( 夏野 ) この 状況 から 逆転 する チャンス は おそらく 一 度 。
( 小池 ) 《 皆 起き上がり だった の か … 》
( 律子 ) もう 病院 も 辞め ます 。
( 敏夫 ) 俺 は 村 が 滅びる ところ を 見 たい 。
( 高 俊 ) でも 死体 の 管理 って →
葬儀 屋 の 速見 さん とこ で やって ん じゃ なかった っけ ?
( 康幸 ) あそこ が いっぱい に なった から →
置き きれ なく なった 分 を 山小屋 に 持ってき てる ん だ 。
( 高 俊 ) 大変 そう だ な 。 ( 康幸 ) そう で も ない よ 。 →
俺 が 管理 し てる 小屋 は 5 カ所 だ けど →
様子 を 見 て 回る だけ だ し 。 →
で 数 日 たって 起き上がったら 山 入 に 送って →
腐ったら こう やって 土 に 埋め れ ば いい だけ だ から 。
( 高 俊 ) ふう ん 。
( 康幸 ) 仕事 が ある って いう の は いい よ 。 それなり に 張り も 出る し 。
朝 の 光 を 手放し た 花
注が れ ない 雨 を 求め
覚め ない 眠り に つく
誰 か を そっと 呼ぶ 声
闇 の 楽園 は
嘘 か 夢 か
失う の は 身体 と
自分 と いう 心
その 対価 を 差し出し
何 を 得 られる の だ ろ う
この 涙 で 奪え る 程 に
命 は 脆く て 儚く て
全て に 訪れる
終わり を
「 恐怖 」 と 嘆く の か
終演 を 歌う 金 盞花
静か に 咲き誇る
憎しみ も
悲しみ も
その 根 で た くり 寄せ て
終焉 を 歌う 金 盞花
寂し さ を 潤す
注が れ ない 雨 を 求め て
覚め ない 眠り に つく
( 結城 ) キエエエエエ ! !
( 結城 ) ヒャハハハハ ! アハハ ハハ ! アッハハハハ !
やった ぞ 夏野 。 起き上がり を 退治 して やった 。 アハッ ! →
どう だ ! 父さん は 頼り に なる だ ろ う ? →
小出 工房 新装 開店 。 起き上がり デスク に は →
細かい アイデア が いっぱい だ ! ( 辰巳 ) やっ !
( 結城 ) あっ ! くたびれ たら ゆで卵 の 黄身 に な ろ う … 。
( 辰巳 ) お 父上 。 上がって も いい だ ろ う か ?
( 結城 ) ショールーム は 朝 から 営業 中 。
どうぞ 。
( 夏野 ) それ で ? 何 の 用 だ ?
起き上がって い た なら 教え て ほしかった な 。
( 夏野 ) そんな 義務 が あった ん だ 。 やっ ! 確かに 義務 じゃ ない かも 。
君 は 人 狼 と いう の は ご存じ か ?
( 夏野 ) あんた や 俺 の こと だ ろ ?
やはり 賢い 少年 だ 。 人 狼 と は 屍 鬼 の 亜種 だ 。
これ まで に 君 を 入れ て 4 人 しか 見 た こと が ない 。
けう と 言って いい だ ろ う 。 →
人 狼 と いう 名 は 沙 子 が 付け た ん だ 。 →
映画 なんか じゃ →
吸 血 鬼 に たいがい おおかみ 男 が 付き 従って いる もの だ ろ う ?
さあ ? 見 た こと が ない な 。
ところで 君 の 数 少ない 友人 の 1 人 →
田中 昭 君 。 →
最近 あまり 見掛け ない が どう し た ん だ ろ う ね ?
知ら ない な 。
やはり 血 を 吸って い ない な 。
う ぐ っ !
( 辰巳 ) 人 狼 は 呼吸 も 脈拍 も あり 昼間 も 出歩け →
ごく 普通 の 食事 でも 持ちこたえ られる 。
身体 能力 も 強化 さ れ 五感 に 至って は 人 の 倍 以上 だ 。 →
だが 血 を 吸って い なけ れ ば 本来 の 力 は 出せ ない 。
どう する ? このまま 殺す こと も できる ぞ 。
( せき )
僕 個人 と して は 君 は 殺し とい た 方 が いい と 思って いる 。
( 辰巳 ) だ が 沙 子 は 仲間 が 増える こと を 望 ん で いる 。
あと 少し だけ 考える 時間 を やる 。 俺 たち の 側 へ 来い 。
妙 な 態度 を 続ける なら また あらためて 殺し に 来 る 。
( 車 の 走行 音 )
( 正雄 ) うん ?
( クラクション ) ( 正雄 ) えー っ ! ! ダァ ~ ! !
( 篤 ) ひ ゃっ ほ ~ !
( 正雄 ) な … ! ? 何 だ ありゃ !
( 恵 ) 酒屋 の 息子 よ 。 ( 正雄 ) えっ ?
( 恵 ) 親父 さん から 解放 さ れ て はじけ ちゃ った みたい ね 。
殺人 の 特権 手 に 入れた って →
喜々と して 人 殺し て 回って る みたい 。
何 だ よ それ ! 新 入り の くせ に 調子 に 乗り 過ぎ じゃ ない の か ?
佳枝 さん に 言った 方 が いい ん じゃ ね ー の ?
は ぁ … 。
あんた って ホント 何もかも ちっちゃ い わ ね 。
な … ! ! →
って お前 年下 の くせ し て 「 あんた 」 と か 言って ん じゃ ねえ ! !
最高 だ ぜ ぇ ! ! アハ ハハ ! ( クラクション )
( 佳枝 ) もう … 。 千鶴 さん 大川 篤 に 好き勝手 さ せ て 。 →
調子 に 乗り 過ぎ だ わ 。
( 徹 ) 沙 子 は 何も 言って ない の ? ( 佳枝 ) 沙 子 は 千鶴 さん に 甘い の 。
( 徹 ) 甘い ? ( 佳枝 ) 特別 な の 。
まるで 母子 の よ う 。
千鶴 さん が 子供 の 方 よ 。
こんばん は 佳枝 さん 。
( 佳枝 ) それ から 沙 子 は あなた の こと を 買って る わ 。 →
幹部 候補 ね 。 だから と いう ん じゃ ない けど →
東山 の 起き上がり 小屋 の 巡回 に 付き合って ちょうだい 。
( 律子 ) 《 やっぱり 脈 が ない … 》
( ドア の 開く 音 )
( 佳枝 ) おはよう ! 物音 が し たから もしや と 思った けど 。
( 徹 ) 律 ちゃん !
( 律子 ) 《 そう か 。 わたし 呼吸 し て ない から … 》
( 律子 ) は ー !
あ … あなた … たち も 起き上がった の ね ?
おん や ? まだ 説明 し て い ない の に 分かって る ん だ 。
《 やっぱり … 》
( 律子 ) 自分 が どう なった か ぐらい 覚え てる 。 →
ひどい 過 呼吸 だった の 。 →
自分 で 処置 しよ う と して 袋 探し た ん だ けど →
近く に は 見つから なかった わ 。 →
ほか に 探し に 行 こ う と して →
意識 を 失った の 。
わたし は あれ で 死 ん だ の ね ? ( 佳枝 ) まっ そう でしょ う ね 。
何 が 起こった か 分かって る なら 話 が 早い わ 。
徹 君 。 最低 限 の こと を 教え て →
食事 さ せ て 。 ( 徹 ) 俺 が ?
今夜 は ほか に も 起き上がり そう な の 。 →
ここ は 任せる わ 。
着替え の ぞい たら 駄目 よ !
頼 ん だ わ よ !
( 徹 ) と … とにかく これ に 着替え て くれ 。 →
俺 は 外 に 出 てる から 。
( 律子 ) いら ない わ 。 →
わたし は 死 ん だ ん だ から 経 かた びら で 十分 。
それ に 食事 も し たく ない の 。 誰 も 殺し たく ない から 。
みんな 最初 は そう 言う ん だ 。
でも 結局 飢え に 負け て 襲って しまう 。 →
本当 に 苦しい 飢え な ん だ よ 。
家族 も きっと もう 死 ん でる わ ね 。 →
最後 に 見 た とき お 母さん も 緑 も そんな 顔 し て た もの 。 →
取りあえず できる か どう か やって みる わ 。
自分 を 嫌い に なり たく ない から 。
そういう 選択 の 自由 は ない の かしら ?
( 笈 太郎 ) タツ さん ! タツ さん ! 武子 さん が ゆうべ … 。
死 ん だ って … 。
( 千鶴 ) 《 わたし に 絶対 に 従う こと 》 →
《 この 村 で は 誰 も 死 ん で い ない の 》
う っ … ぐ っ … う っ … 。
う ぅ … !
あっ ! う っ う ぅ ぅ !
( 神楽 )
( 千鶴 ) 完ぺき ! ご苦労さま 。
( 千鶴 ) これ だけ の 数 を 書き 直す の 大変 だった でしょ ?
そう で も ない 。 君 の 指示 どおり に 何 か を しよ う と する とき →
取りつか れ た よう に 進める こと が でき た 。
( 千鶴 ) 沙 子 も これ を 見 たら 喜ぶ わ 。 →
沙 子 は 役 に 立つ 者 に は 寛容 な の 。
( 敏夫 ) せいぜい 役 に 立って 生かし て おい て もらわ ない と な 。
( 千鶴 ) お祭り な の ? ( 敏夫 ) ああ 。 霜月 神楽 だ 。
( 千鶴 ) 早く 村 が 屍 鬼 だけ に なれ ば いい のに 。 →
そ したら ホント に 自由 に 歩け る わ 。 →
買い物 を し て 立ち話 を し て … 。 ウフフフ 。
お ままごと み たい ね 。 ( 敏夫 ) それ が あんた ら の 望み か ?
そう ね 。 安全 な 拠点 が 欲しい の 。 隠れ なく て いい 安全 な 場所 。
もう 少し だ わ 。 もう じき それ が 手 に 入る 。
そう 簡単 に いく か ね ?
( 千鶴 ) 沙 子 は 最後 の 詰め が 難しい と 言う けど ね 。 →
ここ まで き たら 成功 し た も 同然 でしょ う ?
一 番 の 脅威 だった あなた も もう 敵 で は ない わけ だ し 。
フッ 。 「 敵 で は ない 」 か … 。 ( 千鶴 ) ウフフフ 。
( 敏夫 ) 千鶴 … 。 ( 千鶴 ) うん ?
デート し よ う 。 ( 千鶴 ) えっ ?
ブッ ! どう し た の ? 先生 。
俺 は もう じき 死ぬ ん だ 。
最後 ぐらい いい 目 に 合わせ て くれよ 。 →
それ に あんた 神楽 に 興味 津 々 じゃ ない か 。
そう だ けど … 。
駄目 よ 神事 は 。
肝心 の 場所 に 近寄ら なきゃ いい 。
( 敏夫 ) それ に 表 に 出 た 方 が 村 の 連中 の 不信 感 も なくせ る ぞ 。
( 千鶴 ) そういう もの ? ( 敏夫 ) ああ 。
そう よ ね 。 せっかく の お祭り な のに →
こそこそ し てる の も つまらない わ ね 。
よし ! そう と 決まれ ば … 。 ( 千鶴 ) あっ … 。 えっ ?
( 敏夫 ) 俺 と あんた が 一緒 に 歩 い て たら 不自然 だ ろ う ?
あんた は 子 芋 の 皮 を むこう と して 包丁 が 滑った ん だ 。
子 芋 ?
( 敏夫 ) ああ 。 親指 の 付け根 を 切った 。 そういう 処置 を し て ある 。
い … 意外 と 細かい の ね 。
それ が リアリティー って もん さ 。 ( 千鶴 ) ウフフフ 。
そう よ ね 。 子 芋 は 滑る の よ ね 。
わたし も 昔 よく 切った わ 。 ウフフフ 。
昔 ? どの くらい 昔 だ ?
そう やって 女性 の 年 を 探ら ない で 。
アハハ ハハ ! 結婚 は し て た の か ? 子供 は ?
夫 は 子供 を 与え て くれる ほど 長い 間 そば に い なかった わ 。 →
そして 南方 で 戦死 し た 。 ( 敏夫 ) うれし そう だ な 。 →
まるで 特大 の 宝石 が 付い た 指輪 でも 眺め てる ふう だ 。
そう ね 。 気分 的 に は 近い わ 。
不思議 ね … 。 わたし 人間 に 戻り たい の かしら 。 →
そんな こと もう とっくに どうでも よく なった と 思って た のに 。
ウフフフ 。
ねえ 行き ま しょ 。
包帯 を 見せびらかし に ? ( 千鶴 ) ええ そう !
とても 自慢 で うれしい の ! おかしい かしら ? ウフフフ !
( 神楽 )
( かず子 ) あら ?
かず子 さん 。 こんばんは 。 ( 千鶴 ) こんばんは 。
あっ えっ … 。 こ … こんばん は 。
( 敏夫 ) こちら は 兼 正 の 奥さん の 桐 敷 千鶴 さん だ 。
( かず子 ) まあ 。 それ は どうも 。
奥さん が この にぎやか な 音 は 何 だって 言う んで ね 。
ああ 。 今日 は お祭り な ん です よ 。
別に 外 から 見物 客 が 来る わけ で も ない けど … 。
わたし お 神楽 って そば で 見 た こ と ない ん です 。
都会 育ち だった もの です から お祭り や 年中 行事 に 縁 が なく て 。
あっ やっ だ ー ! 気付 い ちゃ い まし た ぁ ?
子 芋 が 手 の 中 から 逃げ ちゃ った ん です よ ぉ 。
ああ わたし も よく やり ます 。
根 が おっちょこちょい な の か ケガ が 絶え なく て 。
娘 な ん か 料理 し てる ん だ か さ れ てる ん だ か →
分から ない って 言う ん です よ 。
まあ ! アハハ ハハ !
お 体 が 悪い って 聞い た けど ?
この ところ 調子 が いい ん です 。 夏 の 間 は お 天気 が 良く て →
体 に こたえ まし た けど 。 ( 男性 ) へ ぇ ー 。
( 敏夫 ) 光線 過敏 症 って の が ある ん だ よ 。 →
大変 な ん だ 。 ( 女性 ) まあ 大変 !
家 の 中 で おとなしく し て い れ ば いい こと な ん です けど →
お 天気 が いい と シーツ な ん か を 洗って お 庭 に パーッ と →
干し たく なっちゃ っ て !
こら ! そういう こと を する から 寝込む 羽目 に なる !
は ー い 。
( 男性 ) まあ 楽し ん で って ください 。
( 康幸 ) さすが に 今日 は 夜 だって の に 人 が いっぱい だ よ 。
( 高 俊 ) だ ろ う な 。 俺 も 祭り 行き て ー な 。
( 康幸 ) ああ 千鶴 さん い た よ 。 ( 高 俊 ) えっ ?
( 康幸 ) 何だか 尾崎 先生 と カップル み たい に 歩 い て た な 。 →
めちゃくちゃ 機嫌 良 さ そう に 話し て た なぁ 。
何て 簡単 な の かしら !
みんな 「 何 だ 」 って 顔 に 書 い て ある みたい だった わ 。 →
あっ !
( 敏夫 ) 行って みる か ? ( 千鶴 ) 行って み たい 。 →
でも 駄目 。 ホント に 怖い の 。 もう 足 が すく ん でる 。
( 敏夫 ) 何 か 実害 が ある の か ? ( 千鶴 ) ない と は 思う けど … 。
( 敏夫 ) 怖 けれ ば つかまって れ ば いい 。
( 千鶴 ) これ は 何だか スキャン ダラス じゃ ない ?
( 敏夫 ) 構う もん か 。
( 千鶴 ) じゃあ 行ける 所 まで 。 でも 無理強い は し ない で 。
分かって る 。 だいたい 俺 は あんた の 命令 に 逆らえ ない 。
そう いえ ば そう ね 。
( 宗 秀 ) おや 。 若 先生 !
そちら は 桐 敷 さん の 奥さん です か ね ?
そう 。 お 神楽 を 見 た こと が ない って 言う もん で ね 。
でも あまり 体調 が 良く ない らしい 。 →
引き返し ます か ?
だ … 大丈夫 。 もう 少し だけ … 。
分かった 。 宗 秀 さん 。 人込み が すごい から →
よかったら 一緒 に 歩 い て そっち から 盾 に なって くれ ない か 。
ああ いい よ 。
( 宗 貴 ) あっ 若 先生 ! ( 武雄 ) 一緒 な の は 兼 正 の … 。
ああ 若 先生 ! ことし の 霜月 神楽 は →
いつも と ひと 味 違い ます ぞ ! ぜひ 見 て って ください よ !
( 男性 ) みんな ! 若 先生 が 来 た ぞ ! ( 男性 ) 先生 。 どうも !
( 敏夫 ) どう し た ?
か … 帰り ます !
待って ! ( 千鶴 ) 気 分 が 悪い の 。
戻る ん じゃ かえって 大変 でしょ う 。 すごい 汗 だ 。 →
少し 社務所 で お 休み なさい 。
いいえ 帰り ます ! ! これ は 命令 よ !
そう … 。 じゃあ →
清水 さん 手伝って くれ ! ( 武雄 ) どう し た ん です か ?
彼女 が 具合 悪い らしく て 社務所 まで 運び たい ん だ よ 。
えっ ! ?
( 武雄 ) いい です よ 。 さあ 奥さん 。 ( 千鶴 ) 何 を … !
( 武雄 ) 《 何 だ ! ? すごく 冷たい ぞ ! 》
先生 ! わたし は 帰る と 言って る の ! !
体温 が 下がって 徐脈 が 出 てる ん だ 。 急 い で くれ 。
( 武雄 ) ええ ! ( 千鶴 ) ちょっと どう し た の よ !
聞こえ て ない の ! ? 私 が 言って る の !
あっ … !
嫌 ぁぁ !
わ … 若 先生 。 彼女 は いったい どう し た ので ?
( 千鶴 ) あぁ ぁぁ ! あっ … !
何だか 神社 を 怖がって る みたい だ な 。
( 武雄 ) 《 この 女 の におい … 》 →
《 恵 が 倒れ て から 死ぬ まで の 数 日間 部屋 に は →
なぜ か 大人 の 香水 の よう な 残り香 が あった 》 →
《 その におい … 》
( 千鶴 ) あぁ ぁぁ !
逃がす な 。 起き上がり だ 。
( 敏夫 ) あんた の 娘 を 殺し た 犯人 だ よ 。
あぁ … ! ! →
ヒィー !
( 敏夫 ) 清水 さん 。 首 。 脈 を 診 て くれ 。 →
救急 車 を 呼ぶ か どう か 考え ない と 。
嫌 ぁぁ ぁ !
( 武雄 ) 《 ない … 》
( 武雄 ) こいつ 起き上がり だ !
( 宗 貴 ) は あ ?
こいつ が うち の 娘 を 殺し た ん だ !
うち の 娘 を 殺し た ん だ ! !
( 富雄 ) あんた 何 を バカ な … 。 ( 武雄 ) バカ な もん か ! →
こいつ に は 脈 が ない ! ( 千鶴 ) あぁ … 。
( 富雄 ) 確かに 脈 が ない 。 それ に 異様 に 冷たい 。
あぁ ぁぁ ! ( 寛子 ) そんな … !
( 寛子 ) ホント だ わ ! 心臓 の 音 が し ない !
( ざわめき )
( 千鶴 ) あぁ ぁぁ ぁ !
( 男性 ) こいつ 呼吸 も し て ない ぞ 。 ( 男性 ) 嘘 だ ろ ?
( 男性 ) 何 な ん だ こいつ は ! ( 銃声 )
( 篤 ) う ぉぉ ぉ ら !
おら おら おら おら ぁ ! ( 村人 たち の 悲鳴 )
( 衝突 音 )
えっ !
ぬ ぁぁ ぁ !
篤 … 。
お … 親父 … 。
ぬ ぁぁ ぁ ! !
( 正 志郎 ) 道 を 開け て もらえ ます か ?
篤 ぃぃ ぃ ! !
うわ ー っ !
篤 君 ! 何 を し て いる !
( 篤 ) 無理 だ ! 親父 に 勝て る はず が ねえ ! !
( 男性 ) ありゃ あ … 。
( 男性 ) この 間 死 ん だ 大川 の 息子 だ よ 。
( 宗 貴 ) 起き上がり だ 起き上がり が 仲間 を 助け に 来 た ん だ 。
( 千鶴 ) ヒッ ! ( 武雄 ) あっ ! おい 逃がす な ! !
( 男性 ) 起き上がり だ ! ( 女性 ) 起き上がり !
( 村人 たち ) 起き上がり ! 起き上がり ! →
起き上がり ! 起き上がり !
あぁ … 。 あぁ ぁぁ 。
闇 に 紛れ て
息 を 殺す
闇 を まとって
ふっと 微笑む
気のせい さ
お前 など 誰 も 知る はず ない
月 だけ が
見つめ て いる
ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う
ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て
ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う
ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て