Free ! Episode 1 free|episode

水 は 生き て いる すい||いき|| Water is alive

一 度 飛び込め ば そ いつ は 忽ち 牙 を むき 襲い掛かって くる ひと|たび|とびこめ|||||たちまち|きば|||おそいかかって| Once you jump in, it will pluck your fangs and attack you.

だけど 恐れる こと は ない |おそれる||| But don't be afraid

水 に 抗 わ ず 水面 に 指先 を 突き 立て 切れ目 を 作り出す すい||こう|||すいめん||ゆびさき||つき|たて|きれめ||つくりだす Creates a break by pushing your fingertips against the surface of the water without resisting the water

その 切れ目 に 体 を 滑り込ま せ て 行く |きれめ||からだ||すべりこま|||いく

腕 を 頭 を 胸 を うで||あたま||むね|

相変わらず 気持ちよ さ そう に 泳ぐ な あいかわらず|きもちよ||||およぐ| As always, don't swim so comfortably

うん イルカ みたい |いるか|

あれ は

松岡 凜 君 先週 僕たち の クラス に 転校 し て き た 子 だ よ まつおか|りん|きみ|せんしゅう|ぼくたち||くらす||てんこう|||||こ||

やっぱり 水 の 中 じゃ 最強 だ ね ハル ちゃん |すい||なか||さいきょう|||はる|

俺 の こと ちゃん 付け で 呼ぶ の を そろそろ 止めろ よ おれ||||つけ||よぶ||||とどめろ| It's time to stop calling me with a chan

す っ ごく 格好良かった よ 七瀬 君 |||かっこいかった||ななせ|きみ

僕 も あんな ふう に 泳ぎ たい な ぼく|||||およぎ||

噂 どおり 速い な うわさ||はやい|

タイム は たいむ|

タイム に 興味 は ない たいむ||きょうみ||

そういう ところ も 噂 どおり だ |||うわさ||

なあ 七瀬 |ななせ

今度 の 大会 俺 と 一緒 に リレー に 出 ない か こんど||たいかい|おれ||いっしょ||りれー||だ||

俺 は フリー しか 泳が ない から おれ||||えい が|| I only swim free

そう タイム も 勝ち負け も どう で も いい |たいむ||かちまけ|||||

大事 な の は 水 を 感じる こと だいじ||||すい||かんじる|

肌 で 目 で 心 で はだ||め||こころ|

そして 感じ た もの を 疑わ ない こと |かんじ||||うたがわ|| And don't doubt what you feel

自分 を 信じる こと じぶん||しんじる|

水 に 抗 う の で は なく 受け入れる すい||こう||||||うけいれる

互い の 存在 を 認め合う たがい||そんざい||みとめあう

と か And

あの 頃 は 小 難しい こと 考え て た っけ |ころ||しょう|むずかしい||かんがえ||| Did you think that it was a little difficult at that time?

死 ん だ 婆ちゃん から 聞い た 古い ことわざ し|||ばあちゃん||ききい||ふるい| An old saying I heard from my dead grandmother

十 で 神童 十五 で 天才 二十 歳 過ぎれ ば ただ の 人 じゅう||しんどう|じゅうご||てんさい|にじゅう|さい|よぎれ||||じん Ten and child prodigy Fifteen and genius Twenty years old is just a person

ただ の 人 まで あと 三 年 ちょっと ||じん|||みっ|とし|

ああ 早く ただ の 人 に なり て ぇ |はやく|||じん||||

おはよう 田村 さん |たむら|

おはよう 真琴 ちゃん |まこと|

これ 持っていき な |もっていき|

あ ありがとう 行って き ます ||おこなって|| Thank you so much

行って らっしゃい おこなって| Welcome

おはよう

しょうがない な

お邪魔 し ます おじゃま||

やっぱり ここ か

開ける よ あける|

おはよう ハル ちゃん |はる|

だから ちゃ ん 付け は 止めろ って |||つけ||とどめろ|

また 水着 着 て 入って た の |みずぎ|ちゃく||はいって||

ほっとけ 遅刻 する ぞ |ちこく||

それ 俺 の セリフ |おれ||せりふ

って なんで 鯖 焼 い てる ん だ よ ||さば|や|||||

朝飯 まだ 食って ない から あさはん||くって||

それ に 水着 に エプロン って ||みずぎ||えぷろん|

寒く ない の さむく||

水着 に 油 が 飛ぶ の は いや だ みずぎ||あぶら||とぶ||||

しかも 食パン に 鯖 |しょくぱん||さば

で なんで わざわざ 迎え に 来 た ん だ よ |||むかえ||らい||||

だって ハル 昨日 の 始業 式 来 なかった から さ |はる|きのう||しぎょう|しき|らい|||

休む って 電話 し た やすむ||でんわ||

じゃ 新しい クラス の こと は 聞い た |あたらしい|くらす||||ききい|

ハル と は また 同じ クラス だ よ はる||||おなじ|くらす||

今度 は 一 組 担任 は 新任 の 女 の 先生 で こんど||ひと|くみ|たんにん||しんにん||おんな||せんせい|

初日 から 早速 綽名 が つい て て さ しょにち||さっそく|しゃくめい|||||

古文 担当 な ん だ けど ちょっと ずれ てる って いう か こぶん|たんとう||||||||||

早く 暖かく なって 海 で 泳ぎ たい はやく|あたたかく||うみ||およぎ|

早く 暖かく なって 泳げ る と いい ね はやく|あたたかく||およげ||||

田所 純一 君 たどころ|じゅんいち|きみ

はい

手塚 香織 さん てずか|かおり|

はい

えっ と 七瀬 遥 さん ||ななせ|はるか|

女 と 間違わ れる の は もう 慣れ た おんな||まちがわ|||||なれ|

先生 遥 は 男 です せんせい|はるか||おとこ|

え あら 本当 ||ほんとう

ごめんなさい 七瀬 君 |ななせ|きみ

確か 昨日 は お 休み だった わ よ ね たしか|きのう|||やすみ||||

ごめん

新しく この クラス を 受け持つ こと に なった 天 方 美帆 です あたらしく||くらす||うけもつ||||てん|かた|みほ|

よろしく

アマ ちゃん 先生 地元 の 出身 な ん だ って あま||せんせい|じもと||しゅっしん||||

東京 の 大学 行って 就職 し た けど とうきょう||だいがく|おこなって|しゅうしょく|||

夢 破れ て 帰って き た らしい ゆめ|やぶれ||かえって|||

夢 って なに ゆめ||

さあ 音楽 と か |おんがく||

夢 破れ て しょうがなく 教師 に なった やつ が 生徒 を 教える って どう な ん だ よ ゆめ|やぶれ|||きょうし|||||せいと||おしえる||||||

帰り たい かえり|

お 昼 屋上 で 食べ ない |ひる|おくじょう||たべ|

こういう の は 察し が 悪い |||さっし||わるい

ゴウ な に やって ん の よ 早く |||||||はやく

ちょっと 待って あと ゴウ って 呼ば ない で |まって||||よば||

ごめん

昼 飯 持ってき て ない ひる|めし|もってき||

購買 で なんか 買え ば こうばい|||かえ|

あ それとも これ 食べる スルメイカ |||たべる|

ハル ちゃん マコ ちゃん はる|||

久しぶり ひさしぶり

僕 も 岩 鳶 高校 に 入った ん だ ぼく||いわ|とび|こうこう||はいった||

マコ ちゃん

ハル ちゃん はる|

あっ 渚 |なぎさ

本当 何 年 ぶり だ ろ う ほんとう|なん|とし||||

スイミング クラブ が 閉鎖 し て から 会わ なく なった もん な すいみんぐ|くらぶ||へいさ||||あわ||||

うん 僕 ハル ちゃん たち と 別 の 学校 だった から 余計 に ね |ぼく|はる||||べつ||がっこう|||よけい||

あ プール の そば に 桜 の 木 が ある ん だ |ぷーる||||さくら||き||||

確か ハル ちゃん たち の 小学校 の プール に も 桜 の 木 が あった よ ね たしか|はる||||しょうがっこう||ぷーる|||さくら||き||||

だから ちゃ ん 付け は 止めろ って |||つけ||とどめろ|

だって ハル ちゃん は ハル ちゃん だ し |はる|||はる|||

だけど あの プール 古く て 使わ れ て ない ん だ ||ぷーる|ふるく||つかわ|||||

水泳 部 も ない すいえい|ぶ||

それ じゃ いま は どこ で 泳 い でる の ||||||えい|||

競泳 は もう 止め た きょうえい|||とどめ|

ええ なんで なんで

高校 に 入ったら また ハル ちゃん と 一緒 に 泳げ る の を 楽しみ に し て た のに こうこう||はいったら||はる|||いっしょ||およげ||||たのしみ|||||

いつ まで も 子供 じゃ ない し |||こども|||

小学校 の 時 み たい に は いか ない ん だ よ しょうがっこう||じ|||||||||

ハル ちゃん はる|

まあ でも 競泳 は し ない って だけ で ||きょうえい||||||

水 は 好き だ よ すい||すき||

ハル は 水 な し で は 生き て いけ ない から はる||すい|||||いき||||

夏 は 海 で 泳ぐ し なつ||うみ||およぐ|

今日 だって 朝 から 風呂 場 で 水 に 漬かって た し ね きょう||あさ||ふろ|じょう||すい||つかって|||

それ って 水泳 関係なく ない ただ の お 風呂 好き じゃ ||すいえい|かんけいなく|||||ふろ|すき|

だったら 温泉 部 と か いい ん じゃ ない か な |おんせん|ぶ||||||||

作 ろ う よ 温泉 部 さく||||おんせん|ぶ

湯 あたり する から いや だ ゆ|||||

渚 は 本当 変わら ない な なぎさ||ほんとう|かわら||

そう 言わ ず に さ |いわ|||

いや だ

分かった じゃ わかった|

し ない

まだ なにも 言って ない よ ||いって||

私 も 江 と 同じ 味 に すれ ば よかった な わたくし||こう||おなじ|あじ|||||

ねっ そう いえ ば 知って る ||||しって|

小学校 の 時 通って た あの スイミング クラブ しょうがっこう||じ|かよって|||すいみんぐ|くらぶ

もう すぐ 取り壊し に なる って ||とりこわし|||

だから その 前 に ||ぜん|

みんな で 行って み ない ||おこなって||

あれ を 掘り起こし に ||ほりおこし|

そう 夜 に こっそり 忍び込 ん で |よ|||しのびこ||

行く なら 勝手 に 行け いく||かって||いけ

そんな こと 言わ ず に さ ハル ちゃん も 行 こ う よ ||いわ||||はる|||ぎょう|||

行か ない いか|

面白 そう だ と 思わ ない の おもしろ||||おもわ||

思わ ない おもわ|

せっかく だ し 行って みよ う よ |||おこなって|||

いや だ めん どくさい

でも 行け ば プール も ある よ |いけ||ぷーる|||

風呂 場 と か じゃ なく て もっと 大き な … プール ふろ|じょう|||||||おおき||ぷーる

いい な ハル ちゃん いま 一 人 暮らし な ん だ ||はる|||ひと|じん|くらし|||

おばさん 単身 赴任 の おじさん の 所 だって |たんしん|ふにん||||しょ|

って また 鯖 ||さば

いや なら 食う な ||くう|

美味し そう ハル ちゃん 料理 上手 だった もん ね おいし||はる||りょうり|じょうず|||

でも さ 本当 に いい の か な ||ほんとう|||||

さっき は 賛成 し た のに ||さんせい|||

ひょっとして 怖く なった |こわく|

違う よ ちがう|

俺 たち だけ で 掘っちゃ って いい の か なって こと おれ||||ほっちゃ||||||

それ は しかたない よ

だって 凜 ちゃん は 日本 に い ない ん だ し |りん|||にっぽん||||||

俺 こっち の 中学 行か ない から おれ|||ちゅうがく|いか||

えっ どういう こと 凜 |||りん

オーストラリア に 行く ん だ おーすとらりあ||いく||

オーストラリア って 外国 の おーすとらりあ||がいこく|

そう 水泳 の 勉強 を し に 行く |すいえい||べんきょう||||いく

お前 なに が し たい ん だ おまえ||||||

オリンピック の 選手 に なる おりんぴっく||せんしゅ||

どうして 黙って た の さ リレー は どう する の |だまって||||りれー||||

リレー に は 出る さ りれー|||でる|

出発 は 大会 の 翌日 だ しゅっぱつ||たいかい||よくじつ|

だから 四 人 で 泳ぐ の は それ で 最後 に なる |よっ|じん||およぐ|||||さいご||

俺 は フリー しか 泳が ない おれ||||えい が|

リレー じゃ なきゃ ダメ な ん だ これ が 最後 だ りれー|||だめ||||||さいご|

一緒 に 泳 ご う 七瀬 いっしょ||えい|||ななせ

もし 一緒 に 泳 い で くれ たら |いっしょ||えい||||

見 た こと の ない 景色 見せ て やる み|||||けしき|みせ||

結構 荒れ てる ね けっこう|あれ||

はい これ 一応 お 清め の 塩 ||いちおう||きよめ||しお

塩 実は ここ 出る らしい ん だ しお|じつは||でる||| 脅かす な よ おびやかす||

本当 だ よ ほんとう||

この 間 も 影 が 動く の を 見 た と か すすり泣く 声 が 聞こえ た と か |あいだ||かげ||うごく|||み||||すすりなく|こえ||きこえ|||

おとなしく し て て ね

はい 次 ハル ちゃん |つぎ|はる|

おい

ど どう し た の

これ 塩 じゃ なく て 砂糖 |しお||||さとう

まあ こういう の って 気持ち の 問題 だ し ||||きもち||もんだい||

塩 でも 砂糖 でも どっち で も いい よ ね しお||さとう|||||||

下手 すぎ へた|

ボケ と して は 古典 的 すぎる よ ね ||||こてん|てき|||

何 空き缶 蹴飛ばし ちゃ った なん|あきかん|けとばし|| お前 わざと やって る だ ろ う おまえ||||||

マコ ちゃん 本当 昔 から 怖い もん だめ だ よ ね ||ほんとう|むかし||こわい|||||

知って る なら やる な よ しって|||||

ごめん ね

懐かしい なつかしい

中 は 思った より 荒れ て ない ね なか||おもった||あれ|||

ここ は …

休憩 室 だ きゅうけい|しつ|

早く 早く はやく|はやく

見 て 見 て み||み|

これ 僕達 が リレー で 優勝 し た 時 の 写真 |ぼくたち||りれー||ゆうしょう|||じ||しゃしん

見 た こと の ない 景色 見せ て やる み|||||けしき|みせ||

これ は 俺 達 4 人 で 取った もの だ から ||おれ|さとる|じん||とった|||

誰 か 一 人 が 持って 帰る の も おかしい と 思う ん だ だれ||ひと|じん||もって|かえる|||||おもう||

だから こう やって タイム カプセル に し て |||たいむ|かぷせる|||

大人 に なったら 掘り起 こそ う おとな|||ほりおこ||

ロマンチック だ ろ う ろまんちっく|||

ハル はる

ハル 行く よ はる|いく|

目印 ちゃん と 残って る かな めじるし|||のこって||

もう ちょっと 急 ご う よ ||きゅう|||

よ ー |-

誰 分か ん ない よ だれ|わか||| まさか ここ で お前 ら と 会 っち まう と は な |||おまえ|||かい|||||

凛 凛 ちゃん りん|りん| オーストラリア から 帰って き た ん だ おーすとらりあ||かえって||||

でも どうして ここ に

きっと これ って 運命 だ よ |||うんめい||

目 に 見え ない 不思議 な 力 が 今夜 この 時間 僕達 を この 場所 に め||みえ||ふしぎ||ちから||こんや||じかん|ぼくたち|||ばしょ|

ハル はる

お前 まだ こい つら と つる ん で た の か おまえ||||||||||

進歩 し ねぇ な しんぽ|||

何 言って ん だ 凛 なん|いって|||りん

そういう お前 は どう な ん だ よ |おまえ||||||

ちょっと は 進歩 し た の か ||しんぽ||||

ハル はる

ちょうど いい 確かめ て みる か ||たしかめ|||

勝負 しよ う ぜ ハル しょうぶ||||はる

勝負 って しょうぶ|

ハル はる

僕達 置いてきぼり ぼくたち|おいてきぼり

み たい

待って よ まって|

俺 と お前 の 差 おれ||おまえ||さ

教え て やる よ おしえ|||

いい ぜ

やって みろ よ

ここ で 泳ぐ の ||およぐ|

って ちょっと 待って ||まって

ハル それ は だめ はる|||

って 朝 から ずっと 入って た |あさ|||はいって|

凛 ちゃん も りん||

早く あれ 止め ない と はやく||とどめ||

別に いい ん じゃ ない べつに||||

おい

行く ぜ ハル いく||はる

レディー ゴッ れでぃー|

水 ない ね すい||

だから 止め とけ って 言った のに |とどめ|||いった|

ち ぇ つま ん ねぇ

そう いや お前 ら ||おまえ|

これ 見つけ に 来 た ん だ ろ う |みつけ||らい|||||

あっ トロフィー |とろふぃー

俺 は もう いら ねぇ から おれ|||||

こんな もん

ちょ っ

凛 ちゃん 何 か 変わっちゃ っ た ね りん||なん||かわっちゃ|||

夢 か ゆめ|

いや 夢 じゃ ない から |ゆめ|||

でも 本当 な ん だった ん だ ろ う |ほんとう|||||||

凛 ちゃん おかしかった よ りん|||

そっくり さん

そっくり さん が 何で ハル に 勝負 を 持ちかける の さ |||なんで|はる||しょうぶ||もちかける||

なら 幽霊 |ゆうれい

足 あった よ あし||

じゃ ドッペルゲンガー

あっ それ 懐かしい スイミング で も 流行った よ ね ||なつかしい|すいみんぐ|||はやった||

超 絶 合体 ドッペル ゲン ちょう|た|がったい||

真琴 うるさい まこと|

何 だ よ 二 人 と も なん|||ふた|じん||

ごめん 聞い て なかった |ききい||

おい

知って る の あの 男の子 達 しって||||おとこのこ|さとる

七瀬 遥 橘 真琴 葉月 渚 ななせ|はるか|たちばな|まこと|はづき|なぎさ

3 人 の 共通 点 それ は 昔 同じ スイミング クラブ に 通って い た こと じん||きょうつう|てん|||むかし|おなじ|すいみんぐ|くらぶ||かよって|||

そして もう 一 つ 男 な のに 女 み たい な 名前 ||ひと||おとこ|||おんな||||なまえ

どういう 関係 な の よ |かんけい|||

それ は 内緒 ||ないしょ

でも って こと は ゴウ と も 共通 点 ある よ ね |||||||きょうつう|てん|||

女 な のに 男 み たい な 名前 おんな|||おとこ||||なまえ

だから ゴウ って 呼ば ない で |||よば||

お前 達 な おまえ|さとる|

たとえ 廃墟 でも 無断 で 中 に 入る の は 不法 侵入 な ん だ |はいきょ||むだん||なか||はいる|||ふほう|しんにゅう|||

分かって る の か わかって|||

すみません

ごめんなさい

七瀬 は どう し た ななせ||||

午後 から 早 引き し まし た ごご||はや|ひき|||

また かい

ま ぁ ま ぁ 先生 その辺 で ||||せんせい|そのへん|

李 白 の 言葉 に も あり ます り|しろ||ことば||||

人生 意 を 得 なく ば 須 く 歓 を 尽くす べし じんせい|い||とく|||す||かん||つくす|

金 樽 を し て 空しく 月 に 対せ し む る 勿 れ きむ|たる||||むなしく|つき||たいせ||||もちろん|

一 度 の 人生 好き な よう に やる べき だ ひと|たび||じんせい|すき||||||

素敵 な 酒樽 を 前 に 飲み も せ ず 放置 する の は ばかげ て いる すてき||さかだる||ぜん||のみ||||ほうち||||||

的 な … あれ ？ てき||

松岡 凛 松岡 凛 … まつおか|りん|まつおか|りん

本当 に この 学校 に いる の か な ほんとう|||がっこう|||||

オーストラリア から 戻った ん なら おーすとらりあ||もどった||

転校 し てき てる 可能 性 は ある てんこう||||かのう|せい||

でも 始業 式 じゃ 見かけ なかった よ |しぎょう|しき||みかけ||

あった

本当 ほんとう

いや 待って 松岡 … 江 … ？ |まって|まつおか|こう

どこ か で

思い出し た おもいだし|

あの 子 凛 の 妹 の 松 岡江 だ |こ|りん||いもうと||まつ|おかえ|

ゴウ ちゃん も 岩 鳶 高校 に 入って たん だ |||いわ|とび|こうこう||はいって||

ゴウ って 呼ば ない で コウ って 呼ば れ てる ん だ から ||よば|||||よば|||||

何で なんで

戦国 武将 浅井 長政 の 三女 と 同じ 名前 の 江 （ ごう ） でしょう せんごく|ぶしょう|あさい|ながまさ||さんじょ||おなじ|なまえ||こう||

そう だ けど

普通 に 読め ば 「 コウ 」 なん だ から そこ は 素直 に 「 コウ 」 って 呼 ぼ う よ ふつう||よめ||||||||すなお||||よ|||

それ が 優し さ って もん じゃ ない の ||やさし||||||

えっ と そんな こと より

そんな こと

ごめん でも 何 し に ハル の 家 に ||なん|||はる||いえ|

それ は

お 兄ちゃん の こと と か 聞き に |にいちゃん|||||きき|

凛 やっぱり オーストラリア から 帰って る の りん||おーすとらりあ||かえって||

先月 帰国 し て この 春 から 鮫 柄 学園 に せんげつ|きこく||||はる||さめ|え|がくえん|

あそこ 全 寮 制 だ から うち に は 帰って き て ない です けど |ぜん|りょう|せい||||||かえって|||||

鮫 柄 って あの 水泳 強豪 校 さめ|え|||すいえい|きょうごう|こう

嫌 だ いや|

行 こ う よ 鮫 柄 学園 ぎょう||||さめ|え|がくえん

凛 に 会い たく ない の りん||あい|||

昨日 会った ろ う きのう|あった||

行け ば 今度 こそ 泳げ る かも って 思った ん だ けど いけ||こんど||およげ||||おもった|||

鮫 柄 って 確か 屋内 プール が あった はず だ し さめ|え||たしか|おくない|ぷーる|||||

ほら ほら ペース 落ち て ん ぞ 中川 ||ぺーす|おち||||なかかわ

凛 ちゃん いる りん||

い ない なぁ 休み な の かも |||やすみ|||

な ハル |はる

って ここ で 脱 い じゃ だめ だ から |||だつ|||||

泳げ る か な って 連れ て き た の は 真琴 だ ろ う およげ|||||つれ||||||まこと|||

ま ぁ ま ぁ ハル ちゃん ||||はる|

練習 終わって 人 が い なく なって から 泳 ご う よ ね れんしゅう|おわって|じん||||||えい||||

それ は それ で また 不法 侵入 な 気 も |||||ふほう|しんにゅう||き|

大丈夫 さっき の 先生 も 「 一 度 の 人生 好き に やれ 」 って 言って だいじょうぶ|||せんせい||ひと|たび||じんせい|すき||||いって

だから 待って |まって

やっぱり まずい 気 が する ||き||

もう

やっぱり ハル ちゃん 海豚 みたい |はる||いるか|

マコ ちゃん 僕達 も 泳 ご う よ ||ぼくたち||えい|||

だめ 見つかる と まずい って |みつかる|||

それ より 凛 を 探さ ない と ||りん||さがさ||

その 前 に ちょっと だけ 明かり つけ なきゃ 大丈夫 だ よ |ぜん||||あかり|||だいじょうぶ||

水着 は どう する つもり みずぎ||||

裸 で いい ん じゃ ない はだか|||||

ちょっと 待って |まって

スイム ～

マコ ちゃん 来 て 来 て ||らい||らい|

何 俺 は 入ら な いっ なん|おれ||はいら||

嘘 だ ろ う うそ|||

象 が 落ち た みたい ぞう||おち||

ああ もう 渚 ||なぎさ

それ っ

この

お前 ら どういう つもり だ おまえ||||

凛 僕達 凛 ちゃん に 会い に りん|ぼくたち|りん|||あい| 帰れ かえれ

凛 ちゃん りん|

フリー

言った だ ろ う いった|||

俺 は フリー しか 泳が ない って おれ||||えい が||

ハル ちゃん はる|

ハル はる

ただ の 人 まで あと 3 年 ちょっと ||じん|||とし|

もう 少し 今 の まま で いる の も 悪く ない か |すこし|いま|||||||わるく||

あの 時 の 景色 もう 一 度 見せ て くれ |じ||けしき||ひと|たび|みせ||

何 が 見え た か 忘れ ち まった から なん||みえ|||わすれ|||

ああ 見せ て やる よ |みせ|||

ただし あの 時 と 同じ 景色 じゃ ねぇ ||じ||おなじ|けしき||

もっと 違う 景色 だ |ちがう|けしき|

ところで 七瀬 さん は 何で フリー し が 泳が ない ん です か |ななせ|||なんで||||えい が||||

ハル ちゃん が 何も 答え て くれ ない はる|||なにも|こたえ|||

マコ ちゃん 代弁 し て あげて ||だいべん|||

えっ と 今夜 は 塩焼き に する か 味 噌煮 に する か ||こんや||しおやき||||あじ|そに|||

晩 御飯 の メニュー だ ばん|ごはん||めにゅー|

次回 追憶 の ディスタンス ！ じかい|ついおく||

次回 予告 も 代弁 じかい|よこく||だいべん

僕 は ムニエル が いい なぁ ～ ぼく|||||