Psycho-Pass Episode 20 psycho|pass|episode

「 どうぞ 奥 へ |おく|

足場 に 気 を 付け て 」 あしば||き||つけ|

いったい どこ へ 連れ て いく の |||つれ|||

「 今 から あなた が 目 に する の は いま||||め||||

この 世界 の 頭脳 で あり 心臓 部 で も ある 場所 です 」 |せかい||ずのう|||しんぞう|ぶ||||ばしょ|

世界 の 中心 せかい||ちゅうしん

これほど 驚異 的 な 技術 に よって |きょうい|てき||ぎじゅつ||

日々 の 食卓 が 賄わ れ て いる と いう のに ひび||しょくたく||まかなわ||||||

その こと を 認識 し て いる 市民 は 少な 過ぎ ます ね |||にんしき||||しみん||すくな|すぎ||

まったく 昨今 は どんな 科学 の 恩恵 も |さっこん|||かがく||おんけい|

さも 当然 の こと で ある か の よう に 享受 する 連中 ばかり で ね |とうぜん|||||||||きょうじゅ||れんちゅう|||

君 の よう に 関心 を 向け て くれる 若者 は きみ||||かんしん||むけ|||わかもの|

本当 に 珍しい ん だ よ ほんとう||めずらしい|||

嘆かわしい こと です なげかわしい||

現代 の 日本 の 食料 事情 を 成立 さ せ た 立役者 を こんな ふう に 引退 さ せ た まま げんだい||にっぽん||しょくりょう|じじょう||せいりつ||||たてやくしゃ|||||いんたい||||

放置 し て 一 人 に し て おく なんて ほうち|||ひと|じん|||||

僕 が 注目 し て いる の は ね ぼく||ちゅうもく||||||

ウカノミタマ 防御 ウイルス の 保安 体制 の 杜撰 さ です よ |ぼうぎょ|ういるす||ほあん|たいせい||ずさん|||

いくら 善玉 ウイルス と は いえ |ぜんだま|ういるす|||

シーケンサー へ の 入力 次第 で |||にゅうりょく|しだい|

攻撃 対象 を 任意 に 変更 できる なら こうげき|たいしょう||にんい||へんこう||

害虫 で は なく がいちゅう|||

麦 そのもの を 殺す よう 調整 する こと も 可能 だ むぎ|その もの||ころす||ちょうせい||||かのう|

ウカノミタマ は 収穫 を もたらす 豊穣 の 神 から ||しゅうかく|||ほうじょう||かみ|

死 を 運ぶ 悪魔 へ と 早変わり する し||はこぶ|あくま|||はやがわり|

き … 君 は … |きみ|

おまけに ウイルス の 調整 と 配給 を 行う 管理 センター に は |ういるす||ちょうせい||はいきゅう||おこなう|かんり|せんたー||

閉鎖 さ れ た 旧 大学 の 研究 所 を そのまま 転用 し て いる と いう へいさ||||きゅう|だいがく||けんきゅう|しょ|||てんよう|||||

まだ サイマティックスキャン に よる セキュリティー が 実用 化 さ れる 前 の 施設 だ ||||||じつよう|か|||ぜん||しせつ|

保安 体制 は 暗証 番号 か 生体 認証 が 関の山 ほあん|たいせい||あんしょう|ばんごう||せいたい|にんしょう||せきのやま

これ なら 曾 て の 責任 者 で ある あなた の 手 を 借り て ||そ|||せきにん|もの|||||て||かり|

簡単 に 突破 でき ます よ ね かんたん||とっぱ||||

管 巻 教授 かん|かん|きょうじゅ

「 以上 が シビュラシステム いじょう||

即 ち 我々 に つい て の 真相 です 」 そく||われわれ|||||しんそう|

縢 君 は … ここ で 死 ん だ の とう|きみ||||し|||

あなた たち が 殺し た の |||ころし||

「 縢 秀 星 が 生涯 を 通じ て 社会 に 果たす 貢献 と とう|しゅう|ほし||しょうがい||つうじ||しゃかい||はたす|こうけん|

シビュラシステム の 機密 漏えい の 危険 を 比較 検討 し ||きみつ|ろうえい||きけん||ひかく|けんとう|

後者 の 方 が より 重大 で ある と 判断 し まし た 」 こうしゃ||かた|||じゅうだい||||はんだん|||

ふざけ ない で よ

何 が 重大 だって の よ なん||じゅうだい|||

槙島 を 裁け なかった 役立た ず の くせ に まきしま||さばけ||やくだた||||

「 その とおり

シビュラシステム が サイコ パス を 解析 でき ない 免罪 体質 者 の 発生 は |||ぱす||かいせき|||めんざい|たいしつ|もの||はっせい|

確率 的 に 不可避 です 」 かくりつ|てき||ふかひ|

「 いかに 緻密 で 堅 牢 な システム を 構築 しよ う と |ちみつ||かた|ろう||しすてむ||こうちく|||

必ず それ を 逸脱 する イレギュラー は 一定 数 で 出現 し ます 」 かならず|||いつだつ||||いってい|すう||しゅつげん||

完璧 な システム が 聞い て あきれる わ かんぺき||しすてむ||ききい|||

こんな もの が 人 の 生き 死に を 決め てる なんて … |||じん||いき|しに||きめ||

「 ただ システム を 改善 し 複雑 化 する だけ で は |しすてむ||かいぜん||ふくざつ|か||||

永遠 に 完璧 さ は 望め ない 」 えいえん||かんぺき|||のぞめ|

「 ならば 機能 で は なく |きのう|||

運用 の 仕方 に よって 矛盾 を 解消 する しか ない 」 うんよう||しかた|||むじゅん||かいしょう|||

「 管理 し きれ ない イレギュラー の 出現 を 許容 し かんり||||||しゅつげん||きょよう|

共存 できる 手段 を 講じる こと で きょうぞん||しゅだん||こうじる||

システム は 事実 上 の 完璧 さ を 獲得 し ます 」 しすてむ||じじつ|うえ||かんぺき|||かくとく||

どういう こと よ

「 システム を 逸脱 し た 者 に は しすてむ||いつだつ|||もの||

システム の 運営 を 委ね れ ば いい 」 しすてむ||うんえい||ゆだね|||

「 これ が 最も 合理 的 結論 です 」 ||もっとも|ごうり|てき|けつろん|

「 我々 は 曾 て 個別 の 人格 と 肉体 を 備え て い た 頃 は われわれ||そ||こべつ||じんかく||にくたい||そなえ||||ころ|

いずれ も シビュラシステム の 管理 を 逸脱 し た 免罪 体質 者 で し た 」 ||||かんり||いつだつ|||めんざい|たいしつ|もの|||

「 中 に は 槙島 聖 護 より 遥か に 残忍 な 行為 を 行った 個体 も 多数 含ま れ て い ます 」 なか|||まきしま|せい|まもる||はるか||ざんにん||こうい||おこなった|こたい||たすう|ふくま||||

じゃあ シビュラ って …

悪人 の 脳 を 掻き集め た 怪物 が あくにん||のう||かきあつめ||かいぶつ|

この 世界 を 仕切って た って いう の |せかい||しきって||||

「 まず 初め に 善 と 悪 と いった 相対 的 な 価値 観 を 排斥 する こと で |はじめ||ぜん||あく|||そうたい|てき||かち|かん||はいせき|||

絶対 的 な システム が 確立 さ れる の です 」 ぜったい|てき||しすてむ||かくりつ||||

「 必要 な の は 完璧 に し て 無 謬 の システム そのもの 」 ひつよう||||かんぺき||||む|びゅう||しすてむ|その もの

「 それ を 誰 が どの よう に 運営 する か は 問題 で は あり ませ ん 」 ||だれ|||||うんえい||||もんだい|||||

バカ 言わ ない で ばか|いわ||

「 真に 完成 さ れ た システム で あれ ば しんに|かんせい||||しすてむ|||

運用 者 の 意志 は 問わ れ ませ ん 」 うんよう|もの||いし||とわ|||

「 我々 シビュラ の 意志 そのもの が システム で あり われわれ|||いし|その もの||しすてむ||

倫理 を 超越 し た 普遍 的 価値 基準 な の です 」 りんり||ちょうえつ|||ふへん|てき|かち|きじゅん|||

ふざけ ない で よ

何 様 の つもり よ なん|さま|||

「 ここ に いる 各 々 が 曾 て は 人格 に 多く の 問題 を 抱え て い た の は 事実 です 」 |||かく|||そ|||じんかく||おおく||もんだい||かかえ||||||じじつ|

「 だが 全員 の 精神 が 統合 さ れ 調和 する こと に よって |ぜんいん||せいしん||とうごう|||ちょうわ||||

普遍 的 価値 基準 を 獲得 する に 至って い ます 」 ふへん|てき|かち|きじゅん||かくとく|||いたって||

「 むしろ 構成 因子 と なる 個体 の 指向 性 は 偏った 特異 な も の ほど |こうせい|いんし|||こたい||しこう|せい||かたよった|とくい||||

我々 の 認識 に 新た な 着想 と 価値 観 を もたらし われわれ||にんしき||あらた||ちゃくそう||かち|かん||

思考 を より 柔軟 で 多角 的 な もの へ と 発展 さ せ ます 」 しこう|||じゅうなん||たかく|てき|||||はってん|||

「 その 点 に おい て |てん|||

槙島 聖 護 の 特異 性 は 極めて 貴重 な ケース で あり まきしま|せい|まもる||とくい|せい||きわめて|きちょう||けーす||

ひときわ 有用 な 構成 員 と して 期待 さ れ ます 」 |ゆうよう||こうせい|いん|||きたい|||

「 あらゆる 矛盾 と 不公平 の 解消 さ れ た 合理 的 社会 の 実現 」 |むじゅん||ふこうへい||かいしょう||||ごうり|てき|しゃかい||じつげん

「 それ こそ が 全て の 人類 の 理性 が 求める 究極 の 幸福 です 」 |||すべて||じんるい||りせい||もとめる|きゅうきょく||こうふく|

「 完全無欠 の システム と して 完成 する こと に より かんぜんむけつ||しすてむ|||かんせい||||

シビュラ は その 理想 を 体現 する 存在 と なり まし た 」 |||りそう||たいげん||そんざい||||

なぜ … そんな 話 を 私 に ||はなし||わたくし|

「 今 あなた は 我々 を 生理 的 に 嫌悪 し いま|||われわれ||せいり|てき||けんお|

感情 的 に 憎悪 し て いる 」 かんじょう|てき||ぞうお|||

「 それ でも シビュラシステム の 有意 性 と 必要 性 は 否定 でき て い ない 」 ||||ゆうい|せい||ひつよう|せい||ひてい||||

「 シビュラ 無く し て は 現在 の 社会 秩序 が 成立 し ない と いう 事実 を |なく||||げんざい||しゃかい|ちつじょ||せいりつ|||||じじつ|

まず 大 前提 と して 弁え て いる 」 |だい|ぜんてい|||わきまえ||

「 正当 性 より も 必要 性 に 重き を 置く あなた の 価値 基準 を せいとう|せい|||ひつよう|せい||おもき||おく|||かち|きじゅん|

我々 は 高く 評価 し て い ます 」 われわれ||たかく|ひょうか||||

秘密 を 守る ため に 縢 君 まで 殺し た くせ に … ひみつ||まもる|||とう|きみ||ころし|||

「 常 守 朱 は シビュラシステム と 共通 の 目的 意識 を 備え て いる 」 とわ|しゅ|しゅ||||きょうつう||もくてき|いしき||そなえ||

「 故に あなた が 我々 の 秘密 を 暴露 し て ゆえに|||われわれ||ひみつ||ばくろ||

システム を 危険 に 曝す 可能 性 は 限りなく 低い もの と 判定 し まし た 」 しすてむ||きけん||さらす|かのう|せい||かぎりなく|ひくい|||はんてい|||

なめる ん じゃ な いわ よ

あんた な ん か …

あんた な ん か …

「 再 確認 し ま しょ う 」 さい|かくにん||||

「 常 守 朱 … あなた は シビュラシステム の ない 世界 を 望み ます か 」 とわ|しゅ|しゅ||||||せかい||のぞみ||

「 そう 頷 こ う と して 躊躇 し て しまう 」 |うなず|||||ちゅうちょ|||

「 あなた が 思い描く 理想 は 現 時点 で 達成 さ れ て いる 社会 秩序 を ||おもいえがく|りそう||げん|じてん||たっせい|||||しゃかい|ちつじょ|

否定 できる ほど 明瞭 で 確固 たる もの で は ない 」 ひてい|||めいりょう||かっこ|||||

「 あなた は 現在 の 平和 な 社会 を 市民 の 幸福 と 秩序 に よる 安息 を ||げんざい||へいわ||しゃかい||しみん||こうふく||ちつじょ|||あんそく|

何より 重要 な もの と して 認識 し て いる 」 なにより|じゅうよう|||||にんしき|||

「 故に その 礎 と なって いる シビュラシステム を ゆえに||いしずえ|||||

いかに 憎悪 し 否定 しよ う と も 拒絶 する こと は でき ない 」 |ぞうお||ひてい|||||きょぜつ|||||

知った よう な 口 を 利か ない で しった|||くち||きか||

「 サイマティックスキャン に よる 反応 を 解析 すれ ば |||はんのう||かいせき||

あなた の 思考 は 全て 明確 に 把握 でき ます 」 ||しこう||すべて|めいかく||はあく||

「 虚勢 を 捨て 腹 を 割って 話し合い ま しょ う 」 きょせい||すて|はら||わって|はなしあい|||

「 この 会見 の 目的 は あなた と の 協力 関係 を 構築 する こと です 」 |かいけん||もくてき|||||きょうりょく|かんけい||こうちく|||

協力 きょうりょく

「 刑事 課 一 係 は 目下 の ところ 危機 的 状況 に あり ます 」 けいじ|か|ひと|かかり||もっか|||きき|てき|じょうきょう|||

「 狡 噛 慎 也 の 暴走 と 宜 野 座 伸 元 の 消耗 に より こう|か|まこと|や||ぼうそう||むべ|の|ざ|しん|もと||しょうもう||

チーム は 機能 不全 の 兆し を 見せ 始め て いる 」 ちーむ||きのう|ふぜん||きざし||みせ|はじめ||

「 新た な 統率 者 が 捜査 の 主導 権 を 握ら ない かぎり あらた||とうそつ|もの||そうさ||しゅどう|けん||にぎら||

槙島 聖 護 の 追跡 は 成果 を 望め ませ ん 」 まきしま|せい|まもる||ついせき||せいか||のぞめ||

宜 野 座 さん が … 消耗 むべ|の|ざ|||しょうもう

「 常 守 朱 」 とわ|しゅ|しゅ

「 あなた も また 余計 な 葛藤 に とらわれ て |||よけい||かっとう|||

本来 発揮 し 得る 潜在 能力 を 発揮 でき て い なかった 」 ほんらい|はっき||える|せんざい|のうりょく||はっき||||

「 状況 に 対 する 理解 の 不足 が じょうきょう||たい||りかい||ふそく|

あなた の 判断 力 を 鈍ら せ て い た の です 」 ||はんだん|ちから||なまら||||||

「 そこ で 我々 は 特例 的 な 措置 と して ||われわれ||とくれい|てき||そち||

シビュラシステム の 真実 を あなた に 開示 し まし た 」 ||しんじつ||||かいじ|||

「 真相 を 教える こと が あなた と いう 人物 に モチベーション を 与える 上 で しんそう||おしえる||||||じんぶつ||||あたえる|うえ|

最善 な 方法 と 判断 し たから です 」 さいぜん||ほうほう||はんだん|||

「 常 守 朱 … とわ|しゅ|しゅ

あなた も 槙島 聖 護 に 対 する 狡 噛 慎 也 の 私的 制裁 を 否定 し て いる 」 ||まきしま|せい|まもる||たい||こう|か|まこと|や||してき|せいさい||ひてい|||

「 あなた も 我々 も 感情 論 に よる 無益 な 犠牲 を 避けよ う と して いる 点 で ||われわれ||かんじょう|ろん|||むえき||ぎせい||さけよ|||||てん|

価値 観 は 共通 し て い ます 」 かち|かん||きょうつう||||

私 は 槙島 の 罪 が 正しく 裁か れる べき だ と 思って いる だけ わたくし||まきしま||ざい||まさしく|さばか|||||おもって||

あなた たち だって 法 を 犯し た 前科 が ある なら |||ほう||おかし||ぜんか|||

それ に 見合った 償い を する べき な の よ ||みあった|つぐない||||||

「 社会 に 対 する 我々 の 貢献 は しゃかい||たい||われわれ||こうけん|

過去 の 被害 に 対 する 補償 と して 充分 に 過ぎる もの です 」 かこ||ひがい||たい||ほしょう|||じゅうぶん||すぎる||

都合 が いい の ね つごう||||

あと 三 分 で 私 の 未来 も 確定 か … |みっ|ぶん||わたくし||みらい||かくてい|

憂鬱 ゆううつ

ゆき って ば そこ まで 最終 考査 の スコア ヤバ かった わけ |||||さいしゅう|こうさ||すこあ|||

もう 最悪 よ |さいあく|

どんな 仕事 に 就く 羽目 に なる やら … |しごと||つく|はめ|||

シビュラ 診断 の ない 時代 だったら |しんだん|||じだい|

幸せ に なれる か どう か 運 任せ だった しあわせ||||||うん|まかせ|

昔 に 比べ たら さ よほど いい じゃ ん むかし||くらべ||||||

佳織 は 複数 適性 もらえ そう だ から いい よ ね かおり||ふくすう|てきせい|||||||

就職 先 より 取り 見取り じゃ ん しゅうしょく|さき||とり|みとり||

私 だって 朱 ほど じゃ な いわ よ わたくし||しゅ|||||

この 子 の 最終 考査 見 た |こ||さいしゅう|こうさ|み|

ポイント ７００ よ ぽいんと|

信じ らん ない しんじ||

あっ 昔 から 試験 の とき だけ は ラッキー な ん だ よ 私 |むかし||しけん|||||らっきー|||||わたくし

朱 の スコア と サイコ パス なら しゅ||すこあ|||ぱす|

本当 人生 ばら色 よ ね ほんとう|じんせい|ばらいろ||

そ そんな かな

あっ 来 た |らい|

う わ っ Ｃ 判定 |||ｃ|はんてい

分かっちゃ い た けど ショック だ わ わかっちゃ||||しょっく||

私 な ん か 事務 職 ばっ か わたくし||||じむ|しょく||

ここ から レベル アップ し て く の 厳しい な ||れべる|あっぷ|||||きびしい|

ねぇ ねぇ 朱 は どんな だった ||しゅ|||

見せ て 見せ て みせ||みせ|

う わ っ す ご 中央 省庁 全部 に 適性 出 てん じゃ ん |||||ちゅうおう|しょうちょう|ぜんぶ||てきせい|だ|||

ちょっと あんた この スコア 本当 に すごい よ |||すこあ|ほんとう|||

公安 局 の 適性 まで 出 てる こうあん|きょく||てきせい||だ|

で でも さ

こんなに 何 から 何 まで 薦め られ て も |なん||なん||すすめ|||

じゃあ 結局 どれ が いい の か |けっきょく|||||

私 どう やって 決め たら い い ん だ ろ う わたくし|||きめ|||||||

分 っか ん ねえ よ ぶん||||

俺 なんか に 分かる わけ ねえ じゃ ん おれ|||わかる||||

あんた は 何 に でも なれ た ||なん||||

どんな 人生 を 選ぶ こと だって でき た |じんせい||えらぶ||||

それ で 悩み さえ し た ん だ ろ ||なやみ||||||

すげ え よ な まるで シビュラ が できる 前 の ジジ ババ み て え だ ||||||||ぜん|||||||

うん すごい よ ね

誰 も が 自分 の 人生 を 手探り で 選 ん で た だれ|||じぶん||じんせい||てさぐり||せん|||

それ が 当たり前 の 世界 が あった なんて ね ||あたりまえ||せかい||||

今 じゃ シビュラシステム が そい つ の 才能 を 読み取って いま|||||||さいのう||よみとって

一 番 幸せ に なれる 生き 方 を 教え て くれる って の に ひと|ばん|しあわせ|||いき|かた||おしえ|||||

本当 の 人生 ほんとう||じんせい

生まれて き た 意味 うまれて|||いみ

そんな もん で 悩む やつ が いる なんて |||なやむ||||

考え も し なかった よ かんがえ||||

そう だ ね 重たく て つらい 悩み だ よ |||おもたく|||なやみ||

でも ね 今 で は 思う ん だ ||いま|||おもう||

それ を 悩む こと が できる って ||なやむ||||

本当 は とても 幸せ な こと じゃ ない か って ほんとう|||しあわせ||||||

僕 は ね 人 は 自ら の 意志 に 基づ い て 行動 し た とき のみ ぼく|||じん||おのずから||いし||もとづ|||こうどう||||

価値 を 持つ と 思って いる かち||もつ||おもって|

だから 様々 な 人間 に 秘め たる 意志 を 問いただし |さまざま||にんげん||ひめ||いし||といただし

その 行い を 観察 し て き た |おこない||かんさつ||||

そう ね あなた の 気持ち ||||きもち

今 なら 少し だけ 分かる かも いま||すこし||わかる|

そもそも 何 を 持って 犯罪 と 定義 する ん だ |なん||もって|はんざい||ていぎ|||

君 が 手 に し た その 銃 きみ||て|||||じゅう

ドミネーター を つかさどる シビュラシステム が 決める の か |||||きめる||

違う よ ね それ が そもそも の 間違い だった ちがう|||||||まちがい|

サイマティックスキャン で 読み取った 生体 力 場 を 解析 し ||よみとった|せいたい|ちから|じょう||かいせき|

人 の 心 の 在り 方 を 解き明かす じん||こころ||あり|かた||ときあかす

科学 の 英知 は ついに 魂 の 秘密 を 暴く に 至り かがく||えいち|||たましい||ひみつ||あばく||いたり

この 社会 は 激変 し た |しゃかい||げきへん||

だが その 判定 に は 人 の 意志 が 介在 し ない ||はんてい|||じん||いし||かいざい||

君 たち は いったい きみ|||

何 を 基準 に 善 と 悪 を より分け て いる ん だ ろ う ね なん||きじゅん||ぜん||あく||よりわけ|||||||

きっと 大切 だった の は |たいせつ|||

善 か 悪 か の 結論 じゃ ない ぜん||あく|||けつろん||

それ を 自分 で 抱え て 悩 ん で 引き受ける こと だった ん だ と 思う ||じぶん||かかえ||なや|||ひきうける||||||おもう

僕 は 人 の 魂 の 輝き が 見 たい ぼく||じん||たましい||かがやき||み|

それ が 本当 に 尊い もの だ と 確かめ たい ||ほんとう||とうとい||||たしかめ|

だが 己 の 意志 を 問う こと も せ ず |おのれ||いし||とう||||

ただ シビュラ の 神 託 の まま に 生きる 人間 たち に |||かみ|たく||||いきる|にんげん||

果たして 価値 は ある ん だ ろ う か はたして|かち|||||||

な い わけない でしょ う

あなた が 価値 を 決める って いう の ||かち||きめる|||

誰 か の 家族 を 友達 を だれ|||かぞく||ともだち|

あなた の 知ら なかった 幸せ を ||しら||しあわせ|

面白く って 楽 ちん で おもしろく||がく||

つらい こと なんて 何も なかった |||なにも|

全部 誰 か に 任せ っ 放し で ぜんぶ|だれ|||まかせ||はなし|

何 が 大切 な こと な の か なんて 考え も し なかった なん||たいせつ|||||||かんがえ|||

ねえ 朱 |しゅ

それ でも 私 は 幸せ だった と 思う ||わたくし||しあわせ|||おもう

幸せ に なれ た よ しあわせ||||

それ を 探す こと は いつ だって でき た ||さがす||||||

生き て さえ いれ ば いき||||

誰 だって だれ|

はい 常 守 です |とわ|しゅ|

いったい どこ を ほっ つき 歩 い て い た |||||ふ||||

この 非 常時 に |ひ|じょうじ|

あっ えっ と

局長 の 命令 で ちょっと 厚生 省 まで 届け 物 を きょくちょう||めいれい|||こうせい|しょう||とどけ|ぶつ|

市川 で 殺人 事件 だ いちかわ||さつじん|じけん|

現場 から 狡 噛 の 指紋 が 出 た げんば||こう|か||しもん||だ|

すぐに 来い |こい

了解 です りょうかい|

直ちに 急行 し ます ただちに|きゅうこう||

シビュラシステム 聞こえ てる ん でしょ |きこえ|||

あなた たち の 言いなり に なる 上 で 一 つ 条件 が ある わ |||いいなり|||うえ||ひと||じょうけん|||

伺い ま しょ う うかがい|||

槙島 聖 護 を 生き た まま 捕らえ て 連れ て き たら まきしま|せい|まもる||いき|||とらえ||つれ|||

代わり に 狡 噛 慎 也 の 命 も 保証 し て かわり||こう|か|まこと|や||いのち||ほしょう||

彼 の 処刑 指令 を 取り下げ て かれ||しょけい|しれい||とりさげ|

それ は 理論 的 に 等 価 性 の 成立 し ない 提案 です ||りろん|てき||とう|か|せい||せいりつ|||ていあん|

あなた たち の 理論 なんて どう で も いい わ |||りろん||||||

狡 噛 さ ん が 助から ない なら こう|か||||たすから||

私 は 槙島 も 見殺し に する わたくし||まきしま||みごろし||

いざ と なれ ば この 手 で 殺し て やる |||||て||ころし||

どう 言いなり に なら ない 私 の こと も 始末 する |いいなり||||わたくし||||しまつ|

いい わ よ 縢 君 み たい に 殺し なさい よ |||とう|きみ||||ころし||

そうして 他 に 利用 でき そう な 手 駒 を 探す の ね |た||りよう||||て|こま||さがす||

了解 し まし た りょうかい|||

槙島 聖 護 が 無事 確保 さ れ た 場合 に 限り まきしま|せい|まもる||ぶじ|かくほ||||ばあい||かぎり

狡 噛 慎 也 に は 特例 措置 を 講じ ま しょ う こう|か|まこと|や|||とくれい|そち||こうじ|||

約束 よ やくそく|

遅い ぞ おそい|

すみません

状況 は じょうきょう|

近隣 住民 から 例の ヘルメット の 目撃 情報 が 届 い た んで な きんりん|じゅうみん||れいの|へるめっと||もくげき|じょうほう||とどけ||||

いざ 聞き込み に 回って み たら |ききこみ||まわって||

この 家 だけ セキュリティー が つぶさ れ て た |いえ|||||||

で 踏み込 ん だ ら この ありさま さ |ふみこ||||||

被害 者 は 管 巻 宣昭 ひがい|もの||かん|かん|のぶあき

元 は 農林 省 管轄 の 研究 所 に 勤務 し て まし た が もと||のうりん|しょう|かんかつ||けんきゅう|しょ||きんむ|||||

かなり 以前 に 引退 し て |いぜん||いんたい||

今 は 何 の 変哲 も ない 年金 受給 者 です いま||なん||へんてつ|||ねんきん|じゅきゅう|もの|

家 捜し し た 痕跡 の 中 に 狡 噛 の 指紋 が あった いえ|さがし|||こんせき||なか||こう|か||しもん||

しかし 何で また |なんで|

この 首 の 傷 |くび||きず

槙島 聖 護 の 仕業 かも まきしま|せい|まもる||しわざ|

この 老人 が 槙島 の 次 の 計画 に 関与 し て い て |ろうじん||まきしま||つぎ||けいかく||かんよ||||

それ を 突き止め た 狡 噛 さ ん が 駆け付け た もの の 一 歩 遅かった ||つきとめ||こう|か||||かけつけ||||ひと|ふ|おそかった

やはり 狡 噛 が 先 を 行って いる って こと か |こう|か||さき||おこなって||||

それにしても

この じいさん が いったい どうして 槙島 に 殺さ れ た の か |||||まきしま||ころさ||||

ここ まで 徹底 し て 荒らさ れ た 後 じゃ な ||てってい|||あらさ|||あと||

狡 噛 さ ん が 今 一 番 望ま ない 展開 は 何 でしょう こう|か||||いま|ひと|ばん|のぞま||てんかい||なん|

槙島 を 取り逃がす こと です よ ね まきしま||とりにがす||||

じゃあ 二 番 目 に 望ま ない 展開 は |ふた|ばん|め||のぞま||てんかい|

槙島 を 仕留める 前 に 俺 たち に 見つかる こと か まきしま||しとめる|ぜん||おれ|||みつかる||

そう です ね

その 順序 で 考え ま しょ う |じゅんじょ||かんがえ|||

もし 先 に この 現場 に たどり つい た 狡 噛 さ ん が |さき|||げんば|||||こう|か|||

死体 を どこ か 見つかり にくい 場所 に 隠し て い たら したい||||みつかり||ばしょ||かくし|||

管 巻 宣昭 は 行方 不明 の まま かん|かん|のぶあき||ゆくえ|ふめい||

私 たち は 見当違い の 捜索 を 続け わたくし|||けんとうちがい||そうさく||つづけ

さらに 差 を つけ られ て い た |さ||||||

時間 稼ぎ に は それ が 一 番 だった はず な ん だ じかん|かせぎ|||||ひと|ばん|||||

でも そう し なかった

狡 噛 さ ん は 自信 過剰 な タイプ じゃ ない こう|か||||じしん|かじょう||たいぷ||

万が一 自分 が 失敗 し た とき に まんがいち|じぶん||しっぱい||||

他の 誰 か が 槙島 を 止め られる よう たの|だれ|||まきしま||とどめ||

手掛かり だけ は 残し て いった と 思い ます てがかり|||のこし||||おもい|

問題 は その 手掛かり に いつ 気付く か もんだい|||てがかり|||きづく|

試さ れ てる ん です 私 たち ためさ|||||わたくし|

槙島 を 追う ため に まきしま||おう||

狡 噛 さ ん と 同じ か それ 以上 の 執念 を 持って いる か どう か こう|か||||おなじ|||いじょう||しゅうねん||もって||||

その 覚悟 が ない 人間 は ここ で 足止め さ れ 出遅れる |かくご|||にんげん||||あしどめ|||でおくれる

喉 と 両目 の 傷 を 集中 スキャン のど||りょうめ||きず||しゅうちゅう|すきゃん

何 か ない なん||

被害 者 の 気道 内部 に 金属 反応 を 探知 ひがい|もの||きどう|ないぶ||きんぞく|はんのう||たんち

手袋 を てぶくろ|

お っ おい 検視 に 任せろ |||けんし||まかせろ

それ が 狡 噛 さ ん の 時間 稼ぎ です ||こう|か||||じかん|かせぎ|

追い 付こ う と 思ったら 今 この 場 で おい|つけこ|||おもったら|いま||じょう|

洗浄 せんじょう

音声 データ です ね おんせい|でーた||

元 執行 官 の 狡 噛 だ もと|しっこう|かん||こう|か|

この メッセージ は もう しばらく し たら やって 来る で あ ろ う |めっせーじ|||||||くる||||

公安 局 の 刑事 に 向け て 残す こうあん|きょく||けいじ||むけ||のこす

あいつ

被害 者 は 元 農学 博士 管 巻 宣昭 ひがい|もの||もと|のうがく|はかせ|かん|かん|のぶあき

ハイパー オーツ の 疫病 対策 で ある |||えきびょう|たいさく||

ウカノミタマ ` ウイルス の 開発 責任 者 |ういるす||かいはつ|せきにん|もの

日本 の 完全 食料 自給 に 関わる 最大 の 功労 者 だ と さ れ て い た にっぽん||かんぜん|しょくりょう|じきゅう||かかわる|さいだい||こうろう|もの|||||||

槙島 聖 護 は 北陸 の 穀倉 地帯 を 壊滅 さ せる ため の まきしま|せい|まもる||ほくりく||こくそう|ちたい||かいめつ||||

何らか の アイデア を 管 巻 教授 から 引き出し そして 殺し た なんらか||あいであ||かん|かん|きょうじゅ||ひきだし||ころし|

死体 は 眼球 を えぐら れ したい||がんきゅう|||

指 は 全て 第 二 関節 で 切断 ゆび||すべて|だい|ふた|かんせつ||せつだん

何らか の セキュリティー を 突破 する の に 必要 な の かも しれ ない なんらか||||とっぱ||||ひつよう|||||

防犯 設備 が サイマティックスキャン で は なく ぼうはん|せつび|||||

まだ 旧式 の 生体 認証 に 頼って い た ころ の 古い 施設 |きゅうしき||せいたい|にんしょう||たよって|||||ふるい|しせつ

おそらくは 管 巻 の 研究 チーム が 使って い た |かん|かん||けんきゅう|ちーむ||つかって||

出雲 大学 の ラボ が 怪しい いずも|だいがく||||あやしい

現在 は ウカノミタマ * ウイルス の 管理 センター に 転用 さ れ て いる げんざい|||ういるす||かんり|せんたー||てんよう||||

そこ が 槙島 の 標的 と 予想 さ れる ||まきしま||ひょうてき||よそう||

穀倉 地帯 の 壊滅 こくそう|ちたい||かいめつ

単独 で バイオ テロ だ と たんどく|||てろ||

急ぎ ま しょ う いそぎ|||

今 なら まだ きっと 間に合い ます いま||||まにあい|

さて 始めよ う か |はじめよ||