episode 03「 同居 の 秘密 、 バレ ちゃった 」
( 上原 ( うえ はら )) 百 合
( 菜緒 ( なお )) 百合 って …
百合
( 菜緒 ) この 人 が 上原 君 の ?
( 上原 ) イッテ !
( 百合 ) イッテー じゃ ない わ よ 突然 い なく なって
こっち が どん だけ 心配 した と 思って ん の
( 上原 の 舌打ち )
( 上原 ) イテテテテ … ( 百合 ) 何 生意気に
舌打ち して んだ ( 上原 ) 離せ って
( 百合 ) 痩せた んじゃ ない ? 一 段 と
( 上原 ) んな こと ね ー し
( 百合 ) 顔色 ゾンビ みたい ( 上原 ) 明かり の せい だ ろ
( 百合 ) どうせ ろくな もん 食べて なかった んでしょ
お前 の 料理 より はるかに マシ
俺 は 病人 だ ぞ ! ( 百合 ) だ から !
帰って こい って 言って ん の
これ から の こと は お互い もう 1 回 ちゃん と 話し合って
無理
は ?
って いう か お前 に そんな こと 言う 権利 あん の かよ ?
誰 の せい で 俺 が 出て った と 思って んだ よ
( 百合 ) え ~? 誰 だ っけ ?
おい ! ( 百合 ) 冗談 よ 冗談
何 に して も これ 以上 一 人 暮らし を 続けて 体 壊す よう なら
何が何でも 連れて 帰る から
俺 の 家 知ら ね ー くせ に
先生 に 聞き ました
だって 聞か れた から
余計な こと
( 百合 ) 命 の 恩人 に 絡む んじゃ ない わ よ
お前 どん だけ 暴力 振るう んだ よ
( 百合 ) この 恩知らず が 偉 そうに
偉 そうに なんか して ね ー よ
( 百合 ) もっと しおらしく しろ っつ ー の
( 上原 ) は ?
( 菜緒 ) じゃあ 私 は ここ で
( 上原 ) おお
あんた お礼 の 1 つ ぐらい 言い なさい よ
いろいろ 助かった
うん お 大事に
おお
あっ ちょっと 待って 一緒に 出よ
久志 ( ひさし ) の こと で 聞き たい こと も ある し
( 百合 ) ちょっと 先生 に 挨拶 して くる ね
ロビー で 待って て くれる ?
( 菜緒 ) はい
あれ って 結婚 指輪 だ よ ね …
え ? って こと は …
不倫 !?
あ …
不倫 …
上原 君 と あの きれいな 女 の 人 が …
ダメ よ 私 に は 主人 が …
百合 俺 の もの に なって よ
久志 …
( 菜緒 ) イヤッ … おお ~
おお おお … 大人 だ 大人 の 世界
でも 上原 君 ちょっと 似合っちゃ って る かも
おお っ !
どうした ? 具合 でも 悪く なった ?
あ … いえ 大丈夫です
私 上原 百合 って 言い ます
これ 一応 名刺 連絡 先 書いて ある から
あ … ありがとう ございます
上原 …
( 百合 ) ああ 私 久志 の 義理 の 姉 に なる の よ ね
久志 の 兄貴 卓也 って いう んだ けど 彼 が 私 の 旦那
なるほど
えっ !? 上原 君 と 兄嫁 が ふり …
ん ?
私 吉川 ( よし かわ ) です 吉川 菜緒
菜緒 ちゃん か かわいい 名前
今日 は あり が と ね 久志 の こと
( 菜緒 ) いえ
彼女 って こと で いい んだ よ ね ?
え ? 誰 が 誰 の ?
菜緒 ちゃん が 久志 の
いや 全然 違い ます ただ の 同級 生 です
え ? そう な の ?
意外
久志 が 気 を 許す 人 って そう そう いない から てっきり
( 菜緒 ) ハハハ …
気 を 許して る と いう か なめ られて る と いう か
あっ そう だ !
ねえ 菜緒 ちゃん から も 言って くれ ない ?
実家 に 帰って こい って
( 菜緒 ) え ?
あいつ 私 の 言う こと 全く 聞か ない から さ
本当 生意気 フケガキ の くせ に
フケガキ ?
私 が 久志 に 付けた あだ名
見た目 は 老けて ん のに 中身 は ガキ の まん ま
だから フケガキ
なるほど 確かに
( スマホ の バイブ 音 )
ヤッバ 会社 戻 ん なきゃ
え ? 今 から です か ?
( 百合 ) うん 情報 誌 の 編集 やって る んだ けど さ
締め切り 前 は いつも こう な んだ よ ね
や んなる じゃあ 先 行く ね
かっこよかった なあ 百 合 さん
しかも 美人
何 年 後 か に は ああいうふうに なれる の か な
( 上原 の 声 ) なれる わけ ね ー し
え ?
あれ ?
もう 誰 かさん の せい で うるさい の に 慣れちゃ った じゃ ん
上原 君 の バーカ !
って いう か
上原 君 本当に 帰って くる んだ よ ね
実家 帰る なんて 言わ ない よ ね ?
( ドア が 開く 音 )
じゃあ な
ん ? ちょ っ … ちょ っ ちょ っ ちょっと !
( ルミ子 ) 今月 分 の 15万 円
( 菜緒 ) あ !
無理 無理 ! それ は 無理 !
どう しよう …
上原 君 を 捕まえる に は 胃袋 から だ よ ね ~
味 より 量 で 勝負 でしょ
片っ端から 作って …
( 菜緒 ) よい しょ
( シンク が 鳴る 音 )
( 菜緒 ) びっくり した
ん ~!
( 敦子 ) 本当に 付き合って ん の ? 超 ショック な んだ けど
( 桜 ) ねっ って いう か 何で 上原 君 が 吉川 菜緒 ?
( 敦子 ) 確かに 何で ?
( 男子 生徒 ) お っ 大地 おはよう
( 大地 ) おはよう ( 男子 生徒 ) おはよう
あっ お っは よ ~ まり な
( まり な ) ねえ 広 ちゃん 数 Ⅱ の 予習 やった ?
( 広 ちゃん ) うん やった よ
( まり な ) えー と ね ちょっと 教えて ほしい ところ が ある んだ よ ね
( 広 ちゃん ) どこ ?
( チャイム )
次 音楽 だ よ ね 一緒に 行 こ
あれ ?
( チャイム )
ねえ まり な
え …
( 菜緒 ) わ っ ! ごめんなさい … 大 ちゃん
( 大地 ) 菜緒 ( 菜緒 ) どうした の ?
ああ いや … ちょっと
菜緒 って さ … ( 菜緒 ) まり な 行っちゃ う
ごめん 後 で ね
( 菜緒 ・ まり な ) うわ っ !
( 菜緒 ) もう !
しつこい よ
( 菜緒 ) 何で 無視 す ん の ?
ウソ ついた でしょ
( 菜緒 ) は ?
本当 は 上原 君 と 付き合って る ん だって ね
こいつ 俺 と 付き合って る から
何で 知って ん の ?
御 三 家 の 上原 君 が 彼女 つくった んだ よ
そんな の あっという間 に 広まる に 決まって んじゃ ん
その こと な んだ けど … ( まり な ) 勘違い し ないで ね
私 上原 君 と 菜緒 が 付き合って る こと で 怒って んじゃ ない から
( 菜緒 ) え …
上原 君 と は 何も ない って ウソ つかれた こと に 腹 立って ん の !
そりゃ 私 散々 “ 上原 君 上原 君 ” 騒いで る から
言い づらい だろう けど さ
でも 菜緒 と の 付き合い の ほう が ずっと ずっと 長い し
私 は 一 番 の 友達 だ と 思って たし !
こんな の 表面 だけ 繕って
心 の 中 で シカト さ れて る ような もん じゃ ん
まり な …
何で 菜緒 が 泣き そうに なって ん の
ごめん
次 から は ちゃんと 話して よ 私 も 全部 話す から さ
( 菜緒 ) うん … ( まり な ) よし
( 菜緒 ) 私 ね ( まり な ) ん ?
実は 上原 君 と 付き合って る フリ してん の
は ?
( チャイム )
あ … 始まる
( まり な ) あ … え ?
あっ ちょっと ちょっと ! その 話 後 で ちゃんと 聞か せて
( まり な ) 待って ( 光 石 ) ちょっと 待って
菜緒 は あそこ に 上原 君 と 一緒に 住んで る って こと ?
( 菜緒 ) ちょ っ … もう !
( まり な ) そう で 同居 が バレ ない ように
付き合って る フリ しろ って 言わ れた ん だって
白馬 の 王子 様 か と 思い きや 超 傲慢な 王様 だった わけ よ
( 菜緒 ) そう そう な んだ よ !
しかも みんな 完全に だまさ れて んだ よ
ひどい と 思わ ない ? みっ ちゃん
( 光 石 ) いや そんな の より
男 と 同居 生活 の ほう が よっぽど 問題 の ような
( 菜緒 ) 今 ん とこ 問題 ない よ
( 光 石 ) いやいや …
なく は ないだ ろ
( まり な ) それ 上原 君 の 病院 に 持って行く やつ ?
( 菜緒 ) うん
家 出て 行か ない ように 食べ物 で 釣る 作戦
( まり な ) で 夜中 まで 起きて 作って た と
( 菜緒 ) え ! 何で ?
( まり な ) クマ ( 菜緒 ) ハッ !
上原 君 大 食い だ から いっぱい 作 ん ない と と 思って
そ したら 時間 かかっちゃ って
菜緒 さ や っぱ 上原 君 の こと 好きでしょ ?
( 菜緒 ) は あ !? そんな こと ない
私 一言 も そんな こと 言って ないし
こういう の を 愛 の 成 せる 技 って いう んだ よ
みっ ちゃん ( 光 石 ) なるほど
( 菜緒 ) だ から 違う って ば !
上原 君 は ちゃんと 彼女 が いる んです !
( 光 石 ) は あ !? ( まり な ) え ! 誰 誰 ?
お 兄さん の 奥さん
す っご い きれいで ね 明るくて いい 人 で
仕事 も できて
大人 な 女性 って 感じ なんだ よ ね
やめた お 見舞い
え ?
だって この 人 が 面倒 見て くれる んだ もん
うん そう だ よ
この 人 が 見て くれる から やめた
私 これ 自分 で 食べる から さ !
やめた わ やめた やめた !
( まり な の ため 息 )
本当 私 の 周り って 色 恋 に 鈍感な の ばっかり
お前 も な
何 か 言った ?
いや 別に
様子 だけ でも 見て きて やる か
もう 何 な の
おお
“ おお ” じゃ ない よ !
退院 する なら する って 言って よ ね !
俺 お前 の 携帯 知ら ね ー し
あ …
( テレビ の 音声 )
はい
( 上原 ) うん
あん ま 連絡 して くん な よ 俺 LINE と か メール と か 嫌いだ から
用 が なかったら 連絡 なんて し ませ ん
( 上原 ) 何 それ
( 菜緒 ) ああ … 上原 君 用 の お 弁当
( 上原 ) 夜食 に する
夜食 って まず 夕食 じゃ …
まさか
食べ られた …
ちょっと !
ルール 違反 でしょ 人 の もの 勝手に 食べて !
( 上原 ) ああ ゴホッ ゴホッ …
俺 病み上がり だ から 特別 ルール 適用 した
は あ !?
あった まくる ~! 何 よ 特別 ルール って
って いう か 病み上がり の くせ に どん だけ 食べ ん の よ !
( 物音 )
ちゃんと 帰って きた んだ 上原 君 …
あ ~ あ 一 人 暮らし 満喫 して た のに な ~!
( スマホ の 着信 音 )
あっ そうだ
( スマホ の 着信 音 )
( 菜緒 ) お 母さん
( 美紀子 ) ちゃん と 栄養 ある もの 食べて る の ?
( 菜緒 ) そこ は バッチリ ちゃん と 自炊 も して る し ね
( 美紀子 ) なら いい けど
あっ 学生 の 本分 も 忘れて ない でしょう ね ?
( 菜緒 ) 大丈夫 大丈夫
一 人 暮らし の ほう が 勉強 も はかどる んだ よ ね
( 美紀子 ) あらそう ? じゃあ 今度 の 期末 テスト も …
( 菜緒 ) 任せて お 母さん 私 生まれ変わった から
学年 で 半分 以内 に 入れちゃ う かも !
( 美紀子 ) なら よかった
お 父さん と も 話して た んだ けど ね
半分 以内 に 入ら なかったら 一 人 暮らし 終了 ね
うん 楽勝 楽勝 !
( 美紀子 ) そう ? じゃあ 楽しみに して る わ
は ~ い じゃあ ね !
楽勝 って 言っちゃ った …
期末 テスト って いつ だ っけ ?
火曜 から … 今日 は 土曜
土 日 月
ハッ !
上原 君 より 私 の ほう が 出て 行く 可能 性 高い かも
勉強 し なくちゃ
早朝 から バイト ご苦労さまです
( 上原 ) おお
お前 寝て ない の ?
( 菜緒 ) テスト ある から ね
( 上原 ) ああ アホ は 大変だ な
大丈夫 ? お前
そう だ
上原 君 が いる
上原 君 勉強 教えて お 願い !
( 上原 ) や だ ( 菜緒 ) えっ
何で よ ( 上原 ) 面倒くさい
しかも お前 物覚え 悪 そうだ し 俺 す っげ ー 疲れ そうだ し
ちょっと 言い たい 放題
自分 なんか フケガキ の くせ に
ハァ …
お前 百合 と …
何でもない
あ … ハッ !
ヤバ い 全然 進んで ない
もう ~ 分 かんな ~ い !
分か ん ない !
分か ん ない …
( 大地 ) 悪い
俺 今日 部活 の 練習 試合 あって さ
( 菜緒 ) ハハハ …
そ っか だ よ ね 忙しい のに ごめん ね
お前 本当 追い詰め られ ない と 全然 やら ない タイプ だ もん な
夏 休み の 宿題 自由 研究 読書 感想 文
ああ あと 逆上がり の 練習 も あった な
全部 大 ちゃん に 手伝って もらい ました …
俺 も うち ょい 感謝 さ れて も いい と 思う んだ けど な ~
し てるよ 大 ちゃん
私 大 ちゃん に す っ ごい 感謝 して ます !
じゃあ よし !
本当 私 大 ちゃん から 早く 卒業 し なきゃ だ よ ね
ん ?
いや … 頑張れよ じゃあ な
うん あり が と じゃ あね
百合 ?
危 ねえ
( 菜緒 ) OA かける OB コサイン …
マイナス 2 分 の 1 カッコ A かける B …
ありゃ ? 何 だ っけ
あ … ベクトル だ
( 菜緒 ) ん ? ( 百合 ) や っほ ~
百合 さん !
( 百合 ) うん おいしい ( 菜緒 ) う ~ ん
( 菜緒 ) おいしい
( 百合 ) でも よかった 菜緒 ちゃん に 会えて
あいつ の 家 に 行く って 留守 電 入れた のに
何にも 連絡 こ なくて さ
菜緒 ちゃん から も 電話 して くれ ない ?
あいつ い なきゃ 部屋 入れ ない もん
あ ~ 今日 は バイト かな ? なんて …
えっ そう な の ?
もう 連絡 よこせ っつ ー の 本当 かわいく ない 奴
あの 百 合 さん
私 の こと は “ ゆり りん ” って 呼んで
ゆり りん ?
そう あと 敬語 も いら ない から ね
じゃあ ゆり りん
( 百合 ) うん ? な ー に ?
あの …
上原 君 は あの … その …
( 百合 ) 何 か 言って た ? あいつ
でも … ゆり りんと いる 時 は いつも と 違う って いう か
つら そうな 顔 する から
あいつ の 初恋 の 相手 私 みたい
え ?
( 百合 ) 旦那 の 卓也 と 久志 と は 家族 ぐるみ で 仲 良くて さあ
ちっちゃ い 頃 から 3 人 で ドタバタ やって た わけ
でも ご 両親 が 亡くなって 2 人 と も 元気 なく しちゃ って …
私 自分 が 母親 代わり に なる って
ますます 上原 家 に 出入り する ように なって …
好きに なっちゃ った の よね 卓也 の こと
久志 は 弟 みたいな もんで さ
私 なんか に 恋心 抱いて る なんて 全然 気づか なくて
私 が 結婚 して 上原 家 に 住み 始めて 少し 経った 頃 かな
言わ れちゃ った の よ ね
“ 好きな 女 と その 旦那 と は 一緒に 暮らせ ない ” って
( 百合 ) つらかった と 思う よ 申し訳ない って 思って る
でも さ …
でも だ よ ?
私 と 卓也 新婚 だし ラブ ラブ だ し しょうがなく ない ?
好き なら 好き って 最初 から 言え っつ ー の !
まあ 確かに
酔っ払って 何 回 も キス した の は 勘違い さ せた かも だ けど
え えっ !?
ああ 私 酔っ払う と 誰 に でも キス しちゃ うんだ よ ね
( 菜緒 ) そう な んだ
久志 に は 20 回 は して る ね
え ! 20 回 ?
ヤキモチ やいちゃ った ?
別に 私 と 上原 君 は 何でもない です …
( 百合 ) はい はい よし !
せっかく ここ まで 来た し 久志 の 家 だけ でも 見て 帰る か
( 菜緒 ) えっ え … え … ちょ っ ちょっと …
ちょっと !
忘れて る って !
ちょっと 待って あっ !
( 上原 ) はい まあ
全然 大丈夫です って
( 明 ) いい んだ いい んだ 体調 悪い の に 無理 し なくて
( 上原 ) いや もう 本当に 完全に 治って
( 明 ) 今日 は 1 日 ゆっくり 休み なさい
じゃあ ね
( なな こ ) 久志 君 …
( 通話 が 切れる 音 )
切れて た ?
( 雄平 ) 中止 なら 中止 で もっと 早く 連絡 よこせ よ な
( 駿 介 ) 相手 インフル だって よ
( 雄平 ) ゲッ マジ で
( 大地 ) お 疲れ
( 駿 介 ) お 疲れ さ まで す ( 雄平 ) お 疲れ っす
( 大地 ) よっ !
( まり な ) ああ 大 ちゃん どこ 行く の ?
( 大地 ) 菜緒 ん ち
部活 の 試合 中止 に なった から 勉強 教えて やろう と 思って さ
じゃあ な
菜緒 ん ち ?
( 光 石 ) え … 上原 君 いたら マズ いよ な ?
相当 ヤバ いよ 大 ちゃん お 堅い タイプ だ もん
菜緒 と 上原 君 が 同居 して る って 知ったら …
どう な ん の ?
走る よ みっ ちゃん !
ヤバ い ヤバ い …
マジ で ?
( 子供 たち ) 縄跳び やろう ぜ
うわ あー !
( まり な ) ちょ っ … みっ ちゃん 早く !
( 光 石 ) うわ っ !
( 百合 ) ん ?
( 百合 ・ 菜緒 ) うわ っ !
( 自転車 の ベル 音 )
( テレビ の 音声 )
( チャイム )
( 大地 ) おう
( 上原 ) え … ( 大地 ) え …
誰 ?
ここ って 吉川 菜緒 の 家 だ よ ね
あの 野郎 …
2 年 の 上原 君 ?
そ っす けど
何で 菜緒 の 家 に いん の ?
どうも ~! 上原 君 お邪魔 しま ~ す
( 上原 ) 何 な んだ よ お前 ら
いい から ここ は 私 たち に 任せて
( 上原 ) は ? おい !
( 大地 ) おい ちょっと まだ 話 終わって ねえ ぞ
( 光 石 ) 大地 先輩 そんな 殺気 立た ず に ね ?
ねえ !
ミルクティー が ある よ とりあえず ブレイク する ?
( 上原 ) お前 それ 俺 の ! ( まり な ) え ? ちょっと え …
( 上原 ) 返せ 返せよ
( 大地 ) 上原 ! お前 と 菜緒 と …
( まり な ) ああ ~!
いただき ま ~ す
( 上原 ) だ から 人 の 勝手に 飲む んじゃ ね ー
( 大地 ) そんな もん どうでも いい から …
( 光 石 )1 回 深呼吸 し ましょう 深呼吸
( 大地 ) 光 石 邪魔だ !
あ ~ みんな で 集まって ん の ?
楽 しそ ~!
初め まして ( 大地 ) 菜緒
久志 の 義理 の 姉 の 百合 で ~ す
吉川 …
( 上原 ) お前 … ( 百合 ) み ~ んな 久志 の お 友達 ?
全員 ち げ ー よ !
( 百合 ) え ?
( 大地 ) 菜緒 お前 上原 と 付き合って ん の か ?
あ …
( まり な ) 大 ちゃん 大 ちゃん …
菜緒 は 一緒に 住んで る けど 付き合って は い ない …
( 大地 ) は あ !? 一緒に 住んで る
( 菜緒 ) わ っ !
( 百合 ) 菜緒 ちゃん 久志 と 同棲 して ん の ?
や っぱ 彼女 な んだ ー ?
( 菜緒 ) 違う 違う 違う !
同居 は 違 く なくて
( 光 石 ) フリ ! 付き合って る フリ して て な !
( 菜緒 ) そう !
( 大地 ) 何で フリ で 一緒に 住む 必要 が ある んだ よ
( 百合 ) まさか !
久志 菜緒 ちゃん の 体 目当て じゃ
体 目当て って …
( まり な ) ウソ ! 結構 大胆 ( 光 石 ) カオス だ !
( 百合 ) ちょっと あんた 一体 何 考えて …
うる せ ー っ !
全部 話す から
とりあえず 全員 黙れ
( 光 石 ) イテテテ
( 上原 ) と いう わけ 以上
( まり な ) ん ん ~!
( カラス の 鳴き声 )
いや 俺 は こいつ の こと 何とも 思って ないし
そ … そんな ハッキリ 言わ なくて も
それ は こいつ も 同じ 本当 純粋な 同居 人
な っ ?
はい … その とおり です
しかも こいつ は 4 月 から 寮 に 移る し
俺 も それ まで に 金 ためて 引っ越す つもりだ から
できる なら このまま 同居 を 続け たい と 思って る
あの …
私 と 上原 君 は お互い 初めて 一 人 暮らし して
ドタバタ した 同志 みたいな もん で
一緒に す んな よ
ケンカ も しょっちゅう する けど
でも 同志 だ から 分かり 合える し
心強い って いう か
( 菜緒 ) な ので ご 心配 も お ありか と 思い ます が
同居 続け させて ください ! お 願い し ます
( 上原 ) お 願い し ます
( 菜緒 ) 百 合 さん
同居 の こと 秘密に して て ごめんなさい
( 百合 ) 全然 気 に して ない よ
久志 の 状況 も 分かった し
相手 が 菜緒 ちゃん なら 私 も 一安心
百合 さん
じゃあ また ね 久志 の こと よろしく
菜緒 ( 菜緒 ) ん ?
百合 さん て 上原 君 と 不倫じゃ なかった の ?
( 菜緒 ) 勘違い だった ( 光 石 ) 何 だ よ それ
半分 は だけど
( 光 石 ・ まり な ) ん ?
( 上原 ) 何 す か ?
お前 の 考えて る こと 全然 分か んな いわ
( 上原 ) は ?
普通 住む か ? 見ず知らず の 奴 と それ も 女 と
あんた に 関係 ある んでした っけ ? ( 大地 ) 菜緒 だ から か ?
扱い やす そう と でも 思った ?
だったら どう なん す か ?
お前 って さ
無意識 の うち に 人 の こと 傷つける タイプ だ ろ
どういう 意味 ?
その まん ま の 意味 だ よ
( 菜緒 ) あ …
大 ちゃん … 怒って る よ ね ?
黙って て 本当 ごめん
( 大地 ) 何 か あったら すぐに 俺 ん ち 来 いよ
( 菜緒 ) うん
うん
お 疲れ さ まで した
( 上原 ) った く お前 と いる と ろくな こと ない な
何 よ 全部 私 が 悪い みたいに
あいつ ら 連れて きた の お前 だろう が
はい すいません
まあ 何とか うまく いって よかった わ
( 菜緒 ) ハッ !
え ? 何 ?
ハイタッチ
あ …
( 上原 ) イッテ ! お前 何で そんな 馬鹿 力 な んだ よ
とりあえず 一安心 だ ね
お前 本当 お 気楽だ よ な 俺 もう 寝る
ああ ー !
どうした
テスト … ( 上原 ) は ?
私 テスト で いい 点数 取 ん ない と 実家 行き !
何 それ
だから ! 何で こんな の も 分 かんねん だ よ
分か ん ない もの は 分か ん ない んだ から しょうがない でしょ
公式 を 使え 公式 を !
( 菜緒 ) だ から !
公式 いっぱい あん の こっち に も
これ なん だって
( 菜緒 ) どれ ? ( 上原 ) そっち 関係ない
( 菜緒 ) ややこしい の !
( 上原 ) は ? ややこしい の は お前 の 頭 だ よ
( 菜緒 ) やめて よ 痛い な ( 上原 ) だ から 何で …
( 教師 ) 吉田 ちほ さん ( 吉田 ) はい
( 教師 ) 米川 あつし さん ( 米 川 ) はい
( 菜緒 ) 半分 より 1 つ 上 …
入った やった …
やった ー !
やった ー !
( メール の 着信 音 )
( 菜緒 )“ やった よ 上原 君 ! 87 番 !”
“ 田舎 に 連れ戻さ れ なくて すみ ました !”
ギリ じゃ ね ー かよ 危 ね ー な
( メール の 着信 音 )
( 菜緒 )“ お礼 に 何 か おごる よ ~ 牛乳 プリン で いい ?”
おお
( メール の 着信 音 )
了解 !
( 上原 ) お っ ラッキー
( 菜緒 ) え ? え ?
え … ちょ っ … え ? 全部 買う の ?
( 上原 ) おい
( 菜緒 ) え … ちょ っ … え ?
( 上原 ) ロング ある じゃ ん ( 菜緒 ) え ?
( 菜緒 ) あっ !
あっ あれ うまい んだ よ なあ
え ~!
( 上原 ) 最初 は グー ! ( 菜緒 ) グー !
( 上原 ・ 菜緒 ) じゃんけん ポイ !
あいこ でしょ !
あいこ でしょ !
( 菜緒 ) あ … ( 上原 ) シャー !
( 菜緒 ) え …
( 上原 ) ほれ
( 菜緒 ) また 私 ?
( 上原 ) しゃ ー ね ー な
( 菜緒 ) あり … ( 上原 ) ほれ
ほれ
何 な の ? “ ほれ ほれ ”
もう !
あ ~
重い な ~ 重 … 重い な ~
1 つ ぐらい 1 つ 持って ほしい な ~
1 つ 持って ほしい
( 上原 ) しゃ ー ね ー な
フレンチポテト だけ 持って やる よ
( 菜緒 ) え !
ちょっと !
( 菜緒 ) は ー い お 待た せ
( 上原 ) よし いただき ます ( 菜緒 ) いただき ます
マネ す んな よ
そっち こそ って いう か
プレミアム が いい って そっち いっぱい 買った んじゃ ん
最初 は ベーシック で 攻める もん だ ろ
は ? 全然 意味 分 かん ない
( 上原 ) 早い もん 勝ち ~! ( 菜緒 ) あっ ! ちょ っ …
( 上原 ) う ~ ん うまい
フフッ
何 よ
半分 やる
もともと 私 が 買った やつ だ し
( スマホ の バイブ 音 )
( 菜緒 ) 百 合 さん だ
出 ない の ?
何も 用 ね ー し
( 菜緒 ) 上原 君 は なくて も 百合 さん の ほう が …
う っせ え
( 着信 が 切れる )
( 菜緒 ) あ …
( 上原 ) う ~ ん
何 か 小学生 の 男の子 みたい
( 上原 ) は あ ?
好きな 子 に は 意地悪 する って やつ ?
あ … そういう つもり じゃ …
ごめん
( 上原 ) 何で 謝 んだ よ
だ よ ね そうだ よ ね
上原 君 って さ
や っぱ 百合 さん の こと 好きな んだ よ ね ?
ごめん これ 全部 食べて
私 お 母さん に テスト の 報告 し なきゃ
お やすみ
だ よ ね …
上原 君 は ずっと 百合 さん の こと が 好き …
あれ …
何で …
( 菜緒 ) その 日 初めて 私 は
上原 君 が 好きな の かも しれ ない と 思った …
♪~