episode 02「 目指せ 、 女子 力 UP !!」
( 菜緒 ( なお )) 上原 ( うえ はら ) 君
もう お 昼 だ よ
ねえ ねえ 今日 天気 いい し ど っか 行か ない ?
( 物音 )
えっ えっ えっ …
えっ えっ … ええ ー !
上原 君 じゃ ない 人 と キス しちゃ った
しかも 上原 君 に 見 られちゃ った し
( 夏目 ( なつ め )) 悪い
マジ 本気で 寝ぼけて た
本当 ごめん
( 上原 ) 何 人 ん ち で 寝ぼけて んだ よ
何 ?
いや 本当 新鮮 って いう か
上原 本当 菜緒 ちゃん の こと が 好きな んだ な
お前 悪い と 思って ねえ だ ろ
いや 思って る よ
本当 申し訳ない
ああ どう しよう …
( 大きな 物音 )
( 物音 )
まさか
上原 君 夏目 君 の こと 殴っちゃ ったり して
ダメ ダメ ダメダメダメ … ダメだ よ 上原 君 !
待って 私 の せい で ケンカ なんて やめて …
え ?
( 上原 ) 何 言って んだ お前
あれ … あれ ?
菜緒 ちゃん さっき は 本当 ごめん
別の 子 と 勘違い しちゃ った
勘違い ?
そんな こと ある ?
って いう か 何 して ん の ?
( 上原 ) この 棚 ずっと 移動 し たかった から 手伝って もらって んだ よ
( 菜緒 ) ちょ … ちょっと 上原 君
( 上原 ) 何 ?
あの …
さっき の あれ なんだ けど
あっ … 全然 気 に し ないで ね
私 てっきり 上原 君 が 寝て る の か と 思って
そ したら いきなり
キ … キス さ れちゃ って
ああ
気 に して ねえ から 全然
え ?
あいつ も わざと じゃ ねえ し
たまたま タイミング が 悪かった だけ だ ろ
えっ そう だ けど …
でも さ ちょっと は …
もう いい だ ろ 俺 まだ 片づけ ある から
( 夏目 ) 次 何 すれば いい ?
( 上原 ) じゃあ これ で あの 棚 拭いて
( 夏目 ) オッケー
もう 人 の 気 も 知ら ないで
上原 君 の バカ !
大丈夫 ? 菜緒 ちゃん
ああ
あと これ 全部 運ぶ から さ
これ 持って
ああ
あと これ も
や っぱ もめちゃ った か
本当 ごめん
だから もう い いって
本当 わざと じゃ ない から
フッ …
分かった
でも 最後 まで 手伝えよ
( 夏目 ) オッケー ( 上原 ) ああ あと ―
吉川 ( よし かわ ) に は ―
俺 ら が もめた こと 言う な よ
了解
♪~
~♪
( 太田 ( おお た )) 確かに ちょっと は 嫉妬 して ほしい よ ね
でしょ ? な のに さ
キス ぐらい 大した こと ないだ ろ みたいな 澄ました 顔 しちゃ って さ
もう 腹 立つ よ
菜緒 ちゃん いろいろ こぼれ てるよ
って いう か 何 な の よ あの チャラ 男 は
あんな ヤツ さ
一 発 ぶん 殴って さ
( 太田 ) 菜緒 ちゃん ?
ボコボコ に して さ 蹴 っ 飛ばして さ
お 母さん に 言いつけちゃ えば いい んだ よ
蹴 っ 飛ばして …
( 菜緒 ) あ べ っち ( 太田 ) えっ あ べ っち ?
どうした の ? また フラ れた の ?
( 阿部 ( あ べ )) フラ れた
上原 に
( 菜緒 ・ 太田 ) え ?
あいつ 最近 夏目 と ばっ か 一緒に いて
俺 の こと 振り向いて くれ ない んだ よ
いや 振り向いて くれ ない って
俺 と 上原 の 間 に は
そんな ん じゃ 揺るが ない 友情 が あった のに
私 と 上原 君 の 間 に も
絶対 揺るが ない 愛情 あった もん
2 人 と も 過去 形 な の ね
( 菜緒 ) 夏目 君 さえ い なければ ( 阿部 ) 夏目 さえ い なければ
( 菜緒 ) あっ
もう 俺 は 吉川 の ダークオーラ に は 引きずり込ま れ ない ぞ
へ ?
だって 見て みろ よ
俺 ら 以外 みんな キラッキラ して る ぞ
ハッ …
ああ …
あっ キラキラ …
確かに …
この テーブル だけ よどんで る かも
決めた 俺 サークル 探す
で 新しい 世界 と 彼女 見つける
私 も 行 こうかな 彼 氏 欲しい し
( 阿部 ) マジ で ? ( 菜緒 ) えっ 太田 ちゃん まで ?
吉川 どう す ん の ?
私 は 別に 一応 彼 氏 いる し
( 阿部 ) ふ ー ん
まっ 1 人 だけ 取り残さ れて も 知ら ない ぞ
みんな 大学 生活 エンジョイ し ながら 大人 の 階段 上って いく のに
じゃあ
( 太田 ) じゃ
( 菜緒 ) えっ ちょ …
私 だけ 高校 生 の まま って こと ?
えっ ちょっと 待って よ
( 女子 学生 たち の 歓声 )
( 女子 学生 たち の 歓声 )
ハァ …
( 大きな 物音 )
( 紗栄 子 ( さえ こ )) ふざけ ん じゃ ない わ よ !
だから 今 どこ
言い訳 して んじゃ ねえ よ いい から すぐ 来い ! った く
あっ どうも
あっ こ ない だの
どうかした んです か ?
バイト が さ ちょっと キツ いこ と 言ったら 早速 遅刻
メンタル 弱 すぎ だ ろ
( メール の 着信 音 )
は あ ? 電話 して こい よ あの 野郎 !
( 携帯 電話 の 音声 ) お かけ に なった 電話 は …
電源 切り や がった ! ん ん ー !
もし かして 君 暇 ?
まあ … はい
お 願い 手伝って
大した 仕事 じゃ ないし バイト 代 結構 いい よ
( 上原 ) マジ っす か ( 紗栄 子 ) うん
これ 仕分け して あと …
この データ PC 入力
私 今 手 が 離せ ない から 質問 は 受けつけ ない
じゃ よろしく
お っ …
( 紗栄 子 ) あー
( 男子 学生 ) さっき の 中間 子 を 使う 実験 研究 所 に お 願い して みた
( 男子 学生 ) そのまま 続けて やって みよう
( 女子 学生 の 英語 )
( 男子 学生 の 英語 )
( 菜緒 ) マイ ネーム イズ ナオ
や っぱ こっち みんな 頭 よ さ そう
( 太田 ) だ ね
って か 何で ここ 来た の ?
サークル は 混合 の ところ が 多い んだ よ
そ っ 出会う チャンス も 2 倍 って こと
じゃあ 俺 は 目 つけて る とこ ある から
スーッ
アハハッ
( 太田 ) ねえ ( 菜緒 ) ん ?
私 も 見 たい サークル が あって
男子 から の 人気 ナンバーワン って ところ
ヘヘヘッ
菜緒 ちゃん 一緒に 行って くれ ない ?
うん いい よ 行 こ
( 太田 ) やった ありがとう あっ ち に ある の
( 男子 学生 )2 人 と も 緊張 し なくて いい から ね
( 菜緒 ) はい ( 太田 ) お 願い し ます
いくよ
はい はい
はい はい はい …
菜緒 ちゃん ? 菜緒 ちゃん
テニス は うち ら に は 合わ ない かも ね
( 菜緒 ) えっ …
( 太田 ) 頑張って …
( 太田 ) 菜緒 ちゃん ?
( チアリーダー だ ち ) ゴー ! ( 菜緒 ) イエーイ !
君 仕事 早い ねえ
コーヒー どうぞ
お っ 気 が 利く フフッ
あっ しかも おいしい
一応 喫茶 店 で バイト して る んで
もう さ こっち の バイト 1 本 に 絞れば ?
( 上原 ) え ? ( 紗栄 子 ) 研究 者 志望 ?
ああ いや まだ 決めて は ない …
何事 も やって みて 損 は ない わ よ
研究 者 って 仕事 を 知れる し バイト 代 も 入る
って いう か 教授 も 私 も
今 学会 の 準備 で てんてこまい で さ
研究 室 に いて くれる 人 が 欲しい んだ よ ね
それ って ここ に 出 はいり 自由 って こと …
もちろん
ちょっと 待って もらえ ます か
( 明 ) はい
あっ そう か そう か
上原 君 も 将来 を 見据えて バイト を 選ぶ 時期 が 来 たって こと だ
ハハッ いい んだ いい んだ
いって らっしゃい
店長 …
( 明 ) コーヒー 運んで る 場合 じゃ ない よ な
それ は 違い ます
ん ?
( 上原 ) 俺 ―
店長 に は いろいろ お 世話に なって
接客 と かも 勉強 さ せて もらい ました し
何より 店長 の …
( 明 ) 上原 君 ( 上原 ) 店長 の 賄い
本気で めちゃくちゃ うまかった です
( 上原 ) ありがとう ございました
あっ 賄い ね
あっ 何 だ よ ハハッ
最後 まで 上原 君 らしい な うん
上原 君 グッドラック
( 明 ) 上原 君 と 僕 が 出会った の は あれ は 何 年 前 だ
あれ は 確か 寒い 冬 の …
( 紗栄 子 ) よし じゃあ 決まり ね ( 上原 ) はい
あー よかった
もう 整理 し なきゃ いけない もの いっぱい あって さ
早速 だ けど こん 中 に
ミトコンドリア の 塩基 配列 を 比較 した 論文 が …
って 分かる わけない よね 1 年 な のに
これ っす か ?
ハッ … 君 本当 優秀だ ね
( 上原 ) もともと 興味 は あった んで ( 紗栄 子 ) 生物 学 に ?
( 上原 ) はい ( 紗栄 子 ) 珍しい ね
やり たいこ と あって 学部 決める なんて
最近 の 若者 に して は
最近 の 若者 って いい 方 古い です
( 紗栄 子 ) 私 実験 中 は それ しか 目 に 入ら なく なる んだ けど
( 上原 ) 知って ます ( 紗栄 子 ) これ から は
私 が いくら 散らかして も 全部 君 が ?
( 上原 ) 片づけ ます ( 紗栄 子 ) よろしく
ああ ー 涼しい !
や っぱ 落ち着く ね 太田 ちゃん
シッ ! シーッ
( 菜緒 ) あっ ヘヘッ
菜緒 ちゃん 大丈夫 ?
うん 大丈夫 大丈夫
あっ でも 運動 系 ピンと こ なかった から
文化 系 やって み よっ か
( 太田 ) そうだ ね ( 菜緒 ) うん
あっ !
上原 君 が 白衣 着 てる !
フフッ かっこいい
( 太田 ) ちょっと ちょっと ちょっと
シーッ
( 菜緒 ) あっ ( 太田 ) ハハ …
( 菜緒 ) すいません でした
( 菜緒 ) あっ
何 やって んだ よ お前
いや たまたま 上原 君 が いた から ―
チラッ と 見た だけ だし ( 太田 ) 菜緒 ちゃん
チラッ と じゃ ねえ だ ろ 今 の
授業 中 ?
いや バイト
え ?
この 研究 室 で 助手 の バイト 始める こと に なった から
( ドア が 開く 音 )
あっ …
あっ
あの キレイ な 人 は ?
ああ 教授 の アシスタント やって る 研究 職 の 人
へえ
ふ ー ん 2 人 で 仕事 して る んだ
まあ な
って か お前 何で そんな 髪 ボサボサ な んだ よ
あっ
いや 上原 君 に 関係ない し
私 は 私 で いろいろ ある んだ もん
だ な
じゃあ な
( 菜緒 ) えっ えっ ? あっ あっ …
( 菜緒 ) 大人 の 女 の 人だった ね
フェロモン 満載
( 太田 ) あ … 大丈夫だ よ
あの 菜緒 ちゃん は 菜緒 ちゃん の 魅力 が ある んだ から
まあ フェロモン は ちょっと あれ だ けど
あっ でも 菜緒 ちゃん は あの … ほら あれ だ
小 動物 的な チワワ みたいな
ワンワン って
( 菜緒 ) ありがとう
でも チワワ じゃ フェロモン に は 勝て ない よ
( 太田 ) あー フフッ まあ ね
( 菜緒 ) あー あ
上原 君 私 が キス して も 全然 平気 そうだった のに
また 私 ばっ か 嫉妬 して る
菜緒 ちゃん …
( 菜緒 ) これ だ ( 太田 ) ん ?
これ だ よ
ねっ これ だ よ 太田 ちゃん これ 行 こ
え ?
“ 女子 力 アップ は もちろん 自分 自身 を 見つめ 直す の に 最適 ”
“ 人間 力 は 恋愛 力 に も 通じ ます ”
そう な の ?
私 も 雑念 振り払って
大人 の 階段 上って みせ ましょう
( 太田 ) へ ? へ ?
フフフッ
菜緒 ちゃん ? え ?
えっ 菜緒 ちゃん ? 菜緒 ちゃん ちょっと 待って
ああ っ すいません すいません すいません でした
菜緒 ちゃ ー ん
とりあえず 行って みよう
え ? え ?
( 菜緒 ) あれ ?
あれ ?
痛い 痛い 痛い 痛い …
どうぞ
( 太田 ) 大丈夫 ? ( 菜緒 ) うん
( 太田 ) ええ …
( 菜緒 ) 行 こ ( 太田 ) え ?
えっ 菜緒 ちゃん ?
菜緒 ちゃん 待って ああ …
( 菜緒 ) 何 か 蹴っちゃ った ね
( 物音 )
( 菜緒 と 太田 の 悲鳴 )
( 菜緒 ) えっ …
( 太田 ) 散らかって る
( 太田 ) ここ なんだ
ねえ やっぱり やめ ない ?
行く
( 菜緒 ) 失礼 し ます
わ あ …
( 菜緒 ) うわ あー !
かわいい
ねっ ねえ 見て 太田 ちゃん
( 菜緒 ・ 太田 ) ケーキ フフフッ
( 菜緒 ) ねえ 太田 ちゃん ここ 入 ろ
( 太田 ) うん ! ( 菜緒 ) うん !
( 藤岡 ( ふじ おか )) 手芸 サークル “ BABY ( ベイビー ) BABY ( ベイビー )” へ ようこそ
部長 の 藤岡 です
( 菜緒 ) よろしく お 願い し ます ( 太田 ) お 願い し ます
( 藤岡 ) よかった ー
まだ 新入 生 が 1 人 しか 入って くれ なくて
もう 廃部 か と 思って た の
( 菜緒 ) えっ 何で ?
だって こんな かわいい し ステキだ し
ありがとう 早速 何 か 作って みる ?
ここ に ある の 全部 私 の 手作り な の
( 太田 ・ 菜緒 ) え えっ !
イタッ
( 菜緒 ) フフッ まずは これ を 練習 して ―
うまく いったら 上原 君 の クッション に 刺しゅう する んだ
いや 刺しゅう より も …
( 菜緒 ) イタッ
もっと 簡単な やつ の ほう が
( 藤岡 ) それ が いい かも ね ( 菜緒 ) 大丈夫です
私 これ を 究め ます ね
( 藤岡 ・ 太田 ) ええ ー
( 女子 学生 ) ウッソー 本当に ここ ?
( 女子 学生 ) えー ヤバ い ボロボロ だ よ ?
( 女子 学生 ) 何 か 汚い よ
( 夏目 ) 大丈夫 中 は びっくり する くらい オシャレ だ から
この 声
まさか …
やっぱり
あれ 菜緒 ちゃん ?
何で い ん の ?
何で って こっち が 聞き たい よ
( 女子 学生 ) 超 かわいい ー !
( 女子 学生 たち の 歓声 )
( 女子 学生 ) ヤバ い
廃部 の 危機 って いう から 友達 連れて きた けど
もう いら なかった ?
2 人 が 入って くれた から
そ っか
“ そ っか ” って どう す ん の ?
( 女子 学生 ) うわ あ これ も かわいい !
どうした の ? 柊 ( しゅう )
君 ら 誘った の 間違い だった
え ?
こんな キレイ な 手 が
わ っ … え ?
こんな 無残な 姿 に なる の 俺 イヤ だ から
( 菜緒 ) は あ ?
入部 は 取りやめ に しよ
( 女子 学生 ) うん ( 菜緒 ) 無残 …
無残 …
しょうがない じゃ ん
また ね
( 女子 学生 たち ) うん また ね
お 見事
うん
うん
って どこ が ? チャラ いだけ じゃ ん こんな の
部長 と 太田 ちゃん 遅い ね
どこ まで 飲み物 買い に 行って んだ ろ
2 人きり って 何 か 気まずい ね
別に
って いう か 何で 夏目 君 手芸 サークル ?
手先 の 器用な 男 って モテ る でしょ
やっぱり ね
どうせ そんな こと か と 思った よ
や っぱ まだ キス の こと 怒って る ?
別に
二度と 致し ませ ん
( 菜緒 ) 当たり前でしょ
そんな の 2 回 も 3 回 も あったら
イッタ …
あー あ 大丈夫 ?
さっき から 何 回 ぶ っ 刺して ん の ?
ごめん
俺 菜緒 ちゃん みたいな 小 動物 系 無理
笑っちゃ う
って か 同い年 の 子 って 何 か 物足りない んだ よ ね
うん
だったら …
秘密の 花園 に でも 行って れば いい でしょ
秘密の 花園 ?
( 菜緒 ) いい 場所 ? ( 夏目 ) そう
楽しい キャンパス ライフ を 送る ため の
秘密の 花園
言 っと く けど ね
上原 君 そんな とこ 絶対 行か ない から
もう 1 人 で 行って れば いい でしょ
理工 の 研究 室
は あ ?
花園 の 正体
え ?
でも まあ 間違って ない かも
め っちゃ フェロモン 系 の 人 いる し
( 菜緒 ) 上原 君 その 人 の ところ で バイト 始めた
ウッソ マジ で ? やる じゃ ん 上原
あ …
まあ 上原 に は 下心 は ない と 思う けど
あー って かさ もう 大げさに 考え すぎ だって
キス の こと に して も 上原 の バイト の こと に して も
もっと こう 楽しく 適当に さ
適当に なんて 無理だ よ
そんな 適当に 済ませ られる くらい だったら
好きに なって ない もん
( 菜緒 ) え ? ( 夏目 ) えっ いや …
いや … って か 上原 と 仲直り した の ?
別に ケンカ した わけじゃ ないし
( 夏目 ) ハァー まだ って こと ね
そんな の 抱き合って 眠れば すぐ 元どおりでしょ
えっ …
もし かして 菜緒 ちゃん たち って
まだ ?
夏目 ?
何 どうした
話 が ある
え ?
( 夏目 ) あり え ない マジ で あり え ない って
しかも 高校 の 時 同棲 ( どう せい ) して た ?
いや 同棲 じゃ なくて 同居 な
いや それ どっち で も いい し
って か そこ まで し といて 何も ない って 全然 理解 でき ない し
そう か ?
“ そう か ?” って 顔 も 心 も 老け 込み すぎ
って か 上原 って さ
欲 と か 煩悩 と か そういう の 一切 ない わけ ?
仙人 な わけ ?
タイミング が よく 分から ん
は あ ? タイミング なんて 腐る ほど あっ ただ ろ
そん だけ 近く に いて
いや 腐る ほど は ない
要するに
上原 も 吉川 も 高校 の 時 の まん まって こと だ な
って か 何で お前 まで うち 来て んだ よ
上原 お前 大学 と バイト の 繰り返し で
新しい こと 何にも して ないだ ろ
( 上原 ) そういう お前 だって
俺 は 動きだして る んで
免許 も 取った し 車 も 親 ローン で ゲット した し
( 上原 ) マジ で ?
お前 が 車 持ち ?
そ っ で 夏 に は 海外 に 行く つもり
海外 って
お前 パスポート と か 持って ん の か よ
持って なきゃ 行け ない よ 何 言って ん の ?
マジ か
で 再来年 に は 国際 免許 取って
海外 で ドライブ
こ … 国際 免許 ?
( 携帯 電話 の バイブ 音 )
あっ ごめん
英会話 の 先生 から 電話 だ
ハロー ? オー ミス ・ ノニー オッケー オッケー ノープロブレム
阿部 が 遠い …
そう か
上原 は 老けて る んじゃ なくて
大人 に なりきれて ない んだ な
俺 って そう だった の か ?
菜緒 ちゃん かわ いそ すぎ
何で 吉川 が
そりゃ 普通に 傷つく でしょ
彼 氏 が 女 と して 求めて くれ なかったら
そう な の か ?
( 夏目 ) しょうがない 女子 の トリセツ 伝授 する か
トリセツ ?
キス しちゃ った おわび
( チャイム )
( 菜緒 ) あっ あの ちょっと 作り すぎちゃ った から
( 上原 ) おう ( 菜緒 ) はい
あれ ? 誰 か いる の ?
( 上原 ) えっ 別に
あっ 夏目 君 と あ べ っち
あっ 俺 あいつ ら と 話 ある から
( 菜緒 ) えっ 何 ? ( 上原 ) じゃあ な
( 菜緒 ) えっ ちょっと 私 だって
吉川 に は 関係ない
( 菜緒 ) え ? ちょっと 待って よ 上原 君
( 上原 ) ハァ …
本当 タイミング 悪 ( わり ) い
そっち が その 気 なら 私 だって !
( 太田 ・ まり な ・ 菜緒 ) 乾杯 !
フフフフッ
( まり な ) あー 何 か 菜緒 の 部屋 で ゆっくり 話す の 久しぶり
うれしい
( 菜緒 ) 私 も だ よ まり な
( まり な ) ん ー !
( まり な ) ねえ 太田 ちゃん ( 太田 ) ん ?
菜緒 と いる と いろんな こと が 起きる けど
どうか 見捨て ず に いて あげて ね
シーッ !
何 やって ん の ?
( 菜緒 ) 上原 君 の 部屋 に ね 夏目 君 と あ べ っち が 来て る の
何 話して ん の ? 男 だけ で
( まり な ) あの 姿 まさに 菜緒 って 感じ
えー まず 女子 の 心 は コロコロ 変わり ます
そういう 生き物 な んです
だから 広い 心 で 受け止める こと
ん ー !
おいしい フフッ
本当だ
よかった いつも ね 並んで る んだ よ この お 店
( まり な ) ふ ー ん
( 菜緒 ) あー 幸せだ フフッ
( まり な ) あっ 菜緒 上原 君 の 部屋 は もう いい の ?
( 菜緒 ) ん ? 何 だ っけ
おいしい ね
理不尽だ
はい 器 が 小さい 大人 失格
心 は 常に 穏やかに
そして スマイル
女の子 は 分かり やすい ウソ を つき ます
そういう 時 は つべこべ 言わ ず だまさ れ ましょう
( 上原 ) なぜ ? ( 夏目 ) かわいい から
すこぶる 元気な のに
具合 が 悪い と 真っ赤な ウソ を つく の は
“ 寂しい から 今日 は 一緒に いて ” の 合図
そう 思えば ?
かわいい
男 って 本当 面倒くさい よ ね
そう な の ?
うん みっ ちゃん …
って 遠距離 の 彼 氏 が いる んだ けど
自分 から は たまに しか 電話 かけて こ ない くせ に
私 の 態度 が そっけない と か もう グチグチ グチグチ
( 菜緒 ) まり な だって 寂しい のに ね
もう そう な んだ よ
強 さ の 裏 の 寂し さ を 感じ取れ っつ ー の
弱み 見せ なきゃ 気づか ない って どういう こと ?
確かに
上原 君 も 何 か 鈍感だ もん
うーん 菜緒 に は あんまり 言わ れ たく ない と 思う けど ねえ
( 太田 ) そ っか
何にも 言わ なくて も 分かって くれて
引っぱって くれる ような 彼 氏 が 理想 な んだ けど な
( まり な ) 無理 無理
うち ら は うち ら で しっかり 自分 を 持って
人生 切り開いて いか ない と
( 菜緒 ) うーん
私 も 自分 を 持った 女性 に なら ない と
その 意気 だ よ 菜緒
男 の 人 に 振り回さ れ なんか し ない から !
( まり な ) うん ( 菜緒 ) うん
( 太田 ) 私 も ( まり な ) うん
( 菜緒 ) 私 も
先生 に ついてこい !
イエーイ !
( 阿部 ) 女子 が 強気な 態度 で 反発 する の は
“ 本当の 私 を 探して ” の 合図
ゆえに かわいい
( 阿部 ) じゃ あな 上原 ( 上原 ) ああ
結局 夏目 の 中 で は 全て の 女子 は かわいい と
だ ね
俺 女の子 好きだ し
それ 本当に 大人 の 道 な の か よ
あと …
これ は 上原 に だけ の アドバイス
( 上原 ) ん ?
いい 大人 は ガキ みたいに 意地 を 張ら ない
自分 の 気持ち に 素直であれ
キス の こと 本当 は 気 に して たって ちゃん と 言えよ
そう すれば 菜緒 ちゃん の 機嫌 も 直る
で キス して 抱いて 元どおり
簡単だ ろ
いや
そんな の …
( 夏目 ) ハハッ 反応 が うり二つ
( 上原 ) は あ ? ( 夏目 ) 何でも
じゃあ ね
( ドア が 開く 音 )
( まり な ) じゃあ ( 菜緒 ) 忘れ物 ない ?
( 夏目 ) あれ みんな も いたんだ
( 太田 ) あれ ? ( まり な ) まあ ね
女子 だけ で 何の 話 ?
ひ ・ み ・ つ
何 それ 教えて よ
( まり な ) イヤだ よ
( まり な ) 男子 だ し ( 太田 ・ まり な ) ね ー
( まり な ) 女子 に は 女子 の 事情 が ある んです よ ね ー
( 太田 ) 女の子 だけ の ね ー
( 夏目 ) 俺 も 入れて よ ( まり な ) だ から …
あの 2 人 って 本当 似た 者 同士 な のな
そう 天然 記念 物 並み に ピュア です から
今日 で 卒業 できる と いい けど
え ? それ どういう 意味 ?
秘密
( 太田 ) え ? ( まり な ) え ? ちょ …
ちょ … えっ 何 ? どういう こと ?
( 上原 ) あれ 昨日 の
夏目 の アレ だ けど さ
( 菜緒 ) あっ ああ …
アレ ね アレ か
( 上原 ) ああ
フフッ … 忘れて た
あっ 全然 全然 まったく 気 に して なかった から
まったく ね 全然 フフッ …
( 上原 ) ああ
まあ 俺 も 全然 まったく 気 に して ねえ けど さ
だ よ ね
だ な
じゃ … じゃ お やすみ
あー
大人 や っぱ 遠い な
あー 今 絶対 仲直り できる チャンス だった のに
もう バカ ! バカバカ バカバカ …
何 ? 今 の
( 悲鳴 )
( 足音 )
( チャイム )
( 上原 ) お っ
( 菜緒 ) 出た … ( 上原 ) は ?
出た ! ねえ 出ちゃ った
( 上原 ) 何 が ? 何 が だ よ ( 菜緒 ) 早く 来て 早く
もう 見つか ん ねえ ぞ
( 菜緒 ) え ? 何で ?
えっ …
って か ゴキブリ くらい どう って こと ないだ ろ
どう って こと なく ない … ない よ !
( 上原 ) 諦めろ
1 匹 いたら 10 匹 は いる って いう し
じゅ … 10 匹 ?
( 上原 ) ああ あと あいつ ら 飛ぶ から
ゴ … ゴキ 飛ぶ ?
( 上原 ) うん
ゴキ …
お 母さん ありがとう
使い ます
おい 吉川 ちょっと 待て
( 菜緒 ) や っぱ すごい ね
これ で 一網打尽 だ ね
それ は いい けど …
( 菜緒 ) え ?
お前 どこ で 寝 ん の ?
あっ
( 菜緒 ) お邪魔 し ます
風呂 …
入る なら 先 入れば ?
あっ うん
( 上原 ) ハァー
( 携帯 電話 の バイブ 音 )
( 携帯 電話 の バイブ 音 )
( ドア が 開く 音 )
( ドア が 閉まる 音 )
あっ
これ ありがとう
ブカブカ だ けど
気 に 入ら ない なら 脱げば
え ?
あっ 違う よ
そういう 意味 じゃ なくて
( 菜緒 ) あっ
私 やっぱり 自分 の 部屋 で 寝る ね
お … おい 死ぬ ぞ
いや 息 止める から
それ も 死ぬ だ ろ
ちょっと 待て
俺 この 寝袋 使う から お前 ベッド 使えよ
いや いや … 悪い よ
上原 君 ベッド 使って 私 これ 使う から
いい って 使い 慣れて ない と キツ いから
いい よ ちょ … いい よ
上原 君 ベッド 使って 私 これ 使う から ねっ
( 上原 ) だ から 言ったろう が
全然 平気だ もん
( 菜緒 ) ん っ ん ん …
イ … イタッ
痛い …
( 菜緒 ) チャック どこ だ
イテテテ …
あれ ?
あっ あれ …
何も ない
もう ! 俺 の 横 で 寝ろ
返せよ
半分 私 のでしょ
もともと は 俺 の だろう が
違う よ 上原 君 が 引っぱる から
お前 が 先 引っぱった んだ ろ
( 菜緒 ) そっち が 引っぱって んじゃ ん
ここ から 半分 私 のだ から
( 上原 ) 半分 も ねえ んだ よ ( 菜緒 ) ある よ !
こっち に ある もん
( 上原 ) 返せよ
ハッ ? あっ う っ …
あっ あっ あっ …
う っ !
( 上原 ) お前 の せい で 眠気 す っ 飛んだ し
私 だって
上原 君 の せい で 目 覚めちゃ った もん
( 上原 ) これ に す っか
「 死 怨 ( しえん ) の はらわた 」
ダメだ よ ねっ ねっ ねっ 怖い よ それ
上原 君 こっち に しよ
この … この 「 色どり 」
もう い いって
こっち も 一緒に 見よう よ
ねえ あ …
あっ ちょっと
( 菜緒 ) 何で 勝手に つける の ( 上原 ) 何 だ よ やめろ って おい
あっ
うわ あっ !
椅子 が 椅子 が … 今 椅子 …
( 上原 ) 俺 ら に は 俺 ら の タイミング が ある よ な
( 夏目 ) いい 大人 は ガキ みたいに 意地 を 張ら ない
自分 の 気持ち に 素直であれ
他の ヤツ と キス と かして んじゃ ねえ よ
バーカ
( 菜緒 ) あれ ?
今 上原 君 キス した ?
して ねえ よ
ウソ
今 した よ ね
して ねえ って
( 菜緒 ) した よ ( 上原 ) して ねえ よ
( 菜緒 ) 今 した でしょ ( 上原 ) して ねえ よ
( 菜緒 ) した よ ! フフッ
今日 …
ど っか 行く か ?
うん
( チャイム )
( ドア を たたく 音 )
紗栄 子 さん ?
さ … 紗栄 子 さん って
名前 呼び ?
♪~
~♪