山河 三 差 路 分かれ 道
守り たい の は 己 か 人 か
常 世 の 闇 か …
非だ の 乱れ は 貢が ない
終わる 事 ない 阿 鼻 の 芸
時に 分け入れ 扉 が 開く
晴らせ ぬ 恨み 晴らし ます
いよいよ 受験 まで 後 僅かだ
しっかり と 気 を 引き締めて 最後 まで 諦め ず
一 日一日 を 大切に 過ごす ように
此処 から が 本当の 勝負 だ ぞ
本当の 地獄 は 人 の 中 に ある
あなた の 中 に も
それ じゃ 今日 の 予定 の もの は 残る ように
江上 尾藤 椎名 御 景 蒲生 だった な
はい ~
起立
ゆず きも 今日 だった んだ
何の 話 ?
何 だって 三 者 面談 だった よ
大丈夫 ? ゆず き 最近 変だ よ
勉強 の し すぎ ?
ああ 来た 来た お 母さん こちこち
みんな 同じ 高校 に 行けたら いいね
ねぇ 見て みて 結香 ドラマ デビュー だって
なに
やっ ぱね あたし
結香 は 女優 に 向いて る って 前 から 思って た んだ よ ね
そら の 目標 って わけ ね
まあ ね
高校 行ったら 演劇 部 入る んだ
あたし は ケーキ 屋 さん で バイト する
パティシエ 目指す んだ もん ね
また 太る よ
いい の 勉強 の ため な もん
みんな もう 将来 の こと と か 考えて る の
私 は 未 だ そんな 具体 てき に は
マスコミ 関係 で 働き たい か な くらい だ よ
ゆず き は ?
あたし は …
おい 御 景 お前 の 番 だって さあ
そう が 仕事 じゃ しょうがない なあ
すみません
じゃあ 始める か
えっ と おかしい な
どうした です か
お前 の 書類 が 何で ない なあ
先生 無くしちゃ った んです か ?
いえ 此処 に ある はずな んだ が …
悪い な 後 で ちゃんと 探して おく から
で 志望 校 が 決まった の か ?
いえ 未 だ …
将来 は どういう 方向 に 進み たい ん なあ
ある だ ろ 子供 の 頃 から の 夢 と か
夢 …
今 帰り かい
夢 …
揺れて る って 感じ だ な
地獄 少女 に なる さだ め を 突きつけ られて る んだ
明るい 未来 なんて 思い 描け ない んだ ろ さ
未来 だの 夢 だの あの 子 に は 一 番 残酷な 言葉 だ ろ
どっち に して も いずれ 自分 で 決め なきゃ いけ ねえ 時 が やって 来る
不憫だ が なぁ
きく り の 夢 は 立派な 地獄 少女 に なる こと な のだ ー
それ は あんた の 決める こと じゃ ない よ
黙れ ほね ー !
巻いて ー !
はい 姫
タックン
自分 で できる ん って わ
お 母さん
お 母さん 待って よ ほら
お 母さん …
お 母さん
如何 して
石元 先生 が 運んで くれた の よ
貧血 ね もう 大丈夫 よ
気分 が 良く なったら 帰り なさい
先生 あたし どう したら いい の ?
地獄 少女 は 本当の 地獄 は 人 の 中 に ある って 言った
あたし は 誰 に も 地獄 に なんて 行って 欲しく ない のに
それなのに …
誰 か を 苦しめて いた 人間 が 地獄 に 流さ れた 時
ほっと した 違う ?
あなた も 心 の 一部 は 地獄 に 魅せられて いる
そんな こと
絶対 無い って 言える ?
ひどい どうして そんな …
先生 も こんな 思い した の ?
察して やれよ
あの 子 は 今 気づき 始めて る んだ よ
自分 が 何者 か
本当の こと を 知った 時 どう なる か
あんた に 救って 欲しい んだ よ
自分 を 救える の 自分 だけ よ
御免なさい 塵 飛んじゃ った ?
服 大丈夫 ?
大丈夫 暖か そうです ね
暖かい
その 制服 懐かしい わ
賽 河原 四 中 だった んです か ?
えい
先輩 な んだ
あなた は 三 年生 ?
はい 志望 校 決め なきゃ いけない んだ けど
将来 の 事 と か 全然 分から なく って
先輩 は ?
純 香 よ 美園 純 香
高校 は 賽 河原 校 へ 行って
今 は 栄進 女子 大 二 年
すごい 優秀です ね
良かったら 相談 に の ろうか ?
進路 もう 決まった の ?
はい ぜひ
今度 学校 案内 を 持ってきて
はい
あ この 人 …
妹 よ 双子 の 全然 似て ない でしょ
ああ 良い ね もう 少し 笑って みよう ね
ああ 良い ね
よし オーケー 結香 良かった よ お 疲れ ー
お 疲れ 様 でした
結香 さん ドラマ の ヒロイン に 抜擢 さ れた と いう こと です か
意気込み を 聞か せて ください
何も わかり ませ ん ので とにかく がんばり ま ー す
あぁ 疲れた
笑顔 作り すぎて シワ でき そう
おうおう カリスマモデル が その 格好 は まずい だ ろ
は いはい
ね 雅人
このまま ど っか 行か ない ?
海 と か
駄目だ よ 明日 の 朝 早い んだ ろ 帰って 安 もう
何 を もう マネージャー 見 たい
俺 は 君 を 応援 して る んだ よ 心から
ふうん なら 許して あげる
お 願い もう …
こんにち わ お 言葉 に 甘えて 来ちゃ い ました
なに
あの 高校 受験 の …
ちょっと 純 香
ごめんなさい わたし 間違えちゃ って
あんな の と 一緒に し ないで
はい
あら ゆず き ちゃん 入って
こんにちは
あっ 来た タックン
ちょっと 雅人 遅い わ よ
ご免 ご免 お 早う 純 香 ちゃん
お 早う 雅人 さん
この 間 の 本 読んだ ?
とても 面白かった やっぱり 日本 の 幻想 小説 の 原典 は …
又 くだらない 話
ね 今日 は 遅刻 でき ない の よ
あ 又 ね 純 香 ちゃん
ね 英文 学 の レポート ちゃん と やっと いて よ
わかって る
御免なさい ね
いえ
ホントに そっくりな んです ね
親 も よく 間違い の
これ 見て
違う の は ここ わたし に だけ ある の
顔 は 似て る けど 全然 違う わ
でも 結香 も 純 香 さん と 同じ
栄進 女子 大 な んです よ ね
あれ は 結香 の 実力 なんか じゃ ない
替え玉 受験 した から よ
わたし は 推薦 入学 で 合格 して た
受験 の 日 わたし は あの 子 に 成りすまして 受けた の
どうでも 良い わ ね そんな 話
高校 の 事 考え ま しょ
ゆず き ちゃん の 夢 は 何 ?
夢 先生 や 友だち に も 聞か れた んだ けど
よく わから なくて
まだ 中学生 だ もん ね
じゃあ 小さい 時 何 が 好きだった ?
子ども の 頃 に 好きな もの が
大人 に なって 天職 に なる って いう でしょ
子ども の 頃 …
たすけて
ゆず き ちゃん ゆず き ちゃん ?
あっ ごめんなさい
わたし わから ない んです
自分 が どんな 子ども だった の か
これ から どう し たい の か いくら 考えて も
ね 今日 は 私 最高 だって でしょ
あたし スター に なる
だめ よ そんなに 酔って 危ない よ
嫌で 大丈夫 だって ば
ね あ ち の 店 行こう ?
なあ 危ない って
結香
純 香 ちゃん
大丈夫な の ?
ざ まあ みろ って 思って る んでしょ
そんな こと
骨 に ひび が 入った んだ そうだ
痕 は 残ら ない そうだ から この くらい で 済んで 良かった よ
何 が 良かった の よ
明日 大事な 撮影 が ある の よ
無理 する な よ
明日 は 休んだ ほう が
嫌 よ せっかく つかんだ チャンス な の よ
でも その 体 じゃ
何の ため に 同じ 顔 に 生まれた の よ
できた わ
これ が わたし ?
いい あなた は 今日 から モデル の 結香
ダサ い 純 香 じゃ ない んだ から ね
堂々と 振る舞って 失敗 したら 許さ ない から
あい よ 其処 で 振り向いて
ちょっと 休憩 で よう か ?
如何 した の 結香 ちゃん
いつも の 君 らしく ない な
すいません
すいません
いえ 私 は 今日 の 結香 さん 好きです よ
何 か 雰囲気 優しくて
彼 氏 が 来て る から か なあ
今日 は ありがとう
雅人 さん の おかげ で 何とか 塗り きれた
いや 元 後 言えば 結香 が 無理な こと 頼んだ な
これ くらい
でも わたし は 結香 じゃ ない
こんな こと いつか ばれる わ
君 なら できる よ 顔 は 同じで も
君 に は 君 の 輝き が ある んだ から
だ と いい んだ けど
うん 大丈夫 大丈夫 さ
如何 して 分かって くれ ない の あたし の 気持ち
もう 無理な んだ よ 君 と は
私 を 捨てる ん の ね ならい いわ
わたし に だって 考え が ある
カット オーケー
お 疲れ 様 で しだ
次 夜 の シーン 行き ます
セット チェンジ ます
今 まで の 結香 さん の イメージ と がらり と 違う
迫真 演技 でした ね
役 に なり切る ただ それ だけ です
人 って 誰 でも 二 面 性 が ある と 思う んです
それ を 上手く 演じ 分け られたら いい と 思い ます
とか だって くれた いま 期待 の 新人 結香
モデル から 女優 へ 華麗に 羽ばたく
その 類 まれな 才能 は 一体 どこ かも …
よ や っぱ 結香 いい
可愛い だけ じゃ ない んだ よ ね
さすが わたし が 見込んだ だけ の
よく 言う ただ の ファン の くせ に
確かに いい けど ね
でしょ
ね ゆず き も そう 思わ ない ?
あ うん そう だ ね
な ー ん か きな臭い ね
あの 双子 の 娘 たち は 表裏 一体
互いに 光 であり 影 なんだ が なぁ
光 と 影 ねぇ
あたし を 捨てる ん の ね ならい いわ
私 に だって 考え が ある
う うん もう こんな セリフ !
あ こんにち は 結香 さん
こんにちは
お 怪我 の 具合 どう です か ?
もう だいぶ いい わ じゃ あね
寒かった なら コーヒー で いか い
いら ない
どうした ん だ 結香
寂しい の
結香 また 痛む の か ?
結香
へ 大丈夫 よ
君 は
何 ?
本当に 結香 か ?
純 香
わから なかった ?
どうして こんな こと を
わかる でしょ 雅人
どこ へ 行く つもり ?
撮影 に 決まって る でしょ
怪我 は 治った わ もう あんた なんか 必要 無い
あなた じゃ 無理
できる わ 元々 わたし が 勝ち取った 場所 な の
これ も これ も これ も 私 の 物 よ
何 する の ?
止めて 止めて ょ
あんた に なんて 渡さ ない
あんた は ただ の わたし の 影
呼んだ ?
駄目
結香 さん ? 純 香 さん ?
どっち ?
もう 無理
君 と はやって いけない 分かれよう
あの 子 を 選び の ?
ご免 許して くれ
怨み 聞き届けたり
如何 して 此処 から 出して
闇 に 惑い し 哀れな 影 よ
人 を 傷つけ 貶めて
罪 に 溺れ し 業 の 魂
なに いや
一 遍 死んで みる ?
夢 も 追いかけ じゃ いけない って いう の
私 は 私 で たかって だけ な のに
他人 と 己 は 合わせた 鏡
光 も 影 も 行き着く 先 は
遠い その方 無 間 の 地獄
この 怨み 地獄 へ 流し ます
結香 さん
クランクアップ おめでとう ございます
はち 主演 感想 を 一言
はい
この すばらしい 作品 に 参加 さ せて いただいて こと で
わたし は 新しい 自分 を 発見 する こと だって でき ました
あなた の 怨み 晴らし ます
名前 は ?
水原 フミオ
いじめ られて いる の か
そう な んだ
いじめ られる ような こと なんて
僕 は 何も して ない のに
言う こと だって 聞いて る し
欲しい もの は 何でも あげて る のに
あいつ の 気持ち が 全然 わから ない よ
う ぇ そうかい
次回
黄昏 下 的 斜 坡