 最も 誠実な 刀 だ

何せ この 僕 が 所有 して いる んだ から ね

ふざけ ん なお 前 の どこ が 誠実な んだ

おいおい そんな ところ を 責める な よ

この 性格 は とがめ ちゃん の せい だろう

くそ っ やって られ っか

こんな もん 戦い で も 何でも ねえ

俺 に 新たな 苦手 意識 植え付けて 何 が 楽しい んだ よ

楽しい よ ~ 僕 は 嫌がらせ が 大好きな んだ

こんな 戦い で も 人 に よって は 得難き 教訓 を 得 られる はずな んだ ぜ

戦い など むなしい 勝ち負け に 大した 意味 なんて ない と ね

とがめ ちゃん は 「 有益な 経験 に なる だろう 」 なんて 言った みたいだ けれど

戦い から 得る 経験 なんて 無益な もん だ

有益であった と して も 悲しい だけ だ

君 は 彼女 と 1 年 近く 戦って きた わけだ が

まるで それ を 学んで い なかった らしい から ね

親切な 僕 と して は 教えて あげ たく なっちゃ った の さ

大きな お 世話だ

彼女 は 戦い に こだわり 過ぎ だ

何という か 生きる こと 自体 が 戦い と いった ふうじゃ ない か

彼女 の 目的 って いったい 何 な んだろう ね

君 は それ を 知っている けれど それ に 同調 して いる わけじゃ ない

同情 して いる だけ だ

違う 俺 は

ほれて る

けど さあ 僕 の 見る ところ 君 の 気持ち は 恋 でも なければ 愛 で も ない んだ よ ねえ

聞き 捨て なら ねえ な

そう 怒る な よ

この ぐらい の こと は 聞き流さ なくっちゃ あ

僕 は とがめ ちゃん の 目的 が 何 な の か は 知ら ない けれど

それ が 自分 を まして や 他人 を 犠牲 に する ほど の もの じゃ ない こと は

僕 に も 分かる

君 だって 刀 集 め の 旅 の 途中 で 決して 少なく ない 人数 を 殺して いる んだろう

生きる と いう 人間 に とって の 最大 の 目的 を 阻害 して 違う かい

鑢君 人 は 殺したら 死ぬ んだ よ

君 たち は そんな 単純な 原理 から さえ 目 を そらして いる

僕 から 見れば 君 は もちろん とがめ ちゃん も

覚悟 が 足りない

「 銓 」 って の は 「 てんびん 」 って 意味 だ

君 は 自分 の やって いる こと が どれほど の 何と 釣り合う の か 考えて みる こと だ

とがめ ちゃん に も そう 伝えて くれる かい

彼女 は 僕 と 話して は くれ ない だろう から ね

ああ

次の 休憩 時間 に でも 伝えて おく よ

だったら それ は 今 だ

とがめちゃ ん 穴 の 中 で 力尽きちゃ って 休憩 中 みたいだ から さ

とがめ

君 は 何の ため に 戦う

君 は 何の ため に 戦う

わたし の 命 を 犠牲 に して 君 は 何の ため に 戦う

決まって いる だろう

とがめ の ため だ

そう だ 俺 は とがめ の ため に 戦って いる んだ

とがめ と 出会った その 日 から 俺 は

僕 の 見る ところ 君 の 気持ち は 恋 でも なければ 愛 で も ない んだ よ ねえ

恋 と か 愛 なんて くだら ねえ

俺 は とがめ だ から 戦って いる

とがめ で なければ 戦って こ なかった って こと だ

分かった か 彼我 木 輪廻

とがめ しっかり しろ

とがめ とがめ

しちりん 七 花

大丈夫 か

彼我 木 輪廻 と の 試合 は どう だった

それ が 勝負 に なら なくて よ

あいつ 逃げて ばっ か で さ

逃げる

「 誠 刀 防衛 」 と か 言って

力 の 全て を 防御 に 回す んだ と

それ あ 勝負 放棄 で は ない の か

けど よ それ も 1 つ の 手 な んだ よ な

勝負 って の は 互い の 合意 で 成り立って んだ から

相手 が 勝負 を 放棄 しち まえば

勝つ こと が でき なく な っち まう

そう で も ない ぞ

その 戦略 に は 大きな 穴 が ある

その 穴 を 突けば 打破 する こと が できる だろう

なら 教えて くれよ

負けて も ねえ の に 負けた みて え で 参って んだ

まったく 少し 自分 で 考えろ

それ は だ なあ

そう か そういう こと か

僕 は 君 の こと が 大好きだった

七 花 わたし は 父 の 最後 の 言葉 を 思い出した ぞ

よかった な

「 誠 刀 · 銓 」 で 間違い ない な

思った より も 早く 見つけた ね

七 花 を 通して あれ だけ 謎 掛け を 持ち掛け られて は な

でも 何 か 気付き が あった んだろう

君 が 攻撃 に 重き を 置いた まま で 発掘 を 続けて いたら

そんな つか と つば だけ の 刀 を

「 誠 刀 · 銓 」 だ と 思った かな

思わ なかった だろう な

「 誠 刀 · 銓 」 と は 己 自身 を 測る 刀

人 を 斬る 刀 で は なく

己 を 斬る 刀

己 を 試す 刀

己 を 知る 刀

だから やい ば なき 刀

無 刀 と いう こと だ

ご 名答

考えて みれば 分かり そうな もの だ

日本 刀 を 地中 に 埋めて 保管 など できる わけ が ない から な

保管 す べき やい ば が ない のならば 何の 問題 も ない

そういう 答え から 逆算 する みたいな 考え 方 好きじゃ ない なあ

でも まあ それ は それ で 君 らしい か

そういう いやらしい 性格

あの 男 に そっくりだ

あの 男 が 誰 な の か よかったら 教えて くれ ない か な

わたし の 父 だ

名 は 明か せ ぬ が な

そうかい 嫌な 父親 だった んだ ね

もし かして 敵対 でも して いた の かい

敵対 など とんでもない わ

むしろ わたし は 父 の ため に 生きて おる のだ


Katanagatari Episode 10 (2) Katanagatari Episode 10 (2)

それ が より に も よって あんた が 暗殺 し 損ねた 真庭 鳳凰 の 手 に ある と はね ー ||||||||あんさつ||そこねた|まにわ|ほうおう||て|||||-

面目 しだい も ございませ ん めんぼく||||

「 毒 刀 · 鍍 」 と 真庭 鳳凰 と の 組み合わせ ね どく|かたな|と||まにわ|ほうおう|||くみあわせ|

果たして 凶 と 出る か 大 凶 と 出る か はたして|きょう||でる||だい|きょう||でる|

わたし に も 予想 が つか ない わ |||よそう||||

しかし もしも 奇 策 士 が 「 誠 刀 · 銓 」 の 収集 に 成功 すれば ||き|さく|し||まこと|かたな|せん||しゅうしゅう||せいこう|

これ で いよいよ 四季 崎記 紀 の 作り し 完成 形 変 体 刀 十二 本 が 全て |||しき|さきき|き||つくり||かんせい|かた|へん|からだ|かたな|じゅうに|ほん||すべて

舞台 の 上 に 出揃う と いう こと に なる のです ね ぶたい||うえ||でそろう||||||の です|

姫 さま の 悲願 の 達成 も 近い ひめ|||ひがん||たっせい||ちかい

ちょっと   ちょっと

どこ で 誰 が 聞いて いる か 分から ない んだ から ||だれ||きいて|||わから|||

うかつな こと を 言う の は やめて ちょうだい |||いう||||

そんな 言い 方 を したら |いい|かた||

まるで わたし が 伝説 の 刀 かじ |||でんせつ||かたな|

戦国 を 実質 的に 支配 した 四季 崎記 紀 の 末 裔 で せんごく||じっしつ|てきに|しはい||しき|さきき|き||すえ|えい|

だからこそ 完成 形 変 体 刀 に ついて 色々 と 詳しく |かんせい|かた|へん|からだ|かたな|||いろいろ||くわしく

あの 不愉快な 女 に 対して 一 歩 先んじる こと が できて いる みたいじゃ ない |ふゆかいな|おんな||たいして|ひと|ふ|さきんじる||||||

そんな 事実 は ない んだ から そんな こと を 言う べきじゃ ない わ |じじつ||||||||いう|||

そう でした もちろん 姫 さま は 四季 崎記 紀 の 末 孫 など で は ございませ ん |||ひめ|||しき|さきき|き||すえ|まご|||||

誤解 を 招く ような 発言 を して 申し訳 あり ませ ん でした ごかい||まねく||はつげん|||もうし わけ||||

そう   わたし は 否定 姫 よ |||ひてい|ひめ|

それ 以外 の 自分 を わたし は 余すところなく 否定 する |いがい||じぶん||||あますところなく|ひてい|

わたし の 悲願 なんて 達成 さ れよう が 達成 さ れ まい が ||ひがん||たっせい||||たっせい||||

それ こそ 否定 的な だけ よ ||ひてい|てきな||

それ から

気 に なって いる こと が あって さ き|||||||

これ は ついで で いい から あんた が 直々 に 調べて みて くれ ない ||||||||じきじき||しらべて|||

何 でしょう なん|

この 間 奇 策 士 と 虚 刀 流 を この 部屋 に 呼び付けた とき の こと な んだ けど さ |あいだ|き|さく|し||きょ|かたな|りゅう|||へや||よびつけた|||||||

「 誠 刀 · 銓 」 の 在りか を 教えた 後 の 七 花 君 の 様子 が 何 か 変だった の よ ね まこと|かたな|せん||ありか||おしえた|あと||なな|か|きみ||ようす||なん||へんだった|||

「 誠 刀 · 銓 」 の 在りか は 奥 州 の 百 刑 場 まこと|かたな|せん||ありか||おく|しゅう||ひゃく|けい|じょう

所有 者 は 仙人 の 彼我 木 輪廻 よ しょゆう|もの||せんにん||ひが|き|りんね|

奇 策 士 の 様子 は き|さく|し||ようす|

あの 不愉快な 女 は いつも どおり よ |ふゆかいな|おんな||||

そう いえば あの 女 も 奥 州 は 初めて な の よ ね |||おんな||おく|しゅう||はじめて||||

何で かしら なんで|

あそこ は 軍 所 の 人間 なら まず 知って おく べき 土地柄 な んじゃ ない ||ぐん|しょ||にんげん|||しって|||とちがら|||

まっ 気のせい かも しれ ない けれど |きのせい||||

あんた に 無駄 足 を 踏ま せる と いう の も 悪く ない わ ||むだ|あし||ふま||||||わるく||

鑢 七 花 と 百 刑 場 の 関係 やすり|なな|か||ひゃく|けい|じょう||かんけい

あるいは 奇 策 士 とがめ と 百 刑 場 の 関係 |き|さく|し|||ひゃく|けい|じょう||かんけい

よろしく 調べて おいて ちょうだい |しらべて||

御 意 ご|い

尾張 幕府 に おり ます 2 人 の 鬼 女 おわり|ばくふ||||じん||おに|おんな

本名 不詳 経歴 不明 の 否定 姫 と 奇 策 士 とがめ ほんみょう|ふしょう|けいれき|ふめい||ひてい|ひめ||き|さく|し|

その 2 人 の 決着 も そう 遠く ない 日 に 迫って いた ので ございます |じん||けっちゃく|||とおく||ひ||せまって|||

何 彼我 木 輪廻 が 四季 崎記 紀 本人 から 「 誠 刀 · 銓 」 を ま ら った だ と なん|ひが|き|りんね||しき|さきき|き|ほんにん||まこと|かたな|せん|||||| 友人 と して   もらった って 言って たな ゆうじん|||||いって|

そんな   大事な こと を 言い 忘れる と は |だいじな|||いい|わすれる||

そ なた どういう つもり だ

どういう って だ から   今   とがめ に ||||いま||

ほか に 言い 忘れて おる こと は ない だろう な ||いい|わすれて||||||

ある なら さっさと 言え |||いえ

とがめ は 大事な こと を 忘れて いる って ||だいじな|||わすれて||

それ は 自分 の 苦手 意識 と 向き合わ ない こと に は 思い出せ ない って ||じぶん||にがて|いしき||むきあわ|||||おもいだせ||

言い 忘れた こと は それ だけ だ と 思う いい|わすれた|||||||おもう

そう か

それ で そ なた 彼我 木 と 戦う つもりな の か ||||ひが|き||たたかう|||

ただ 戦う だけ なんて 意味 の ない こと し たい と は 思わ ない けど |たたかう|||いみ||||||||おもわ||

けど

何の ため に 戦う って 聞か れたら 戦わ ない わけに は いか ない だろう なんの|||たたかう||きか||たたかわ||||||

その 答え を 見つける ため に さ |こたえ||みつける|||

相変わらず 真っすぐだ な そ なた は あいかわらず|まっすぐだ||||

七 花   その 答え 見つけた なら わたし に も 教えて くれ なな|か||こたえ|みつけた|||||おしえて|

ぜひ 聞き たい もの だ |きき|||

分かった わかった

存分に やり合う が よい わ ぞんぶんに|やりあう|||

仙人 と 戦った と いう 経験 は せんにん||たたかった|||けいけん|

そな たに とって かなり 有益な もの と なる だろう ||||ゆうえきな||||

ああ

先 に 言って おく けど 僕 は 君 より も 圧倒 的に 弱い さき||いって|||ぼく||きみ|||あっとう|てきに|よわい

何 だ よ 最初 から 負けた とき の 言い訳 か なん|||さいしょ||まけた|||いい わけ|

違う よ ちがう|

君 は 自分 より も 弱い もの に 勝て ない きみ||じぶん|||よわい|||かて|

そう 言い たい んだ よ |いい|||

さあ   始めよう か |はじめよう|

いつでも おいで 何て 言って 僕 から 掛かって いったり して ||なんて|いって|ぼく||かかって||

虚 刀 流   百 合 きょ|かたな|りゅう|ひゃく|ごう

やられる

何 虚 刀 流   薔薇 なん|きょ|かたな|りゅう|ばら おっと   危ない |あぶない

逃がす か にがす|

変だ へんだ

今 まで の どの 戦 いとも 違う いま||||いくさ||ちがう

かみ合わ ねん だ   このまま じゃ らち が 明か ねぇ かみあわ|||||||あか|

虚 刀 流   七 花 八 裂 きょ|かたな|りゅう|なな|か|やっ|さ

て   て め え   ずるい ぞ

あんた   まさか

こいつ   戦おう と して ねぇ |たたかおう|||

自分 から 誘って おいて じぶん||さそって|

戦う 気 が まったく ねぇ んだ たたかう|き||||

とがめ は 大事な こと を 忘れて いる ||だいじな|||わすれて|

それ は   自分 の 苦手 意識 と 向き合わ ない こと に は 思い出せ ない って ||じぶん||にがて|いしき||むきあわ|||||おもいだせ||

どうやら   僕 は 失敗 して しまった ようだ よ |ぼく||しっぱい||||

君 は 歴史 と は 何 だ と 思う きみ||れきし|||なん|||おもう

僕 は ね 歴史 と は 「 人間 の 生きた 証し 」 だ と 思う ぼく|||れきし|||にんげん||いきた|しょうし|||おもう

精いっぱい 生きた 人間 の 証し だ と せいいっぱい|いきた|にんげん||しょうし||

だから あるべき 姿 である べきな んだ と ||すがた||||

それなのに

この 歴史 は 本来 あるべき 歴史 と まるで 違う |れきし||ほんらい||れきし|||ちがう

僕 は その 間違い を じゅうぶんに 示せた だろう ぼく|||まちがい|||しめせた|

ここ で ひとまず 僕 の 役割 は 終わり だ |||ぼく||やくわり||おわり|

こう やって 最後に ||さいごに

君 に 伝える べき こと を 伝え られた んだ から それ で よし と しよう きみ||つたえる||||つたえ||||||||

君 は このまま ここ に 隠れて い なさい きみ|||||かくれて||

絶対 に 出て きたら 駄目だ よ ぜったい||でて||だめだ|

もしも 歴史 が 僕 の 思って いる とおり なら |れきし||ぼく||おもって|||

君 だけ は 死な ない はずだ きみ|||しな||

君 は この 過酷な 歴史 に 生き残る こと に なる きみ|||かこくな|れきし||いきのこる|||

武士 道 に 従う なら ぶし|どう||したがう|

僕 は ここ で 君 を 殺して あげ なきゃ なら ない んだろう けど ぼく||||きみ||ころして||||||

いくら それ が 歴史 の 間違い を 正す ため に 必要な こと であって も |||れきし||まちがい||ただす|||ひつような|||

それ だけ は でき ない

自分 の 娘 は じぶん||むすめ|

殺せ ない ころせ|

や あ やっぱり 僕 を 殺し に 来た の は 君 だった かい 六 枝 君 |||ぼく||ころし||きた|||きみ|||むっ|えだ|きみ

僕 は 君 の こと が ぼく||きみ|||

もう   もう   たくさんだ

なぜ   今に なって こんな こと を 思い出さ せる のだ |いまに|||||おもいださ||

君 の 戦闘 能力 を 10 と すれば きみ||せんとう|のうりょく|||

僕 の 戦闘 能力 は 7 が いい ところ だろう ぼく||せんとう|のうりょく|||||

まともに やり合ったら 戦い に さえ なら ない さ |やりあったら|たたかい|||||

だったら

今ごろ あんた は 八 つ 裂き に なって いる はずだろう が いまごろ|||やっ||さき|||||

でも ね 君 は 10 の 力 を 攻撃 と 防御 に 半分 ずつ 使って いる んだ よ ||きみ|||ちから||こうげき||ぼうぎょ||はんぶん||つかって|||

つまり 攻撃 に おいて 君 の 力 は 5 割 しか 発揮 さ れ ない |こうげき|||きみ||ちから||わり||はっき|||

僕 の 戦闘 能力 を 全て 防御 へ 回せば ぼく||せんとう|のうりょく||すべて|ぼうぎょ||まわせば

君 に は その 防御 を 打破 する こと は でき ない と いう わけだ きみ||||ぼうぎょ||だは||||||||

「 誠 刀 · 銓 」 と いう 完成 形 変 体 刀 の 特性 に 従って 言わ せて もらう なら まこと|かたな|せん|||かんせい|かた|へん|からだ|かたな||とくせい||したがって|いわ|||

「 誠 刀 防衛 」 まこと|かたな|ぼうえい

「 誠 刀 · 銓 」 の 特性 って   何 だ よ まこと|かたな|せん||とくせい||なん||

この世 で   最も 誠実な 刀 だ このよ||もっとも|せいじつな|かたな|

何せ   この 僕 が 所有 して いる んだ から ね なにせ||ぼく||しょゆう|||||

ふざけ ん なお 前 の どこ が 誠実な んだ |||ぜん||||せいじつな|

おいおい そんな ところ を 責める な よ ||||せめる||

この 性格 は とがめ ちゃん の せい だろう |せいかく||||||

くそ っ   やって られ っか

こんな もん 戦い で も 何でも ねえ ||たたかい|||なんでも|

俺 に 新たな 苦手 意識 植え付けて 何 が 楽しい んだ よ おれ||あらたな|にがて|いしき|うえつけて|なん||たのしい||

楽しい よ ~ 僕 は 嫌がらせ が 大好きな んだ たのしい||ぼく||いやがらせ||だいすきな|

こんな 戦い で も 人 に よって は 得難き 教訓 を 得 られる はずな んだ ぜ |たたかい|||じん||||えがたき|きょうくん||とく||||

戦い など むなしい 勝ち負け に 大した 意味 なんて ない と ね たたかい|||かちまけ||たいした|いみ||||

とがめ ちゃん は 「 有益な 経験 に なる だろう 」 なんて 言った みたいだ けれど |||ゆうえきな|けいけん|||||いった||

戦い から 得る 経験 なんて 無益な もん だ たたかい||える|けいけん||むえきな||

有益であった と して も 悲しい だけ だ ゆうえきであった||||かなしい||

君 は 彼女 と 1 年 近く 戦って きた わけだ が きみ||かのじょ||とし|ちかく|たたかって|||

まるで それ を 学んで い なかった らしい から ね |||まなんで|||||

親切な 僕 と して は 教えて あげ たく なっちゃ った の さ しんせつな|ぼく||||おしえて||||||

大きな お 世話だ おおきな||せわだ

彼女 は 戦い に こだわり 過ぎ だ かのじょ||たたかい|||すぎ|

何という か 生きる こと 自体 が 戦い と いった ふうじゃ ない か なんという||いきる||じたい||たたかい|||||

彼女 の 目的 って いったい 何 な んだろう ね かのじょ||もくてき|||なん|||

君 は それ を 知っている けれど それ に 同調 して いる わけじゃ ない きみ||||しっている||||どうちょう||||

同情 して いる だけ だ どうじょう||||

違う   俺 は ちがう|おれ|

ほれて る

けど さあ 僕 の 見る ところ 君 の 気持ち は 恋 でも なければ 愛 で も ない んだ よ ねえ ||ぼく||みる||きみ||きもち||こい|||あい||||||

聞き 捨て なら ねえ な きき|すて|||

そう   怒る な よ |いかる||

この ぐらい の こと は 聞き流さ なくっちゃ あ |||||ききながさ||

僕 は とがめ ちゃん の 目的 が 何 な の か は 知ら ない けれど ぼく|||||もくてき||なん|||||しら||

それ が 自分 を まして や 他人 を 犠牲 に する ほど の もの じゃ ない こと は ||じぶん||||たにん||ぎせい|||||||||

僕 に も 分かる ぼく|||わかる

君 だって 刀 集 め の 旅 の 途中 で 決して 少なく ない 人数 を 殺して いる んだろう きみ||かたな|しゅう|||たび||とちゅう||けっして|すくなく||にんずう||ころして||

生きる と いう 人間 に とって の 最大 の 目的 を 阻害 して 違う かい いきる|||にんげん||||さいだい||もくてき||そがい||ちがう|

鑢君 人 は 殺したら 死ぬ んだ よ やすりくん|じん||ころしたら|しぬ||

君 たち は そんな 単純な 原理 から さえ 目 を そらして いる きみ||||たんじゅんな|げんり|||め|||

僕 から 見れば 君 は もちろん とがめ ちゃん も ぼく||みれば|きみ|||||

覚悟 が 足りない かくご||たりない

「 銓 」 って の は 「 てんびん 」 って 意味 だ せん||||||いみ|

君 は 自分 の やって いる こと が どれほど の 何と 釣り合う の か 考えて みる こと だ きみ||じぶん||||||||なんと|つりあう|||かんがえて|||

とがめ ちゃん に も そう 伝えて くれる かい |||||つたえて||

彼女 は 僕 と 話して は くれ ない だろう から ね かのじょ||ぼく||はなして||||||

ああ

次の 休憩 時間 に でも 伝えて おく よ つぎの|きゅうけい|じかん|||つたえて||

だったら   それ は 今 だ |||いま|

とがめちゃ ん 穴 の 中 で 力尽きちゃ って 休憩 中 みたいだ から さ ||あな||なか||ちからつきちゃ||きゅうけい|なか|||

とがめ

君 は 何の ため に 戦う きみ||なんの|||たたかう

君 は 何の ため に 戦う きみ||なんの|||たたかう

わたし の 命 を 犠牲 に して 君 は 何の ため に 戦う ||いのち||ぎせい|||きみ||なんの|||たたかう

決まって いる だろう きまって||

とがめ の ため だ

そう だ   俺 は とがめ の ため に 戦って いる んだ ||おれ||||||たたかって||

とがめ と 出会った その 日 から 俺 は ||であった||ひ||おれ|

僕 の 見る ところ 君 の 気持ち は 恋 でも なければ 愛 で も ない んだ よ ねえ ぼく||みる||きみ||きもち||こい|||あい||||||

恋 と か 愛 なんて くだら ねえ こい|||あい|||

俺 は とがめ だ から 戦って いる おれ|||||たたかって|

とがめ で なければ 戦って こ なかった って こと だ |||たたかって|||||

分かった か 彼我 木 輪廻 わかった||ひが|き|りんね

とがめ   しっかり しろ

とがめ   とがめ

しちりん   七 花 |なな|か

大丈夫 か だいじょうぶ|

彼我 木 輪廻 と の 試合 は どう だった ひが|き|りんね|||しあい|||

それ が 勝負 に なら なくて よ ||しょうぶ||||

あいつ 逃げて ばっ か で さ |にげて||||

逃げる にげる

「 誠 刀 防衛 」 と か 言って まこと|かたな|ぼうえい|||いって

力 の 全て を 防御 に 回す んだ と ちから||すべて||ぼうぎょ||まわす||

それ あ   勝負 放棄 で は   ない の か ||しょうぶ|ほうき|||||

けど よ それ も 1 つ の 手 な んだ よ な ||||||て||||

勝負 って の は 互い の 合意 で 成り立って んだ から しょうぶ||||たがい||ごうい||なりたって||

相手 が 勝負 を 放棄 しち まえば あいて||しょうぶ||ほうき||

勝つ こと が でき なく な っち まう かつ|||||||

そう で も ない ぞ

その 戦略 に は 大きな 穴 が ある |せんりゃく|||おおきな|あな||

その 穴 を 突けば 打破 する こと が できる だろう |あな||つけば|だは|||||

なら 教えて くれよ |おしえて|

負けて も ねえ の に 負けた みて え で 参って んだ まけて|||||まけた||||まいって|

まったく   少し 自分 で 考えろ |すこし|じぶん||かんがえろ

それ は だ なあ

そう か   そういう こと か

僕 は 君 の こと が   大好きだった ぼく||きみ||||だいすきだった

七 花 わたし は 父 の 最後 の 言葉 を 思い出した ぞ なな|か|||ちち||さいご||ことば||おもいだした|

よかった な

「 誠 刀 · 銓 」 で 間違い ない な まこと|かたな|せん||まちがい||

思った より も 早く 見つけた ね おもった|||はやく|みつけた|

七 花 を 通して あれ だけ 謎 掛け を 持ち掛け られて は な なな|か||とおして|||なぞ|かけ||もちかけ|||

でも 何 か 気付き が あった んだろう |なん||きづき|||

君 が 攻撃 に 重き を 置いた まま で 発掘 を 続けて いたら きみ||こうげき||おもき||おいた|||はっくつ||つづけて|

そんな   つか と   つば だけ の 刀 を ||||||かたな|

「 誠 刀 · 銓 」 だ と 思った かな まこと|かたな|せん|||おもった|

思わ なかった だろう な おもわ|||

「 誠 刀 · 銓 」 と は 己 自身 を 測る 刀 まこと|かたな|せん|||おのれ|じしん||はかる|かたな

人 を 斬る 刀 で は なく じん||きる|かたな|||

己 を 斬る 刀 おのれ||きる|かたな

己 を 試す 刀 おのれ||ためす|かたな

己 を 知る 刀 おのれ||しる|かたな

だから   やい ば なき 刀 ||||かたな

無 刀 と いう こと だ む|かたな||||

ご 名答 |めいとう

考えて みれば 分かり そうな もの だ かんがえて||わかり|そう な||

日本 刀 を 地中 に 埋めて 保管 など できる わけ が ない から な にっぽん|かたな||ちちゅう||うずめて|ほかん|||||||

保管 す べき   やい ば が ない のならば 何の 問題 も ない ほかん||||||||なんの|もんだい||

そういう   答え から 逆算 する みたいな 考え 方 好きじゃ ない なあ |こたえ||ぎゃくさん|||かんがえ|かた|すきじゃ||

でも まあ それ は それ で 君 らしい か ||||||きみ||

そういう   いやらしい 性格 ||せいかく

あの 男 に   そっくりだ |おとこ||

あの 男 が 誰 な の か よかったら 教えて くれ ない か な |おとこ||だれ|||||おしえて||||

わたし の 父 だ ||ちち|

名 は 明か せ ぬ が な な||あか||||

そうかい   嫌な 父親 だった んだ ね |いやな|ちちおや|||

もし かして 敵対 でも して いた の かい ||てきたい|||||

敵対 など とんでもない わ てきたい|||

むしろ わたし は 父 の ため に 生きて おる のだ |||ちち||||いきて||