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涼宮ハルヒの憂鬱, Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 24

Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 24

( 長門 ( な が と )) 知っている

( キョン ) 案内 さ れた ところ は 長門 の マンション の 裏 だった

( ハルヒ ) あっ !

( 鳴き声 )

( ハルヒ ) あら みんな 人 に 慣れて る の ね

黒 猫 黒 猫 …

は あ ~

まあ いい わ こいつ に し ましょう

( キョン ) また 設定 変え や がった !

黒 じゃ ない けど この際 しかたない わ

さあ 有希 ( ゆき ) これ が あなた の 相棒 よ

仲よく し なさい ね !

( 猫 の 鳴き声 )

( キョン ) 撮影 が 再開 さ れた もう 場所 なんか どこ でも いい らしい

有希 み くる ちゃん に 攻撃 よ !

くらう が いい

( み くる ) ひ い ~!

はい カット ! ナイス !

その 猫 しゃべる こと に する わ 魔法使い の 飼い 猫 だ も の

皮肉 の 一 つ くらい は 言う わ よ ね

( キョン ) とんでもない !

( ハルヒ ) あなた の 名前 は シャミセン よ !

ほら シャミセン なんか 話し なさい !

( キョン ) 話す わけない と いう か 話さ ないで くれ

… って シャミセン って !

( ハルヒ ) うん 順調 ね

キョン その 猫 の 世話 は あんた に 任せる わ

家 に 連れて 帰って あした まで に 芸 の 一 つ でも 仕込んで おき なさい

火 の 輪 くぐり と か

は あ ~

はい それ じゃあ 今日 は ここ まで !

あした から は いよいよ クライマックス よ !

撮影 快調 体調 万全

みんな ゆっくり 休んで あした に 備え なさい !

( ハルヒ の 鼻歌 )

( ため息 )

ご 苦労 だった な 後 で 猫 缶 を おごって やる よ

それとも 煮干し が いい か ?

( シャミセン ) どちら でも かまわ ない

( み くる ) あっ ( 古泉 ( こい ずみ )) お っ

おいおい 今 の は 長門 か ? 俺 は 猫 に 聞いた んだ

私 も その つもり だった 故 に 返事 を した

私 は 何 か 間違った こと を 言った のだろう か ?

( キョン ) う おお …

驚き です ね 三毛猫 で オス と は

いや ツッコ む ところ は そこ じゃ ないだ ろ

( み くる ) ビックリ です 猫 さん が 言葉 を しゃべる なんて

( シャミセン ) 私 に は きみ たち が なぜ 驚いて いる の か が 分から ない

( キョン ) 化け 猫 猫 又 ( また ) の 類い か ?

確かに 私 は きみ に とって 人 の 言葉 に 聞こえる か の ような

音 を 出して いる の かも しれ ん

だ と すれば

何 を もって きみ は 私 が 言葉 どおり の 意味 を 込めた ―

発声 を して いる のだ と 確認 する の か ?

そりゃ あれ だ

ちゃんと 俺 の 問いかけ に 答えて いる から だ

私 が 発して いる 音声 が

たまたま 偶然に も きみ の 質問 に 対する 応答 に

合致 して いる だけ かも しれ ないで は ない か

そんな の が まかり通れば 人間 同士 でも

会話 が 成立 して い ない こと に なる じゃ ねえ か

( シャミセン ) まったく その とおり だ

あたかも 会話 して いる か の ような 行為 を 働いて いた と して

それ が 正しい 意思 伝達 を 行って いる か どう か など

誰 に も 分から ない のだ

誰しも 本音 と 建て前 を 使い分けて い ます から ね

( キョン ) お前 は 黙って ろ !

言わ れて みれば そうです … よね ?

( キョン ) すみません が あなた も 黙って いて ください ませ ん か

現況 は あまり よろしく ない ようです ね

僕たち は まだまだ 涼 宮 ( すずみ や ) さん を 過小 評価 して いた ようです

あの どういう こと です か ?

涼 宮 さん の 映画 内 設定 が

世界 の 常識 と して 固定 さ れる 恐れ が 出て きた のです よ

もし 彼女 が

“ 巨大 隕石 ( いんせき ) が 落下 して くる シーン を 撮り たい ” と 思えば

本当に 実現 する かも しれ ませ ん

( み くる ) じゃあ どう すれば ?

虚構 に よる 現実 へ の 浸食 を 防が ねば なり ませ ん

今 の 彼女 は 現実 と フィクション を 無意識 の うち に 混同 さ せて い ます

よほど 調子 に 乗って る んだ な

涼 宮 さん の 異 能力 が 映画 作り と いう フィルター を 通して

顕在 化 して いる のです

これ を 防ぐ に は

あくまで フィクション に すぎ ない と いう こと を

涼 宮 さん に 分から せて

この 映画 を 合理 的に 落ち着く よう 誘導 し なければ なり ませ ん

猫 が しゃべる の を どう 正当 化 すれば いい んだ ?

正当 化 と いう の は 違い ます ね それ で は 結局

猫 が しゃべり だす 世界 が 構築 さ れる こと に なる わけです が

それ は 我々 の 世界 に は あり え ない もの です

じゃあ お前たち は どう な んだ よ ?

ええ です から 我々 が 存在 する の は 涼 宮 さん の おかげ でしょう ね

あの しゃべる 猫 と 同じです

( キョン ) なんとか なら ない の か ?

( 古泉 ) もし これ が ファンタジー 世界 で の 出来事 なら

なんの 説明 も いり ませ ん

ですが しゃべる 猫 や ミクルビーム が

現実 に 存在 する と 証明 さ れた 瞬間

我々 の 世界 は 変容 し ます

超 常 現象 が ない 世界 から 超 常 現象 を 内包 した 世界 に

認識 し 直さ なければ なら ない のです

じゃあ どう すりゃ いい ?

涼 宮 さん が 納得 し そうな 映画 的 結末 を つければ いい のです

ある か ? そんな の

あり ます よ

ごくごく 簡単で それ まで の 理屈 に 合わ ない 展開 を

一気に 常識 的な もの へ 転化 する 結末 が

言って みろ

夢 オチ です

冗談 を 言った つもり は ない のです が

ハルヒ が それ で 納得 する と 思う か ?

難しい かも しれ ませ ん です が こういった 場合 に は

映画 の 内容 が 全て 夢 ウソ 間違い だった と いう こと を

作品 内 で 自己 言及 する の が 一 番 よい 解決 法 な のです よ

( キョン ) お前 に とって は そう だろう

また 俺 に とって も その ほう が いい の かも しれ ない

しかし ハルヒ は どう だ ?

( キョン ) いい か ? 家 で は ひと言 も しゃべる な

ちゃんと 猫 らしく して いろ

( シャミセン ) “ 猫 らしく ” と いう 言葉 の 意味 は 分から ない が

きみ が そのように 言う の なら 従おう

( キョン ) しゃべる な 返事 は “ ニャ ~” で 統一 しろ

( シャミセン ) ニャ ~

( キョン の 妹 ) うわ ~!

( 妹 ) 猫 猫 猫 ~ ( シャミセン ) ニャ ~

( キョン ) よっ こい … しょう いち

お っ それ じゃ また 後 で な

よかろう

( キョン ) 文化 祭 まで 残り 数 日 と なった 我が 校 だ が

まるで ハルヒ の テンション に 連動 する か の ように

雑然 たる 雰囲気 を 着実に 増大 さ せて いた

( 戦士 風 の 男 ) 早く 伝説 の クリスタル クレッセントオーブ を 探し出さ ねば

( ドワーフ の 男 ) だ ね だ ね だ ~ ね !

( キョン ) この分 で は 異 世界 人 の 1 人 2 人 が 交じって いた と して も

不思議で は なく なって きた 感じ だ

( 鶴屋 ( つる や )) キョン く ~ ん

み くる が 話 が ある って

( 鶴屋 ) ほら み くる キョン 君 に あれ を

( み くる ) これ その …

わ わ わ … 割引 券 です !

( キョン ) えっ ? ( 鶴屋 ) あたし たち の クラス で やる

焼きそば 喫茶 の やつ だ よ

ありがとう ございます

お 友達 と お 誘い 合わせ の 上 で お 越し ください

それ だけ ! じゃあ ね ~!

ウフッ

キョン 君

なんで しょうか ?

あの こんな こと 言う と あたし が 古泉 君 を あれ か と 思わ れる ようで

その イヤな んです けど …

は あ

あたし は その … 別の 考え を 持って いて

つまり は その … それ は …

古泉 君 の 解釈 と は 違う もの な んです

ハルヒ が 神様 だ と か そういう 話 です か ?

は あ ~

涼 宮 さん に この 現在 を 変える 力 が ある の は 間違い ないで す

でも それ が 世界 の 仕組み を 変える もの だ と は 思い ませ ん

この 世界 は 最初 から こう だった の

( キョン ) それはそれは 古泉 と は 真っ向 から 反発 する 意見 です ね

( み くる ) 長門 さん も 違う こと を 考えて いる と 思う

あの こんな こと を 言う と

ちょっと 人 聞き が 悪い かも しれ ない んです けど

古泉 君 の こと その …

あんまり 信用 し ないで … って 言ったら 語弊 が ある けど

えっ と ごめんなさい

あたし 説明 下手だ し 制限 かかって る し あの …

だけど !

分かって ます よ

ハルヒ が 神様 な わけ ない じゃ ないで す か

俺 に は まだ 古泉 より

朝比奈 ( あさひ な ) さん の ほう が 分かり やすい で すよ

ありがとう

でも あたし 自身 に は 古泉 君 に 含む ところ は あり ませ ん

それ も 分かって おいて ください ね

朝比奈 み くる の 主張 は こう だ と 思わ れる

涼 宮 ハルヒ が 想像 した ので は なく

世界 は このまま の 形 で 以前 から 存在 して いた

超 能力 や 時間 移動 体

概念 形 地球 外 生命 体 など の 超 自然 的 存在 は

もともと そこ に いた のである

涼 宮 ハルヒ の 役割 は それ ら を 自覚 なし に 発見 する こと であり

その 能力 は 3 年 前 から 発揮 さ れて いる

ただし 彼女 は 世界 の 異常 を 探知 できる が

決して 認識 する こと は ない

認識 を 妨害 する 要素 も また ここ に 存在 する から である

それ が 我々

( キョン ) あっ …

朝比奈 さん に は 古泉 と 違う 理由 が あって

ハルヒ が 不思議 現象 を 見つける こと が 不都合な の か ?

( 長門 ) そう

彼女 は 彼女 が 帰属 する 未来 時空 間 を 守る ため に

この 時空 に 来て いる

( キョン ) なんだか 重要な こと を さらりと 言わ れた ような 気 が する

( 長門 ) 古泉 一樹 ( いつき ) と 朝比奈 み くる は

互いに 相手 の 解釈 を 決して 認める こと は ない

彼ら に とって 異なる 存在 の 理論 は

自分 たち の 存在 基盤 を 揺るがす もの に ほかなら ない から

待てよ !

古泉 は 3 年 前 に 超 能力 が 自分 に 宿った のだ と 言った ぞ

古泉 一樹 の 言葉 が 真実である と いう 保証 は どこ に も ない

( キョン ) あっ …

( キョン ) 確かに 保証 は ない

古泉 の 理屈 は 俺 が こうむった 出来事 に

もっともらしい 解説 を つけて いる だけ だ

それ が 正解 だ と 誰 に 分かる ?

朝比奈 さん の 理屈 だって 同じ こと だ

朝比奈 版 解答 が 正しい のだ と 誰 が 保証 して くれる のだろう

( キョン ) お前 は どう 思って る んだ ? どれ が 正解 だ ?

前 に お前 が 言って た 自律 進化 の 可能 性 って の は 結局 な んな んだ ?

私 が どんな 真実 を 告げよう と あなた は 確証 を 得る こと が でき ない

な っ なぜ だ ? あっ …

( 長門 ) 私 の 言葉 が 真実である と いう 保証 も どこ に も ない から

あなた に とって は

( ドア が 開く 音 )

( キョン ) 分から ん 普通 分かる か ?

古泉 も 長門 も もっと 他人 に 分かり やすく 話して くれよ

( キョン ) 映画 撮影 が 順調だ と 考えて いる の は ハルヒ だけ で

俺 と 古泉 と 朝比奈 さん は 次第に 顔 に かかる 縦 線 が

影 を 濃く する ように なって いった

あっ ! あっ !

( キョン ) いつの間にか モデルガン から は BB 弾 で は なく

水 撃 弾 が 出る ように なって いた し

朝比奈 さん は ハルヒ が 違う 色 の コンタクト を 持ってくる たび に

物騒な 物 を 出し

その つど 長門 に 噛 ( か ) まれ ていたし

桜 が 咲いて いる と 思ったら 数 日 後 に は 散って い たし

神社 の 白い ハト たち は とっくに 絶滅 した はずの

リョコウバト に なって いた らしい し

地球 の 歳 差 運動 が 微妙に ズレ たり して いた そうだ

( テレビ : アナウンサー ) 日経 平均 先物

10 月 現在 の 最 高値 最 安値 は …

( 妹 ) キョン く ~ ん お 友達 ~!

うん ?

あっ …

や あ …

涼 宮 さん に とって 細かい 設定 や 伏線 は どう で も いい んです よ

恐らく オチ なんか も 考えて は い ない でしょう

ひょっとしたら 未完 で 終わる かも しれ ませ ん ね

それ だ と 困る んだろう が

世界 が フィクション 化 する と 困る の は 僕たち の 理論 です から ね

本当の 話 を お 聞か せ し ます と

涼 宮 さん を 中心 と する なんらか の 理論 を 持って いる の は

我々 機関 と 朝比奈 さん の 一派 だけ で は あり ませ ん

たくさん ある のです

水面 下 で 我々 が 行って いる さまざまな 抗争 と

血みどろの 殲滅 ( せ ん めつ ) 戦 を

ダイジェスト で 教えて さしあげ たい くらい です よ

同盟 と 裏切り 妨害 と だまし 討ち

破壊 と 殺戮 ( さつりく )

各 グループ と も 総力 を 挙げて の 生き残り 合戦 です

まあ こんな こと は あなた に は 無縁の こと でしょう が ね

涼 宮 さん に も

特に 涼 宮 さん に は 永遠に 知ら ないで いて ほしい

彼女 の 心 を 曇らせる ような こと は し たく ない んです

僕 の 基準 で 言えば 涼 宮 さん は 愛す べき キャラクター を お 持ち です

ああ もちろん あなた も

なぜ 俺 に そんな こと を 教える ?

口 が 滑った のです よ 理由 なんか あり ませ ん

なん に せよ つまらない 話 です よ

確かに な 全然 面白く ない

つまらない 話 の ついで に もう 一 つ

朝比奈 さん が なぜ

僕 や あなた と 行動 を ともに して いる か

その 理由 を 考えた こと が あり ます か ?

彼女 の 役目 は あなた を 籠 絡 する こと です

涼 宮 さん に 少し でも 言う こと を 聞か せる こと が できる の は

唯一 あなた です から

あなた を からめ 捕って しま の が 最適な のです

幼く 見える 容姿 や 涼 宮 さん の 無理 難題 に 唯 々 諾々 と 従う ―

かわいそうな 立ち 位置 も そう です

全て は あなた の 目 を 自分 に 向け させる ため です よ

( キョン ) 冗談 は 聞き 飽きた

( 古泉 ) フッ … ああ すみません

やはり 僕 は

冗談 を 貫き 続ける 能力 に 欠けて い ます ね

ウソ です よ

本気に し ました ?

涼 宮 さん の 映画 と クラス の 劇 と で

僕 の プレッシャー は 結構 厳しい もの に なって いる のです

この上 閉鎖 空間 でも 出たり したら 倒れ 伏す 自信 が あり ます ね

それ も あって あなた に お 願 いし に 来た のです

どうか 涼 宮 さん の 映画 が 発生 源 の

この 異常 現象 を 止めて もらえ ない か と ね

ハルヒ の 映画 の 内容 が 全部 デタラメ である と いう こと を

ハルヒ 自身 に 自覚 さ せる こと

… だった か ?

明確に 自覚 さ せる こと です ね

できれば 撮影 が 終わって しまう 前 に

よろしく お 願い し ます

( キョン ) な ん なんだ あいつ は ? 俺 に 責任 を 押しつけ に 来た の か ?

まあ しかし …

( キョン ) 放っておく わけに も いかん か

めん どくさい な チクショウ

映画 は 映画 現実 は 現実 おのおの 別物 な のだ と

そんな 当たり前の こと を 改めて 納得 さ せる 手だて と は なんだ ?

古泉 は “ 夢 オチ ” と か 言って いた が それ 以外 で は …

お っ ?

( キョン ) 翌日 俺 は ハルヒ に とある 一 つ の 提案 を して

すったもんだ の 末 に 了承 を 得た

( ハルヒ ) はい オーケー !

お 疲れ さ ~ ん ! これ で 全部 の 撮影 は 終了 よ

みんな よく 頑張って くれた わ !

あした は 朝 イチ で 部室 に 集合 試写 会 を し ましょう

( み くる ) う う …

( ハルヒ ) み くるちゃ ん 泣く の は まだ 早い わ よ !

その 涙 は パルムドール か オスカー まで 取って おく の !

みんな で 幸せに なり ましょう !

( キョン ) ミクル と ユキ の ラストバトル は

突如 己 の 能力 を 覚醒 さ せた 古泉 イツキ の

なんだか 分から ん ご都合主義 パワー に よって

ユキ が 宇宙 の かなた に 飛ばさ れる こと で 幕 を 閉じた

閉じる の !

( 古泉 ) やっと 終わって くれ ました か

アハッ

しかし 終わって みれば 一瞬 だった 気 も し ます ね

楽しい 時間 は たつ の が 早い と いい ます が

さて 楽しんで いた の は 誰 な んでしょう ?

さあ ね

後 の こと は あなた に お 任せ して も いい です か ?

クラス の 舞台 劇 の ほう で 頭 が いっぱいでして ね

映画 と 違って そっち で は ―

セリフ を と ちって やり 直し と いう わけに は いきま せ ん ので

それ と もう 一 つ あなた に は 感謝 して い ます

我々 も 僕 個人 も ね

( ハルヒ ) はい 大きな 声 で !

目指す は ハリウッド ブロックバスター !

つかむ ぞ 金 熊 金 獅子 賞 ~!

( ハルヒ ) そう よ !

さあ み くる ちゃん も 未来 を 指さして !

やれやれ …

( キョン ) 正直 言って とうとう 最後 まで

俺 に は ハルヒ が なんの 映画 を 撮って いる の か

ピクセル 単位 で 分から なかった

当然の こと だ が

ビジュアルエフェクト を かます 時間 など

どこ を 探して も 余って は おら ず もともと そんな 技術 も ない

ごねた の は ハルヒ だ

そんな 未完成な の を 出展 する わけに は いか ない わ !

なんとか し なさい よ !

文化 祭 は あした だ ぞ もう 限界 だって の !

徹夜 で すれば 間に合う んじゃ ない の ?

ここ に 泊まり込んで やれば いい じゃ ない

あたし も 手伝う から

( キョン ) 結論 から 言う と ハルヒ は なんの 役 に も 立た なかった

あっ !

( マウス の クリック 音 )

( キョン ) か くい う 俺 も その後 まもなく 眠って しまった のだった

( ハルヒ ) キョン こら 起き なさい って ば !

ああ …

ねえ どう なった ?

( キョン ) 泊まり込み の 意味 は なかった 映画 は 未完成の まま である

( モニター : み くる ) 未来 から 来た のです !

( ハルヒ ) へえ ~ ( キョン ) えっ ?

( み くる ) ぱぎ ゃ ~!

( ハルヒ ) まあまあじゃ ない

ちょっと 物足りない けど あんた に して は 上出来だ わ

( キョン ) 俺 で は ない 俺 以外 の 誰 か が やった のだ

本命 長門 対抗 古泉

無印 朝比奈 さん 大 穴 まだ 登場 して い ない 誰 か

そんな とこ だろう

おはよう ございます 首尾 は どう です か ?

おはよう ございます

( ハルヒ ) おはよう ! もちろん 出来て る わ よ

血 と 汗 と 涙 の 長編 スペクタクル が ね !

( み くる ) うわ ~ そう な んです か

( 古泉 ) それ は よかった です ね

( ハルヒ ) フフン

これ から みんな で 見 ましょう !

いや ~ み くるちゃ ん あなた よかった わ !

これ で 観客 の ハート は 完全に つかんだ わ ね

パーフェクト よ み くるちゃ ん !

( キョン ) 文化 祭 が 始まって 俺 の やる こと は なく なった

懸念 して いた 現実 の 変容 と やら は 収まって くれた らしい

シャミセン が しゃべら なく なった こと で

俺 は それ を 知った

なくなった と いえば

文化 祭 前日 まで よく目 に して いた ―

奇妙な 格好の 連中 だ が

あいつ ら が 出て い そうな 演目 も 文化 祭 に なかった

一体 な んだった んだろう か ?

映画 は ハルヒ の ナレーション で 締めくくら れる

遊び の 部分 も 必要な のだ と 言って 説得 した

監督 自ら に よる 幕 引き の セリフ である

それ は 全て を キャンセル できる 魔法 の 言葉 だった

( 映画 : ハルヒ ) ウソ っぱ ち です

ど っか 似て た と して も それ は 他人 の そら 似 です

あっ CM シーン は 別 よ

大森 ( おおもり ) 電器 店 と ヤマ ツチ モデル ショップ を よろしく !

ジャンジャン 買い に 行って あげ なさい !

もう 一 度 言う の ?

この 物語 は フィクション であり 実在 する 人物 団体 …

ねえ キョン なんで こんな こと 言わ ない と いけない の ?

( キョン ) 悩み も 何も ない ように 見える ハルヒ の 唯一 の 悩み と は

ひと言 で 言う と “ 世界 は 普通 すぎる ” って こと で

では こいつ の 考える ―

“ 普通で は ない こと ” って の は 何かと いう と

これ は また スーパー ナチュラルであって

要するに

“ あたし の 目の前 に 幽霊 の 一 つ も 現れ ない と は 何事 か ”

… など と 考えて いやがる のだった

重要な 話 が ある んだ が 聞いて くれ

何 よ ?

お前 は 宇宙 人 か 未来 人 か ―

超 能力 を 使う ような ヤツ が いて ほしい んだ よ な ?

そう だ けど それ が どうした の よ ?

実は 宇宙 人 も 未来 人 も 超 能力 者 も

思い も 寄ら ぬ 身近に いる んだ よ

へえ どこ の 誰 ?

まさか と は 思う けど

有希 や み くる ちゃん や 古泉 君 の こと じゃ ない でしょう ね ?

それ じゃあ ちっとも “ 思い も 寄ら ぬ ” じゃ ない もの

ええ 実は …

そう 言おう と 思って た んだ けど な

は あ ? あんた バカじゃ ない の ?

そんな 都合 の いい 話 が

ある わけない じゃ ない の !

( キョン ) まあ 普通に 考えたら そうだ よ な

( ハルヒ ) それ で 誰 が どんな だって ?

( キョン ) 聞いて 喜べ

あの 長門 有希 は 宇宙 人 だ

統合 なんとか 思 念 体 だった かな ?

そんな 感じ の 存在 の 手先 だ そう !

ヒューマノイド ・ インターフェース だった

それ だ よ !

( ハルヒ ) ふ ~ ん で … み くる ちゃん は ?

( キョン ) 朝比奈 さん は だ な 割と 簡単だ

あの 人 は 未来 人 だ

未来 から 来て る んだ から 未来 人 で 合って る だ ろ ?

( ハルヒ ) 何 年 後 から 来た の よ ?

( キョン ) それ は 知ら ん

教えて くれ なかった んで な

は は ~ ん 分かった わ

分かって くれた か

と いう こと は 古泉 君 は 超 能力 者 な の ね ?

そう 言う つもりな んでしょ ?

そう ! まさしく そう 言う つもりだった !

うん うん

うん うん

( ハルヒ ) フッ ( キョン ) フッ

ふざけ ん な !

( キョン ) この アホ 女 は

どうして 変な 部分 で 常識 的な んだ ?

すんなり 信じて おけば 今 より 物事 が

簡単に なって いる だろう に

( 店員 ) あ … ありがとう ございました

( キョン ) もっとも

ハルヒ が 全て の 現象 を 自覚 して しまえば

この 世界 全体 が どう なる か

知れた もの で は ない のだ が

やれやれ …

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Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 24 Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 24

( 長門 ( な が と )) 知っている ながと||||しっている

( キョン ) 案内 さ れた ところ は 長門 の マンション の 裏 だった |あんない|||||ながと||まんしょん||うら|

( ハルヒ ) あっ !

( 鳴き声 ) なきごえ

( ハルヒ ) あら みんな 人 に 慣れて る の ね |||じん||なれて|||

黒 猫 黒 猫 … くろ|ねこ|くろ|ねこ

は あ ~

まあ いい わ   こいつ に し ましょう

( キョン ) また 設定 変え や がった ! ||せってい|かえ||

黒 じゃ ない けど この際 しかたない わ くろ||||このさい||

さあ 有希 ( ゆき ) これ が あなた の 相棒 よ |ゆうき||||||あいぼう|

仲よく し なさい ね ! なかよく|||

( 猫 の 鳴き声 ) ねこ||なきごえ

( キョン ) 撮影 が 再開 さ れた もう 場所 なんか どこ でも いい らしい |さつえい||さいかい||||ばしょ|||||

有希 み くる ちゃん に 攻撃 よ ! ゆうき|||||こうげき|

くらう が いい

( み くる ) ひ い ~!

はい カット !  ナイス ! |かっと|

その 猫 しゃべる こと に する わ 魔法使い の 飼い 猫 だ も の |ねこ||||||まほうつかい||かい|ねこ|||

皮肉 の 一 つ くらい は 言う わ よ ね ひにく||ひと||||いう|||

( キョン ) とんでもない !

( ハルヒ ) あなた の 名前 は シャミセン よ ! |||なまえ|||

ほら シャミセン なんか 話し なさい ! |||はなし|

( キョン ) 話す わけない と いう か 話さ ないで くれ |はなす|||||はなさ||

… って シャミセン って !

( ハルヒ ) うん 順調 ね ||じゅんちょう|

キョン その 猫 の 世話 は あんた に 任せる わ ||ねこ||せわ||||まかせる|

家 に 連れて 帰って あした まで に 芸 の 一 つ でも 仕込んで おき なさい いえ||つれて|かえって||||げい||ひと|||しこんで||

火 の 輪 くぐり と か ひ||りん|||

は あ ~

はい それ じゃあ 今日 は ここ まで ! |||きょう|||

あした から は いよいよ クライマックス よ !

撮影 快調 体調 万全 さつえい|かいちょう|たいちょう|ばんぜん

みんな ゆっくり 休んで あした に 備え なさい ! ||やすんで|||そなえ|

( ハルヒ の 鼻歌 ) ||はなうた

( ため息 ) ためいき

ご 苦労 だった な 後 で 猫 缶 を おごって やる よ |くろう|||あと||ねこ|かん||||

それとも 煮干し が いい か ? |にぼし|||

( シャミセン ) どちら でも かまわ ない

( み くる ) あっ ( 古泉 ( こい ずみ )) お っ |||こいずみ||||

おいおい 今 の は 長門 か ? 俺 は 猫 に 聞いた んだ |いま|||ながと||おれ||ねこ||きいた|

私 も その つもり だった 故 に 返事 を した わたくし|||||こ||へんじ||

私 は 何 か 間違った こと を 言った のだろう か ? わたくし||なん||まちがった|||いった||

( キョン ) う おお …

驚き です ね   三毛猫 で オス と は おどろき|||みけねこ||おす||

いや ツッコ む ところ は そこ じゃ ないだ ろ

( み くる ) ビックリ です 猫 さん が 言葉 を しゃべる なんて ||びっくり||ねこ|||ことば|||

( シャミセン ) 私 に は きみ たち が なぜ 驚いて いる の か が 分から ない |わたくし|||||||おどろいて|||||わから|

( キョン ) 化け 猫 猫 又 ( また ) の 類い か ? |ばけ|ねこ|ねこ|また|||たぐい|

確かに 私 は きみ に とって 人 の 言葉 に 聞こえる か の ような たしかに|わたくし|||||じん||ことば||きこえる|||

音 を 出して いる の かも しれ ん おと||だして|||||

だ と すれば

何 を もって きみ は 私 が 言葉 どおり の 意味 を 込めた ― なん|||||わたくし||ことば|||いみ||こめた

発声 を して いる のだ と 確認 する の か ? はっせい||||||かくにん|||

そりゃ あれ だ

ちゃんと 俺 の 問いかけ に 答えて いる から だ |おれ||といかけ||こたえて|||

私 が 発して いる 音声 が わたくし||はっして||おんせい|

たまたま 偶然に も きみ の 質問 に 対する 応答 に |ぐうぜんに||||しつもん||たいする|おうとう|

合致 して いる だけ かも しれ ないで は ない か がっち|||||||||

そんな の が まかり通れば 人間 同士 でも |||まかりとおれば|にんげん|どうし|

会話 が 成立 して い ない こと に なる じゃ ねえ か かいわ||せいりつ|||||||||

( シャミセン ) まったく その とおり だ

あたかも 会話 して いる か の ような 行為 を 働いて いた と して |かいわ||||||こうい||はたらいて|||

それ が 正しい 意思 伝達 を 行って いる か どう か など ||ただしい|いし|でんたつ||おこなって|||||

誰 に も 分から ない のだ だれ|||わから||

誰しも 本音 と 建て前 を 使い分けて い ます から ね だれしも|ほんね||たてまえ||つかい わけて||||

( キョン ) お前 は 黙って ろ ! |おまえ||だまって|

言わ れて みれば そうです … よね ? いわ|||そう です|

( キョン ) すみません が あなた も 黙って いて ください ませ ん か |||||だまって|||||

現況 は あまり よろしく ない ようです ね げんきょう|||||よう です|

僕たち は まだまだ 涼 宮 ( すずみ や ) さん を 過小 評価 して いた ようです ぼくたち|||りょう|みや|||||かしょう|ひょうか|||よう です

あの どういう こと です か ?

涼 宮 さん の 映画 内 設定 が りょう|みや|||えいが|うち|せってい|

世界 の 常識 と して 固定 さ れる 恐れ が 出て きた のです よ せかい||じょうしき|||こてい|||おそれ||でて||の です|

もし 彼女 が |かのじょ|

“ 巨大 隕石 ( いんせき ) が 落下 して くる シーン を 撮り たい ” と 思えば きょだい|いんせき|||らっか|||しーん||とり|||おもえば

本当に 実現 する かも しれ ませ ん ほんとうに|じつげん|||||

( み くる ) じゃあ どう すれば ?

虚構 に よる 現実 へ の 浸食 を 防が ねば なり ませ ん きょこう|||げんじつ|||しんしょく||ふせが||||

今 の 彼女 は 現実 と フィクション を 無意識 の うち に 混同 さ せて い ます いま||かのじょ||げんじつ||ふぃくしょん||むいしき||||こんどう||||

よほど 調子 に 乗って る んだ な |ちょうし||のって|||

涼 宮 さん の 異 能力 が 映画 作り と いう フィルター を 通して りょう|みや|||い|のうりょく||えいが|つくり|||ふぃるたー||とおして

顕在 化 して いる のです けんざい|か|||の です

これ を 防ぐ に は ||ふせぐ||

あくまで フィクション に すぎ ない と いう こと を |ふぃくしょん|||||||

涼 宮 さん に 分から せて りょう|みや|||わから|

この 映画 を 合理 的に 落ち着く よう 誘導 し なければ なり ませ ん |えいが||ごうり|てきに|おちつく||ゆうどう|||||

猫 が しゃべる の を どう 正当 化 すれば いい んだ ? ねこ||||||せいとう|か|||

正当 化 と いう の は 違い ます ね それ で は 結局 せいとう|か|||||ちがい||||||けっきょく

猫 が しゃべり だす 世界 が 構築 さ れる こと に なる わけです が ねこ||||せかい||こうちく||||||わけ です|

それ は 我々 の 世界 に は あり え ない もの です ||われわれ||せかい|||||||

じゃあ お前たち は どう な んだ よ ? |おまえたち|||||

ええ   です から 我々 が 存在 する の は 涼 宮 さん の おかげ でしょう ね |||われわれ||そんざい||||りょう|みや|||||

あの しゃべる 猫 と 同じです ||ねこ||おなじ です

( キョン ) なんとか なら ない の か ?

( 古泉 ) もし これ が ファンタジー 世界 で の 出来事 なら こいずみ|||||せかい|||できごと|

なんの 説明 も いり ませ ん |せつめい||||

ですが しゃべる 猫 や ミクルビーム が ||ねこ|||

現実 に 存在 する と 証明 さ れた 瞬間 げんじつ||そんざい|||しょうめい|||しゅんかん

我々 の 世界 は 変容 し ます われわれ||せかい||へんよう||

超 常 現象 が ない 世界 から 超 常 現象 を 内包 した 世界 に ちょう|とわ|げんしょう|||せかい||ちょう|とわ|げんしょう||ないほう||せかい|

認識 し 直さ なければ なら ない のです にんしき||なおさ||||の です

じゃあ どう すりゃ いい ?

涼 宮 さん が 納得 し そうな 映画 的 結末 を つければ いい のです りょう|みや|||なっとく||そう な|えいが|てき|けつまつ||||の です

ある か ?  そんな の

あり ます よ

ごくごく 簡単で それ まで の 理屈 に 合わ ない 展開 を |かんたんで||||りくつ||あわ||てんかい| Very easy and unreasonable deployment

一気に 常識 的な もの へ 転化 する 結末 が いっきに|じょうしき|てきな|||てんか||けつまつ|

言って みろ いって|

夢 オチ です ゆめ|おち|

冗談 を 言った つもり は ない のです が じょうだん||いった||||の です|

ハルヒ が それ で 納得 する と 思う か ? ||||なっとく|||おもう|

難しい かも しれ ませ ん です が こういった 場合 に は むずかしい||||||||ばあい||

映画 の 内容 が 全て 夢 ウソ 間違い だった と いう こと を えいが||ないよう||すべて|ゆめ|うそ|まちがい|||||

作品 内 で 自己 言及 する の が 一 番 よい 解決 法 な のです よ さくひん|うち||じこ|げんきゅう||||ひと|ばん||かいけつ|ほう||の です|

( キョン ) お前 に とって は そう だろう |おまえ|||||

また 俺 に とって も その ほう が いい の かも しれ ない |おれ|||||||||||

しかし ハルヒ は どう だ ?

( キョン ) いい か ? 家 で は ひと言 も しゃべる な |||いえ|||ひとこと|||

ちゃんと 猫 らしく して いろ |ねこ|||

( シャミセン ) “ 猫 らしく ” と いう 言葉 の 意味 は 分から ない が |ねこ||||ことば||いみ||わから||

きみ が そのように 言う の なら 従おう ||そのよう に|いう|||したがおう

( キョン ) しゃべる な 返事 は “ ニャ ~” で 統一 しろ |||へんじ||||とういつ|

( シャミセン ) ニャ ~

( キョン の 妹 ) うわ ~! ||いもうと|

( 妹 ) 猫 猫 猫 ~ ( シャミセン ) ニャ ~ いもうと|ねこ|ねこ|ねこ||

( キョン ) よっ こい … しょう いち

お っ それ じゃ また 後 で な |||||あと||

よかろう

( キョン ) 文化 祭 まで 残り 数 日 と なった 我が 校 だ が |ぶんか|さい||のこり|すう|ひ|||わが|こう||

まるで ハルヒ の テンション に 連動 する か の ように |||てんしょん||れんどう||||よう に

雑然 たる 雰囲気 を 着実に 増大 さ せて いた ざつぜん||ふんいき||ちゃくじつに|ぞうだい|||

( 戦士 風 の 男 ) 早く 伝説 の クリスタル クレッセントオーブ を 探し出さ ねば せんし|かぜ||おとこ|はやく|でんせつ|||||さがしださ|

( ドワーフ の 男 ) だ ね だ ね だ ~ ね ! ||おとこ||||||

( キョン ) この分 で は 異 世界 人 の 1 人 2 人 が 交じって いた と して も |この ぶん|||い|せかい|じん||じん|じん||まじって||||

不思議で は なく なって きた 感じ だ ふしぎで|||||かんじ|

( 鶴屋 ( つる や )) キョン く ~ ん つるや|||||

み くる が 話 が ある って |||はなし|||

( 鶴屋 ) ほら み くる キョン 君 に あれ を つるや|||||きみ|||

( み くる ) これ その …

わ わ わ … 割引 券 です ! |||わりびき|けん|

( キョン ) えっ ? ( 鶴屋 ) あたし たち の クラス で やる ||つるや||||くらす||

焼きそば 喫茶 の やつ だ よ やきそば|きっさ||||

ありがとう ございます

お 友達 と お 誘い 合わせ の 上 で お 越し ください |ともだち|||さそい|あわせ||うえ|||こし|

それ だけ !  じゃあ ね ~!

ウフッ

キョン 君 |きみ

なんで しょうか ?

あの こんな こと 言う と あたし が 古泉 君 を あれ か と 思わ れる ようで |||いう||||こいずみ|きみ|||||おもわ|| When I say this, I think I'm Koizumi-kun.

その イヤな んです けど … |いやな|ん です| I don't like that ...

は あ

あたし は その … 別の 考え を 持って いて |||べつの|かんがえ||もって|

つまり は その … それ は …

古泉 君 の 解釈 と は 違う もの な んです こいずみ|きみ||かいしゃく|||ちがう|||ん です

ハルヒ が 神様 だ と か そういう 話 です か ? ||かみさま|||||はなし||

は あ ~

涼 宮 さん に この 現在 を 変える 力 が ある の は 間違い ないで す りょう|みや||||げんざい||かえる|ちから|||||まちがい||

でも それ が 世界 の 仕組み を 変える もの だ と は 思い ませ ん |||せかい||しくみ||かえる|||||おもい||

この 世界 は 最初 から こう だった の |せかい||さいしょ||||

( キョン ) それはそれは   古泉 と は 真っ向 から 反発 する 意見 です ね ||こいずみ|||まっこう||はんぱつ||いけん||

( み くる ) 長門 さん も 違う こと を 考えて いる と 思う ||ながと|||ちがう|||かんがえて|||おもう

あの こんな こと を 言う と ||||いう|

ちょっと 人 聞き が 悪い かも しれ ない んです けど |じん|きき||わるい||||ん です|

古泉 君 の こと その … こいずみ|きみ|||

あんまり 信用 し ないで … って 言ったら 語弊 が ある けど |しんよう||||いったら|ごへい|||

えっ と ごめんなさい

あたし 説明 下手だ し 制限 かかって る し あの … |せつめい|へただ||せいげん||||

だけど !

分かって ます よ わかって||

ハルヒ が 神様 な わけ ない じゃ ないで す か ||かみさま|||||||

俺 に は まだ 古泉 より おれ||||こいずみ|

朝比奈 ( あさひ な ) さん の ほう が 分かり やすい で すよ あさひな|||||||わかり|||

ありがとう

でも あたし 自身 に は 古泉 君 に 含む ところ は あり ませ ん ||じしん|||こいずみ|きみ||ふくむ|||||

それ も 分かって おいて ください ね ||わかって|||

朝比奈 み くる の 主張 は こう だ と 思わ れる あさひな||||しゅちょう|||||おもわ|

涼 宮 ハルヒ が 想像 した ので は なく りょう|みや|||そうぞう||||

世界 は このまま の 形 で 以前 から 存在 して いた せかい||||かた||いぜん||そんざい||

超 能力 や 時間 移動 体 ちょう|のうりょく||じかん|いどう|からだ

概念 形 地球 外 生命 体 など の 超 自然 的 存在 は がいねん|かた|ちきゅう|がい|せいめい|からだ|||ちょう|しぜん|てき|そんざい|

もともと そこ に いた のである

涼 宮 ハルヒ の 役割 は それ ら を 自覚 なし に 発見 する こと であり りょう|みや|||やくわり|||||じかく|||はっけん|||

その 能力 は 3 年 前 から 発揮 さ れて いる |のうりょく||とし|ぜん||はっき|||

ただし 彼女 は 世界 の 異常 を 探知 できる が |かのじょ||せかい||いじょう||たんち||

決して 認識 する こと は ない けっして|にんしき||||

認識 を 妨害 する 要素 も また ここ に 存在 する から である にんしき||ぼうがい||ようそ|||||そんざい|||

それ が 我々 ||われわれ

( キョン ) あっ …

朝比奈 さん に は 古泉 と 違う 理由 が あって あさひな||||こいずみ||ちがう|りゆう||

ハルヒ が 不思議 現象 を 見つける こと が 不都合な の か ? ||ふしぎ|げんしょう||みつける|||ふつごうな||

( 長門 ) そう ながと|

彼女 は 彼女 が 帰属 する 未来 時空 間 を 守る ため に かのじょ||かのじょ||きぞく||みらい|じくう|あいだ||まもる||

この 時空 に 来て いる |じくう||きて|

( キョン ) なんだか 重要な こと を さらりと 言わ れた ような 気 が する ||じゅうような||||いわ|||き||

( 長門 ) 古泉 一樹 ( いつき ) と 朝比奈 み くる は ながと|こいずみ|かずき|||あさひな|||

互いに 相手 の 解釈 を 決して 認める こと は ない たがいに|あいて||かいしゃく||けっして|みとめる||| Never accept each other's interpretations

彼ら に とって 異なる 存在 の 理論 は かれら|||ことなる|そんざい||りろん|

自分 たち の 存在 基盤 を 揺るがす もの に ほかなら ない から じぶん|||そんざい|きばん||ゆるがす|||||

待てよ ! まてよ

古泉 は 3 年 前 に 超 能力 が 自分 に 宿った のだ と 言った ぞ こいずみ||とし|ぜん||ちょう|のうりょく||じぶん||やどった|||いった|

古泉 一樹 の 言葉 が 真実である と いう 保証 は どこ に も ない こいずみ|かずき||ことば||しんじつである|||ほしょう|||||

( キョン ) あっ …

( キョン ) 確かに 保証 は ない |たしかに|ほしょう||

古泉 の 理屈 は 俺 が こうむった 出来事 に こいずみ||りくつ||おれ|||できごと|

もっともらしい 解説 を つけて いる だけ だ |かいせつ|||||

それ が 正解 だ と 誰 に 分かる ? ||せいかい|||だれ||わかる

朝比奈 さん の 理屈 だって 同じ こと だ あさひな|||りくつ||おなじ||

朝比奈 版 解答 が 正しい のだ と 誰 が 保証 して くれる のだろう あさひな|はん|かいとう||ただしい|||だれ||ほしょう|||

( キョン ) お前 は どう 思って る んだ ? どれ が 正解 だ ? |おまえ|||おもって|||||せいかい|

前 に お前 が 言って た 自律 進化 の 可能 性 って の は 結局 な んな んだ ? ぜん||おまえ||いって||じりつ|しんか||かのう|せい||||けっきょく|||

私 が どんな 真実 を 告げよう と あなた は 確証 を 得る こと が でき ない わたくし|||しんじつ||つげよう||||かくしょう||える||||

な っ なぜ だ ?  あっ …

( 長門 ) 私 の 言葉 が 真実である と いう 保証 も どこ に も ない から ながと|わたくし||ことば||しんじつである|||ほしょう||||||

あなた に とって は

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( キョン ) 分から ん   普通 分かる か ? |わから||ふつう|わかる|

古泉 も 長門 も もっと 他人 に 分かり やすく 話して くれよ こいずみ||ながと|||たにん||わかり||はなして|

( キョン ) 映画 撮影 が 順調だ と 考えて いる の は ハルヒ だけ で |えいが|さつえい||じゅんちょうだ||かんがえて||||||

俺 と 古泉 と 朝比奈 さん は 次第に 顔 に かかる 縦 線 が おれ||こいずみ||あさひな|||しだいに|かお|||たて|せん|

影 を 濃く する ように なって いった かげ||こく||よう に||

あっ !  あっ !

( キョン ) いつの間にか モデルガン から は BB 弾 で は なく |いつのまにか|||||たま|||

水 撃 弾 が 出る ように なって いた し すい|う|たま||でる|よう に|||

朝比奈 さん は ハルヒ が 違う 色 の コンタクト を 持ってくる たび に あさひな|||||ちがう|いろ||こんたくと||もってくる||

物騒な 物 を 出し ぶっそうな|ぶつ||だし

その つど 長門 に 噛 ( か ) まれ ていたし ||ながと||か|||

桜 が 咲いて いる と 思ったら 数 日 後 に は 散って い たし さくら||さいて|||おもったら|すう|ひ|あと|||ちって||

神社 の 白い ハト たち は とっくに 絶滅 した はずの じんじゃ||しろい|はと||||ぜつめつ||

リョコウバト に なって いた らしい し

地球 の 歳 差 運動 が 微妙に ズレ たり して いた そうだ ちきゅう||さい|さ|うんどう||びみょうに|ずれ||||そう だ

( テレビ : アナウンサー ) 日経 平均 先物 てれび|あなうんさー|にっけい|へいきん|さきもの

10 月 現在 の 最 高値 最 安値 は … つき|げんざい||さい|たかね|さい|やすね|

( 妹 ) キョン く ~ ん お 友達 ~! いもうと|||||ともだち

うん ?

あっ …

や あ …

涼 宮 さん に とって 細かい 設定 や 伏線 は どう で も いい んです よ りょう|みや||||こまかい|せってい||ふくせん||||||ん です|

恐らく オチ なんか も 考えて は い ない でしょう おそらく|おち|||かんがえて||||

ひょっとしたら 未完 で 終わる かも しれ ませ ん ね |みかん||おわる|||||

それ だ と 困る んだろう が |||こまる||

世界 が フィクション 化 する と 困る の は 僕たち の 理論 です から ね せかい||ふぃくしょん|か|||こまる|||ぼくたち||りろん|||

本当の 話 を お 聞か せ し ます と ほんとうの|はなし|||きか||||

涼 宮 さん を 中心 と する なんらか の 理論 を 持って いる の は りょう|みや|||ちゅうしん|||||りろん||もって|||

我々 機関 と 朝比奈 さん の 一派 だけ で は あり ませ ん われわれ|きかん||あさひな|||いっぱ||||||

たくさん ある のです ||の です

水面 下 で 我々 が 行って いる さまざまな 抗争 と すいめん|した||われわれ||おこなって|||こうそう|

血みどろの 殲滅 ( せ ん めつ ) 戦 を ちみどろの|せんめつ||||いくさ|

ダイジェスト で 教えて さしあげ たい くらい です よ ||おしえて|||||

同盟 と 裏切り 妨害 と だまし 討ち どうめい||うらぎり|ぼうがい|||うち

破壊 と 殺戮 ( さつりく ) はかい||さつりく|

各 グループ と も 総力 を 挙げて の 生き残り 合戦 です かく|ぐるーぷ|||そうりょく||あげて||いきのこり|かっせん|

まあ こんな こと は あなた に は 無縁の こと でしょう が ね |||||||むえんの||||

涼 宮 さん に も りょう|みや|||

特に 涼 宮 さん に は 永遠に 知ら ないで いて ほしい とくに|りょう|みや||||えいえんに|しら|||

彼女 の 心 を 曇らせる ような こと は し たく ない んです かのじょ||こころ||くもらせる|||||||ん です

僕 の 基準 で 言えば 涼 宮 さん は 愛す べき キャラクター を お 持ち です ぼく||きじゅん||いえば|りょう|みや|||あいす||きゃらくたー|||もち|

ああ もちろん あなた も

なぜ 俺 に そんな こと を 教える ? |おれ|||||おしえる

口 が 滑った のです よ 理由 なんか あり ませ ん くち||すべった|の です||りゆう||||

なん に せよ つまらない 話 です よ ||||はなし||

確かに な   全然 面白く ない たしかに||ぜんぜん|おもしろく|

つまらない 話 の ついで に もう 一 つ |はなし|||||ひと|

朝比奈 さん が なぜ あさひな|||

僕 や あなた と 行動 を ともに して いる か ぼく||||こうどう|||||

その 理由 を 考えた こと が あり ます か ? |りゆう||かんがえた|||||

彼女 の 役目 は あなた を 籠 絡 する こと です かのじょ||やくめ||||かご|から|||

涼 宮 さん に 少し でも 言う こと を 聞か せる こと が できる の は りょう|みや|||すこし||いう|||きか||||||

唯一 あなた です から ゆいいつ|||

あなた を からめ 捕って しま の が 最適な のです |||とって||||さいてきな|の です

幼く 見える 容姿 や 涼 宮 さん の 無理 難題 に 唯 々 諾々 と 従う ― おさなく|みえる|ようし||りょう|みや|||むり|なんだい||ただ||だくだく||したがう

かわいそうな 立ち 位置 も そう です |たち|いち|||

全て は あなた の 目 を 自分 に 向け させる ため です よ すべて||||め||じぶん||むけ||||

( キョン ) 冗談 は 聞き 飽きた |じょうだん||きき|あきた

( 古泉 ) フッ … ああ すみません こいずみ|||

やはり 僕 は |ぼく|

冗談 を 貫き 続ける 能力 に 欠けて い ます ね じょうだん||つらぬき|つづける|のうりょく||かけて|||

ウソ です よ うそ||

本気に し ました ? ほんきに||

涼 宮 さん の 映画 と クラス の 劇 と で りょう|みや|||えいが||くらす||げき||

僕 の プレッシャー は 結構 厳しい もの に なって いる のです ぼく||ぷれっしゃー||けっこう|きびしい|||||の です

この上 閉鎖 空間 でも 出たり したら 倒れ 伏す 自信 が あり ます ね このうえ|へいさ|くうかん||でたり||たおれ|ふす|じしん||||

それ も あって あなた に お 願 いし に 来た のです ||||||ねがい|||きた|の です

どうか 涼 宮 さん の 映画 が 発生 源 の |りょう|みや|||えいが||はっせい|げん|

この 異常 現象 を 止めて もらえ ない か と ね |いじょう|げんしょう||とどめて|||||

ハルヒ の 映画 の 内容 が 全部 デタラメ である と いう こと を ||えいが||ないよう||ぜんぶ||||||

ハルヒ 自身 に 自覚 さ せる こと |じしん||じかく|||

… だった か ?

明確に 自覚 さ せる こと です ね めいかくに|じかく|||||

できれば 撮影 が 終わって しまう 前 に |さつえい||おわって||ぜん|

よろしく お 願い し ます ||ねがい||

( キョン ) な ん なんだ あいつ は ? 俺 に 責任 を 押しつけ に 来た の か ? ||||||おれ||せきにん||おしつけ||きた||

まあ しかし …

( キョン ) 放っておく わけに も いかん か |ほうっておく||||

めん どくさい な チクショウ

映画 は 映画 現実 は 現実 おのおの 別物 な のだ と えいが||えいが|げんじつ||げんじつ||べつもの|||

そんな 当たり前の こと を 改めて 納得 さ せる 手だて と は なんだ ? |あたりまえの|||あらためて|なっとく|||てだて|||

古泉 は “ 夢 オチ ” と か 言って いた が それ 以外 で は … こいずみ||ゆめ|おち|||いって||||いがい||

お っ ?

( キョン ) 翌日 俺 は ハルヒ に とある 一 つ の 提案 を して |よくじつ|おれ|||||ひと|||ていあん||

すったもんだ の 末 に 了承 を 得た ||すえ||りょうしょう||えた

( ハルヒ ) はい オーケー ! ||おーけー

お 疲れ さ ~ ん ! これ で 全部 の 撮影 は 終了 よ |つかれ|||||ぜんぶ||さつえい||しゅうりょう|

みんな よく 頑張って くれた わ ! ||がんばって||

あした は 朝 イチ で 部室 に 集合 試写 会 を し ましょう ||あさ|いち||ぶしつ||しゅうごう|ししゃ|かい|||

( み くる ) う う …

( ハルヒ ) み くるちゃ ん 泣く の は まだ 早い わ よ ! ||||なく||||はやい||

その 涙 は パルムドール か オスカー まで 取って おく の ! |なみだ||||||とって||

みんな で 幸せに なり ましょう ! ||しあわせに||

( キョン ) ミクル と ユキ の ラストバトル は |||ゆき|||

突如 己 の 能力 を 覚醒 さ せた 古泉 イツキ の とつじょ|おのれ||のうりょく||かくせい|||こいずみ||

なんだか 分から ん ご都合主義 パワー に よって |わから||ごつごうしゅぎ|ぱわー||

ユキ が 宇宙 の かなた に 飛ばさ れる こと で 幕 を 閉じた ゆき||うちゅう||||とばさ||||まく||とじた

閉じる の ! とじる|

( 古泉 ) やっと 終わって くれ ました か こいずみ||おわって|||

アハッ

しかし 終わって みれば 一瞬 だった 気 も し ます ね |おわって||いっしゅん||き||||

楽しい 時間 は たつ の が 早い と いい ます が たのしい|じかん|||||はやい||||

さて 楽しんで いた の は 誰 な んでしょう ? |たのしんで||||だれ||

さあ ね

後 の こと は あなた に お 任せ して も いい です か ? あと|||||||まかせ|||||

クラス の 舞台 劇 の ほう で 頭 が いっぱいでして ね くらす||ぶたい|げき||||あたま|||

映画 と 違って そっち で は ― えいが||ちがって|||

セリフ を と ちって やり 直し と いう わけに は いきま せ ん ので せりふ|||||なおし||||||||

それ と もう 一 つ あなた に は 感謝 して い ます |||ひと|||||かんしゃ|||

我々 も 僕 個人 も ね われわれ||ぼく|こじん||

( ハルヒ ) はい 大きな 声 で ! ||おおきな|こえ|

目指す は ハリウッド ブロックバスター ! めざす||はりうっど|

つかむ ぞ 金 熊 金 獅子 賞 ~! ||きむ|くま|きむ|しし|しょう

( ハルヒ ) そう よ !

さあ み くる ちゃん も 未来 を 指さして ! |||||みらい||ゆびさして

やれやれ …

( キョン ) 正直 言って とうとう 最後 まで |しょうじき|いって||さいご|

俺 に は ハルヒ が なんの 映画 を 撮って いる の か おれ||||||えいが||とって|||

ピクセル 単位 で 分から なかった |たんい||わから|

当然の こと だ が とうぜんの|||

ビジュアルエフェクト を かます 時間 など |||じかん|

どこ を 探して も 余って は おら ず もともと そんな 技術 も ない ||さがして||あまって||||||ぎじゅつ||

ごねた の は ハルヒ だ

そんな 未完成な の を 出展 する わけに は いか ない わ ! |みかんせいな|||しゅってん||||||

なんとか し なさい よ !

文化 祭 は あした だ ぞ もう 限界 だって の ! ぶんか|さい||||||げんかい||

徹夜 で すれば 間に合う んじゃ ない の ? てつや|||まにあう|||

ここ に 泊まり込んで やれば いい じゃ ない ||とまりこんで||||

あたし も 手伝う から ||てつだう|

( キョン ) 結論 から 言う と ハルヒ は なんの 役 に も 立た なかった |けつろん||いう|||||やく|||たた|

あっ !

( マウス の クリック 音 ) まうす|||おと

( キョン ) か くい う 俺 も その後 まもなく 眠って しまった のだった ||||おれ||そのご||ねむって||

( ハルヒ ) キョン こら 起き なさい って ば ! |||おき|||

ああ …

ねえ どう なった ?

( キョン ) 泊まり込み の 意味 は なかった 映画 は 未完成の まま である |とまりこみ||いみ|||えいが||みかんせいの||

( モニター : み くる ) 未来 から 来た のです ! もにたー|||みらい||きた|の です

( ハルヒ ) へえ ~ ( キョン ) えっ ?

( み くる ) ぱぎ ゃ ~!

( ハルヒ ) まあまあじゃ ない

ちょっと 物足りない けど あんた に して は 上出来だ わ |ものたりない||||||じょうできだ|

( キョン ) 俺 で は ない 俺 以外 の 誰 か が やった のだ |おれ||||おれ|いがい||だれ||||

本命 長門   対抗 古泉 ほんめい|ながと|たいこう|こいずみ

無印 朝比奈 さん 大 穴 まだ 登場 して い ない 誰 か むじるし|あさひな||だい|あな||とうじょう||||だれ|

そんな とこ だろう

おはよう ございます 首尾 は どう です か ? ||しゅび||||

おはよう ございます

( ハルヒ ) おはよう !  もちろん 出来て る わ よ |||できて|||

血 と 汗 と 涙 の 長編 スペクタクル が ね ! ち||あせ||なみだ||ちょうへん|||

( み くる ) うわ ~ そう な んです か |||||ん です|

( 古泉 ) それ は よかった です ね こいずみ|||||

( ハルヒ ) フフン

これ から みんな で 見 ましょう ! ||||み|

いや ~ み くるちゃ ん あなた よかった わ !

これ で 観客 の ハート は 完全に つかんだ わ ね ||かんきゃく||はーと||かんぜんに|||

パーフェクト よ み くるちゃ ん ! ぱーふぇくと||||

( キョン ) 文化 祭 が 始まって 俺 の やる こと は なく なった |ぶんか|さい||はじまって|おれ||||||

懸念 して いた 現実 の 変容 と やら は 収まって くれた らしい けねん|||げんじつ||へんよう||||おさまって||

シャミセン が しゃべら なく なった こと で

俺 は それ を 知った おれ||||しった

なくなった と いえば

文化 祭 前日 まで よく目 に して いた ― ぶんか|さい|ぜんじつ||よくめ|||

奇妙な 格好の 連中 だ が きみょうな|かっこうの|れんちゅう||

あいつ ら が 出て い そうな 演目 も 文化 祭 に なかった |||でて||そう な|えんもく||ぶんか|さい||

一体 な んだった んだろう か ? いったい||||

映画 は ハルヒ の ナレーション で 締めくくら れる えいが||||なれーしょん||しめくくら|

遊び の 部分 も 必要な のだ と 言って 説得 した あそび||ぶぶん||ひつような|||いって|せっとく|

監督 自ら に よる 幕 引き の セリフ である かんとく|おのずから|||まく|ひき||せりふ|

それ は 全て を キャンセル できる 魔法 の 言葉 だった ||すべて||きゃんせる||まほう||ことば|

( 映画 : ハルヒ ) ウソ っぱ ち です えいが||うそ|||

ど っか 似て た と して も それ は 他人 の そら 似 です ||にて|||||||たにん|||に|

あっ CM シーン は 別 よ ||しーん||べつ|

大森 ( おおもり ) 電器 店 と ヤマ ツチ モデル ショップ を よろしく ! おおもり||でんき|てん||やま|つち|もでる|しょっぷ||

ジャンジャン 買い に 行って あげ なさい ! |かい||おこなって||

もう 一 度 言う の ? |ひと|たび|いう|

この 物語 は フィクション であり 実在 する 人物 団体 … |ものがたり||ふぃくしょん||じつざい||じんぶつ|だんたい

ねえ キョン   なんで こんな こと 言わ ない と いけない の ? |||||いわ||||

( キョン ) 悩み も 何も ない ように 見える ハルヒ の 唯一 の 悩み と は |なやみ||なにも||よう に|みえる|||ゆいいつ||なやみ||

ひと言 で 言う と “ 世界 は 普通 すぎる ” って こと で ひとこと||いう||せかい||ふつう||||

では こいつ の 考える ― |||かんがえる

“ 普通で は ない こと ” って の は 何かと いう と ふつうで|||||||なにかと||

これ は また スーパー ナチュラルであって |||すーぱー|なちゅらるであって

要するに ようするに

“ あたし の 目の前 に 幽霊 の 一 つ も 現れ ない と は 何事 か ” ||めのまえ||ゆうれい||ひと|||あらわれ||||なにごと|

… など と 考えて いやがる のだった ||かんがえて||

重要な 話 が ある んだ が 聞いて くれ じゅうような|はなし|||||きいて|

何 よ ? なん|

お前 は 宇宙 人 か 未来 人 か ― おまえ||うちゅう|じん||みらい|じん|

超 能力 を 使う ような ヤツ が いて ほしい んだ よ な ? ちょう|のうりょく||つかう||やつ||||||

そう だ けど それ が どうした の よ ?

実は 宇宙 人 も 未来 人 も 超 能力 者 も じつは|うちゅう|じん||みらい|じん||ちょう|のうりょく|もの|

思い も 寄ら ぬ 身近に いる んだ よ おもい||よら||みぢかに|||

へえ どこ の 誰 ? |||だれ

まさか と は 思う けど |||おもう|

有希 や み くる ちゃん や 古泉 君 の こと じゃ ない でしょう ね ? ゆうき||||||こいずみ|きみ||||||

それ じゃあ ちっとも “ 思い も 寄ら ぬ ” じゃ ない もの |||おもい||よら||||

ええ 実は … |じつは

そう 言おう と 思って た んだ けど な |いおう||おもって||||

は あ ?  あんた バカじゃ ない の ? |||ばかじゃ||

そんな 都合 の いい 話 が |つごう|||はなし|

ある わけない じゃ ない の !

( キョン ) まあ 普通に 考えたら そうだ よ な ||ふつうに|かんがえたら|そう だ||

( ハルヒ ) それ で 誰 が どんな だって ? |||だれ|||

( キョン ) 聞いて 喜べ |きいて|よろこべ

あの 長門 有希 は 宇宙 人 だ |ながと|ゆうき||うちゅう|じん|

統合 なんとか 思 念 体 だった かな ? とうごう||おも|ねん|からだ||

そんな 感じ の 存在 の 手先 だ   そう ! |かんじ||そんざい||てさき||

ヒューマノイド ・ インターフェース だった

それ だ よ !

( ハルヒ ) ふ ~ ん   で … み くる ちゃん は ?

( キョン ) 朝比奈 さん は だ な 割と 簡単だ |あさひな|||||わりと|かんたんだ

あの 人 は 未来 人 だ |じん||みらい|じん|

未来 から 来て る んだ から 未来 人 で 合って る だ ろ ? みらい||きて||||みらい|じん||あって|||

( ハルヒ ) 何 年 後 から 来た の よ ? |なん|とし|あと||きた||

( キョン ) それ は 知ら ん |||しら|

教えて くれ なかった んで な おしえて||||

は は ~ ん   分かった わ |||わかった|

分かって くれた か わかって||

と いう こと は 古泉 君 は 超 能力 者 な の ね ? ||||こいずみ|きみ||ちょう|のうりょく|もの|||

そう 言う つもりな んでしょ ? |いう||

そう !  まさしく そう 言う つもりだった ! |||いう|

うん うん

うん うん

( ハルヒ ) フッ ( キョン ) フッ

ふざけ ん な !

( キョン ) この アホ 女 は |||おんな|

どうして 変な 部分 で 常識 的な んだ ? |へんな|ぶぶん||じょうしき|てきな|

すんなり 信じて おけば 今 より 物事 が |しんじて||いま||ものごと|

簡単に なって いる だろう に かんたんに||||

( 店員 ) あ … ありがとう ございました てんいん|||

( キョン ) もっとも

ハルヒ が 全て の 現象 を 自覚 して しまえば ||すべて||げんしょう||じかく||

この 世界 全体 が どう なる か |せかい|ぜんたい||||

知れた もの で は ない のだ が しれた||||||

やれやれ …