Slam Dunk Episode 9
( 観客 の 歓声 )
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〜♪
( ナレーション ) 赤木 ( あか ぎ ) の 親友 であり ライバル で も ある —
柔道 部 主将 の 青田 ( あおた ) が 桜木 花道 ( さくら ぎ はなみち ) に 目 を 付けた
何とか 桜木 を 柔道 部 に 入部 さ せよう と する 青田 は —
晴子 ( はるこ ) の 写真 を 餌 に …
( 青田 龍彦 ( たつ ひ こ )) さあ 桜木 花道 !
柔道 部 に 入部 すれば —
この 写真 を すべて お前 に やる と 言ったら どう する ?
( 桜木 花道 ) 何 です と ?
( 木暮 公 延 ( こぐ れ きみ の ぶ )) マ … マズ い ぞ 赤木
( 赤木 剛 憲 ( たけの り )) 桜木 は ああいう やつ だ
( 桜木 )“ オレ は バスケット を やる !”
ああ … ああ …
( 青田 ) さあ さあ さあ さあ ( 桜木 ) おお おお !
( 青田 ) さあ ( 桜木 ) おお おお !
写真 に 踊らさ れて る 完全に マズ い
( 青田 ) この 小学校 から 中学校 まで の 晴子 ちゃん の 写真
俺 だって これ を 手放す の は 惜しい 実に 口惜しい のだ
桜木 お前 なら 分かる だ ろ この 気持ち
同じ 晴子 ちゃん に 思い を 寄せる 者 と して …
うん 分かる 分かる
ああ … 妙な 連帯 感 が 生まれて る ぞ
ペテン 師 め
ここ まで そろえる のに —
実に 5 年 を かけた この 苦労 この 気合
お前 なら 分かる だろう 桜木
うん うん 分かる 分かる
それほど お前 を 必要 と して いる と いう こと だ
だから 柔道 部 に 入れ 桜木 !
嫌だ
何 !
桜木
奇跡 だ
ちょっと 待て じゃあ この 写真 は いら ん の か ?
いる !
は あ …
フッ そうだろう じゃあ 柔道 部 に 入る んだ な
嫌だ
お っ お前 を 信じて たよ 桜木
何 ! じゃあ この 晴子 ちゃん の 写真 は いら ん の か ?
いる !
( 木暮 ) あー !
フッ そうだろう じゃあ 柔道 部 に 入る んだ な
嫌だ
何 ! じゃあ この 写真 は いら ん の か ?
いる !
コラー !
そんな わがまま は この 青田 に は 通用 せんぞ !
フン いい よ じゃあ 実力 で 取る
うん ?
柔道 部 に は 入ら ん 写真 は もらう
アッハハハ !
桜木 の 性格 を 把握 して なかった な 青田
桜木 は そんな 汚い 取引 に 応じる ような やつ じゃ ない んだ
超 わがままな だけ だ
お っ やっぱり ?
子供 だ
しかし 今度 の わがまま ばかり は 相手 が 悪い
実力 で … か
フッ
この 俺 に そんな 口 を きいた の は 赤木 以外 に は お前 が 初めて だ
ゴリ ?
て め え ゴリ の 知り合い か ? 柔道 男
フッ 知り合い も 何も —
やつ と は 小学校 時代 から の 因縁 の 仲 だ
あれ は 忘れ も し ない 小学 5 年 の 時
俺 は すでに その 頃 柔道 部 の レギュラー に なり —
試合 でも 負け 知ら ず で 柔道 が 面白くて 仕方 が なかった
そこ で やつ に 言った んだ
( 青田 少年 ) おい 赤木
お前 も 柔道 部 に 入った ほう が いい ぞ
お前 なら 絶対 俺 みたいに 強く なる ぜ !
そ したら 絶対 柔道 が 面白く なる から よ な っ !
俺 は 自分 の 喜び を —
やつ に も 味わって もらい たくて 言った んだ
純粋な 善意 から な 友情 さ !
そ したら あの 男 何て 言った と 思う ?
( 赤木 少年 ) や だ よ かっこ悪い
( 青田 少年 ) だ ー !
なんて 野郎 だ !
いたいけな 少年 の 好意 を 踏みにじる と は !
そう 思う だ ろ 桜木
いや あんまり
やつ は 俺 の 心 に 傷 を つけた のだ
とにかく その 時 だ 俺 と やつ の 間 に 亀裂 が 生じた の は …
すべて あいつ が 悪い んだ !
覚えて る ?
まだ 根 に 持って や がった の か …
いや 待て ゴリ は 俺 に は もっと ひどい ぞ
おお おお やっぱり そう か どんな こと を ?
この 前 ゴリ の 頭 に ダンク か ましたら 首 絞め られた !
くう う う …
いや それ は 誰 だって 怒る だろう
そういう ん じゃ なくて な
何 ! わざと じゃ ない んだ ぞ !
俺 なんか 危うく 息 を 引き取り そうに なった と いう ほど の
待て まだ ある んだ
俺 に は やつ に よる 苦い 思い出 が …
あれ は 忘れ もし ねえ 小学 6 年 の 時 —
身体 測定 の 日 だった
俺 たち 2 人 は その頃 から 特別 体 が で かくて な
身長 体重 も 2 人 で 競い合って いた
( 保健 の 先生 ) わ あ 大きい わ 赤木 君 173 センチ
( 青田 ) しかし それ だけ なら まだ よかった
( 保健 の 先生 ) あら 青田 君 が クラス で 1 番 ね
( 青田 少年 ) ええ ー ! あ …
やっぱり な 柔道 なんか やって る から —
お前 は 短 足 な んだ よ
ああ …
( 赤木 少年 ) お前 は 短 足 な んだ よ
なんて 嫌な ガキ だ ! あんな こと 言わ なく たって いい だ ろ
( 赤木 少年 ) お前 は 短 足 な んだ よ
ど わ ー ! とどめ の 一撃 を !
それ に 俺 の 足 が 短い の は 柔道 の せい じゃ ない
生まれつき なんだ ー !
くう … ひどい と 思わ ん か 桜木 ?
思う
そんな こと 言った の か ?
ひどい な それ は
言った かな ?
( 青田 ) とにかく その 時 だ
ついに 俺 と やつ と の 間 に 生じた 亀裂 が 決定 的に なった の は …
すべて やつ が 悪い んだ
そう だ ! それ に ゴリ の やつ —
俺 に 基礎 ばかり やら せる ような ひどい やつ な んだ !
それ は 当たり前だ
いい か 桜木 一 番 厄介な の は —
やつ が 晴子 ちゃん の 兄貴 である と いう こと だ
おお
( 青田 ) なぜ だ ?
なぜ だ ?
なぜ あんな ご つい 男 が 晴子 ちゃん の 兄貴 な んだ !
あんなに 似て ない 兄妹 ( きょうだい ) が いて いい もの か ?
まさに 目 の 上 の たん こぶ
おお お ー !
そう だ ー !
この ー !
う う う … お … 落ち着けよ 赤木
あいつ に は 悪気 は ない んだ ああ … 多分
( 青田 ) どう だ 手 を 組ま ん か ? 桜木
俺 たち に は 共通の 目標 が ある
打倒 赤木 だ !
おお !
よし じゃあ ここ に 母 印 を
おお !
ああ っ
何 じゃ こりゃ !
て め え 勝手に 人 の 名前 を 書き や が って ! この 卑怯 者 !
桜木 この 写真 が いら ん の か ?
いる !
そう だろう じゃあ 柔道 部 に 入れ
嫌だ
フッ 振り 出し に 戻った か
だから 実力 で 取る っ つった だ ろ
めん どくせ え の は 嫌いだ
やはり 話し合い の 通じる 相手 で は なかった か
いつ 話し合い を した ?
だが それ で こそ 俺 の 見込んだ 男 よ
この 青田 龍彦 逃げ も 隠れ も せ ん
かかって こい 桜木 花道
( ドア が 開く 音 )
(3 人 ) チワース
うん ?
おお っ
( 青田 ) て や !
桜木 !
おお あれ は 桜木 じゃ ねえ か
俺 たち を こんなに した 桜木 だ
青田 さん やった !
俺 たち の かたき を 取って くれた んです ね
お 見事 背負い投げ 一 本 !
さすが 青田 さん だ
( 柔道 部員 たち ) や ー い ざま みろ 桜木 !
うるさい
( 柔道 部員 ) う … あ …
あっ す … すいません
痛 ( いて ) え
( 青田 ) 思わず 投げて しまった
組んで い られ なかった 何 だ 今 の 殺気 は ?
組んだ 瞬間 まるで 野獣 の ような 殺気 を 感じて —
思わず … 思わず 投げて しまった
この 野郎 !
柔道 技 を 使 いやがった な ! 上等だ !
ヘヘヘヘッ
ざ まあ みろ 桜木
おい 赤木 投げ られた ぞ
もう 止めよう ケガ でも したら …
く ぬう う う ー
( 青田 ) よし もう 一 度 確かめて やる
もしかしたら 俺 の 思って いた 以上 の 男 な の か ?
いく ぞ 桜木 !
柔道 は 組んだ 瞬間 に 相手 の 強 さ が 分かる んだ !
な に い !
さあ !
( 頭 突き する 音 )
あ …
( 柔道 部員 たち ) 青田 さん !
( 柔道 部員 ) ああ 俺 たち と 同じだ
( 柔道 部員 ) ち きしょう 桜木 め !
( 柔道 部員 ) 汚 ねえ ぞ 桜木 !
柔道 で 勝負 せんか ! 頭 突き は 反則 だ !
何 言って んだ 桜木 は 素人 だ ぞ
柔道 部 め メチャクチャ 言って や がる
( 桜木 ) あった !
これ これ
俺 の 知ら ない 晴子 さん が こ ー ん なに
これ さえ 手 に 入れば て め えら なんか に 用 は ねえ !
じゃあ ね 柔道 男 に よろしく !
( 柔道 部員 ) ま … 待て コラ !
ど っ おわ … あー !
ど … ど わ … ああ …
おお ! 青田 さん やった !
起死 回生 の 腕 ひし ぎ 十字 固め !
が あ … ああ … ああ …
さあ さあ 桜木 柔道 に は こんな 技 も ある んだ
柔道 部 に 入り たく なったろう
ハハハハハッ …
余計 入り たく なく なる わ い
さあ 柔道 部 に 入る んだ
く … 嫌だ
さあ さあ !
あー あー ああ !
( 彩子 ( あやこ )) 頑張る ぞ 今日 も 部活 だ 頑張る ぞっと
うん ? あれ は …
何 か な ?
わ っ !
ああ …
何 やって んです か ? 2 人 と も 柔道 部 なんか のぞいちゃ って …
変な 趣味 に 走った と か ?
た わけ
大変な んだ よ
うん ?
イッテー ! 放せ !
ああ !
何 やって ん の あの 子 は … まったく !
( 青田 ) バスケ 部 は やめて 柔道 部 に 入れ 桜木
( 桜木 ) 嫌だ ! うわ ー イタタ …
( 木暮 ) 青田 は 桜木 を —
100 年 に 1 人 の 逸材 だ と 言って る んだ 柔道 の
( 彩子 ) えー ! 大変じゃ ない !
あ … 早く 止め なくちゃ 木暮 先輩 !
( 木暮 ) そうだ 早く 止め ない と 腕 を 折ら れる ぞ
ん ? お お … いや … 俺 に は 無理だ
あの 2 人 を 止め られる わけ が ない
赤木 あの 2 人 と 渡り 合える の は お前 だけ だ
お前 しか あの 2 人 を 止め られ ん !
( 彩子 ) 赤木 先輩 !
( 赤木 ) 心配 する な
青田 は 桜木 を 柔道 部 に 欲しがって んだ
腕 を 折ったり なんか する もん か
( 木暮 ) う … しかし …
じゃあ 桜木 を 柔道 部 に 取ら れたら どう する んだ ?
せっかく バスケ 部員 らしく なって きた ところ な のに
( 赤木 ) それ は … 桜木 が 決める こと だ
バスケット は 他人 に やらさ れる もん じゃ ないだ ろ
フッ ここ まで 粘る と は さすが 桜木 だ
( 桜木 ) くっ ああ …
ぬ おお おお !
あっ !
( 青田 ) ぐ わ …
ゴリ 直 伝 首 絞め !
晴子 さん の 写真 を よこせ ! 柔道 男 !
ああ … こ … この 腕力
お前 は やはり 柔道 部 に 入る べきな のだ
て や !
ぐ わ !
あっ !
また 柔道 技 を …
野郎 … もう 完全に 怒った !
わくわく する ぜ 桜木
お前 なら 真剣に やれば すぐに うち の ナンバー 2( ツー ) だ
そして 来年 は エース だ
( 桜木 ) 写真 を よこせ !
お前 俺 の 言って る こと ちっとも 聞いて ない な
バスケ 部 は やめて 柔道 部 に 入れば 写真 はやる
さあ 今度 は こっち から いく ぞ !
う お っ
( 桜木 ) ふ ぬ ああ ー !
フン !
ああ …
うわ あ …
か … 肩車
( 衝撃 音 )
写真 を よこせ
フッ どう だ 柔道 は 面白い だ ろ 桜木
桜木 よ お前 が バスケット 部 に 入った の は —
晴子 ちゃん に 気 に 入ら れ たい から だろう
ハハ …
( 青田 ) だ が そんな 動機 で バスケット を やって も —
しょせん 長続き は し ない ぞ
うん ?
それ に 好きで も ない バスケ を お前 が やった ところ で —
晴子 ちゃん も うれしく は ない だろう
柔道 部 に 入れ 桜木 そして 全国 制覇 を 目指そう ぜ
嫌だ
意地 を 張る な 桜木
( 桜木 ) 俺 は バスケット を やる
( 青田 ) 何 !
なぜ だ ?
バスケットマン だ から だ
桜木 !
いい ぞ 桜木 花道 !
よかった よかった な 赤木
( 彩子 ) 赤木 先輩
( 赤木 ) フン まったく バカバカしい
時間 を 無駄に したわ
ウフッ
( 赤木 ) さあ 練習 だ 試合 は 近い ぞ
( 木暮 ) お ー ! ( 彩子 ) は ー い !
( 首 の 骨 の 音 ) ( 桜木 ) ああ 痛 え
あの 柔道 男 め 何 だった んだ 一体 …
はっ しまった ! 晴子 さん と どういう 関係 か 聞く の を 忘れた
“ たっちゃ ん ” なんて 呼ば れて 威張って や がった が …
まあ いい や
あんな 変な やつ は どうせ フラ れる に 決まって る
ヘヘヘッ ざ まあ みろ 柔道 男 め !
写真 も いずれ もらう !
( 女子 生徒 たち の 歓声 ) ( 女子 生徒 ) 流川 ( る かわ ) 君 !
( 桜木 ) おお !
あれ は 本物 の 晴子 さん
ああ やっぱり 本物 は いい
( 桜木 ) 晴子 さ ー ん !
ぐ ああ あ !
遅い ぞ 桜木 !
ぐう … あ … イデデ …
ちょっと ゴゴ … ゴゴ … ゴリ ! ゴリ !
( 赤木 晴子 ) は あ … お 兄ちゃん
さあ 練習 始める ぞ !
( 部員 たち ) はい !
( 赤木 ) 湘北 ! ファイッ !
( 部員 たち ) お ー !
( 桜木 ) ソーッ !
( 部員 たち ) エイオウ エイオウ エイオウ …
ダッシュ !
うん ?
( 桜木 ) ふ ぬ ー !
お ?
ダッシュ !
お っ
ふ ぬ !
ふ ぬ ぬ ぬ …!
( 赤木 ) ダッシュ !
ダーッシュ !
( 桜木 ) ふ ぬ ー !
( 桜木 ) 何 なんだ ゴリ の やつ
妙に 張り切って ん なあ 何 か いい こと あった の か なあ
俺 は バスケット を やる
バスケットマン だ から だ
バスケットマン だ から だ
( 部員 ) ソーッ !
( 部員 たち ) エイオウ エイオウ エイオウ …
ラスト 1( ワン )!
( 桜木 ) う っし ゃあ ー !
( ナレーション ) 赤木 の 闘志 に 火 を つけた 張本人 が 自分 である と は
夢にも 思わぬ 桜木 花道 だった
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〜♪
( 桜木 ) 基本 基本 の 退屈な 毎日 から —
ついに シュート の 練習 まで たどり着いた
ゴリ め ようやく 俺 の 天才 的 センス に 気 が ついた か
よ ー し 早速 スラムダンク を ぶち か まして …
( 赤木 ) バカタレ が !
まずは ドリブル シュート の 練習 だ シュート も 基本 が ある んだ
( 桜木 ) えー ! また 基本 ?
「 スラムダンク 」
“ 庶民 の シュート は むずかしい ”
見てくれ よ な