Slam Dunk Episode 6
( 観客 の 歓声 )
♪〜
〜♪
( ナレーション ) 打倒 流川 ( る かわ ) の 意気込み も むなしく —
基礎 練習 に 明け暮れる 毎日 に ついに 怒り が 爆発 した 桜木 花道 ( さくら ぎ はなみち )
( 桜木 花道 ) こんな つま ん ねえ 部 は もう やめる
( ナレーション ) しかし 晴子 ( はるこ ) の 悲しげな 顔 が —
脳裏 に 焼き付いて 離れ ず 桜木 花道 は 決意 も 新たに —
湘北 バスケット 部 に 戻って きた のだった
( 桜木 ) “ 流川 vs 赤木 ・ 本物 対決 !”
( 部員 たち ) ソー エイオウ エイオウ エイオウ …
( 桜木 ) と お ー !
( 彩子 ( あやこ )) う っ
( 桜木 ) た あ ! ( 彩子 ) てっ
とりゃ ー !
( 彩子 ) イタッ ! う う …
次 は バウンド パス
( 木暮 公 延 ( こぐ れ きみ の ぶ )) ナイスシュート !
おお ー ! うん ! おりゃ ー !
へえ 桜木 の やつ 何だか んだ 言って も —
バスケ 部員 らしく なって きた じゃ ない か
た あー !
イタッ う う もう …
( 赤木 剛 憲 ( あか ぎ たけ のり )) そう か ?
教えた こと を どんどん 吸収 して いく し —
あんなに 上達 の 早い やつ は 初めて 見た ぜ
( 赤木 ) もと が 空っぽだ から 教えりゃ どんどん 入る んだ ろ
ツーメン !
( 部員 たち ) はい !
( 赤木 ) スピード !
( 安田 靖 春 ( やす だ やす はる )) はい !
( 木暮 ) に して も あの 赤木 と の 勝負 と いい —
相当な 運動 能力 を 持って る こと は 間違い ない
もともと パワー は ある し …
今年 は 流川 も 入って 俺 の フォワード の ポジション は —
いずれ あいつ ら 2 人 に 取ら れる かも な
だが そう なりゃ 湘北 は 強く なる ぞ 赤木
楽しみだ な
( 女子 生徒 ) やっ てる やって る
( 女子 生徒 ) どこ どこ ?
( 女子 生徒 ) あー ! い たいた !
( 女子 生徒 ) いい ? いく わ よ いく わ よ
(3 人 ) せ ー の !
流川 君 頑張って !
キャー !
( 安西 光義 ( あんざ いみ つよし )) あの ちょっと … ( 女子 生徒 ) こっち 向いた !
( 安西 ) ごめんなさい よ ええ
お嬢さん たち …
ああ あ …
う う う …
( 彩子 ) ヒュー ヒュー モテ んじゃ ん か 流川
無愛想な くせ に よ ヒヒヒヒヒッ …
ヒュー ヒュー ヒュー ヒュー ヒュー フフフッ …
( 流川 楓 ( かえで )) んだ よ …
( 桜木 ) う う う っ !
あっ !
あっ で かい
( 桜木 ) あー ゴホン ( 女子 生徒 ) 赤い 髪 怖い
あ …
あいつ に 構う な
( 桜木 ) あの … れ … 練習 中 なんで 気 が … 散る んです ね
あ … あんまり る … 流川 流川 …
プッ
ククククッ …
あの 子 も 女 に は 弱い わ ね とことん グフフ …
( 女子 生徒 ) あ … あたし 知って る 1 年 の 番 長 よ 番 長
( 女子 生徒 ) えー !
( 女子 生徒 ) イヤ 怖い
( 女子 生徒 ) こんな 人 も バスケ 部 な の ?
( 女子 生徒 ) 変 よ ね
( 女子 生徒 ) 変 ! 絶対 似合わ ない よ !
流川 君 いじめ ないで よ
(2 人 ) そう よ そう よ !
でも あんた なんか 相手 に し ない けど ねえ
(2 人 ) そう よ そう よ
うりゃ ー !
あー ! 何 す ん の よ !
開け なさい よ !
( 女子 生徒 ) や だ ー ! ( 女子 生徒 ) 開け なさい よ !
( 女子 生徒 ) 流川 君 が 見え ない じゃ ない の !
フン !
( 女子 生徒 ) 開け なさい よ ! ( 安西 ) ああ ちょっと 通して
( 安西 ) そこ を … ああ …
邪魔 し ないで よ !
( 衝撃 音 )
ああ ー !
(3 人 ) ご … ごめんなさい
( 安西 ) は あ … やれやれ … ( 桜木 ) ん ?
あっ !
おう やっ とる か ?
あ …
コラ コラ お っ さん 勝手に 入る んじゃ ねえ !
あ ?
うわ わ …
おい 何 だ 君 は ? 何 だ その 頭 は ?
ん ん ?
お っ さん に まで とやかく 言わ れる 筋合い は ねえ ぞ 人 の 頭 を !
お っ さん こそ 何 だ この 腹 は !
(3 人 ) わ ああ …
お ー お ー 弾む 弾む
おお ー 伸びる 伸びる オラ オラ
(3 人 ) ひ い ー !
ほ ー れ ほれ ほれ ほれ
ハハハハハッ …
俺 の こと を 知ら ない なら 教えて やる
俺 の 名 は !
バスケットマン !
桜木 花 …
ああ …
( 安西 ) ああ …
( 赤木 ) この バカ め
ああ あ …
どうも 失礼 し ました 安西 監督 !
この 男 の 処分 は 煮る なり 焼く なり ご 自由に !
( 安西 ) まあまあ 赤木 君 いい じゃ ない か
知ら ず に やった こと だ
あ … は あ …
か … 監督 ?
バカ ね あの 人 安西 先生 って いって ね
たまに しか 来 ない けど ああ 見えて も 若い 頃 は —
全 日本 の 選手 だった らしい わ よ
あの まん 丸 デブ が ?
今 の 先生 から は 想像 つか ない けど —
つい 5 年 前 まで は ある 大学 の 鬼 コーチ と して 知ら れて いて ね
その頃 “ 白髪 鬼 ( はく は つき )” “ ホワイト ・ ヘアード ・ デビル ”
って 異名 を とって たそう よ
う っ 何 だ あ ?
デビール !
ど っか で 聞いた ような …
だけど 今 すっかり 穏やかに なって —
“ ホワイト ・ ヘアード ・ ブッダ ” って 呼ば れて る わ
ああ そう そう 練習 試合 決めて きた から
あ …
陵南 高校 と
( 部員 たち ) り ょ … 陵南 !
去年 県 で ベスト 4( フォー ) の 強豪 …
( 彩子 ) ヒュー ! ( 部員 たち ) マジ かよ
よし 集まれ !
( 部員 たち ) は … はい !
ヒッ
ああ 新入 生 が 割と 入って る な
ようし それ じゃ 1 年生 対 上級 生 で 試合 を し なさい
( 部員 たち の ざわめき ) ( 桜木 ) 何 ! 試合 !
おっしゃ ー !
お前 は まだ ダメだ ぞ
え ?
全員 用意 を しろ !
( 部員 たち ) はい !
なんで 急に 試合 なんか ?
1 年 の 力 を 見る ため だ ろ どれ くらい やれる か
なん せ 2〜3 年 が 少ない から —
1 年 も すぐ 試合 に 使う こと に なる だろう から な
こりゃ あ 面白く なって きた 1 年 対 2〜3 年 か あ
( 桜木 ) フン ! ちっとも 面白く ねえ !
帰ろう か な
( 彩子 ) あっ 晴子 ちゃん !
え ?
( 桜木 ) は … 晴子 さん
晴子 ちゃん 晴子 ちゃん ちょうど いい ところ に 来た わ
( 赤木 晴子 ) え ? ( 桜木 ) や … や あ !
し … 試合 ? 1 年生 対 上級 生 で ?
わ あ 桜木 君 も 出る の ?
桜木 花道 は まだ 基礎 練習 よ 晴子 ちゃん
ああ そ っか …
桜木 君 は まだ バスケ 始めた ばかりだ もん ね
仕方ない よ ね
( 桜木 ) ハ … ハ … ハハハ …
( 晴子 ) でも 桜木 君 焦ら ないで ね
地道な 努力 は いつか 報われる って お 兄ちゃん が 言って たわ
私 も そう 思う
そう よ
は … 晴子 さん
ウフフ
( 桜木 ) 優しい なあ ああ …
ますます 試合 に 出 たい 出 たい 出 たい 出 たい
んで もって 晴子 さん に いい とこ 見せ たい
スラムダンク を ガツーン と 決めて ガツーン …
ウフフフ …
ちくしょう ! 俺 を 出せ !
ああ …
あっ !
( 彩子 ) だ けど 1 年 対 2〜3 年 か …
え ?
てこ と は 赤木 先輩 対 流川 って こと ね
( 赤木 ) よ ー し 始める ぞ !
( 部員 たち ) おう ! お っす !
手加減 はなし だ
( 桜木 ) う う う …
何 か 嫌な 予感 が する
( 審判 ) いき ます !
( 部員 たち ) おう !
( 石井 健太郎 ( いし いけん たろう )) ああ …
( 赤木 ) おう !
あっ
互角 !
( 潮 崎哲 士 ( しお ざ きて つ し )) よし !
( 木暮 ) あの 身長 差 で 互角に まで 持ち込む と は
( 佐々 岡 智 ( さ さお か さとる )) すげ え ( 石井 ) さすが 流川
流川 は 勝てる と 思って た みたいだ けど ね
チッチッ 甘い 甘い
( 桜木 ) フン ! 生意気な 流川 め
この 天才 バスケットマン 桜木 で さえ —
ちょびっと 手 こ ず った 相手 だ ぞ ゴリ は …
て め え なんか が かなう もんか バカ め !
ん ? 待てよ
俺 は ゴリ に 勝った てこ と は …
ゴリ が 流川 に 勝てば その ゴリ に 勝った 俺 は 当然 —
流川 より 上 !
しめた !
ウーホッ ウーホッ
コーン …
( 赤木 ) ウーホッ ウー ! ( 流川 ) コーン
( 晴子 ) あー れ ー !
勝った ! 見た か 流川 俺 の 実力 を !
俺 に 勝とう なんて 10 年 早い わ ウッホホ
( 流川 ) 敗者 は ただ 去り ゆく のみ コーン …
流川 君
あっ お 兄ちゃん が 流川 君 に 勝った ?
お 兄ちゃん に 勝った 桜木 君 は 流川 君 より 上 !
ピース ピース ピース …
( 晴子 ) 桜木 君
いや あ ああ … アハ アハハハハハ
ハハハハ …
と いう こと に …
な … アハ アハハハ …
どんな 女 だ !
( 部員 たち ) おお !
お …
流川 君 !
野郎 !
( 安田 ) ああ …
く … く … ぐう っ !
( ホイッスル )
( 潮 崎 ) しまった !
( 審判 )12 番 チャージング 1 年 ボール
( 部員 ) ドンマイ ドンマイ
( 部員 ) おう !
( 部員 ) 気 に す んな よ しめて いこう !
( 彩子 ) おお ! 流川 ディフェンス うまく なった なあ
ヘッ ! まぐれ まぐれ
( 晴子 ) は あ … 何だか 複雑だ わ
流川 君 に 勝って ほしい けど お 兄ちゃん に も 負けて ほしく ない
うーん …
( 彩子 ) まっ 流川 たち 1 年 が 勝つ なんて こと は —
まず ない わ ね
やっぱり !
流川 は すごい けど —
それ は あくまで 中学 レベル で の こと だ から さ
そんな の 分か んな いわ よ 彩子 さん ほら ほら —
カリーム ・ アブドゥル ・ ジャバー って 人 の 話 だって ある し …
1 年生 で 上級 生 に 勝った って いう …
あら 詳しい の ね
本 で 読んだ の よ
クリーム ・ アズキ が ジャバー ?
(2 人 ) へ っ ?
え ?
( Dr . T ( ドクター ・ ティー )) 皆 さ ー ん 初め まして
私 バスケットボール の 雑 学 博士 Dr . T です
いつも 「 スラムダンク 」 を 応援 して くれて ありがとう
さて カリーム ・ アブドゥル ・ ジャバー
バスケット が 好きな 人 なら —
一 度 は この 名前 を 聞いた こと が ある だろう
芸術 品 と 呼ば れた “ スカイフック ” を 武器 に —
20 年間 NBA の トップ に 君臨 し 続けた 彼 を —
人々 は “ 生きた 伝説 ” と 呼んだ
その 彼 が UCLA 1 年 の 時 彼 率いる 1 年生 チーム が —
前 年度 全 米 で ナンバー 1( ワン ) に なった —
UCLA の 一 軍 チーム に 勝って しまった と いう 話 は —
今 でも 語り草 に なって いる
うーん まさに 生きた 伝説
では また
まあ 流川 は カリーム じゃ ない から ね
だけど 湘北 も UCLA じゃ ない よ ね
UCLA じゃ ない けど …
赤木 先輩 よ 赤木 先輩 が いる の よ
赤木 先輩 に 流川 ごとき が 勝てる わけな いわ よ
ごとき …
バカ ね オホホホホ …
あら ? どうして 流川 君 が お 兄ちゃん ごとき に 勝て ない の か な
( 晴子 ) 彩子 さん たら おかしい わ ( 彩子 ) う …
お 兄ちゃん なんて つい この 間 桜木 君 ごとき に 負けた の よ
ガーン !
( 桜木 ) 晴子 … さん
( 安西 ) ああ …
そんな お 兄ちゃん ごとき に 流川 君 が 負ける かな
( 彩子 ) どうして 自分 の お 兄さん を そんなふうに 言える の かしら
赤木 先輩 が 可哀想だ わ 晴子 ちゃん ったら
あ … 彩子 さん こそ 流川 君 は 富 ( とみ ) 中 の 後輩 でしょ ?
高校 に 入った ばかりで 不安 と 緊張 で いっぱいの 1 年生 に
そんな 冷たい 言い 方 は ない んじゃ ない か な
( 彩子 ) 不安 と 緊張 ?
あいつ に そんな もん ある と 思う ?
あいつ は 決勝 戦 の 日 でも 寝坊 して 遅刻 する ような やつ な の よ
図太い を 通り越して 鈍い の よ 無神経な の
おまけに 無表情
そう そう
( 流川 ) フン !
不安 や 緊張 が あいつ の どこ に ある って いう の よ
アハハハハッ
ふんぬ ー ! もう 怒った !
いくら 彩子 さん でも 許せ ない わ !
もう 怒った ! プンプンプン …
じょ … 冗談 よ 晴子 ちゃん アハハハ …
何 か 桜木 花道 に 似て きた わ ね
( 晴子 ) ふんぬ ー ! ( 彩子 ) ちょ … ちょっと …
( 晴子 ) プンプンプン … ( 彩子 ) から かって みた だけ よ
( 晴子 ) え ?
反応 が 面白く って
素直な の ね 晴子 ちゃん って
うーん かわいい 人
あ … 彩子 さん
あー !
まっ 2 人 と も 同じ チーム に なる わけだ し いい じゃ ない の
きっと 湘北 は 強く なる わ よ
アハハハハッ …
ひどい わ 意地悪
何 やって んだ ? あいつ ら は …
( 赤木 ) おし ! 気合 入れて いく ぞ !
( 部員 たち ) お ー !
あっ
( 部員 たち ) あ …
あっ
流川 に ボール が 渡ったら ゴリ たち の 目 の 色 が 変わった ぞ
( 木暮 ) 来い 流川
( 安田 ) 止めて やる
( 潮 崎 ) 高校 は 中学 と は 違う ぞ
( 角田 悟 ( かく た さとる )) さあ 来い
( 桑田 登 紀 ( くわ た とき )) 先輩 たち 気合 入って んな ディフェンス
あ … ああ
( 安田 ) う っ もらった ー !
ど わ …
はっ !
( 潮 崎 ) え ?
うわ っ ああ あ …
パス
( 木暮 ) 止める !
うわ っ
フェイク
しまった
( 小暮 ) やられた !
おお お ー !
ハエ たたき !
( 木暮 ) ナイス 赤木 !
速攻 !
( 上級 生 部員 たち ) おう ! (1 年生 部員 たち ) ああ あ …
赤木 !
決めろ !
うわ ああ あー !
(2 年生 部員 ) 出た ー !
( 安田 ) ゴリラ ダーンク !
あっ しまった …
( 赤木 ) 誰 が ゴリラ だ
ゴリラ は 禁句 だった
す っ ごい ! さすが 赤木 先輩
ああ ハイレベル ハイレベル
す …
すご すぎる
( 桜木 ) ゴリ
いや ー や … やり ます なあ 彼 も
ハッ ハッ ハッ ハハ ハハ
( 晴子 ) あー お 兄ちゃん ったら
1 年生 相手 に あんなに ムキ に なって
流川 君 可哀想だ わ
あら 晴子 ちゃん 流川 の こと 案外 分かって ない の ね
( 桜木 ・ 晴子 ) え ?
あいつ は ね
一見 ボーッ と して る ように 見えて も —
中身 は す っご い 負けず嫌いな の よ
目の前 で 赤木 先輩 の あんな すごい プレー を 見せつけ られたら —
胸中 穏やかじゃ ない わ よ
( ナレーション ) 赤木 と 流川
2 人 の 意地 と 意地 が ぶつかり合い 波乱 を 呼ぶ コート に —
桜木 花道 も 抑えよう の ない 胸 の 高鳴り を 感じる のであった
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〜♪
( 桜木 ) 俺 も 試合 に 出して くれ !
( 彩子 ) 人 の プレー を 見る の も 勉強 の うち よ
( 桜木 ) ちき しょう !
晴子 さん の 前 で 流川 に ばっかり いい 格好 は さ せ ねえ ぞ
( 彩子 ) あいつ は 見かけ に よら ず す っご い 負けず嫌いな の よ
( 桜木 ) 俺 だって 負けず嫌いじゃ 負け ねえ ぞ !
流川 を 止めろ ! 潰せ ! そこ だ 押せ ! 殴れ !
( 彩子 ) 醜い ヤジ は やめ なさい
( 桜木 )「 スラムダンク 」
“ 花道 デビュー ! ダンク さく 烈 ”
見てくれ よ な