episode 08「 キャンプ の 夜 に は ご 注意 を 」
( 上原 ( うえ はら )) 吉川 ( よし かわ )
( 菜緒 ( なお )) あっ … ん ?
お前 何 か あった ?
え ?
う うん 何も ない よ
うん 何も ない
あっ そうだ 私 今日 1 限 だ から
早く 準備 し なくちゃ
よし 今日 も 1 日 頑張ろう !
フフフフッ
( 女子 学生 の 話し声 )
( 菜緒 ) うーん …
( 夏目 ( なつ め )) 菜緒 ちゃん
夏目 君
菜緒 ちゃん ?
( 菜緒 ) ちょ … ちょっと ついてこ ないで よ
( 夏目 ) 何で 逃げ ん の ?
( 菜緒 ) ついてこ ないで って ば
( 菜緒 ) うわ っ ちょ … ちょっと
ついてこ ないで よ
( 夏目 ) ちょっと 待って よ 何で そんな 避ける の ?
( 菜緒 ) 普通 避ける でしょ ( 夏目 ) 何で ?
( 菜緒 ) 夏目 君 って さ 上原 君 の 友達 だ よ ね ?
( 夏目 ) もちろん
友達 の 彼女 に そういう …
キ … キス みたいな こと する こと って
友達 の こと 裏切る の と 同じ こと な んだ よ
( 夏目 ) 本当 ごめん
そんなに 大 ごと じゃ ない と 思った って いう か さ
あっ 俺 的に あの キス は 挨拶 みたいな もん で
意味 の ある キス じゃ ない から
( 菜緒 ) ここ は 日本 です
挨拶 なんか で キス なんか し ない から
( 夏目 ) だ から 本当 ごめん
許して
もう 行く ね
( 椅子 から 立ち上がる 音 )
( 夏目 ) 上原
聞いて た ?
聞こえた
ちょ … 菜緒 ちゃん
ごめん
何 が ?
あっ いや その …
( 上原 ) お前
吉川 に キス した の か ?
( 夏目 ) ごめん
その 場 の ノリ で つい
悪い と 思って ん なら これ 以上 口出し し ないで くれ
俺 が 知って る こと 吉川 に は 黙って ろ
俺 は あいつ の 口 から 聞き たい
( 壁 を たたく 音 )
♪~
~♪
( 七瀬 ( なな せ )) この前 は ありがとう
( 菜緒 ) あっ いえ 全然 です
私 ね 告白 した の 大地 ( だいち ) に
あっさり フラ れた けど
え ?
びっくり だ よ ね
自分 でも びっくり
あっ いや そうじゃ なくて
あの こない だ 友達 宣言 する って 言って たから
友達 と して そば に いる の も もう 限界 だった んだ
でも 後悔 は して ない けど ね
じゃあ
( 菜緒 ) 言える
言え ない
言える
言え ない … あっ イタッ
もう … 夏目 君 の せい だ !
( 太田 ( おお た )) えっ … 菜緒 ちゃん ?
あっ 太田 ちゃん いた の ?
いた よ ずっと
どうした の ? 夏目 君 と 何 か あった ?
あっ いや …
な … ない よ ない ないない …
何にも ない 何にも ない
本当に ない から ある わけな い じゃ ん ない から
そんな ムキ に なら なくて も
( 菜緒 ) 別に ムキ に なって ない もん
なら いい けど
私 で よければ いつでも 話 聞く よ
あ … あの さ 太田 ちゃん
( 太田 ) ん ?
あっ あっ あっ 友達 の 話 な んだ けど ね
あの ちょっと ちょっと 相談 さ れて
何 か うん それ で …
( 太田 ) うん ( 菜緒 ) あの あの …
友達 が 彼 氏 の 友達 に
キ … キス さ れちゃ って
( 太田 ) えっ !
えっ あの …
あっ いや 別に 別に そういう そういう やつ じゃ なくて
そういう 意味 の ある やつ じゃ ない から
あの … 挨拶 みたいな
その 男 の 人 が すごい チャラ く て 女 慣れ して る って いう か
だから キス と か 何とも 思わ ない 人 な んだ よ ね
夏目 君 みたいだ ね
あっ いや ない あっ そう かな ?
あっ そう だ ね 確かに
そう 言わ れて みれば 確かに そう 言える かな
そう だ ね そう だ ね
それ で ?
それ で あの 友達 が
彼 に それ を 言え なくて すごい 悩んで て
まあ そり ゃあ 言え ない よ ね
彼 に 隠し事 する の イヤな んだ よ ね
でも 正直に 打ち明けて
上原 君 と 夏目 君 の 間 に ヒビ が 入っちゃ う の も イヤだ しね
( 菜緒 ) うん
( 太田 ) フフッ
ハッ ! あっ あっ あっ … いや 違う
( 太田 ) 友達 の 話 じゃ なくて 菜緒 ちゃん の こと でしょ ?
( 菜緒 ) 違う よ 違う って 本当に 違う から ね
バレバレ だ よ !
だって 菜緒 ちゃん 全然 他人事 って 感じ じゃ ない もん
私 は 早く 話した ほう が 傷 は 浅く 済む と 思う よ
菜緒 ちゃん と 上原 君 に して も
夏目 君 と 上原 君 に して も
うん
( ドア が 開く 音 )
( 阿部 ( あ べ )) 吉川 !
( 菜緒 ) えっ あ べ っち どうした の ( 阿部 ) あっ 太田 ちゃん も いる
( まり な ) あっ いた いた ( 光 石 ( み ついし )) お っ いた いた
( 菜緒 ) え ? まり な みっ ちゃん 何で ?
俺 が 呼んだ の
ジャン !
今週 末 みんな で フラワーランド に 行こう !
( 太田 ・ まり な ・ 光 石 ) おお ー !
( 太田 ) 私 私 ここ 行き たかった
( 光 石 ) 北海道 から の 飛行機 代 の ほう が 高く ついた ぞ
まあまあ みんな で 出かける の 久しぶりだ から いい じゃ ん
( 阿部 ) そう 俺 が 車 出す から さ
や だ よ ペーパー の 運転 なんて
えっ 誰 も 俺 が 車 運転 する なんて 言って ない よ
俺 は 車 を 出す だけ 親 の 車
( 太田 ) えっ じゃあ 誰 が 運転 する の ?
( 阿部 ) 来た ! ( 太田 ) ん ?
あ べ っち 話 って 何 ?
あっ あっ …
もし かして 夏目 君 が 運転手 ?
( 菜緒 ) え ? ( 阿部 ) イエス !
あの ちょっと 夏目 君 は …
( 菜緒 ) あっ あっ ああ ー !
( 太田 ) え ? えっ 何 ? 何 ?
( まり な ) ちょっと 待って 待って ( 光 石 ) 似合う な
( 光 石 ) おい まり な まり な ( まり な ) 危ない 危ない …
安心 しろ 吉川
上原 は 俺 が …
( まり な ) ごめん ね 菜緒 ごめん ごめん …
上原 は 俺 が 誘ったら 絶対 来る から な っ
いや そうじゃ なくて さ
( 阿部 ) まあ 上原 と 俺 親友 だ しな
( 紗栄 子 ( さえ こ )) 大丈夫 ?
完全に フリーズ し ました
( 紗栄 子 ) そう じゃ なくて 上原 君 は 大丈夫 ?
す っ ごく イラ ついて る けど
貸して
感情 的に なる と うまく いく もの も いか なく なる よ
( パソコン の 電子 音 )
( パソコン の 起動 音 )
はい
ありがとう ございます
いいえ
( 上原 ) あの 紗栄 子 さん
( 紗栄 子 ) ん ?
あっ いや …
何でもない です
そう だ 上原 君
今週 末 なんだ けど 何 か 予定 ある ?
( 上原 ) いえ 特に は
千葉 で 福島 ( ふく しま ) 先生 の 講演 会 が ある んだ けど
一緒に 行か ない ?
( 上原 ) 福島 先生 って 東 央 理科 大 の ?
そう !
私 が 大好きな 化学 雑誌 に いつも 論文 が 載って て
憧れ の 人 な の
( 上原 ) そう な んです か ( 紗栄 子 ) うん
福島 先生 と 一緒の 雑誌 に 論文 載る の 夢 な んだ よ ねえ
現状 5 戦 5 敗 だ けど
今 も 提出 して て 結果 待ち
でも 今度 は いける 気 が する の
( ノック )
は ー い
( 阿部 ) 失礼 し ます
( 上原 ) 阿部
友達 ?
ワーオ ! クール ビューティー
あの 僕 上原 の 親友 の 阿部 です
( 上原 ) おい
ただ の 腐れ縁 です
こちら は お 世話に なって る 紗栄 子 さん
紗栄 子 さん
ワッツ ア ビューティフル ネーム
何 し に 来た んだ よ
( 阿部 ) あっ
喜べ 上原 今週 末 みんな で キャンプ に 行く ぞ
お前 も 来る よ な
( 上原 ) みんな ? ( 阿部 ) そう えっ と …
吉川 と か 光 石 たち と か
( 上原 ) 俺 パス ( 阿部 ) え ?
たった今 予定 入った
何 だ よ 予定 って
講演 会 行く んだ よ 紗栄 子 さん と
紗栄 子 さん と ? 場所 は どこ です か ?
( 紗栄 子 ) あっ と … 千葉 の 南 房総 ( みなみ ぼうそう )
紗栄 子 さん 運命 かも しれ ませ ん
え ?
僕ら が キャンプ に 行く の も 南 房総 の フラワーランド なんで
( 紗栄 子 ) へえ
上原 も 終わって から 来れば いい じゃ ん
帰り 一緒に 車 で 帰れる し
紗栄 子 さん も ぜひ 一緒に
( 紗栄 子 ) いい の ? ( 阿部 ) もちろん
こういう の は 大 勢い たほう が 楽しい です から
車 って お前 が 運転 で 大丈夫な の か よ
( 阿部 ) お前 失礼な ヤツ だ な
車 は 出す けど 夏目 が 運転 する から 大丈夫 だって
夏目 も 行く の か ?
( 阿部 ) うん 車 運転 できる の あいつ しか い ない し
あと で 連絡 する
( 鍵 を 閉める 音 )
鍵 返して くる ね
ごめん ね
( 菜緒 ) えっ えっ ちょっと …
( 夏目 ) あの さ 菜緒 ちゃん
夏目 君 !
( 夏目 ) はい
私 決めた から
今夜 上原 君 に 話す
よし
( メール の 着信 音 )
ハァ …
( ドア が 開く 音 )
( 菜緒 ) 上原 君
ご飯 できた よ
( 上原 ) おう
あっ ごめん 寝て た ?
( 上原 ) いや
週 末 講演 会 行く から その 勉強 して た
週 末 ?
あれ ? あ べ っち から キャンプ 行く こと 聞いて ない の ?
( 上原 ) ああ …
悪い けど 紗栄 子 さん と 講演 会 に 行く こと に した
紗栄 子 さん と ?
( 上原 ) 紗栄 子 さん が 席 取って くれて
( 菜緒 ) あっ でも さ
早く 終わったら 合流 と か でき ない か な
( 上原 ) 早く 終われば な
みっ ちゃん と か みんな も 来る んだ よ
夏目 も だ ろ
あ … うん
何 か 運転 して くれる ん だって
悪い けど 紗栄 子 さん と 先 約束 しちゃ った から
あっ … そ っか
うん 分かった
( ドア が 閉まる 音 )
いただき ます
( まり な ) わ あ !
うーん 気持ち いい !
夏目 君 運転 お 疲れ さま
( 光 石 ) ドライバー 交代 でき ない って つらい な
( 阿部 ) 免許 持って ない ヤツ に 言わ れ たく ない
( 光 石 ) ペーパー と 変わ ん ないで す ( まり な ) うわ ー !
ねえ 海 が 見える よ ほら ほら みっ ちゃん
( 光 石 ) 本当だ あっ あっ あっ … お腹 痛い
( まり な ) え ?
( 光 石 ) 先 行って て ( まり な ) えっ ちょっと 大丈夫 ?
( 太田 ) 菜緒 ちゃん 大丈夫 ?
ん ?
吉川 車 酔い ? さっき から おとなしい けど
寂しい んだ よ 上原 君 が い ない から
( 太田 ) 上原 君 来 れる と いいね
うん
( シャッター 音 )
大丈夫 絶対 来る よ
吉川 の 沈んで る 顔 送 っと く から
親友 の 俺 が 言う から 間違い なし だ
な っ
うん
( 蘭 ( らん )) どうも ー 楠木 ( くす のき ) 蘭 です !
ジャン !
私 は 今 大 大 大好きな フラワーランド に 来て い ます
フラワーランド で は 現在
開園 来場 者 数 100万 人 突破 イベント が 行わ れて い ます
イエーイ
( 阿部 ) あっ 蘭 ちゃん だ
( まり な ) えっ 本物 ?
( 太田 ) うわ っ ( 夏目 ) ああ だ ね
俺 超 大 ファン な んだ けど
( 太田 ) 私 も 私 も ( まり な ) 行 こ 行 こ …
( 夏目 ) 菜緒 ちゃん も しか して 上原 と ケンカ しちゃ った ?
( 菜緒 ) え ? ( 夏目 ) だ よ な
や っぱ そうなる よ な
どういう こと ?
うわ っ
( 拍手 )
( 蘭 ) おめでとう ございます ! おめでとう ございます
お 2 人 が お 2 人 が
記念 す べき 来場 者 100万 人 突破 後 初 の
初 の カップル 来場 者 と なり ます
おめでとう ございます
あっ ちょっと あっ ち で お 話 伺って いい です か
( 菜緒 ) いや カップル と か じゃ …
( 蘭 ) こっち です
こっち 向いて は い
あの です ね 2 人 に は 記念 品 と して
BBQ バーベキュー で 食べ られる 高級 和 牛 の お 肉 3 キロ と
ブーケ を プレゼント し ます !
拍手 !
( 菜緒 ) それ って カップル じゃ ない と もらえ ない んです か ?
そう です よ
カップル 限定 です
( 菜緒 ) ちょ … ちょっと 時間 ください
( 夏目 ) 何 ? ( 菜緒 ) あっ あの
今 だけ カップル の フリ して さ お 肉 ゲット し ない ?
え ?
お 願い 上原 君 に 高級 和 牛 食べ させ たい の
ハァ …
分かった よ
フフッ ありがとう
え ?
俺 に 任せて
( 菜緒 ) え ?
あっ
( 夏目 ) ありがとう ございます !
( 菜緒 ) ありがとう ございます
( 蘭 ) それでは 質問 です
ここ に は 初めて 来 られた んです か ?
はい ! って か 初めて の デート なんで
ねっ
あっ うん はい
( 蘭 ) 初 デート ( 夏目 ) はい
( 蘭 ) 羨ま し い です 初 デート
初 デート の いい 記念 に なった ね
( 太田 ) チャラ い
( まり な ) イケメン は 何 やって も 許さ れる よ ね
( 蘭 ) それ で は 景品 の お 肉 を ―
フラワーランド の 園長 様 より 2 人 に ( 園長 ) おめでとう ございます
ありがとう ございます
( 拍手 )
そして こちら の
赤 と 白 の ストック で 私 が 作った ブーケ を 彼女 に
どうぞ
( 蘭 ) おめでとう ございます ( 菜緒 ) ありがとう ございます
以上 フラワーランド から 楠木 蘭 でした
( 拍手 )
( スタッフ ) オッケー ! お 疲れ さ まで した !
蘭 ちゃん 今日 も 元気で 最高でした
ストック の 花 言葉 知って ます ?
( 菜緒 ) いえ ( 蘭 )“ 愛 の 絆 ”
白い ストック は “ 思いやり ”
赤い ストック は “ 私 を 信じて ”
どの 言葉 も 恋人 たち に ピッタリ でしょ
だから 私
絶対 カップル に 渡した いって 思って た んです よ ね
( スタッフ ) じゃあ 記念 写真 撮り ましょう か
( 歓声 )
( 蘭 ) 撮り ま しょ 撮り ま しょ ( スタッフ ) 早く いき ます よ
ご 協力 ありがとう ございます
( 阿部 ) 握手 して もらって … ( 男性 ) アイーン
福島 先生 ! 講演 最高でした
私 本 毎日 読んで ます
まず 朝 起きたら この 文 …
( 紗栄 子 ) よっ しゃ ー サイン ゲット
上原 君
上原 君 ?
あっ はい
さっき の 講演 録音 できて る よ ね
( 上原 ) あっ …
すいません
もう …
遊び で 連れて きた わけじゃ ない んだ よ
( 上原 ) すいません ( 紗栄 子 ) 何 か 最近 ずっと
心 ここに あら ず って 感じ だ ね
( 上原 ) 講演 内容 は 覚えて る かぎり まとめて おき ます
何 か あった んでしょ
それ は 言い訳 に なり ませ ん から
別に 言い訳 を 聞き たい んじゃ ない んだ けど
悩み なら 相談 に 乗る って 言って ん の
話す だけ で スッキリ する こと って ある でしょ
それとも ―
弱み は 隠して おき たい ?
( 上原 ) 隠して おき たい 心理 って 何で す かね
( 紗栄 子 ) え ?
どんな 時 に 隠し事 って し ます ?
そんな の 簡単 よ
やましい こと が ある 時 でしょ
( まり な ・ 太田 ) うわ ー !
( まり な ) 海 だ ー ! ( 太田 ) すごい !
( まり な ) 豪華じゃ ん !
( 太田 ) あっ 菜緒 ちゃん ほら 早く 早く
( まり な ) 夏目 君 も 早く 早く
( 阿部 ) あっ ちょっと 待って ちょっと 待って
( まり な ) ああ みっ ちゃん 来た こっち こっち
( 光 石 ) 向こう の 工房 に 貝殻 持って ったら さ 写真 立て 作れ ん だって
( まり な ) え ? ( 光 石 ) 写真 立て
( 携帯 電話 の 着信 音 )
上原 から だ
もしもし 上原 ?
うん オッケー 分かった
は ー い
( 菜緒 ) あっ あ べ っち 上原 君 何て ?
( 阿部 ) 終わった から 向かう って さ
よかった な
( 菜緒 ) うん
( 店員 ) そこ まっすぐ
( 紗栄 子 ) あっ ありがとう ございます ご 丁寧に
上原 君 工房 の 場所 分かった よ
あそこ 出て まっすぐ だって
って か 聞いて る ?
ああ
行き ます か
( 紗栄 子 ) 本日 2 度 目 な んです けど
あー もう ダメだ
菜緒 ちゃん って 本当 不器用だ よ ね
( まり な ) 力 入れる と 余計に ね
もう 貝殻 ない よ
取り 行く ?
うん … うん
あっ 大丈夫 1 人 で 行く から
( 夏目 ) 俺 も もう 1 個 作ろう か な
( 光 石 ) 仲 いい な あの 2 人
( まり な ) え ?
( 光 石 ) 夏目 君 菜緒 に す っげ え 優しい な と 思って さ
( まり な ) そう ?
みっ ちゃん 変な の
( 光 石 ) フフフフ …
( まり な ) フフフ … ん ?
あっ 上原 君
( 阿部 ) 紗栄 子 さん !
お 言葉 に 甘えて ついてきちゃ い ました
( 阿部 ) ああ 今日 は 眼鏡 かけて ない んです ね
いや かけて る 時 も ステキだ けど かけて ない と もっと ステキです ね
あっ 菜緒 ちゃん なら 今 裏 の 海岸 に 貝殻 拾い に 行った よ
夏目 君 と
( 夏目 ) うわ っ
( 菜緒 ) え ?
( 夏目 ) イッテー
あっ 夏目 君
どうした の ? 大丈夫 ?
( 夏目 ) 人生 で 初めて 昆布 で コケ たわ
( 夏目 ) ハハッ ( 菜緒 ) 昆布 ?
( 夏目 ) 昆布
アハハハッ
私 も 昆布 で コケ てる 人 初めて 見た
( 菜緒 ) それ で コケ た の ? ( 夏目 ) そう
( 菜緒 ) フフフッ
菜緒 ちゃん 笑い すぎ じゃ ね ?
( 夏目 ) ほら ( 菜緒 ) あっ あっ
( 菜緒 ) ちょ … ちょっと !
夏目 君 昆布 投げちゃ いけない んだ よ
( 夏目 ) そんな こと 聞いて ない ( 菜緒 ) 昆布 投げちゃ いけない んだ よ
( 菜緒 ) もう !
ちょっと … ああ っ
昆布 投げちゃ …
ちょっと
あっ 上原 君 ?
ちょ … 上原 君
ちょっと 待って って ば
上原 君
ちょっと 待って って ば 上原 君
講演 会 早く 終わった んだ ね
ああ
あの ね 上原 君
何 ?
あ …
あっ あの ね
す っご い おいしい お 肉 ある んだ よ
私 上原 君 の ため に ゲット した んだ
話 って それ だけ ?
え ?
( 菜緒 ) 何 か 変だ よ 上原 君
変な の は どっち だ よ
( 阿部 ) 夏目 これ どう や ん の ?
( 夏目 ) ああ …
( まり な ) えっ ちょっと あ べ っち 全然 火 ついて ない …
は いはい ちょっと 貸して ちょっと 貸して
( 夏目 ) あっ じゃあ 光 石 よろしく ( まり な ) さすが みっ ちゃん
( 光 石 ) この 人数 だ と ―
もう 1 個 バーベキュー セット あった ほう が いい な
( 上原 ) じゃあ 俺 取って くる よ
( 光 石 ) え ?
コンロ 取って くる
( 光 石 ) おう 頼む わ
( 紗栄 子 ) 私 も 手伝う よ
( 太田 ) 菜緒 ちゃん
菜緒 ちゃん 菜緒 ちゃん 菜緒 ちゃん
ちょっと ちょっと ちょっと
( 菜緒 ) え ?
上原 君 やっぱり 怒っちゃ った の ?
ああ …
まだ 話せて なくて
え ?
いや だって 上原 君 何 か 最近 機嫌 が 悪くて
なかなか 話せ なくて
じゃあ 今 から でも 2 人 で ちゃん と 話して きたら ?
でも …
菜緒 ちゃん
たとえ 何でもない こと でも
隠し事 は 時間 が たつ と 意味 持っちゃ うよ
早く した ほう が いい よ
それ に そんな 顔 して たら みんな 楽しめ ない よ
太田 ちゃん
協力 する から
ねっ
うん
( 阿部 ) 俺 も 手伝う よ
( 菜緒 ) あ べ っち
ごめん 聞こえた って いう か いや …
吉川 と 上原 が 変 だって こと ぐらい 俺 でも 気づく よ
はい
( 菜緒 ) ん ?
( 阿部 ) コテージ 1 つ 借りて る から
中 で 上原 と 話して こ いよ
うん
じゃあ 菜緒 ちゃん は コテージ で 待って て
私 上原 君 連れて くる から
うん
( スタッフ ) お 1 つ で よろしい です か ?
( 上原 ) はい
( スタッフ ) 少々 お 待ち ください
( 太田 ) 上原 君
上原 君 あの …
あの お 願い が ある んだ けど
奥 に ある コテージ の ランタン が 欲しい んだ けど ―
お 願い して も いい かな
あの 高い 位置 に あって 手 が 届か なくて
( 上原 ) ああ いい けど
じゃあ ここ 頼む わ
( 太田 ) うん ありがとう
じゃあ お 願い ね
( 太田 ) よし ! ( 紗栄 子 ) 私 も 行 こっか な
( 太田 ) ああ ちょっと …
ちょ ちょ ちょ …
何 ?
( 紗栄 子 ) ちょっと ちょっと 何 ( 太田 ) ダメ ダメ …
( 紗栄 子 ) ちょっと ど いて
上原 あの さ
( 蘭 ) 白い ストック は “ 思いやり ”
赤い ストック は “ 私 を 信じて ”
( ドア が 開く 音 )
( まり な ) あー ん … ああ っ ( 光 石 ) 熱 っ …
( 阿部 ) 焼き肉 の 部位 だったら どこ が 好きです か ?
( 紗栄 子 ) ホルモン ( 阿部 ) 俺 も 大好きです
( 阿部 ) あっ 鳥 か 豚 …
上原 ?
ちょ … 紗栄 子 さん すいません お 願い し ます
( 紗栄 子 ) 重い ! ( 阿部 ) 上原 !
何で い ん の ?
( 上原 ) は ? ( 阿部 ) いや だって …
上原 君 ランタン 持ってきて って
ああ 代わり に 夏目 が 行った よ
( 阿部 ) は あ ? ( 太田 ) えっ えっ …
( 阿部 ) 太田 ちゃん 太田 ちゃん … ( 上原 ) う まっ
だって だって …
こんな 展開 読め ない よ
だ よ ね
( 阿部 ) 上原 ちょっと 1 回 1 回 ちょっと 来て
( 上原 ) 何 だ よ
コテージ で 吉川 が 待って る
お前 ら 何 か 変だ ぞ
何 が あった か 知 ん ない けど ちゃんと 話して こ いよ
肉 食って から な
あの 肉 吉川 が ゲット した んだ ぞ
上原 に 食わせた いって
夏目 と 張り切って カップル 装って
やっぱり 吉川 の 原動力 は 上原 だ よ
そんな こと ねえ よ
え ?
高校 の 時 まで は そう だった かも な
でも …
お互い 世界 が 広がって
周り が 変われば
人 の 気持ち なんて 変わる もん だ ろ
( 阿部 ) そう か ?
吉川 は 何にも 変わって ない と 思う ぞ
とにかく 仲直り して こい
な っ
( 夏目 ) ない な
あっ そ っか
もし かして 上原 ここ に 呼ぶ ため の 口実 だった って こと ?
そう かも
俺 上原 呼んで くる よ
( 菜緒 ) あっ う うん 大丈夫
自分 で 呼んで くる から
ごめん
( 菜緒 ) ん ?
何 か 俺 の せい で
何で ?
上原 怒って た ?
ケンカ の 原因 って キス の こと でしょ
( 菜緒 ) え ?
あいつ 菜緒 ちゃん の 口 から ちゃんと 聞き たい と か 言って
結局 ケンカ しちゃ った んだ な
( 菜緒 ) えっ …
えっ ちょっと 待って どういう こと ?
( 夏目 ) ん ?
えっ …
上原 君 キス の こと 知って る の ?
えっ だって だ から ケンカ して る んでしょ ?
いや 私 まだ 上原 君 に 話して ない
どういう こと ? 夏目 君
いや …
こない だ 食堂 で 話して た の 偶然 聞か れた んだ
だから 何 か 変だった んだ 上原 君
( 夏目 ) ごめん
俺 もう 話して る か と 思って た
言おう と 思った んだ けど 何 か 上原 君 変だ し
夏目 君 と 上原 君 が 気まずく なる の 考えたら
時間 が たつ に つれて どんどん 言え なく なっちゃ って
私 上原 君 と ちゃんと 話さ なくちゃ
( 夏目 ) 俺 も 行く よ
( 菜緒 ) うわ っ !
( 夏目 ) ああ … イッテー
大丈夫 ? 菜緒 ちゃん
上原 君
上原 君 あの ね
( 上原 ) お前 ら が もらった 肉 ―
なくな ん ぞ
( 菜緒 ) え ?
ちょっと 待って 上原 君
ごめん
キス の こと 黙って て
本当 ごめん
( 上原 ) 何で 黙って た ?
( 夏目 ) 俺 が 悪い んだ 俺 が …
( 上原 ) お前 は 黙って ろ
吉川
それ は …
何にも なかったら すぐ 言えた んじゃ ねえ の
何でもない に 決まって んじゃ ん
( 上原 ) でも
お前 は 言え なかった
それ が 吉川 の 気持ち な んだ よ
上原 君 言った よ ね
俺 の 気持ち 勝手に 決める なって
何で 上原 君 は 私 の 気持ち 勝手に 決める の ?
( 夏目 ) 何で 追いかけて や ん ねえ んだ よ
これ 以上 話す こと なんか ねえ よ
お前 ら 大事な こと まだ 何も 話して ねえ だ ろ
だったら お前 が 行けよ
いい んだ な
( 阿部 ) 吉川 ?
( まり な ) 菜緒 どこ 行って た の ? お 肉 全部 食べちゃ うよ
そう だ ぞ 菜緒 が ゲット した んだ から は い
( まり な ) 気 を つけて
( 菜緒 ) お ー ( まり な ) 焼けて る ?
( 太田 ) 菜緒 ちゃん ちょっと
えっ と ごめん ね
ちゃんと 話せた ?
あ … うん
全然 平気
全然 大丈夫
ごめん ね 迷惑 かけちゃ って
よかった … そ っか
よかった よかった よかった
よかった
( 菜緒 ) あっ みっ ちゃん お 肉 ちょうだい
( 光 石 ) は いよ
( 阿部 ) それ 俺 が 焼いて た 肉
( 光 石 ) 名前 が 書いて あり ます か ?
あっ 夏目 君 も 帰って きた お かえり
( 光 石 ) お かえり
( 夏目 ) ジャーン
( 太田 ) あっ 花火 だ 花火 だ
( 足音 )
( 紗栄 子 ) 何 して ん の ?
( 上原 ) 紗栄 子 さん
( 紗栄 子 ) いや あ 変わ んな いわ
実は ね ここ 10 年 前 に 来た こと あん の
当時 の 彼 氏 と
( 上原 ) そう な んです か
( 紗栄 子 ) うん
( 上原 ) 結局 どう なった んです か ?
何 が ?
( 上原 ) その 彼 氏 と
それ から すぐ 別れちゃ った
変わら ない もの なんて 何も ない んです かね
( 紗栄 子 ) かも ね
今 まで
狭い 世界 に いた から
ずっと 変わ ん ない って 思って ました
変わる の も 悪い ことば っか じゃ ない けど ね
思わ ない ?
キス …
した らしい んです
( 紗栄 子 ) え ?
夏目 が
吉川 に
吉川 って
ウソ なんて つけ ない ヤツ な のに
それ ずっと 黙って て
( 上原 ) 相手 が 夏 目 じゃ なかったら
ただ 怒って 終わった かも しん ない んです けど
( 紗栄 子 ) 夏目 君 が 友達 だ から ?
違う の ?
でも …
相手 が 夏目 だって 分かった 時
何 か す っげ え ふ に 落ちた って いう か
( 紗栄 子 ) え ?
吉川 って
自分 の こと 後回し な んです よ
いつも 周り の こと ばっ か 考えて て
夏目 も
後回し な んです よ
自分 の こと
他人 の こと ばっ か 見て て
それ が 吉川 より 器用な だけ で
だから …
( 菜緒 ) あっ
もう 1 回 やろ っか
次 は 何 か 賭けよう
( 菜緒 ) ん ?
俺 が 勝ったら …
俺 と 付き合って
え ?
( 線香 花火 が 落ちる 音 )
あー あ 落ちちゃ った
ありがとう 夏目 君
( 線香 花火 が 落ちる 音 )
あっ
冗談 言って 励まそう と して くれた んでしょ
菜緒 ちゃん って 本当 バカだ よ ね
い っつ も 上原 の ため に
笑ったり 怒ったり
泣いたり
で 傷ついて
それ は …
当たり前
でしょ
好きな 人 の 気持ち に 心 が 動く の は
でも 菜緒 ちゃん 無理 し すぎ
好きな 人 より
好きに なって くれる 人 と 一緒に いた ほう が
楽だ よ
( 携帯 電話 の 着信 音 )
あっ
( 菜緒 ) 上原 君
( 上原 ) あの さ
( 菜緒 ) うん
( 上原 ) ちゃん と 話し たい と 思って
( 菜緒 ) 私 も
上原 君 ?
吉川
俺 …
吉川 と 距離 置き たい んだ
♪~
~♪