Another Episode 4 Another Episode 4

三 年 三 組 で 人 が 死 ん だ ん だ よ ね みっ|とし|みっ|くみ||じん||し||||||

大騒ぎ だった よ な おおさわぎ|||

階段 から 落ち た とき かいだん||おち||

投げ出し た 傘 の 先 が 喉 に 突き刺さった ん だ って なげだし||かさ||さき||のど||つきささった|||

え まじ

あまり に 悲惨 だった から ||ひさん||

目撃 者 に は 箝口令 が 敷か れ た らしい ぞ もくげき|もの|||かんこうれい||しか||||

女子 の クラス 委員 長 だった ん でしょ じょし||くらす|いいん|ちょう|||

同じ 日 に その 人 の お 母さん も 事故 で 亡くなった って おなじ|ひ|||じん|||かあさん||じこ||なくなった|

これ って や っぱ 例 の 「 呪い 」 ||||れい||まじない

知って る の か お前 しって||||おまえ

密か に 有名 らしい じゃ ん ひそか||ゆうめい|||

呪わ れ た 三 年 三 組 って のろわ|||みっ|とし|みっ|くみ|

二十六 年 前 の あの 話 から にじゅうろく|とし|ぜん|||はなし|

今年 は 「 ある 年 」 だった って こと ことし|||とし|||

な の かな 去年 は 「 無い 年 」 だった みたい だ けど |||きょねん||ない|とし||||

始まっちゃ っ たら 毎月 誰 か が 死ぬ ん だ よ ね はじまっちゃ|||まいつき|だれ|||しぬ||||

毎月 一 人 か それ 以上 まいつき|ひと|じん|||いじょう

クラス の 関係 者 が な くらす||かんけい|もの||

生徒 だけ じゃ なく て せいと||||

家族 は 危ない って さ かぞく||あぶない||

親 兄弟 が 特に おや|きょうだい||とくに

え よく 知って ん だ ||しって||

剣道 部 の 先輩 で 三 組 の 人 が い て さ けんどう|ぶ||せんぱい||みっ|くみ||じん||||

こっそり 教え て くれ た ん だ よ |おしえ||||||

あの 人 は 全然 信じ て ない 感じ だった けど |じん||ぜんぜん|しんじ|||かんじ||

でも 実際 人 死 ん でる し |じっさい|じん|し|||

だ よ な

やっぱり 近づか ない ほう が いい よ な あの クラス に は |ちかづか||||||||くらす||

だ よ ね

夜 ヲ 覆 ウ 目蓋 開 ケ よ||おお||まぶた|ひらき|

凶 キ 影 ヲ 恐 レルナカレ きょう||かげ||こわ|

仄 くら き 柩 から そく|||ひつぎ|

産み 堕 と さ れ た 人形 の よう に うみ|だ|||||にんぎょう|||

躰 は 赤く 凍え からだ||あかく|こごえ

心 は 闇 に あやさ れ 育つ こころ||やみ||||そだつ

君 に 僕 が 見える かい きみ||ぼく||みえる|

つなぐ 手 の 冷た さ に |て||つめた||

鮮血 の 爪 立てる せんけつ||つめ|たてる

眉 寄せ て ごらん よ まゆ|よせ|||

壊し 合 お う 先 に 続く 謎 に 満ちる 結末 を こわし|ごう|||さき||つづく|なぞ||みちる|けつまつ|

羽 も 脚 も もが れ た まま はね||あし|||||

虚 空 の なか 朽ち果てる より きょ|から|||くちはてる|

もう ひと り 僕 が い て |||ぼく|||

誰 か を 痛い ほど 愛し て いる ん だ だれ|||いたい||あいし||||

さ ぁ どっち が 幻 だ ろ う ね ||||まぼろし||||

榊原 くん 大丈夫 胸 の 具合 さかきばら||だいじょうぶ|むね||ぐあい

ええ 何とか |なんとか

なんだか 大変 な 現場 を 見 ちゃ った ん だ し |たいへん||げんば||み|||||

体 に も 応える よ ね からだ|||こたえる||

知って る ん です か しって||||

弟 から 聞い た の おとうと||ききい||

同じ クラス な ん だって ね うち の 下 の 弟 おなじ|くらす|||||||した||おとうと

バスケ 部 の 水野 猛 |ぶ||みずの|もう

おお

これ から 診察 ||しんさつ

はい

じゃ その後 で 会 お っか |そのご||かい||

えっ

ホント は 夜勤 明け で とっくに 帰って る はず な のに ほんと||やきん|あけ|||かえって||||

色々 引っ張ら れ ちゃ って ね いろいろ|ひっぱら||||

なんか 気 に なる の よ ね 色々 と |き||||||いろいろ|

それ に ほら 例の 件 も ある し |||れいの|けん|||

四 月 に 病院 で 死 ん だ 子 の こと です か よっ|つき||びょういん||し|||こ||||

あんまり 思いつめ ない よう に ね |おもいつめ||||

もし また 入院 なんて こと に なって も ||にゅういん|||||

私 が 真心 込め て 面倒 を 見 て あげる から わたくし||まごころ|こめ||めんどう||み|||

はい その 時 は よろしく ||じ||

じゃ 後 で ね |あと||

普通 に 学校 へ 行く 分 に は 問題 なし ふつう||がっこう||いく|ぶん|||もんだい|

ただ 激しい 運動 は まだ 禁止 です よ |はげしい|うんどう|||きんし||

あと 一 ヶ月 様子 を 見 ま しょ う か |ひと|かげつ|ようす||み||||

はい

お 待た せ |また|

どう だった

水野 さん の お 世話 に は なら ず に 済み そう です みずの||||せわ||||||すみ||

まあ それ は 残念 |||ざんねん

ちょっと 遅く なった けど どこ か で お 昼 食べる |おそく|||||||ひる|たべる

眼帯 の 女の子 の いとこ が 藤岡 未 咲 ちゃん だった って わけ か がんたい||おんなのこ||||ふじおか|み|さ|||||

さて めったに 会話 の ない 弟 から ちょっと 聞い て み た ん だ けど ||かいわ|||おとうと|||ききい||||||

榊原 くん の クラス って なんだか 訳 あり 見 たい ねえ さかきばら|||くらす|||やく||み||

訳 あり やく|

そ 詳しく は 話し て くれ ない ん だ けど ね |くわしく||はなし|||||||

知って る ん でしょ しって|||

訳 あり の 訳 です か やく|||やく||

何 か ある の は 確か だ と 思う ん です けど なん|||||たしか|||おもう|||

誰 も 教え て くれ ない みたい な だれ||おしえ|||||

そ っか でも あいつ 怯え てる みたい な の よ ね 何となく だ けど ||||おびえ|||||||なんとなく||

どういう こと です

先週 の 事故 は ただ の 事故 じゃ ない って 思って る みたい せんしゅう||じこ||||じこ||||おもって||

事故 じゃ ない その こと に 怯え てる じこ||||||おびえ|

そう

どうして

あの 見 崎 鳴って いう 名前 聞い た こ と あり ます か |み|さき|なって||なまえ|ききい||||||

見 崎 み|さき

見 崎 鳴 み|さき|な

誰 三 組 の 女子 生徒 です だれ|みっ|くみ||じょし|せいと| 弟 さん から 聞い た こ と あり ませ ん か おとうと|||ききい|||||||

だから ほとんど 口 を 効か ない 姉弟 （ きょう だい ） 何 だって っ ば ||くち||きか||してい|||なん|||

実は さっき お 話 し た 眼帯 の 女の子 が 見 崎 鳴って いう 子 何 です じつは|||はなし|||がんたい||おんなのこ||み|さき|なって||こ|なん|

ほほ う 榊原 くん は あれ か その 鳴 ちゃん の こと が 好き な ん だ ||さかきばら||||||な|||||すき|||

そんな ん じゃ ない です

ただ ひどく 気 に なって ||き||

クラス の 中 で 彼女 妙 な 感じ だ から くらす||なか||かのじょ|たえ||かんじ||

そういう の を 好き って 言う の |||すき||いう|

違い ます って ちがい||

分かった 分かった わかった|わかった

で その 鳴 ちゃん が どう 妙 な の ||な||||たえ||

えっ と 彼女 自身 が そもそも 変わった 子 な ん です ||かのじょ|じしん|||かわった|こ|||

始め は クラス で ちょっと 苛め られ てる の か な と も 思った ん です けど はじめ||くらす|||いじめ||||||||おもった|||

そういう 感じ で も なく て |かんじ||||

むしろ 皆 彼女 を 怖がって る って いう か |みな|かのじょ||こわがって||||

怖がって る こわがって|

ちょっと 違う ん です けど |ちがう|||

「 い ない もの の 相手 を する の は よせ 」 なんて 言う 奴 も い て ||||あいて|||||||いう|やつ|||

い ない もの

彼女 に よれ ば 皆 に は 自分 の こと が 見え て ない ん だ と か かのじょ||||みな|||じぶん||||みえ||||||

そんな ところ へ 先週 の あの 事故 が 起こった わけ な ん です |||せんしゅう|||じこ||おこった||||

普通 に 考え れ ば 単なる 偶然 よ ね ふつう||かんがえ|||たんなる|ぐうぜん||

その 二 つ を 結びつける もの は 何も 無い し |ふた|||むすびつける|||なにも|ない|

でしょう

もう 一 つ 気 に なる 事 が あって |ひと||き|||こと||

これ は 二十六 年 前 の 話 らしく て ||にじゅうろく|とし|ぜん||はなし||

知って まし た この 話 しって||||はなし

初耳 ね はつみみ|

私 南中 だった から わたくし|なんちゅう||

この 話 が どう 関係 する の か まだ 分から ない ん です けど |はなし|||かんけい|||||わから||||

何 か 繋がり が ある よう に 思え て なん||つながり|||||おもえ|

なるほど ね

なんだか 話 が ホラー め い て き た なあ |はなし||||||||

じゃ ちょっと 弟 に 探り を 入れ て みよ う か ||おとうと||さぐり||いれ||||

明日 は 学校 あした||がっこう

そう です

何 か 分かったら 電話 する ね なん||わかったら|でんわ||

次 の 病院 は つぎ||びょういん|

今週 の 土曜 に こんしゅう||どよう|

六 月 六 日 か むっ|つき|むっ|ひ|

この 町 に ダミアン が いる と は 思え ない けど |まち|||||||おもえ||

でも まあ お互い 気 を つけ ま しょ ||おたがい|き||||

普通 起こり え ない よう な 事故 に は 特に ね ふつう|おこり|||||じこ|||とくに|

この 町 に ダミアン が いる と は 思え ない けど |まち|||||||おもえ||

まさか

あ お 仲間 発見 ||なかま|はっけん

やっ ほ 恒一 ちゃん ばっ くれ ||つねいち|||

いや 病院 の 帰り な ん だ けど |びょういん||かえり||||

あ そう か そう だ よ ね

綾 野 さん は 風邪 でも 引 い た の あや|の|||かぜ||ひ|||

あ そう そう

綾 野 さん 演技 上手い ね あや|の||えんぎ|うまい|

なんか 悔しい けど ちょっと 嬉しい |くやしい|||うれしい

嬉しい の うれしい|

うん 部活 の 成果 が 出 てる って こと だ もん ね |ぶかつ||せいか||だ||||||

何 部 な の なん|ぶ||

生きる べき か 死ぬ べき か いきる|||しぬ||

それ が 問題 だ ||もんだい|

あ 演劇 部 |えんげき|ぶ

うん 泉美 も ね |いずみ||

泉美 って 誰 だ っけ いずみ||だれ||

赤沢 泉美 あかさわ|いずみ

あの 子 は ちょっと やり すぎ な ところ も ある けど |こ|||||||||

演技 も そう な ん だ けど ね えんぎ|||||||

けど 悪い 子 じゃ ない から |わるい|こ|||

だから 恒一 ちゃん も なる べく 協力 し て あげて ほしい な |つねいち|||||きょうりょく|||||

え う ん

嫌 だ 嫌 だ 嫌 だ 嫌 だ いや||いや||いや||いや|

死ぬ の は 嫌 だ しぬ|||いや|

嫌 だ いや|

嫌 いらっしゃい いや| おや 若い 男の子 と は 珍しい ね |わかい|おとこのこ|||めずらしい|

お 客 さん かい それとも |きゃく|||

こんにちは

中学生 かい ちゅうがくせい|

だったら 半額 で いい よ |はんがく|||

はい

まあ ゆっくり 見 て おい き なさい な ||み|||||

ほか に お 客 さん は い ない し |||きゃく|||||

偶然 ね こんな ところ で また ぐうぜん|||||

今日 は どうして ここ に きょう||||

病院 の 帰り道 偶々 前 を 通って びょういん||かえりみち|たまたま|ぜん||かよって

君 は 学校 行って ない の きみ||がっこう|おこなって||

まっ 適当 に ね |てきとう||

具合 は 大丈夫 な の ぐあい||だいじょうぶ||

再 入院 は 避け られ た かな さい|にゅういん||さけ|||

あの 後 |あと

事故 の 後 クラス の 様子 は どう じこ||あと|くらす||ようす||

皆 怯え てる みな|おびえ|

何 に なん|

始まった と 思って はじまった||おもって

始まった はじまった

心 の 底 で は 半信半疑 で い た の かも しれ ない こころ||そこ|||はんしんはんぎ|||||||

あんな こと が あって

榊原 くん に は あんな ふう に 言った けど さかきばら|||||||いった|

100 % 信じ て なかった ん だ と 思う しんじ||||||おもう

でも ね やっぱり ある みたい

たぶん 100 % 確実 に |かくじつ|

うん

それ が 始まって しまった から ||はじまって||

だから

榊原 くん は 今 も 知ら ない まま か さかきばら|||いま||しら|||

だったら いっそ このまま 知ら ない で いる べき な の かも |||しら|||||||

知って しまったら しって|

いったい 三 組 に は 何 が |みっ|くみ|||なん|

学校 に は 行け そう な の がっこう|||いけ|||

うん 明日 から |あした|

なら 私 は 姿 を 見せ ない ほう が いい か |わたくし||すがた||みせ|||||

どうして

気 を つけ て き|||

ね 見 崎 |み|さき

どうして どうして

あの な 教え て ほしい の は こっち の ほう な の ||おしえ|||||||||

どうして レー ちゃん おはよう おはよう

恒一 くん つねいち|

大丈夫 です か だいじょうぶ||

ちょっと 頭痛 が ね 最近 なんだか 多い の よ ね |ずつう|||さいきん||おおい|||

い や ん なっちゃ う

疲れ てる ん じゃ ない です か 色々 と つかれ|||||||いろいろ|

まあ ね

ね 怜子 さん |れいこ|

前 に 「 知る タイミング 」 み たい な こ と 言って まし た よ ね ぜん||しる|たいみんぐ||||||いって||||

それ って どう やって 測れ ば いい ん です か ||||はかれ|||||

言った っけ そんな こと いった|||

ええ と じゃ 怜子 さん が 三 年 の 時 何 組 だった ん です か |||れいこ|||みっ|とし||じ|なん|くみ||||

私 が 中 三 の 時 わたくし||なか|みっ||じ

三 組 だった みっ|くみ|

三 組 みっ|くみ

それ じゃ 怜子 さん の 年 に は もう ||れいこ|||とし|||

「 呪わ れ た 三 年 三 組 」 み たい に 言わ れ て まし た のろわ|||みっ|とし|みっ|くみ||||いわ||||

忘れ ちゃ った わ 十五 年 も 前 の こと だ から わすれ||||じゅうご|とし||ぜん||||

明日 から また 学校 よ ね あした|||がっこう||

夜 見 北 で の 心構え 覚え てる よ|み|きた|||こころがまえ|おぼえ|

ええ

心構え その 三 も こころがまえ||みっ|

もちろん その 四 も ||よっ|

その 三 は 「 クラス の 決め 事 は 絶対 に 守る よう に 」 で し た っけ |みっ||くらす||きめ|こと||ぜったい||まもる||||||

そ っ それ

あ えっ と 何 だ っけ |||なん||

心構え その 三 です よ こころがまえ||みっ||

そ っか えっ と ね 「 クラス の 決め 事 は ちゃんと 守る よう に 」 って いう |||||くらす||きめ|こと|||まもる||||

つまり

大丈夫 です か だいじょうぶ||

やっぱり 疲れ てる みたい |つかれ||

ごめん ね 恒一 くん だめ だ な ||つねいち||||

どうして

やめ て よ

私 苦手 な の あの 鳥 わたくし|にがて||||ちょう

桜木 さん 西 階段 使った ん だ ね さくらぎ||にし|かいだん|つかった|||

何で わざわざ 遠い ほう に 行 くっ つ な なんで||とおい|||ぎょう|||

何 か 理由 が あった ん じゃ ない か な なん||りゆう|||||||

多佳子 が 見 た って たかこ||み||

杉浦 さん が 何 を すぎうら|||なん|

恒一 ちゃん が つねいち||

今年 は 「 ない 年 」 だ と 思って た のに ことし|||とし|||おもって||

可能 性 と して は 二 つ かのう|せい||||ふた|

今年 は 「 ない 年 」 で ことし|||とし|

ゆかり の 事故 は 本当 に 偶然 ||じこ||ほんとう||ぐうぜん

もう 一 つ は 五 月 から 始まった |ひと|||いつ|つき||はじまった

対策 係 と して は 希望 的 な 見解 に かける こと は でき ない わ ね たいさく|かかり||||きぼう|てき||けんかい||||||||

ゆかり だけ なら ともかく お 母さん も だし ね |||||かあさん|||

彼 が 決め 事 を 破って しまったら かれ||きめ|こと||やぶって|

しかし 何で わざわざ 転校 生 を 三 組 に 入れる かな |なんで||てんこう|せい||みっ|くみ||いれる|

学校 の 都合 ね がっこう||つごう|

今 の 校長 何て 事情 ほとんど 分かって ない らしい し いま||こうちょう|なんて|じじょう||わかって|||

先生 が 説明 し て くれる はず じゃ せんせい||せつめい|||||

先生 は 先生 で 生徒 同士 の ほう が いい と 考え た の かも せんせい||せんせい||せいと|どうし||||||かんがえ|||

先生 も 触り たく ない って か せんせい||さわり||||

私 が 初日 に 休 ん で しまった から わたくし||しょにち||きゅう||||

事前 に ちゃんと 話し て おけ ば こんな こと に は じぜん|||はなし|||||||

過ぎ て しまった こと は しょ が ない よ すぎ||||||||

問題 は この 後 どう する か もんだい|||あと|||

あいつ に どう 分から せる かって の も 問題 だ な |||わから|||||もんだい||

難しい よ ね 今 から 説明 する の は むずかしい|||いま||せつめい|||

下手 の 説明 は 危険 よ へた||せつめい||きけん|

自 縄 自 縛 って 感じ だ よ ね じ|なわ|じ|しば||かんじ|||

これ って 状況 的 に は 二 年 前 と 同じ よ ね ||じょうきょう|てき|||ふた|とし|ぜん||おなじ||

新しい 対策 が 必要 って こと あたらしい|たいさく||ひつよう||

だった ん だって よ

ま じ で

お っ おお

今 どこ いま|

う っ

「 う 」 じゃ ない って 今 どこ に いる ん だ ||||いま|||||

先週 から 何度 か 電話 し た ん だ けど 出 なかった ね せんしゅう||なんど||でんわ||||||だ||

すま ん タイミング が 悪 くって さ ||たいみんぐ||あく||

それ に お前 具合 が 悪かった だ ろ う ||おまえ|ぐあい||わるかった|||

六 月 に なったら 教え て くれる って 約束 し た よ ね むっ|つき|||おしえ||||やくそく||||

「 始まり の 年 」 み たい な こ と も 言って た よ ね はじまり||とし|||||||いって|||

その後 何 が あった の そのご|なん|||

ちょっと 待って よ なあ サカキ |まって|||さかき

確かに 約束 は し た さ たしかに|やくそく||||

し た ん だ が な

状況 が 変わった の じょうきょう||かわった|

そう 状況 が 変わった ん だ よ |じょうきょう||かわった|||

本来 この 案件 は 対策 係 が 扱う べき もの な の ほんらい||あんけん||たいさく|かかり||あつかう||||

それ を この 男 が 勝手 な こと を する から |||おとこ||かって|||||

ややこしい こと に なって しまった

だから

約束 は なかった こと に する やくそく|||||

ええ これ は 私 から の お 願い |||わたくし||||ねがい

いいえ 三 組 の 総意 と して の お 願い |みっ|くみ||そうい|||||ねがい

じゃあ さあ 「 い ない もの の 相手 は よせ 」 ||||||あいて||

「 ヤバイ ん だ よ それ 」 って 言った よ ね ||||||いった||

あれ は どういう 意味 |||いみ

どういう こと

はい

いや

榊原 くん 昼 休み だ よ ね 電話 いい かな さかきばら||ひる|やすみ||||でんわ||

ちゃんと 説明 し て |せつめい||

そんな 言葉 が どういう 意味 を 持つ か 分かって る の |ことば|||いみ||もつ||わかって||

どう し た ん です か

榊原 くん に 確認 し て おき たく って それ で ね さかきばら|||かくにん||||||||

確認 って かくにん|

いい 昨日 話し て くれ た 鳴 ちゃん |きのう|はなし||||な|

見 崎 鳴って いう 女の子 ね み|さき|なって||おんなのこ|

本当 に いる の その 子 ほんとう|||||こ

はい い ます よ

近く に いる ちかく||

確かに いる たしかに|

今 は いま|

今日 は 朝 から 学校 に は 来 て なく て きょう||あさ||がっこう|||らい|||

い ない の ね

どう し た って 言う ん です か ||||いう|||

ゆうべ 弟 を 問いただし て み た の |おとうと||といただし||||

二十六 年 前 の 話 と か 先週 の 事故 の こと は 黙り で ね にじゅうろく|とし|ぜん||はなし|||せんしゅう||じこ||||だまり||

ところ が ね 鳴 ちゃん の こと を 聞い たら |||な|||||ききい|

急に 血相 を 変え て きゅうに|けっそう||かえ|

「 なん だ よ それ 」 って

「 そんな やつ うち の クラス に い ない 」 って ||||くらす||||

凄い 真剣 に 言う の すごい|しんけん||いう|

嘘 です よ うそ||

でも あいつ 本当 に 真剣 だった し ||ほんとう||しんけん||

そんな 嘘 を つく 必要 何て |うそ|||ひつよう|なんて

見 崎 鳴 は い ます み|さき|な|||

え 水野 さん 聞こえ て ます か |みずの||きこえ||| 屋上 から エレベーター 乗った の そろそろ 戻ら ない と おくじょう||えれべーたー|のった|||もどら||

それ で 電波 が ||でんぱ|

でも これ

水野 さん 聞こえ ます か どう し た ん です みずの||きこえ|||||||

色褪せ て く フィルム の よう に いろあせ|||ふぃるむ|||

確か な 今 も いずれ 霞 ん で たしか||いま|||かすみ||

何でもなく 笑い あった なんでもなく|わらい|

刹那 の 時間 と 光 せつな||じかん||ひかり

繋がって ゆく 記憶 の 底 に つながって||きおく||そこ|

誰 か が 見つける ため ある と 信じ てる 今 でも だれ|||みつける||||しんじ||いま|