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オーバーロード, Overlord Episode 3

Overlord Episode 3

( 副 長 ) ガゼフ 戦士 長

( ガゼフ ) チッ

副 長 数 人 を 連れ て 生存 者 を エ ・ ラン テル まで 護衛 せよ

( 副 長 ) 戦士 長 ( ガゼフ ) 何 だ ?

王 の ご 下 命 は ―

“ 国境 周辺 の 村 を 襲う 集団 を 調査 し 討伐 せよ ” と の こと で し た

そう だ

ですが 本当 に バハルス 帝国 の 騎士 たち で あった と して も ―

出動 を 命じ られ た の は わずか 50 名

( ガゼフ ) N 極 秘 の 任務 と いう こと だ ろ う

貴族 ども です ね ?

( ガゼフ ) うむ

王 の 派閥 の 中 でも ―

最も 信頼 厚き 戦士 長 が 失敗 すれ ば ―

王 を 攻撃 する 材料 に なる と 浅はか な

それ ぐらい に し て おけ

戦士 長 だって お 気付き でしょ う これ は 確実 に ワナ です

ここ で 部隊 を 分断 し 戦力 を 減らす ぐらい なら ―

一 度 全員 で エ ・ ラン テル まで 引き揚げ ま しょ う

この あと いく つ の 村 が 犠牲 に なった と して も ―

最強 の 剣士 で ある あなた を 失う ほう が ―

国 の 損失 は 大きい

あ …

( ガゼフ ) 私 は 平民 出身 だ

( 副 長 ) 私 も そう です

村 の 生活 は 死 と 隣り合わせ

モンスター に 襲わ れる の も 珍しく ない だ ろ う

そう です

( ガゼフ ) で は 期待 し なかった か ?

力 持つ 貴族 や 冒険 者 が 助け て くれる こと を

期待 し なかった と 言え ば ウソ に なり ます が ―

実際 は 誰 も 現れ なかった

ならば 我々 が 示 そ うで は ない か

ああ …

危険 を 承知 で 命 を 張る 者 たち の 姿 を

弱き 者 を 助ける 強き 者 の 姿 を

♪~

~♪

( モモンガ ) うん

うーん

( モモンガ ) この “ 遠隔 視 の 鏡 ( ミラー ・ オブ ・ リモート ビューイング ) ” の 操作 方法 が 分かれ ば

ナザ リック 周辺 の 警戒 網 作成 に 役立つ はず

( モモンガ ) おお ?

( 拍手 の 音 ) ( モモンガ ) うん ?

( セバス ) おめでとう ございます モモンガ 様

( モモンガ ) ありがとう セバス

つき あわせて 悪かった な

主 ( あるじ ) の お そば に 控え ご 命令 に 従う こと

それ こそ が ―

た っち ・ み ー 様 に よって 執事 と して 生み出さ れ た

私 ( わたくし ) の 存在 意義 です

( モモンガ ) そう か

さて 人 が いる 場所 を 探し て みる か

うん ?

祭り か ?

いえ これ は 違い ます

( モモンガ ) うん ?

野 盗 で は ない よう だ が

あっ !

( モモンガ ) おかしい

この 世界 に やって くる 前 で あれ ば 卒倒 し て い た はず な のに ―

なぜ 冷静 に 見て い られる の か

( モモンガ ) うん ?

( セバス ) どう 致し ます か ?

( モモンガ ) 見捨てる

助け に 行く 理由 も 価値 も ない から な

かしこまり まし た

( モモンガ ) た っち さ ん …

( プレイヤー A ) ポイント ゲット !

( プレイヤー B ) あと 2 匹 で クラス チェンジ だ

( プレイヤー C ) さっさと 止め を 刺 せよ

( モモンガ ) う っ

( プレイヤー A ) 異形 ( い ぎょ う ) 種 が ( プレイヤー B ) キモ い ん だ よ

( プレイヤー A ) え ー い

( モモンガ ) あ あっ

( モモンガ ) なぜ 見 も 知ら ない 俺 を

( た っち ・ み ー ) 誰 か が 困って い たら 助ける の は 当たり前 !

( モモンガ ) フッ

フフ フッ

( モモンガ ) どちら に せよ この 世界 で の 自分 の 戦闘 能力 を

いつか は 調べ なく て は なら ない わけ です し ね

( モモンガ ) セバス

私 は この 村 に 行く

ナザ リック の 警備 レベル を 最大 限 引き上げろ

( セバス ) はっ

( モモンガ ) アルベド に 完全 武装 で 来る よう に 伝えろ

次に 後 詰め の 準備 だ

この 村 に 隠密 能力 に たける か ―

透明 化 の 特殊 能力 を 持つ 者 を 複数 送り込め

( セバス ) かしこまり まし た

( モモンガ ) た っち さ ん あなた へ の 恩 は 返し ます

( モモンガ ) “ 転移 門 ( ゲート ) ”

( ネム ) お 姉ちゃん

( エンリ ) ネム

( エンリ の 父 ) 逃げろ エンリ 逃げる ん だ !

う っ 早く 行け !

( エンリ ) ネム が 逃げる 時間 だけ は 稼が ない と

( 騎士 A ) な っ …

( エンリ ) う っ ああ …

( 騎士 A ) なん だ ? ( 騎士 B ) な っ …

( エンリ ) あ あっ

( 2 人 の 驚く 声 )

( モモンガ ) “ 心臓 掌握 ( グラスプ ・ ハート ) ”

( エンリ ) あ あっ

( モモンガ ) この 世界 の 人間 たち に ―

私 の 得意 と する 死霊 系

その 中 でも 高位 の 第 9 位 階 魔法 が 効か なけ れ ば ―

逃げる しか ない か と 思った の だ が

( 騎士 C ) 化け物 ?

( モモンガ ) ふむ 人 を 殺し て も 何も 感じ ない

やはり 肉体 のみ なら ず ―

心 まで も 人間 を 辞め た と いう こと か

( 騎士 C ) くっ

( モモンガ ) 女子 ( おん な こ ) ども は 追い 回せ る の に ―

毛色 が 変わった 相手 は 無理 か ?

せっかく 来 た ん だ

無理やり に でも 実験 に つきあって もらう ぞ

( モモンガ ) “ 龍 雷 ( ドラゴン ・ ライトニング ) ” ( 騎士 C ) う う っ あっ う っ !

( 騎士 C ) う う う っ あ あー

う あっ !

( モモンガ ) 弱い 第 5 位 階 魔法 程度 で 簡単 に 死ぬ と は

中位 アン デッド 作成 死 の 騎士 ( デス ・ ナイト )

( モモンガ ) げ っ 死体 に 乗り移る の か ?

「 ユグドラシル 」 と は だいぶ 違う なあ

( エンリ ) ヒッ !

( モモンガ ) 死 の 騎士 この 村 を 襲って いる 騎士 を 殺せ

( 死 の 騎士 ) ぐ お おお

( モモンガ ) え ?

( モモンガ ) 盾 に なる モンスター が

守る べき 者 を 置 い て いって どう する よ

いや 命令 し た の は 俺 だ けど さあ

( アルベド ) 準備 に 時間 が かかり 申し訳 あり ませ ん で し た

( モモンガ ) いい や 実に よい タイミング だ アルベド

( アルベド ) ありがとう ござい ます

それ で この 下等 生物 の 処分 は どう なさい ます か ?

( モモンガ ) とりあえず の 敵 は ―

そこ に 転がって いる よろい を 着 た 者 たち だ

( アルベド ) かしこまり まし た

( モモンガ ) ケガ を し て いる よう だ な

( ネム ) う う ー ( モモンガ ) 飲め

( エンリ ) 血 ?

の … 飲み ます ! だ から 妹 に は …

お 姉ちゃん ! ダメ だ よ !

( モモンガ ) 何 な の これ 完全 に 信用 さ れ て い ない

何 が ダメ な ん だ ろ う ?

( アルベド ) 下等 生物 ふ ぜ いが !

( エンリ ) う う ー ( モモンガ ) ああ 待て ! 急ぐ な

( モモンガ ) 武器 を 下げろ

( アルベド ) かしこまり まし た

( モモンガ ) これ は 治癒 の 薬 だ 早く 飲む ん だ

( エンリ ) あ …

ウソ !

( モモンガ ) 痛み は なくなった な ?

( エンリ ) あっ はい

( モモンガ ) ふむ お前 たち は 魔法 と いう もの を 知って いる か ?

あ … はい 村 に 時々 来 ( こ ) ら れる 薬 師 ( くす し ) の …

私 の 友人 が 魔法 を 使え ます

( モモンガ ) そう か ならば 話 が 早い

私 は マジック キャスター だ

“ 生命 拒否 の 繭 ( アンティ ライフ ・ コクーン ) ”

“ 矢 守り の 障壁 ( ウォール ・ オブ ・ プロテクション フロム アローズ ) ”

守り の 魔法 を かけ て やった

そこ に いれ ば 大抵 は 安全 だ

それ と 念のため に これ を くれ て やる

吹け ば ゴブリン の 軍勢 が ―

お前 に 従う べく 姿 を 見せる はず だ

そい つ ら を 使って 身 を 守る が よい

( エンリ ) あっ あの !

た … 助け て くださって ありがとう ござい ます !

ありがとう ござい ます !

( モモンガ ) 気 に する な

お … お 名前 は 何と おっしゃる ん です か ?

( モモンガ ) 名前 ?

( モモンガ ) そう そう だ な

( モモンガ ) 我が 名 を 知る が よい

我 こそ が ―

アインズ ・ ウール ・ ゴウン

( 村人 1 ) う ああ あー

( ロン デス ) あ あっ !

( 村人 たち の おびえる 声 )

( 村人 2 ) ハアッ ハアッ …

( 死 の 騎士 ) ぐう う

( ロン デス ) あ あっ

( 死 の 騎士 ) ぐ お おお

( 騎士 E ) う ああ あー

( 騎士 E ) ぐ あ あー

( ベリュース ) ヒッ !

( 騎士 F ) クソー !

な っ !

う あ ああ

( 逃げる 騎士 の 声 )

( ロン デス ) 逃げ ない 相手 に は 剣 を 使わ ない ?

楽し ん で いる の か ?

( 騎士 G ) 神 よ お 助け ください

( 騎士 H ) 神 よ …

( ベリュース ) 貴 様 ら あの 化け物 を 抑えよ !

俺 は こんな 所 で 死 ん で いい 人間 じゃ ない !

お前 ら 時間 を 稼げ !

俺 の 盾 に なる ん だ

ベリュース 隊長

( ベリュース ) う う ー !

ヒイー ! カネ ! カネ を やる 200 金貨

いや 500 金貨 だ

う う ー 千 金貨

( 騎士 E ) が あ あっ

( ベリュース ) アアーッ !

( ベリュース の 悲鳴 )

あっ た … 助け て ! お 願い し ます 何でも し ます !

ギャア アー アアーッ !

お カネ … お カネ あげ ます !

アアー

お カネー !

( 騎士 H ) ヤダ ヤダ ヤダ ( 騎士 G ) 神様

落ち着け !

撤退 だ 合図 を 出し て 馬 と 弓 騎兵 ( きゅう き へい ) を 呼べ !

残り の 人間 は 時間 を 稼ぐ

行動 開始 !

( 騎士 たち の 叫び声 )

( ロン デス ) う おお おお !

う あっ !

( アインズ ) 死 の 騎士 よ そこ まで だ

( アインズ ) はじめ まして 諸君

私 は アインズ ・ ウール ・ ゴウン と いう

( 騎士 たち の とまどう 声 )

( アインズ ) 諸君 に は 生き て 帰って もら お う

そして 諸君 の 上司 飼い主 に 伝えろ

“ この 辺り で 騒ぎ を 起こす なら ― ”

“ 今度 は 貴 様 ら の 国 まで 死 を 告げ に 行く ” と

行け ! そして 確実 に 我が 名 を 伝えよ

( 騎士 たち の 慌てふためく 声 )

( アインズ ) フウ 演技 も 疲れる な

( 村長 ) あ … あなた … N ( アインズ ) うん ?

( 村長 ) あなた 様 は ?

( アインズ ) この 村 が 襲わ れ て い た の が 見え た ので ね

助け に 来 た 者 だ

( 村人 たち ) おお !

( アインズ ) さて 君 たち は もう 安全 だ 安 心して ほしい

( アインズ ) うん ?

( アインズ ) ふむ

( アインズ ) … と は 言え タダ と いう わけ で は ない

それなり の 礼 を 頂き たい

( 村人 たち の 安ど の 声 )

( アインズ ) 営利 目的 と 思わ れ た ほう が

よけい な 疑い を かけ られ なく て 済む と いう もの か

しかし あの 姉妹 が おびえ て い た の は ―

俺 の 骸骨 の 顔 だった の か

「 ユグドラシル 」 じゃ そんなに 珍しく は なかった ん だ が な

面倒 だ が 彼女 たち に は 口止め が 必要 か

魔法 に よる 記憶 操作 が 有効 だ と いい ん だ が …

( アインズ ) 村人 たち を 安心 さ せる ため に 金銭 を 要求 し た が

本当 に 欲しい の は 情報 だ

この 世界 に 無知 で あれ ば ―

権力 者 や 私 以上 の 強者 ( きょう し ゃ ) に 接触 し た とき に 大きな 弱点 と なる

朴 とつ な 村長 夫妻 は 私 が へき地 で 研究 し て い た ―

世情 に 疎い 魔法 詠 唱 者 ( マジック キャスター ) で ある と いう 言い訳 を 信じ ―

この 世界 に つい て 知る 限り の こと を 語って くれ た

だが …

( アインズ ) クリスマスイブ に 一 定 時間 「 ユグドラシル 」 に いる と

問答 無用 で 手 に 入って しまう と いう ―

ある 種 呪わ れ た この 通称 嫉妬 ( しっと ) マスク を かぶって い て も ―

不審 が られ ない と は ―

この 世界 の 魔法 詠 唱 者 と は どんな 存在 な の だ ろ う

( アインズ ) まず 「 ユグドラシル 」 の 通貨 は

この 世界 で は 流通 し て い ない らしい

金 と して の 価値 は ある が 今後 使う の は 危険 かも しれ ない

次に 周辺 国家 に つい て 聞い て み た

この 村 カルネ 村 と ナザ リック が ある 一帯 は ―

リ ・ エスティーゼ 王国 と いう 国 の 領土 らしい

そして 南北 に 広がる 巨大 な 山脈 を 挟 ん で 隣接 する ―

バハルス 帝国 と いう 国 が ある と いう

2 つ の 国 は 仲 が 悪く ―

国境 付近 に 存在 する 城 塞 ( じ ょ う さ い ) 都市 エ ・ ラン テル 近く の 平野 で ―

毎年 の よう に 争って いる そう だ

そして もう 1 つ

両 国 と 国境 を 挟 ん で 南方 に ある 国家 が ―

スレ イン 法 国

盾 の 紋章 から 村長 は 村 を 襲った の は ―

バハルス 帝国 の 騎士 と 推測 し て い た が ―

リ ・ エスティーゼ 王国 と バハルス 帝国 の 反目 を 狙った ―

スレ イン 法 国 の 偽装 で ある 可能 性 も 考慮 す べき か

失態 だ

騎士 の 1 人 は 捕まえ て 情報 を 引き出す べき だった

( 村長 ) どうか さ れ まし た か ?

( アインズ ) いえ 何でも あり ませ ん

それ より ほか の 話 を 聞か せ て は いただけ ない でしょう か ?

( 村長 ) は … はい

村 から 一 番 近い 都市 は エ ・ ラン テル です

この 辺り に は ゴブリン や オーク ―

オーガ など の モンスター が 出 ます が ―

冒険 者 たち が 巡回 し て いる ので ―

街道 沿い に 行け ば まず 安全 でしょ う

( アインズ ) 冒険 者 ?

報酬 しだい で モンスター を 退治 する 者 たち です

エ ・ ラン テル に は 彼ら に 仕事 を あっせん する ―

冒険 者 組合 が ある ん です よ

( アインズ ) 冒険 者 組合 ?

その エ ・ ラン テル の 人口 は どれ くらい でしょう か ?

すみません 正確 な 数字 まで は …

( アインズ ) そうです か

( アインズ ) やはり 街 に でも 行って 暮らす 必要 が ある か

( アインズ ) この ワンド ・ オブ ・ N リザレクション が あれ ば

村 の 死者 を 復活 さ せる こと は できる

… が 死 を 与える 魔法 詠 唱 者 と ―

死者 を よみがえら せる こと の できる 魔法 詠 唱 者 ―

どちら が やっかい ごと に 巻き込ま れる か は 想像 に 難く ない

( アインズ ) 状況 が 変化 すれ ば 別 だ が ―

今 は 村 を 救って やった こと で 満足 し て もら お う

( アインズ ) これ で アインズ ・ ウール ・ ゴウン と いう 人物 が

村人 を 救った と いう 情報 は 広まる だ ろ う

「 ユグドラシル 」 の プレーヤー が ―

俺 以外 に も こちら の 世界 に 来 て いる の なら ば ―

できる 限り 協力 し たい

その ため に は 彼ら の 反感 を 買わ ない よう ―

不必要 な 殺りく は 避ける べき だ

それ と 大義 名分 も 必要 だ な

どこ か の 国 を 後ろ盾 に し て おく の が 望ましい が …

ハア … もう いい

( アインズ ) ここ で す べき こと は 終わった

アルベド 撤収 する ぞ

( アルベド ) 承知 致し まし た

( 村人 3 ) ああ どうも

( アインズ ) 人間 が 嫌い か ?

( アルベド ) ぜい弱 な 生き物 下等 生物

虫 の よう に 踏みつぶし たら どれ だけ キレイ に なる か と

( アインズ ) アルベド

だが ここ で は 冷静 に 優しく ふるまえ

演技 と いう の は 重要 だ ぞ

( アインズ ) … とはいえ 俺 も 人 を 殺し て 何も 感じ なかった

これ は アン デッド に なった 影響 か …

( 村人 4 ) どう し ます か ? 村長

何 か いい 手 は ?

( アインズ ) また やっかい ごと か

( アインズ ) どうか さ れ まし た か ? 村長 殿

ああ アインズ 様

実は この 村 に 騎士 風 の 者 たち が 近づ い て いる そう で …

( アインズ ) なるほど

分かり まし た

村長 殿 の 家 に 生き残った 村人 を 至急 集め て ください

村長 殿 は 私 たち と 共に 広場 に

はっ はい

私 は リ ・ エスティーゼ 王国 王国 戦士 長 ―

ガゼフ ・ ストロノーフ

この 近隣 を 荒らし 回って いる 帝国 の 騎士 たち を 討伐 する ため に

王 の ご 命令 を 受け 村 々 を 回って いる もの で ある

( 村長 ) 王国 戦士 長 … N ( アインズ ) うん ?

この 村 の 村長 だ な

横 に いる の は いったい 誰 な の か 教え て もらい たい

この 方 は …

( アインズ ) それ に は 及び ませ ん

はじめ まして 王国 戦士 長 殿

私 は アインズ ・ ウール ・ ゴウン

この 村 が 襲わ れ て おり まし た ので ―

助け に 来 た 魔法 詠 唱 者 です

う っ

この 村 を 救って いただき 感謝 の 言葉 も ない

( ガゼフ の 部下 ) 戦士 長 !

周囲 に 複数 の 人影

村 を 囲む よう な 形 で 接近 し つつ あり ます

( ガゼフ ) う う っ

♪~

~♪


Overlord Episode 3 overlord|episode

( 副 長 ) ガゼフ 戦士 長 ふく|ちょう||せんし|ちょう

( ガゼフ ) チッ

副 長 数 人 を 連れ て 生存 者 を エ ・ ラン テル まで 護衛 せよ ふく|ちょう|すう|じん||つれ||せいぞん|もの|||らん|てる||ごえい|

( 副 長 ) 戦士 長 ( ガゼフ ) 何 だ ? ふく|ちょう|せんし|ちょう||なん|

王 の ご 下 命 は ― おう|||した|いのち|

“ 国境 周辺 の 村 を 襲う 集団 を 調査 し 討伐 せよ ” と の こと で し た くにざかい|しゅうへん||むら||おそう|しゅうだん||ちょうさ||とうばつ|||||||

そう だ

ですが 本当 に バハルス 帝国 の 騎士 たち で あった と して も ― |ほんとう|||ていこく||きし||||||

出動 を 命じ られ た の は わずか 50 名 しゅつどう||めいじ||||||な

( ガゼフ ) \ N 極 秘 の 任務 と いう こと だ ろ う |n|ごく|ひ||にんむ||||||

貴族 ども です ね ? きぞく|||

( ガゼフ ) うむ

王 の 派閥 の 中 でも ― おう||はばつ||なか|

最も 信頼 厚き 戦士 長 が 失敗 すれ ば ― もっとも|しんらい|あつき|せんし|ちょう||しっぱい||

王 を 攻撃 する 材料 に なる と 浅はか な おう||こうげき||ざいりょう||||あさはか|

それ ぐらい に し て おけ

戦士 長 だって お 気付き でしょ う これ は 確実 に ワナ です せんし|ちょう|||きづき|||||かくじつ||わな|

ここ で 部隊 を 分断 し 戦力 を 減らす ぐらい なら ― ||ぶたい||ぶんだん||せんりょく||へらす||

一 度 全員 で エ ・ ラン テル まで 引き揚げ ま しょ う ひと|たび|ぜんいん|||らん|てる||ひきあげ|||

この あと いく つ の 村 が 犠牲 に なった と して も ― |||||むら||ぎせい|||||

最強 の 剣士 で ある あなた を 失う ほう が ― さいきょう||けんし|||||うしなう||

国 の 損失 は 大きい くに||そんしつ||おおきい

あ …

( ガゼフ ) 私 は 平民 出身 だ |わたくし||へいみん|しゅっしん|

( 副 長 ) 私 も そう です ふく|ちょう|わたくし|||

村 の 生活 は 死 と 隣り合わせ むら||せいかつ||し||となりあわせ

モンスター に 襲わ れる の も 珍しく ない だ ろ う ||おそわ||||めずらしく||||

そう です

( ガゼフ ) で は 期待 し なかった か ? |||きたい|||

力 持つ 貴族 や 冒険 者 が 助け て くれる こと を ちから|もつ|きぞく||ぼうけん|もの||たすけ||||

期待 し なかった と 言え ば ウソ に なり ます が ― きたい||||いえ||うそ||||

実際 は 誰 も 現れ なかった じっさい||だれ||あらわれ|

ならば 我々 が 示 そ うで は ない か |われわれ||しめ|||||

ああ …

危険 を 承知 で 命 を 張る 者 たち の 姿 を きけん||しょうち||いのち||はる|もの|||すがた|

弱き 者 を 助ける 強き 者 の 姿 を よわき|もの||たすける|つよき|もの||すがた|

♪~

~♪

( モモンガ ) うん

うーん

( モモンガ ) この “ 遠隔 視 の 鏡 ( ミラー ・ オブ ・ リモート ビューイング ) ” の 操作 方法 が 分かれ ば ||えんかく|し||きよう||おぶ||||そうさ|ほうほう||わかれ|

ナザ リック 周辺 の 警戒 網 作成 に 役立つ はず ||しゅうへん||けいかい|あみ|さくせい||やくだつ|

( モモンガ ) おお ?

( 拍手 の 音 ) ( モモンガ ) うん ? はくしゅ||おと||

( セバス ) おめでとう ございます モモンガ 様 ||||さま

( モモンガ ) ありがとう セバス

つき あわせて 悪かった な ||わるかった|

主 ( あるじ ) の お そば に 控え ご 命令 に 従う こと おも||||||ひかえ||めいれい||したがう|

それ こそ が ―

た っち ・ み ー 様 に よって 執事 と して 生み出さ れ た |||-|さま|||しつじ|||うみださ||

私 ( わたくし ) の 存在 意義 です わたくし|||そんざい|いぎ|

( モモンガ ) そう か

さて 人 が いる 場所 を 探し て みる か |じん|||ばしょ||さがし|||

うん ?

祭り か ? まつり|

いえ これ は 違い ます |||ちがい|

( モモンガ ) うん ?

野 盗 で は ない よう だ が の|ぬす||||||

あっ !

( モモンガ ) おかしい

この 世界 に やって くる 前 で あれ ば 卒倒 し て い た はず な のに ― |せかい||||ぜん||||そっとう|||||||

なぜ 冷静 に 見て い られる の か |れいせい||みて||||

( モモンガ ) うん ?

( セバス ) どう 致し ます か ? ||いたし||

( モモンガ ) 見捨てる |みすてる

助け に 行く 理由 も 価値 も ない から な たすけ||いく|りゆう||かち||||

かしこまり まし た

( モモンガ ) た っち さ ん …

( プレイヤー A ) ポイント ゲット ! ぷれいやー|a|ぽいんと|げっと

( プレイヤー B ) あと 2 匹 で クラス チェンジ だ ぷれいやー|b||ひき||くらす|ちぇんじ|

( プレイヤー C ) さっさと 止め を 刺 せよ ぷれいやー|c||とどめ||とげ|

( モモンガ ) う っ

( プレイヤー A ) 異形 ( い ぎょ う ) 種 が ( プレイヤー B ) キモ い ん だ よ ぷれいやー|a|いぎょう||||しゅ||ぷれいやー|b|||||

( プレイヤー A ) え ー い ぷれいやー|a||-|

( モモンガ ) あ あっ

( モモンガ ) なぜ 見 も 知ら ない 俺 を ||み||しら||おれ|

( た っち ・ み ー ) 誰 か が 困って い たら 助ける の は 当たり前 ! |||-|だれ|||こまって|||たすける|||あたりまえ

( モモンガ ) フッ

フフ フッ

( モモンガ ) どちら に せよ この 世界 で の 自分 の 戦闘 能力 を |||||せかい|||じぶん||せんとう|のうりょく|

いつか は 調べ なく て は なら ない わけ です し ね ||しらべ|||||||||

( モモンガ ) セバス

私 は この 村 に 行く わたくし|||むら||いく

ナザ リック の 警備 レベル を 最大 限 引き上げろ |||けいび|れべる||さいだい|げん|ひきあげろ

( セバス ) はっ

( モモンガ ) アルベド に 完全 武装 で 来る よう に 伝えろ |||かんぜん|ぶそう||くる|||つたえろ

次に 後 詰め の 準備 だ つぎに|あと|つめ||じゅんび|

この 村 に 隠密 能力 に たける か ― |むら||おんみつ|のうりょく|||

透明 化 の 特殊 能力 を 持つ 者 を 複数 送り込め とうめい|か||とくしゅ|のうりょく||もつ|もの||ふくすう|おくりこめ

( セバス ) かしこまり まし た

( モモンガ ) た っち さ ん あなた へ の 恩 は 返し ます ||||||||おん||かえし|

( モモンガ ) “ 転移 門 ( ゲート ) ” |てんい|もん|げーと

( ネム ) お 姉ちゃん ||ねえちゃん

( エンリ ) ネム

( エンリ の 父 ) 逃げろ エンリ 逃げる ん だ ! ||ちち|にげろ||にげる||

う っ 早く 行け ! ||はやく|いけ

( エンリ ) ネム が 逃げる 時間 だけ は 稼が ない と |||にげる|じかん|||かせが||

( 騎士 A ) な っ … きし|a||

( エンリ ) う っ ああ …

( 騎士 A ) なん だ ? ( 騎士 B ) な っ … きし|a|||きし|b||

( エンリ ) あ あっ

( 2 人 の 驚く 声 ) じん||おどろく|こえ

( モモンガ ) “ 心臓 掌握 ( グラスプ ・ ハート ) ” |しんぞう|しょうあく||はーと

( エンリ ) あ あっ

( モモンガ ) この 世界 の 人間 たち に ― ||せかい||にんげん||

私 の 得意 と する 死霊 系 わたくし||とくい|||しりょう|けい

その 中 でも 高位 の 第 9 位 階 魔法 が 効か なけ れ ば ― |なか||こうい||だい|くらい|かい|まほう||きか|||

逃げる しか ない か と 思った の だ が にげる|||||おもった|||

( 騎士 C ) 化け物 ? きし|c|ばけもの

( モモンガ ) ふむ 人 を 殺し て も 何も 感じ ない ||じん||ころし|||なにも|かんじ|

やはり 肉体 のみ なら ず ― |にくたい|||

心 まで も 人間 を 辞め た と いう こと か こころ|||にんげん||やめ|||||

( 騎士 C ) くっ きし|c|

( モモンガ ) 女子 ( おん な こ ) ども は 追い 回せ る の に ― |じょし||||||おい|まわせ|||

毛色 が 変わった 相手 は 無理 か ? けいろ||かわった|あいて||むり|

せっかく 来 た ん だ |らい|||

無理やり に でも 実験 に つきあって もらう ぞ むりやり|||じっけん||||

( モモンガ ) “ 龍 雷 ( ドラゴン ・ ライトニング ) ” ( 騎士 C ) う う っ あっ う っ ! |りゅう|かみなり|||きし|c||||||

( 騎士 C ) う う う っ あ あー きし|c||||||

う あっ !

( モモンガ ) 弱い 第 5 位 階 魔法 程度 で 簡単 に 死ぬ と は |よわい|だい|くらい|かい|まほう|ていど||かんたん||しぬ||

中位 アン デッド 作成 死 の 騎士 ( デス ・ ナイト ) ちゅうい|||さくせい|し||きし||

( モモンガ ) げ っ 死体 に 乗り移る の か ? |||したい||のりうつる||

「 ユグドラシル 」 と は だいぶ 違う なあ ||||ちがう|

( エンリ ) ヒッ !

( モモンガ ) 死 の 騎士 この 村 を 襲って いる 騎士 を 殺せ |し||きし||むら||おそって||きし||ころせ

( 死 の 騎士 ) ぐ お おお し||きし|||

( モモンガ ) え ?

( モモンガ ) 盾 に なる モンスター が |たて||||

守る べき 者 を 置 い て いって どう する よ まもる||もの||お||||||

いや 命令 し た の は 俺 だ けど さあ |めいれい|||||おれ|||

( アルベド ) 準備 に 時間 が かかり 申し訳 あり ませ ん で し た |じゅんび||じかん|||もうしわけ||||||

( モモンガ ) いい や 実に よい タイミング だ アルベド |||じつに||たいみんぐ||

( アルベド ) ありがとう ござい ます

それ で この 下等 生物 の 処分 は どう なさい ます か ? |||かとう|せいぶつ||しょぶん|||||

( モモンガ ) とりあえず の 敵 は ― |||てき|

そこ に 転がって いる よろい を 着 た 者 たち だ ||ころがって||||ちゃく||もの||

( アルベド ) かしこまり まし た

( モモンガ ) ケガ を し て いる よう だ な |けが|||||||

( ネム ) う う ー ( モモンガ ) 飲め |||-||のめ

( エンリ ) 血 ? |ち

の … 飲み ます ! だ から 妹 に は … |のみ||||いもうと||

お 姉ちゃん ! ダメ だ よ ! |ねえちゃん|だめ||

( モモンガ ) 何 な の これ 完全 に 信用 さ れ て い ない |なん||||かんぜん||しんよう|||||

何 が ダメ な ん だ ろ う ? なん||だめ|||||

( アルベド ) 下等 生物 ふ ぜ いが ! |かとう|せいぶつ|||

( エンリ ) う う ー ( モモンガ ) ああ 待て ! 急ぐ な |||-|||まて|いそぐ|

( モモンガ ) 武器 を 下げろ |ぶき||さげろ

( アルベド ) かしこまり まし た

( モモンガ ) これ は 治癒 の 薬 だ 早く 飲む ん だ |||ちゆ||くすり||はやく|のむ||

( エンリ ) あ …

ウソ ! うそ

( モモンガ ) 痛み は なくなった な ? |いたみ|||

( エンリ ) あっ はい

( モモンガ ) ふむ お前 たち は 魔法 と いう もの を 知って いる か ? ||おまえ|||まほう|||||しって||

あ … はい 村 に 時々 来 ( こ ) ら れる 薬 師 ( くす し ) の … ||むら||ときどき|らい||||くすり|し|||

私 の 友人 が 魔法 を 使え ます わたくし||ゆうじん||まほう||つかえ|

( モモンガ ) そう か ならば 話 が 早い ||||はなし||はやい

私 は マジック キャスター だ わたくし||まじっく|きゃすたー|

“ 生命 拒否 の 繭 ( アンティ ライフ ・ コクーン ) ” せいめい|きょひ||まゆ||らいふ|

“ 矢 守り の 障壁 ( ウォール ・ オブ ・ プロテクション フロム アローズ ) ” や|まもり||しょうへき||おぶ|||

守り の 魔法 を かけ て やった まもり||まほう||||

そこ に いれ ば 大抵 は 安全 だ ||||たいてい||あんぜん|

それ と 念のため に これ を くれ て やる ||ねんのため||||||

吹け ば ゴブリン の 軍勢 が ― ふけ||||ぐんぜい|

お前 に 従う べく 姿 を 見せる はず だ おまえ||したがう||すがた||みせる||

そい つ ら を 使って 身 を 守る が よい ||||つかって|み||まもる||

( エンリ ) あっ あの !

た … 助け て くださって ありがとう ござい ます ! |たすけ|||||

ありがとう ござい ます !

( モモンガ ) 気 に する な |き|||

お … お 名前 は 何と おっしゃる ん です か ? ||なまえ||なんと||||

( モモンガ ) 名前 ? |なまえ

( モモンガ ) そう そう だ な

( モモンガ ) 我が 名 を 知る が よい |わが|な||しる||

我 こそ が ― われ||

アインズ ・ ウール ・ ゴウン |うーる|

( 村人 1 ) う ああ あー むらびと|||

( ロン デス ) あ あっ !

( 村人 たち の おびえる 声 ) むらびと||||こえ

( 村人 2 ) ハアッ ハアッ … むらびと||

( 死 の 騎士 ) ぐう う し||きし||

( ロン デス ) あ あっ

( 死 の 騎士 ) ぐ お おお し||きし|||

( 騎士 E ) う ああ あー きし|e|||

( 騎士 E ) ぐ あ あー きし|e|||

( ベリュース ) ヒッ !

( 騎士 F ) クソー ! きし|f|

な っ !

う あ ああ

( 逃げる 騎士 の 声 ) にげる|きし||こえ

( ロン デス ) 逃げ ない 相手 に は 剣 を 使わ ない ? ||にげ||あいて|||けん||つかわ|

楽し ん で いる の か ? たのし|||||

( 騎士 G ) 神 よ お 助け ください きし|g|かみ|||たすけ|

( 騎士 H ) 神 よ … きし|h|かみ|

( ベリュース ) 貴 様 ら あの 化け物 を 抑えよ ! |とうと|さま|||ばけもの||おさえよ

俺 は こんな 所 で 死 ん で いい 人間 じゃ ない ! おれ|||しょ||し||||にんげん||

お前 ら 時間 を 稼げ ! おまえ||じかん||かせげ

俺 の 盾 に なる ん だ おれ||たて||||

ベリュース 隊長 |たいちょう

( ベリュース ) う う ー ! |||-

ヒイー ! カネ ! カネ を やる 200 金貨 |かね|かね|||きんか

いや 500 金貨 だ |きんか|

う う ー 千 金貨 ||-|せん|きんか

( 騎士 E ) が あ あっ きし|e|||

( ベリュース ) アアーッ !

( ベリュース の 悲鳴 ) ||ひめい

あっ た … 助け て ! お 願い し ます 何でも し ます ! ||たすけ|||ねがい|||なんでも||

ギャア アー アアーッ !

お カネ … お カネ あげ ます ! |かね||かね||

アアー

お カネー !

( 騎士 H ) ヤダ ヤダ ヤダ ( 騎士 G ) 神様 きし|h||||きし|g|かみさま

落ち着け ! おちつけ

撤退 だ 合図 を 出し て 馬 と 弓 騎兵 ( きゅう き へい ) を 呼べ ! てったい||あいず||だし||うま||ゆみ|きへい|||||よべ

残り の 人間 は 時間 を 稼ぐ のこり||にんげん||じかん||かせぐ

行動 開始 ! こうどう|かいし

( 騎士 たち の 叫び声 ) きし|||さけびごえ

( ロン デス ) う おお おお !

う あっ !

( アインズ ) 死 の 騎士 よ そこ まで だ |し||きし||||

( アインズ ) はじめ まして 諸君 |||しょくん

私 は アインズ ・ ウール ・ ゴウン と いう わたくし|||うーる|||

( 騎士 たち の とまどう 声 ) きし||||こえ

( アインズ ) 諸君 に は 生き て 帰って もら お う |しょくん|||いき||かえって|||

そして 諸君 の 上司 飼い主 に 伝えろ |しょくん||じょうし|かいぬし||つたえろ

“ この 辺り で 騒ぎ を 起こす なら ― ” |あたり||さわぎ||おこす|

“ 今度 は 貴 様 ら の 国 まで 死 を 告げ に 行く ” と こんど||とうと|さま|||くに||し||つげ||いく|

行け ! そして 確実 に 我が 名 を 伝えよ いけ||かくじつ||わが|な||つたえよ

( 騎士 たち の 慌てふためく 声 ) きし|||あわてふためく|こえ

( アインズ ) フウ 演技 も 疲れる な ||えんぎ||つかれる|

( 村長 ) あ … あなた …\ N ( アインズ ) うん ? そんちょう|||n||

( 村長 ) あなた 様 は ? そんちょう||さま|

( アインズ ) この 村 が 襲わ れ て い た の が 見え た ので ね ||むら||おそわ|||||||みえ|||

助け に 来 た 者 だ たすけ||らい||もの|

( 村人 たち ) おお ! むらびと||

( アインズ ) さて 君 たち は もう 安全 だ 安 心して ほしい ||きみ||||あんぜん||やす|こころして|

( アインズ ) うん ?

( アインズ ) ふむ

( アインズ ) … と は 言え タダ と いう わけ で は ない |||いえ|ただ||||||

それなり の 礼 を 頂き たい ||れい||いただき|

( 村人 たち の 安ど の 声 ) むらびと|||あんど||こえ

( アインズ ) 営利 目的 と 思わ れ た ほう が |えいり|もくてき||おもわ||||

よけい な 疑い を かけ られ なく て 済む と いう もの か ||うたがい||||||すむ||||

しかし あの 姉妹 が おびえ て い た の は ― ||しまい|||||||

俺 の 骸骨 の 顔 だった の か おれ||がいこつ||かお|||

「 ユグドラシル 」 じゃ そんなに 珍しく は なかった ん だ が な |||めずらしく||||||

面倒 だ が 彼女 たち に は 口止め が 必要 か めんどう|||かのじょ||||くちどめ||ひつよう|

魔法 に よる 記憶 操作 が 有効 だ と いい ん だ が … まほう|||きおく|そうさ||ゆうこう||||||

( アインズ ) 村人 たち を 安心 さ せる ため に 金銭 を 要求 し た が |むらびと|||あんしん|||||きんせん||ようきゅう|||

本当 に 欲しい の は 情報 だ ほんとう||ほしい|||じょうほう|

この 世界 に 無知 で あれ ば ― |せかい||むち|||

権力 者 や 私 以上 の 強者 ( きょう し ゃ ) に 接触 し た とき に 大きな 弱点 と なる けんりょく|もの||わたくし|いじょう||きょうしゃ|||||せっしょく|||||おおきな|じゃくてん||

朴 とつ な 村長 夫妻 は 私 が へき地 で 研究 し て い た ― ぼく|||そんちょう|ふさい||わたくし||へきち||けんきゅう||||

世情 に 疎い 魔法 詠 唱 者 ( マジック キャスター ) で ある と いう 言い訳 を 信じ ― せじょう||うとい|まほう|よ|しょう|もの|まじっく|きゃすたー|||||いいわけ||しんじ

この 世界 に つい て 知る 限り の こと を 語って くれ た |せかい||||しる|かぎり||||かたって||

だが …

( アインズ ) クリスマスイブ に 一 定 時間 「 ユグドラシル 」 に いる と |||ひと|てい|じかん||||

問答 無用 で 手 に 入って しまう と いう ― もんどう|むよう||て||はいって|||

ある 種 呪わ れ た この 通称 嫉妬 ( しっと ) マスク を かぶって い て も ― |しゅ|のろわ||||つうしょう|しっと||ますく|||||

不審 が られ ない と は ― ふしん|||||

この 世界 の 魔法 詠 唱 者 と は どんな 存在 な の だ ろ う |せかい||まほう|よ|しょう|もの||||そんざい|||||

( アインズ ) まず 「 ユグドラシル 」 の 通貨 は ||||つうか|

この 世界 で は 流通 し て い ない らしい |せかい|||りゅうつう|||||

金 と して の 価値 は ある が 今後 使う の は 危険 かも しれ ない きむ||||かち||||こんご|つかう|||きけん|||

次に 周辺 国家 に つい て 聞い て み た つぎに|しゅうへん|こっか||||ききい|||

この 村 カルネ 村 と ナザ リック が ある 一帯 は ― |むら||むら||||||いったい|

リ ・ エスティーゼ 王国 と いう 国 の 領土 らしい ||おうこく|||くに||りょうど|

そして 南北 に 広がる 巨大 な 山脈 を 挟 ん で 隣接 する ― |なんぼく||ひろがる|きょだい||さんみゃく||はさ|||りんせつ|

バハルス 帝国 と いう 国 が ある と いう |ていこく|||くに||||

2 つ の 国 は 仲 が 悪く ― ||くに||なか||わるく

国境 付近 に 存在 する 城 塞 ( じ ょ う さ い ) 都市 エ ・ ラン テル 近く の 平野 で ― くにざかい|ふきん||そんざい||しろ|ふさ||||||とし||らん|てる|ちかく||へいや|

毎年 の よう に 争って いる そう だ まいとし||||あらそって|||

そして もう 1 つ

両 国 と 国境 を 挟 ん で 南方 に ある 国家 が ― りょう|くに||くにざかい||はさ|||なんぽう|||こっか|

スレ イン 法 国 |いん|ほう|くに

盾 の 紋章 から 村長 は 村 を 襲った の は ― たて||もんしょう||そんちょう||むら||おそった||

バハルス 帝国 の 騎士 と 推測 し て い た が ― |ていこく||きし||すいそく|||||

リ ・ エスティーゼ 王国 と バハルス 帝国 の 反目 を 狙った ― ||おうこく|||ていこく||はんもく||ねらった

スレ イン 法 国 の 偽装 で ある 可能 性 も 考慮 す べき か |いん|ほう|くに||ぎそう|||かのう|せい||こうりょ|||

失態 だ しったい|

騎士 の 1 人 は 捕まえ て 情報 を 引き出す べき だった きし||じん||つかまえ||じょうほう||ひきだす||

( 村長 ) どうか さ れ まし た か ? そんちょう||||||

( アインズ ) いえ 何でも あり ませ ん ||なんでも|||

それ より ほか の 話 を 聞か せ て は いただけ ない でしょう か ? ||||はなし||きか|||||||

( 村長 ) は … はい そんちょう||

村 から 一 番 近い 都市 は エ ・ ラン テル です むら||ひと|ばん|ちかい|とし|||らん|てる|

この 辺り に は ゴブリン や オーク ― |あたり|||||おーく

オーガ など の モンスター が 出 ます が ― |||||だ||

冒険 者 たち が 巡回 し て いる ので ― ぼうけん|もの|||じゅんかい||||

街道 沿い に 行け ば まず 安全 でしょ う かいどう|ぞい||いけ|||あんぜん||

( アインズ ) 冒険 者 ? |ぼうけん|もの

報酬 しだい で モンスター を 退治 する 者 たち です ほうしゅう|||||たいじ||もの||

エ ・ ラン テル に は 彼ら に 仕事 を あっせん する ― |らん|てる|||かれら||しごと|||

冒険 者 組合 が ある ん です よ ぼうけん|もの|くみあい|||||

( アインズ ) 冒険 者 組合 ? |ぼうけん|もの|くみあい

その エ ・ ラン テル の 人口 は どれ くらい でしょう か ? ||らん|てる||じんこう|||||

すみません 正確 な 数字 まで は … |せいかく||すうじ||

( アインズ ) そうです か |そう です|

( アインズ ) やはり 街 に でも 行って 暮らす 必要 が ある か ||がい|||おこなって|くらす|ひつよう|||

( アインズ ) この ワンド ・ オブ ・\ N リザレクション が あれ ば |||おぶ|n||||

村 の 死者 を 復活 さ せる こと は できる むら||ししゃ||ふっかつ|||||

… が 死 を 与える 魔法 詠 唱 者 と ― |し||あたえる|まほう|よ|しょう|もの|

死者 を よみがえら せる こと の できる 魔法 詠 唱 者 ― ししゃ|||||||まほう|よ|しょう|もの

どちら が やっかい ごと に 巻き込ま れる か は 想像 に 難く ない |||||まきこま||||そうぞう||かたく|

( アインズ ) 状況 が 変化 すれ ば 別 だ が ― |じょうきょう||へんか|||べつ||

今 は 村 を 救って やった こと で 満足 し て もら お う いま||むら||すくって||||まんぞく|||||

( アインズ ) これ で アインズ ・ ウール ・ ゴウン と いう 人物 が ||||うーる||||じんぶつ|

村人 を 救った と いう 情報 は 広まる だ ろ う むらびと||すくった|||じょうほう||ひろまる|||

「 ユグドラシル 」 の プレーヤー が ― ||ぷれーやー|

俺 以外 に も こちら の 世界 に 来 て いる の なら ば ― おれ|いがい|||||せかい||らい|||||

できる 限り 協力 し たい |かぎり|きょうりょく||

その ため に は 彼ら の 反感 を 買わ ない よう ― ||||かれら||はんかん||かわ||

不必要 な 殺りく は 避ける べき だ ふひつよう||さつりく||さける||

それ と 大義 名分 も 必要 だ な ||たいぎ|めいぶん||ひつよう||

どこ か の 国 を 後ろ盾 に し て おく の が 望ましい が … |||くに||うしろだて|||||||のぞましい|

ハア … もう いい

( アインズ ) ここ で す べき こと は 終わった |||||||おわった

アルベド 撤収 する ぞ |てっしゅう||

( アルベド ) 承知 致し まし た |しょうち|いたし||

( 村人 3 ) ああ どうも むらびと||

( アインズ ) 人間 が 嫌い か ? |にんげん||きらい|

( アルベド ) ぜい弱 な 生き物 下等 生物 |ぜいじゃく||いきもの|かとう|せいぶつ

虫 の よう に 踏みつぶし たら どれ だけ キレイ に なる か と ちゅう||||ふみつぶし||||||||

( アインズ ) アルベド

だが ここ で は 冷静 に 優しく ふるまえ ||||れいせい||やさしく|

演技 と いう の は 重要 だ ぞ えんぎ|||||じゅうよう||

( アインズ ) … とはいえ 俺 も 人 を 殺し て 何も 感じ なかった ||おれ||じん||ころし||なにも|かんじ|

これ は アン デッド に なった 影響 か … ||||||えいきょう|

( 村人 4 ) どう し ます か ? 村長 むらびと|||||そんちょう

何 か いい 手 は ? なん|||て|

( アインズ ) また やっかい ごと か

( アインズ ) どうか さ れ まし た か ? 村長 殿 |||||||そんちょう|しんがり

ああ アインズ 様 ||さま

実は この 村 に 騎士 風 の 者 たち が 近づ い て いる そう で … じつは||むら||きし|かぜ||もの|||ちかづ|||||

( アインズ ) なるほど

分かり まし た わかり||

村長 殿 の 家 に 生き残った 村人 を 至急 集め て ください そんちょう|しんがり||いえ||いきのこった|むらびと||しきゅう|あつめ||

村長 殿 は 私 たち と 共に 広場 に そんちょう|しんがり||わたくし|||ともに|ひろば|

はっ はい

私 は リ ・ エスティーゼ 王国 王国 戦士 長 ― わたくし||||おうこく|おうこく|せんし|ちょう

ガゼフ ・ ストロノーフ

この 近隣 を 荒らし 回って いる 帝国 の 騎士 たち を 討伐 する ため に |きんりん||あらし|まわって||ていこく||きし|||とうばつ|||

王 の ご 命令 を 受け 村 々 を 回って いる もの で ある おう|||めいれい||うけ|むら|||まわって||||

( 村長 ) 王国 戦士 長 …\ N ( アインズ ) うん ? そんちょう|おうこく|せんし|ちょう|n||

この 村 の 村長 だ な |むら||そんちょう||

横 に いる の は いったい 誰 な の か 教え て もらい たい よこ||||||だれ||||おしえ|||

この 方 は … |かた|

( アインズ ) それ に は 及び ませ ん ||||および||

はじめ まして 王国 戦士 長 殿 ||おうこく|せんし|ちょう|しんがり

私 は アインズ ・ ウール ・ ゴウン わたくし|||うーる|

この 村 が 襲わ れ て おり まし た ので ― |むら||おそわ||||||

助け に 来 た 魔法 詠 唱 者 です たすけ||らい||まほう|よ|しょう|もの|

う っ

この 村 を 救って いただき 感謝 の 言葉 も ない |むら||すくって||かんしゃ||ことば||

( ガゼフ の 部下 ) 戦士 長 ! ||ぶか|せんし|ちょう

周囲 に 複数 の 人影 しゅうい||ふくすう||ひとかげ

村 を 囲む よう な 形 で 接近 し つつ あり ます むら||かこむ|||かた||せっきん||||

( ガゼフ ) う う っ

♪~

~♪