サーカス の 秘密 さーかす||ひみつ

その サーカス は 、 大変な 人気 だった 。 |さーかす||たいへんな|にんき| 動物 たち が 、 とても 珍しい 芸 を する 。 どうぶつ||||めずらしい|げい|| それ を 見物 し に 、 毎日 たくさん の お 客 が やってくる 。 ||けんぶつ|||まいにち||||きゃく|| ||sightseeing|||||||||comes

満員 だった お 客 が 帰り 、 静かな 夜 に なった 。 まんいん|||きゃく||かえり|しずかな|よ|| サーカス の 団長 は 自分 の へや に ひきあげ 、 ゆっくり 休もう と した 。 さーかす||だんちょう||じぶん||||||やすもう||

その 時 、 ひとり の 男 が たずねて きた 。 |じ|||おとこ||| 知ら ない人 な ので 、 団長 は 聞いた 。 しら|ない じん|||だんちょう||きいた

「 どなた です か 」

「 サーカス を 見物 して いた者 です 。 さーかす||けんぶつ||いた しゃ| じつに 、 すばらしかった 。 truly| 木 のぼり を する ウサギ など 、 はじめて 見ました 。 き||||うさぎ|||みました 本当に すばらしい 」 ほんとうに|

こう 言わ れる と 、 団長 も 悪い 気 は しない 。 |いわ|||だんちょう||わるい|き||し ない 疲れて いる から 早く 帰って 下さい と も 言えない 。 つかれて|||はやく|かえって|ください|||いえ ない

「 そう です か 。 みなさん に 面白がって いただければ 、 こんな うれしい こと は ありません 」 ||おもしろがって||||||

「 だれ でも 喜びます よ 。 ||よろこびます| 強そうな トラ も 、 ネコ の よう に おとなしかった 。 きょうそうな|とら||ねこ|||| |||||||quiet どんな 方法 を 使う の か 知りません が 、 これほど まで に 訓練 なさった あなた は 、 偉大な 天才 と 呼ぶ べきでしょう 」 |ほうほう||つかう|||しりません|||||くんれん||||いだいな|てんさい||よぶ| ||||||||||||||||||should be called|

あまり ほめられた ため 、 団長 は いい気に なって 、 その 方法 を しゃべって しまった 。 |||だんちょう||いいきに|||ほうほう|||

「 動物 を 訓練 する の は 、たいした こと では ありません 。 どうぶつ||くんれん||||||| しかし 、 この 装置 を 作りあげる の に は 、 ずいぶん 苦心 しました よ 。 ||そうち||つくりあげる|||||くしん|| ||device||||||||| 長い 年月 を かけ 、 何度 も 失敗 を くりかえしました 」 ながい|ねんげつ|||なんど||しっぱい||

と 、 団長 は 懐中 電灯 の ような もの を 出して きた 。 |だんちょう||かいちゅう|でんとう|||||だして| ダイヤル だの 、 複雑 の 形 の コイル だの が くっついて いる 。 だいやる||ふくざつ||かた||こいる|||| dial|||||||||| 男 は 、 それ に 目 を やり ながら 聞いた 。 おとこ||||め||||きいた

「 な ん です か 、 それ は 」

「 早く いえば 、 電波 を 利用 し 、 動物 に 簡単に 催眠 術 を かける 装置 です 。 はやく||でんぱ||りよう||どうぶつ||かんたんに|さいみん|じゅつ|||そうち| この ダイヤル に は 、 いろいろな 動物 の 絵 が かいて ある でしょう 」 |だいやる||||どうぶつ||え||||

「 ネコ の 絵 も ついて います ね 」 ねこ||え||||

「 この ネコ の ところ に 目盛り を あわせ 、 トラ に むけて ボタン を 押す と します 。 |ねこ||||めもり|||とら|||ぼたん||おす|| すると トラ は 催眠 術 に かかり 、 自分 は ネコ だ と 思いこむ わけ です 」 |とら||さいみん|じゅつ|||じぶん||ねこ|||おもいこむ||

「 なるほど 。 おとなしかった の は 、 その ため だった の です ね 。 サーカス に は 、 せんたく を する ライオン も 出て いました ね 」 さーかす||||||らいおん||でて||

「 あれ は 装置 の 目盛り を アライグマ に あわせ 、 ライオン に 催眠 術 を かけた の です 。 ||そうち||めもり|||||らいおん||さいみん|じゅつ|||| ||||scale||raccoon|||||||||| チンチン を する ウシ や 、 台 を 飛び越える ブタ も ごらん に なった でしょう 。 |||うし||だい||とびこえる|ぶた||||| いずれ も 、 この 装置 の おかげ です 。 |||そうち||| また 、 もと に 戻したい 時 は 、 この ゼロ の 目盛り に あわせて ボタン を 押せば いい の です 」 |||もどしたい|じ|||||めもり|||ぼたん||おせば|||

団長 は とくい そうに 説明 した 。 だんちょう|||そう に|せつめい| 聞いて いる うち に 男 は 身 を 乗り出し 、 男 の 目 は 輝いて きた 。 きいて||||おとこ||み||のりだし|おとこ||め||かがやいて|

「 それ さえ あれば 、 だれ でも すぐ サーカス が 持てる と いう わけだ 。 ||||||さーかす||もてる||| |||||||||||in other words ぜひ 、 その 装置 を わたし に ゆずって 下さい 」 ||そうち|||||ください

「 だめ です 。 わたし が 苦心 して 作った もの だ 。 ||くしん||つくった|| これ だけ は 、 いくら お 金 を もらって も 、 他人 に は 渡せません 」 |||||きむ||||たにん|||わたせません

団長 は ことわった が 、 男 は あきらめ なかった 。 だんちょう||||おとこ|||

「 欲しくて 欲しくて 、 たまらなく なった 。 ほしくて|ほしくて|| どうしても 渡さない の なら ......」 |わたさ ない||

男 は ポケット から ナイフ を 出し 、 振りまわそう と した 。 おとこ||ぽけっと||ないふ||だし|ふりまわそう|| しかし 、 団長 が 装置 の ボタン を 押す ほう が 早かった 。 |だんちょう||そうち||ぼたん||おす|||はやかった それ から 、 団長 は 装置 を しまい ながら つぶやいた 。 ||だんちょう||そうち||||

「 やれやれ 、 乱暴な 人 も いる もの だ 。 |らんぼうな|じん|||| 罰 と して は 、 しばらく そのまま で いて 、 ここ で 働いて もらう こと に する よ 」 ばち||||||||||はたらいて|||||

つぎの 日 から サーカス に 新しい 人気者 が 加わった 。 |ひ||さーかす||あたらしい|にんきもの||くわわった ||||||star|| 動物 で は なく 、 チンパンジー の まね の うまい ピエロ だ 。 どうぶつ|||||||||ぴえろ| ||||chimpanzee|||||| 本当に うまく 、 本物 の チンパンジー そっくり だった 。 ほんとうに||ほんもの||||

お 客 たち は 「 どう やったら 、 あんなに うまく できる よう に なる のだろう 」 と 話しあい 、 ふしぎがり ながら も 、 大喜び して 手 を たたく のだった 。 |きゃく|||||||||||||はなしあい||||おおよろこび||て|||