GITS :SAC Ep. 16
「 赤い 靴 ー 、 履 ぁ いて た ー 、 女の子 ー ♪ 異人 さん に 連 ー れられ ー て ー 、 い ーっちゃ ーった ー ♪」 「 あ 、 バトー さん ! 「 お前 等 、 その 歌 の 意味 分かって ん の か ? 「 や だ なあ 、 知ってます よ 。 女の子 が 異国 に 連れて 行か れちゃ う 歌 でしょ ? 「 母親 が 開拓 地 に 入植 する んで 、 異国 の 神父 に 預けられちゃ うんだ よ ね 。」 「 そうそう 、 家族 愛 が 貧困に 負ける 歌 な んだ よ ね 。」
「 そうそう 。」
「 まあまあ 、 僕達 ラボ 送りって 事 みたいです 。 では ! 「 バイバーイ ! 「 失礼 します 。」 「 県警 公安 部 より 要請 の あった 潜入 捜査 の 件 です が 、 出発 の 手続き が 完了 致しました 。」 「 へっ、 これ が 俺 の 新しい 履歴 ね 。」 「 スパイ 容疑 で 行 確 対象 と なる パブロ ・ ザイツェフ と 接触 し 、 スパイ 活動 を 教 唆した もの を 特定 、 両者 を 逮捕 せよ と の 事 です 。 尚 、 国際 テロ 対策 協議 に 出席 されて いる 課長 より 、 イギリス から 戻る 迄 に 処理 して おけ と の 伝言 が 18 分 前 に 御座いました 。」 「 ふっ・・・」 「 ねえ 旦那 」 「 ああ ? 「 タチコマ の ラボ 送り 、 気 に して ん の ? 「 何故 ? 「 いや 、 気 に して 無い なら いい けど さ 。」
「 お前 なんか に 心配 さ れた か ねえ よ 。」
「 別に 心配って 訳 じゃ ねえ けど 、 どう 見て も 乗って ない ぜ ? 「 そう でも ねえ よう 。 俺 は この ザイツェフって 野郎 の 大 ファン だった から な 。」 「 ファン ? 「 それ より 俺 が 基地 に 着いたら この 車 、 ちゃんと 9 課 に 戻し とけよ 。」
「 分かって るって 。 乗り回しゃ し ねえ よ 、 こんな 車 。」
「 オラーイ 、 オラーイ 、 オラーイ 、 オラーイ 」
「 もっと 腰 を 入れて 打って こい よ 。 そう じゃ ねえ だ ろ 。 何 を 聞いて た んだ ? 「 今一つ 信憑性 が 無い もん で 。」
何 ぃ ! ようし 、 そこ 迄疑 うん なら 俺 を 本気で 伸して みろ 。」
「 だ と 。」
「 望み どおり 一 発 か まして やれ 。」
「 よ ー し 、 打って こい 。」
「 なんて な 。」
「 な あんだ おい 、 口 程 に も ねえ な 。」
「 脳震盪 か 、 だ らし ねえ 。 おい どうした ! 仲間 が やられて 悔しく ねえ の か ? 俺 を 伸して みろ よ 。 誰 で も いい ぞ 。 挑戦 して くる 奴 は いない の か ? この 腰抜け 野郎 共 ! 「 じゃあ 俺 が 相手 に なって やる 。」
「 その 面構え は 新 入りって 訳 でも な さ そうだ な 。」 「 ふ ふん 。」
「 よし 。 退屈な 合同 訓練 なん ざ サボっち まおう と 思って た んだ けど な 。 あんた が 最近 格闘 教官 に 赴任 して 来たって 噂 を 聞いた もん で な 、 態 々 顔 を 出した んだ よ 。 がっかり さ せ ねえ で くれよ 銀 メダリスト 。」
「 随分 古い 事 を 覚えて る んだ な 。」
「 ふ ふん 。 ああ 、 どう だ ? ボクシング で 行こう ぜ 。」
「 上手い な 。 俺 の 手の内 も 研究 済み か 。」
「 ふ ふ ふん 。」
「 ふっ、 拳 は 死んじゃ い ねえ か 。」 「 あれ ! 「 お ー い 、 大丈夫 か ? 「 う ぅ ・・・ どう なった んだ ? 「 義 体 の 隙 を 突いた の さ 。」
「 勝てた と ・・・ 思った んだ が な 。」
「 気 に 入った よ お前 。 何故 やられた の か 本気で 知り たきゃ 内 に 来い 。 じっくり 説明 して やる よ 。」
「 基地 を 渡り歩いて 技 を 教えて 来た んだ 。 今 は それ だけ しか 残っちゃ いない 。」 「 ふ ぅん 。 それ だけって 数 でも ねえ けど な 。」 「 そう か あ ? 「 これ だけ の 大会 を 闘って 来て 殆ど 優勝 しか ない 。」
「 優勝 じゃ なかった の は そい つ だけ だ 。」
「 見て た よ 、 この 試合 。 ショック だった なあ 。 あんた が 負ける なんて 微塵 も 思って なかった から 。」
「 へっ、 俺 も ショック だった よ 。 あの たった 一 度 の 敗北 で 人生 の 全て が 狂っち まったん だ から な 。 ちやほや して いた マスコミ も 義 体 メーカ も 皆 去って 行っち まった 。」 「 あん 時 何故 あんた 、 義 体 の 隙 を 突か なかった んだ ? あの 試合 だけ は 今 思い出して も 納得 が 行か ない 。」
「 義 体 の 隙 、 か 。」
「 そうだ 。 義 体 の 隙 。 昼間 の あれ が そい つ だ ろ ? 俺 は その 話 を 聞く 為 に ここ に 来た んだ ぜ ? 「 あれ か 。 実は あれ に は ちょっと した 秘密 が あって な 。」
「 今夜 は 随分 話 が 弾んで る よう ね 。」
「 あ 、 どうも 。」
「 何の 話 かしら ? 私 も 仲間 に 入れて 。」
「 おい 、 そんな 物 を 客 に 出す つもり か ? もっと 高い 酒 が あった だろう 。」
「 あら 、 高ければ い いって もの で も ない でしょ 。 おもて なし は 気持ち が 大切 よ 。」
「 何も 分かっちゃ いない 。 おい 、 外 で 飲もう 。 いい 酒 を 出す 店 が 近く に ある んだ 。」
「 どうした の ? 俺 は 別に これ で 構わ ない ぜ ? 「 そう 言う な よ 。 俺 の おごり だ 。」
「 悪い な 。 急な 連絡 が 入った 。 すぐ 戻る から 待って ろ よ 。」
「 ごめんなさい 。 今日 は 久しぶりに 機嫌 が 良かった から 、 メドブーハ でもって 思った んだ けど 、 怒ら せちゃった みたい 。」 「 メドブーハ ? 「 私 達 の 故郷 で 家 ごと に 作る 自家 製 酒 よ 。 お 口 に 合う かしら ? 「 ん ? 「 ん 、 甘え ! 「 ふ ふっ、 当然 よ 。 蜂蜜 を 発酵 さ せて 作る んです もの 。 貴方 とっても 良い 人 みたい ね 。 ご 結婚 は ? 「 ああ 一応 。 子供 が 一 人 。 6 歳 に なる 。」
「 本当 か ? そう は 見え ん な 。 悪い が 急用 が 出来 ち まった 。 また 今度 飲み 直そう 。 話 の 続き も その 時 に 。」
「 あ 、 そう 。 残念だ な 。」
「 また いら して ね 。」
「 ええ 、 近い 内 に 寄ら せて 貰います 。」 「 お やすみ なさい 。」
「 お やすみ 。」
「 待た せた な 。 客 は 帰した ぞ 。」
「 よし 、 では 次の 指示 を 送る 。」
「 あ 、 どうも 。」
「 おい 、 バトー は 来て ない の か 。」
「 バトー ・・・? ああ 、 昨日 の 。 まだ 見てません ねえ 。」 「 そう か 。 あいつ ここ じゃ 有名な の か 。」
「 いえ 、 あ 、 昨日 から 寄港 して いる 三雲 の 103 航空 隊 の 奴 じゃ ないで す かね ? 「 俺 に 何 か 用 か ? 「 いた の か 。 どう だ ? 飯 でも 。」
「 飯 ? 今 は 飯 より シャワーって 気分 だ な 。」 「 そう か 。 それ じゃあ 一 人 で 行って くる か 。」
( グローブ 持って 飯って か ? 俺 を がっかり さ せ ん な よ 。 「 よ ぅ 、 元気 ? 「 頼まれて た サイン 、 色紙 より は こういった 物 に して あった 方 が いい と 思って ね 。」 「 有難う 。 甥 も 喜ぶ わ あ 。」
良かった 。」
「 そうだ 。 いい 豆 が 入った の 。 お礼 に 一杯 淹れて 差し上げる わ 。」 「 お構い なく 。 俺 も すぐに 戻 ん なきゃ 。」
「 すぐ 淹 れる わ よ 。 少し 荒 めに 引いた 方 が いい かしら ? 「 そう だ な 。 金属 メッシュ ある んだっけ ? 「 だったら そう しよう か な 。 さて ・・・」
( さて と 。 あん ? 佐川 の 身代わり 防壁 か 。 いい もん 使って る じゃ ねえ か 。 「 そうい や 今 どっから か 合同 訓練 に 来て いる 奴 が いる だろう 。」 「 空母 で 寄港 して いる 海兵 隊員 の 事 かしら ? 「 そう か な 。 昨日 そこ の 奴 が ジム に 来た んだ けど 、 なかなか 骨 の ある 奴 だった よ 。」
「 そう な の ? 「 ああ 、 見どころ が ある 。」
「 良かった じゃ ない 。 友達 に なれ そう ? 「 そい つ は どう か な 。 俺 は 人見知り する 性質 だ から 。」
(2 重 の 防壁 と は 念 の いった こって 。 一旦 ここ に データ を 移して から 外部 に 送るって しくみ か 。 何 処 に 転送 する つもりだ ? 「 ん ? 何 だ ? まさか 枝 が ・・・ くっそ ー 、 あと 少し な のに ・・・」 「 お 待た せ ・・・ あ ・・・」 「 すまない 、 急用 を 思い出した 。」 「 うーん ・・・」
( おいおい 、 ネタ を 抜く のに 時間 を 掛け 過ぎ だ ぞ 。 これ で ホントに スパイ な の か ? と ろく せ え 。 さあ 、 何 処 に 転送 する ? 「 おい 。」
「 おっ」 「 お前 等 、 俺 の 部屋 に 誰 か 入った か ? 「 誰 も 入ってません よ 。」 「 豆 は どうした ? 「 碾 き 終わった 。」
「 では 何故 ドリップ し ない ? 「 枝 が 付いた 気配 が あった 。」
「 念の為 その ドリッパー を 2 度 と 使う な 。 汚れた 可能 性 が 高い 。」
「 ああ 。 ドリップ は 別に やる 。 ポット に 入れて 待つ 。」
「 配達 先 は 追って 知らせる 。 もし 身辺 に 見慣れ ぬ 者 が 現れたら 注意 しろ 。」
( 見慣れ ぬ もの ・・・)
「 おい 、 バトー 。 今夜 こそ 俺 の おごり だ 。 一 杯 付き合えよ 。 甘い 酒 は 置いて ない 。」
「 いい 店 だろう ? ここ に 赴任 して から ろくな 奴 に 会わ なくて な 。 殆ど ここ に 入り浸り さ 。」
「 ああ そう 。」
「 ボックス 席 は 初めて です ね 。」
「 うん 。 やっと 友達 が 出来 そうで ね 。」
「 それ は よかった 。」
「 そうい や お前 、 結婚 して るって 言って た が カミさん の 写真 位 持って る んだろう 。 見せろ よ 。」
「 そういう 性分 じゃ ねえ よ 。」
「 ふっ。」 「 おっと 。」
「 高い 酒 なんだ ろ ? もったい ねえ 。」
「 悪い が 拭く もの を 借りて きて くれ ない か ? 「 ああ 。」
「 性分 じゃ ねえ か ・・・ 読め ねえ 野郎 だ 。」
「 すぐ お 持ち します 。」 「 ども 、 有難う 。」
「 後 で なんか 持って 来る と さ 。」
「 そう か 。」
「 また 呼び出し か 。 すまない 暫く 一 人 で 」
「 構わ ねえ よ ! あんた は 情報 部 並 に 忙しい みたいだ から な 。」
「 ポット は ? 「 持ってきた 。」
「 冷える な ・・・」
「 おい こりゃ なんだ ? 「 うん ? 「 只 の 数字 の 羅列 を 掴ま さ れ や がって 。」 「 ちょっと 待て 。 俺 は あんた 達 の 言う 通り データ を 抜いて 来た だけ だ 。 中身 が 違う の は そっち の 指示 ミス だろう ? 「 君 に は 失望 した 。」
「 言い掛かり は 止せ 。 払う もん 払って 貰おう か 。」
「 みっと も ねえ ! 「 バトー ! 「 つけられた な 。」 「 お前 、 情報 部 ! いや 、 監察 部 か ? 俺 を 内偵 する 為 に ファン を 装って 近づいた の か ? 上手く 騙さ れた よ 。 俺 の 過去 も 勉強 した の か ? 「 金 が 目的 か ? 人生 の 計画 が 狂った と は 言え それ 程 悪い 暮らし 振り と も 思え ん が な 。」
「 お前 に 何 が 分かる ! 「 逮捕 する 前 に 一 つ 聞きたい 。 義 体 の 隙って 奴 の 事 だ 。」 「 ふっ、 そう か 。 そい つ を まだ 話して なかった な 。」
「 来い よ ! もう 一 度 義 体 の 隙 を 突いて 俺 を 倒 せたら 見逃して やる 。」
「 嘗めて ん の か ! 何度 やったって お前 は 俺 に は 勝て ない ぞ ! 「 だったら 早く 降りて 来い 。」
「 銃 を 仕舞った 事 を 後悔 する ぞ 。」
「 御 託 は いい から 打って 来い ! 「 義 体 の 出力 勝負 じゃ 俺 に は 勝て ない ぞ ! 「 ふっ・・・ お ! 「 ぬう ぅお ! 「 う ・・・ お前 、 昨日 は 態 と 負けた の か ・・・? 「 態 と か どう か 分から ねえ 程 錆び ち まった の か ? 「 そう か 、 あの 時 も ・・・ 心 に 隙 が あった の は ・・・ 俺 の 方 だ ・・・」
「 あ 、 こんばんは 。 お 会い 出来て 良かった わ 。 主人 と 一緒 じゃあ ・・・? 「 ああ いや 、 途中 迄 一緒だった んだ が 。」
「 そう 。 でしたら 丁度 良かった 。 お 口 に 合わ ない かも しれ ない けど 、 奥様 に 。」
「 あれ ? 旦那 終わった んだ ? 「 ああ 。」
「 どうした の さ ? 解決 し たって の に 出発 前 と 変わら ない ぜ ? 「 そう 見える か ? 「 違う の か ? ん 、 おい ・・・」
「 旦那 ・・・? 「 くそった れ !