Saenai Heroine No Sodatekata Episode 5 saenai|heroine|no|sodatekata|episode Saenai Heroine No Sodatekata Episode 5

じゃあ 加藤 さん 今度 は ムッと し た 表情 で お 願い |かとう||こんど||むっと|||ひょうじょう|||ねがい

ム ムッと し た ？ |むっと||

えっ と ほら 彼 氏 に デート す っぽ か さ れ て |||かれ|うじ||でーと||||||

「 何 よ 何 よ あんた なんか もう 知ら ない 」 み たい な 感じ なん||なん|||||しら|||||かんじ

そういう 態度 や 言葉遣い 現実 で 使う シチュエーション ない よ |たいど||ことばづかい|げんじつ||つかう|||

とうとう 俺 たち の サークル 活動 が 始まった |おれ|||さーくる|かつどう||はじまった

詩 羽 先輩 も どうぞ し|はね|せんぱい||

詩 羽 先輩 ？ し|はね|せんぱい

いけない 鉛筆 が 折れ ちゃ った |えんぴつ||おれ||

今 すぐ 買って き て 倫也 いま||かって|||りんや

放課後 二 人 で 過ごし た 教室 ほうかご|ふた|じん||すごし||きょうしつ

机 の 上 夢中 で はずむ 君 の 声 つくえ||うえ|むちゅう|||きみ||こえ

鈍感 な 君 の その 態度 が どんかん||きみ|||たいど|

いつも 私 を 意地悪 に さ せる の |わたくし||いじわる||||

ひとりぼっち だ と 思う 時 も ある |||おもう|じ||

涙 止め られ ない 日 も ある なみだ|とどめ|||ひ||

本当 の 私 を 見つめ て ほしい の ほんとう||わたくし||みつめ|||

きっと 伝わる と 信じ て いる よ |つたわる||しんじ|||

君 は いつ だって いつ だって 変わら ない から きみ||||||かわら||

私 が 何 回 も 何 回 も シグナル 送って あげる わたくし||なん|かい||なん|かい||しぐなる|おくって|

夢見 た あの 丘 目指し て ゆめみ|||おか|まなざし|

くじけ そう な 時 も 頑張れ そう だ よ |||じ||がんばれ|||

君 が いる から きみ|||

何 それ なん|

加藤 さん あなた ジト 目 も 出来 ない の かとう||||め||でき||

じゃあ 次 は 怒った 時 の 表情 やって み て |つぎ||いかった|じ||ひょうじょう|||

こめかみ に 怒り マーク 入れる 感じ で ||いかり||いれる|かんじ|

それ も 駄目 ？ ||だめ

じゃあ 汗 マーク は |あせ||

もし かして 顔 に 縦 線 も 入ら ない の ||かお||たて|せん||はいら||

これ じゃあ 表情 パターン が 何一つ 作れ ない じゃ ない ||ひょうじょう|ぱたーん||なにひとつ|つくれ|||

いったい どう すれ ば いい の よ

どう しろ と 言わ れ て も … |||いわ|||

ちょっと 自主 練 し て くる |じしゅ|ね|||

何 よ 何 よ あんた なんか もう 知ら ない なん||なん|||||しら|

あっ あんた の ため に やった ん じゃ ない から 誤解 し ない で よ ね ||||||||||ごかい|||||

苦戦 し てる みたい だ な くせん|||||

こんな 大変 な ミッション 今 まで に 経験 した こと ない わ |たいへん||みっしょん|いま|||けいけん||||

そ っか

これ が 無表情 の 無 感情 なら 綾 波 系 キャラ と して 確立 できる けど ||むひょうじょう||む|かんじょう||あや|なみ|けい||||かくりつ||

彼女 の 場合 中途半端 に キャラ が 薄い の よ ね かのじょ||ばあい|ちゅうとはんぱ||||うすい|||

そう だ よ な

別に 感情 が ない わけ じゃ ない から な べつに|かんじょう|||||||

感情 表現 が 適当 な だけ で かんじょう|ひょうげん||てきとう|||

ホント ここ まで 使え ない キャラ 初めて ほんと|||つかえ|||はじめて

な マジ キャラ 立 って ない だ ろ 俺 が 言った とおり だ ろ |||た|||||おれ||いった|||

そういう 無意味 な 自慢 さ れる と イラッ と くる |むいみ||じまん||||||

それ は ともかく キャラデザ の 締め切り も そんなに 余裕 ない ぞ |||||しめきり|||よゆう||

そう な の よ ね

今週 末 倫也 の 家 に 集まって 一気に 仕上げ ちゃ お っか な こんしゅう|すえ|りんや||いえ||あつまって|いっきに|しあげ||||

今週 末 こんしゅう|すえ

何 用 でも あん の なん|よう|||

いや

ところで さ 英 梨 々 ||えい|なし|

何 デート って した こと ある か なん|でーと||||| いや 俺 そんなに すごい 質問 し た か |おれ|||しつもん|||

あんた み たい な キモオタ の 口 から そんな 単語 が 出 たら 誰 でも 鳥肌 立つ わ よ ||||||くち|||たんご||だ||だれ||とりはだ|たつ||

デデデ … デート だ なんて デデデ |でーと|||

誘って る ？ さそって|

ない

アウェー で の 戦い 方 ？ |||たたかい|かた

だから これ は 本当 に 例えば の 話 な ん だ けど さ |||ほんとう||たとえば||はなし|||||

ショッピング モール で 女の子 と 服 見 たり と か しょっぴんぐ|もーる||おんなのこ||ふく|み|||

そういう 状況 に 追い込ま れ た と する じゃ ん |じょうきょう||おいこま||||||

行か ない わ よ あたし そんな 人 が ごみ の よう な 所 いか||||||じん||||||しょ

人 混 み と 言え じん|こん|||いえ

だいたい 服 だったら |ふく|

通販 か コーディネーター さん に 見立て て もらえ ば いい じゃ ない つうはん||こーでぃねーたー|||みたて||||||

引きこもり お 嬢 さま の 特殊 性 は 置 い とい て だ な ひきこもり||じょう|||とくしゅ|せい||お|||||

つまり そういう 息苦しい 状況 に なった 時 お前 なら どう する ||いきぐるしい|じょうきょう|||じ|おまえ|||

何で それ を あたし に 聞く の なんで|||||きく|

お前 なら 分かって る ん じゃ ない か と 思って な おまえ||わかって|||||||おもって|

学校 じゃ いつも 仮面 かぶって る お前 なら がっこう|||かめん|||おまえ|

いや 悪い 変な こと 言った 忘れ て くれ |わるい|へんな||いった|わすれ||

そう ね アウェー で の 戦い 方 なら 引き分け 狙い ね |||||たたかい|かた||ひきわけ|ねらい|

引き分け ？ ひきわけ

ある 程度 下調べ し て できる 限り 話 を 合わせ て |ていど|したしらべ||||かぎり|はなし||あわせ|

それ でも つらく なったら 笑顔 で ごまかす ||||えがお||

笑顔 ？ えがお

そう 向こう が 何 言って いる の か 分から なく て も |むこう||なん|いって||||わから|||

取りあえず 笑顔 とりあえず|えがお

余計 な 質問 は 自重 周囲 から 浮く よう な 言動 は し ない よけい||しつもん||じちょう|しゅうい||うく|||げんどう|||

こっち の 主張 を ご り 押し なんて もっての外 ||しゅちょう||||おし||もってのほか

何 か それ って つま ん なく ない か なん||||||||

せっかく 一緒 に いる ん なら もっと 濃い 時間 を 過ごし たい と 思う だ ろ |いっしょ||||||こい|じかん||すごし|||おもう||

だから そういう の は ホーム ||||ほーむ

オタク の フィールド で やれ ば いい の よ おたく||ふぃーるど||||||

でも 俺 は いつ でも いつも の 自分 で いたい |おれ||||||じぶん||い たい

そんな の 無理 よ 誰 だって 裏 の 顔 を 持って る ||むり||だれ||うら||かお||もって|

けど 加藤 は そう じゃ ない だ ろ |かとう||||||

あいつ 非 オタ な のに |ひ|||

俺 たち オタク に 交じって も 全然 いつも どおり だ ろ おれ||おたく||まじって||ぜんぜん||||

俺 あいつ の そういう ところ は ある 意味 すごい な って おれ|||||||いみ|||

だから 何て 言う か あいつ 相手 に 引き分け 狙い と か 愛想 笑い と か |なんて|いう|||あいて||ひきわけ|ねらい|||あいそ|わらい||

そういう の は し たく ない なって

やっぱり リアル デート な ん じゃ ない |りある|でーと||||

相手 加藤 さん な ん じゃ ない あいて|かとう|||||

散々 頼って おい て 結局 は 当て 馬 と か さんざん|たよって|||けっきょく||あて|うま||

この 澤村 英 梨 々 も なめ られ た もの よ ね |さわむら|えい|なし|||な め|||||

いや 違う 単なる 買い物 だ |ちがう|たんなる|かいもの|

六 天馬 モール の オープニング セール に 付き合う だけ な ん だ よ むっ|てんば|もーる|||せーる||つきあう|||||

だから それ を デート って 言う ん じゃ ない |||でーと||いう|||

や っぱ デート だ よ な ||でーと|||

いとこ 相手 でも デート に なっちゃ う よ な |あいて||でーと|||||

何 の 話 よ それ って ？ なん||はなし|||

う 詩 羽 … 先輩 ？ |し|はね|せんぱい

来 た プロット 浮か ん で き た らい|||うか||||

ヤンデレ ヒロイン を 差し置 い て 他 の 女 と デート に 行って しまった 主人公 |ひろいん||さしお|||た||おんな||でーと||おこなって||しゅじんこう

自宅 に 帰って き て みる と いきなり 後 頭部 を 殴ら れ 気絶 じたく||かえって||||||あと|とうぶ||なぐら||きぜつ

気 が 付い たら 手足 を 拘束 さ れ て 身動き も とれ ず き||つけい||てあし||こうそく||||みうごき|||

助け を 呼 ん だ ところ に 現れ た の は 何と … たすけ||よ|||||あらわれ||||なんと

なあ あれ って …

創作 し て いる 時 に は 時々 ある こと よ そうさく||||じ|||ときどき|||

クリエーター の 闇 ね ||やみ|

ただ ノッ てる だけ な ん だ よ な そう な ん だ よ な

お 仕置 き が 必要 です ね 倫理 君 |しおき|||ひつよう|||りんり|きみ

ちょっと 待って 今 倫理 君 って 言った |まって|いま|りんり|きみ||いった

えっ と な っ 何で 私 が あんな やつ の こと なんか 気 に し なく ちゃ いけない の よ ||||なんで|わたくし|||||||き|||||||

と いう わけ で ゆうべ 徹夜 し て プロット 上げ て き た から |||||てつや||||あげ||||

早 っ はや|

分厚い ぶあつい

これ たった 一 日 で 書 い た ん だ ||ひと|ひ||しょ||||

倫也 が 書 い た 企画 書 の ５ 倍 くらい 分量 が あり そう ね りんや||しょ|||きかく|しょ||ばい||ぶんりょう||||

何だか ものすご ー く 耳 が 痛い 気 が し ない でも ない けど なんだか||-||みみ||いたい|き||||||

さすが 詩 羽 先輩 だ ぜ |し|はね|せんぱい||

まずは 一 通り 読 ん で み て 意見 を 聞か せ て ちょうだい |ひと|とおり|よ|||||いけん||きか|||

私 しばらく 寝 てる から わたくし||ね||

早 っ はや|

親 の 転勤 に より と ある 地方 都市 に 引っ越し て き た 主人公 安曇 誠司 は おや||てんきん|||||ちほう|とし||ひっこし||||しゅじんこう|あずみ|せいじ|

転校 初日 に 桜 舞い 散る 坂 の 上 で 一 人 の 少女 と 出会う てんこう|しょにち||さくら|まい|ちる|さか||うえ||ひと|じん||しょうじょ||であう

えっ と この 主人公 も 澤村 さん の デザイン |||しゅじんこう||さわむら|||でざいん

まあ あたし の 考え た 最強 の イケメン って こと で |||かんがえ||さいきょう|||||

翌日 転校 先 の クラス で 偶然 の 再会 を 果たす よくじつ|てんこう|さき||くらす||ぐうぜん||さいかい||はたす

ベタ な 展開 べた||てんかい

少女 の 名 は 叶 巡 璃 と いった しょうじょ||な||かのう|めぐり|り||

何 か ど っか で 聞い た 名前 なん|||||ききい||なまえ

少しずつ 心 の 距離 を 縮め て いく 誠司 と 巡 璃 すこしずつ|こころ||きょり||ちぢめ|||せいじ||めぐり|り

やがて ２ 人 は 互い の 気持ち を 確かめ 合い 結ばれる |じん||たがい||きもち||たしかめ|あい|むすばれる

これ は 加藤 が モデル の くせ に キュン キュン くる なぁ ||かとう||もでる|||||||

あんた は ナレーション に 専念 し て なさい ||なれーしょん||せんねん|||

しかし それ と 時期 を 同じ くし て 巡 璃 の 様子 が 少しずつ 変わって いく |||じき||おなじ|||めぐり|り||ようす||すこしずつ|かわって|

誠司 へ の 異様 な 執着 せいじ|||いよう||しゅうちゃく

時折 見せる 無意識 の 恐怖 心 ときおり|みせる|むいしき||きょうふ|こころ

生まれる 前 の 時代 の 記憶 … うまれる|ぜん||じだい||きおく

そんな ある 日 様子 の おかしい 巡 璃 を 心配 し て 声 を 掛け た 誠司 に ||ひ|ようす|||めぐり|り||しんぱい|||こえ||かけ||せいじ|

彼女 は 突然 こう 呼び掛ける かのじょ||とつぜん||よびかける

はい 加藤 |かとう

えっ ？ ああ えっ と

う うん 何でもない よ お 兄ちゃん ||なんでもない|||にいちゃん

お 兄ちゃん き た ぁ ～ っ |にいちゃん||||

やかましい

やがて 前世 の 自分 を その 道 なら ぬ 恋 や 一族 の 悲劇 を 思い出し て いく 巡 璃 |ぜんせ||じぶん|||どう|||こい||いちぞく||ひげき||おもいだし|||めぐり|り

彼女 が 記憶 を 取り戻し て いく たび に かのじょ||きおく||とりもどし||||

２ 人 の 周囲 に 不可解 な 出来事 が 起こり 始める じん||しゅうい||ふかかい||できごと||おこり|はじめる

そして とうとう ２ 人 の 前 に 現れる ||じん||ぜん||あらわれる

数 百 年 も の 長い 歴史 を 生き 永 ら え て き た 最強 の 敵 すう|ひゃく|とし|||ながい|れきし||いき|なが||||||さいきょう||てき

今度 は 超 展開 だ ぜ こんど||ちょう|てんかい||

もう …

とうとう お互い を 守る ため 敵 と 戦う こと を 決意 し た |おたがい||まもる||てき||たたかう|||けつい||

かつて の 兄 と 妹 に し て 恋人 同士 の ２ 人 ||あに||いもうと||||こいびと|どうし||じん

え 兄妹 で 恋人 同士 って なく ない |きょうだい||こいびと|どうし|||

何 言って ん だ 加藤 ある ん だ よ ２ 次元 に は なん|いって|||かとう|||||じげん||

そう よ 倫也 の 言う とおり よ ||りんや||いう||

もう 少し 真面目 に やって くれ ない 加藤 さん |すこし|まじめ|||||かとう|

えっ 澤村 さん ？ |さわむら|

そして 最終 決戦 |さいしゅう|けっせん

激しい 戦い の 後 ついに 勝利 し て 過去 の 悲劇 の 連鎖 を 断ち切る ２ 人 はげしい|たたかい||あと||しょうり|||かこ||ひげき||れんさ||たちきる|じん

愛し 合う 兄妹 は とうとう 長い 時 を 経 て 結ばれる あいし|あう|きょうだい|||ながい|じ||へ||むすばれる

はい 加藤 |かとう

あ は いはい えっ と

これ から も ずっと 一緒 だ ね 愛し てる よ お 兄ちゃん ||||いっしょ|||あいし||||にいちゃん

来 た 来 た 来 た 来 た 再び お 兄ちゃん き た ぁぁ ～ っ らい||らい||らい||らい||ふたたび||にいちゃん||||

台詞 そのもの は ぐっと くる ん だ けど せりふ|その もの||||||

その 投げやり な 演技 は 何とか なら ない |なげやり||えんぎ||なんとか||

ごめん 私 まだ ２ 次元 の 作法 って の に 慣れ なく て |わたくし||じげん||さほう||||なれ||

それ で 感想 は ？ ||かんそう|

うん 面白い よ これ |おもしろい||

今 まで の 霞 詩子 作品 と は 全然 方向 性 が 違う けど いま|||かすみ|うたこ|さくひん|||ぜんぜん|ほうこう|せい||ちがう|

盛り上がり も サプライズ も ふんだん に ちりばめ られ て て もりあがり|||||||||

息 も つか せ ぬ 展開 で いき|||||てんかい|

メイン ヒロイン が 前世 で は 妹 だ と か |ひろいん||ぜんせ|||いもうと|||

しかも どう 見 て も ヤンデレ だ と か あなた らしく ない あざ と さ よ ね ||み||||||||||||||

まっ でも 嫌い じゃ ない わ ||きらい|||

えっ と 設定 が 凝って る と 思った ||せってい||こって|||おもった

そう だ な

まあ でも どうやら 否定 的 な 意見 も ない よう だ し |||ひてい|てき||いけん|||||

これ が 決定 稿 って こと で ||けってい|こう|||

いい ん じゃ ない

こっち の キャラデザ も そろそろ 本格 的 に 入ら ない と いけない から |||||ほんかく|てき||はいら||||

プロット が 早い に 越し た こ と ない し ||はやい||こし|||||

それ じゃあ これ で 完成 と いう こと で ||||かんせい||||

ちょっと 待って |まって

倫理 君 ？ りんり|きみ

確かに 面白い 文句 なく 面白い ん だ けど たしかに|おもしろい|もんく||おもしろい|||

でも もう ちょっと だけ 結論 を 待って ほしい ん だ ||||けつろん||まって|||

いいかげん に し なさい よ 倫也 |||||りんや

もう ３ 日 も 塩漬け じゃ ない |ひ||しおづけ||

ごめん

何も し ない どころ か 足 を 引っ張る だけ なにも|||||あし||ひっぱる|

作り手 の モチベーション を 下げる だけ つくりて||||さげる|

こんな の 典型 的 な 百害 あって 一利 なし な ディレクター よ ||てんけい|てき||ひゃくがい||かずとし|||でぃれくたー|

もう いい じゃ ない これ で 十分 面白い じゃ ない ||||||じゅうぶん|おもしろい||

あんた だって そう 言った じゃ ない |||いった||

だから 先 に 進 も う よ |さき||すすむ|||

ごめん それ は でき ない

倫也 りんや

確かに 面白い けど すごい ん だ けど たしかに|おもしろい|||||

何 か これ じゃ 満足 でき ない ん だ よ 俺 なん||||まんぞく||||||おれ

そんな 感覚 的 な こ と 言わ れ て も 訳 分か ん ない よ |かんかく|てき||||いわ||||やく|わか|||

うん 正しく 伝え られ ない の は 俺 が 悪い |まさしく|つたえ|||||おれ||わるい

それ でも 駄目 だ このまま じゃ 俺 の 作品 じゃ なく なる ||だめ||||おれ||さくひん|||

だったら 自分 で 書け ば いい じゃ ない |じぶん||かけ||||

それ を 言ったら おしまい よ 澤村 さん ||いったら|||さわむら|

ディレクター が クリエーター に 対 し て 言って は いけない こと が ある よう に でぃれくたー||||たい|||いって|||||||

クリエーター が ディレクター に 言って は いけない こと も ある の よ ||でぃれくたー||いって|||||||

今 の が それ いま|||

霞 ヶ 丘 詩 羽 あんた あたし が いったい 誰 の ため に かすみ||おか|し|はね|||||だれ|||

少なくとも 今 の は 私 の ため じゃ ない すくなくとも|いま|||わたくし||||

また な ん だ

また 答え を くれ ない の ね 倫理 君 |こたえ||||||りんり|きみ

安芸 君 あき|きみ

あの さ 明日 の 約束 の こと な ん だ けど さ ||あした||やくそく|||||||

六 天馬 モール に 出掛ける って 話 むっ|てんば|もーる||でかける||はなし

そ っか もう 週 末 か |||しゅう|すえ|

あれ 延期 しよ う ね |えんき|||

加藤 ？ かとう

今 は そんな 気分 じゃ な いよ ね だ から また 今度 ねっ いま|||きぶん||||||||こんど|

安芸 君 ？ あき|きみ

いや や っぱ 行 こ う |||ぎょう||

明日 デート しよ う あした|でーと||

デート し て みよ う 俺 たち でーと|||||おれ|

す っ ごい 人 だ ね |||じん||

でも 楽しみ だ な 何 軒 くらい 回れ る か な |たのしみ|||なん|のき||まわれ|||

大丈夫 安芸 君 だいじょうぶ|あき|きみ

へ 平気 |へいき

気分 悪い の も しか して 人 混 み に 酔った ？ きぶん|わるい|||||じん|こん|||よった

違う 人 混 み は 平気 な ん だ ちがう|じん|こん|||へいき|||

それ が 統率 さ れ た オタク の 集団 だったら な ||とうそつ||||おたく||しゅうだん||

それ は 私 が 苦手 かも しれ ない ||わたくし||にがて|||

加藤 お前 は 本当 に 気 に なら ない の か この 無秩序 な リア 充 の 群れ が かとう|おまえ||ほんとう||き|||||||むちつじょ||りあ|まこと||むれ|

えっ と リア 充 は ともかく バーゲン って こんな もん でしょ ||りあ|まこと|||ばーげん||||

そう な の

あっ 開 い た よ 安芸 君 |ひらき||||あき|きみ

ごめん せっかく 朝一 で 並 ん だ のに いきなり 休憩 と か ||あさいち||なみ|||||きゅうけい||

う うん こっち こそ ごめん ね

何で こんなに 行列 に なれ て ない ん だ よ みんな なんで||ぎょうれつ||||||||

統率 も とれ ず 右往左往 する だけ の スタッフ とうそつ||||うおうさおう||||すたっふ

平気 で 割り込み 列 を 乱す 客 へいき||わりこみ|れつ||みだす|きゃく

しかも この カップル 率 の 高 さ ||かっぷる|りつ||たか|

滅びろ リア 充 ども ほろびろ|りあ|まこと|

まあ 私 たち も 実情 は ともかく はた から 見 れ ば その 比率 上げ てる ん だ けど |わたくし|||じつじょう|||||み||||ひりつ|あげ||||

これ が アウェー の 洗礼 って やつ か ||||せんれい|||

やって くれる ぜ 六 天馬 モール |||むっ|てんば|もーる

言って る こと は 全然 分から ない けど いって||||ぜんぜん|わから||

せめて オープン し て １ 月 くらい 経って から 来る べき だった ね |おーぷん|||つき||たって||くる|||

いや 多分 いつ 来 て も 同じ だ |たぶん||らい|||おなじ|

そう な の か な

だって これ は 人数 の 問題 じゃ ない 参加 者 の 意識 の 問題 だ |||にんずう||もんだい|||さんか|もの||いしき||もんだい|

意識 ？ いしき

俺 の 知る 日本 一 の 大 行列 は こんな もん じゃ ない おれ||しる|にっぽん|ひと||だい|ぎょうれつ|||||

誰 も 通路 を 走ったり エスカレーター を 歩 い たり 列 に 割り込 ん だ りし ない だれ||つうろ||はしったり|えすかれーたー||ふ|||れつ||わりこ||||

誰 も が 参加 者 だ と いう 意識 を 高く 持ち だれ|||さんか|もの||||いしき||たかく|もち

自分 たち の イベント を 成功 さ せよ う と いう 熱意 で あふれ て いる じぶん|||いべんと||せいこう||||||ねつい||||

あ 確か コミック 何 ちゃ ら って やつ だ っけ |たしか|こみっく|なん||||||

何 ちゃ ら じゃ ない コミック マーケット だ コミックマーケット なん|||||こみっく|まーけっと||

通称 「 コミケ 」 夏 と 冬 の 年 ２ 回 開催 つうしょう||なつ||ふゆ||とし|かい|かいさい

３ 日間 の 開催 期間 中 に ５０ 万 人 以上 集める 日本 一 … にち かん||かいさい|きかん|なか||よろず|じん|いじょう|あつめる|にっぽん|ひと

いや 世界 一 の 同人 誌 販売 イベント を そんな 適当 な 略称 で 呼ぶ ん じゃ ない |せかい|ひと||どうじん|し|はんばい|いべんと|||てきとう||りゃくしょう||よぶ|||

あっ 何 か 急に 元気 に なった |なん||きゅうに|げんき||

そう コミケ だったら 俺 は こんな 無 様 な 姿 を 晒し たり し ない |||おれ|||む|さま||すがた||さらし|||

たとえ 今 の １０ 倍 以上 の 人数 が 押し寄せ て き た と して も |いま||ばい|いじょう||にんずう||おしよせ||||||

まあ コミケ と か いう やつ じゃ ない し しょうがない よ

そう か そう だった の か

いや しょうがなく なんか ない

オタク だ と 思う ん だ おたく|||おもう||

ここ に いる の は 俺 たち だ 愛 す べき クソ 野郎 ども だ |||||おれ|||あい|||くそ|やろう||

安芸 君 あき|きみ

加藤 今日 お前 が 行き たかった 店 を 全部 教え て くれ かとう|きょう|おまえ||いき||てん||ぜんぶ|おしえ||

この フロア マップ に チェック を 入れる だけ で いい |ふろあ|まっぷ||ちぇっく||いれる|||

えっ けど 全部 だ と かなり たくさん の お 店 に なっちゃ う よ ||ぜんぶ|||||||てん||||

いい よ とにかく まずは 全部 だ ||||ぜんぶ|

動 線 は … うん こっち だ な どう|せん|||||

と なる と 順路 を こう 結 ん で 南 から 北 へ の 流れ は こう で … |||じゅんろ|||けつ|||みなみ||きた|||ながれ|||

加藤 かとう

この ２ つ の サークル … じゃ なく て |||さーくる|||

２ つ の 店 って どっち が 人気 ある ||てん||||にんき|

そう だ な やっぱり 手前 の 方 じゃ ない か な ||||てまえ||かた||||

なら 少し 遠く なる が 左 回り か |すこし|とおく|||ひだり|まわり|

俺 の せい で 出遅れ てる から な ここ は 慎重 に おれ||||でおくれ||||||しんちょう|

別に そんなに 悩ま なく て も べつに||なやま|||

適当 に 回って 入れる お 店 に 入れ ば いい よ てきとう||まわって|いれる||てん||いれ|||

俺 が 仕切る 以上 無駄 な 消耗 戦 に は させ ない おれ||しきる|いじょう|むだ||しょうもう|いくさ|||さ せ|

安芸 君 あき|きみ

さあ 加藤 アウェー でも 勝ち に 行く ぞ 逆転 だ |かとう|||かち||いく||ぎゃくてん|

お 待た せ |また|

お 目当て の 物 は 買え た か |めあて||ぶつ||かえ||

ばっ ちり

よし 次 だ このまま 北 へ 流れる |つぎ|||きた||ながれる

あれ もう 一 軒 回る 所 なかった っけ ||ひと|のき|まわる|しょ||

情報 に よる と 残念 ながら そっち は ２ 時間 待ち らしい じょうほう||||ざんねん||||じかん|まち|

じゃあ もう 諦める しか ない ね ||あきらめる|||

いや その 判断 は まだ 早い ||はんだん|||はやい

どうやら 今 は 今日 の 限定 品 目当て の 客 で ごった返し て いる らしい |いま||きょう||げんてい|しな|めあて||きゃく||ごったがえし|||

だが それ が 完売 し たら 一気に 空く はず |||かんばい|||いっきに|あく|

状況 は 目まぐるしく 変わる から じょうきょう||めまぐるしく|かわる|

綿密 な 情報 収集 と フレキシブル な 判断 が 重要 に なって くる ぞ めんみつ||じょうほう|しゅうしゅう||ふれきしぶる||はんだん||じゅうよう||||

ただ の 買い物 に そこ まで やる ん だ ||かいもの||||||

楽しみ に し て た 品物 を 買え なかった 時 の 悔し さ や 悲し さ は たのしみ|||||しなもの||かえ||じ||くやし|||かなし||

オタク でも リア 充 でも 変わら ない だ ろ おたく||りあ|まこと||かわら|||

まっ そう かも ね

行く ぞ 加藤 高度 な 情報 戦 は すでに 始まって いる いく||かとう|こうど||じょうほう|いくさ|||はじまって|

了解 りょうかい

頑張れ あと もう ちょ い だ がんばれ|||||

何 か お 昼 過ぎ たら また 人 増え て き た ね なん|||ひる|すぎ|||じん|ふえ||||

この 連絡 通路 さえ クリア すれ ば 余裕 が できる 頑張れ |れんらく|つうろ||くりあ|||よゆう|||がんばれ

加藤 かとう

行く ぞ 離す な よ いく||はなす||

安芸 君 あき|きみ

着 い た ここ が 最後 の お 店 だ よ ちゃく|||||さいご|||てん||

い よっ しゃ

ホント まさか 一 日 で 回れ る と は 思って なかった よ ほんと||ひと|ひ||まわれ||||おもって||

お 疲れ さま 安芸 君 |つかれ||あき|きみ

お 疲れ さま って 言う な |つかれ|||いう|

疲れ て た の 思い出す だ ろ つかれ||||おもいだす||

しばらく そこ で 休 ん で て いい よ |||きゅう|||||

そう さ せ て もらう

あれ おい この 店 って … |||てん|

うん いい 感じ 似合って る よ ||かんじ|にあって||

えっ と 多分 ||たぶん

加藤 ？ かとう

今日 付き合って くれ た お 礼 きょう|つきあって||||れい

あり が と ね 安芸 君 ||||あき|きみ

加藤 かとう

いや その ありがとう

どう いたし まして

けれど … ごめん 帰り 送れ なく なった ||かえり|おくれ||

今 すぐ 行か なく ちゃ なら ない 所 が ある ん だ いま||いか|||||しょ||||

バイバイ の あと 冷め ない 微熱 |||さめ||びねつ

夜風 に 吹か れ 考える よかぜ||ふか||かんがえる

好き 嫌い 嫌い 好き 繰り返す すき|きらい|きらい|すき|くりかえす

その 瞳 に うつって いる の は |ひとみ|||||

現実 （ リアル ） ？ それとも 虚像 （ 二 次元 ） ？ げんじつ|りある||きょぞう|ふた|じげん

容易 く 可愛い だ なんて 言わ ない で よ ね ようい||かわいい|||いわ||||

明日 も 目 を こす って 「 おはよう 」 を 言って あした||め||||||いって

他 愛 も ない こと たくさん 教え て た|あい|||||おしえ|

少しずつ 近づ い て く 距離 に どう しよ う すこしずつ|ちかづ||||きょり||||

自分 じゃ ない みたい だ じぶん||||

メリーゴーランド が 止まら なく て ||とまら||

廻る 廻る 景色 が 変わって く まわる|まわる|けしき||かわって|

カラフル な 夢 を 見る からふる||ゆめ||みる

ど くどく し て 身体 中 を ||||からだ|なか|

巡る 巡る 気持ち まだ 言葉 に 出来 なく て めぐる|めぐる|きもち||ことば||でき||

ひとこと それ で 十 分 な のに |||じゅう|ぶん||