( 詩子 ( うた こ ) ・ 店主 たち ) 待て コラァ !
( アンズ ) フガッ フガッ フガッ フガッ …
( 詩子 ) くっ … 今日 こそ 捕まえる わ よ !
浅賀 ( あさ か ) 商店 街 の 意地 を 見せ て やり なさい !
( 店主 たち ) はい !
( 店主 ) 止まれ !
( 店主 ) い た ぞ ! ( アンズ ) う ぐ っ !
何 な の 今日 は ! あっ ち こっち から ウジャウジャ !
フハハハハ ! 今回 は 完璧 な 包囲 網 を 敷 い た から ね !
( 店主 ) 目標 は 2 丁目 交差 点 を ―
フハハハハ ! 今回 は 完璧 な 包囲 網 を 敷 い た から ね !
フハハハハ ! 今回 は 完璧 な 包囲 網 を 敷 い た から ね !
フハハハハ ! 今回 は 完璧 な 包囲 網 を 敷 い た から ね !
左 に 曲がり まし た
フハハハハ ! 今回 は 完璧 な 包囲 網 を 敷 い た から ね !
もう イヤ だ … 力 使って 吹っ飛ば し たい けど
ヒナ に バレ ちゃ ったら 困る し な …
あ …
( やっ さん ) 君 ( アンズ ) ん ?
( やっ さん ) こっち だ
見失った そう です
( 詩子 ) なぜ ー ! ?
やっぱり 警察 と 連携 し た ほう が …
( 詩子 ) ダメ よ !
あいつ ら の 力 借りる くらい なら 舌 かん で 死ぬ !
( 詩子 ) ペッ ! ( 店主 ) 詩子 さん …
( やっ さん ) ここ だ
あっ …
♪~
~♪
( 麺 を すする 音 )
( やっ さん ) 君 は ヤクザ に 目 を つけ られ て いる の かい ?
( アンズ ) 何 それ ? 別に ない けど
( やっ さん ) そう か 気 に なって た から よかった
あんた 何者 な の ?
ただ の ホームレス だ よ まあ 君 の 先輩 だ な
( アンズ ) じゃあ あんた も 追いかけ られ てる の ?
ハハハ … 違う やり 方 が ある ん だ よ
( アンズ ) ん ?
フゥ …
盗み は 犯罪 だ
君 みたい な やり 方 じゃ 捕まって しまう よ
え … ほか の やり 方 が ある の ? それ 教え なさい よ
分かった つい てき なさい
( アンズ ) ん ー
釣り銭 の ところ も 調べ て ごらん
( アンズ ) ん ?
あった
10 円 だ ね 1 発 目 と は ツイ てる
下 も 棒 か なん か で 調べ て み なさい
( アンズ ) うん
うーん …
( やっ さん ) なかったら また 缶 拾い だ
( アンズ ) よし いっぱい に なった
どう す ん の ? これ
お 金 に する ん だ よ
ん ?
( アンズ ) ハァ ~
いつ まで 歩く の よ
ホームレス って の は よく 歩く ん だ
あと 2 時間 くらい か
ハァ …
何で こんな こと し なきゃ なん ない わけ ?
バカ みたい !
( やっ さん ) それ でも いい が また 元 の 暮らし に 戻る の かい ?
( アンズ ) う っ …
それ で ずっと 生き られる と ?
くっ …
( 業者 ) 全部 で 690 円 だ ね
これ が あれ ば お 店 に 行って も 追いかけ られ ない ん だ
そう だ よ
まあ 君 が 食べ た カップ 麺 3 ~ 4 個 買え る か な
( アンズ ) それ だけ ! ? 一 日 中 あんなに 歩 い た のに ! ?
お 金 を 得る の は 大変 な ん だ よ
う …
( やっ さん ) 君 が 盗み を し て ―
店 の 人 に 追いかけ られる 理由 が 分かった かい ?
ん …
( やっ さん ) 今日 は 君 の 歓迎 会 を し ない と な
その お 金 で みんな の ため に お 酒 を 買い なさい
( アンズ ) えっ 何 で よ ! ?
( やっ さん ) 仲間 と して 受け入れ て もらう ため さ
ホームレス だって 助け合い な ん だ
今日 私 が 教え た こと 以外 に も
いろいろ な こと を 教え て もらう ため の ―
授業 料 だ と 思え ば いい
む う …
( シゲ さん ) 何 だい やっ さん その ガキ は
ああ シゲ さん これ から ここ の 仲間 に なる アンズ ちゃん だ
おいおい 何 考え て ん だ そんな ガキ に できる わけない だ ろ
( やっ さん ) しばらく 様子 を 見 て くれ ない か ね
今日 1 日 稼 い だ お 金 で ―
この 子 は みんな の ため に 酒 を 買って くれ た よ
フン … 飲め る って ん なら 飲ま せ て もらう が ね
む う …
( 後藤 ( ご とう ) ) あんな 子供 入れる なんて 何 考え て ん だ やっ さん も
( ホームレス ) 問題 でも 起き て 役所 に 目 でも つけ られ たら なあ …
ほれ 見ろ 当然 の 結果 だ よ
まあ シゲ さん とりあえず 飲 ん で くれ
何 よ これ … 私 は い ちゃ いけない みたい じゃ ない
私 が 買った お 酒 な のに …
こんな の 1 人 で い た ほう が よかった
( 後藤 ) お ー い 嬢 ちゃん
せっかく の 酒盛り な ん だ 歌 でも 歌って くれよ
( アンズ ) 何で 私 が !
( シゲ さん ) 何 だ よ 何も でき ねえ の か
くっ … 何 よ ! その お 酒 だって 私 が お 金 を 出し た のに !
( シゲ さん ) フン !
あの 量 だ と 2,000 円 近く は する ぜ
( アンズ ) えっ ?
( シゲ さん ) おおかた やっ さん が 足りない 分 出し た ん だ ろ
ハッ …
あ …
( やっ さん ) なあ ( アンズ ) え …
( やっ さん ) 何 か 知って る 歌 は ある かい ?
( アンズ ) 1 つ だけ 知って る
じゃあ おじさん たち に 聞か せ て くれ ない か ?
( アンズ ) うん …
( 息 を 吸う 音 )
おなか を すかし た オオカミ さん
子 鹿 を 見つけ て ムシャ ムシャ ムシャ
子 豚 を 見つけ て ムシャ ムシャ ムシャ
ムシャムシャ ムシャムシャ
ムシャムシャ ムシャムシャ
おなか いっ ぱ ー い
( 泣き声 )
あれ ?
( 泣き声 )
( 泣き声 )
私 の 歌 が うま すぎ て 感動 を ! ?
( 泣き声 )
( 後藤 ) いや … ほん と 下手くそ な 歌 だった
悪かった わ ね !
( ホームレス ) 孫 を 思い出し た よ 歌 が 好き な 子 で ねえ …
( ホームレス ) 嬢 ちゃん 名前 は ?
ア … アンズ
( ホームレス ) アンズ ちゃん イヤ な 態度 で すま なかった な
ジュース どう だい ?
あ …
( ホームレス ) 悪かった な
( ホームレス ) アルミ は 好き か ?
( シゲ さん の 泣き声 )
何 だい シゲ さん も 泣 い ちゃ って る じゃ ない の
うる せ え !
( アンズ ) フゥ …
( アンズ ) フゥ …
( 車 の ドア の 開閉 音 )
( 車 の ドア の 開閉 音 )
( 新田 ( に った ) 義史 ( よし ふみ ) ) おい アンズ か ? ( アンズ ) えっ …
( 車 の ドア の 開閉 音 )
( アンズ ) あっ … あんた …
( 新田 ) お前 何で 帰って ねえ ん だ よ
( アンズ ) えっ ? いや その …
ちょっと こっち の 暮らし が 気 に 入っちゃ っ て ね ~
( 新田 ) その 生活 が 気 に 入る って 正気 か ?
それ に 何 だ そりゃ ?
こ っ … これ は …
そう ! ちょっと し た 暇つぶし よ !
その 暇つぶし 相当 レベル 高い よ
ちゃんと 食って ん の か ?
( アンズ ) 大丈夫 だって の !
ハァ …
( 新田 ) 今 4 万 しか ない が … N ( アンズ ) えっ …
( 新田 ) とりあえず これ やる から ちゃんと 食えよ
よ … よ よ よ … よ ん ま …
ん ? どう し た ?
バ …
( アンズ ) バカ に し ない で よ ! ( 新田 ) な っ ! ?
あんた の 施し なんて 受け ない わ !
( 新田 ) った く …
お 金 くらい 自分 で 稼 い で … ハッ …
( ホームレス ) 最近 どう だ ?
( ホームレス ) アルミ や 鉄 な ん かも 値段 落ち てる なあ …
( ホームレス ) どんどん 厳しく なる よ
( ホームレス ) これ で 年 越せ る か ねえ …
( 新田 ) まあ でも あん だけ 元気 なら 大丈夫 か
( サブ ) ん ? アニキ …
なんか 後ろ から 走って き てる やつ が いる ん す けど …
ん ?
ハァ ハァ ハァ ハァ …
( 新田 ) 止め て くれ
( アンズ ) ハァ ハァ ハァ ハァ …
ハァ ハァ …
( 新田 ) どう し た ?
あの … さっき は …
( アンズ ) ごめんなさい ( 新田 ) お …
それ で その …
カネ か ?
うん
何で 急に 気 が 変わった ?
( アンズ ) それ は …
まあ もともと やる つもり だった ん だ
どう 使う 気 か 知ら ん が 好き に しろ
( アンズ ) ありがとう ! ( 新田 ) お …
あの ガキ まだ 頭 下げ て ます よ
フッ …
これ だけ あれ ば みんな も …
あ … えっ …
ようやく 捕まえ た わ よ
も … もう お 金 は ある から これ から は ちゃんと 払う よ !
( アンズ ) あっ … N ( 詩子 ) えっ と ―
全部 の 被害 額 が 3 万 9,340 円 だ から …
はい お釣り
今回 は これ で 勘弁 して やる から ―
二 度 と す ん な よ
( 泣き声 )
( 泣き声 )
( やっ さん ) 何 だ そんな こと 考え なく て いい ん だ よ
だって … だって …
よかった じゃ ない か ちゃんと お 金 を 返せ た ん だ
( アンズ ) でも … N ( 後藤 ) そうだ よ 気 に す ん な
それ に 俺 たち が カネ 持ったら みんな 酒 代 に 消え ち まう よ
これ で 後 腐れ なく ホームレス 生活 の ―
始まり だ な
ん っ !
( 三嶋 ( み しま ) 瞳 ( ひとみ ) ) 皆さん こんにち は
三嶋 瞳 です
( 松谷 ( まつ た に ) ) 大みそか に 秋田 県 の 一部 で 行わ れ て いる 民俗 行事 は ?
( 瞳 ) なまはげ です
なまはげ だ ね
( 瞳 ) 自分 で 言う の も なん だ けど ―
( いびき )
( いびき )
学生 生活 は 真面目 な 優等 生 です
( いびき )
でも それ は 昼 の 姿
私 に も 秘密 が ある ん です
それ は ―
夜 に なる と バーテンダー に なっちゃ う ん です
何で こんな こと に なった か と いう と …
いや ~ 瞳 ちゃん 似合う わ ぴったり じゃ ない !
( 瞳 ) あ … は あ …
それ で いつ から 仕事 入れる ? ヘイヘイ !
( 瞳 ) 何 言って る ん です か !
だって その ため に わざわざ 用意 し た の よ ホワイ ?
( 瞳 ) 着 て み て くれ って 言う から 着 た だけ です
( 詩子 ) 時給 1,500 円 出す から !
普通 の 中学生 じゃ まず あり 得 ない 報酬 よ ! ?
普通 の 中学生 は バイト する こと が まず あり 得 ない ん です
フゥ … しかたない わ ね
あ …
この 写真 学校 に 送ったら どう なる かしら
ん な っ … なな な …
( 瞳 ) う っ … N ( 詩子 ) フフフ …
問題 に なる の が イヤ なら 素直 に …
ん ?
( 詩子 ) だって その ため に わざわざ 用意 し た の よ ホワイ ?
( 詩子 ) なに ー ! ?
や な 予感 が し た ので 録音 さ せ て もらい まし た
やる わ ね 瞳 ちゃん
最近 巻き込ま れる こと が 多い ので 学 ん だ ん です
私 が 悪かった わ
お互い 禍根 を 残さ ない よう に 一緒 に データ を 消す こと に し ない ?
( 瞳 ) もう こんな こと 言わ ない なら …
言わ ない わ ごめん ね
あ …
じゃあ …
( 瞳 ・ 詩子 ) せ ー の
フゥ … もう 私 着替え …
あっ …
フフン …
写真 の データ は ―
すでに パソコン に 転送 し て ある
ダイキリ です
( 瞳 ) そういう わけ で 仕事 を する こと に なって しまい まし た
( 田中 ( た なか ) ) ハッ ! う う っ …
どう ? 父ちゃん
うまい … もう 完全 に 詩子 さん を 超え た な
( 瞳 ) ありがとう ござい ます
アハハ ハッ …
( サブ ) そこ 笑う ところ ?
( 松谷 ) 教頭 先生 我々 も そろそろ 帰り ま しょ う
( 教頭 ) う う …
( 教頭 ) 何 言って る の 松谷 君 夜 は これ から だ よ !
いい バー が ある ん だ よ
お 体 に 障り ます よ
( 松谷 ) 早く 帰り て ー
来年 学年 主任 の 話 僕 も 校長 に 君 を 強く 推 そ う と
ぜひ お供 さ せ て ください
( ドア が 開く 音 ) あっ
いらっしゃい ませ え ー ! ?
( 松谷 ) う お っ ( 教頭 ) あい たっ !
( 瞳 ) まっ … 松谷 先生 !
や ばい や ばい や ばい ど ー しよ ど ー し よ ー !
ん あ ?
どう し た ? 瞳 ちゃん
じ っ … 実は 担任 の 先生 が 来 ちゃ って …
( サブ ) ふ ー ん
何とか なん じゃ ね ?
そんな こと より マティーニ ね
なんか 面白 そう
( 瞳 ) こ っ … こいつ ら …
あの すみません
はっ … はい …
お 待た せ し まし た
えっ と … ん ?
う っ … う う …
( 松谷 ) わ っ … 若 すぎる って いう か ―
めちゃめちゃ 見 た こと ある ん です けど !
み …
三嶋 ?
み … み … み …
ミリオン ・ ダラー ください
( 松谷 ) いやいや 落ち着け 危 ね ~
まさか いる わけない って 酔って ん の か ?
真面目 な 教え子 の 中学生 が バーテン やって まし た 何 それ ! ?
( 瞳 ) こ っ … 怖 すぎる … ハッ …
松谷 先生 め っちゃ 怪し ん でる よ !
ん ? どう し た 松谷 君
い … いえ … 何 だろう な
ちょっと … いや かなり 教え子 に 似 てる よう に 見え まし て …
( 教頭 ) ん ?
そりゃ まずい よ チミィ
もし そう だったら 学年 主任 の 話 なくなっちゃ …
いや ~ 私 の 勘違い で し た 似 てる 人 って いる ん です ねえ
でも なあ 君 ―
どう 見 て も 中学生 くらい に しか 見え ない ん だ が …
( 田中 ) ヘッヘッヘ … 兄ちゃん
飲 ん で みりゃ 分かる 中 坊 なんか に 作れ る か と な
瞳 ちゃん は すげ え ん だ ぞ
( 松谷 ) 三嶋 って 下 の 名前 は 瞳 だった よう な …
( 瞳 ) サブ … この クソ ボケ カス !
( 松谷 ) まあ いい でしょ う ( 瞳 ) あ …
( 松谷 ) です が 私 は 学生 時代 から いろいろ な バー に 通って まし た
味 に は うるさい です よ
( 瞳 ) う っ …
フッ … 見せ て あげ なさい 瞳
では
( 松谷 ) ふん …
( 瞳 ) ミリオン ・ ダラー です
( 松谷 ) ハッ …
くっ …
す っ … すばらしい … N 完璧 な シェーキング だ
( 詩子 ・ サブ ) フフッ … N ( 田中 ) 分かった かい ?
( 松谷 ) いや まだ だ ! まだ ステア を 見て い ない
さっき ぱっと 手 を 見 た が スプーン だ こ が 出来 て なかった
つまり シェーキング の 技術 は ある が
ステア は まだ 修業 不足 と いう こと !
( 詩子 ・ 田中 ・ サブ ) フッフッフ …
( 瞳 ) でき れ ば ご 注文 を ( 松谷 ) くっ …
いい だ ろ う バーテンダー を 頼 も う か
バーテンダー です
( 3 人 ) フッ …
( 松谷 ) バ …
バカ な …
これほど の 技術 銀座 の 一流 店 でも なかなか お目にかかれ ない
しかも スプーン だ こ も 出来 て ない のに …
( 瞳 ) え ー と …
じゃあ やり すぎ て 逆 に なく なり まし た
( 松谷 ) 何 それ マジ で ! ?
( 松谷 ) フッ … N ( 瞳 ) あ …
しかし これ は 中学生 に は 無理 だ
すばらしかった
ぜひ これ から も 通わせ て もらい ます よ
フフッ … また 1 人 …
とりこ に し ち まった な …
フゥ …
( 瞳 ) PS 親 に ないしょ で 作った 通帳 に ―
異様 な 勢い で お 金 が たまって いって 少し 怖い です
( ヒナ ) あ …
新田 の ほう が ミート ボール 1 つ 多い ずるい
( ヒナ ) は むっ
この 前 アンズ に 会った ん だ けど さあ ―
お前 も アンズ み て え に ホームレス でも やって み たら ?
え ?
ほんと お前 と 暮らす より やつ の ほう が まだ マシ そう だ わ
え ー
( 新田 ・ アンズ ) アハ ハハ …
おいしかった か ?
( アンズ ) うん とって も !
また 連れ て って ね !
おいおい もう 次 の 話 か ?
( アンズ ) ヘヘヘッ ねえ この あと ―
( アンズ ) ヘヘヘッ ねえ この あと ―
お … お 恵み を …
デパ 地下 の スイーツ 買い たい
お 恵み を …
デパ 地下 の スイーツ 買い たい
お 恵み を …
はう あっ !
あ …
ハァ …
( ヒナ ) あれ ? 新田 の ほう が ミート ボール 少ない よ
( 新田 ) 昨日 お め え が 文句 言って た から だ よ
じゃあ 多い 分 取って いい よ
は ?
フフー
ああ …
今日 は 商談 が ある ん だ
つい て 来る な よ
( ヒナ ) いって らっしゃい ( 新田 ) お っ …
あ … ?
( ヒナ ) フゥ …
よし
な っ … 何 じゃ こりゃ !
お かえり 新田
( 新田 ) こ っ … これ は … N お前 が やった の か ?
い … いや まさか ハハハッ … N そんな わけ が …
私 が やった
( 新田 の 泣き声 )
( ヒナ ) どう し た 新田 何 か イヤ な こと あった ?
( 新田 ) バカ 野郎 涙 って な …
うれしい とき に も 出る ん だ ぜ !
( 泣き声 )
フフー
( 掃除 機 の 音 )
( 掃除 機 の 音 )
あー
( 掃除 機 の 音 )
( 掃除 機 の 音 )
あー
ん ー
ん ー
ん ー
ハッ ! あっ …
ハァ …
あー …
( 新田 ) ハァ … 買っちゃ っ た ~
て め え 次 壊し たら マジ ぶ っ 殺す から な
壊す な よ 絶対 壊す な よ
う …
とりあえず ここ は あと に しよ う
う っ …
う っ … う う っ …
あっ …
のど 渇 い た な …
あ …
あ …
ご 褒美 用 …
今日 頑張って る し …
もしかしたら
今日 の 夕飯 に
出る か も
しれ ない
は むっ …
ん ? なんか いつも と 味 が 違う …
うーん …
( 組長 ) どう し た ? 新田 ( 新田 ) あ …
( 新田 ) いや 今日 ヒナ が なんか おかしく て …
量 が 多い 分 の 飯 俺 に 譲る し ―
出る とき わざわざ 玄関 まで 見送り に 来る し
( 組長 ) ヒナ ちゃん も 成長 し てる って こと じゃ ない か ?
( 新田 ) そう なん です か ねえ …
今日 は なんか ごちそう して やれ よ
あ … いや いつも は ご 褒美 用 の イクラ を 置 い て ある ん です が ―
褒める こと なんて ない し 腐ら せ ちゃ って る ん です よ ね
あっ …
あ … あれ ? ( おなか が 下る 音 )
な … 何だか おなか が …
( 皿 が 割れる 音 )
( ヒナ ) あ いった …
( 新田 ) ハァ …
フッ … たまに は 褒め て や ん ねえ と な
ただ い ま ~
♪~
~♪
( 瞳 ) 次回 …